JPH07177123A - 交差偏波間干渉補償装置及び補償方法 - Google Patents

交差偏波間干渉補償装置及び補償方法

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JPH07177123A
JPH07177123A JP31721693A JP31721693A JPH07177123A JP H07177123 A JPH07177123 A JP H07177123A JP 31721693 A JP31721693 A JP 31721693A JP 31721693 A JP31721693 A JP 31721693A JP H07177123 A JPH07177123 A JP H07177123A
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signal
compensation
interference
cross
polarization interference
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JP31721693A
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Kenzo Kobayashi
健造 小林
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一周波数のV,H偏波に、互いに異なる信
号を載せて通信を行うコチャネル方式の無線通信装置の
交差偏波間干渉補償装置及び補償方法に関し、送信V偏
波側と送信H偏波側との間を非同期にしても交差偏波間
干渉を補償できることを目的とする。 【構成】 干渉波の信号点の回転位置と補償信号の信号
点の回転位置との角度差を検出する検出手段1と、検出
手段1で検出された角度差だけ補償信号の位相を回転さ
せる位相回転手段2と、位相回転手段2で回転された補
償信号に基づき、干渉波が重畳された主信号に対して交
差偏波間干渉補償を行う交差偏波間干渉補償手段3とか
ら構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一周波数のV,H偏
波に、互いに異なる信号を載せて通信を行うコチャネル
方式の無線通信装置の交差偏波間干渉補償装置及び補償
方法に関する。
【0002】近年、電波の有効利用の観点から無線通信
方式、特に多重無線通信方式において同一周波数のV,
H偏波に、互いに異なる信号を載せて通信を行うコチャ
ネル方式が採用されている。こうしたコチャネル方式に
おけるV,H偏波間には干渉が生じるため、この干渉を
補償するべく、受信装置に交差偏波間干渉補償装置(X
PIC,Cross-Polarization Interference Canceler)
を設けている。
【0003】XPICには、IF帯において補償を行う
方式と、ベースバンド(BB)帯において補償を行う方
式とがあるが、一般には構成が簡単なBB帯における補
償方式が多く採用されている。本発明の交差偏波間干渉
補償装置及び補償方法もこのBB帯における補償を提案
するものである。
【0004】
【従来の技術】図6は、同一周波数のV,H偏波に、互
いに異なる信号を載せて通信を行うコチャネル方式の無
線通信システムの従来例の概略のブロック図である。
【0005】すなわち、送信側では、周波数fA のV偏
波のデータ信号Aを、変調器101で周波数fMVの局部
発振信号に基づきディジタル変調し、さらに送信器10
2で周波数fTVの局部発振信号に基づきRF信号に変換
してアンテナ103から送出する。同様に、周波数fB
のH偏波のデータ信号Bを、変調器104で周波数f MH
の局部発振信号に基づきディジタル変調し、さらに送信
器105で周波数fTHの局部発振信号に基づきRF信号
に変換してアンテナ106から送出する。
【0006】一方、受信側では、アンテナ103から送
出されたV偏波の信号をアンテナ107で受信し、受信
器108で周波数fRVの局部発振信号に基づきIF信号
に変換し、さらに復調器109で周波数fDVの局部発振
信号に基づきディジタル復調してデータ信号Aを出力す
る。同様に、アンテナ106から送出されたH偏波の信
号をアンテナ110で受信し、受信器111で周波数f
RHの局部発振信号に基づきIF信号に変換し、さらに復
調器112で周波数fDHの局部発振信号に基づきディジ
タル復調してデータ信号Bを出力する。
【0007】ところで、例えば、アンテナ103から送
出されたV偏波の信号に対して、マルチパスフェージン
グ等によって、アンテナ106から送出されたH偏波の
信号が干渉する。これを補償するために、トランスバー
サルフィルタからなるXPIC(交差偏波間干渉補償
器)113を、受信側のH偏波信号の復調器112の出
力端とV偏波信号の復調器109の出力端との間に設け
る。XPIC113ではH偏波信号を基に交差偏波間干
渉と同一の周波数特性をもつ補償信号を作り、V偏波信
号から減算して、すなわち、加算器114において補償
信号のマイナス値を加算して干渉波を打ち消す。
【0008】以上においては、H偏波側からV偏波側へ
の干渉を例にして説明したが、この逆方向の干渉も同様
に存在するので、図示は省略したが受信側のV偏波側か
らH偏波へ向けたXPICも別に設けられる。
【0009】図7は、V偏波側およびH偏波側の各復調
器109,112以降の具体的な回路構成を示すブロッ
ク図である。すなわち、V偏波側の復調器109は、I
F信号を分波する分波器109a、位相検波器109
b,109c、周波数fDVの局部発振器109d、分波
器109e、−π/2の位相器109f、およびローパ
スフィルタ109g,109hから構成される。同様
に、H偏波側の復調器112は、IF信号を分波する分
波器112a、位相検波器112b,112c、周波数
DHの局部発振器112d、分波器112e、−π/2
の位相器112f、およびローパスフィルタ112g,
112hから構成される。
【0010】さらに、図6には図示を省略したものの、
V偏波側の復調器109からのIチャネル成分出力はA
/D変換器115および自動等化器(TEQL,Transv
ersal Equalizer )116を経て加算器114aへ至
り、同様に、Qチャネル成分出力はA/D変換器117
および自動等化器116を経て加算器114bへ至る。
なお、加算器114aおよび加算器114bはそれぞ
れ、図6に示した加算器114のIチャネル側およびQ
チャネル側の加算器である。同様に、図6には図示を省
略したものの、H偏波側の復調器112からのIチャネ
ル成分出力はA/D変換器118および自動等化器(T
EQL)119を経て、Iチャネル側の加算器121a
へ至り、同様に、Qチャネル成分出力はA/D変換器1
20および自動等化器119を経て、Qチャネル側の加
算器121bへ至る。
【0011】さらにまた、H偏波側のA/D変換器11
8,120のI,Qチャネル出力がXPIC113を介
してV偏波側の加算器114a,114bへ接続され、
同様に、V偏波側のA/D変換器115,117のI,
Qチャネル出力がXPIC122を介してH偏波側の加
算器121a,121bへ接続される。なお、これに代
わって、H偏波側の復調器112からのI,Qチャネル
出力が、2つの新たなA/D変換器(図示せず)をそれ
ぞれ経、XPIC113を介してV偏波側の加算器11
4a,114bへ接続され、同様に、V偏波側の復調器
109からのI,Qチャネル出力が2つの新たなA/D
変換器(図示せず)をそれぞれ経、XPIC122を介
してV偏波側の加算器121a,121bへ接続される
ようにしてもよい。
【0012】なお図6に戻って、BB帯での上記の交差
偏波間干渉補償を実現するためには、少なくとも送信V
偏波側と送信H偏波側との間で、変調器101,104
の各局部発振信号の同期化、および送信器102,10
5の各局部発振信号の同期化が必要である。この理由を
以下に記す。
【0013】まず、V偏波側の送信アンテナ103から
出力される信号の周波数成分は下記式(1)で表現され
る。
【0014】
【数1】fA +fMV+fTV ・・・(1) また、H偏波側の送信アンテナ106から出力される信
号の周波数成分は下記式(2)で表現される。
【0015】
【数2】fB +fMH+fTH ・・・(2) さらに、H偏波側の送信アンテナ106からV偏波側の
受信アンテナ107へ至る干渉波の周波数成分は下記式
(3)で表現される。
【0016】
【数3】x(fB +fMH+fTH) ・・・(3) ここで、xは干渉度合いを表す係数である。
【0017】上記式(1),(3)で表現される各周波
数成分の信号を受信したV偏波受信側の復調器109の
出力信号の周波数成分は下記式(4)のようになる。
【0018】
【数4】 fA +fMV+fTV−fRV−fDV+x(fB +fMH+fTH−fRV−fDV) ・・・(4) ところで一般に、V偏波受信側の復調器109の搬送波
再生回路は下記式(5)が成立するように同期してい
る。
【0019】
【数5】fMV+fTV−fRV−fDV=0 ・・・(5) したがって、上記式(4)は下記式(6)のようにな
る。
【0020】
【数6】 fA +x(fB +fMH+fTH−fRV−fDV) ・・・(6) つぎに、上記式(2)で表現される周波数成分の信号を
受信したH偏波受信側の復調器112の出力信号の周波
数成分は下記式(7)のようになる。
【0021】
【数7】 fB +fMH+fTH−fRH−fDH ・・・(7) ここでも、H偏波受信側の復調器112の搬送波再生回
路は下記式(8)が成立するように同期する。
【0022】
【数8】fMH+fTH−fRH−fDH=0 ・・・(8) したがって、上記式(7)は下記式(9)のようにな
る。
【0023】
【数9】fB ・・・(9) 上記式(6)と上記式(9)とから分かるように、式
(6)で表現される周波数の信号は(fMH+fTH−fRV
−fDV)だけ周波数がシフトしているので、XPIC1
13によって式(6)から式(9)を減算しても周波数
A のV偏波のデータ信号Aを得ることはできない。
【0024】そこで、送信V偏波側と送信H偏波側との
間で、変調器101,104の各局部発振信号の同期化
を行なってfMH=fMVとし、また送信器102,105
の各局部発振信号の同期化を行なってfTH=fTVとすれ
ば、上記式(5)は下記式(10)のようになる。
【0025】
【数10】 fMH+fTH−fRV−fDV=0 ・・・(10) したがって、この式に基づき上記式(6)は下記式(1
1)のようになる。
【0026】
【数11】fA +xfB ・・・(11) 故に、この式(11)から、式(9)のfB にxの重み
付けをしたxfB を減算して周波数fA のV偏波のデー
タ信号Aを得ることが可能となり、干渉補償が実現す
る。
【0027】以上においては、H偏波側からV偏波側へ
の干渉を例にして説明したが、この逆方向の干渉も同様
に行われる。図8は、上記理由によってV偏波側の変調
器101の局部発振信号とH偏波側の変調器104の局
部発振信号との同期化が行なわれる変調器101および
変調器104の内部構成を示すブロック図である。
【0028】すなわち、V偏波側の変調器101は、直
交変調器101aと、この直交変調器101aへ局部発
振信号を供給する発振器101bとで構成される。一
方、H偏波側の変調器104は、直交変調器104a
と、この直交変調器104aへ局部発振信号を供給する
PLL発振器104bとで構成される。このPLL発振
器104bは、V偏波側の発振器101bから局部発振
信号を供給され、これに同期した局部発振信号を直交変
調器104aへ出力する。
【0029】図9は、上記理由によってV偏波側の送信
器102の局部発振信号とH偏波側の送信器105の局
部発振信号との同期化が行なわれる送信器102および
送信器105の内部構成を示すブロック図である。
【0030】すなわち、V偏波側の送信器102は、I
F信号をRF信号に変換するミキサ102aと、このミ
キサ102aに局部発振信号を供給するPLL発振器1
02bと、PLL発振器102bへ基準信号を供給する
基準信号発振器102cとから構成される。同様に、H
偏波側の送信器105は、IF信号をRF信号に変換す
るミキサ105aと、このミキサ105aに局部発振信
号を供給するPLL発振器105bと、PLL発振器1
05bへ基準信号を供給する基準信号発振器105cと
から構成される。そして、PLL発振器102bと基準
信号発振器102cとの間、およびPLL発振器105
bと基準信号発振器105cとの間には切替えスイッチ
123が設けられる。
【0031】切替えスイッチ123が図に実線で示すス
イッチ位置に切替えられているときには、H偏波側の基
準信号発振器105cの出力がPLL発振器102bお
よびPLL発振器105bへ加えられて、V偏波側の送
信器102の局部発振信号およびH偏波側の送信器10
5の局部発振信号が同期化される。同様に、切替えスイ
ッチ123が図に破線で示すスイッチ位置に切替えられ
ているときには、V偏波側の基準信号発振器102cの
出力がPLL発振器102bおよびPLL発振器105
bへ加えられて、V偏波側の送信器102の局部発振信
号およびH偏波側の送信器105の局部発振信号が同期
化される。なお、送信器ではPLL発振器をフリーラン
にすると、それによって発生する周波数ずれが送信信号
の規格を割ってしまうことがあるので、基準信号発振器
を2つ備えてフリーランにしないようにしている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、送信V偏波側と送信H偏波側との間で、変調器10
1,104の各局部発振信号の同期化、および送信器1
02,105の各局部発振信号の同期化を行うことは、
メインテナンス時に図9の切替えスイッチ123の切替
え操作が必要となるという保守上の煩雑さを招き、ま
た、高価なPLL発振器が少なくとも3つは必要となる
というハードウェアのコスト上の問題を伴っていた。
【0033】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、送信V偏波側と送信H偏波側との間を非同期
にしても交差偏波間干渉の補償が可能となる交差偏波間
干渉補償装置及び補償方法を提供することを目的とす
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために、図1に示すように、干渉波の信号点の回
転位置と補償信号の信号点の回転位置との角度差を検出
する検出手段1と、検出手段1で検出された角度差だけ
補償信号の位相を回転させる位相回転手段2と、位相回
転手段2で回転された補償信号に基づき、干渉波が重畳
された主信号に対して交差偏波間干渉補償を行う交差偏
波間干渉補償手段3とを有することを特徴とする交差偏
波間干渉補償装置が、提供される。
【0035】また、検出手段1は、主信号に重畳してい
る干渉波を抽出する干渉波抽出手段1aと、主信号のI
−Q軸上での干渉波の信号点の回転角度を検出する第1
の回転角度検出手段1bと、補償信号のI−Q軸上での
補償信号の信号点の回転角度を検出する第2の回転角度
検出手段1cと、第1の回転角度検出手段1bが検出し
た回転角度と第2の回転角度検出手段1cが検出した回
転角度との差を算出する差算出手段1dとから構成され
る。
【0036】さらに検出手段1は、差算出手段1dが検
出した差を平均化し、この得られた平均値を前記角度差
として位相回転手段2へ出力する積分手段1eを有す
る。
【0037】
【作用】以上の構成において、検出手段1が、干渉波の
信号点の回転位置と補償信号の信号点の回転位置との角
度差を検出する。この角度差は、上記式(6)に含まれ
る周波数シフト量(fMH+fTH−fRV−fDV)に相当す
る。つぎに、位相回転手段2が、検出された角度差だけ
補償信号の位相を逆回転させて周波数のシフトをキャン
セルし、その後、交差偏波間干渉補償手段3が、逆回転
された補償信号を基に、干渉波が重畳された主信号に対
して交差偏波間干渉補償を行う。
【0038】また、検出手段1内での角度差の検出はつ
ぎにように行われる。まず、干渉波抽出手段1aが主信
号に重畳している干渉波を抽出し、つぎに第1の回転角
度検出手段1bが、主信号のI−Q軸上での干渉波の信
号点の回転角度を検出する。一方、第2の回転角度検出
手段1cが、補償信号のI−Q軸上での補償信号の信号
点の回転角度を検出する。そして、差算出手段1dによ
り第1の回転角度検出手段1bが検出した回転角度と第
2の回転角度検出手段1cが検出した回転角度との差を
算出する。
【0039】さらには、積分手段1eが、差算出手段1
dが検出した差を平均化し、この得られた平均値を前記
角度差として位相回転手段2へ出力する。以上のように
して、送信V偏波側と送信H偏波側との間を同期化する
ことなく、交差偏波間干渉の補償が可能となる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2は、交差偏波間干渉補償装置を含むコチャ
ネル方式の受信装置の概略構成図である。図中、V偏波
側は、アンテナ11、受信器(RX)12、復調器(D
EM)13、自動等化器(TEQL)14、Iチャネル
用加算器15a、およびQチャネル用加算器15bで構
成され、同様に、H偏波側は、アンテナ16、受信器
(RX)17、復調器(DEM)18、自動等化器(T
EQL)19、Iチャネル用加算器20a、およびQチ
ャネル用加算器20bで構成される。自動等化器14,
19は直交2次元トランスバーサルフィルタで構成さ
れ、極性信号(識別信号)および誤差信号により制御さ
れる。
【0041】さらに、V偏波側の復調器13のI,Qチ
ャネル出力がA/D変換器(図示せず)、無限移相器
(EPS)21、およびXPIC(交差偏波間干渉補償
器)22を介して加算器20a,20bへ加えられる。
無限移相器21へは検出装置23から制御信号が入力さ
れる。検出装置23へ入力される信号については図3を
参照して後述する。同様に、H偏波側の復調器18の
I,Qチャネル出力がA/D変換器(図示せず)、無限
移相器(EPS)24、およびXPIC(交差偏波間干
渉補償器)25を介して加算器15a,15bへ加えら
れる。無限移相器24へは検出装置26から制御信号が
入力される。検出装置26へ入力される信号については
図3を参照して後述する。上記のXPIC22,25は
直交2次元トランスバーサルフィルタで構成され、極性
信号(識別信号)および誤差信号により制御される。
【0042】図3は、図2に示すV偏波側の自動等化器
(TEQL)14、Iチャネル用加算器15a、Qチャ
ネル用加算器15b、並びに無限移相器(EPS)2
4、XPIC25、検出装置26だけを取り出し、検出
装置26を詳しく図示したブロック図である。なお、も
う1つの検出装置23については説明を省略するが、こ
の検出装置23も図3に示す検出装置26と同様な構成
である。
【0043】検出装置26は、まず、Iチャネル用加算
器15aの入出力両端の信号の差を検出する減算器26
aと、Qチャネル用加算器15bの入出力両端の信号の
差を検出する減算器26bとからなる。加算器15a,
15bは、干渉波を含んだ主信号(この場合、図6に示
すデータ信号Aに相当するV偏波側のベースバンド信
号)に対して交差偏波間干渉の補償を行う部分であるの
で、これらの入出力両端の信号の差は干渉波に相当す
る。
【0044】減算器26aから干渉波の信号点のI成分
が、また、減算器26bから干渉波の信号点のQ成分が
ROM26cへ入力される。ROM26cには、干渉波
の信号点のI成分およびQ成分に対する回転角度θ
1 (=tan -1Q/I)の対応表である所定のテーブルが
予め格納されており、ROM26cは、入力された干渉
波の信号点のI成分およびQ成分に基づき、干渉波の信
号点の回転角度θ1 を読み出し、減算器26eへ出力す
る。
【0045】また検出装置26は、無限移相器24の出
力端に接続されたROM26dから構成される。ROM
26dには、補償信号の信号点のI成分およびQ成分に
対する補償信号の信号点の回転角度θ2 (=tan -1Q/
I)の対応表である所定のテーブルが予め格納されてお
り、ROM26dは、入力された補償信号のI成分およ
びQ成分に基づき、補償信号の信号点の回転角度θ2
読み出し、減算器26eへ出力する。
【0046】検出装置26では、減算器26eが、回転
角度θ1 と回転角度θ2 との差Δθを算出し、積分回路
26fへ出力する。この差Δθは、図4に示すように、
干渉波の信号点の回転位置と補償信号の信号点の回転位
置との角度差に相当する。
【0047】図4は主信号および干渉波の受信周波数ス
ペクトラムを示す図である。図中、S1は主信号(ここ
ではV偏波側主信号)のスペクトラムを示し、S2は補
償信号(ここではH偏波側信号)のスペクトラムを示
す。両者の各中心周波数の間には、一般に、前述した式
(6)に含まれる周波数シフト量(fMH+fTH−fRV
DV)に相当する周波数差Δfが生じる。したがって、
主信号に重畳する干渉波のスペクトラムはS3のように
表される。この周波数差Δfが、上記の回転角度θ1
回転角度θ2 との差Δθに相当するものであり、この周
波数差Δf分だけ周波数を逆方向(図の左方向)へシフ
トすることにより、交差偏波間干渉の補償が可能とな
る。
【0048】図3に戻って、検出装置26を構成する積
分回路26fは、加算器と遅延器(T)とからなり、差
Δθの平均化を行い、その平均値θをROM26gへ出
力する。
【0049】ROM26gには、平均値θに対応した値
sinθおよび値 cosθのテーブルが予め格納されてお
り、入力した平均値θに基づき値 sinθおよび値 cosθ
を読み出して無限移相器24へ出力する。
【0050】図5は無限移相器24の内部構成を示す回
路図である。無限移相器24は、バタフライ型に接続さ
れた乗算器24a〜24dと、加算器24e,24fと
から構成される。乗算器24a,24cは sinθの信号
により制御され、また乗算器24b,24dは cosθの
信号により制御され、その結果、無限移相器24は平均
値θだけの移相を行う。この移相は、平均値θが0に収
束する方向に行われる。
【0051】したがって、図3において、H偏波側の復
調器18からのI,Qチャネル信号(補償信号)が平均
値θだけ回転されて、図4の周波数差Δf分だけ干渉波
スペクトラムS3が逆方向(図4の左方向)へシフトし
たことになり、続くXPIC25での交差偏波間干渉の
補償が可能となる。
【0052】XPIC25は、無限移相器24の出力か
ら抽出された極性信号と、Iチャネル用加算器15aお
よびQチャネル用加算器15bからの出力信号、つまり
干渉波が重畳された主信号に対して交差偏波間干渉補償
が行われた後の信号、から抽出された誤差信号とに基づ
き、交差偏波間干渉補償を行う。
【0053】ところで、XPIC25の制御帯域をfC
とし、送信側のV偏波側の変調器の局部発振周波数をf
MV、V偏波側の送信器の局部発振周波数をfTV、H偏波
側の変調器の局部発振周波数をfMH、H偏波側の送信器
の局部発振周波数をfTHとする。そして、(fMV
TV)の最大値をfVMAX、最小値をfVMIN、(fMH+f
TH)の最大値をfHMAX、最小値をfHMINとする。このと
き、 (fMV+fTV)>(fMH+fTH)の場合には、fVMIN−fHMAX>2fC (fMV+fTV)<(fMH+fTH)の場合には、fHMIN−fVMAX>2fC となるように周波数の選択を行うようにする。これは、
XPIC25の制御ループ内に、(fMV+fTV)と(f
MH+fTH)とによるビート成分が入ると、XPIC25
が誤動作するので、このXPIC25の誤動作を防止す
るために、こうした周波数選択を行うものである。
【0054】なお上記実施例では、自動等化器(TEQ
L)、交差偏波間干渉補償器(XPIC)はディジタル
回路で構成したが、アナログ回路で構成してもよい。こ
の場合には、自動等化器(TEQL)、交差偏波間干渉
補償器(XPIC)はA/D変換器の前段にそれぞれ配
置される。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、位相回
転手段により補償信号を、干渉波の信号点の回転位置と
補償信号の信号点の回転位置との角度差だけ逆回転した
後、その補償信号を交差偏波間干渉補償器(XPIC)
に入力するようにした。これにより、送信V偏波側と送
信H偏波側との間を非同期にしても交差偏波間干渉の補
償が可能となり、したがって、従来のような保守上の煩
雑さや、ハードウェアの高コスト化を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】交差偏波間干渉補償装置を含むコチャネル方式
の受信装置の概略構成図である。
【図3】検出装置を詳しく図示したブロック図である。
【図4】主信号および干渉波の受信周波数スペクトラム
を示す図である。
【図5】無限移相器の内部構成を示す回路図である。
【図6】同一周波数のV,H偏波に、互いに異なる信号
を載せて通信を行うコチャネル方式の無線通信システム
の従来例の概略のブロック図である。
【図7】V偏波側およびH偏波側の各復調器以降の具体
的な回路構成を示すブロック図である。
【図8】変調器の内部構成を示すブロック図である。
【図9】送信器の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 検出手段 1a 第1の回転角度検出手段 1b 第2の回転角度検出手段 1c 差算出手段 1d 積分手段 2 位相回転手段 3 交差偏波間干渉補償手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一周波数のV,H偏波に、互いに異な
    る信号を載せて通信を行うコチャネル方式の無線通信装
    置の交差偏波間干渉補償装置において、 干渉波の信号点の回転位置と補償信号の信号点の回転位
    置との角度差を検出する検出手段(1)と、 前記検出手段(1)で検出された角度差だけ補償信号の
    位相を回転させる位相回転手段(2)と、 前記位相回転手段(2)で回転された補償信号に基づ
    き、前記干渉波が重畳された主信号に対して交差偏波間
    干渉補償を行う交差偏波間干渉補償手段(3)と、 を有することを特徴とする交差偏波間干渉補償装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段(1)は、主信号に重畳し
    ている干渉波を抽出する干渉波抽出手段(1a)と、主
    信号のI−Q軸上での前記抽出された干渉波の信号点の
    回転角度を検出する第1の回転角度検出手段(1b)
    と、補償信号のI−Q軸上での補償信号の信号点の回転
    角度を検出する第2の回転角度検出手段(1c)と、前
    記第1の回転角度検出手段(1b)が検出した回転角度
    と前記第2の回転角度検出手段(1c)が検出した回転
    角度との差を算出する差算出手段(1d)とから構成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の交差偏波間干渉補
    償装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段(1)は、前記差算出手段
    (1d)が検出した差を平均化し、この得られた平均値
    を前記角度差として前記位相回転手段(2)へ出力する
    積分手段(1e)を、さらに有することを特徴とする請
    求項2記載の交差偏波間干渉補償装置。
  4. 【請求項4】 前記位相回転手段(2)は前記交差偏波
    間干渉補償手段(3)の前段に設けられ、前記第2の回
    転角度検出手段(1c)は前記補償信号を前記位相回転
    手段(2)の出力から抽出することを特徴とする請求項
    2記載の交差偏波間干渉補償装置。
  5. 【請求項5】 前記交差偏波間干渉補償手段(3)は、
    前記位相回転手段(2)の出力から抽出された極性信号
    と、前記干渉波が重畳された主信号に対して交差偏波間
    干渉補償が行われた後の信号から抽出された誤差信号と
    に基づき、交差偏波間干渉補償を行うことを特徴とする
    請求項4記載の交差偏波間干渉補償装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の回転角度検出手段(1b)は
    所定のテーブルが格納されたROMから構成され、前記
    ROMの入力側には前記干渉波の信号点のI成分および
    Q成分が入力され、前記ROMの出力側からは前記干渉
    波の信号点の回転角度が出力されることを特徴とする請
    求項2記載の交差偏波間干渉補償装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の回転角度検出手段(1c)は
    所定のテーブルが格納されたROMから構成され、前記
    ROMの入力側には前記補償信号の信号点のI成分およ
    びQ成分が入力され、前記ROMの出力側からは前記補
    償信号の信号点の回転角度が出力されることを特徴とす
    る請求項2記載の交差偏波間干渉補償装置。
  8. 【請求項8】 前記交差偏波間干渉補償手段(2)の制
    御帯域の2倍が、前記補償信号を送信する送信側の変調
    部の局部発振周波数と同送信部の局部発振周波数との和
    の最小値から、前記主信号を送信する送信側の変調部の
    局部発振周波数と同送信部の局部発振周波数との和の最
    大値を減じた値よりも小さいことを特徴とする請求項1
    記載の交差偏波間干渉補償装置。
  9. 【請求項9】 前記交差偏波間干渉補償手段(2)の制
    御帯域の2倍が、前記主信号を送信する送信側の変調部
    の局部発振周波数と同送信部の局部発振周波数との和の
    最小値から、前記補償信号を送信する送信側の変調部の
    局部発振周波数と同送信部の局部発振周波数との和の最
    大値を減じた値よりも小さいことを特徴とする請求項1
    記載の交差偏波間干渉補償装置。
  10. 【請求項10】 同一周波数のV,H偏波に、互いに異
    なる信号を載せて通信を行うコチャネル方式の無線通信
    装置の交差偏波間干渉補償方法において、 干渉波の信号点の回転位置と補償信号の信号点の回転位
    置との角度差を検出し、 前記検出された角度差だけ補償信号の位相を回転させ、 前記回転された補償信号を基に、前記干渉波が重畳され
    た主信号に対して交差偏波間干渉補償を行うことを特徴
    とする交差偏波間干渉補償方法。
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