JPH07179502A - 塩化ビニル系単量体の重合方法 - Google Patents

塩化ビニル系単量体の重合方法

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JPH07179502A
JPH07179502A JP34526693A JP34526693A JPH07179502A JP H07179502 A JPH07179502 A JP H07179502A JP 34526693 A JP34526693 A JP 34526693A JP 34526693 A JP34526693 A JP 34526693A JP H07179502 A JPH07179502 A JP H07179502A
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康弘 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【構成】この方法は、塩化ビニルの懸濁重合法であり、
熱交換器23を備えた外部循環ライン20が接続された重合
器1内で、塩化ビニル単量体と重合開始剤を含む水性懸
濁液を調製し、該水性懸濁液を加熱して重合を行い、重
合の進行にしたがって形成される重合体スラリーを、外
部循環ラインを循環させながら重合を続行する塩化ビニ
ル系単量体の重合方法において、重合体スラリーの循環
開始前に、外部循環ラインを予め加熱し、重合設定温度
に維持しておくことを特徴とする。 【効果】外部循環ラインが予め重合設定温度に温度調整
されているため、外部の熱交換器を有効に利用でき、重
合体スラリーの循環開始時の内温変動を防ぐことによ
り、温度制御性が向上し、得られる塩化ビニル系重合体
の品質低下も全くなく、生産性を向上させることが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系単量体の
懸濁重合法に関するものであり、特に熱交換器を備えた
外部循環ラインが接続された重合器を使用し、塩化ビニ
ルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物、重合開始剤及
び水性媒体を含む反応成分を重合器内に供給し、該反応
成分を加熱し且つ外部循環ラインを通して該反応成分を
循環させながら塩化ビニル系単量体の重合を行う方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系単量体の懸濁重合
は、ジャケットおよび還流コンデンサーを備えた重合器
中に、水、塩化ビニル系単量体、重合開始剤、分散剤お
よび必要に応じてその他の各種添加物を仕込み、ジャケ
ットおよび還流コンデンサーに冷却水を通して重合熱を
除去し、反応系を一定の温度に制御する方法によって実
施されてきた。
【0003】ところが近年の重合器の大型化に伴い重合
反応物に対する伝熱面積の割合が減少したため、従来の
重合器の除熱能力では十分に除熱を行なうことができ
ず、このため、 還流コンデンサーを大型にして除熱能力をアップす
る、 重合器のジャケットに通ずる冷却水を冷凍機に通して
一層強力に冷却する、等の対策が採られてきた。
【0004】しかし、の大型の還流コンデンサーを使
用するという対策では、重合反応物の泡立ちに伴うキャ
リーオーバーにより器内にスケールが付着し、総括伝熱
係数の低下による除熱能力の低下や製品中のフィシュア
イが増加する等の不利が生ずる。また重合率が低い時期
に還流コンデンサーを使用すると粒度が粗くなるため、
重合開始時点からは、還流コンデンサーを除熱手段とし
て使えないという制約を受ける。
【0005】さらにのジャケットの冷却水を冷凍機に
通すという対策は、コストがかかり過ぎて経済性に欠け
るだけでなく、重合度の高い塩化ビニル系単量体を製造
する場合には、重合温度と冷却水温度との温度差が大き
くとれないため重合時間の短縮には役立たないという問
題があった。
【0006】これらに代わる方法として、水性懸濁重合
反応混合物を重合器の外部に設置された熱交換器を通し
て循環する方法が提案されている(特開昭54−24991 号
公報、同56−47410 号公報、同58−32606 号公報、特公
昭64−11642 号公報、特開平4−13702 号公報)。これ
らの方法は、水性懸濁混合物と接触する伝熱面積を大き
くできるという点では極めて効率的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、外部の熱
交換器を通して反応混合物循環させる上記の方法では、
重合体スラリーの循環を開始すると同時に重合器内温度
が低下してしまい、このため、温度制御上の問題や得ら
れる重合体の品質の低下が生じる。従って、この方法を
実用化するには未だ問題がある。
【0008】例えば、水性懸濁重合反応混合物(以下、
「重合体スラリー」と呼ぶ)を外部の熱交換器に循環さ
せて除熱を行う場合、通常、循環配管内には水または水
性媒体が循環開始前の段階から予め充填されているた
め、重合体スラリーを循環させることで該スラリーの内
温低下が起きてしまう。この内温低下は、循環配管と該
配管内の水の温度と重合体スラリーとの温度差によるも
のが大きな原因となっており、その他に放熱量の増加も
考えられる。従って、重合体スラリーの温度(内温)は
循環配管と該配管内の水への熱移動の為、両者のバラン
スがとれる所まで低下してしまう。
【0009】このことでまず温度制御上の問題が生ず
る。つまり、塩化ビニルの重合においては、通常、ジャ
ケット、バッフル、コンデンサーにより反応熱の除熱を
行っているが、外部の熱交換器を用いての除熱を行う場
合には、上記の如くして循環開始時に必ず内温低下が起
きるのである。ジャケット、バッフル、コンデンサーは
内温の低下を見て加熱サイドに働き始めるが、冷却サイ
ド(冷却水)から加熱サイド(熱水)への置換にはある
程度の時間を要するため、どうしても内温低下が起きて
いるにもかかわらず冷却をする期間が生じる。さらにジ
ャケット、バッフル、コンデンサーにより、低下した内
温を設定重合温度へ上昇させ安定させることは難しく、
設定重合温度からのオーバーシュートまたはアンダーシ
ュート即ち内温の上下動(ハンチング現象)が起こり、
内温制御上好ましくないばかりでなく危険である。さら
にこの内温変動現象は、重合時間の延長を招き、生産性
のダウンは勿論のこと、重合バッチ間における品質のバ
ラツキも生じ、重合サイクルを乱す原因となる。
【0010】次に得られる重合体の品質を考えると、循
環開始時の内温変動の影響により、平均重合度の上昇、
嵩比重低下、粒度分布がフラットになる等の問題が生
じ、これらの問題を解決するために、設定重合温度を上
げたり、懸濁剤の増量等の対策を講じることが必要とな
る。しかも、これらの対策を施したとしても完全に解決
されるわけでもなく、外部の熱交換器を用いての重合を
行う上でこの内温変動は大きな問題となっていた。
【0011】従って本発明の課題は、外部に熱交換器を
備えた循環ラインが接続されている重合器を用いて懸濁
重合を行う塩化ビニル系単量体の重合方法において、重
合体スラリー(反応成分)を循環させることにより生じ
る内温変動が防止され、温度制御性と重合体品質の向上
を実現し、高い生産性で塩化ビニル系単量体の重合、即
ち塩化ビニル系重合体を製造することのできる方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、熱交換
器を備えた外部循環ラインが接続された重合器内で、塩
化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物の水性懸
濁液を加熱して重合を開始し、重合の進行にしたがって
形成される重合体スラリーを、外部循環ラインを循環さ
せながら重合を続行する塩化ビニル系単量体の重合方法
において、重合体スラリーの循環開始前に、外部循環ラ
インを予め加熱し、重合設定温度に維持しておくことを
特徴とする方法が提供される。
【0013】本発明においては、循環ライン中の温度を
設定重合温度に維持することで循環開始時の熱移動を完
全に防止される。従って、設定重合温度のまま重合が継
続できるので温度制御上の問題は全く起きない。
【0014】循環開始前の段階から行われる循環ライン
の加熱は、該ラインを構成する循環配管の表面にジャケ
ットを設け、該ジャケットに加熱媒体を流すことによっ
て行うことができる。また配管温度の制御は、TIC
(循環配管表面温度調節計)にて制御する方法が一般に
採られる。循環配管表面のジャケットに熱媒体を流す期
間としては、重合バッチスタートから重合体スラリーの
循環開始までの間ならいつでも良いが、熱媒体消費量を
考えると重合体スラリーの循環を開始する時点に近い方
が好ましい。
【0015】また上記の循環ラインにはバイパスを設
け、重合器を通さずに循環を行い得る構造とすることが
好ましい。これにより、例えば循環ラインに水または水
性媒体を注入し、重合器を通さないコースでこれらを循
環させ、外部の熱交換器を利用して循環配管の温度設定
を行うことが可能となる。
【0016】本発明を以下、添付図面に示す具体例に基
づいて説明する。図1は、本発明の重合方法を好適に実
施するための重合装置の全体を簡略して示す図である。
【0017】この重合装置において、重合器1には、上
部に原料仕込み配管5が設けられ、この配管5を通して
重合すべき塩化ビニル等の単量体や重合開始剤、水性媒
体、分散剤等が供給される。勿論、この配管5は1本に
限定されず、複数本の配管を設け、原料成分の種類毎に
異なる配管を用いて仕込みを行ってよい。また重合器1
は、従来周知の形式のものであり、例えば撹拌機(図示
せず)を備えている。即ち、上記配管5を通して重合器
1内に仕込まれた原料成分は、均一に攪拌・混合され、
塩化ビニル単量体を含む水性懸濁液が調製される。この
撹拌機としては、パドル、ファウドラー、ブルマージ
ン、プロペラ、タービン等の形式の撹拌翼のものが、必
要に応じて平板、円筒、ヘアピンコイル等のバッフルと
の組み合わせで用いられる。
【0018】また重合器1の外壁にはジャケット6が設
けられており、配管7を通して、加熱または冷却用の媒
体がジャケット6に供給され、重合器1内で調製された
水性懸濁液の加熱や冷却が行われる。
【0019】さらに重合器1の底部には、バルブ10を備
えた重合体スラリー排出用配管9が設けられており、該
配管9を介して重合により得られた重合体スラリーの排
出が行われる。排出された重合体スラリーは、スラリー
タンクに導入される。
【0020】本発明においては、上記の重合器1には、
全体として20で示される外部循環ラインが接続されてお
り、重合器1を通して循環ライン20内に水性懸濁液(重
合体スラリー)を循環させながら、重合が行われる。こ
の循環ライン20は、大まかに言って、循環配管21、及び
該配管21に設けられている循環ポンプ22、熱交換器23か
ら成っている。熱交換器23には、加熱または冷却用媒体
を供給するための配管24を備えており、これらの媒体を
供給することにより、循環ライン20を循環移動する重合
体スラリー等の加熱や冷却が行われる。
【0021】また循環配管21には、重合器1の底部側及
び上部側の近傍に、それぞれバルブ25及び26が設けられ
ており、これらのバルブの開放により、重合体スラリー
の循環が開始される。さらに、循環配管21には、バルブ
27を備えた水性媒体供給配管28、及びバルブ29を備えた
気抜き配管30が接続されていると共に、バルブ31及び32
を備えたバイパス33が接続されている。即ち、バルブ25
及び26を閉じ、バルブ31及び32を開放し、前記配管28か
ら水性媒体を供給することにより、重合器1を通ること
なくバイパス33を介して水性媒体が循環ライン20内を循
環する。従って、熱交換器23により、この水性媒体を加
熱することにより、重合体スラリーの循環開始前に循環
ライン20を重合設定温度に加熱保持しておくことができ
る。
【0022】また本発明においては、循環配管21にジャ
ケット40を設けることが好ましく、これによっても、循
環ライン20の加熱を行うことができる。このジャケット
40には、スチームコントロール弁等の制御弁41を備えた
熱媒体注入用配管42、及びバルブ43を備えた熱媒体排出
管44が設けられ、ジャケット40にスチーム等の熱媒体を
注入することにより、循環配管21を加熱することができ
る。即ち、ジャケット40を利用して循環配管21を重合設
定温度に加熱することもできるし、また上述した循環す
る水性媒体を熱交換器23により加熱することによって
も、或いは両者を適宜併用することによっても循環配管
21の加熱を行うことができる。温度制御は、例えば循環
配管21にTICを設け、測定された表面温度にしたがっ
て、スチーム等の熱媒体の供給を制御することによって
行うことができる。また、循環ライン20内に重合体スラ
リーを循環させている時には、前記のジャケット40に冷
媒体を流すことにより、除熱効率を高めることもでき
る。
【0023】上述した重合装置において、熱交換器23と
しては、多管式、コイル式、スパイラル式、あるいはト
ロンボンクーラー等一般に使用されているものが適用可
能であり、その加熱、冷却用の媒体には蒸気、冷却水、
ブラインなどが用いられる。循環ポンプ22としては、渦
巻ポンプ、ギアポンプ、ロータリーポンプ等、一般のポ
ンプが使用可能であるが、好ましくは低せん断タイプの
円錐ハブに螺施状の一枚羽根からなる羽根車を装着した
構造のポンプが良い。
【0024】また熱交換器23、循環配管21、循環ポンプ
22、その他バルブ等、反応混合物が接触する箇所は、伝
熱および耐食性の点から(18−8オーステナイト系、13
クロムフェライト系、マルテンサイト系、18クロムフェ
ライト系、高クロムフェライト系、二相系オーステナイ
ト・フェライト系などの)ステンレス鋼とするのが好ま
しい。これらの部分においては、従来公知のスケール防
止剤を塗布したり、これを水性懸濁混合物中に添加した
りしてもよい。またスケール付着防止のために、熱交換
器23および循環配管21の内部は水性懸濁液が滞留しない
構造または配置とすることが好ましい。
【0025】上記の重合装置を用いての塩化ビニル系単
量体の懸濁重合は、例えば以下の操作によって行われ
る。先ず重合器1内に塩化ビニル系単量体、水性媒体、
重合開始剤及び分散剤等の配合剤が供給され、水性懸濁
液が調製される。次いで、ジャケット6により、一定の
重合温度にまで水性懸濁液が加熱され、塩化ビニル系単
量体を含む水性懸濁液の昇温が開始される。
【0026】上記の昇温と同時に、循環配管21に温水が
注入され始める。その時の各バルブは、バルブ29、27、
31、32の順に開き、循環配管21に水が充填された後、バ
ルブ27、29が閉じられ、循環ポンプ22が稼働し、循環ラ
イン20内での単独循環が始まる。さらに循環配管表面ジ
ャケット40に熱媒体が流され、循環配管21の温度が重合
設定温度に保たれる。
【0027】一定の重合率に到達した時点で循環ポンプ
22が一時停止し、バルブ31、32が閉まる(即ち、バイパ
ス33が閉じられる)。次いで、バルブ25、26が開き、循
環ポンプ22が作動し、重合器1内に生成した重合体スラ
リーが循環ライン20を通して循環され、外部熱交換器23
による除熱が行われる。尚、この状態において、図中の
25、26以外のバルブは閉である。この時に循環ライン20
内を流れる重合体スラリー(水性懸濁液)の流速(線
速)を、0.7m/sec 以上とすることが特に好適である。
0.7m/sec 未満ではスケールの付着が加速される傾向が
ある。
【0028】そして重合が終了、つまり排ガスが終了す
ると同時に、バルブ25を閉じ、次いで循環ポンプ22を停
止し、バルブ26を閉じる。そしてバルブ10が開放されて
重合体スラリーのスラリータンクへの移送が行われ、1
バッチの重合プロセスが終了する。
【0029】本発明方法において使用される塩化ビニル
系単量体としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニル
を主体としこれと共重合可能な他のビニル系単量体との
混合物(通常、塩化ビニルが50重量%以上)が使用され
る。この塩化ビニルと共重合可能なビニル系単量体とし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、
1−トリデセン、1−テトラデセンなどのα−オレフィ
ン;アクリル酸、アクリル酸メチル、アルリル酸エチル
などのアクリル酸またはそのエステル;メタクリル酸、
メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸またはそのエス
テル;マレイン酸またはそのエステル;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;ラウリルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレ
ン;塩化ビニリデン等を例示することができる。
【0030】この重合に際して採用される他の重合条
件、例えば、水性媒体、塩化ビニル系単量体、重合開始
剤または分散助剤などの重合器への仕込み方法、仕込み
割合などは従来と同様に行えばよい。また重合設定温度
も従来と同様の範囲、例えば30〜80℃の範囲に設定さ
れ、重合体スラリーの循環開始のタイミングも従来通
り、重合率が0〜30%に到達した時点で行えばよい。
さらにこの重合系には、必要に応じて、塩化ビニル系の
重合に適宜使用される重合調整剤、連鎖移動剤、pH調整
剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、充て
ん剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤などを添加
することも任意である。
【0031】〔実施例1〕内容積 80m3 のステンレス鋼
製のジャケット付重合器1と、伝熱面積120m2 のシェル
アンドチューブ型多管式熱交換器23と、循環ポンプ22と
して450m3 /Hr ×35m のヒドロスタルポンプ(インバー
ターによる流量可変装置付き)とを、図1に示すようジ
ャケット40の設置された循環配管21(ジャケットの施さ
れている配管)に、バルブ等を介して接続した。
【0032】上記重合器1に、 脱イオン水 38トン 部分ケン化ポリビニルアルコール 12kg セルロースエーテル 5kg を水溶液にして投入した。重合器1内を50mmHgになるま
で脱気した後、 塩化ビニル単量体 28トン を仕込み、撹拌しながらさらに、 ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート 1
1.2kg ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド 11.2kg をポンプで圧入した。その後、重合器1に設けられてい
るジャケット6に熱水を通すことにより、重合設定温度
(55.8℃)までの昇温を開始した。
【0033】また仕込みから昇温までの操作と並行し
て、循環配管21の温度を重合設定温度(55.8℃)にする
操作を行った。その操作は、次の要領で行った。まず図
1におけるバルブ29、27を順に開き、循環配管21に水を
注入した。さらにバルブ31、32を開き、循環配管21に水
を充填させた後、バルブ27、29を閉じて循環ポンプ22を
稼働し、重合器1を通さずにバイパス33を通して水の循
環を開始した。そしてスチームコントロール弁41を介し
て循環配管21のジャケット40にスチームを流し、循環配
管内の温度を設定重合温度に維持した。
【0034】重合器1内の重合体スラリーの重合率が10
%に到達した時点で、循環ポンプ22を一時停止し、バル
ブ31、32を閉じてスチームを流す操作を終了した。その
後バルブ25、26を開き、再び循環ポンプ22を稼働し、重
合体スラリーの熱交換器23への循環を開始した。重合体
スラリーの循環を開始すると同時に熱交換器23に30℃の
冷却水を 80m3 /Hr の割合で供給し、重合器1内の温度
55.8℃に保って重合を続けた。なお重合体スラリーの循
環を開始することによる内温変動は全くなかった。
【0035】重合器1の内圧が6.5kg/cm2 G に低下した
時点で未反応単量体を回収し、重合体スラリーをスラリ
ータンクに移送した。さらに重合体スラリーを脱水乾燥
し得られた塩化ビニル重合体について嵩比重、粒度分
布、可塑剤吸収量、フィシュアイ及び平均重合度を下記
の方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0036】嵩比重:JIS K-6721にしたがって測定し
た。 粒度分布:JIS Z-8801に準じた#60 、#80 、#100、#15
0、#200の各篩を用いて篩分けし、通過量(重量%)を
計量した。 可塑剤吸収量:内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合金
製容器の底にグラスファイバーを詰め、試料樹脂10gを
採取して投入する。これにジオクチルフタレート(DOP)
16ccを加え、30分放置してDOP を樹脂に充分浸透させ
る。その後1500Gの加速度下に過剰のDOP を遠心分離
し、樹脂に吸収されたDOP の量を樹脂 100重量部当りの
値で求めた。 フィッシュアイ:塩化ビニル重合体 100重量部、フタル
酸ジオクチル50重量部、三塩基性硫酸鉛 0.5重量部、ス
テアリン酸鉛 1.5重量部、酸化チタン 0.1重量部および
カーボンブラック0.05重量部の処方から調製した混合物
25gを、混練用6インチロールによって 140℃で5分間
混練し、幅10mm、厚さ 0.2mmのシートを作成した。得ら
れたシートについて 100cm2 当りの透明粒子数を計数
し、これをフィッシュアイの数とした。 平均重合度:JIS K-6721にしたがって測定した。
【0037】〔実施例2〕実施例1において、バイパス
33を通して重合器1を通さずに循環ライン20内に水を循
環させる際、循環させている水の加熱を、スチームでは
なく熱交換器23に熱水を通して行い、循環配管21を重合
設定温度(55.8℃)とした他は、実施例1と同様の操作
を行ない、且つ同様の測定を行った。結果を表1に示
す。尚、重合体スラリー循環開始時の内温変動は全くな
かった。
【0038】〔比較例1〕実施例1において、バイパス
33を通して重合器1を通さずに循環ライン20内に水を循
環させる際、スチーム加熱による循環配管内の温度調整
は全く行わなかった他は、実施例1と同様の操作を行な
い、且つ同様の測定を行った。結果を表1に示す。尚、
循環開始と共に、重合器1の内温が2℃下がり、内温が
重合設定温度まで回復するのに30分要した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、外部の熱交換器を有効
に利用でき、重合体スラリーの循環開始時の内温変動を
防ぐことにより、温度制御性が向上し、得られる塩化ビ
ニル系重合体の品質低下も全くなく、生産性を向上させ
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を好適に実施するための重合装置の
全体構造を簡略して示す図。
【符号の説明】 1:重合器 20:循環ライン 21:循環配管 22:循環ポンプ 23:熱交換器 28:水性媒体供給管 33:バイパス 40:ジャケット 41:熱媒体注入管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器を備えた外部循環ラインが接続
    された重合器内で、塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む
    単量体混合物の水性懸濁液を加熱して重合を開始し、重
    合の進行にしたがって形成される重合体スラリーを、外
    部循環ラインを循環させながら重合を続行する塩化ビニ
    ル系単量体の重合方法において、 重合体スラリーの循環開始前に、外部循環ラインを予め
    加熱し、重合設定温度に維持しておくことを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 前記外部循環ラインの配管表面にはジャ
    ケットが設けられ、該ジャケットにより外部循環ライン
    の加熱が行われる請求項1に記載の重合方法。
  3. 【請求項3】 前記外部循環ラインには、重合器を通さ
    ずに循環を行い得るバイパスが設けられている請求項1
    に記載の重合方法。
  4. 【請求項4】 前記重合体スラリーの循環開始前に予め
    循環ライン中に水を入れ、重合器を通さずに水を循環さ
    せ、該水の加熱を行うことにより循環ラインの温度を重
    合設定温度に維持しておく請求項3に記載の重合方法。
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JP2009052770A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Tokuden Co Ltd 加熱冷却装置
CN108047365A (zh) * 2018-01-15 2018-05-18 阳泉煤业(集团)有限责任公司 一种pvc树脂聚合反应装置及其聚合反应工艺

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