JPH0717679B2 - 乳ガン細胞表面抗原に特異的なモノクロ−ナル抗体 - Google Patents

乳ガン細胞表面抗原に特異的なモノクロ−ナル抗体

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JPH0717679B2
JPH0717679B2 JP60274294A JP27429485A JPH0717679B2 JP H0717679 B2 JPH0717679 B2 JP H0717679B2 JP 60274294 A JP60274294 A JP 60274294A JP 27429485 A JP27429485 A JP 27429485A JP H0717679 B2 JPH0717679 B2 JP H0717679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はモノクローナル抗体に関し、より詳しくは乳ガ
ン細胞表面に見い出される抗原と反応するモノクローナ
ル抗体に関する。
発明の背景 抗体は医学診断上、例えば血液型の判定や生物学的実験
において長い間使用されてきた。ケーラーおよびミルス
タイン(Khler,G.and Milstein,C.:Natura(Londo
n)256,495−497,1975)によつて、均一且つ極めて特異
的な抗体を得ることのできるモノクローナル抗体産生技
術が進歩したことに伴い、抗体の有用性は著しく増加し
た。従来用いられてきたそして多くの抗原決定基と反応
する各種抗体分子の実質的には不均一な混合物である抗
体画分とは異なり、モノクローナル抗体中の分子は全て
同一でありまた一般的には単一の抗原決定基或いは一群
の極めて関連の深い抗原決定基群と反応する。従つてモ
ノクローナル抗体は従来の不均一な抗体画分よりもはる
かに正確に特定物質の存在を検出する試験たりうる。モ
ノクローナル抗体の正確な選択性はガン細胞のような選
択された生物学的物質に対する特に診断上の目的で有用
であるが、治療薬としても有用である。モノクローナル
抗体は従来知られていなかつた生物学的物質を検出し単
離するために用いられてきた。
一般的に、モノクローナル抗体は生物学的標本または他
の異物をもつて動物を免疫し、該動物から抗体−産生細
胞を得、この抗体−産生細胞と新生物細胞株、例えば腫
瘍細胞とを細胞融合させてハイブリドーマを形成させ、
これを単離し単一クローンとして培養することによつて
産生される。このモノクローン性ハイブリドーマ生体外
で培養することもまた宿主動物内で腫瘍として生育させ
ることもできる。各抗体−産生細胞は単一かつ特異的な
抗体を産生するので、ハイブリドーマのモノクローン性
培養は各々均一な抗体画分を産生し、この抗体画分は生
体外でハイブリドーマを培養した培養液または腫瘍に感
染させた宿主動物の腹水或いは血清から得ることができ
る。
抗体−産生細胞と新生物細胞との融合によつて得られる
ハイブリドーマクローンの全てが所要する異物や抗原に
対し特異的であるとは限らない。何故なら、多くのハイ
ブリドーマは接種された動物が産生した他の異物と反応
しうる抗体をそのまま産生しうるからである。異る細胞
が産生する抗体は同一分子の異る抗原決定基と反応しう
ることから目的とする抗原に対するモノクローナル抗体
でさえも由来するクローン間で異つているといえる。そ
れ故、各クローンにおいて生じる抗体或は抗体含有−培
養液、血清、腹水などを得、さらに標的とする生物学的
物質との反応性や、もし認められるなら他物質との反応
性から、そのものの特異性を試験する必要があるといえ
る。各クローン由来の抗体を特徴ずける必要性はモノク
ローナル抗体産生における複雑性を増加させるが、調製
が可能ならば均一抗体の多様性は研究者にとつて体細胞
の構造と発育を実測するうえで極めて的確な手段をもた
らすといえる。
発明の要約 ヒド乳ガン細胞に広く見い出される抗原に対して特異的
なモノクローナル抗体が産生される。マウスにヒト乳ガ
ン細胞を接種し、該接種マウスから脾臓細胞かリンパ節
細胞を調製し、これをマウス腫瘍細胞と融合させる。融
合細胞の単一培養を起し、その後モノクローンから得た
抗体について無作為に調製した各種のヒト乳ガン組織と
の反応性を試験する。目的とする性質を有する抗体を産
生する単一培養を選択するために、ヒト正常細胞および
他のヒト腫瘍細胞を含む他の細胞と抗体との反応性を試
験する。1つのハイブリドーマクローンが産生するモノ
クローナル抗体は乳ガン細胞表面抗原と反応し、このモ
ノクローナル抗体は特に乳ガンの診断に有用である。ま
た該抗体は乳ガンに対する薬剤としても有用でありう
る。
好ましい実施態様の詳細な説明 ヒト乳ガンは現在アメリカにおける女性のガンによる死
亡の第1の原因であり、毎年150,000人以上の新しい患
者が乳ガンと診断されている。ヒト乳ガンの組織病理学
的分類は現在のところ形態的記述のみに依存している。
約80%は浸潤性管状ガンであり、10%は浸潤性小葉状ガ
ンであり、残る10%が腺管内のガンを含む多様な組織学
的形態からなる。しかし炎症性ガンを除いて、大体のと
ころ形態は診断上の予後や治療指針の良い基準たりえな
いことが明らかとなつてきている。事実、病気の程度
(腫瘍の大きさや結節の確実性)が臨床上の取扱いを決
定してきた。最近になつて、エストロゲンおよびプロゲ
ステロンリセプター決定法の出現に伴い、悪性腫瘍乳細
胞の生物学的特徴と関連づけて臨床上の変化をもたせる
ことが始まつた。
本発明は、ヒト乳癌細胞の細胞膜に生ずる抗原に結合す
るIgG1モノクローナル抗体であって、該抗体が無作為に
得た29のヒト乳癌細胞のうち約26と反応し、実質的にす
べての繊維嚢胞疾患細胞と反応し、正常な胸部上皮細
胞、腎近傍の細管、皮膚、食道および唾液線とも反応す
るが、他のいずれのヒト正常組織とも実質的に反応せ
ず、かつ中皮腫細胞とも反応しないことを特徴とするモ
ノクローナル抗体を提供する。本発明のモノクローナル
抗体は、試験した他の悪性腫瘍組織17のうち13と反応し
なかつた。乳ガン組織は無作為に選んだのであるから、
該抗体は他の無作為に選んだヒト乳ガン組織ともほぼ同
じ比率で反応することが期待される。該抗体はヒト乳ガ
ンに多く見られる抗原を検出するので、ヒト乳ガンが由
来する細胞系統を決定するのに有用であり、更に乳ガン
の治療に臨床的に用いうる可能性を有している。
本発明はまた、ヒト乳癌細胞の細胞膜に生ずる抗原に結
合するIgG1モノクローナル抗体を製造する方法を提供す
る。該方法は、ヒト乳癌細胞の細胞膜に生ずる抗原に結
合するIgG1モノクローナル抗体であって、該抗体が無作
為に得た29のヒト乳癌細胞のうち約26と反応し、実質的
にすべての繊維嚢胞疾患細胞と反応し、正常な胸部上皮
細胞、腎近傍の細管、皮膚、食道および唾液腺とも反応
するが、他のいずれのヒト正常組織とも実質的に反応せ
ず、かつ中皮腫細胞とも反応しないことを特徴とするモ
ノクローナル抗体を産生しうるハイブリドーマを培養
し、産生された抗体を回収する工程を含む。
乳ガン細胞系MC−7に対するモノクローナル抗体が前出
のケーラーおよびミルシユタインの手法を用いて産生さ
れた。乳ガン細胞系MCF−7〔ソウル(Soule,H.D.)ら,
JNCI,51:1409〜1413(1973)〕を10%ウシ胎児血清およ
びNEAA(8.9mg/ L−アラニン,15.0mg/ L−アス
パラギン,13.3mg/ L−アスパラギン酸,14.7mg/
L−グルタミン酸,7.5mg/ L−グリシン,11.5mg/
L−プロリン,10.5mg/ L−セリン)を含むDMEM中
で培養した。
BALB/cマウスに3週間毎に合計3〜4回の注射となるよ
うにMCF−7細胞を106個腹腔内注射して接種した。最終
接種の3日後にマウスを殺して脾臓を摘出した。脾臓細
胞懸濁液を調製し、得られる細胞懸濁液を無蛋白質のダ
ルベコー変法イーグル培地を用いて2回遠心分離操作
(800×g)することにより洗滌した。
脾臓より得た抗体−産生細胞は、単独にては複製するこ
とがなく、培養不可能であるから、生体内外に於いて単
独に培養可能な細胞と融合させる。この操作で得た融合
ハイブリドーマを遺伝的および代謝的過程は各々の親細
胞の特徴を有しておりさらに得られた細胞のあるものは
単独に複製する能力および抗体−産生親細胞の特徴をも
ちうる。ある種の腫瘍細胞、特に骨髄腫細胞は、抗体−
産生細胞と好都合に融合し、ハイブリドーマを供給しう
る。この場合、腫瘍細胞並びに抗体−産生細胞は、起源
細胞の遺伝的、生化学的性質が適合し生育可能で安定な
ハイブリドーマを産生する可能性を強める為にも同一動
物由来である必然性はないが同一であることが望ましい
といえる。多くの骨髄腫細胞系は特徴づけられているこ
とから、本特許明細書では、ストツカー(J.Stocker)
がResearch Disclosure21713,155〜157(1982)で記述
しており、スイス,バーゼルのテオ・スタチリン(Theo
Stachlin)博士から恵与されたマウス由来の非抗体−
産生性骨髄腫細胞系PAIを用いてハイブリドーマを調製
した。なおここで使用しうる細胞系はP3NS1,Y3,SP2/0お
よびその誘導体であるが、これに限定されることなく他
の腫瘍細胞系も含まれることを了解すべきである。
抗体を産生しない骨髄腫系を選択することは、生じたハ
イブリドーマが親脾細胞またはリンパ節細胞起源の抗体
を産生するのみでありうるため有利である。このことは
このような抗体を治療目的の為に、例えば腫瘍細胞に対
する細胞毒薬剤として用いる場合に特に重要である。か
かる場合には副作用を起こしうる外来の抗体を導入する
ことは好ましくないからである。
骨髄腫細胞は10%ウマ血清を補充したダルベコー変法イ
ーグル培地で維持する。107個骨髄腫細胞および免疫し
たマウス由来の108個の細胞を融合させるためにポリエ
チレングリコール1500の45%(v/v)溶液に再懸濁す
る。混成した細胞はヒポキサンチン−アミノプテリン−
チミジン(HAT)培養液中で淘汰させる。このときの全
生育細胞がマウス脾臓由来細胞と骨髄腫細胞の混成の成
功を示唆する。
クローン化した混成細胞は、コツトン(Cotton)らがEu
r.J.Immunol.. 136(1973)で記述した如くに公知
の組織培養法によつて生体外で生育しうる。また別法と
して、その細胞は生体内では、組織適合運動或は無胸線
のヌードマウス体内で腫瘍として生育させうる。産生さ
れた抗体は、例えばジエルハード(Gerhard)らがProc.
Natl.Acad.Sei−75.pp1510−1514(1978)で述べた公知
の手法を用いて生体外培養液や動物の血清或は腹水から
回収しうる。ある場合には、培養細胞或は腫瘍細胞から
直接的に抗体を得ることが有利でありうる。
乾燥MCF−7、MDA−157およびDU4475(MCF−7を培養し
た方法で培養した他の乳ガン細胞系)並びにヒト包皮線
維芽細胞(HFF)細胞系を標的細胞として用いるハイブ
リドーマ上清の最初の特異性スクリーニングはELISA法
を用いて行つた。MCF−7および/またはMDA−157のい
ずれかと反応するがHFF細胞とは反応しないハイブリド
ーマを選択して第2のスクリーニングに用いた。
選択したハイブリドーマを10%ウマ血清、NEAA,10-5Mメ
ルカプトエタノールを補充したDMEM中で培養した。
有用なハイブリドーマクローンが産生された場合、もは
や抗体産性能のない種々の細胞と共に培養系を拡大する
ことを避けるために抗体産生細胞系の再クローン化が一
般的に有益である。ハイブリドーマを全部でないにし
ろ、各々の親細胞の遺伝物質を有していることにより、
ハイブリドーマの全特徴は明確でない。ハイブリドーマ
クローンではしばしば遺伝的異常か遺伝子欠損に由来す
るかして継代接種を繰り返すと特異抗体の再産生能およ
び/または産生能をそこなうことがある。したがつて、
最初の混成実施後に、次代ハイブリドーマクローンが抗
体産生能を有するハイブリドーマとして機能するか否か
を再クローン化して確認することが重要である。再クロ
ーン化とはハイブリドーマ細胞と腫瘍細胞とを融合する
こと、例えば独立したハイブリドーマ細胞を単離し、そ
れをクローン性である培養へと拡大することを意味す
る。
最初15A8と命名された細胞系およびその再クローンはヒ
ト乳ガン細胞上に多く生じる細胞表面抗原に特異的なモ
ノクローナル抗体を産生する。該15A8細胞系はメリーラ
ンド20852,ロツクヴイル,12301 パークローン・ドライ
ブにあるアメリカン・テイツシユー・カルチヤー・コレ
クシヨン(ATCC)に寄託されており、受託番号HB−8655
を与えられた。
モノクローナル抗体15A8のイソタイプはマウスIgG1,IgG
2a,IgG2b,IgG3,IgMおよびIgAに対するウサギ抗血清(Mi
les Laboratory社製)を用いるオクターローニー・ゲル
免疫拡散法によつて決定した。モノクローナル抗体15A8
はIgG1 イソタイプであると決定された。この15A8抗体
は試験したほとんど全ての乳ガン中に存在する表面抗原
と反応し、また全ての線維嚢胞疾患および正常の乳房上
皮とも反応する。該抗体は他の数種の正常組織と反応
し、しばしば多くの胸部由来でない腺ガンと反応する。
しかし、この抗体は中皮腫とは反応しないのでこれらの
腫瘍を転移性乳ガンから区別して診断するのに適してい
る。この抗体は生体外でMDAヒト乳ガン系の細胞の成長
を遅延させる。
該モノクローナル抗体は以下の工程によつて95%以上の
均一性に精製した。即ち、ハイブリドーマ細胞をあらか
じめプリスタンで感作したBALB/cマウスに接種して腹水
を得た。得られた腹水を10分間、10,000×gで遠心分離
することによつて清澄した。45%硫酸アンモニウム沈殿
に続いて10,000×gで10分間遠心分離した。沈殿物を10
mMトリス0.02%NaN3緩衝液(pH8)10ml中に再懸濁し、
同じ緩衝液に透析し、アフイ・ゲルブルーDEAEイオン交
換カラムに付した。カラムを3ベツド容積の0.02%NaN3
を含む20mMトリス(+28mM塩化ナトリウム)緩衝液で洗
い、抗体を塩化ナトリウムのグラジエントで溶出した。
2mlずつの分画を回収しOD280を測定した。抗原を含有す
る画分を区別するためにヒト乳ガンに対するイムノパー
オキシダーゼを使用した。適切な画分をプールした。蛋
白質濃度はロウリー(Loury)らがJ.Biol.Chem.193,265
−275(1975年)に記載した方法によつて決定した。精
製度はポリアクリルアミドゲル電気泳動によつて決定し
た。
精製した15A8抗体(10mg/ml)は1:10,000の稀釈率でMCF
−7およびMDA−175細胞と強く反応することが見出され
た。免疫蛍光像によるとこの抗体の反応形式は表面膜に
反応性であることが明らかとなつた。この反応性はメタ
ノール−酢酸固定した後にも、減少はするが持続してい
た。
新鮮な正常および悪性腫瘍組織部分はサンジエゴにある
UCSD病院およびヴエテランス(Veterans)病院の外科お
よび解剖病理学部門から得た。新鮮な凍結組織は国立ガ
ン研究所(NCI)の生物学的発ガン部門から得た。モノ
クローナル抗体15A8の数種の組織に対する反応性はイム
ノパーオキシダーゼ染色によつて決定した。
組織をテイシユー・テク(Tissue Tek)OCT化合物(サ
イエンテイフイツク・プロダクツ社製)でおおい、−70
℃で凍結した。ミクロトーム/クリオスタツトを用いて
4μMの厚さの凍結組織切片を切り取り、スライドグラ
スにのせて−70℃で保存した。切片をのせたスライドを
間接イムノパーオキシダーゼ・アツセイによつて染色し
た。短時間スライドをPBSで水和し、次いで部分的に風
乾した。次いでモノクローナル抗体を切片上にのせ、室
温で湿気のある容器中で30分間インキユベートした。続
いてヤギ抗マウス免疫グロブリンと結合した西洋ワサビ
ーパーオキシダーゼ(1:100で稀釈)を切片上にのせ
た。ジアミノベンジジン(0.6mg/ml)および0.03%過酸
化水素で呈色反応を起こさせた。細胞をヘマトールキシ
リンで対比染色し、水で洗滌し、100%エチルアルコー
ル中で脱水し、キシレンで処理した後、パーマウント
(Permount)にのせ、カバークラフでおおい、ツアイス
社の顕微鏡で観察した。ヒト乳ガン細胞系および他の腫
瘍組織と15A8との反応性を第1表に示した。
以下の第2表は15A8と正常組織および非乳房悪性腫瘍と
の反応性をまとめたものである。15A8は正常な胸部、腎
近傍細管、表皮、食道および唾液腺上皮と交叉反応し、
また頚ガン、結腸ガンおよび前立腺ガンの各1検体と交
叉反応した。15A8は既知のエストロゲンリセプターおよ
びプロゲステロンリセプター陰性胸部ガンの6検体のう
ち3つを染色したが、既知のエストロゲンリセプターお
よび/またはプロゲステロンリセプター陽性胸部ガンの
全4検体を染色した。
15A8抗体はヒト乳ガンに多く見られる抗原を検知するの
で、本抗体は現在のところ乳ガン細胞を診断するのに有
用であり、将来においてはこれらの腫瘍細胞の系統パタ
ーンの研究に有用となるであろう。15A8は細胞表面に露
出しているので、腫瘍の局部化および治療の双方に応用
することもできる。このモノクローナル抗体が胸部ガン
細胞の成長を生体外および生体内で阻害したという予備
的証拠によつて治療剤としての可能性は支持される。
このモノクローナル抗体が中皮腫細胞と反応しないとい
う事実は特に意義深い。これらの細胞は乳ガン細胞では
ないが、転移性乳ガンと同じ部位に生じることが多い。
従つて15A8抗体は中皮腫腫瘍と転移したガンとを区別す
るのに特に有用である。
本発明の範囲を逸脱することなく当業者は明らかに本技
術を変更しうる。例えば、抗体の産生は完全な乳ガン細
胞というよりむしろ細胞膜断片または細胞膜由来物質を
宿主動物に接種することによつても該宿主動物中で産生
しうる。
本発明の種々の特徴については特許請求の範囲で証明さ
れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/02 G01N 33/574 D 9015−2J 33/577 B 9015−2J (C12N 15/02 C12R 1:91) C12R 1:91) (72)発明者 ウイリアム・ロス・アレン アメリカ合衆国カリフオルニア州92024, エンシニタス,カントリーヘヴン・ロード 167 (56)参考文献 特開 昭59−205327(JP,A) 特開 昭60−253976(JP,A) 特開 昭61−103837(JP,A) 特開 昭61−132182(JP,A) 特表 昭61−500789(JP,A) 欧州特許出願公開124717(EP,A) Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,80(5),1332−1336 (1983) Neoplasma(Bratisla va),31(6),625−630(1984) Hybridoma,3(3),223− 232(1984)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト乳癌細胞の細胞膜に生ずる抗原に結合
    するIgG1モノクローナル抗体であって、該抗体が無作為
    に得た29のヒト乳癌細胞のうち約26と反応し、実質的に
    すべての繊維嚢胞疾患細胞と反応し、正常な胸部上皮細
    胞、腎近傍の細管、皮膚、食道および唾液線とも反応す
    るが、他のいずれのヒト正常組織とも実質的に反応せ
    ず、かつ中皮腫細胞とも反応しないことを特徴とするモ
    ノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】受託番号HB−8655としてATCCに寄託されて
    いるハイブリドーマ15A8の培養物またはその抗体産生継
    代培養物から得られる、特許請求の範囲第1項記載のイ
    ソタイプIgG1のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】MCF−7細胞の細胞膜に生ずる抗原に結合
    する、特許請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗
    体。
  4. 【請求項4】ヒト乳癌細胞の細胞膜に生ずる抗原に対す
    る結合するIgG1モノクローナル抗体を製造する方法であ
    って、該抗体が無作為に得た29のヒト乳癌細胞のうち約
    26と反応し、実質的にすべての繊維嚢胞疾患細胞と反応
    し、正常な胸部上皮細胞、腎近傍の細管、食道および唾
    液線とも反応するが、他のいずれのヒト正常組織とも実
    質的に反応せず、かつ中皮腫細胞とも反応しないことを
    特徴とし、該方法が、 該抗体を産生しうるハイブリドーマを培養する;および 産生された抗体を回収する; の各工程を含む方法。
  5. 【請求項5】前記ヒト乳癌細胞が細胞株MCF−7由来で
    ある、特許請求の範囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】受託番号HB−8655としてATCCに寄託されて
    いるハイブリドーマ15A8の培養物またはその抗体産生継
    代培養物から得られるイソタイプIgG1のモノクローナル
    抗体が産生される、特許請求の範囲第5項記載の方法。
JP60274294A 1984-12-05 1985-12-05 乳ガン細胞表面抗原に特異的なモノクロ−ナル抗体 Expired - Lifetime JPH0717679B2 (ja)

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US67826184A 1984-12-05 1984-12-05
US678261 1984-12-05

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JPS61180725A JPS61180725A (ja) 1986-08-13
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JP60274294A Expired - Lifetime JPH0717679B2 (ja) 1984-12-05 1985-12-05 乳ガン細胞表面抗原に特異的なモノクロ−ナル抗体

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JP (1) JPH0717679B2 (ja)
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