JPH07178284A - 全自動洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は簡単な構成で信頼性の高いクラッチ
機構を備えた全自動洗濯機を提供することを目的とする
ものである。 【構成】 脱水糟２１を固定した脱水軸１８の端部にか
み合い部２８を設け、駆動モータ２７により駆動される
洗濯軸２３には、スラスト方向に変位するとともにラジ
アル方向には固定され、かつかみ合い部２８とかみ合う
駆動部３２を設けたプランジャー３０を設け、ソレノイ
ド３１によりプランジャー３０を介して脱水軸１８と洗
濯軸２３を連結解除するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は駆動モータにより直接脱
水糟およびパルセータを駆動するモータ直結型の全自動
洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の全自動洗濯機は図５に示
すような構成であった。すなわち洗濯機の本体１と、こ
の本体１内にサスペンション２によって弾性支持された
受筒３と、天面を開口し底面に中空の脱水軸４を備えた
脱水槽５と、前記脱水軸４は受筒３の底面に設けられた
軸受け６によって支持されている。また８は脱水軸４内
部に軸受け７によって支持された洗濯軸で、前記脱水槽
５内部でパルセータ９を固定している。さらにこの洗濯
軸８は駆動モータ１０により駆動される。１１は板バネ
１２を介して脱水軸４に取り付けられた摩擦板で、洗濯
軸８に固定されたロータ１３とヨーク１４によって起磁
される磁束によって吸引圧接される。１５は排水コック
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、洗濯、すすぎ行程では駆動モータ１０の動力は洗濯
軸８を介してパルセータ９に伝達され、被洗濯物に機械
力を与える。さらに脱水行程に入ると、ヨーク１４に通
電し発生した磁力によって摩擦板１１を吸引しロータ１
３に圧接する。この時、圧接面で発生した摩擦力によっ
て駆動モータ１０のトルクを脱水軸４に伝達し脱水糟５
を回転させる。しかし、被洗濯物による過大な負荷がか
かったり摩擦面が汚れていたりすると、摩擦板１１が滑
りをおこし騒音の発生や所要の脱水回転数がでないとい
った課題がある。さらに初期吸引力を大きくするため摩
擦板１１とロータ１３の間隙がきわめて小さく、高精度
の組立が必要であった。またこの種の電磁クラッチは非
常に高価であり、コスト面での課題もあった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するものであり、
簡単な構成で信頼性の高いクラッチ機構を備えた全自動
洗濯機を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第１の手段は、洗濯機の本体と、この本体内
にサスペンションによって弾性支持された受筒と、この
受筒内に設けた脱水糟と、この脱水糟に固定し端部にか
み合い部を設けた中空の脱水軸と、この脱水軸内に設け
前記脱水槽内のパルセータを取り付けた洗濯軸と、この
洗濯軸を駆動する駆動モータと、前記洗濯軸の外周をス
ラスト方向に変位するとともにラジアル方向には固定さ
れ端部に前記かみ合い部とかみ合う駆動部を設けたプラ
ンジャーと、このプランジャーを介して脱水軸と洗濯軸
を連結解除するソレノイドとを備えた全自動洗濯機とす
るものである。

【０００６】また本発明の第２の手段は、洗濯軸の外周
をスラスト方向に変位するとともにラジアル方向には固
定され一方に脱水軸のかみ合い部とかみ合う駆動部を他
方には永久磁石を設けた非磁性体と、電磁力によって永
久磁石をスラスト方向に変位させ、非磁性体を介して脱
水軸と洗濯軸を連結解除する電磁石とを備えた全自動洗
濯機とするものである。

【０００７】また本発明の第３の手段は、脱水軸の端部
に設けた嵌合部と、洗濯軸の外周をスラスト方向に変位
するとともにラジアル方向には固定され前記嵌合部と嵌
合する嵌合片を設けたガイドフランジと、前記洗濯軸の
外周をスラスト方向に変位するとともにラジアル方向に
は自由で端面で前記嵌合片を支持したプランジャーと、
このプランジャーを介して脱水軸と洗濯軸を連結解除す
るソレノイドとを備えた全自動洗濯機とするものであ
る。

【０００８】

【作用】第１の手段は、洗濯、すすぎ行程では駆動モー
タの動力は洗濯軸を介してパルセータに伝達され、被洗
濯物に機械力を与える。さらに脱水行程に入ると、ソレ
ノイドの通電によりプランジャーがスラスト方向に移動
し、プランジャーの駆動部が脱水軸のかみ合い部にかみ
合う。これによって脱水軸と洗濯軸が連結され脱水槽が
回転するものである。

【０００９】また第２の手段では、洗濯、すすぎ行程で
は第１の手段と同様であるが、脱水行程に入ると、電磁
石の通電により永久磁石が反発し、非磁性体の駆動部が
脱水軸のかみ合い部とかみ合う。これによって脱水軸と
洗濯軸が連結され脱水槽が回転する。

【００１０】さらに第３の手段は、洗濯、すすぎ行程で
は第１の手段と同様であるが、脱水行程に入ると、ソレ
ノイドに通電によりプランジャーがスラスト方向に移動
し、プランジャーの端面で嵌合片を押し上げ脱水軸の嵌
合部とガイドフランジを介して連結される。これによっ
て脱水軸と洗濯軸が連結され脱水槽が回転する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例についを図面に
基づいて説明する。図１、図２において、１５は洗濯機
の本体１６に複数のサスペンション１７によって弾性的
に吊り下げて支持された受筒であり、内部に脱水軸１８
によって軸支され、通水孔１９及び流体バランサー２０
を設けた脱水槽２１を有している。また２２は前記脱水
軸１８を支持している軸受けである。さらに２３は脱水
軸１８内部にメタル軸受け２４、２５によって支持され
た洗濯軸である。洗濯軸２３は一端に脱水槽２１内のパ
ルーセータ２６を取り付けており、他端には駆動モータ
２７が連結されている。また脱水軸１８の端部には複数
の歯を有するフランジ形のかみ合い部２８が設けられて
いる。前記洗濯軸２３の外周にはスラスト方向に変位
し、セレーション２９によってラジアル方向に固定され
た、中空のプランジャー３０を有している。このプラン
ジャー３０の端部には前記かみ合い部２８とかみ合う複
数の歯を持った駆動部３２が設けられている。ソレノイ
ド３１はこのプランジャー３０を介して脱水軸１８と洗
濯軸２３を連結解除するものである。３３は排水用の排
水コックである。

【００１２】以上の構成における動作を説明する。洗
濯、すすぎ時は脱水軸１８のかみ合い部２８とプランジ
ャー３０の駆動部３２は切り放された状態にあるため、
駆動モータ２７のトルクは洗濯軸２３のみに伝わりパル
セータ２６が回転し、被洗濯物に機械力が与えられる。
さらにすすぎが終ると排水コック３３から排水し、ソレ
ノイド３１が通電され、その時発生する磁力によって、
プランジャー３０の駆動部３２がかみ合い部２８と連結
される。この時、プランジャー３０の向きによっては、
かみ合い部２８がずれてかみ合わない場合があるが、洗
濯軸２３を適度に回転させることによって、適当な位置
で自動的に嵌合させることができる。これによって脱水
軸１８と洗濯軸２３が連結され、駆動モータ２７によっ
て脱水槽２１を高速回転させ被洗濯物の脱水を行う。

【００１３】このように本実施例では、ソレノイド３１
を用いた簡単な構成で、脱水軸１８と洗濯軸２３の切換
えが行え、低コストで信頼性の高いクラッチ機構が得ら
れるものである。

【００１４】次に第２の実施例を図３に基づいて説明す
る。この実施例において全自動洗濯機の全体構成は図１
と同様であるので説明を省略し、以下、相違点を中心に
説明する。

【００１５】脱水軸３４の端部には複数の歯を有するフ
ランジ形のかみ合い部３５が設けられており、洗濯軸３
６の外周にはスラスト方向に変位し、セレーション３７
によってラジアル方向に固定された、中空の非磁性体３
８と、鉄心３９ａとコイル３９ｂとからなる電磁石３９
が設けられている。そして、前記非磁性体３８の電磁石
３９との対向面には同極面が対向するように永久磁石４
１を設け、脱水軸３４側の面にはかみ合い部３５とかみ
合う複数の歯を有する駆動部４２を備えている。

【００１６】以上の構成における動作を説明する。洗
濯、すすぎ行程では駆動モータ２７の動力は洗濯軸３６
を介してパルセータ２６に伝達され、被洗濯物に機械力
を与える。さらに脱水行程に入ると、電磁石２９のコイ
ル３９ｂに通電し発生した磁力によって永久磁石４１が
反発し、非磁性体３８がスラスト方向に移動する。これ
によって駆動部４２が脱水軸３４のかみ合い部４３とか
み合い洗濯軸３６と連結される。これによって駆動モー
タ２７のトルクが脱水軸３４に伝達され、脱水槽２１が
回転し脱水が行われる。

【００１７】このように本実施例では電磁石３９と永久
磁石４１を用いた簡単な構成で、脱水軸３４と洗濯軸３
６の切換えが行え、低コストで信頼性の高いクラッチ機
構が得られるものである。

【００１８】次に第３の実施例を図４に基づいて説明す
る。この実施例において全自動洗濯機の全体構成は図１
と同様であるので説明を省略し、以下、相違点を中心に
説明する。

【００１９】脱水軸４４の端部に複数の孔または凹部か
らなる嵌合部４５を設けている。この嵌合部４５に嵌合
するピン等の嵌合片４６を持ったガイドフランジ４８
は、洗濯軸４７に対しスラスト方向には自由でラジアル
方向には固定されている。また前記洗濯軸４７の外周を
スラスト方向に変位し、ラジアル方向にフリーとし、端
面で前記嵌合片４６を支持した中空のプランジャー４９
を有するソレノイド５０を備えている。

【００２０】以上の構成における動作を説明する。洗
濯、すすぎ行程では駆動モータ２７の動力は洗濯軸４７
を介してパルセータ２６に伝達され、被洗濯物に機械力
を与える。さらに脱水行程に入ると、ソレノイド５０に
通電し発生した磁力によってプランジャー４９がスラス
ト方向に移動し、プランジャー４９の端面で嵌合片４６
を押し上げ、脱水軸４４の嵌合部４５と嵌合片４６がガ
イドフランジ４８を介して連結される。これによって脱
水軸４４と洗濯軸４７が連結され駆動モータ２７のトル
クが脱水軸４４に伝達され、脱水槽２１が回転し脱水が
行われる。

【００２１】このように本実施例ではソレノイド５０と
嵌合部４５を用いた簡単な構成で脱水軸４４と洗濯軸４
７の切換えが行え、低コストで信頼性の高いクラッチ機
構が得られるものである。

【００２２】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
は、ソレノイド、電磁石と永久磁石、あるいはソレノイ
ドと嵌合部を用いた簡単な構成で脱水軸と洗濯軸の切換
えが行え、低コストで信頼性の高いクラッチ機構を備え
た全自動洗濯機が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す全自動洗濯機の縦
断面図

【図２】同全自動洗濯機のクラッチ機構を示す断面図

【図３】本発明の第２の実施例におけるクラッチ機構を
示す断面図

【図４】本発明の第３の実施例におけるクラッチ機構を
示す断面図

【図５】従来例における全自動洗濯機の縦断面図

【符号の説明】

１５ 受筒 １６ 本体 １７ サスペンション １８、３４、４４ 脱水軸 ２１ 脱水槽 ２２ 軸受 ２３、３６、４７ 洗濯軸 ２６ パルセータ ２７ 駆動モータ ２８、３５ かみ合い部 ３０、４９ プランジャー ３１、５０ ソレノイド ３２、４２ 駆動部 ４５ 嵌合部 ４６ 嵌合片 ４８ ガイドフランジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大道 幸延 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯機の本体と、この本体内にサスペン
   ションによって弾性支持された受筒と、この受筒内に設
   けた脱水糟と、この脱水糟に固定し端部にかみ合い部を
   設けた中空の脱水軸と、この脱水軸内に設け前記脱水槽
   内のパルセータを取り付けた洗濯軸と、この洗濯軸を駆
   動する駆動モータと、前記洗濯軸の外周をスラスト方向
   に変位するとともにラジアル方向には固定され端部に前
   記かみ合い部とかみ合う駆動部を設けたプランジャー
   と、このプランジャーを介して脱水軸と洗濯軸を連結解
   除するソレノイドとを備えた全自動洗濯機。
2. 【請求項２】 洗濯機の本体と、この本体内にサスペン
   ションによって弾性支持された受筒と、この受筒内に設
   けた脱水糟と、この脱水糟に固定し端部にかみ合い部を
   設けた中空の脱水軸と、この脱水軸内に設け前記脱水槽
   内のパルセータを取り付けた洗濯軸と、この洗濯軸を駆
   動する駆動モータと、前記洗濯軸の外周をスラスト方向
   に変位するとともにラジアル方向には固定され一方に前
   記かみ合い部とかみ合う駆動部を他方には永久磁石を設
   けた非磁性体と、電磁力によって永久磁石をスラスト方
   向に変位させ、非磁性体を介して脱水軸と洗濯軸を連結
   解除する電磁石とを備えた全自動洗濯機。
3. 【請求項３】 洗濯機の本体と、この本体内にサスペン
   ションによって弾性支持された受筒と、この受筒内に設
   けた脱水糟と、この脱水糟に固定し端部に嵌合部を設け
   た中空の脱水軸と、この脱水軸内に設け前記脱水槽内の
   パルセータを取り付けた洗濯軸と、この洗濯軸を駆動す
   る駆動モータと、前記洗濯軸の外周をスラスト方向に変
   位するとともにラジアル方向には固定され前記嵌合部と
   嵌合する嵌合片を設けたガイドフランジと、前記洗濯軸
   の外周をスラスト方向に変位するとともにラジアル方向
   には自由で端面で前記嵌合片を支持したプランジャー
   と、このプランジャーを介して脱水軸と洗濯軸を連結解
   除するソレノイドとを備えた全自動洗濯機。