JPH0717965A - ベンゾピラン誘導体 - Google Patents

ベンゾピラン誘導体

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JPH0717965A
JPH0717965A JP8487694A JP8487694A JPH0717965A JP H0717965 A JPH0717965 A JP H0717965A JP 8487694 A JP8487694 A JP 8487694A JP 8487694 A JP8487694 A JP 8487694A JP H0717965 A JPH0717965 A JP H0717965A
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弘 古賀
Haruhiko Sato
晴彦 佐藤
Takenobu Ishizawa
武宣 石澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カリウムチャンネル作用活性を有し、安全性の
面でも優れたベンゾピラン誘導体を提供すること。 【構成】一般式 【化1】 (式中、R、XおよびYは以下の組合せのいずれかを示
す。) 【表1】 で表されるベンゾピラン誘導体及びその薬学上許容しう
る塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカリウムチャンネルオー
プナーとして強い血管拡張作用を有し、医薬として有用
なベンゾピラン誘導体及びその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一連のベンゾピラン誘導体が
種々の薬理作用を示すことは知られている。例えば特開
昭60−97974号、同61−47416号公報、同
63−165317号公報、同63−196581号公
報、同63−201182号公報、同63−30397
7号公報、同64−26578号公報、同64−380
87号公報、特開平2−129184号公報及びジャー
ナル・オブ・メディスィナル・ケミストリー(Jour
nal of Medicinal Chemistr
y)33巻6号,1529〜1541頁,1990年等
には、ベンゾピラン環の4位の炭素原子が窒素原子と直
接結合した様々なベンゾピラン誘導体が開示されてお
り、これらの化合物が抗高血圧作用を有し、心臓疾患等
の治療に使用されうることが記載されている。
【0003】またベンゾピラン環の4位の炭素原子が窒
素原子と直接結合していないベンゾピラン誘導体につい
ても、特開昭63−303977号公報、同64−38
087号公報、WO90/14346号公報、同92−
14439号公報、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリ
ック・ケミストリー(Journal of Hete
rocyclic Chemistry)11巻5号,
797〜802頁,1974年等に開示されている。
【0004】WO90/14346号公報及び同92/
14439号公報には、ベンゾピラン環の4位がアミド
基又はチオアミド基で置換された、本発明化合物の一部
をその範囲に含む一般式の化合物が開示されている。さ
らにWO92/14439号公報には、本発明化合物を
その範囲に含む一般式の化合物が開示されており、それ
らの化合物が発毛促進剤として有用である旨記載されて
いる。すなわち、該公報には一般式
【化2】 (式中、Xは=O,=S,=N−Z又は=CHNO
示し、ここでZは水素原子、低級アルキル基、アリール
基、水酸基、低級アルコキシ基、シアノ基、カルバモイ
ル基又はスルファモイル基を示す;Yは−NR
−OR10又は−SR11を、ここでR及びRは同
一又は異なって水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、
シアノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基
を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有してい
てもよい不飽和低級アルキル基、置換基を有していても
よいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリ
ール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を
示すか、又は一緒になって窒素原子とともに、置換基を
有していてもよい複素環を示し、R10及びR11は水
素原子、低級アルキル基又はアリール基を示す;R
水素原子、低級アルキル基又はアリール基を示すか、R
と直接結合して単結合を形成する;R及びRは同
一又は異なって水素原子もしくは水酸基を示すか、又は
一緒になって=Oを形成する;R及びRは、同一又
は異なって水素原子、置換基を有していてもよい低級ア
ルキル基を示すか、一緒になってポリメチレン基を示
す;R及びRは同一又は異なって水素原子、低級ア
ルキル基、低級ハロアルキル基、ハロゲン原子、低級ア
ルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、低級アル
キルスルホニル基又はアリールスルホニル基を示すか、
又は一緒になって=N−O−N=を示す)で表される本
発明化合物を包含する化合物が開示されている。しかし
ながら、該公報には本発明化合物の構造及び名称も具体
的に記載されておらず、また本発明化合物がカリウムチ
ャンンネルオープナーとして予期できない顕著な効果を
示すことも何ら示唆されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の化合物のうち、
クロマカリムはカリウムチャンネルに作用する新しい種
類の降圧剤として開発中であるものの、その活性はまだ
充分ではない。またそれ以外の化合物についても、クロ
マカリムを上回る活性を持つものもあるが、肺等の器官
への障害を示したり、変異現性を示すなど安全性の面で
問題のあるものが多かった。
【0006】本発明者等はクロマカリムを始め、従来の
類似化合物よりも優れたカリウムチャンネル作用活性を
有し、かつ安全性の面でも問題の少ない化合物に関し
て、鋭意研究を重ねた結果、本発明化合物が従来の問題
点を解決して医薬として優れた効果を示すことを見出
し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明化合物は、一般式
【化3】 (式中、R、XおよびYは以下の組合せのいずれかを示
す。)
【表2】 で表されるベンゾピラン誘導体及びその薬学上許容しう
る塩である。
【0008】これらの本発明化合物は、文献に具体的に
記載されていない新規化合物であり、優れたカリウムチ
ャンネル作用活性を有し、抗高血圧剤等の医薬として有
用な化合物である。
【0009】本発明化合物は、例えば以下の様にして製
造することができる。一般式
【化4】 (式中、RおよびYは上記定義のとおりである)で表さ
れる化合物に、一般式
【化5】 (式中、Lはハロゲン原子、−OR、−S(O)
等の脱離基を示し、Xは前記と同一の意味を示す)で
表される化合物を塩基の存在下、不活性溶媒中で反応さ
せ、次いで還元、脱水反応を行うことによって得られ
る。
【0010】ここで用いられる塩基としては、例えば水
素化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムア
ルコキシド、アルキルリチウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム等が
挙げられる。
【0011】また、本発明化合物は、前記式(III)で
表される化合物に、一般式(IV)の化合物の代わりに一
般式
【化6】 (式中Xは前記と同一の意味を示す)で表される化合物
を反応させ、次いで同様の処理を行うことによっても得
ることができる。
【0012】また、一般式
【化7】 (式中、RおよびXは前記と同一の意味を示す)で表さ
れる化合物と、不活性溶媒中、2−シアノエチルアミン
を適当な縮合剤を用いて反応させることによって得られ
る一般式
【化8】 (式中、RおよびYは前記と同一の意味を示す)で表さ
れる化合物を、ローソン試薬又は五硫化リンと反応させ
ることによってXが硫黄原子である本発明化合物を得る
こともできる。
【0013】ここで用いられる縮合剤としては、例えば
カルボニルジイミダゾール、トリフェニルホスフィンと
2,2’−ジピリジルジスルフィドなどのアミド化試薬
などが挙げられる。
【0014】本発明化合物はクロマカリムを始めとする
従来のベンゾピラン系化合物と同等以上の優れたカリウ
ムチャンネル活性作用を示し、平滑筋弛緩剤すなわち、
抗喘息剤、抗高血圧剤、抗狭心症剤、尿失禁治療剤など
のカリウムチャンネルオープナーの活性成分として使用
しうる。
【0015】また、本発明化合物は、医薬品において重
要な要因となる安全性の面でも、従来化合物に見られた
肺障害等の器官への障害や変異原性も示さない安全性の
高い薬剤である。
【0016】本発明化合物の投与量は、疾患の種類や重
度、患者に依存するが、一般に約0.0001〜1mg
/kg/日の範囲内であり、好ましくは、0.001〜
0.1mg/kg/日である。また投与経路は、経口投
与、非経口投与、局所投与など必要に応じて選択するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明化合物の製造について、実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの
例によって何ら制限されるものではない。
【0018】実施例1 N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチル
−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カ
ルボアミド(化合物1)の合成
【0019】6−ペンタフルオロエチル−3,4−ジヒ
ドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3
−オン2.6g及びジメチルホルムアミド28mlの混
合物を−5℃で攪拌下、第三級ブトキシカリウム1.1
g、2−シアノエチルイソチオシアネート2gのジメチ
ルホルムアミド溶液2mlを順次加え、5℃で15時間
攪拌する。2N塩酸を加え、エーテルで抽出する。有機
層を水洗乾燥後、溶媒を留去して得た残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィ(展開液,ヘキサン:塩化メチ
レン=1:2)で精製すると、N−(2−シアノエチ
ル)−6−ペンタフルオロエチル−3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カル
ボアミドを2.6g得た。得られたN−(2−シアノエ
チル)−6−ペンタフルオロエチル−3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カル
ボアミド2.6g、酢酸15ml及びテトラヒドロフラ
ン45mlの混合物を氷冷攪拌下、水素化シアノホウ素
ナトリウム2.1gを加え、室温で13時間攪拌した。
混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和重曹水及び
水で洗浄乾燥後、溶媒を留去すると、N−(2−シアノ
エチル)−6−ペンタフルオロエチル−3,4−ジヒド
ロ−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベ
ンゾピラン−4−カルボアミドを2.6gを得た。次い
でこれにピリジン90ml及びトシルクロライド3.4
gを加え、1時間加熱還流した。減圧下濃縮後、水、濃
塩酸を加え、塩化メチレンで抽出する。有機層を水洗乾
燥後、溶媒を留去して得た残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ(展開液,ヘキサン:酢酸エチル=1:
1)で精製すると、融点163−164℃のN−(2−
シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチル−2,2−
ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミド
460mgを得た。
【0020】NMR(CDCl,δ):1.49(6
H,s),2.71(2H,t),3.64(2H,
q),6.04(1H,s),6.20−6.52(1
H,m),6.85(1H,d),7.36(1H,d
d),7.74(1H,d) MSm/z:374(M
【0021】実施例2 N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチル
−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カ
ルボチオアミド(化合物2)の合成
【0022】実施例1に従って得られたN−(2−シア
ノエチル)−6−ペンタフルオロエチル−2,2−ジメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミド21
0mg及びベンゼン20mlの混合物にローソン試薬2
27mgを加え、1時間加熱還流した。混合物を減圧下
濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ(展開液:塩化メチレン)で精製すると、融点12
4−125℃のN−(2−シアノエチル)−6−ペンタ
フルオロエチル−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾ
ピラン−4−カルボチオアミド180mgを得た。
【0023】NMR(CDCl,δ):1.48(6
H,s),2.84(2H,t),3.96(2H,
q),5.83(1H,s),6.83(1H,d),
7.32(1H,dd),7.53(1H,d),7.
79−8.21(1H,m) MSm/z:390(M
【0024】実施例3 N−(2−シアノエチル)−2,2−ビスフルオロメチ
ル−6−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン
−4−カルボチオアミド(化合物3)の合成
【0025】(1)2,2−ビスフルオロメチル−3,
4−ジヒドロ−6−ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−
4−オン4.05g及び乾燥ベンゼン10mlの混合物
に氷冷下で攪拌しながらトリメチルシリルシアニド2.
52ml及びヨウ化亜鉛0.82gを加え室温で12時
間攪拌した。さらにピリジン8ml及びオキシ塩化リン
4.41mlを加え、6時間加熱還留した。反応混合物
に氷水を加え塩酸酸性にして塩化メチレンで抽出した。
有機層を水洗乾燥後、減圧下濃縮して得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒,塩化メチ
レン:ヘキサン=7:3)に付し、融点136−137
℃の2,2−ビスフルオロメチル−6−ニトロ−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボニトリル0.99gを得
た。
【0026】H−NMR(CDCl,δ):4.5
9(4H,d),6.53(1H,s),7.03(1
H,d),8.10−8.40(2H,m) MS:266(M
【0027】(2)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボニトリル
0.93g、酢酸20ml、水10ml及び硫酸10m
lの混合物を4.5時間加熱還流した。反応混合物を氷
水に注ぎ、析出した結晶を濾取し、融点171−172
℃の2,2−ビスフルオロメチル−6−ニトロ−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボン酸0.83gを得た。
【0028】 IR(KBr)cm−1=1698(C=O) MS:285(M
【0029】(3)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸4
1.7g、硫酸20ml及びエチルアルコール300m
lの混合物を6時間加熱還流した。反応混合物を氷水に
注ぎ、析出した結晶を濾取し、融点96−98℃の2,
2−ビスフルオロメチル−6−ニトロ−2H−1−ベン
ゾピラン−4−カルボン酸エチルエステル42.7gを
得た。
【0030】H−NMR(CDCl,δ):1.4
2(3H,t),4.38(2H,q),4.58(4
H,d),6.69(1H,s),6.94(1H,
d),8.07(1H,dd),8.92(1H,d) MS:313(M
【0031】(4)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ニトロ−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチ
ルエステル42.0g、塩化第一スズ88g及びエチル
アルコール500mlの混合物を2時間加熱還流した。
反応混合物に2規定水酸化ナトリウム水溶液を加え酢酸
エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後硫酸
ナトリウムにて乾燥し、減圧下濃縮することにより6−
アミノ−2,2−ビスフルオロメチル−2H−1−ベン
ゾピラン−4−カルボン酸エチルエステル5.2gを油
状物として得た。
【0032】H−NMR(CDCl,δ):1.3
1(3H,t),3.0−4.0(2H,m),4.3
6(2H,q),4.55(4H,d),6.2−6.
9(3H,m),7.26(1H,d) MS:283(M
【0033】(5)6−アミノ−2,2−ビスフルオロ
メチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチ
ルエステル4.0g、硫酸1.66g及び水40mlの
混合物に氷冷下、亜硝酸ナトリウム1.09g、塩化メ
チレン10ml及び水10mlの混合物を加え、10分
間氷冷下攪拌した。さらに反応混合物にヨウ化カリウム
2.85g及び水5mlの混合物を加え、室温下1.5
時間攪拌した。反応混合液に水を加え、塩化メチレンに
て抽出した。有機層を20%亜硫酸ナトリウム水溶液及
び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥し、減
圧下濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(溶出溶媒,酢酸エチル:ヘキサン=1:1)に
付し、融点89−90℃の2,2−ビスフルオロメチル
−6−ヨウド−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン
酸エチルエステル3.67gを得た。
【0034】H−NMR(CDCl,δ):1.3
9(3H,t),4.33(2H,q),4.58(4
H,d),6.60(1H,s),6.67(1H,
d),7.02(1H,dd),8.30(1H,d) MS:394(M
【0035】(6)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ヨウド−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチ
ルエステル1.00g、トリフルオロ酢酸カリウム0.
84g、ヨウ化第一銅1.18g、トルエン4ml及び
N,N−ジメチルホルムアミド10mlの混合物を窒素
ガス雰囲気下、トルエンを除きながら5.5時間150
℃にて加熱攪拌した。反応混合物に2規定塩酸及び酢酸
エチルの混合液を加えセライトを用いて不溶物を濾別し
た。濾液より有機層を分取し、水層は酢酸エチルにて抽
出した。得られた有機層を合わせて飽和食塩水にて洗浄
し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶
媒,酢酸エチル:ヘキサン=10:1)に付し、2,2
−ビスフルオロメチル−6−トリフルオロメチル−2H
−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチルエステル
0.51gを油状物として得た。
【0036】H−NMR(CDCl,δ):1.3
6(3H,t),4.31(2H,q),4.53(4
H,d),6.63(1H,s),6.94(1H,
d),7.47(1H,dd),8.31(1H,d) MS:336(M
【0037】(7)2,2−ビスフルオロメチル−6−
トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カ
ルボン酸エチルエステル0.51g、水酸化カリウム
0.13g及びエチルアルコール10mlの混合物を室
温下、2時間攪拌した。反応混合物に氷水及び塩酸を加
え、析出した結晶を濾取することにより、融点162−
163℃の2,2−ビスフルオロメチル−6−トリフル
オロメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸
0.43gを得た。
【0038】H−NMR(CDCl,δ):4.6
0(4H,d),6.69(1H,s),7.00(1
H,d),7.45(1H,dd),8.30(1H,
d) MS:308(M
【0039】(8)2,2−ビスフルオロメチル−6−
トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−カ
ルボン酸0.20g、N,N−カルボニルジイミダゾー
ル0.12g及びテトラヒドロフラン3mlの混合物を
室温下1時間攪拌した。反応混合物に2−シアノエチル
アミン0.06gを加え、さらに室温下14時間攪拌し
た。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒,酢酸エチル:
ヘキサン=1:1)に付し、融点135−136℃のN
−(2−シアノエチル)−2,2−ビスフルオロメチル
−6−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−
4−カルボアミド0.20gを得た。
【0040】H−NMR(CDCl,δ):2.7
0(2H,t),3.63(2H,q),4.57(4
H,d),6.08(1H,s),6.5−7.3(1
H,m),6.98(1H,d),7.50(1H,d
d),7.84(1H,d) MS:360(M
【0041】(9)N−(2−シアノエチル)−2,2
−ビスフルオロメチル−6−トリフルオロメチル−2H
−1−ベンゾピラン−4−カルボアミド92mg、ロー
ソン試薬60mg及びベンゼン2mlの混合物を80℃
にて1時間加熱攪拌した。反応混合物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ(溶出溶媒:塩化メチレン)に付
し、融点105−106℃のN−(2−シアノエチル)
−2,2−ビスフルオロメチル−6−トリフルオロメチ
ル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボチオアミド5
0mgを得た。
【0042】H−NMR(CDCl,δ):2.8
9(t,2H),4.03(q,2H),4.60
(d,4H),5.87(s,1H),7.02(d,
1H),7.51(dd,1H),7.82(d,1
H),8.10−8.70(brs,1H) MS:376(M
【0043】実施例4 N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチル
−2,2−ビスフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラ
ン−4−カルボチオアミド(化合物4)の合成
【0044】(1)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ヨウド−2H−1−ベンゾピランー4−カルボン酸エチ
ルエステル、ペンタフルオロプロピオン酸カリウム、ヨ
ウ化第一銅、トルエン及びN,N−ジメチルホルミアミ
ドを用いて実施例3(6)と同様の方法により、6−ペ
ンタフルオロエチル−2,2−ビスフルオロメチル−2
H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチルエステル
を油状物として得た。
【0045】H−NMR(CDCl,δ):1.4
0(3H,t),4.38(2H,q),4.60(4
H,d),6.69(1H,s),7.00(1H,
d),7.45(1H,dd),8.30(1H,d) MS:386(M
【0046】(2)6−ペンタフルオロエチル−2,2
−ビスフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−
カルボン酸エチルエステルを用いて、実施例3(7)と
同様の方法により、融点173−174℃の6−ペンタ
フルオロエチル−2,2−ビスフルオロメチル−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボン酸を得た。
【0047】H−NMR(CDCl,δ):4.6
0(2H,d),6.69(1H,s),7.00(1
H,d),7.45(1H,dd),8.30(1H,
d) MS:358(M
【0048】(3)6−ペンタフルオロエチル−2,2
−ビスフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−4−
カルボン酸を用いて実施例3(8)と同様の方法によ
り、融点144−145℃のN−(2−シアノエチル)
−6−ペンタフルオロエチル−2,2−ビスフルオロメ
チル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミドを得
た。
【0049】H−NMR(CDCl,δ):2.7
2(2H,t),3.65(2H,q),4.60(4
H,d),6.09(1H,s),6.5−7.3(1
H,m),7.02(1H,d),7.52(1H,d
d),7.83(1H,d) MS:410(M
【0050】(4)N−(2−シアノエチル)−6−ペ
ンタフルオロエチル−2,2−ビスフルオロメチル−2
H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミドを用いて実施
例3(9)と同様の方法により、融点108−109℃
のN−(2−シアノエチル)−6−ペンタフルオロエチ
ル−2,2−ビスフルオロメチル−2H−1−ベンゾピ
ラン−4−カルボチオアミドを得た。
【0051】H−NMR(CDCl,δ):2.8
9(2H,t),4.04(2H,q),4.57(4
H,d),5.84(1H,s),7.00(1H、
d),7.46(1H,dd),7.64(1H,
d),7.90−8.40(brs,1H) MS:426(M
【0052】実施例5 N−(2−シアノエチル)−2,2−ビスフルオロメチ
ル−6−ヘプタフルオロプロピル−2H−1−ベンゾピ
ラン−4−カルボチオアミド(化合物5)の合成
【0053】(1)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ヨウド−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチ
ルエステル、ヘプタフルオロ酪酸カリウム、ヨウ化第一
銅、トルエン及びN,N−ジメチルホルミアミドを用い
て実施例3(6)と同様の方法により、2,2−ビスフ
ルオロメチル−6−ヘプタフルオロプロピル−2H−1
−ベンゾピラン−4−カルボン酸エチルエステルを油状
物として得た。
【0054】H−NMR(CDCl,δ):1.3
6(3H,t),4.32(2H,q),4.57(4
H,d),6.69(1H,s),7.02(1H,
d),7.46(1H,dd),8.29(1H,d) MS:436(M
【0055】(2)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ヘプタフルオロプロピル−2H−1−ベンゾピラン−4
−カルボン酸エチルエステルを用いて、実施例3(7)
と同様の方法により、融点162−163℃の2,2−
ビスフルオロメチル−6−ヘプタフルオロプロピル−2
H−1−ベンゾピラン−4−カルボン酸を得た。
【0056】H−NMR(CDCl,δ):4.6
0(4H,d),6.69(1H,s),7.00(1
H,d),7.45(1H,dd),8.30(1H,
d) MS:408(M
【0057】(3)2,2−ビスフルオロメチル−6−
ヘプタフルオロプロピル−2H−1−ベンゾピラン−4
−カルボン酸を用いて実施例3(8)と同様の方法によ
り、融点135−136℃のN−(2−シアノエチル)
−2,2−ビスフルオロメチル−6−ヘプタフルオロプ
ロピル−2H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミドを
得た。
【0058】H−NMR(CDCl,δ):2.7
0(2H,t),3.62(2H,q),4.58(4
H,d),6.05(1H,s),6.5−7.3(1
H,m),6.98(1H,d),7.43(1H,d
d),7.78(1H,d) MS:460(M
【0059】(4)N−(2−シアノエチル)−2,2
−ビスフルオロメチル−6−ヘプタフルオロプロピル−
2H−1−ベンゾピラン−4−カルボアミドを用いて実
施例3(9)と同様の方法により、融点94−95℃の
N−(2−シアノエチル)−2,2−ビスフルオロメチ
ル−6−ヘプタフルオロプロピル−2H−1−ベンゾピ
ラン−4−カルボチオアミドを得た。
【0060】H−NMR(CDCl,δ):2.8
5(2H,t),3.95(2H,q),4.51(4
H,d),5.78(1H,s),6.92(1H、
d),7.47(1H,dd),7.56(1H,
d),7.90−8.40(brs,1H) MS:476(M
【0061】試験例1 摘出ラット大動脈を用いた試験 雄性Sprague Dawleyラット(450−6
00g)から胸部大動脈を取出し、2mm幅の輪状標本
とした。この標本をKrebs−Henseleit溶
液を含む10mlのオルガンバス中に2gの張力下で懸
垂させ、95%酸素、5%二酸化炭素ガスを通気させ
た。標本の収縮反応をFDピックアップにて等尺性に記
録した。1−1.5時間の平衡化の後、組織を収縮させ
るため30mM塩化カリウムを添加し、塩化カリウムに
よる持続的な収縮を弛緩させる試験化合物の活性として
50%抑制濃度(IC50)を求めた。比較化合物とし
てはWO92/02514号公報に記載のN−(2−シ
アノエチル)−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−
1−ベンゾピラン−4−カルボアミド(化合物A)及び
WO92/14439号公報記載の6−トリフルオロメ
チル−N−メチル−2,2−ジメチル−2H−1−ベン
ゾピラン−4−カルボチオアミド(化合物B)を用い
た。結果を以下の表に示す。
【表3】
【0062】試験例2 摘出ラット大動脈を用いた試験法 雄性Sprague dawleyラット(450−6
00g)から胸部大動脈を取出し、2mm幅の輪状標本
とした。この標本をKrebs−Henseleit溶
液を含む2mlのオルガンバス中に2gの張力下で懸垂
させ、95%酸素、5%二酸化炭素ガスを通気させた。
標本の収縮反応をFDピックアップにて等尺性に記録し
た。1−1.5時間の平衡化の後、組織を収縮させるた
め30mM塩化カリウムを添加し、塩化カリウムによる
持続的な収縮を弛緩させる化合物の活性を化合物の最大
弛緩作用に対しての50%抑制濃度(EC50)を求め
ることにより評価した。結果を以下の表に示す。
【表4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R、XおよびYは以下の組合せのいずれかを示
    す。) 【表1】 で表されるベンゾピラン誘導体及びその薬学上許容しう
    る塩。
  2. 【請求項2】N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフ
    ルオロエチル−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピ
    ラン−4−カルボアミド。
  3. 【請求項3】N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフ
    ルオロエチル−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピ
    ラン−4−カルボチオアミド。
  4. 【請求項4】N−(2−シアノエチル)−2,2−ビス
    フルオロメチル−6−トリフルオロメチル−2H−1−
    ベンゾピラン−4−カルボチオアミド。
  5. 【請求項5】N−(2−シアノエチル)−6−ペンタフ
    ルオロエチル−2,2−ビスフルオロメチル−2H−1
    −ベンゾピラン−4−カルボチオアミド。
  6. 【請求項6】N−(2−シアノエチル)−2,2−ビス
    フルオロメチル−6−ヘプタフルオロプロピル−2H−
    1−ベンゾピラン−4−カルボチオアミド。
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