JPH0717950B2 - 機械構造用鋼管の製造方法 - Google Patents

機械構造用鋼管の製造方法

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JPH0717950B2
JPH0717950B2 JP27568588A JP27568588A JPH0717950B2 JP H0717950 B2 JPH0717950 B2 JP H0717950B2 JP 27568588 A JP27568588 A JP 27568588A JP 27568588 A JP27568588 A JP 27568588A JP H0717950 B2 JPH0717950 B2 JP H0717950B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は鋼管を伸管して製造する機械構造用鋼管特に自
動二輪車フロントフォークインナーチューブ用鋼管の製
造方法に関する。
[従来の技術] 一般に自動車や自動二輪車などに使われる機械構造用鋼
管については規格によって定められた所定の化学成分の
素材を用いるが、自動二輪車フロントフォークインナー
チューブ(以下インナーチューブという)用鋼管の場合
にはSAE1536などの規格の電縫管を冷牽法により伸管し
て製造するのが一般的であり、通常第3図の工程で製造
される。
冷牽は熱処理された素材鋼管を酸洗し、次いで潤滑処理
として化成皮膜処理を施し、ダイス及びプラグを用いて
伸管する方法である。
冷牽法によって製造することの利点は素材鋼管よりも高
強度の製品が得られること、および表面性状が向上する
こと、具体的には、表面粗さが平滑になることの二つで
あると言える。
インナーチューブは冷牽して製造されたインナーチュー
ブ用鋼管を所定の長さに切断しクロムメッキなどの表面
処理を施して製造される。
インナーチューブ用鋼管に要求される特性はまず第一に
曲げ疲労強度が高いことである。これは自動二輪車の走
行時、発進時あるいは停止時に運転者および同乗者の体
重が曲げ荷重として作用し疲労破壊する場合があること
による。
第二には靱性すなわち衝撃値が高いことであり、これは
疲労破壊が発生した場合、自動二輪者の停止時などに運
転者および同乗車の体重が曲げ荷重として衝撃的に作用
しても一気に破断しないためである。
第三には表面粗さが平滑なことであり、インナーチュー
ブ内に組み込まれるオイルシールの摩耗を軽減するため
である。
[発明が解決しようとする課題] 近年、自動二輪車は街路走行用のみならず、郊外走行用
すなわちモトクロス用などインナーチューブにとって使
用環境が苛酷な製品が多くなっており、これに伴ってイ
ンナーチューブに対する品質要求も高度なものとなって
きていいる。
例えば、疲労強度は応力振幅23kgf/mm2で繰返し回数85
万回が繰返し回数100万回を要求されるようになってい
るが、衝撃値については高強度化するにもかかわらず−
20℃で3kgf・m/cm2以上と従来と変わらない値が要求さ
れている。また、内表面粗さの要求値は中心線平均粗さ
で1.6μm以下であったものが0.5μm以下と格段に厳し
くなってきており、従来の製造方法ではとても対応でき
なくなっている。
本発明は疲労強度が高く、かつ、靱性および表面性状の
優れたインナーチューブ用鋼管の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は 電縫鋼管を冷牽法により伸管し、次いで曲がり矯正
した後410〜450℃で熱処理することを特徴とする機械構
造用鋼管の製造方法。
鋼の化学成分中Siの値を0.10%以下に制限して製造
されたスラブを、1100〜1200℃に加熱し圧延して熱延コ
イルとし、次いで該熱延コイルを素材として製造された
電縫鋼管を冷牽法により伸管し、曲がり矯正した後410
〜450℃で熱処理することを特徴とする機械構造用鋼管
の製造方法である。
以下図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
冷間加工を受けた鋼の疲労強度を上げる方法としては金
属熱処理技術便覧に記載されているように300〜375℃で
のブルーイングが有効であることは知られている。そこ
で、第4図に示すように冷牽後370℃のブルーイングを
行なう工程でインナーチューブ用鋼管を製造して特性を
調査したところ、疲労強度の向上は認められなかった。
そこで第4図の工程で製造したインナーチューブ用鋼管
の引張試験を行ないその歪−荷重曲線を観察すると、第
5図(第5図(イ)は第3図の工程、第5図(ロ)は第
4図の工程)に示すように冷牽ままのインナーチューブ
用鋼管の歪−荷重曲線とほとんど同一であり、このため
疲労強度の向上が見られなかったものと考えられた。こ
の歪−荷重曲線がブルーイングの有無で変化しないこと
の原因としてブルーイング後の矯正が影響しているので
はないかと考え、第6図に示すようにブルーイングと矯
正を入れ替える工程でインナーチューブ用鋼管を製造し
その特性を評価した。第6図の工程で製造したインナー
チューブ用鋼管の歪−荷重曲線は第7図に示すように弾
性限が著しく向上しており、疲労強度は満足すべき結果
が得られた。
ところが、第6図の工程で製造したインナーチューブ用
鋼管の衝撃値は冷牽ままのインナーチューブ用鋼管の値
に比べ低下が著しく−20℃で3kgf・m/cm2を満足しな
く、このままの特性ではインナーチューブとして使用に
耐え得ないものであった。
そこで実験室の電気炉で冷牽後の熱処理の温度を375〜5
00℃の範囲で変えて衝撃試験を行ない第8図の結果を得
た。これによると衝撃値は高温側で高く熱処理温度400
℃での要求値の下限付近であった。次いでこの400℃以
上の温度範囲について疲労試験を行なったところ、第9
図に示すように応力振幅23kgf/mm2で繰返し回数100万回
を満足する温度範囲は450℃以下であり、475℃以上では
満足しないことが判った。この結果から安定して必要な
特性が得られる熱処理温度範囲は410〜450℃であること
がわかった。従って、電縫鋼管を冷牽法により伸管し、
次いで曲がり矯正した後410〜450℃で熱処理すれば、衝
撃値及び疲労強度とも十分な機械的特性が得られるもの
である。次にインナーチューブの内面粗さであるが、第
6図の工程で冷牽後ブルーイングに替えて熱処理温度43
0℃で製造したインナーチューブの疲労強度、衝撃値お
よび内面粗さを測定したところ、疲労強度および衝撃値
に問題はなかったものの、中心線平均粗さ(Ra)はRa=
0.7〜1.5μmであり要求値には遠く及ばなかった。走査
電子顕微鏡で管の内表面を観察すると、プラグと接触し
て平滑になった面とプラグと接触しなかった凹み面とが
観察され、この凹面が粗さ不良の原因になっていた。こ
の凹面の形成原因としては酸洗いでスケールを除去する
際にスケールの厚みのばらつきがあって、このスケール
の厚い部分が凹部となり冷牽時にプラグと接触すること
なく残ったものと考えられる。そこでスケールは酸化物
であるから酸化物形成元素のうち強度への影響の比較的
少ないSiの量と、スケール生成量に影響する熱延時のス
ラブの加熱温度を第1に示すように変えて熱延コイルを
製造し、第1図の工程でインナーチューブ用鋼管を製造
し内面粗さを測定した。
内面の粗さの測定結果は第2図に示す通りで、安定して
Raが0.5μm以下を満足する条件はSi量を極低くし、ス
ラブの加熱温度を下げたNo.6のみである。
[実施例] C=0.32%,Si=0.07%,Mn=1.33%,P=0.013%,S=0.0
05%の成分のスラブを1180℃に加熱圧延して熱延コイル
を製造した。これを素材として外径(φ)38.1×肉厚
(t)5.0の電縫管を造管し光輝炉にて880℃の焼準を行
なった。この電縫管を潤滑皮膜処理のために酸洗し、次
いで燐酸亜鉛および金属石鹸の潤滑皮膜処理を施し、冷
牽によってφ27.3×t4.15に伸管した。この後矯正機に
よって曲がり矯正を行ない、最期に430℃で熱処理して
インナーチューブ用鋼管を製造した。
このインナーチューブ用鋼管の疲労試験、衝撃試験およ
び表面粗さの測定を行なった。疲労強度は応力振幅23kg
f/mm2で繰返し回数118万回におよび、衝撃値は−20℃で
4.8kgf・m/cm2といずれも要求値を大幅に上回るもので
あり、さらに、表面粗さもRa=0.05〜0.35μmと良好で
あった。従って、特に表面粗さを低減するには、鋼の化
学成分中Siの値を0.10%以下に制限して製造されたスラ
ブを、1100〜1200℃に加熱し圧延して熱延コイルとし、
次いで該熱延コイルを素材として製造された電縫鋼管を
冷牽法により伸管すればよい。
[発明の作用] 本発明は電縫管を冷牽した後曲がり矯正し、これに410
〜450℃の熱処理を施すという工程を採ることにより、
衝撃値を低下させることなく疲労強度を大巾に向上さ
せ、また、酸化物形成元素のうち強度に与える影響の少
ないSiの量を低減し、併せて熱延のスラブの加熱温度を
低くくすることにより、熱延後および電縫管を冷牽の潤
滑処理時の酸洗による肌荒れを低減して表面性状の優れ
たインナーチューブ用鋼管が製造できる。
[発明の効果] 本発明によれば疲労強度が高く、かつ、靱性が優れ表面
性状の優れた自動二輪車フロントフォークインナーチュ
ーブ用鋼管が用意に製造でき、自動二輪車のオイルシー
ルなどの部品交換が長期間不要となり経済効果が大き
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の工程を示す図、第2図は表1の実験に
おける内面粗さの測定結果を示す図、第3図は従来の工
程を説明する図、第4図はブルーイングを追加した工程
を説明する図、第5図(イ),(ロ)は夫々第3図と第
4図の工程で製造したインナーチューブ用鋼管の引張試
験の歪−荷重曲線図、第6図は第4図のブルーイングと
矯正を入れ替えた工程を説明する図、第7図は第6図の
工程で製造したインナーチューブ用鋼管の引張試験の歪
−荷重曲線図、第8図は冷牽後の熱処理温度と衝撃値の
関係を示す図、第9図は熱処理温度と疲労試験における
繰返し回数の関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電縫鋼管を冷牽法により伸管し、次いで曲
    がり矯正した後410〜450℃で熱処理することを特徴とす
    る機械構造用鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】鋼の化学成分中Siの値を0.10%以下に制限
    して製造されたスラブを、1100〜1200℃に加熱し圧延し
    て熱延コイルとし、次いで該熱延コイルを素材として製
    造された電縫鋼管を冷牽法により伸管し、曲がり矯正し
    た後410〜450℃で熱処理することを特徴とする機械構造
    用鋼管の製造方法。
JP27568588A 1988-10-31 1988-10-31 機械構造用鋼管の製造方法 Expired - Lifetime JPH0717950B2 (ja)

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