JPH0759588A - 増殖因子レセプターに対するモノクローナル抗体の製造方法及び抗c−erbB−2モノクローナル抗体 - Google Patents

増殖因子レセプターに対するモノクローナル抗体の製造方法及び抗c−erbB−2モノクローナル抗体

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JPH0759588A
JPH0759588A JP22983591A JP22983591A JPH0759588A JP H0759588 A JPH0759588 A JP H0759588A JP 22983591 A JP22983591 A JP 22983591A JP 22983591 A JP22983591 A JP 22983591A JP H0759588 A JPH0759588 A JP H0759588A
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Satoshi Honda
聡 本田
Jiro Hitomi
次郎 人見
Arupaa Ozuge
オズゲ・アルパー
Ken Yamaguchi
建 山口
Taijiro Matsushima
泰次郎 松島
Kaoru Abe
薫 阿部
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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KOKURITSU GAN CENTER SOUCHIYOU
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、ヒト癌細胞の可溶化物を免疫抗原と
して用いることを特徴とする増殖因子レセプターに対す
るモノクローナル抗体の製造方法、並びにヒト乳癌細胞
株SK−BR−3で免疫した哺乳動物の免疫細胞と哺乳
動物の骨髄細胞との融合により形成されたハイブリドー
マにより産生されc−erbB−2関連蛋白質に特異的
に反応する抗c−erbB−2モノクローナル抗体と該
抗体を必須成分として含有する抗腫瘍剤及び癌の診断剤
とを提供するものである。 【効果】本発明抗体は、c−erbB−2関連蛋白質に
特異的に反応することを特徴としており、腺癌、特に乳
癌の診断及び治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌の診断及び治療に有
用な増殖因子レセプターに対するモノクローナル抗体、
代表的にはc−erbB−2関連蛋白質に対するモノク
ローナル抗体の製造方法及び該モノクローナル抗体に関
する。
【0002】
【従来の技術】癌遺伝子産物は、現在約50種類知られ
ている。その癌遺伝子産物中、もっとも大きなグループ
を形成するのはチロシンキナーゼであり、これは細胞膜
にぶら下がるように存在するsrc型と、細胞膜を貫通
し増殖因子との結合部位を有する受容体型に大別され
る。この受容体型チロシンキナーゼ(チロシン残基特異
的蛋白質リン酸化酵素)癌遺伝子は、種々の構造的変化
を受けて癌遺伝子として活性化されることが知られてい
る。しかしながら、ヒト悪性腫瘍においては、この構造
的変化は認められずに、遺伝子増幅と癌遺伝子産物の高
発現が検出される場合がしばしば認めれる。特に、受容
体型チロシンキナーゼのうち、上皮細胞成長因子(ep
idermal growth factor,EG
F)と該EGFの受容体(レセプター)と酷似する蛋白
質をコードする関連遺伝子として見い出されたc−er
bB−2遺伝子[Yamamoto,T.,et.a
l.,Nature,319,230−234(198
6)]の癌遺伝子産物であるp185遺伝子は、種々の
ヒト悪性腫瘍において該遺伝子の増幅と癌遺伝子産物の
高発現が認められており、特に腺癌中に高頻度のc−e
rbB−2遺伝子の増幅が認められている。また、この
c−erbB−2遺伝子の増幅程度が、その腺癌、特に
乳癌の予後と強い相関を示すことが既に見い出だされて
いる[Slamon,D.J.,et al.,Sci
ence,235, 177−182(1987)]。
【0003】c−erbB−2遺伝子は、センバらによ
りEGFレセプター遺伝子と類似の構造を持つ遺伝子と
して発見され[Semba,K.,et al.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,
,6497−6501(1985)]、N末端のシグ
ナルペチプドに続く細胞外ドメインには、2ケ所のシス
テインに富んだ領域があり、またEGFレセプターとの
アミノ酸配列の相同性が44%と高く、同様のレセプタ
ーの働きをしていると考えられている。該遺伝子の細胞
内ドメインは最初のキナーゼドメインとC末端の制御ド
メインとよりなり、前者はアミノ酸配列において、EG
Fレセプターのキナーゼドメインと82%の高い相同性
を示す。後者は相同性こそ32%とやや低いが、C末端
近くのキナーゼ活性制御に重要と考えられる3個のチロ
シン残基が、それぞれEGFに対応する位置に保存され
ている。また、c−erbB−2遺伝子はワインバーグ
らの分離したラットの癌遺伝子neu[Bargman
n,C.I.,et al.,Nature,319
226−230(1986)]と相同性が高く、該ラッ
トにおけるneuとヒトにおけるc−erbB−2と
は、同じ遺伝子を指しているものと結論された。更に、
c−erbB−2は分子量が185kdの大きさの特異
的なタンパク質として検出され、アミノ酸の一次構造か
ら予想された分子量140kdよりかなり大きいことか
ら、糖鎖の結合したタンパク質であると推定された[A
kiyama,T.,et al.,Science,
232,1644−1646(1986)]。そして、
このタンパク質は試験管内において、チシロンに特異的
なタンパク質リン酸化酵素活性を示した。
【0004】c−erbB−2の変異と発癌性(トラン
スフォーム能)については、ラットのneu遺伝子のト
ランスフォーム活性が、細胞膜通過領域にただ一つの変
異が起り、バリンがグルタミン酸に変化したことにより
獲得されるものであることが明らかになり[Bargm
ann,C.I.,et.al.,Cell,45,6
49−657(1986)]、このことからc−erb
B−2においても、対応する659番目のアミノ酸がバ
リンであることから、これをグルタミン酸に変異させる
とneu遺伝子と同様に、NIH3T3細胞に対するト
ランスフォーム能を獲得すると報告されている[Di−
Fiore,P.P.,et al.,Scienc
e,237,178−182(1987)]。また、C
末端の制御ドメインを大幅に欠損させる変異によって
も、前記の変異よりは弱いものの、細胞トランスフォー
ム能を獲得し得る。更に、上記両変異が共存すると、c
−erbB−2はより高いトランスフォーム能を獲得す
ることができる。これらのトランスフォーム能を獲得し
た例では、いずれもc−erbB−2タンパク質のチロ
シンリン酸化活性が上昇しており[Segatto,
O.,et al.,Mol.Cell.Biol.,
,5570−5574(1988)]、c−erbB
−2タンパク質もEGFレセプターと同様に、チロシン
リン酸化によって細胞外の増殖シグナルを細胞内に伝え
ていること、及び変異によって癌遺伝子化することが考
えられている。
【0005】いま一つの活性化としては、遺伝子の増幅
が考えられる。この点については、SV40プロモータ
ーにつないだc−erbB−2は、NIH3T3をトラ
ンスフォームする活性を持たないが、NIH3T3細胞
中で導入されたSV40プロモーターつきc−erbB
−2遺伝子の増幅を起こし、その発現が上昇するとNI
H3T3細胞は、トランスフォームした形質を示すよう
になる。このことから、c−erbB−2の高い発現
は、やはり細胞の異常増殖に役割を果たすと考えられる
[Di−Fiore,P.P.,et al.,Sci
ence,237,178−182(1987)]。
【0006】c−erbB−2のヒト癌における遺伝子
増幅については、胃癌と乳癌を中心とした腺癌におい
て、しばしば遺伝子増幅の認められることが報告されて
いる[Yokota,J.,et al.,Lance
,765−767(1985)]。乳癌について
は、ヒト乳癌と乳癌由来の培養細胞に、c−erbB−
2の遺伝子増幅が認められること[King,C.
R.,et al.,Science,229,974
−976(1985);Yamamoto,T.,et
al.,Nature,319,230−234(19
86)]と、欧米では乳癌は最も頻度の高い癌の一つで
あることとが重なって、現在までに遺伝子増幅と乳癌の
悪性度の関係が種々追求されてきている。之等多くの報
告を総合すると、乳癌手術組織においてほぼ20%前後
の割合で、c−erbB−2遺伝子の増幅が見られ、そ
の多くは予後が悪いか、転移が見られる等、悪性度の高
いことが示唆されている[Slamon,D.J.,e
t al.,Science,235,177−182
(1987);Kraus,M.H.,et al.,
EMBO J.,,605−610(1987);Z
bou,D.,et al.,Cancer Re
s.,47,6123−6125(1987);Vij
er,M.,et al.,Mol.Cell.Bio
l.,7,2019−2023(1987);Guer
in,M.,et al.,OncogeneRe
s.,,21−31(1988);Ali,I.
U.,et al.,Gene Res.,3,139
−146(1988);Tal,M.,et al.,
Cancer Res.,48,1517−1520
(1988)]。本邦においても津田らが手術組織の病
理標本から抽出したDNAを用いて、スロット・ブロッ
ト法でc−erbB−2遺伝子の増幅を検討し、10年
間の術後生存率を比較した成績を報告しており、該報告
によれば、遺伝子増幅の見られた例では明らかに予後が
悪かった[Tsuda,H.,et al.,Canc
erRes.,49,3104−3108(198
9)]。
【0007】以上のような背景の中で近年では、c−e
rbB−2タンパク質に対する抗体やモノクローナル抗
体も開発され、病理材料のみならず、手術材料を直ちに
免疫染色法によって検査する方法も開発されつつあり
[Masuko,T.,etal.,Jpn.J.Ca
ncer Res., 80,10−14(198
9);Yamada,Y.,et al.,Jpn.
J.Cancer Res.,80,1192−119
8(1989)]、c−erbB−2癌遺伝子産物を認
識する抗体としても、例えばc−erbB−2遺伝子の
C末端領域を認識するポリクローナル抗体、pAb1
(T4881)[トリトンバイオサイエンス社製(Tr
iton Bioscience Inc.;Alam
eda,CA)]や、キナーゼドメインを認識するポリ
クローナル抗体Ab−1[オンコジーンサイエンス社製
(Oncogene Science Inc.:Ma
nhasset,NY)]や、c−erbB−2の細胞
外ドメインを認識するモノクローナル抗体、SV2−6
1γ[ニチレイ株式会社製(Nitirai Co.:
Tokyo,Japan)]等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、腺
癌、特に乳癌の診断と治療において、これと関連の深い
増殖因子レセプター(ある種の癌遺伝子)を認識するモ
ノクローナル抗体及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0009】本発明はまた、ヒト乳癌細胞株SK−BR
−3の培養上清で免疫した哺乳動物の免疫細胞と哺乳動
物の骨髄細胞との融合により形成されたハイブリドーマ
により産生され、c−erbB−2関連蛋白質に特異的
に反応する抗c−erbB−2モノクローナル抗体を提
供することを目的とする。
【0010】更に本発明は腺癌、特に乳癌の診断剤及び
治療剤を提供することをも目的としている。
【0011】本発明者らは、上記目的から鋭意研究を重
ねた結果、ヒト癌細胞の可溶化物を免疫抗原として用い
る場合には、目的とする増殖因子レセプターを認識する
モノクローナル抗体が製造できることを見出すと共に、
ヒト乳癌細胞株であるSK−BR−3細胞から上記方法
に従って抗c−erbB−2モノクローナル抗体を得る
に成功し、ここに本発明を完成するに至った。
【0012】
【問題を解決するための手段】本発明によれば、ヒト癌
細胞の可溶化物を免疫抗原として用いることを特徴とす
る増殖因子レセプターに対するモノクローナル抗体の製
造方法、及びヒト乳癌細胞株SK−BR−3で免疫した
哺乳動物の免疫細胞と哺乳動物の骨髄細胞との融合によ
り形成されたハイブリドーマにより産生されc−erb
B−2関連蛋白質に特異的に反応することを特徴とする
抗c−erbB−2モノクローナル抗体が提供される。
【0013】また本発明によれば、ハイブリドーマがG
FD−OA−p185−1(微工研菌寄第12206
号)である上記抗c−erbB−2モノクローナル抗体
が提供される。
【0014】本発明抗体は、c−erbB−2関連蛋白
質に特異的に反応することを特徴としており、この抗体
の利用によれば、悪性腫瘍等の臨床治療及び診断を有効
に行なうことができる。従って、本発明はかかる悪性腫
瘍等の臨床治療剤及び診断剤をも提供するものである。
【0015】以下、本発明のモノクローナル抗体の製造
方法につき詳述する。
【0016】本発明抗体の製造は、上記の通りヒト癌細
胞の可溶化物を免疫抗原として用いることを必須の要件
として、その他は一般的モノクローナル抗体の製造方法
と同様にして実施でき、これによって増殖因子レセプタ
ーに対する所望抗体を容易に収得できる。ここで上記増
殖因子レセプターには、例えば上皮成長因子レセプター
(epidermal growth factor
receptor;EGFR)、インスリン様成長因子
レセプター(IGFR)、血小板由来成長因子レセプタ
ー(platelet−derived growth
factorreceptor)、コロニー刺激因子
レセプター(CSFR)等が包含される。
【0017】本発明抗c−erbB−2モノクローナル
抗体を例にとり、上記製造方法を詳述すれば、これは例
えば特定の融合細胞から産生される。該融合細胞を得る
ための一方の親細胞(免疫細胞)としては、ヒト乳癌細
胞株SK−BR−3細胞の可溶化物が用いられる。該免
疫細胞は、SK−BR−3細胞より通常の方法に従い、
例えば培養上清濃縮物等の形態に可溶化して調製でき
る。ここで用いられるSK−BR−3細胞は公知であ
り、例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ
ョン(ATCC)に寄託されている[Havel,R.
J.,et al.,J.Clin.Invest.,
34,1345−1353(1955)等参照]。
【0018】上記SK−BR−3細胞の可溶化物を免疫
抗原として利用した本発明抗体の製造も、常法に従って
実施することができる[例えばHanfland,
P.,Chem.Phys.Lipids,15,10
5(1975);Hanfland,P.,Chem.
Phys.Lipids,10,201(1976);
Koscielak,J.,Eur.J.Bioche
m.,37,214(1978)等参照]。
【0019】該方法は、より具体的には、例えば上記免
疫抗原で免疫した哺乳動物の形質細胞(免疫細胞)と哺
乳動物の形質細胞腫細胞(骨髄細胞)との融合細胞(h
ybridoma)を作成し、これよりc−erbB−
2関連蛋白質を認識する所望抗体を生産するクーロンを
選択し、該クーロンの培養により実施できる。本発明抗
体としては、粗製抗体液、即ち抗体産生ハイブリドーマ
の培養上清あるいはマウス腹水の状態のものをそのまま
で利用でき、また、常法に従って例えば硫酸アンモニウ
ム分画やイオン交換クロマトグラフィーあるいはプロテ
ィンA抗原カラム等によるアフィニティクロマトグラフ
ィーにより精製した精製抗体として利用することも可能
である。
【0020】上記融合細胞の製造において免疫抗原、即
ち、SK−BR−3細胞の可溶化物で免疫される哺乳動
物としては、特に制限はないが、細胞融合に使用する形
質細胞腫細胞との適合性を考慮して選択するのが好まし
く、一般にはマウス、ラット等が有利に用いられる。免
疫は一般的方法により、例えば上記免疫抗原又は必要に
応じて適当な結合試薬により担体と結合させた抗原を、
哺乳動物に静脈内、皮内、皮下、腹腔内注射等により投
与することにより実施できる。
【0021】上記において用いられる担体としては、通
常抗原の作成に当り慣用されている高分子の天然もしく
は合成の蛋白質を広く使用できる。該担体には例えば各
種動物の血清アルブミン類、血清グロブリン類、チログ
ロブリン類、ヘモグロブリン類、ヘモシアニン類や回虫
より抽出された蛋白質(アスカリース抽出物、特公昭6
1−61350号公報)等のほか、ポリリジン、ポリグ
ルタミン酸、リジン−グルタミン酸共重合体、リジン又
はオルニチンを含む共重合体等が包含される。
【0022】また結合試薬としては、通常の抗原の作成
に当り慣用されているものを広く使用できる。具体的に
はアミノ基とアミノ基を架橋結合させる、例えばグリオ
キサール、マロンジアルデヒド、グルタールアルデヒ
ド、スクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族
ジアルデヒド類;チオール基とチオール基とを架橋結合
させる、例えばN,N′−o−フェニレンジマレイミ
ド、N,N′−m−フェニレンジマレイミド等のジマレ
イミド化合物、アミノ基とチオール基とを架橋結合させ
る、例えばメタマレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ
スクシンイミドエステル等のマレイミドカルボキシル−
N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、アミノ基と
カルボキシル基とをアミド結合させる通常のぺプチド結
合形成反応に用いられる試薬、例えばN,N−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド、N−エチル−N′−ジメチル
アミノカルボジイミド、1−エチル−3−ジイソプロピ
ルアミノカルボヒドロキシスクシンイミドエステル化合
物、アミノ基とカルボキシ基とをアミド結合させる通常
のジイミド類等の脱水縮合剤等を挙げることができる。
更にp−ジアゾニウムフェニル酢酸等のジアゾニウムア
リールカルボン酸類と通常のペプチド結合形成反応試
薬、例えば上記脱水縮合剤とを組合せたものも、上記結
合試薬として使用可能である。
【0023】免疫は、例えばマウスを例にとり詳述すれ
ば、上記免疫抗原を生理食塩水含有リン酸緩衝液(PB
S)や生理食塩水等で適当な濃度に希釈し、所望により
通常のアジュバントと併用して、供試動物に2〜14日
毎に数回投与し、総投与量が約100〜500μg/マ
ウス程度になるようにして実施するのが好ましい。免疫
細胞としては、上記最終投与の約3日後に摘出した脾臓
細胞を使用するのが好ましい。ここで免疫抗原として使
用される細胞は、例えば牛胎児血清(FCS)等を含む
通常の培養用培地、具体的には5%FCS添加RPMI
−1640培地等にて培養後、10〜100倍に濃縮し
た培養細胞として有利に使用できる。アジュバンドとし
ては、例えば百日咳ワクチン、完全フロインドアジュバ
ンドあるいはアラムを用いるのが適当である。
【0024】上記免疫細胞と融合される他方の親細胞と
しての哺乳動物の形質細胞腫細胞としては、既に公知の
種々のもの、例えばp3/×63−Ag8(X63)
[Nature,256,495−497(197
5)]、p3/X63−Ag8.U1(P3U1)[C
urrent Topics in Microbio
logy and Immunology, 81,1
−7(1978)]、P3/NSI−1−Ag4−1
(NS−1)[Eur.J.Immunol.,6,
11−519 (1976)]、Sp2/0−Ag14
(Sp2/0)[Nature,276,269−27
0(1978)]、FO[J. Immunol.Me
th.,35,1−21(1980)]等やラットにお
ける210.RCY3.Ag1.2.3.(Y3)[N
ature,277,131(1979)]等の骨髄腫
細胞等を使用できる。
【0025】上記免疫細胞と形質細胞腫細胞との融合反
応は、公知の方法、例えばマイルスタインら(Mils
tein)の方法[Method in Enzymo
logy,73,3(1981)]等に準じて行なうこ
とができる。より具休的には上記融合反応は、通常の融
合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)、
センダイウイルス(HVJ)等の存在下に、通常の培地
中で実施され、培地には更に融合効率を高めるためにジ
メチルスルホキシド等の補助剤を必要に応じて添加する
こともできる。また、電気処理(電気融合)による方法
等を適宜採用することもできる。免疫細胞と形質細胞腫
細胞との使用比は、通常の方法と変わりなく、例えば形
質細胞腫細胞に対して免疫細胞を約1〜10倍程度用い
るのが普通である。融合反応時の培地としては、形質細
胞腫細胞の増殖に通常使用される各種のもの、例えばR
PMI−1640培地、MEM培地、その他この種細胞
培養に一般に利用されるものを例示でき、通常これら培
地は牛胎児血清(FCS)等の血清補液を抜いておくの
がよい。融合は上記免疫細胞と形質細胞腫細胞との所定
量を、上記培地内でよく混合し、予め37℃程度に加温
したPEG溶液、例えば平均分子量1000〜6000
程度のものを、通常培地に約30〜60w/v%の濃度
で加えて混ぜ合せることにより行なわれる。以後、適当
な培地を逐次添加して遠心し、上清を除去する操作を繰
り返すことにより、所望のハイブリドーマが形成され
る。
【0026】得られる所望のハイブリドーマの分離は、
通常の選別培地、例えばHAT培地(ヒポキサンチン、
アミノプリン及びチミジンを含む培地)で培養すること
により行なわれる。該HAT培地での培養は、目的とす
るハイブリドーマ以外の細胞(未融合細胞等)が死滅す
るのに充分な時間、通常数日〜数週間程度行なえばよ
い。かくして得られるハイブリドーマは、通常の限界希
釈法等により目的とする抗体の検索及び単一クローン化
に供される。
【0027】目的抗体産生株の検索は、例えばELIS
A法[Engvall,E.,Meth.Enzymo
l.,70,419−439(1980)]、プラーク
法、スポット法、凝集反応法、オクタロニー(Ouch
terlony)法、ラジオイムノアッセイ(RIA)
法等の一般に抗体の検出に用いられている種々の方法
(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会
社R&Dプラニング発行、第30−53頁、昭和57年
3月5日参照)に従い実施することができ、この検索に
は前記免疫抗原が利用できる。
【0028】かくして得られるc−erbB−2関連蛋
白質を認識する所望のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマは、通常の培地で継代培養することがで
き、また液体窒素中で長期保存することができる。上記
ハイブリドーマからの本発明モノクローナル抗体の採取
は、該ハイブリドーマを、常法に従って培養してその培
養上清として得る方法や、ハイブリドーマをこれと適合
性のある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として
得る方法が採用される。前者の方法は、高純度の抗体を
得るのに適しており、後者の方法は、抗体の大量生産に
適している。また上記のごとくして得られる抗体は、更
に塩析、ゲル濾過法、アフィニティクロマトグラフィー
等の通常の手段により精製することができる。
【0029】本発明抗体は、これを利用して、例えば免
疫沈降法、アフィニティクロマトグラフィー等の通常の
手段により、c−erbB−2関連蛋白質を簡便且つ特
異的に精製することが可能である。
【0030】また、本発明抗体の利用によれば、検体中
のc−erbB−2関連蛋白質を、免疫反応により特異
的に測定することができる。該方法としては、通常の競
合法、サンドイッチ法によるラジオイムノアッセイ(R
IA)、酵素免疫測定法(ELISA)、免疫沈降法、
凝集法等の免疫学的手法が挙げられ、これら各方法の操
作、手順等は、常法に変わるところはない。より具体的
には、例えば免疫沈降法を採用する場合、プロテインA
−セファロース等の担体に本発明抗体を結合させるか、
或るいはウサギ抗マウスIgG抗体などの標識抗体を第
2抗体として予め担体と結合させた後、この結合物に本
発明抗体を反応させるか、又は上記第2抗体を直接カッ
プルさせた担体に本発明抗体を反応させる。次いで、測
定する検体、例えば可溶化した細胞を32P、35S、
125Iなどで標識した後、これを本発明抗体と反応さ
せ、遠心分離後、反応沈殿物をレムリ(Laemml
i)などの緩衝液に懸濁させた後、この反応懸濁液を例
えば、110℃等の高温で反応させ、ポリアクリルアミ
ドゲルを使ったSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)を行なうことにより、本発明の
抗体と特異的に反応するc−erbB−2関連蛋白質の
特異的バンドが検出できる。
【0031】上記検定法において検体としては、体液、
例えば血液、細胞組織液等を使用でき、これらのうちで
は血液、特に血清又は血漿が好ましい。更に常法に従
い、細胞を可溶化細胞分解物に分画したものも上記検体
として使用することができる。ここで可溶化した細胞、
或るいは可溶化細胞分解物を標識する代わりに、本発明
抗体を標識することもできる。
【0032】本発明抗体の標識物質としては、グルコア
ミラーゼ、パーオキシダーゼ、アルカリホスファター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ等の各種の酵素や、32P、
35S]システイン、125I、131I、トリチウ
ム等の放射性物質等が挙げられる。該標識化は、常法に
従えばよい[Nature,194,495(196
2):Acta.Endocrinol.Supp
l.,168,206(1972)]。
【0033】不溶化抗体は、細胞分解産物又は本発明抗
体を、不溶性担体に化学的又は物理的に結合させること
により製造される。不溶性担体としては、セルロース粉
末、セファデックス、セファロース、ポリスチレン、濾
紙、カルボキシメチルセルロース、イオン交換樹脂、デ
キストラン、プラスチックフィルム、プラスチックチュ
ーブ、ナイロン、ガラスビーズ、絹、ポリアミン−メチ
ルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、アミノ酸共重
合体、エチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
不溶化は、共有結合法としてのジアゾ法、ペプチド法、
アルキル化法、架橋試薬による担体結合法(架橋試薬と
してグルタルアルデヒド、ヘキサメチレンイソシアナー
ト等を用いる)、Ugl反応による担体結合法等の化学
反応;あるいはイオン交換樹脂のような担体を用いるイ
オン結合法;ガラスビーズ等の多孔性ガラスを担体とし
て用いる物理的吸着法等によって行なわれる。上記測定
法において反応(免疫反応)は、通常45℃程度以下、
好ましくは4〜40℃程度の温度で、数時間〜24時間
程度で行なわれる。
【0034】かくして、本発明抗体を用いれば、簡便
に、高精度に、検体中のc−erbB−2関連蛋白質を
測定することができる。
【0035】かかる本発明抗体を利用した精製系並びに
測定系の設定、改変ないし応用は、当業者にとり自明で
ある。
【0036】本発明抗体のヒト癌細胞株に対する細胞障
害試験によれば、本発明抗体はSK−RB−3細胞やA
−431細胞に対する細胞障害作用を有することが観察
され、このことより本発明抗体は標的細胞障害能を有す
ることが確認された。従って、本発明抗体は抗腫瘍剤と
して有効であり、本発明によればヒト及びその他の哺乳
動物に対する抗腫瘍剤をも提供することができる。
【0037】本発明抗腫瘍剤は、上記モノクローナル抗
体をその必須成分として含有することを基本として、他
は通常の製剤技術乃至この種モノクローナル抗体を用い
る免疫療法等で慣用される技術手段に従い調製すること
ができる。より詳しくは、本発明抗腫瘍剤は、本発明抗
体と共に適当な無毒性医薬製剤担体を配合して常法に従
い製剤組成物の形態に調整される。ここで用いられる担
体としては、調製される製剤の使用形態に応じて、通常
慣用される各種のもの、例えば充填剤、増量剤、結合
剤、表面活性剤、緩衝液、安定化剤等の賦形剤乃至希釈
剤のいずれをも使用できる。調製される製剤形態として
は、これが治療剤有効成分の有効量を効果的に含有する
状態であればよく、例えば錠剤、粉末剤等の固剤であっ
てもよいが、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の注射剤形態と
するのがよい。また該製剤形態としては使用前に適当な
担体の添加により液状となし得る乾燥品の形態をも採用
できる。上記いずれの形態も常法に従い調製できる。ま
た各形態の製剤は、その形態に応じて適当な投与経路、
例えば注射剤形態の製剤では静脈内、筋肉内、皮下、皮
内、腹腔内投与され、固剤形態の製剤は経口乃至経腸投
与される。
【0038】本発明治療剤の投与量は該製剤の投与方
法、投与形態、使用目的、適応患者等に応じて適宜決定
され一定でないが、一般には有効成分とする本発明抗体
の量が約0.00001〜80重量%程度含有されるも
のとするのがよく、この製剤は一日成人一人当り約0.
01μg〜10mg程度の範囲で適用されるのが好まし
い。かくして本発明治療剤の投与によれば、これらを投
与された患者の体内において腫瘍組織での細胞傷害性が
増強され、かくして所望の治療効果が奏される。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、増殖因子レセプターに
対するモノクローナル抗体の製造方法、並びに抗c−e
rbB−2モノクローナル杭体及び該抗体を利用した乳
癌の診断剤及び治療剤が提供される。
【0040】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため実施
例を挙げるが、本発明は之等に限定されない。
【0041】
【実施例1】 免疫処置のための細胞の調整 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(AT
CC)より入手したヒト乳癌細胞株SK−BR−3(寄
託番号ATCC HTB30)を、5%熱不活性FCS
(ベーリンガー・マンハイム社製)とペニシリン(10
0単位/ml)及びストレプトマイシン(200mg/
ml)とを加えたRPMI−1640培地(日水製薬社
製)で、225cmプラスチック組織培養フラスコ
(スミロン、住友−バークライト社製)で、37℃下、
5%CO条件下に培養した。
【0042】上記細胞が細胞塊に成長した時、血清フリ
ーの培養液で洗い、その後、同培養液50mlに加え
た。37℃で72時間インキュベートした後、培養液を
無菌下で集め、細胞の断片を除いた後、得られた血清フ
リーの培地200mlを全部ダイアフローYM−10膜
(商品名:M、カットオフ値1000:アミコン社製)
を装着したダイアフロー・セル・タイプ8200(アミ
コンコーポ社製)を用いて、窒素ガスにて加圧して、培
養上清を20倍と80倍とに濃縮した。濃縮物を、0.
22μmミリポアフィルターで濾過し、−80℃で凍結
保存した。
【0043】 抗体産生ハイブリドーマの製造と一次
スクリーニング 上記で調整したSK−BR−3細胞の20倍濃縮培養
液100μlを、同量のフロインド完全アジュバンドと
共に、雄のBalb/c系マウス(6週齢、日本チャー
ルズ・リバー社製より入手)の腹腔内に投与して免疫し
た。その後、同液の同量を2回、3週間おきに同様にし
て追加投与し、最終投与の7日後に更にSK−BR−3
細胞の80倍濃縮培養液200μlを同様に追加投与し
て免疫した。
【0044】最終免疫の3日後に、免疫したマウスより
脾臓を摘出し、摘出脾臓より脾細胞を集め、これを用い
てマイルスタインらの方法[Milstein,C.e
tal.,Nature,256,495−497(1
975)]を改良した方法によって細胞融合を以下の通
り実施した。即ち、まず上記脾細胞を37℃に加温した
RPMI−1640培地で3回洗浄し、同様に他方の親
株とするマウス骨髄腫細胞P3/x63−Ag8U1
[Yelton,D.E.,et al.,Curr.
Top.Microbiol.Immunol.,
,1−7(1978)]も洗浄した。尚、このマウス
骨髄腫細胞は、10%熱不活性化子牛血清(CBS:ハ
イクローン・ラボラトリーズ社製)を加えたRPMI−
1640培地中で100mm組織培養皿(コーニング社
製)上で37℃下、5%CO下で培養して用いた。上
記脾細胞と骨髄腫細胞とを細胞数比10:1になるよう
に50mlのチューブ内で混和し、得られた細胞混合物
を200×gで5分間遠心後、上清をパスツールピペッ
トで完全に除去した。之等の操作は37℃に保温した水
槽内にて行なった。
【0045】次にポリエチレングリコール4000(メ
ルク社製、以下「PEG」と略称する)2mlを加え
て、ゆっくりと1〜2分間かき混ぜ、1分間放置し、次
いで37℃に保温した牛胎児血清(FCS)を含まない
RPMI−1640培地1mlをゆっくりと1分間位か
けて加え、1分間放置し、更に同液2mlを加えて2分
間放置し、更に同液4mlを加えて4分間放置した。次
いで、37℃に保温した15%FCS、200mg/m
l硫酸ストレプトマイシン、100U/lペニシリン、
54mg/lゲンタマイシン及び1mlピルベートを含
有するRPMI−1640(以下これを完全RPMI−
1640培地という)8mlを2〜3分間かけて加えた
後、200×gで5分間遠心分離した。上清を吸引除去
し、37℃に保温した完全RPMI−1640培地液
に、脾細胞1×10個/mlとなるように懸濁させ
た。次に、この懸濁液を96ウェルプレート(コースタ
ー社製)の各ウェルに0.1mlずつ分注し、37℃、
5%CO、100%湿度のインキュベーター内で培養
した。24時間後、5mMヒポキサンチン、20μlア
ミノプテリン及び800μlチミジン(フロー・ラボラ
トリーズ社製)を含む10%FCS添加完全RPMI−
1640培地(以下これを「HAT培地」という)の
0.1mlずつを各ウェルに添加した。以後、上清を2
日目及び3日目にそれぞれ0.1mlずつ吸引し、新し
いHAT培地0.1mlずつを加えて液交換した。その
後、上記液交換を2〜3日おきに行なった。2週間目に
同様に上清を吸引し、5mMヒポキサンチン及び800
μlチミジンを含む完全RPMI−1640培地(以下
これを「HT培地」という)に代えた。以後、完全RP
MI一1640培地で増殖維持した。
【0046】上記操作による細胞融合後、10〜14日
間でコロニーが肉眼で観察されるようになった。細胞が
96ウェルプレートの底面積の1/4を占めた時より、
免疫抗原として用いたSK−BR−3細胞の膜抗原を抗
原として、酵素免疫法(ELISA法)にて、培養上清
を試験し、陽性となったウェルから直ちに限界希釈法
(Method in Enzymology,73
3(1981))により、ハイブリドーマのクローニン
グを行なった。尚、上記において抗原として用いたSK
−BR−3細胞の膜分画は以下のようにして調製した。
即ち、5%FCS添加RPMI−1640培地でSK−
BR−3細胞を培養後、塊ったSK−BR−3細胞をリ
ン酸緩衝液(pH7.3)[10mMリン酸及び15m
M NaCl]で洗浄し、4℃で400×gで遠心分離
し、集めた細胞を低張緩衝液(pH7.4)[20mM
1,4−ピペラジンジエタン硫酸−NaOH、1mM
MgCl及び5mM KCl]中で均一化(20ス
トローク)した。細胞のホモジネートは最初4℃で15
00×gで5分間遠心分離し、細胞のペレットをスクリ
ーニングのための膜画分とした。
【0047】上記で調製したSK−BR−3細胞の粗製
膜分画(1×10個)を50μlトリス緩衝液(pH
7.5)[20mMトリス塩基及び500mM NaC
l、以下「TBS」という]に溶解し、96ウェルマイ
クロプレートの各ウェルに播き、4℃で8時間インキュ
ベートすることによりコート(被覆)した。次いで上記
各ウェルを0.05%ツィーン20を含むTBSで3回
洗浄した。更に、飽和の非特異的蛋白結合部位に対して
20℃で1時間、TBS中に300μl/ウェルの0.
1%(W/v)BSA(コーンのフラクションV:第1
純薬社製)でインキュベートした。続いて、0.05%
ツィーン20を含むTBSで3回洗浄し、ハイブリドー
マ上清50μl/mlずつを各ウェルに加えた。20℃
で1時間放置後、ウェルを洗浄し、3000倍に希釈し
た50μlのアルカリフォスファターゼにカップリング
させたヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体(ハイオ・ラッ
ド社製)を各ウェルに加えた。プレートを20℃で1時
間インキュベートした後、未結合の接合体を除くために
洗浄した。
【0048】その後、5mgのp−ニトロフェニルリン
酸(バイオ・ラッド社製)を含む酵素−基質液の50μ
l/ウェルを加え、発色反応を0.5M NaOHの5
0μl/ウェルを加えることにより停止させた。吸光度
をイムノリーダーNJ2000(インターメッド社製)
で測定した。
【0049】かくして、774ウェルより、反応特異性
を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
17株を得た。これらはそれぞれ「GFD−OA−p1
85−1」〜「GFD−OA−p185−17」と命名
された。 免疫沈降のための抗原の標識 上記で得た各陽性クローンにつき、之等がリン酸化さ
れたc−erbB−2遺伝子産物を免疫沈降させる活性
を保有するか否か、を指標とする二次スクリーニングの
実施のための免疫抗原を、以下の通り作成した。
【0050】即ち、まずSK−BR−3細胞の細胞溶解
質と培養液を32Pで標識した。該標識は、カスガらの
方法[Kasuga,G.,et al.,Metho
dsEnzymol.,109,609−621(19
85)]に従って、まずSK−BR−3細胞の1×10
個/100mm皿の集密度細胞をリン酸フリークレブ
リンガー緩衝液(pH7.4)[119mM NaC
l、5mM KCl、1.3mM CaCl、1.2
mM MgSO、25mM NaHCO、50mM
Hepes(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−2−エタンスルホン酸、シグマケミカル社製)及
び0.1%(w/v)BSA]で洗浄した。次に、上記
集密度細胞を32Pi(18.5MBq/ml、ニュー
イングランド・ヌクレア社製)を用いて、37℃で2時
間、上記と同じ緩衝液2ml中で標識した。細胞を50
mM Hepesを含む溶解緩衝液[10mMピロリン
酸ナトリウム(和光純薬社製)、100mMフッ化ナト
リウム(関東化学社製)、4mM EDTA、2mM
PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオライド、シ
グマケミカル社製)、1%トリトンX−100及び40
0μMオルトバナジン酸ナトリウム](pH7.4)で
4℃にて1時間可溶化させた。不溶物を12000×g
で10分間遠心分離して除去し、得られた細胞分解産物
の200μlをc−erbB−2遺伝子産物に特異的に
反応するモノクローナル抗体の二次スクリーニング用免
疫抗原とした。
【0051】 免疫沈降と電気泳動 上記で得た免疫抗原200μlと一次スクリーニング
で得られた陽性クローン10μlとを混合し、4℃で3
時間インキュベートした。更に、これにプロテインAセ
ファロース(ファルマシア社製)20μlを加え、4
℃、3時間インキュベートした。反応溶液を12000
×gで10分間遠心分離し、その沈降物を洗浄用緩衝液
(pH7.4)[50mM Hepes、10mMピロ
リン酸ナトリウム、100mMフッ化ナトリウム、4m
M EDTA、2mM PMSF、0.05%トリトン
X−100及び400μMオルトバナジン酸ナトリウ
ム]にて3回洗浄した。遠心分離の後、沈降物を50μ
lのラミエールの緩衝液に懸濁させ、110℃で5分間
インキュベートした。そして上記懸濁液をレムリの方法
[Laemmli,U.K.,Nature,227,
680−685(1970)]に従って、7.5%ポリ
アクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGEにより分
析した。尚、上記SDS−PAGEに使用したSDSは
和光純薬社製であり、使用した分子量マーカーはミオシ
ン(分子量200000)、大腸菌β−ガラクトシダー
ゼ(分子量116250)、ホスホリラーゼ(分子量9
7400)、BSA(分子量66200)及び卵アルブ
ミン(分子量42699)で、全てバイオ・ラッド社製
である。 免疫沈降したハイブリドーマのクローニングと抗体
の製造及び精製 免疫沈降したハイブリドーマのクローニングは、96ウ
ェルプレートに細胞を0.3個/ウェルになるように希
釈した限界希釈法によって行なった。また、クローニン
グの効率を上げるために、前もってラットの胸腺細胞を
2×10個/ウェルとなるように加えた。
【0052】上記操作の結果、3倍希釈した希釈液を更
に培養し、350μlの培養液を集めて更に精製した。
17のハイブリドーマの中から上記したようにして得ら
れたハイブリドーマはGFD−OA−p185−1と命
名したものであった。
【0053】該ハイブリドーマの精製は次の通り行なっ
た。即ち、50%(w/v)飽和の硫酸アンモニウムの
添加により沈殿させ、140mMリン酸緩衝液(pH
8.0)中に再溶解させ、溶解液の一定量をアフィニテ
ィゲルプロテインAアガロースカラムに加え、4℃で1
40mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)中で平
衡化させ、同緩衝液でカラムを洗浄後、結合した抗体を
100mMクエン酸ナトリウム(pH3.0)で製品使
用書に従って溶出させ、溶出液を貯えて中性pHに調整
し、−20℃で保管した。
【0054】上記で得られた本発明抗体産生ハイブリド
ーマGFD−OA−p185−1は、工業技術院微生物
工業技術研究所に「GFD−OA−p185−1」なる
表示で寄託されており、その寄託番号は「微工研菌寄第
12206号(FERM P−12206)」である。
【0055】 モノクローナル抗体培養上清の採取 上記ハイブリドーマGFD−OA−p185−1を完全
RPMI−1640培地にて、5%CO条件下で、3
7℃にて96時間培養し、培養液を3000rpm、1
0分間遠心分離して、目的のモノクローナル抗体を含む
培養上清を採取した。
【0056】 精製抗体の製造 上記で得られたハイブリドーマGFD−OA−p18
5−1の1×10個を、予めプリスタン(アルドリッ
チ社製)を接種しておいたBalb/c系マウスに腹腔
内投与した。10〜14日後、蓄積した腹水を採取し、
本発明抗体を含む腹水を得た。
【0057】該腹水中の抗体を、抗体精製キット(MO
PS kit;、バイオ・ラッド社製)を用いて精製し
て、精製抗体GFD−OA−p185−1を得た。
【0058】以下、上記で得られた本発明抗体の特性を
実施例2として示す。
【0059】
【実施例2】 抗体のサブクラス マウスモノクローナル抗体サブクラス同定用キット(バ
イオ・ラッド社製)を用いて決定した上記本発明モノク
ローナル抗体のサブクラスは、IgG1κであった。
【0060】 抗体産生レベル 実施例1ので得た培養上清を遠心分離し、上清を10
%FCS添加RPMI−1640培地にて、37℃下、
5%COの条件下に10日間インビトロにて培養し
た。
【0061】 抗体の力価 精製したc−erbB−2遺伝子産物関連蛋白の50μ
g/ウェルを予めコート(4℃、24時間)した96ウ
ェルポリスチレンマイクロプレートを、1%BSAの
0.01Mリン酸塩緩衝液(pH7.2)で、4℃下に
24時間、ブロックした。その後、実施例1ので得た
本発明抗体を含む培養上清を加え、室温で3時間反応さ
せた。上記緩衝液で3回洗浄後、パーオキシダーゼ標識
ヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体(ハイオ・ラッド社
製)を用いて、c−erbB−2遺伝子産物関連蛋白に
結合した抗体を測定した。培養上清の8×10倍希釈
で充分な発色を示した。
【0062】
【参考例1】SK−BR−3細胞株のノーザンブロット
分析 c−erbB−2遺伝子は、EGFR遺伝子との相同性
がアミノ酸配列で約50%と高いことから、EGFRを
過剰に発現するヒト癌細胞株であるA−431細胞を対
照にして、SK−BR−3細胞がc−erbB−2遺伝
子を発現するかどうかを、既知のc−erbB−2mR
NA蛋白の細胞外、膜通過及び細胞質ドメインをそれぞ
れ認識する合成プローブを用いたノーザンブロット分析
により試験した。
【0063】この試験においては、ヒト上皮癌細胞株A
−431(ATCC CRL1555,Fabrica
nt,R.N.,et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.,U.S.A.,74,565−5
69(1977)を用いた。
【0064】SK−BR−3細胞とA−431細胞を、
実施例1のの方法に従って培養した。ポリアデニルR
NAの抽出におけるゲル電気泳動とノーザンロット分析
は、スズキらの方法[Suzuki,M.,et a
l.,Jpn.J.Clin.Oncol.,17,1
57−163(1987)]に従って実施した。
【0065】次に配列番号:1〜配列番号:5に示した
5つの合成オリゴヌクレオチドプローブを、自動DNA
合成装置(アプライド・バイオシステムズ社製)を用い
て、4種の塩基のβ−シアノエチルホスホアミダイト誘
導体より、固相法に従って合成した。合成された各オリ
ゴヌクレオチドをHPLCで精製して、目的プローブと
した。
【0066】配列番号:1に示すオリゴヌクレオチドプ
ローブをプローブ1とし、以下各プローブに配列番号と
同符号を付して、それらの認識部位を示せば、プローブ
1、プローブ2及びプローブ3は、c−erbB−2遺
伝子産物の細胞外ドメイン(2−21、34−52と2
54−273)の配列をコードするmRNAを認識す
る。プローブ4は、蛋白の膜通過ドメイン(654−6
75)の配列をコードするmRNAを認識する。またプ
ローブ5は、蛋白の細胞質ドメイン(1055−107
4)の配列をコードするmRNAを認識する。
【0067】ヒトβ−アクチンmRNAの発現は、ホン
ダらの方法[Honda,S.,et al.,Jp
n.J.Cancer Res.,79,667−68
1(1988)]に従って行なった。また、分子量マー
カーとして牛肝臓からのリボソームRNA(28Sと1
8S、ファルマシア社製)を用いた。
【0068】SK−BR−3細胞において、細胞外ドメ
インに一致するc−erbB−2mRNAの蛋白にハイ
ブリダイズするために3つのプローブを使用した時、
5.0kbpと2.0kbpの分子サイズをもつ2つの
バンドが検出された。前者の発現の強度は、後者の発現
の強度より強かった。膜通過ドメインに一致するc−e
rbB−2mRNAの蛋白にハイブリダイズするプロー
ブでは、ただ一つ5.0kbpの分子量サイズでバンド
が検出された。A−431細胞においては、前記条件で
は検出できなかった。β−アクチンmRNAのためにプ
ローブを使用した時は、β−アクチンmRNAに一致す
るバンドが検出された。加えて、細胞外ドメインに一致
するc−erbB−2mRNAの蛋白にハイブリダイズ
するプローブの時は、プローブ1とプローブ2と類似の
結果が得られた。逆に、プローブ5のケースにおいて
は、細胞質ドメインに一致するc−erbB−2mRN
Aの蛋白にハイブリダイズするものは、5.0kbpの
分子サイズをもつ一つのバンドのみが検出された。上記
結果より、SK−BR−3細胞は、明らかにc−erb
B−2mRNA蛋白を発現するものであることが判る。
【0069】
【実施例3】各種抗体を用いた免疫沈降試験 本発明モノクローナル抗体の特徴を明らかにするために
c−erbB−2蛋白やEGF蛋白を認識するポリクロ
ーナル抗体やモノクローナル抗体を用いた免疫沈降試験
を、以下の通り行なった。
【0070】抗体としては、c−erbB−2遺伝子産
物のC末端部分(C末端14アミノ酸配列:1242−
1255)を認識するウサギポリクローナル抗体として
pAb1(T4881)(トリトン・バイオサイエンス
社製)を、c−erbB−2遺伝子産物蛋白のキナーゼ
ドメイン(アミノ酸配列:866−880)を認識する
ウサギポリクローナル抗体としてAb−1(オンコジー
ン・サイエンス社製)を、またc−erbB−2遺伝子
産物蛋白の細胞外ドメインを認識するマウスモノクロー
ナル抗体としてSV2−61γ(ニチレイ社製)を、そ
れぞれ使用した。この抗体はIgGのサブクラスを有
するものであり、マスコらの方法[Masuko,
T.,et al.,Jpn.J.Cancer Re
s.,80,10−14(1989)]により作成され
たものである。また、EGFRの細胞外ドメインの抗原
決定基[Green,M.R.,et al.,J.I
nvest.Dermatol.,85,239−24
5(1985)]を認識する抗EGFRモノクローナル
抗体として、RPN513(アマシャム社製)を使用し
た。この抗体は免疫原としてA−431細胞をトリプシ
ン処理したもので作成されており、IgG2aの特徴を
有するものである。上記各抗体はいずれも商品取扱書に
従って使用した。
【0071】免疫沈降のための免疫抗原の作成と標識を
次の通り実施した。即ち、実施例1のと同様の方法で
SK−BR−3細胞とA−431細胞の細胞分解物中の
蛋白を32Pで標識した。
【0072】 ポリクローナル抗体の調整及び各種抗
体との免疫沈降反応 実施例1のと同様の方法で免疫処置のためのSK−B
R−3細胞と、A−431細胞とを、培地で調整した
後、ポリクローナル抗体を作成した。即ち、30匹のB
alb/c系マウスを5つのグループに分け、以下の物
質を週3回、腹腔内投与し免疫した。即ち、グループ1
にはFCSのみの200μl(n=3)を、グループ2
には20倍に濃縮したRPMI−1640培地の200
μl(n=5)を、グループ3には血清フリーRPMI
−1640培地中に含まれる10個のSK−BR−3
細胞(n=6)を、グループ4にはSK−BR−3細胞
によって調製された20倍濃縮培地の200μl(n=
11)を、またグループ5にはA−431細胞により調
製された20倍濃縮培地の200μl(n=5)を、そ
れぞれ投与した。第4回目の投与は次のようにして行な
った。即ち、グループ1にはFCSのみの200μl
を、グループ2には80倍に濃縮したRPMI−164
0培地の200μlを、グループ3には血清フリーのR
PMI−1640培地中に含まれる10個のSK−B
R−3細胞を、グループ4にはSK−BR−3細胞によ
って調製された80倍濃縮培地の200μlを、またグ
ループ5にはA−431細胞により調製された80倍濃
縮培地の200μlを、それぞれ投与した。3日の後、
マウスから得た血清をc−erbB−2遺伝子産物とE
GFRに対する抗体の存在の確認を行なうための免疫沈
降反応に供した。免疫沈降反応と電気泳動は、実施例1
のの方法に従って、放射性標識したSK−BR−3細
胞とA−431細胞からの細胞溶解質又は調整した培地
を4℃で3時間の間各10μlのポリクローナル抗体と
モノクローナル抗体又はNMS(正常マウス血清:no
rmal mouse serum)と共にインキュベ
ートした後に各種の処理をして免疫沈降を行なった。
【0073】免疫沈降反応の結果を第1図及び第2図に
示す。
【0074】第1図中、AはSK−BR−3細胞の分解
産物からの、BはA−431細胞の分解産物からの、そ
れぞれの免疫沈降を表わし、レーンaはポリクローナル
抗体Ab−1を、レーンbはポリクローナル抗体pAb
1を、レーンcはモノクローナル抗体SV2−61γ
を、レーンdは本発明モノクローナル抗体GFD−OA
−p185−1を、レーンeはEGFRに対するモノク
ローナル抗体RPN513を、またレーンfはNMS
を、それぞれ示す。また、図のAにおける黒ぬり三角印
は、SK−BR−3細胞分解物からの32Pで標識した
c−erbB−2遺伝子産物の免疫沈澱を示し、図のB
における黒ぬり矢印は、A−431細胞分解物からの
32Pで標識したEGFR遺伝子産物の免疫沈澱を示
す。各図における数字は分子量マーカーの分子量を表わ
す。
【0075】該図より次のことが判る。
【0076】即ち、SK−BR−3細胞の32P標識の
結果では、キナーゼドメインとカルボキシ末端を認識す
るポリクローナル抗体とc−erbB−2遺伝子産物の
細胞外ドメインを認識するモノクローナル抗体及び本発
明のモノクローナル抗体GFD−OA−p185−1は
ともに分子量185000をもつc−erbB−2遺伝
子産物でリン酸化した蛋白を免疫沈澱した(図のAのレ
ーンa〜レーンd参照)。しかし、EGFRの細胞外ド
メインを認識する抗EGFR抗体は、NMSと全く同じ
ようにこの蛋白を免疫沈澱させなかった(図のAのレー
ンe〜レーンf参照)。また、A−431細胞の32
標識の結果では、c−erbB−2遺伝子産物に一致す
るリン酸化バンドは、c−erbB−2遺伝子産物に対
する抗体では検出されなかった(図のBのレーンa〜レ
ーンd参照)。しかし、170000の分子量を持つリ
ン酸化したEGFRは、抗EGFR抗体により免疫沈澱
した(図のBのレーンe参照)。
【0077】第2図中、AはSK−BR−3細胞の分解
産物からの、BはA−431細胞の分解産物からの、そ
れぞれの免疫沈降を表わし、レーンaはモノクローナル
抗体SV2−61γを、レーンbはモノクローナル抗体
RPN513を、レーンcはNMSを、レーンdはFC
Sによって免疫された抗血清を、レーンeは濃縮された
RPMI−1640培地によって免疫された抗血清を、
レーンf〜レーンhはそれぞれSK−BR−3細胞によ
って免疫された抗血清を、レーンi〜レーンkはそれぞ
れSK−BR−3細胞によって調製された20倍濃縮培
養液により免疫された抗血清を、レーンl〜レーンnは
それぞれA−431細胞によって調製された20倍濃縮
培養液により免疫された抗血清を表わす。
【0078】また、図のAにおける黒ぬり三角印はSK
−BR−3細胞分解物からの32Pで標識したc−er
bB−2遣伝子産物の免疫沈澱を示し、図のBにおける
黒ぬり矢印はA−431細胞分解物からの32Pで標識
したEGFR遺伝子産物の免疫沈澱を示す。また数字は
分子量マーカーの分子量を表わす。
【0079】該図より次のことが判る。
【0080】即ち、SK−BR−3細胞の32P標識の
結果では、NMS、FCSのみ投与したマウスから得ら
れた抗血清、RPMI−1640培地で免疫された抗血
清、及びA−431細胞によって調製された濃縮培養液
により免疫された抗血清は、共に活性が認められなかっ
た(図のAのレーンc、d、e及びl〜n参照)。ま
た、EGFRに対するモノクローナル抗体も同様に活性
を示さなかった(図のAのレーンb参照)。SK−BR
−3細胞(グループ3)を投与した6匹のマウスから得
られた抗血清は、32Pで標識したSK−BR−3細胞
の細胞分解物からの多くのリン酸化蛋白を免疫沈澱させ
た(図のAのレーンf〜レーンh参照)。最も強いバン
ドが分子量185000の分子量サイズであり、32
で標識されたc−erbB−2遺伝子として確認され
た。同様のバンドが抗c−erbB−2遺伝子産物モノ
クローナル抗体で免疫沈澱された。(図のAのレーンa
参照)。SK−BR−3細胞によって調製された濃縮培
養液により免疫された(グループ4)11匹のマウスよ
り得られた抗血清は、c−erbB−2遺伝子産物とし
て同定したリン酸化蛋白を特異的に免疫沈澱した(図の
Aのレーンi〜レーンk参照)。また、リン酸化された
A−431細胞の32P標識の結果では、A−431細
胞によって調製した濃縮培養液で免疫されたマウス(グ
ループ5)から得られた抗血清からのものは、分子量1
70000を持つバンドを認める抗体を発現させた(図
のBのレーンl〜レーンn参照)。このバンドはEGF
Rを認識する抗EGFRモノクローナル抗体と反応した
リン酸化EGFRと同じ位置に認められた(図のBのレ
ーンb参照)。また、このグループより得られた血清
は、分子量20000を持つバンドをも免疫沈澱させ
た。このバンドの特徴はまだわかっていない。また、S
K−BR−3細胞とSK−BR−3により調整された濃
縮培養液で免疫した2つのポリクローナル抗体の170
000の分子サイズを持つバンド検出によりc−erb
B−2遺伝子がEGFR遺伝子と一部共有する構造を持
つことが確認された(図のBのレーンfとレーンi参
照)。
【0081】細胞溶解物と培養液中の蛋白標識と各種
抗体との免疫沈降反応 −1細胞溶解物の32P標識 細胞の標識の前日にSK−BR−3細胞とA−431細
胞を1×10個/35mm皿の密度に播き、リン酸フ
リーのRPMI−1640培地で3回細胞を洗浄後、3
7℃で12、24及び48時間の間、5%FCSを含む
1mlのリン酸ダルベッコ改変イーグルの培地(pH
7.4)(日水製薬社製)中において32Pi(18.
5MBq/ml)でインキュベートした。細胞は4℃で
一時間の間、実施例1ので作成された溶解緩衝液の1
mlで可溶化した。培養液(1ml)もまた集めた。細
胞溶解液と培養液中の不溶化物を12000×gで10
分間遠心分離して除去した。そして細胞溶解液及び培養
液の200μlを免疫沈降のために使用材料とした。
【0082】−2細胞溶解物と培養液中蛋白に対する
35S]システイン標識 細胞の標識の前日にSK−BR−3細胞とA−431細
胞を3×10個/60mm皿の密度に播き、細胞をシ
ステインとFCSを含まないメチオニンフリーのRPM
I−1640培地で3回洗浄後、同培養液でプレインキ
ュベーションすることにより続けた。そしてそれらを3
7℃で20及び48時間(SK−BR−3細胞)の間、
又は18時間(A−431細胞)の間、1.5mlの1
%FCS添加システィンフリーRPM1−1640培地
中に[35S]システイン(3.7MBq/ml:ニュ
ーイングランド・ヌクレア社製)と共にインキュベート
した。放射性標識した細胞は、4℃で一時間の間、上記
3−と同様の溶解緩衝液の1.5mlで可溶化した。
培養液(1.5ml)もまた集めた。細胞溶解液と培養
液中の不溶化物を12000×gで10分間遠心分離し
て除去した。そして細胞溶解液及び培養液の700μl
を免疫沈降のために使用材料とした。
【0083】−3各種抗体との免疫沈降反応 上記−1及び−2で作成した放射性標識したSK−
BR−3細胞とA−431細胞からの細胞溶解液と培養
液を使って、実施例1のと同様の方法によって免疫沈
降を行なった。
【0084】その結果、32Pで標識したSK−BR−
3細胞とA−431細胞の細胞溶解物を使用した結果、
32Pで標識したc−erbB−2遺伝子産物(第1
図)と同様に、GFD−OA−p185−1と32Pで
標識したEGFRや抗EGFR抗体と全く同じく、細胞
外ドメイン、キナーゼドメイン、カルボキシル末端部分
を認識する抗c−erbB−2遺伝子産物抗体によって
特異的に免疫沈澱した。しかし、32Pで標識したSK
−BR−3細胞とA−431細胞によって調整された培
養液は、4つの抗c−erbB−2遣伝子産物抗体と1
つの抗EGFR抗体で免疫沈澱する特異的バンドは認め
られなかった。
【0085】次に[35S]システイン標識した細胞溶
解物と培養液との各種の抗体との免疫反応の結果を、第
3図に示す。
【0086】第3図中、AはSK−BR−3細胞の細胞
分解物からの、またBはSK−BR−3細胞の培養液か
らの、それぞれの免疫沈降を表わし、レーンaはNMS
を、レーンbはポリクローナル抗体Ab−1を、レーン
cはポリクローナル抗体pAb1を、レーンdはモノク
ローナル抗体SV2−61γを、レーンeは本発明モノ
クローナル抗体GFD−OA−p185−1を、それぞ
れ示す。また、図のAにおける黒ぬり三角印は、SK−
BR−3細胞分解物からの[35S]システインで標識
したc−erbB−2遺伝子産物の免疫沈澱を示し、図
のBにおける白抜き三角印は、SK−BR−3細胞の細
胞分解物からの関連した蛋白の免疫沈澱を示す。また数
字は分子量マーカーの分子量を表わす。
【0087】該図より、[35S]システイン標識され
ているSK−BR−3細胞において、4つの異なる抗c
−erbB−2遺伝子産物抗体が細胞分解物中の分子量
185000のバンドを同定した(図のAのレーンb〜
レーンe参照)。しかしながら、いくつかの非特異的な
バンドがNMSによって検出された(図のAのレーンa
参照)。NMSは[35S]システインで標識したc−
erbB−2遺伝子産物であることを示しているバンド
を同定しなかった。[35S]システイン標識SK−B
R−3細胞によって調製した培養液を試験したとき、キ
ナーゼドメイン、カルボキシル末端部分を認識するc−
erbB−2遺伝子産物に対する2つのポリクローナル
抗体は、NMS(図のBのレーンa)と比較したとき、
それぞれ如何なる特異的なバンドも見られなかった(図
のBのレーンbとレーンc参照)。しかしながら細胞外
を認識する抗c−erbB−2遺伝子産物モノクローナ
ル抗体SV2−61γと本発明のモノクローナル抗体G
FD−OA−p185−1は、およそ110000の分
子量をもつ特異的なバンドを免疫沈澱させた(図のBの
レーンdとレーンe参照)。この結果はc−erbB−
2遣伝子産物関連蛋白質がSK−BR−3細胞によって
調製された培養液中にも存在する可能性が考えさせる。
【0088】−4各種抗体とSK−BR−3細胞とA
−431細胞によって調製した培養液中の[35S]シ
ステイン標識成長因子レセプター関連蛋白存在下での免
疫沈降反応 A−431細胞によって産生したEGFR関連蛋白とこ
の分子を比較するために、[35S]システインで標識
したSK−BR−3とA−431細胞を5%ポリアクリ
ルアミドゲルを用いたSDS−PAGEより分析した。
【0089】その結果を、第4図に示す。
【0090】第4図中、AはSK−BR−3細胞を、ま
たBはA−431細胞によって調製した培養液中の[
35S]システイン標識成長因子レセプター関連蛋白質
の免疫沈澱を、それぞれ示す。各図におけるレーンは以
下の免疫沈降の結果を示す。即ち、レーンAのaはNM
Sと細胞分解物の反応を、レーンAのBは本発明のc−
erbB−2遺伝子産物モノクローナル抗体GFD−O
A−p185−1と細胞分解物の反応を、レーンAのc
はNMSと培養液の反応を、レーンAのdは本発明モノ
クローナル抗体GFD−OA−p185−1と培養液の
反応を、それぞれ示す。またレーンBのaは抗EGFR
モノクローナル抗体と細胞分解物の反応を、レーンBの
bは抗EGFRモノクローナル抗体との培養液の反応を
それぞれ示す。更に図のAにおける黒ぬり三角印はc−
erbB−2遺伝子産物を、白抜き三角印はc−erb
B−2遺伝子産物関連蛋白質を示し、図のBにおける黒
ぬり矢印はEGFRを、同白ぬき矢印はEGFR関連蛋
白質を示す。尚、該図の数字は分子量マーカーの分子量
を表わす。
【0091】上記図より、[35S]システインととも
にSK−BR−3細胞の長時間培養でGFD−OA−p
185−1で免疫沈澱するバンドは、よりクリアーにな
った(図のAのレーンd参照)。5%ポリアクリルアミ
ドゲルSDS−PAGEによって、培養中の特異的なバ
ンド分子量の大きさが110000なると計算された。
本発明者らは、この分子量が110000の蛋白をp1
10と命名した。
【0092】細胞分解中のc−erbB−2遺伝子のバ
ンドと比較したとき、このバンドの放射性活性は大差が
なく、p110の一つの大きなものが産生されて培養液
中に分泌されていると予想できる。またこの結果は、c
−erbB−2遺伝子産物の細胞外ドメインを認識する
別の抗c−erbB−2遺伝子産物モノクローナル抗体
であるSV2−61γを使用たときも同様な結果が得ら
れた。また、分子量が42000をもつバンドが認めら
れ(図のAのレーンd参照)、それはNMSによっても
検出された(第3図のAとBのレーンa参照)。本発明
者らは、上記バンドの発現量は、長時間のインキュベー
ションで上昇したけれども、このバンドは非特異的バン
ドと見なした。A−431細胞による試験結果では、分
子量115000のサイズを持つEGFR関連蛋白質が
検出された(図のBのレーンb参照)。
【0093】
【実施例4】c−erbB−2遺伝子産物を発現する癌
細胞株に対するGFD−OA−p185−1の効果 SK−BR−3細胞株と、A−549細胞株、PC−9
細胞株及びLu−65細胞株を用いて、本発明モノクロ
ーナル抗体GFD−OA−p185−1の細胞傷害活性
の有無を検討した。
【0094】上記A−549細胞株(ヒト肺癌細胞株:
ATCC CCL185,[Giard,D.J.,e
t al.,J.Nat.Cancer Inst.,
51,1417−1423(1973)])とPC−9
細胞株(ヒト肺癌細胞株:[Kinjo,M.,Ok
a,K.,et al.,Br.J.Cancer,
,15−23(1979)])は、c−erbB−2
遺伝子が発現しており、またLu−65細胞株(ヒト肺
癌細胞株:[Yamada,T.,et al.,Jp
n.J.Cancer,Res.,76,967−99
6(1985)]は、同遺伝子の発現のないことが明ら
かにされている。
【0095】上記4種類の細胞株を5%FCSを含むR
PMI−1640培地中の24ウェルプレート中に播い
た。SK−BR−3細胞とLu−65細胞は4.5×1
個/ウェルの密度に、またA−549細胞とPC−
9細胞は1×10個/ウェルの密度になるよう播え付
けた。細胞をプレートに付着させた後、モノクローナル
抗体GFD−OA−p185−1の100μgを最終濃
度が100μg蛋白/mlとなるように加え、24、4
8及び72時間の間インキュベートした。ネガティブコ
ントロールとして、モノクローナル抗体の希釈のために
使用した緩衝液、或いはモノクローナル抗体の入ってい
ない培養液をコントロールプレートに加えて、同様に2
4、48及び72時間の間インキュベートした。それぞ
れの培養の最後に細胞の細胞数をコールターカウンター
(機種名:コールター社製)で数えた。細胞数の定量は
各3回行なった。
【0096】その結果を第5図に示す。該図中、実線
(1)は本発明のモノクローナル抗体GFD−OA−p
185−1の各種癌細胞株に対する細胞数を、破線
(2)はコントロールの細胞数を表わす。また、縦軸は
細胞数を示し、横軸は各種癌細胞株と本発明のモノクロ
ーナル抗体とのインキュベート時間を示す。
【0097】該図より、本発明のモノクローナル抗体G
FD−OA−p185−1は、c−erbB−2遺伝子
産物を発現するSK−BR−3細胞とA−549細胞の
インビトロでの増殖を有意に抑制した。また、c−er
bB−2遺伝子産物を同じく発現するPc−9細胞の成
長も本発明のモノクローナル抗体により抑制傾向がみら
れたが有意ではなかった。しかしながら、c−erbB
−2遺伝子産物を発現しないLu−65細胞の成長は本
発明のモノクローナル抗体では抑制できなかった。
【0098】上記結果より、c−erbB−2遺伝子産
物の細胞外ドメインを認識する本発明モノクローナル抗
体GFD−OA−p185−1は、インビドロにおける
癌細胞株の増殖に関して抑制効果を示し、腫瘍組織に対
する特異的標的細胞傷害活性を増強する能力を有するこ
とが明らかである。このことから本発明モノクローナル
抗体は悪性腫瘍等の臨床治療剤として有用であることが
判る。
【0099】
【実施例5】免疫組織学的検討 本発明のモノクローナル抗体GFD−OA−p185−
1のインビトロ特異性の定量のために、乳癌患者から得
た腫瘍組織を用いて免疫染色を行なった。
【0100】即ち、乳癌患者(女性)から得た腫瘍組織
を10%ホルマリンで固定した後、腫瘍組織のミクロン
の部分をパラフィン包埋した後、パラフィン切片を作成
した。ABC免疫ペルオキシダーゼ法は、免疫染色を使
用した。腫瘍と正常組織のサンプルは本発明のモノクロ
ーナル抗体GFD−OA−p185−1の20μg蛋白
/mlで処理した。また、非特異的抗体結合はモノクロ
ーナル抗体の代わりに非免疫血清のサンプルの使用によ
って調製を行なった。
【0101】その結果を、乳癌患者の腫瘍組織と本発明
の抗c−erbB−2遺伝子産物モノクローナル抗体G
FD−OA−p185−1との結合反応した結果とし
て、第6図に示す。
【0102】該図より、乳癌腫瘍組織と本発明のモノク
ローナル抗体の結合性は陽性染色として確認された。
【0103】しかしながら、正常組織は免疫ペルオキシ
ダーゼ試験において本発明のモノクローナル抗体GFD
−OA−p185−1に結合しなかった。更に、非免疫
血清を使用したとき、腫瘍組織の中から陽性染色細胞は
得られなかった。上記のことから本発明モノクローナル
抗体は乳癌患者の臨床診断剤として有用であることが判
る。
【配列表】
【0104】配列番号:1 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:domain 存在位置:l−60 特徴を決定した方法:E 配列: CGCGGCTCCG GGGGGCAAGA GGG
CGAGGAG GAGCCCCCAG CGGCAC
AAGG CCGCCAGCTC 60
【0105】配列番号:2 配列の長さ:57 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:domain 存在位置:l−57 特徴を決定した方法:E 配列: GCCCTGGTAG AGGTGGCGGA GCA
TGTCCAG GTGGGTCTCG GGACTG
GCAG GGAGCCG 57
【0106】配列番号:3 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:domain 存在位置:l−60 特徴を決定した方法:E 配列: GGTGACCAGG GCTGGGCAGT GCA
GCTCACA GATGCCACTG TGGTTG
AAGT GGAGGCAGGC 60
【0107】配列番号:4 配列の長さ:66 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:domain 存在位置:l−66 特徴を決定した方法:E 配列: GATGAGGATC CCAAAGACCA CCC
CCAAGAC CACGACCAGC AGAATG
CCAA CCACCGCAGA 60GATGAT6
【0108】配列番号:5 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:domain 存在位置:l−60 特徴を決定した方法:E 配列: TGGAGACCTG GGGGCCTCCT CTT
CAGAGGG CTCCAGCCCT AGTGTC
AGGT CCCCACCGCC 60
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3のに従い行なわれた、ポリクローナ
ル抗体と各種抗体との免疫沈降反応の結果を示す図面に
代わるSDS−PAGEの写真である。
【図2】実施例3のに従い行なわれた、ポリクローナ
ル抗体と各種抗体との免疫沈降反応の結果を示す図面に
代わるSDS−PAGEの写真である。
【図3】実施例3の−3に従い行なわれた、システイ
ン標識した細胞溶解物と培養液との各種の抗体との免疫
反応の結果を示す図面に代わるSDS−PAGEの写真
である。
【図4】実施例3の−4に従い行なわれた、各種抗体
とSK−BR−3細胞とA−431細胞によって調製し
た培養液中のシステイン標識成長因子レセプター関連蛋
白存在下での免疫沈降反応の結果を示す図面に代わるS
DS−PAGEの写真である。
【図5】実施例4に従い行なわれた、c−erbB−2
遣伝子産物を発現する癌細胞株に対する本発明抗体の効
果を求めたグラフである。
【図6】実施例5に従い、本発明抗体のインビトロ特異
性定量のための免疫組織学的検討を乳癌患者の腫瘍組織
の免疫染色によりを行なった結果を示す、生物の形態を
示す図面に代わる写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 オズゲ・アルパー 東京都武蔵野市西久保町2丁目31番1号 サンパレス401号 (72)発明者 山口 建 東京都渋谷区桜丘町11番11号 ライオンズ マンション桜ケ丘301号 (72)発明者 松島 泰次郎 東京都港区白金台4丁目6番1号 東京大 学医科学研究所癌生物学研究部内 (72)発明者 阿部 薫 神奈川県横須賀市長浦町2−60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト癌細胞の可溶化物を免疫抗原として用
    いることを特徴とする増殖因子レセプターに対するモノ
    クローナル抗体の製造方法。
  2. 【請求項2】ヒト乳癌細胞株SK−BR−3の培養上清
    で免疫した哺乳動物の免疫細胞と哺乳動物の骨髄細胞と
    の融合により形成されたハイブリドーマにより産生され
    c−erbB−2関連蛋白質に特異的に反応することを
    特徴とする抗c−erbB−2モノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】ハイブリドーマGFD−OA−p185−
    1(微工研菌寄第12206号)である請求項2記載の
    モノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の抗体を必須成分として含
    有することを特徴とする抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の抗体を必須成分として含
    有することを特徴とする癌の診断剤。
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