JPH0717634U - シートスライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レールの横方向のガタツキの調整をレールの
プレス型の調整で行なう必要がなく、ガタツキの調整を
簡単にする。 【構成】 ロアレール１とアッパーレール２とを、互い
に組み合わせて、両レール間に多数個のボール１０を介
在させると共に、前記アッパーレール２に複数の摺接部
材９を設け、これらの摺接部材９をロアレール１の立上
がり壁部１ａに摺接させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用シート等のシートスライド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のシートスライド装置は図４に示すようにロアレール２０とアッ パーレール２１とを備えており、このロアレール２０は断面ほぼＵ字形状をして おり、ロアレール２０の両縁部はほぼ逆Ｕ字状に外側に湾曲されてカール部２２ に成されている。また、このカール部２２の上部外側にはボール受け溝部２３が ロアレール２０の長手方向に沿うて形成してある。

【０００３】 また、アッパーレール２１は断面ほぼ逆Ｕ字形状をしており、アッパーレール ２１の両縁部はほぼＵ字状に内側に湾曲されてカール部２４に成されている。ま た、アッパーレール２１の上部の隅角部の内側がボール受け溝部２５に成されて いる。

【０００４】 そして、前記ロアレール２０とアッパーレール２１とを、互いにカール部２２ 、２４を組み合わせて、ボール受け溝部２３とボール受け溝部２５との間に多数 個のボール２６を介在させて、前記ロアレール２０に対してアッパーレール２１ が移動可能に取り付けてある。

【０００５】 このように構成されたシートスライド装置は、そのロアレール２０の前、後端 部を床部（図示せず）に固着してこの床部に取り付けてあり、前記アッパーレー ル２１には車両用シート（図示せず）のシートクッション（図示せず）が取り付 けてある。なお、車両用シートには、この車両用シートを所定の位置に固定する ロック機構（図示せず）が設けてある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来のシートスライド装置にあっては、ロアレール２０と アッパーレール２１とが共にプレス成形品であるため、精度が出し難く、横方向 のガタツキも、前記ボール受け溝部２３、２５およびボール２６の精度で決まっ てしまうし、横方向のガタツキの調整はレールのプレス型の調整で行っているこ とが現状であった。

【０００７】 本考案は、上記の事情に鑑み成されたものであって、その目的とするところは 、レールの横方向のガタツキの調整をレールのプレス型の調整で行う必要がなく 、ガタツキの調整が簡単になるシートスライド装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、一方のレールと他方のレールとを互 いに組み合わせて、両レール間に転動体を介在させると共に、他方のレールに複 数の係止孔を設け、摺接頭部に脚部を形成して成る摺接部材を、これの脚部を前 記係止孔に係止して他方のレールに取り付けて、前記摺接頭部を一方のレールの 壁部に摺接させたことを特徴とする。そして、摺接部材が軟質材であることが好 ましい。

【０００９】

【作用】

かかる構成により、摺接部材のレールへの摺接により、他方のレールに対する 一方のレールの横方向のガタツキが防止され、異常音をなくすことができる。ま た、摺接部材の取付位置の変更が容易にできて、ガタツキをより一層防止するこ とができ、異常音をなくすことができる。そして、摺接部材を軟質材で成形する ことによりガタツキ、異常音の発生を確実になくすことができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案に係わるシ ートスライド装置を備えた車両用シートの側面図、図２は同シートスライド装置 の断面図、図３は同シートスライド装置のロアレールの一部省略した斜視図であ る。

【００１１】 本考案に係わるシートスライド装置は一方のレールであるロアレール１と他方 のレールであるアッパーレール２とを備えており、このロアレール１は断面ほぼ Ｕ字形状をしており、ロアレール１の両縁部はほぼ逆Ｕ字状に外側に湾曲されて カール部３に成されている。また、このカール部３の上部外側にはボール受け溝 部４がロアレール１の長手方向に沿うて形成してある。

【００１２】 また、アッパーレール２は図２および図３に示すように断面ほぼ逆Ｕ字形状を しており、アッパーレール２の両縁部はほぼＵ字状に内側に湾曲されてカール部 ５に成されている。また、アッパーレール２の上部の隅角部の内側がボール受け 溝部６に成されている。そして、アッパーレール２のカール部５の内側壁部７に は、その長手方向に所定の間隔をおいて複数の係止孔８が形成してあり、これら の係止孔８には摺接部材９が係止してある。すなわち、摺接部材９はクリップ状 であって、軟質材、例えば軟質合成樹脂より摺接頭部９ａに脚部９ｂを一体成形 したものであり、この摺接頭部９ａを内方に向けて脚部９ｂを係止孔８に挿入係 止して摺接部材９がカール部５の内側壁部７に取り付けてある。

【００１３】 そして、前記ロアレール１とアッパーレール２とを、互いにカール部３、５を 組み合わせて、ボール受け溝部４とボール受け溝部６との間に多数個の転動体で あるボール１０を介在させて、前記ロアレール１に対してアッパーレール２が移 動可能に取り付けてあり、前記アッパーレール２のカール部５の内側壁部７に設 けられた摺接部材９の摺接頭部９ａがロアレール１の立上がり壁部１ａの外面に 摺接している。

【００１４】 このように構成されたシートスライド装置は、そのロアレール１の前、後端部 を床部１１に固着してこの床部１１に取り付けてあり、前記アッパーレール２に は車両用シート１２のシートクッション１３が取り付けてある。なお、車両用シ ート１２には、この車両用シート１２を所定の位置に固定するロック機構（図示 せず）が設けてある。

【００１５】 次に、上記のように構成されたシートスライド装置の作動を説明する。ロック 機構による固定を解除して車両用シート１２を移動させた場合、前記アッパーレ ール２のカール部５の内側壁部７に設けられた摺接部材９の摺接頭部９ａがロア レール１の立上がり壁部１ａの外面に摺接する。これらの摺接部材９の摺接頭部 ９ａの立上がり壁部１ａへの摺接によりロアレール１に対するアッパーレール２ の横方向のガタツキが防止され、異常音をなくすことができる。なお、前記摺接 部材９の材質は合成樹脂、ゴムに限らず軟質材であればよい。また、前記摺接部 材９の取付位置は容易に変更できるので、この変更によりガタツキを防止し、異 常音の発生を抑えることが可能になる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、一方のレールと他方のレールとを互いに組み 合わせて、両レール間に転動体を介在させると共に、他方のレールに複数の係止 孔を設け、摺接頭部に脚部を形成して成る摺接部材を、これの脚部を前記係止孔 に係止して他方のレールに取り付けて、前記摺接頭部を一方のレールの壁部に摺 接させたから、摺接部材のレールへの摺接により、他方のレールに対する一方の レールの横方向のガタツキが防止され、異常音をなくすことができる。また、摺 接部材の取付位置の変更が容易にできて、ガタツキをより一層防止することがで き、異常音をなくすことができる。そして、摺接部材を軟質材で成形することに よりガタツキ、異常音の発生を確実になくすことができる。このために、レール の横方向のガタツキの調整をレールのプレス型の調整で行う必要がなく、ガタツ キの調整が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるシートスライド装置を備えた車
両用シートの側面図である。

【図２】同シートスライド装置の断面図である。

【図３】同シートスライド装置のロアレールの一部省略
した斜視図である。

【図４】従来のシートスライド装置の断面図である。

【符号の説明】

１ ロアレール（一方のレール） １ａ 立上がり壁部 ２ アッパーレール（他方のレール） ９ 摺接部材 １０ ボール（転動体）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方のレールと他方のレールとを互いに
   組み合わせて、両レール間に転動体を介在させると共
   に、他方のレールに複数の係止孔を設け、摺接頭部に脚
   部を形成して成る摺接部材を、これの脚部を前記係止孔
   に係止して他方のレールに取り付けて、前記摺接頭部を
   一方のレールの壁部に摺接させたことを特徴とするシー
   トスライド装置。
2. 【請求項２】 摺接部材が軟質材である請求項１記載の
   シートスライド装置。