JPH07172426A - 容 器 - Google Patents

容 器

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JPH07172426A
JPH07172426A JP34503593A JP34503593A JPH07172426A JP H07172426 A JPH07172426 A JP H07172426A JP 34503593 A JP34503593 A JP 34503593A JP 34503593 A JP34503593 A JP 34503593A JP H07172426 A JPH07172426 A JP H07172426A
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JP
Japan
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layer
container
antistatic agent
conductive
conductive ink
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Application number
JP34503593A
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English (en)
Inventor
Rikiya Yamashita
力也 山下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物との摩擦により発生する静電気の帯電
を防止し、かつ、外部電流から内容物を保護するととも
に、良好な透明性を備えた容器を提供する。 【構成】 多層共押出しにより成形された2層以上の層
を有するプラスチックシートを成形してなる容器の最内
層を導電性微粉末を含有する導電性インキ層で構成し、
容器の最外層を帯電防止剤混入層で構成し、上記導電性
インキ層によって内容物と容器との接触により静電気が
発生するのを防止し、上記帯電防止剤混入層によって外
部から電流が内容物に達することを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容器に係り、特に静電気
から内容物を保護することができ、かつ、透明性に優れ
た容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種部品、固形あるいは液状
の食品等を合成樹脂製容器に収容し、開口部を蓋材によ
り密封して流通、保管することが行われている。
【0003】例えば、多数のエンボスが形成された容器
(キャリアテープ)の各エンボス部に電子部品を収納
し、蓋材(カバーテープ)をエンボス部を覆うように容
器上にに熱融着して密封したエンボスキャリア型テーピ
ングが使用されている。このようなエンボスキャリア型
テーピングに使用される容器は、通常、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等
の合成樹脂シートを成形したものである。
【0004】しかし、一般に合成樹脂シートは表面抵抗
率が高いため帯電しやすく、また、帯電した静電気を拡
散する性能が劣っているため、収納されている電子部品
と合成樹脂容器とが接触して発生する静電気により電子
部品の劣化、破壊を生じる危険性がある。また、外部で
発生した電流が合成樹脂容器を通じて電子部品を劣化、
破壊させる危険性もある。
【0005】更に、収納された電子部品に水分吸湿や埃
混入が生じることを防止するため、あるいは、搬送中に
容器から飛び出し電子部品のリード線が破壊されるのを
防止するために、電子部品を収納した容器は積み重ねら
れたり、上述のようにフィルム等の蓋材がヒートシール
されて搬送される。このようなエンボスキャリア型テー
ピングは、出荷最終段階において電子部品が充填されて
いるか否かの検査、および電子部品の外観、機能不良
(リードの曲がり、折れ、パッケージング部のボイド
等)を目視にて行う必要がある。したがって、容器は、
それ自体が目視により検査可能な程度の透明性を有する
ことが要求される。
【0006】容器における静電気発生、電流透過の防止
手段として、例えば、(1)合成樹脂容器の内表面およ
び外表面に界面活性剤等の帯電防止剤を塗布する方法、
(2)合成樹脂容器の内表面および外表面に比較的透明
な導電性塗料を塗布する方法、(3)合成樹脂に帯電防
止剤あるいは導電性カーボンを練り込む方法、(4)合
成樹脂容器の内表面および外表面に導電性カーボンを含
有させる方法等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は比較的透明性を有する容器が得られるも
のの、電子部品と接触する容器内面の帯電防止剤が電子
部品に付着し、電子部品組立時の不良原因となったり、
電子部品側(容器内面)の表面抵抗率が109 〜1012
Ω程度あり、厳しい帯電防止効果を要求されるLSI等
の電子部品に用いる容器としては不適当であるという問
題があった。また、上記(2)の方法は、優れた帯電防
止性能を容器に付与することができるが、透明性がある
導電性塗料を作成するには熟練した分散技術と塗工技術
が必要な上、合成樹脂容器の両面に塗布するため、電子
部品の目視検査が可能な透明性を得ることが困難である
という問題があった。また、上記(3)の方法は、帯電
防止剤を混入した場合には、(1)の方法と同様の問題
を生じ、また、導電性カーボンを練り込んだ場合には、
容器が不透明となり、目視検査が不可能になる。さら
に、上記(4)の方法は、導電性カーボン練り込みによ
り、電子部品の目視検査が可能な透明性を得ることが困
難であるという問題があった。
【0008】さらに、界面活性剤を塗布した場合は、蓋
材のヒートシーラント層の表面状態を変化させ、シール
性が不安定となり、シール不良の原因となったり、ま
た、保管中の温度、湿度による静電気拡散効果の依存性
が大きいため、安定した帯電防止効果が得られないとい
う問題があった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、内容物との摩擦により発生する静電気の
帯電を防止し、かつ、外部電流から内容物を保護すると
ともに、良好な透明性を備えた容器を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は多層共押出しにより成形された2層
以上の層を有するプラスチックシートを成形した容器に
おいて、最内層は導電性微粉末を含有する導電性インキ
層であり、最外層は帯電防止剤混入層であるような構成
とした。
【0011】
【作用】容器の最内層を構成する導電性インキ層は、内
容物と容器との接触により静電気が発生するのを有効に
防止し、また、容器の最外層を構成する帯電防止剤混入
層は、外部からの電流が内容物に達することを阻止す
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0013】図1は本発明の容器の概略断面図である。
図1において、容器1は最外層である帯電防止剤混入層
2と、この帯電防止剤混入層2に中間層3を介して積層
された導電性インキ層4とを備えている。
【0014】容器1を構成する帯電防止剤混入層2は、
多層共押出し法による成膜が可能な透明樹脂中に帯電防
止剤を含有するものである。
【0015】帯電防止剤混入層2に用いられる透明樹脂
としては、ポリスチレン系、アクリルニトリル−ブタジ
エン−スチレン系、アクリル−スチレン系、スチレン−
ブタジエン共重合体系、スチレン−マレイン酸樹脂系、
スチレン−メチルメタアクリレート共重合体樹脂系、ス
チレン無水マレイン酸系、メタクリル樹脂系、セルロー
ス−アセテート系、ポリプロピレン系、ポリエステル樹
脂系、ポリカーボネート系、塩化ビニル系、ポリメチル
ペンテン系、ポリアリレート系、ポリエーテルサルフォ
ン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリサルフォン
系、ポリエステルカーボネート系、α−オレフィン系等
を挙げることができる。
【0016】また、帯電防止剤混入層2に使用する帯電
防止剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン
系、両性系のいずれかの界面活性剤、脂肪酸誘導体、4
官能基性珪素部分加水分解物を挙げることができる。
【0017】上記のアニオン系界面活性剤としては、硫
酸化油、石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オ
レフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エス
テル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフ
ォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸とホルマリン
との混合物、コハク酸エステルスルフォン酸塩、燐酸エ
ステル塩等を挙げることができる。
【0018】また、カチオン系界面活性剤としては、第
1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム化
合物、ピリジン誘導体等を挙げることができる。
【0019】また、非イオン系界面活性剤としては、多
価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコール
のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサ
イド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレン
オキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキ
サイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイ
ド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエ
チレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0020】さらに、両性界面活性剤としては、カルボ
ン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等を挙げることができ
る。
【0021】帯電防止剤混入層2は、上記のような透明
樹脂100重量部に対して上記の帯電防止剤を0.1〜
10重量部の範囲で混入させたものである。帯電防止剤
の混入量が0.1重量部未満であると、帯電防止剤混入
の効果が発揮されず、また、混入量が10重量部を超え
た場合でも、帯電防止効果は混入量10重量部の場合と
ほとんど同じであるため、製造コスト高となってしまい
好ましくない。そして、このような帯電防止剤混入層2
は、その表面抵抗率が22℃、40%RH下において1
9 〜1013Ωの範囲内にある。上記の表面低効率が1
13Ωを超えると、静電気拡散効果が極端に悪くなって
静電気発生を起こしやすくなる。また、109 Ω未満に
なると、外部から容器を通じて電子部品に電気が通電す
る可能性があり、電子部品が電気的に破壊される危険性
がある。尚、上記の表面抵抗率は、JIS K−691
1に準拠して測定することができる。
【0022】上述のような帯電防止剤混入層2の厚み
は、容器1の使用目的に応じて適宜設定することがで
き、例えば、6〜500μm程度とすることができる。
【0023】尚、帯電防止剤混入層2には、必要に応じ
て分散安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等の添
加剤を含有させることができる。
【0024】容器1を構成する中間層3は、多層共押出
し法による成膜が可能な透明樹脂により形成することで
きる。このような透明樹脂としては、帯電防止剤混入層
2に使用可能な透明樹脂として挙げたものをいずれも使
用することができ、特に、共押出し時の成膜精度の向
上、透明性の点から、帯電防止剤混入層2に用いられた
樹脂と同系の樹脂を使用することが好ましい。
【0025】このような中間層3の厚みは、10〜50
0μm程度が好ましい。
【0026】本発明の容器では、上記のような中間層3
を備えないような態様であってもよく、また、中間層3
の成膜精度の向上のため、および帯電防止剤混入層2と
の密着力を向上させるために、中間層3を多層構造とし
てもよい。図2は中間層3を多層(2層)構造とした本
発明の容器の例を示す概略断面図である。図2におい
て、容器1を構成する中間層3は、帯電防止剤混入層2
側に位置する第1中間層3aと、導電性インキ層4側に
位置する第2中間層3bとからなる。この場合、第1中
間層3aは、帯電防止剤混入層2と第2中間層3bとの
双方に対して良好な接着性を有し、帯電防止剤混入層2
と第2中間層3bとの密着力を向上させることのできる
透明接着性樹脂により形成することが好ましい。このよ
うな透明接着性樹脂としては、ポリアミド系、ポリエス
テル系、エポキシ・フェノリック系、アイオノマー系、
変性エポキシ系、フェノール系、ポリビニルアセタール
系、アクリル系、ポリオレフィン系等のいわゆる接着性
樹脂、あるいは、帯電防止剤混入層2に使用した透明樹
脂と第2中間層3bに使用した透明樹脂とを混合した樹
脂を使用することができる。また、第2中間層3bは、
上述の1層構造の中間層と同様に透明樹脂により形成す
ることができる。
【0027】上記のように中間層3を第1中間層3aと
第2中間層3bとの2層構造とした場合、それぞれの層
の厚みは5〜300μmの範囲で設定でき、中間層3全
体の厚みを10〜500μm程度とすることが好まし
い。
【0028】上述の中間層3の例では2層構造となって
いるが、本発明では、容器の機械的強度、耐熱性等の使
用環境により容器を構成する中間層を3層以上の多層構
造とすることができる。
【0029】本発明の容器を構成する導電性インキ層4
は、熱可塑性樹脂に導電性微粉末を分散したインキを用
いて成膜された層である。
【0030】導電性インキ層4に使用することのできる
導電性微粉末としては、金属酸化物、金属硫化物あるい
は金属硫酸塩に導電処理を施した導電性微粉末、金属微
粉末、導電性カーボン等を挙げることができ、これらを
単独で、あるいは2種以上併用することができる。この
ような導電性微粉末の平均粒径は、0.01〜50μm
程度が好ましい。導電性微粉末の平均粒径が0.01μ
m未満であると、インキ化の際の分散性が悪くなり、ま
た、平均粒径が500μmを超えると、透明性が悪くな
り好ましくない。
【0031】また、導電性インキ層4を構成する熱可塑
性樹脂としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、ア
クリル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢
酸ビニル系、フェノール系、キシレン系、尿素樹脂系お
よびメラニン系、ケトン系、クマロン・インデン系、石
油樹脂系、テルペン系、環化ゴム系、塩化ゴム系、アル
キド系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ
ビニルブチラール系、塩素化ポリプロピレン系、スチレ
ン系、エポキシ系、セルロース誘導体等を挙げることが
できる。
【0032】上記のような熱可塑性樹脂に導電性微粉末
が分散された導電性インキ層4は、その厚みが0.3〜
20μm程度であり、表面抵抗率が22℃、40%RH
下において105 〜108 Ωの範囲内であり、また、2
3±5℃、12±3%RH下において、5000Vから
99%減衰するまでに要する電荷減衰時間が2秒以下で
あり、優れた静電気特性を有する。上記の表面低効率が
108 Ωを超えると、静電気拡散効果が極端に悪くな
り、例えば、厳しい帯電防止効果を要求されるLSI等
の電子部品に用いる容器としては不適当である。また、
105 Ω未満になると、外部から蓋材を介して電子部品
に電気が通電する可能性があり、内容物が電気的に破壊
される危険性がある。一方、静電気により発生する電荷
の拡散速度の目安である電荷減衰時間が2秒を超える場
合、静電気拡散効果が極端に悪くなり、電子部品等の内
容物を静電気破壊から保護することが困難になる。尚、
上記の表面抵抗率および電荷減衰時間は、米国の軍規格
であるMIL−B−81705Cに準拠して測定するこ
とができる。
【0033】導電性インキ層4は、帯電防止剤混入層2
と中間層3の多層構造からなるプラスチックシートを多
層共押出し法により作成し、このプラスチックシートの
中間層3上にエアドクタコート法、ブレードコート法、
ナイフコート法、ロッドコート法、ロールコート法、グ
ラビアコート法、スクリーン法、キスコート法、ビード
コート法、スロットオリフィスコート法等のコート法に
より導電性インキを塗布して形成することができる。そ
の後、プラスチックシートを真空成形、圧空成形あるい
はプレス成形することにより所定形状の容器1を得るこ
とができる。また、多層共押出し法により作成した帯電
防止剤混入層2と中間層3の多層構造からなるプラスチ
ックシートを、真空成形、圧空成形あるいはプレス成形
して所定の容器形状とし、その後、スプレー法、浸漬法
等により中間層3上に導電性インキ層4を形成すること
もできる。
【0034】本発明の容器は、導電性インキ層上にオー
バーコート層を備えるものでもよい。オーバーコート層
は、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系等
の熱可塑性樹脂等の材料を用いて、グラビアコート法、
ロールコート法等のコート法、またはスプレー法により
形成することができる。このようなオーバーコート層の
厚さは0.1〜0.5μm程度、好ましくは0.5〜
2.0μm程度とすることができる。
【0035】本発明の容器に使用することのできる蓋材
は、不用意に蓋材が容器から剥離して内容物の脱落が生
じない程度に容器と接着され、かつ、剥離時に容器が振
動して内容物が容器から飛び出すのことのない程度に容
易に剥離できることが要求される。このような蓋材の例
としては、例えば、図3に示されるように二軸延伸樹脂
層12、接着剤層13、中間層14、ヒートシーラント
層15とを備えた多層構造の蓋材11を挙げることがで
きる。
【0036】図3に示されるような蓋材を構成する二軸
延伸樹脂層12は、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の二軸延伸フィルムで形成することがで
きる。このように二軸延伸樹脂層12を設けることによ
り、蓋材1に耐熱性を付与することができる。二軸延伸
樹脂層12の厚さは、蓋材の使用目的に応じて適宜設定
することができ、例えば6〜100μm程度とすること
ができる。尚、この二軸延伸樹脂層12の接着層13が
形成される面に、必要に応じて予めコロナ処理、プラズ
マ処理、サンドブラスト処理等の表面処理を施して、接
着層13との接着性を高めてもよい。また、必要に応じ
て静電気発生防止処理を施したものも使用できる。
【0037】蓋材11を構成する接着層13は、低密度
ポリエチレン、密度0.915〜0.940g/cm3
エチレン−α・オレフィン共重合体、ポリエチレンビニ
ルアセテート共重合体、アイオノマー、ポリプロピレ
ン、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレンアクリル
酸共重合体、あるいは、それらの変性物のいずれかであ
るポリオレフィン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタ
ジエン系、有機チタン化合物、イソシアネート系、ウレ
タン系の接着剤等により形成することができ、厚さは
0.2〜60μm程度が好ましい。接着層13は、二軸
延伸樹脂フィルム上に塗布あるいは押出し成形すること
ができ、この接着層13上に中間層14をドライラミネ
ーションあるいは押し出しラミネーションすることがで
きる。
【0038】中間層14は、例えば、密度0.915〜
0.940g/cm3 のエチレン−α・オレフィン共重合
体、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10
重量%とのスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ス
チレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%
とのスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加
物およびハイインパクトポリスチレンのうち少なくとも
エチレン−α・オレフィン共重合体およびスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を含む3種以上の樹脂により
形成することができる。
【0039】また、上記の中間層14は、エチレン−α
・オレフィン共重合体30〜70重量%と、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体70〜30重量%との樹脂
組成物100重量部に対して、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体の水素添加物のみを5〜30重量部添加
して3種の樹脂を含有した樹脂組成物により形成されて
もよい。また、エチレン−α・オレフィン共重合体30
〜70重量%と、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体70〜30重量%との樹脂組成物100重量部に対し
て、ハイインパクトポリスチレンのみを5〜50重量部
添加して3種の樹脂を含有した樹脂組成物により形成さ
れてもよい。
【0040】さらに、中間層14は、上記のような構成
の他に、密度0.915〜0.940g/cm3 のエチレ
ン−α・オレフィン共重合体30〜70重量部と、スチ
レン50〜90重量%とブタジエン50〜10重量%と
のスチレン−ブタジエンブロック共重合体70〜30重
量部とが添加されている樹脂組成物により形成すること
ができる。
【0041】また、中間層14を、密度0.915〜
0.940g/cm3 のエチレン−α・オレフィン共重合
体30〜70重量部と、スチレン10〜50重量%とブ
タジエン90〜50重量%とのスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体の水素添加物70〜30重量部とが添加
されている樹脂組成物により形成したり、あるいは、ガ
ラス転移温度が40℃以上である線状飽和ポリエステル
樹脂により形成することもできる。
【0042】中間層14は単層構造および多層構造のい
ずれでもよく、厚みは通常10〜60μm程度とするこ
とができる。
【0043】蓋材11が上記のような中間層14を具備
することにより、本発明の容器に熱融着された蓋材11
を剥離する際、中間層14とヒートシーラント層15と
の層間において剥離が生じ、容器から確実に蓋材11を
剥離することができる。
【0044】蓋材11を構成するヒートシーラント層1
5は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂の少なくと
も1種からなる熱可塑性樹脂で形成されている。2種以
上の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリ
ウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂と
の混合樹脂(混合比率は9:1〜4:6の範囲が好まし
い)、ポリエステル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂との混合樹脂(混合比率は1:1〜9.5:
0.5の範囲が好ましい)、アクリル樹脂と塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂(混合比率は
1:1〜9.5:0.5の範囲が好ましい)等を挙げる
ことができる。
【0045】ヒートシーラント層15の厚みは0.1〜
10μm、特に0.3〜2μmが好ましい。ヒートシー
ラント層15の厚みが0.1μm未満の場合、ヒートシ
ーラント層の形成が困難であり、ヘーズ値が50%以上
となって十分な透明性が得られず、また、ヒートシーラ
ント層15の厚みが10μmを超える場合は、全光線透
過率が75%以下となり、これも透明性が低下してしま
い好ましくない。
【0046】また、蓋材11は、中間層14とヒートシ
ーラント層15との間に静電気拡散層を備えたものでも
よい。静電気拡散層は、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリ
ル樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂と、導電
性微粒子、例えば、カーボンブラック、金、銀、ニッケ
ル、アルミ、銅等の金属微粒子、酸化錫、酸化亜鉛およ
び酸化チタン等の金属酸化物に導電性を付与した導電性
微粒子、硫酸バリウムに導電性を付与した導電性微粒
子、硫化亜鉛、硫化銅、硫化カドミウム、硫化ニッケ
ル、硫化パラジウム等の硫化物に導電性を付与した導電
性微粒子、Si系有機化合物、界面活性剤等により形成
されている。静電気拡散層の厚さは0.1〜10μm、
特に1〜5μmの範囲が好ましい。
【0047】このような静電気拡散層は、その表面抵抗
率が22℃、40%RH下において105 〜1013Ωの
範囲内であり、また、23±5℃、12±3%RH下に
おいて、5000Vから99%減衰するまでに要する電
荷減衰時間が2秒以下であることが好ましい。これによ
り、内容物である電子部品を静電気破壊から保護するこ
とがより確実となる。尚、静電気拡散層には、必要に応
じて分散安定剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0048】また、蓋材は、二軸延伸樹脂層上に反射防
止膜、あるいは、反射防止膜と帯電防止層を有するもの
でもよい。
【0049】反射防止膜は、蓋材における乱反射あるい
は光源の影写りを抑え、容器内部を目視することをより
容易にすることができる。また、帯電防止層は、蓋材の
表面に静電気によるゴミ付着が発生するのを防止するこ
とができる。
【0050】次に、具体的実施例を示して本発明の容器
を更に詳細に説明する。 (実施例)先ず、帯電防止剤混入層および中間層を形成
するための透明性樹脂として、下記の4種の樹脂を準備
した。
【0051】・ポリスチレン樹脂(PS) :新日鉄
化学(株)製 K−レジン ・ポロプロピレン樹脂(PP) :昭和電工(株)製
ショウアロマ ・COポリエステル樹脂(PET):コダック(株)製
PET−G ・塩化ビニル樹脂(PVC) :三井東圧化学(株)
製 ビニクロン また、帯電防止剤混入層を形成するための帯電防止剤と
して、下記の2種の帯電防止剤を準備した。
【0052】・帯電防止剤A :日本油脂(株)製 ニ
ューエレガンA(カチオン系) ・帯電防止剤B :日本油脂(株)製 エレガンS−1
00(非イオン系) さらに、導電性インキ層を形成するための導電性インキ
として、下記の2種の導電性インキを準備した。
【0053】・導電性インキA :ザ・インクテック
(株)製 ALFA透明導電 ・導電性インキB :触媒化成工業(株)製 ELCO
M P3501 次に、多層共押出し法により、下記の表1に示される組
成の帯電防止剤混入層(厚み50μm)と中間層(厚み
350μm)との2層からなるシート(厚み0.5m
m、幅400mm)を作成し、その後、グラビアリバー
ス法により中間層上に導電性インキを塗布して導電性イ
ンキ層(厚み2μm)を形成してプラスチックシートと
し、このプラスチックシートを真空圧空成形法により図
1に示されるような収容部の深さが6mmの容器(試料
1〜10、比較試料1〜6)を作成した。
【0054】
【表1】 次に、上記の各容器について、ヘーズ度、全光線透過
率、表面抵抗率および電荷減衰時間を下記の条件で測定
した。 (ヘーズ度および全光線透過率の測定条件)スガ試験機
(株)製カラーコンピューターSM-5SCにて測定した。 (表面抵抗率の測定条件)22℃、40%RH下におい
て、三菱油化(株)製ハイレスタIPにて測定した。 (電荷減衰時間の測定条件)23±5℃、12±3%R
H下において、5000Vから99%減衰するまでに要
する時間を、MIL−B−81705Cに準拠して、E
TS社(Electro-Tech Systems,Inc)製のSTATIC DECAY
METER-406C にて測定した。
【0055】各容器に関する上記項目の測定結果を下記
の表2に示した。
【0056】
【表2】 表2に示されるように、試料1〜試料10の各容器は、
容器の最外層である帯電防止剤混入層の表面低効率が1
9 〜1013Ωの範囲にあり、容器の最内層である導電
性インキ層の表面低効率が105 〜1010Ωの範囲にあ
り、また、電荷減衰時間が2秒以下であり、優れた帯電
防止性を備えていることが確認された。さらに、全光線
透過率は60%以上、ヘーズ度は50%以下であり、高
い透明性を備えた容器であることが確認された。
【0057】一方、比較試料1,2,4,5は、容器の
最外層である帯電防止剤混入層の表面抵抗率が1013Ω
を超え、帯電防止性が不十分であり、また、比較試料
3,6は、容器の最外層である帯電防止剤混入層の表面
抵抗率が109 Ω未満であり、外部の電流が容器内部に
達するのを有効に防止できないものであった。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば多
層共押出しにより成形された2層以上の層を有するプラ
スチックシートを成形してなる容器は、その最内層が導
電性微粉末を含有する導電性インキ層で構成され、ま
た、最外層は帯電防止剤混入層で構成されており、これ
により、内容物と容器との接触による静電気発生、およ
び外部電流の侵入が阻止され、内容物の劣化、破壊が防
止されるとともに、容器は透明性を備えるため内容物の
目視検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の概略断面図である。
【図2】本発明の容器の他の例を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明の容器に使用可能な蓋材の例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1…容器 2…帯電防止剤混入層 3…中間層 4…導電性インキ層 11…蓋材 12…二軸延伸樹脂層 13…接着層 14…中間層 15…ヒートシーラント層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B32B 7/02 104 7148−4F

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層共押出しにより成形された2層以上
    の層を有するプラスチックシートを成形してなる容器に
    おいて、 最内層は導電性微粉末を含有する導電性インキ層であ
    り、最外層は帯電防止剤混入層であることを特徴する容
    器。
  2. 【請求項2】 前記導電性インキ層は、その表面抵抗率
    が105 〜1010Ωであることを特徴とする請求項1に
    記載の容器。
  3. 【請求項3】 前記導電性インキ層は、その電荷減衰時
    間が2秒以下であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の容器。
  4. 【請求項4】 前記帯電防止剤混入層は、樹脂100重
    量部に対して帯電防止剤が0.1〜10重量部の範囲で
    混入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載の容器。
  5. 【請求項5】 前記帯電防止剤混入層は、その表面抵抗
    率が109 〜1013Ωであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の容器。
  6. 【請求項6】 前記導電性インキ層に含有される導電性
    微粉末は、金属酸化物、金属硫化物あるいは金属硫酸塩
    に導電処理を施した導電性微粉末、金属微粉末、導電性
    カーボンの少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5のいずれかに記載の容器。
  7. 【請求項7】 前記帯電防止剤混入層に混入される帯電
    防止剤は、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性
    系のいずれかの界面活性剤、脂肪酸誘導体、4官能基性
    珪素部分加水分解物の少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器。
  8. 【請求項8】 全光線透過率が60%以上であり、か
    つ、ヘーズ値が50%以下であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項7のいずれかに記載の容器。
  9. 【請求項9】 前記導電性インキ層上にオーバーコート
    層を備えることを特徴とする請求項1乃至性8のいずれ
    かに記載の容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09301334A (ja) * 1996-05-14 1997-11-25 Toppan Printing Co Ltd 複合バリアー容器
WO2001088928A1 (fr) 2000-05-19 2001-11-22 Tdk Corporation Film fonctionnel
WO2001091136A1 (fr) * 2000-05-21 2001-11-29 Tdk Corporation Corps a couches multiples conductrices transparentes et procede de production de celui-ci

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