JPH07173348A - 樹脂組成物および多層包装体 - Google Patents

樹脂組成物および多層包装体

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JPH07173348A
JPH07173348A JP31811693A JP31811693A JPH07173348A JP H07173348 A JPH07173348 A JP H07173348A JP 31811693 A JP31811693 A JP 31811693A JP 31811693 A JP31811693 A JP 31811693A JP H07173348 A JPH07173348 A JP H07173348A
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ethylene
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acid
evoh
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Nariaki Fujii
就明 藤井
Shigeyuki Harita
滋行 榛田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン−ビニルエステル共重合体けん化物
99.5〜90重量%とテルペン樹脂、ロジン系樹脂、
C↓5〜C↓10の石油炭化水素樹脂からなる群より選
ばれた1種または2種以上の樹脂0.5〜10重量%の
樹脂組成物および前記樹脂組成物層を最内層とする多層
包装体。 【効果】 本発明の樹脂組成物を最内層とする多層包装
体はガスバリアー性、内容物の非吸着性が良好で、かつ
熱封緘性が優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリアー性と内容
物の非吸着性を維持しつつ熱封緘性を改良した、樹脂組
成物及び多層包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン−ビニルエステル共重合
体けん化物(以下EVOHと略称する)はその優れたガ
スバリアー性により広く使用されてはいるが、包装材料
の中間層または最外層に使用される場合が多い。その主
たる理由は、EVOHを最内層として使うには熱封緘温
度が低密度ポリエチレンなどのように低くなく、高速製
袋性に欠けるか、外層フィルムの熱変形により外観を損
じて商品イメージを著しく低下せしめることであった。
従って最外層としては二軸延伸ポリプロピレン、二軸延
伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、あ
るいは二軸延伸EVOHなどのフィルムが、中間層とし
ては二軸延伸あるいは無延伸のEVOHなどのフィルム
が、また最内層としては低密度ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、直鎖状低密度ポ
リエチレン、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィ
ルムが採用される事が多かった。用途によっては上記多
層フィルムを蓋材とし、最外層に無延伸ポリプロピレ
ン、無延伸ナイロン、無延伸ポリ塩化ビニル、無延伸ポ
リエチレンテレフタレート、あるいは無延伸ポリスチレ
ンなどのフィルムないしはシートを、中間層としては無
延伸EVOHなどのフィルムを、また最内層には低密度
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状
低密度ポリエチレン、アイオノマー、無延伸ポリ塩化ビ
ニル、無延伸ポリスチレン、無延伸ポリエチレンテレフ
タレート、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィル
ムないしはシートを複合し、深絞り成形された容器を底
材とする多層包装材料が採用されていた。しかしながら
これらの多層包装材料は、他の素材の物に比べガスバリ
アー性は優れてはいるものの高価であり、安価な一般包
装材料としては使い辛いという欠点があった。また最内
層がポリオレフィンであるため、内容物、たとえば食
品、飲料水(ジュースなど)中のフレーバーの非吸着性
が十分でなかった。従ってガスバリアー性の良好なEV
OHに熱封緘性を付与し最内層として使用可能にする事
は、包装材料のコスト低下の点からも重要であり非常に
切望されている。
【0003】特開昭50−7880号公報にはエチレン
含有量60〜95モル%、けん化度70%以下のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とロジン、水素化ジシクロペン
タジエン重合体、ポリスチレン樹脂、芳香族石油系樹脂
等の各種副資材のブレンド溶融物を印刷シートや紙面に
コートし光沢性を持たせることが記載されているが、ヒ
ートシール性に関する記載はない。
【0004】特開昭56−115372号公報には酢酸
ビニル含量が50重量%でけん化度が50%以上のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物と相溶性を有する樹
脂0〜80%からなる第1成分、及び粘着性付与剤から
なる第2成分を含有し、第1成分の含量が20重量%以
上である接着力の改善されたホットメルト型接着剤組成
物が記載されているが、ヒートシール性に関する記載は
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、ガスバリアー性が良好で、かつ低温での熱封緘性が
改善されたEVOHの開発は、包装業界において重要な
課題の一つである。しかして本発明の目的は高度なガス
バリアー性と内容物の非吸着性を維持しつつ、熱封緘性
を改良した樹脂組成物および多層包装体を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン含
有量20〜70モル%、ビニルエステル成分のけん化度
90モル%以上のエチレン−ビニルエステル共重合体け
ん化物(A)99.5〜90重量%と、テルペン樹脂、
ロジン系樹脂およびC↓5〜C↓10の石油炭化水素樹
脂からなる群より選ばれた1種または2種以上の樹脂
(B)0.5〜10重量%の樹脂組成物及び前記組成物
層を最内層にする包装体を提供することによって達成さ
れる。
【0007】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明において、EVOHとは、エチレンとビニルエステル
を、加圧下メタノールやt−ブチルアルコールなどの溶
剤中で、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどの重合開始剤を用い公知の方法で重合させ、続い
てアルカリ触媒または酸触媒でけん化して得られるエチ
レン−ビニルエステル共重合体けん化物である。ビニル
エステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの各種ビ
ニルエステルが挙げられるが、価格などの点からは酢酸
ビニルが好ましい。これらのビニルエステルは1種また
は2種以上が使用可能である。
【0008】本発明において、EVOHのエチレン含有
量は20〜70モル%、好ましくは40〜70モル%、
ビニルエステル成分のけん化度は90モル%以上であ
る。エチレン含有量が20モル%未満では、高湿度時の
ガスバリアー性が低下すると共に熱溶融安定性が悪化す
る。一方、70モル%を越えると十分なガスバリアー性
が得られない。一方、けん化度が90モル%未満は、高
湿度時のガスバリアー性及び非吸着性が低下するだけで
なく、EVOHの熱安定性が悪化し、得られる膜面にゲ
ルが発生しやすい。
【0009】本発明において、EVOHのメルトフロー
レート(JIS K 7210にのっとり温度210
℃,加重2.16kgで半径1mmのノズルより10分
間に吐出する重量)MFRは、2以上、好ましくは3以
上であることが望ましい。MFRが2未満では、EVO
H−テルペン樹脂などの樹脂(B)間の分散性が低下
し、得られる膜面に分散性不良によるゲルが発生しやす
い。また、MFRが20以上では製膜性の低下が著し
い。
【0010】EVOHには更に少量のプロピレン、ブテ
ン−1、イソブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1などのα−オレフィン、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽
和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、
そのニトリル、そのアミド、その無水物、アルキルチオ
ール類、不飽和スルホン酸、その塩などの共重合成分を
含んでいても差支えない。
【0011】上述したEVOHは硼素化合物が含まれて
いることが望ましく、硼素換算量として、0.002〜
0.6重量%、好ましくは、0.009〜0.35重量
%である。硼素含有量が0.002重量%未満では、低
温での熱封緘性および熱封緘強度の改善が十分ではな
く、一方0.6重量%を超えると架橋の程度が増大し過
ぎて熱不溶性が発現する。硼素化合物としては硼酸が最
良であるが、トリクロルボロン、トリフェニルボロン、
トリメチルボロンあるいはこれらとエーテル、アミン類
の配位物または硼素が酸素、窒素の結合を介して数量体
となったものも使用できる。
【0012】また、EVOHには、本発明を阻害しない
範囲で、酸、塩基およびそれなどの塩を添加しても良
い。酸、塩基やそれなどの塩としては、酢酸、燐酸、水
酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、燐酸カリウム、燐酸
カルシウム、燐酸水素カルシウム、燐酸一水素二カリウ
ム、燐酸二水素一カリウムなどが挙げられる。更に成形
物の滑り性改善のために、酸化珪素や酸化アルミニウム
などを添加しても良い。更に酸化防止剤、色剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、架橋剤、無機充填剤、無
機乾燥剤などの各種添加剤、ポリアミド、ポリオレフィ
ン、高吸水性樹脂などの各種樹脂を配合してもよい。
【0013】また、EVOH組成物は、それぞれエチレ
ン共重合比率の異なる2種類以上のEVOHの混合物か
ら構成されていてもよく、また、重合度やけん化度の異
なる2種類以上のEVOHの混合物であってもよい。さ
らに、エチレン共重合比率と重合度とけん化度が共に異
なっていてもよいが、それらの平均値が、前記EVOH
の範囲に入っていることが重要である。
【0014】本発明において使用される前記樹脂(B)
はホットメルト接着剤においてタッキファイヤーとして
知られているものであり、ロジン系樹脂としては木材ロ
ジン、重合ロジン、水素化ロジン、エステル化ロジンな
どのロジン類及びロジン誘導体が挙げられ、テルペン樹
脂としては、テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂、テル
ペンフェノール共重合体などのテルペン及び変性テルペ
ン樹脂が挙げられる。また、C↓5〜C↓10の石油炭
化水素樹脂としてはクマロン−インデン樹脂、脂肪族系
石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水素化及び共重合系石油
樹脂などが挙げられる。これらの樹脂(B)のうち、テ
ルペン樹脂、C↓5〜C↓10の石油炭化水素樹脂が好
適である。また、樹脂(B)の軟化点(環球法:JIS
K 2531−1956)は80℃以上、好ましくは
120℃以上であることが望ましい。
【0015】EVOH(A)と樹脂(B)との配分割合
はEVOH(A)で90〜99.5重量%、樹脂(B)
で0.5〜10重量%である。樹脂(B)が0.5重量
%未満では熱封緘性が改良されず、また、樹脂(B)が
10%を越えると製膜性が低下する。最適な樹脂(B)
の配分量は2〜8重量%である。本発明において、EV
OH(A)と樹脂(B)とのブレンドによる樹脂組成物
の層厚は5μm以上であり、好適には10μm以上、1
00μm以下であることが望ましい。合計厚さが5μm
未満では十分な熱封緘強度が得られにくく、100μm
を越えるとコストが高くなるだけでなく、包材の屈曲に
よりピンホールが発生しやすくなることがある。
【0016】また、EVOH組成物には、熱可塑性エラ
ストマーを配合することもできる。熱可塑性エラストマ
ーとしては、ハードセグメントに芳香族ポリエステル、
ソフトセグメントに非晶性ポリエーテルを使用したブロ
ックポリマーであるポリエステル系熱可塑性エラストマ
ー、ハードセグメントにポリアミド、ソフトセグメント
にポリエーテルまたはポリエステルを使用したブロック
ポリマーであるポリアミド系熱可塑性エラストマー、ハ
ードセグメントにポリスチレン、ソフトセグメントにポ
リブタジエンまたはポリイソプレンを使用したブロック
ポリマーであるスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。これらの熱可塑性エラストマーを配合すること
により、フィルムの熱封緘性、耐屈曲性がさらに向上す
る。
【0017】また、上記、熱可塑性エラストマーのEV
OHに対する含有量は30重量%以下が望ましく、さら
に好ましくは30〜1重量%、さらには25〜2重量%
である。熱可塑性エラストマー含有量が30重量%以上
では製膜性が低下する。
【0018】本発明において、前記樹脂組成物(C)層
をそのまま包装材料に用いても良いが、フィルムの場合
には十分なヒートシール強度が得られにくいので、樹脂
組成物(C)の外層に、JIS K 7206で規定さ
れた方法で測定したビカット軟化点が、EVOHより5
℃以上、好ましくは10℃以上高い熱可塑性樹脂(D)
の層を積層した方が、十分なヒートシール強度が得られ
だけでなく、良好なヒートシール性を有する包装材料に
できる。ビカット軟化点の差が5℃未満では、熱封緘時
における最外層(D層)の耐熱性が十分でなく、皺など
の外観不良や、耐熱性不足によるエッジ切れが発生しや
すい。
【0019】また、樹脂組成物(C)層と熱可塑性樹脂
(D)層は共押出法、ドライラミネート法、共押出ラミ
ネートなどにより得られ、またC層およびD層は延伸
(一軸または二軸)により配向されていてもよい。
【0020】上記熱可塑性樹脂(D)のフィルムとして
は、次のものが挙げられる。プロピレンのホモポリマー
を主成分とする二軸延伸フィルム。ε−カプロラクタム
のホモポリマーおよびヘキサメチレンジアミンやメタキ
シリレンジアミンなどのジアミン成分とアジピン酸を主
原料として得られるナイロンを主成分とする二軸延伸フ
ィルム。エチレングリコールとテレフタール酸やナフタ
リンジカルボン酸を主原料として得られるポリエステル
の二軸延伸フィルム。ビスフェノール−Aとホスゲンな
ど炭酸誘導体を主原料として得られるポリカーボネート
よりなるフィルム。塩化ビニルを主原料とし酢酸ビニル
などを共重合させたポリ塩化ビニルよりなるフィルム。
塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニ
トリル、(メタ)アクリル酸エステルなどを共重合させ
たポリ塩化ビニリデンよりなる二軸延伸フィルム。スチ
レンのホモポリマーおよびスチレンを主原料としブタジ
エン、アクリロニトリルなどを共重合させたポリスチレ
ンの二軸延伸フィルム。圧延または二軸延伸高密度ポリ
エチレンフィルムなどがあげられる。
【0021】さらに上記共押出しラミネートする時の熱
可塑性樹脂(D)層としては、次のものが挙げられる。
ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレン
ジアミン、エチレンジアミン、メタキシリレンジアミン
などのジアミン成分と、δ−バレロラクタム、ε−カプ
ロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−アミノウンデカ
ン酸、ω−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸成
分と、各種ナフタリンジカルボン酸、テレフタール酸、
イソフタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン
酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸などの多価カル
ボン酸成分を原料として得られるナイロン。エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
などの多価アルコール成分と、パラヒドロキシ安息香
酸、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのヒ
ドロキシカルボン酸成分と、テレフタール酸、イソフタ
ール酸、各種ナフタリンジカルボン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸などの多価カルボン酸およびそのエステル成分を
原料として得られるポリエステル。ビスフェノール−A
とホスゲンなど炭酸誘導体を主原料として得られるポリ
カーボネート。プロピレンのホモポリマー、およびプロ
ピレンを主成分とする、エチレン、ブテン−1、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノル
ボルネン、ヘキサ−1,4−ジエンなどとのブロックコ
ポリマーおよびランダムコポリマー、更には無水マレイ
ン酸などのカルボン酸でグラフト変性されたそれらのグ
ラフト変性物。エチレンのホモポリマーである高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、およびエチレンを主成分とする、プロピレン、ブテ
ン−1、ブタ−1,3−ジエン、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノルボルネン、5−
メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸などとの共重合体、また、ア
クリル酸やメタクリル酸との共重合体においては、ナト
リウム、亜鉛、アルミニウムなどで架橋されていても良
い。また、酢酸ビニルとの共重合体においては、酢酸ビ
ニル成分の一部または全てがけん化されていても良い。
また、ポリエチレンは、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、無水イタコン酸などのカルボン酸でグラフ
ト変性されていても良い。塩化ビニルを主原料とし酢酸
ビニルなどを共重合させたポリ塩化ビニル。塩化ビニリ
デンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸エステルなどを共重合させたポリ塩
化ビニリデン。スチレンのホモポリマーおよびスチレン
を主原料とし、(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエ
ン、アクリロニトリルなどを共重合させたポリスチレ
ン。アクリロニトリルを主成分とした、スチレンとの共
重合体や、アクリロニトリルを主成分とした、(メタ)
アクリル酸エステルなどの共重合成分とブタジエンの弾
性体より構成されている、ポリアクリロニトリルなどが
あげられる。
【0022】このように本発明により得られる樹脂組成
物(C)層を最内層とする多層構造体(フィルムまたは
シートなど)から構成される容器(袋、カップ、チュー
ブ、ボトルなど)に内容物(食品、飲料水、化粧品な
ど)を充填し、A層同士を熱封緘して使用することによ
り、熱封緘性および熱封緘強度の改善された多層包装体
を得ることができる。このようにして得られた多層包装
体は、ジュースに代表されるフレーバーが重視される食
品の包装体として有用であり、またその他揮発性薬効成
分を含んだパップ薬などの医薬品、芳香剤、石鹸、除光
液、防虫剤、工業薬品、ガスバリアー性や耐薬品性の要
求される医療機器などの包装体としても有用である。
【0023】以下実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによってなんら限定を受ける
ものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1 EVOHとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化
して得た、エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度99.5モル%、メルトフローレート6.0
g/10分(210℃、2.16kg荷重)のEVOH
98重量%と水素化テルペン樹脂(ヤスハラケイカル
(株)製 CLEARON P125)2重量%とを押
出機を用いて25μmよりなるフィルムを得た。
【0025】15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
((株)興人製「ボニール R」、ビカット軟化点17
0℃))のコロナ処理面に、ポリエステル系の接着剤
(武田薬品工業(株)製「A−385/A−10」)を
固形分として3g/m↑2塗布し、溶剤を蒸発させた後
に、前記押出フィルムのEVOH面を貼合わせて複合フ
ィルムを得た。
【0026】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力2kg/cm↑2、温度160℃、時間1秒で
EVOH面同士を熱封緘し多層包装体を得た。熱封緘強
度を測定したところ、3.2kg/15mmと強く、し
かも収縮もなく外観は良好であった。また酸素ガス透過
量(Modern Controls社製「OX−TR
AN 10/50A」で測定)は20℃,100%(相
対湿度)において31ml・20μm/m↑2・日・気
圧と優れていた。
【0027】比較例1 実施例1において、水素化テルペン樹脂(ヤスハラケイ
カル(株)製 CLEARON P125)を用いなか
ったこと以外は、実施例1に準じて行い、同様なフィル
ムを得た。
【0028】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力2kg/cm↑2、温度160℃、時間1秒で
EVOH面同士を熱封緘し多層包装体を得た。熱封緘強
度は2.5kg/15mmしかなく、実施例1に比べ劣
っていた。また酸素ガス透過量は20℃,100%(相
対湿度)において27ml・20μm/m↑2・日・気
圧と優れていた。
【0029】実施例2 EVOHとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化
して得た、エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度99.5モル%、メルトフローレート6.0
g/10分(210℃、2.16kg荷重)のEVOH
96重量%とC↓9系石油炭化水素樹脂(荒川化学工業
(株)製 ARKON M135)4重量%とを押出機
を用いて25μmよりなるフィルムを得た。
【0030】15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
((株)興人製「ボニール R」、ビカット軟化点17
0℃))のコロナ処理面に、ポリエステル系の接着剤
(武田薬品工業(株)製「A−385/A−10」)を
固形分として3g/m↑2塗布し、溶剤を蒸発させた後
に、前記押出フィルムのEVOH面を貼合わせて複合フ
ィルムを得た。
【0031】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力2kg/cm↑2、温度160℃、時間1秒で
EVOH面同士を熱封緘し多層包装体を得た。熱封緘強
度を測定したところ、3.0kg/15mmと強く、し
かも収縮もなく外観は良好であった。
【0032】比較例2 実施例2において、C↓9系石油炭化水素樹脂(荒川化
学工業(株)製 ARKON M135)を20重量%
用いた結果、押出時の噛込不良のため製膜不可であっ
た。
【0033】比較例3 EVOHとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化
して得た、エチレン含有量10モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度99.5モル%、メルトフローレート6.0
g/10分(210℃、2.16kg荷重)のEVOH
98重量%と水素化テルペン樹脂(ヤスハラケミカル
(株)製 CLEARON P125)2重量%とを押
出機を用いて製膜したところ、ゲル発生のため製膜不可
であった。
【0034】実施例3 EVOHとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化
して得た、エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度99.5モル%、メルトフローレート6.0
g/10分(210℃、2.16kg荷重)のEVOH
78重量%とポリアミド系熱可塑性エラストマー(ハー
ドセグメントにポリアミド、ソフトセグメントにポリエ
ーテルを使用したブロックポリマー)(大日本インキ化
学工業(株)製「Grilax A150」)20重量
%と水素化テルペン樹脂(ヤスハラケイカル(株)製
CLEARON P125)2重量%とを押出機を用い
て25μmよりなるフィルムを得た。
【0035】15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
((株)興人製「ボニール R」、ビカット軟化点17
0℃))のコロナ処理面に、ポリエステル系の接着剤
(武田薬品工業(株)製「A−385/A−10」)を
固形分として3g/m↑2塗布し、溶剤を蒸発させた後
に、前記押出フィルムのEVOH面を貼合わせて複合フ
ィルムを得た。
【0036】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力2kg/cm↑2、温度160℃、時間1秒で
EVOH面同士を熱封緘し多層包装体を得た。熱封緘強
度を測定したところ、3.4kg/15mmと強く、し
かも収縮もなく外観は良好であった。
【0037】比較例4 実施例3において、水素化テルペン樹脂(ヤスハラケイ
カル(株)製 CLEARON P125)を用いなか
ったこと以外は、実施例1に準じて行い、同様なフィル
ムを得た。
【0038】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力2kg/cm↑2、温度160℃、時間1秒で
EVOH面同士を熱封緘し多層包装体を得た。熱封緘強
度は2.4kg/15mmしかなく、実施例1に比べ劣
っていた。
【0039】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を最内層とする包装
体は、ガスバリアー性、内容物の非収着性が良好で、か
つ熱封緘性が優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 //(C08L 23/26 93:00 93:04 57:02)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量20〜70モル%、ビニ
    ルエステル成分のけん化度90モル%以上のエチレン−
    ビニルエステル共重合体けん化物(A)99.5〜90
    重量%と、テルペン樹脂、ロジン系樹脂およびC↓5〜
    C↓10の石油炭化水素樹脂からなる群より選ばれた1
    種または2種以上の樹脂(B)0.5〜10重量%の樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物層を最内層と
    する多層包装体。
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