JPH0717913B2 - 石炭の液化方法 - Google Patents

石炭の液化方法

Info

Publication number
JPH0717913B2
JPH0717913B2 JP63134859A JP13485988A JPH0717913B2 JP H0717913 B2 JPH0717913 B2 JP H0717913B2 JP 63134859 A JP63134859 A JP 63134859A JP 13485988 A JP13485988 A JP 13485988A JP H0717913 B2 JPH0717913 B2 JP H0717913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
solution
naphtha
treatment
preasphaltene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63134859A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01304182A (ja
Inventor
修 大隈
修一郎 隅田
龍夫 平野
薫 増田
信一 永江
憲幸 奥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Oil Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Idemitsu Kosan Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Cosmo Oil Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Idemitsu Kosan Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosmo Oil Co Ltd, Mitsubishi Chemical Corp, Idemitsu Kosan Co Ltd, Kobe Steel Ltd filed Critical Cosmo Oil Co Ltd
Priority to JP63134859A priority Critical patent/JPH0717913B2/ja
Priority to AU35260/89A priority patent/AU603299B2/en
Publication of JPH01304182A publication Critical patent/JPH01304182A/ja
Publication of JPH0717913B2 publication Critical patent/JPH0717913B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、石炭の液化方法に関し、詳細には褐炭等石炭
粉末を所謂2段水添法で水素添加してナフサ等の油分を
得る方法において、1次水添工程で得られる蒸留残渣を
有効に利用し、油分の回収率を高める石炭の液化方法に
関するものである。
(従来の技術) 従来の2段水添法による石炭液化方法は、原料石炭、触
媒及び溶剤を含む混合体を、先ず高温・高圧下で1次水
添し、得られた1次水添生成物を蒸留してナフサ、中質
油及び蒸留残渣に分離する。
そして、得られたナフサは粗製品として回収される。中
質油は、増加分を粗製品として回収した後、石炭液化プ
ロセスの溶剤として再使用され、一部は2次水添の原料
として混合使用される。
また、蒸留残渣は、溶剤による脱灰処理、2次水添及び
蒸留される工程、或いは、溶剤による脱灰脱瀝処理、2
次水添及び蒸留される工程のいづれかの工程に付され、
蒸留残渣からナフサ及び中質油が得られる。尚、ここで
得られた中質油は原料として用いた分を1次水添の溶剤
として再使用され、増加分は製品として回収される。
上記蒸留残渣の溶剤による脱灰処理とは、蒸留残渣に溶
剤を添加し、蒸留残渣中の重質液化物を溶解させた後、
灰分等の不溶物を沈降させ、不溶物が濃縮されたスラリ
(S1)と、重質油留分及び瀝分(プリアスファルテン)
が溶解した溶液(A1)とに分離するものであり、溶液
(A1)はそれより溶剤を分離した後、2次水添、蒸留さ
れる(以降、この脱灰処理工程を経る場合の方法を従来
法Aという)。尚、スラリ(S1)は、蒸留等の方法によ
り溶剤の分離・回収処理が行われる。
上記蒸留残渣の溶剤による脱灰脱瀝処理とは、蒸留残渣
に溶剤を添加し、蒸留残渣中の重質油留分を溶解させた
後、灰分等の不溶物及び瀝分(プリアスファルテン)を
沈降させ、不溶物及びプリアスファルテンが濃縮された
スラリ(S11)と、重質油留分が溶解した溶液(A11)と
に分離するものであり、溶液(A11)はそれより溶剤を
分離した後、2次水添、蒸留される(以降、この脱灰脱
瀝処理工程を経る場合の方法を従来法Bという)。尚、
スラリ(S11)は、蒸留等の方法により溶剤の分離・回
収処理が行われる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、従来法Aは、重質油留分及びプリアスファル
テンが溶解した溶液(A1)から溶剤分離されたものが2
次水添される。この2次水添の原料中には、多量のプリ
アスファルテンが含まれ、これは触媒を毒してその活性
を著しく低下させるものである。故に、従来法Aは、2
次水添用触媒が被毒され、その活性が著しく低下すると
いう問題点を有する。
一方、従来法Bは、不溶物及びプリアスファルテンが濃
縮されたスラリ(S11)と、重質油留分が溶解した溶液
(A11)とに分離され、溶液(A11)から溶剤分離された
ものが2次水添されるので、従来法Aのように2次水添
用触媒が被毒されるという問題点はない。しかし、不溶
物及びプリアスファルテンが濃縮されたスラリ(S11)
は石炭液化の系外へ排出される。このスラリ(S11)中
のプリアスファルテンは、水添されれば油分となり得る
ものである。故に、従来法Bは、油分の回収率が低下す
るという問題点を有する。
また、従来法Bは、前述の如く、脱灰脱瀝処理により不
溶物及びプリアスファルテンが濃縮されたスラリ(S1
1)が得られる。この脱灰脱瀝処理において、この処理
が高温下で行われるため、プリアスファルテンは、軟化
溶融状態で析出し、灰分等の不溶物と合体して著しく粘
調な付着性物質となる。この付着性物質は、温度が僅か
でも低下すると急激に粘度が増大し、最終的には固化す
る。故に、従来法Bは、脱灰脱瀝処理に使用される沈降
槽の底部、及びスラリ(S11)排出のための配管に付着
性物質が付着し、閉塞が生じ、石炭液化装置の正常な運
転ができなくなるという問題点を有する。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は従来のものがもつ以上のような問題点を
解消し、プリアスファルテンによる2次水添用触媒の被
毒、活性低下、及び、付着性物質の付着による配管等の
閉塞を生じることなく、プリアスファルテンを油分に転
換して油分の回収率を向上し得る石炭の液化方法を提供
しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明は次のような構成
の石炭の液化方法としている。
即ち、第1請求項記載の石炭の液化方法は、原料石炭、
触媒及び溶剤を含む混合体を、1次水添し、蒸留してナ
フサ、中質油及び蒸留残渣とに分離し、該蒸留残渣を溶
剤で脱灰処理して灰分等の不溶物を含むスラリ(S1)
と、重質油留分及びプリアスファルテンが溶解した溶液
(A1)とに分離し、該溶液(A1)を溶剤で脱瀝処理して
プリアスファルテンが濃縮されたスラリ(S2)と、プリ
アスファルテンが残留して共存する重質油留分溶解液
(A2)とに分離し、該重質油留分溶解液(A2)を、その
溶解液(A2)から溶剤を分離した後、2次水添し、蒸留
し、ナフサ及び中質油を得、一方前記プリアスファルテ
ン濃縮スラリ(S2)を前記1次水添の原料として混合す
る石炭の液化方法において、前記脱灰処理の溶剤として
平均沸点160〜220℃の1次水添自生ナフサを使用し、前
記脱瀝処理の溶剤として平均沸点150℃以下の1次水添
自生ナフサ又は/及び2次水添自生ナフサを使用すると
共に、前記脱瀝処理により得られる重質油留分溶解液
(A2)中に残留し共存するプリアスファルテンの量を該
溶解液(A2)中の重質油留分に対して10重量%以下にす
ることを特徴とする石炭の液化方法である。
第2請求項記載の石炭の液化方法は、前記脱灰処理の溶
剤として平均沸点160〜180℃の1次水添自生ナフサを使
用する第1請求項記載の石炭の液化方法である。
(作 用) 本発明に係る石炭の液化方法は、前記の如く、1次水添
により得られる蒸留残渣を、溶剤(脱灰溶剤)で脱灰処
理して重質油留分及びプリアスファルテンが溶解した溶
液(A1)を得、該溶液(A1)を溶剤(脱瀝溶剤)で脱瀝
処理してプリアスファルテンが濃縮されたスラリ(S2)
と、プリアスファルテンが残留して共存する重質留分溶
解液(A2)とに分離するようにしている。そして、該重
質油留分溶解液(A2)を、その溶解液(A2)から溶剤
(脱瀝溶剤)を分離した後、2次水添するようにし、一
方、前記プリアスファルテン濃縮スラリ(S2)を、1次
水添の原料として混合するようにしている。
上記プロセスにおいて、重質油留分溶解液(A2)を、そ
の溶解液(A2)から溶剤を分離した後、2次水添するに
際し、この2次水添の原料中には、触媒被毒物質のプリ
アスファルテンが残留して共存するが、脱瀝処理が良好
になされ、そのプリアスファルテン量が充分に少ない場
合は、2次水添用触媒の被毒、活性低下を生じることな
く長期間安定して2次水添することができる。
一方、プリアスファルテン濃縮スラリ(S2)を、1次水
添の原料として混合するが、1次水添の触媒は1次水添
原料の石炭粉末等と混合されて消耗品的に使用されるも
のであるので、触媒被毒は問題とならない。故に、プリ
アスファルテンは問題を生じることなく、1次水添さ
れ、重質油留分及び/又は中質油留分へと転換される。
また、脱瀝処理して得られるプリアスファルテン濃縮ス
ラリ(S2)は、脱瀝処理前の脱灰処理が良好になされ、
灰分等の不溶物が充分に除去されている場合、付着性物
質が生じず、故に、この脱瀝処理において付着性物質の
付着による配管等の閉塞という問題は生じず、更に、こ
の脱瀝処理において、軟化溶融状態のプリアスファルテ
ンは、粒成長して沈降し、沈降槽の底部に堆積され、流
動性を有するので、容易にポンプ移送でき、従って、1
次水添の原料として問題なく循環使用できる。尚、上記
の如く灰分等の不溶物が充分に除去されている場合に配
管内部への付着、閉塞が生じないのは、前述の如く付着
及び閉塞は軟化溶融状態のプリアスファルテンと灰分等
の不溶物との合体した物質により生じるものであるから
である。
更に、前記脱灰処理において蒸留残渣中の重質油留分だ
けでなく、プリアスファルテンも充分溶解させて溶液
(A1)を得、又、この溶液(A1)の脱瀝処理においてプ
リアスファルテンを回収することによって、このプリア
スファルテンの油分への転換により油分の回収率を向上
し得る。
以上のことから、上記プロセスにおいて、蒸留残渣の
脱灰処理が良好になされ(即ち、脱灰処理において灰分
等の不溶物を充分に除去すると共に、蒸留残渣中の重質
油留分及びプリアスファルテンを充分に溶解させた溶液
(A1)を得)、且つ、該脱灰処理により得られる溶液
(A1)の脱瀝処理が良好になされる(即ち、脱瀝処理に
おいて析出するプリアスファルテンの量が多く、重質油
留分溶解液(A2)中のプリアスファルテン量が少なく、
そのため重質油分溶解液(A2)を溶剤分離後に2次水添
原料として使用する際のプリアスファルテン量が充分に
少ない)場合は、プリアスファルテンによる2次水添用
触媒の被毒、活性低下を生じることなく長期間安定して
2次水添することができ、しかも付着性物質の付着によ
る配管等の閉塞を生じず、プリアスファルテンを油分に
転換して油分の回収率を向上し得ることになる。尚、こ
のプリアスファルテンによる2次水添用触媒の被毒、活
性低下を生じないことは、主に後者の良好な脱瀝処理
に起因する。付着性物質の付着による配管等の閉塞を生
じないこと、及び、プリアスファルテンを油分に転換し
て油分の回収率を向上し得ることは、主に前者の良好
な脱灰処理に起因する。
このようなプリアスファルテンの量としては、定量的に
は、重質油留分溶解液(A2)中に残留し共存するプリア
スファルテンの量として該溶解液(A2)中の重質油留分
に対して10重量%以下にしておけばよく、そうすればプ
リアスファルテンによる2次水添用触媒の被毒、活性低
下等の支障を来さない。
上記のような良好な蒸留残渣の脱灰処理は、脱灰処理の
溶剤として、平均沸点160〜220℃の1次水添自生ナフサ
を使用することにより達成し得る。又、上記のような良
好な脱瀝処理は、脱瀝処理の溶剤として平均沸点150℃
以下の1次水添自生ナフサ又は/及び2次水添自生ナフ
サを使用することにより達成し得る。
そこで、本発明に係る石炭の液化方法は、上記プロセス
において、脱灰処理の溶剤として平均沸点160〜220℃の
1次水添自生ナフサを使用し、脱瀝処理の溶剤として平
均沸点150℃以下の1次水添自生ナフサ又は/及び2次
水添自生ナフサを使用すると共に、前記脱瀝処理により
得られる重質油留分溶解液(A2)中に残留し共存するプ
リアスファルテンの量を該溶解液(A2)中の重質油留分
に対して10重量%以下にするようにしているのである。
従って、本発明に係る石炭の液化方法によれば、プリア
スファルテンによる2次水添用触媒の被毒、活性低下を
生じることなく長期間安定して2次水添することがで
き、しかも付着性物質の付着による配管等の閉塞を生じ
ず、プリアスファルテンを油分に転換して油分の回収率
を向上し得ることになる。尚、自生ナフサとは上記プロ
セス内で自生するナフサのことであり、その中、1次水
添、蒸留により自生するものが1次水添自生ナフサであ
り、2次水添、蒸留により自生するものが2次水添自生
ナフサである。1次水添自生ナフサ又は/及び2次水添
自生ナフサとは、1次水添自生ナフサ又は2次水添自生
ナフサ或いはこれらナフサの混合物のことである。
ここで、脱灰処理の溶剤として使用する1次水添自生ナ
フサを平均沸点160〜220℃のものとしているのは、前記
の如く蒸留残渣の脱灰処理を良好になすためであり、平
均沸点160℃未満のものでは蒸留残渣中のプリアスファ
ルテン溶解能力が不充分であり(プリアスファルテンを
充分に溶解し得ず)、かつ配管内部の付着、閉塞を生
じ、平均沸点160℃以上のものではプリアスファルテン
溶解能力が充分となり(引いては充分にプリアスファル
テンの油分への転換による油分回収率の向上が図れ)、
平均沸点が高いものほどプリアスファルテン溶解能力が
高くなる(引いては油分回収率が向上する)が、平均沸
点220℃超のものでは脱灰能力が急激に低下して(灰分
等の不溶物を充分に除去し得なくなって)脱灰処理がで
きなくなるからである。このとき、平均沸点180〜220℃
のものは脱灰処理可能であるが、平均沸点が高くなるに
伴って脱灰能力が徐々に低下するため、平均沸点160〜1
80℃のものがより脱灰能力に優れ、より高い脱灰効率が
得られるので、特に平均沸点160〜180℃のものを使用す
ることが望ましい。
脱瀝処理により得られる重質油留分溶解液(A2)中に残
留し共存するプリアスファルテンの量を該溶解液(A2)
中の重質油留分に対して10重量%以下にするようにして
いるのは、前記の如くプリアスファルテンによる2次水
添用触媒の被毒、活性低下等の支障を生じることなく長
期間安定して2次水添できるようにするためであり、10
重量%超にすると重質油留分溶解液(A2)を溶剤分離後
に2次水添原料として使用する際のプリアスファルテン
量が多く、プリアスファルテンによる2次水添用触媒の
被毒、活性低下を来たすからである。
脱瀝処理の溶剤として使用する1次水添自生ナフサ、2
次水添自生ナフサを平均沸点150℃以下のものとしてい
るのは、前記の如く脱灰処理により得られる溶液(A1)
の脱瀝処理を良好になすためであり、平均沸点150℃以
下のものは脱瀝処理用溶剤として溶解力が低いために脱
瀝処理において析出するプリアスファルテンの量が多
く、多重油留分溶解液(A2)中のプリアスファルテン量
が少なく(該溶解液(A2)中重質油留分に対して10重量
%以下)、そのためプリアスファルテンによる2次水添
用触媒の被毒、活性低下等の支障を来すことなく長期間
安定して2次水添することができるが、平均沸点150℃
超のものでは脱瀝処理で析出するプリアスファルテンの
量が不充分であり、重質油留分溶解液(A2)中のプリア
スファルテン量が多く(該溶解液(A2)中重質油留分に
対して10重量%超)、引いてはプリアスファルテンによ
る2次水添用触媒の被毒、活性低下等の支障を来すよう
になるからである。
前記の如き脱灰処理用溶剤(平均沸点160〜220℃或いは
160〜180℃)としては、1次水添自生ナフサであって、
平均沸点160〜220℃或いは160〜180℃のものを使用でき
る。又、前記の如き脱瀝処理用溶剤(平均沸点150℃以
下)としては、1次水添自生ナフサ、2次水添自生ナフ
サ、もしくはそれらの混合物であって、平均沸点150℃
以下のものを使用できる。
尚、脱灰処理で得られる溶液(A1)への脱瀝処理用溶剤
の添加は、溶液(A1)から溶剤を分離した後行ってもよ
いし、溶液(A1)に直接添加して行ってもよいが、後者
の場合は前者の場合に比較し、より低沸点の脱瀝処理用
溶剤を使用するのが良い。
(実施例) 本発明の実施例を以下に説明する。
実施例に係る石炭液化工程のフローチャートを第1図に
示す。粉砕及び脱水されたビクトリア褐炭、鉄系触媒及
び溶剤との混合体を、450℃,150気圧,水素加圧下で1
次水添し、蒸留してナフサ、中質油及び蒸留残渣に分離
し、ここで分離された蒸留残渣を脱灰処理工程に送っ
た。尚、1次水添は、温度430〜460℃、圧力10〜25MP
a、水素加圧下で行えばよく、蒸留残渣は、沸点が420℃
以上であり、ピリジン可溶物85%、ピリジン不溶物15%
(灰分13%)を含むものであった。
分離された上記蒸留残渣を脱灰処理工程に送った。そし
て、この蒸留残渣に脱灰処理溶剤として平均沸点170℃
の1次水添ナフサ(自生ナフサ)を4倍量添加し、250
℃にし、蒸留残渣中の重質液化物を溶解させた後、灰分
等の不溶物を沈降させ、灰分等の不溶物を含むスラリ
(S1)と、重質油留分及びプリアスファルテンが溶解し
た溶液(A1)とに分離した。尚、脱灰処理は、溶剤添加
量:蒸留残渣の2〜8倍の量、温度:200〜300℃の条件
で行えばよい。
得られた溶液(A1)は、溶剤分離処理をし、重質液化物
を得た。この重質液化物中のプリアスファルテン量は30
%であり、また、灰分等の不溶物は5000ppmであった。
これは、蒸留残渣中の重質油留分だけでなく、大半のプ
リアスファルテンが溶解されたことを示している。
溶剤分離処理後、脱瀝処理溶剤として平均沸点110℃の
1次水添ナフサ(自生ナフサ)を4倍量添加し、250℃
にし、脱瀝処理してプリアスファルテン濃縮スラリ(S
2)と、重質油留分溶解液(A2)とに分離した。尚、こ
の脱瀝処理は、付着性物質付着による配管等の閉塞とい
う問題を生じることなく、実施できた。また、得られた
スラリ(S2)は、プリアスファルテン以外に、アスファ
ルテン,溶剤及び若干量の油留分を含有していた。尚、
脱瀝処理は、溶剤添加量:溶液(A1)の2〜8倍の量、
温度:200〜300℃の条件で行えばよい。
プリアスファルテン濃縮スラリ(S2)は、1次水添の原
料として循環使用した。このスラリ(S2)は、250℃で
粘度が800cpであり、粘調な液であったが、容易にポン
プ移送できた。そして、このスラリ(S2)は、1次水添
の原料の一部として再び水添され、蒸留されてナフサ、
中質油に分離された。
一方、重質油留分溶解液(A2)は、蒸留し、溶剤を分離
した。溶剤分離後のものは重質油留分以外に、灰分500p
pm以下、プリアスファルテン量6%を含有していた。溶
剤分離後、これを1次水添で得られた中質油と共に370
℃,15MPa,水素加圧下で2次水添し、蒸留し、ナフサ及
び中質油を得た。このとき、全く2次水添用触媒の被
毒、活性低下を生じることなく、2次水添することがで
きた。尚、かかる2次水添は、温度:320〜400℃、圧力1
0〜20MPa、水素加圧下で行えばよい。
(発明の効果) 本発明に係る石炭の液化方法によれば、プリアスファル
テンによる2次水添用触媒の被毒、活性低下を生じるこ
となく長期間安定して2次水添することができ、しかも
脱灰処理時の付着性物質の付着による配管等の閉塞を生
じず、プリアスファルテンを再度1次水添で油分に転換
して油分の回収率を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例に係る石炭液化工程のフローチャート
を示す図である。
フロントページの続き (71)出願人 999999999 コスモ石油株式会社 東京都港区芝浦1丁目1番1号 (72)発明者 大隈 修 兵庫県神戸市垂水区多聞台1丁目2―10 (72)発明者 隅田 修一郎 兵庫県神戸市北区筑紫が丘8丁目6番地の 9 (72)発明者 平野 龍夫 兵庫県宝塚市高司3丁目3番20―605 (72)発明者 増田 薫 兵庫県神戸市垂水区高丸7丁目3―5― 513 (72)発明者 永江 信一 兵庫県神戸市東灘区北青木2丁目10―6, W6712 (72)発明者 奥山 憲幸 兵庫県神戸市灘区篠原伯母野山町2―3― 1 (56)参考文献 特開 昭61−276891(JP,A) 特開 昭60−51785(JP,A) 特開 昭60−51784(JP,A) 特開 昭54−70303(JP,A) 特開 昭59−213792(JP,A) 特開 昭59−204685(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料石炭、触媒及び溶剤を含む混合体を、
    1次水添し、蒸留してナフサ、中質油及び蒸留残渣とに
    分離し、該蒸留残渣を溶剤で脱灰処理して灰分等の不溶
    物を含むスラリ(S1)と、重質油留分及びプリアスファ
    ルテンが溶解した溶液(A1)とに分離し、該溶液(A1)
    を溶剤で脱瀝処理してプリアスファルテンが濃縮された
    スラリ(S2)と、プリアスファルテンが残留して共存す
    る重質油留分溶解液(A2)とに分離し、該重質油留分溶
    解液(A2)を、その溶解液(A2)から溶剤を分離した
    後、2次水添し、蒸留し、ナフサ及び中質油を得、一方
    前記プリアスファルテン濃縮スラリ(S2)を前記1次水
    添の原料として混合する石炭の液化方法において、前記
    脱灰処理の溶剤として平均沸点160〜220℃の1次水添自
    生ナフサを使用し、前記脱瀝処理の溶剤として平均沸点
    150℃以下の1次水添自生ナフサ又は/及び2次水添自
    生ナフサを使用すると共に、前記脱瀝処理により得られ
    る重質油留分溶解液(A2)中に残留し共存するプリアス
    ファルテンの量を該溶解液(A2)中の重質油留分に対し
    て10重量%以下にすることを特徴とする石炭の液化方
    法。
  2. 【請求項2】前記脱灰処理の溶剤として平均沸点160〜1
    80℃の1次水添自生ナフサを使用する第1請求項に記載
    の石炭の液化方法。
JP63134859A 1988-05-31 1988-05-31 石炭の液化方法 Expired - Fee Related JPH0717913B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63134859A JPH0717913B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 石炭の液化方法
AU35260/89A AU603299B2 (en) 1988-05-31 1989-05-29 Coal liquefaction process

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63134859A JPH0717913B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 石炭の液化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01304182A JPH01304182A (ja) 1989-12-07
JPH0717913B2 true JPH0717913B2 (ja) 1995-03-01

Family

ID=15138142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63134859A Expired - Fee Related JPH0717913B2 (ja) 1988-05-31 1988-05-31 石炭の液化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0717913B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101885976B (zh) * 2010-07-02 2013-07-24 神华集团有限责任公司 从煤直接液化残渣中提取重质液化油和中间相沥青类物质的方法以及其应用
CN101962560B (zh) * 2010-09-29 2013-08-14 神华集团有限责任公司 煤直接液化残渣的萃取方法以及萃取物的应用
CN101962561B (zh) * 2010-09-29 2013-08-14 神华集团有限责任公司 煤直接液化残渣的萃取方法以及萃取物的应用
CN112029527B (zh) * 2020-08-14 2022-05-31 中国神华煤制油化工有限公司 煤直接液化残渣的处理方法、煤直接液化方法及其应用

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4133740A (en) * 1977-10-21 1979-01-09 Gulf Research & Development Company Process for increasing the fuel yield of coal liquefaction products by extraction of asphaltenes, resins and aromatic compounds from said coal liquefaction products
JPH064861B2 (ja) * 1983-05-06 1994-01-19 三菱化成株式会社 石炭の液化方法
JPH0730340B2 (ja) * 1983-05-16 1995-04-05 三菱化学株式会社 石炭の油留分への転化方法
JPS6051784A (ja) * 1983-08-30 1985-03-23 Kobe Steel Ltd 褐炭の液化方法
JPS6051785A (ja) * 1983-08-31 1985-03-23 Kobe Steel Ltd 褐炭の2段水添液化方法
JPS61276891A (ja) * 1985-06-03 1986-12-06 Kobe Steel Ltd 循環システムを含む石炭液化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01304182A (ja) 1989-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1070631A (en) Solids recovery from coal liquefaction slurry
CA2579528C (en) Method for hydrocracking of petroleum heavy oil
US5645711A (en) Process for upgrading the flash zone gas oil stream from a delayed coker
CN107418621A (zh) 脱除废润滑油中金属化合物的方法
CN111991905A (zh) 浆态床排出浆液固液分离的方法及其装置
JPS61246285A (ja) アスフアルテン含有炭化水素仕込物の脱れき方法
JPH0717913B2 (ja) 石炭の液化方法
JPS5916590B2 (ja) 石炭の液化方法
CN112625723B (zh) 废矿物油残渣再利用的方法及其系统
JP2002538267A (ja) 超臨界状態の流体を用いたオイル処理方法
JPS62205191A (ja) 固体アスフアルトの分別方法
CN112516683B (zh) 一种废弃硅藻土助滤剂再生系统及方法
US4267061A (en) Process and separating and recovering solids and clear liquid phase from dispersions
JP2874777B2 (ja) 石炭の液化方法
US4132639A (en) Method for improving the sedimentation and filterability of coal-derived liquids
JPS5945711B2 (ja) 石炭液化法
JPH0315675B2 (ja)
EP0055492A1 (en) A process for reclaiming used motor oil
JPS6051785A (ja) 褐炭の2段水添液化方法
AU603299B2 (en) Coal liquefaction process
JPS6051784A (ja) 褐炭の液化方法
US3544449A (en) Removing tetrahydrofuran insolubles from a hydrogenation feedstock
JPH0676584B2 (ja) 石炭の液化方法
US4487682A (en) Coal extraction
JPH03181593A (ja) 石炭の液化方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees