JPH07172275A - ブレーキ制御アクチュエータ - Google Patents

ブレーキ制御アクチュエータ

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JPH07172275A
JPH07172275A JP34488493A JP34488493A JPH07172275A JP H07172275 A JPH07172275 A JP H07172275A JP 34488493 A JP34488493 A JP 34488493A JP 34488493 A JP34488493 A JP 34488493A JP H07172275 A JPH07172275 A JP H07172275A
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JP
Japan
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piston
brake
pressure
cylinder
force
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Withdrawn
Application number
JP34488493A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tsukamoto
雅裕 塚本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で圧力0まで減圧でき、液中の気泡を防
止して応答性を保持し、信頼性を向上させる。 【構成】 マスターシリンダ2とホイールシリンダ3の
間に介挿された電磁カット弁5と、ホイールシリンダ3
側の容積変化を行う制御シリンダ7とピストン7aを有
するブレーキ制御アクチュエータ1において、直進駆動
部8の大径ロッド8dとピストン7aとの間に磁石7c
を設けるとともに、磁石7cの結合力をピストン7cの
シール7bの摩擦力を越えないように調整してなる。磁
石7cの結合力によりブレーキ圧力を0まで減圧できる
とともに、上記結合力がシール7bの摩擦力を越えない
ため液中の気泡発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行状態に応じ
てアンチスキッド等のブレーキ制御を行なうためのブレ
ーキ制御アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から例えばアンチスキッドブレーキ
制御(以下ABS制御と称する。)に関しては種々なも
のが知られている。第1に、特開平3−5265号公報
に開示されている装置が知られており、これを図3に示
す。図3においては、マスターシリンダ51とホイール
シリンダ52とを結ぶ通路53、54との間に、ブレー
キ制御アクチュエータ55が介挿されている。
【0003】ブレーキ制御アクチュエータ55には、上
部に貫通路56が設けられていて、通路54を介してホ
イールシリンダ52に接続されている。また、貫通路5
6の上方には、自由流が上方へ向いたボール57とばね
58を有する逆止弁59が設けられ、逆止弁59の上方
は通路53を介してマスターシリンダ51に接続されて
いる。さらに、通路53と貫通路56との間には、電磁
カット弁60が介挿されている。
【0004】ブレーキ制御アクチュエータ55の中間部
には制御シリンダ61が設けられていて、内筒にはシー
ル62aを有するピストン62が上下に移動可能に設け
られている。このピストン62を上下に駆動させるため
の駆動手段として、ピストン62下端にボールナット6
3を当接させるとともに、このボールナット63はボー
ルねじ64の回転によって上下に移動可能に設けられて
いる。ボールナット63とブレーキ制御アクチュエータ
55との間には回り止め機構が設けられているととも
に、ピストン62の下部にはボールねじ64が進入でき
るように円腔が設けられている。
【0005】また、ピストン62の上端には押圧ピン6
5が設けられていて、ピストン62が上限位置にあると
きだけ前記逆止弁59のボール57をばね58の付勢力
に抗して押し上げることにより、逆止弁59が下方向に
も開放されるようになっている。 ボールねじ64は下
部を軸受で支持されるとともに、またその下部には歯車
群66が設けられている。そして、この歯車群66は可
逆転モータ67によって駆動されるようになっている。
この可逆転モータ67には、電流値0のときに外力で回
されないように電磁ブレーキ68が設けられているとと
もに、コントローラ69で演算された正負の電流値に相
当するトルクを発生するようになっている。
【0006】上記構成においては、ピストン62が図3
に示す上限位置にあるときは、通常のブレーキ作動モー
ドの状態にある。この状態では、運転者がブレーキペダ
ルを踏んでマスターシリンダ51に発生させた圧力が通
路53、逆止弁59、貫通路56、通路54を介してホ
イールシリンダ52に伝達される。これにより、運転者
の踏力に比例したブレーキ力が車輪にかかるわけであ
る。
【0007】次に、車輪がスリップを始めると、センサ
を介してコントローラ69がこれを感知するとともに、
操縦性を失わない程度の適宜なスリップ率になるような
演算された電流値を可逆転モータ67に流す。すると、
ピストン62はブレーキ圧力に押されて下降する。ピス
トン62が上限位置から離れると、押圧ピン65がボー
ル57から離れるから逆止弁59が閉鎖され、マスター
シリンダ51からの圧力がホイールシリンダ52へ伝達
されなくなる。すなわち、ABS制御モードになる。ま
た、このとき電磁カット弁60も閉鎖される。
【0008】ABS制御モードでは、ピストン62が下
降するにつれて、ピストン62上面に閉鎖されたブレー
キ圧力が減圧される。したがって、ホイールシリンダ5
2内の圧力も減圧されてブレーキ力が弱められる。そし
て、コントローラ69からの上記電流値に見合ったボー
ルナット63の上昇力と、所望のブレーキ圧力によるピ
ストン62の下降力とが均衡したところでピストン62
の下降が停止される。
【0009】もし、スリップが止まると、この時点での
路面状態に見合うブレーキ力に高めるために、コントロ
ーラ69は演算された電流値を可逆転モータ67へ流す
から、ピストン62は上昇してピストン62上面のブレ
ーキ圧力が高められる。そして、ブレーキ圧力が上記電
流値に見合った値まで上昇すると、上下に働く力が均衡
してピストン62が停止される。
【0010】上述のようなブレーキ圧力上昇作動が繰返
されると、ピストン62は上限位置に達して、通常のブ
レーキ作動モードに切換えられる。なお、この通常のブ
レーキ作動モードにおける作動をより確実にするため
に、電磁カット弁60は開放される。また、通常のブレ
ーキ作動モードのときは、可逆転モータ67への電流値
は0であるから、ブレーキ圧力によってピストン62が
下降しないように、電磁ブレーキ68は可逆転モータ6
7をロックしている。
【0011】次ぎに、第2に、上述の第1の従来例にお
けるピストン62の下端がボールナット63に連動連結
された装置が考えられる。この第2の装置は、第1の装
置にくらべて、上記ピストン62とボールナット63と
の関係機構以外は全く同一であるので、構成および作用
の説明を省略する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、第1の従来
の装置では、ピストン62の下端とボールナット63と
は単に当接されているだけなので、ABS制御モードに
おいて、所望のブレーキ圧力が0に近くなると、主とし
てシール62aの摩擦力のためピストン62の下端がボ
ールナット63から離されて制御シリンダ61内腔内に
引掛って停止してしまう。すると、ブレーキ圧力が0に
ならないで残圧が生じる。この残圧は、(シール摩擦
力)÷(ピストン受圧面積)に相当する。そのため、極
低μ路面で車輪のスリップが回復しないか、または回復
が遅れるという問題がある。
【0013】上記残圧を低下しようとして、受圧面積を
増大すると、装置が大型化するという問題が生じる。ま
た、別の対策として、シール摩擦を低減すると、シール
性が低下して液洩れを起こす可能性があり、信頼性が低
下するという問題が生じる。また、第2の装置では、ピ
ストン62の下端がボールナット63に連動連結されて
いるので、ABS制御モードにおける減圧作動時に、所
望のブレーキ圧力が0近くであっても、可逆転モータ6
7によってボールナット63を介してピストン62を引
張ることができるから、残圧を残すことはない。
【0014】しかし、ピストン62を引張りすぎると、
シール部分からエアーを吸ったり、液中に溶け込んだエ
アーが分離されてエアレーションを起こしたりして液中
に気泡が混入し、液体の圧縮率が大幅に増加するので応
答性が悪くなるという問題が生じる。したがって、本発
明は上記の問題点にかんがみ、ABS制御モード時の減
圧作動時において、所望のブレーキ圧力が0付近であっ
ても、残圧を残さず、車輪グリップの回復が早く、小型
で信頼性が高いブレーキ制御アクチュエータを提供する
ことを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、マス
ターシリンダとホイールシリンダとの間に介挿され、マ
スターシリンダとホイールシリンダの間の連通を遮断す
る遮断手段と、遮断された通路の前記ホイールシリンダ
側の容積を変化させる容積変化手段とを備えるブレーキ
制御アクチュエータにおいて、前記容積変化手段を駆動
する駆動手段と容積変化手段の可働部分とを所定の力で
結合する結合手段を有するものとした。また前記容積変
化手段としては、制御シリンダと、密封シール部材を有
するピストンとで構成することができ、結合手段とし
て、ピストンの前記密封シール部材の内側位置に設置し
た磁石、あるいはピストンと駆動手段との間に介装され
る密封シール部材状の摩擦部材を用いることができる。
【0016】
【作用】先ず遮断手段が開放されている間は、マスター
シリンダから出力された圧力は通路を介してそのままブ
レーキ圧力としてホイールシリンダに伝達される。遮断
手段が閉鎖されると、ブレーキ制御アクチュエータ内の
駆動手段によって駆動される容積変化手段が容積を変化
させ、ホイールシリンダ内のブレーキ圧力が調整され
る。
【0017】容積変化手段の容積が拡大される減圧作動
時において、所望のブレーキ圧力が0付近に制御される
場合に、密封シール部材に摩擦力が働いていても、結合
手段により所定の力で駆動手段がピストンを容積変化手
段の容積を拡大する方向に引張ることができる。これに
より、残圧を残さずにブレーキ圧力を0付近まで下げる
ことができるとともに、駆動手段によるピストン引張力
が過大になった場合には、結合手段によりピストンが切
り離されるからブレーキ圧力が負圧になることが防止さ
れる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示す。ブレー
キ制御アクチュエータ1は、マスターシリンダ2とホイ
ールシリンダ3とが、通路4と遮断手段としての電磁カ
ット弁5と通路6を介して接続されている液圧回路の中
において、通路6に接続されている。マスターシリンダ
2は、ブレーキペダル2aの踏力により内部の液体が高
圧化されて通路4に伝達されるようになっている。そし
て、フェールセーフのためマスターシリンダ2は2系統
になっていて、プライマリの通路4の他にセカンダリの
通路4aも接続されている。
【0019】さらに、これらの通路4、4aはそれぞれ
2つに分岐されていて、図1における矢印の先には、そ
れぞれの電磁カット弁5とブレーキ制御アクチュエータ
1とホイールシリンダ3が接続されている。したがっ
て、図1には一つの車輪用に設けられたホイールシリン
ダ3と、ブレーキ制御アクチュエータ1と電磁カット弁
5が示されているだけである。上記ブレーキ制御アクチ
ュエータ1には、頭部(図1における左部)に容積変化
手段としての制御シリンダ7と、中部に駆動手段として
の直進駆動部8と、尾部(図1における右部)に推力発
生装置9とが設けられている。
【0020】上記制御シリンダ7の内径部には、密封シ
ール部材としてのシール7bを有する非磁性材料からな
るピストン(可動部分)7aが軸方向に移動自在に設け
られている。また、ピストン7aのシール7bと同じ軸
方向位置の内側後面(図1における右側面)には、軸方
向に着磁された磁石7cが埋め込まれている。この磁石
7cは後述の大径ロッド8dに吸着力F’を作用するよ
うになっている。この吸着力F’はシール7bと制御シ
リンダ7の内径部との間のシール摩擦力F(例えば5k
gf)に対して、F’≦Fに調整されている。具体的に
は、多数作成したサンプルを基に、シール摩擦力の平均
値のばらつきを求め、その最小値をFの値とする。そし
て、磁石7cと軸8c端面における隙間δを増減して上
記調整を行なう。
【0021】上記ピストン7aとヘッドエンド7dとの
間に、容積変化室としてのチャンバ7eが形成されてい
る。このチャンバ7eのヘッドエンド7d寄りにポート
7fが設けられていて、前記通路6を介してホイールシ
リンダ3に接続されている。また、通路6のホイールシ
リンダ3と反対の側には、電磁カット弁5のポート5f
が接続されているとともに、電磁カット弁のポート5e
には前記通路4が接続されている。
【0022】電磁カット弁5には、コイル5aと、この
コイル5aに吸引されて軸方向に移動自在な鉄心付きの
プランジャ5bと、このプランジャ5bを押し戻すため
のばね5cと、プランジャ5bの円錐状先端がコイル励
磁時に着座するバルブシート5dが設けられ、上記ポー
ト5eおよび5fがそれぞれバルブシート5dの通路4
側と通路6側に設けられている。したがって、コイル5
aが非励磁のときは、通路4、6は開放され連通してい
るが、コイル5aが励磁されているときは、通路6は通
路4に対して遮断されるようになっている。
【0023】制御シリンダ7の後方(図1における右
方)には内側に突出した肩部7gが設けられ、またこの
肩部7gに接して、直進駆動部8のハウジング8aが接
続されている。このハウジング8aの内径部には可動ば
ね座8bが軸方向に移動自在に設けられている。この可
動ばね座8bとハウジング8aの後方の端壁との間には
強力ばね8cが配設されいて、可動ばね座8bを常に前
方(図1における左方)へ付勢している。この付勢力
は、ピストン7aの受圧面積にかかる最高ブレーキ圧
力、例えば12Mpaに十分耐えられる値である。な
お、上記可動ばね座8bの前端は、制御シリンダ7後方
の肩部7g後端に位置決めされている。
【0024】上記ピストン7aの後端における磁石7c
に接して、大径ロッド8dが可動ばね座8b前端まで設
けられている。この大径ロッド8dは、少なくとも前端
が磁性材料で形成されている。また、大径ロッド8dの
長さは、ピストン7aが中立状態にある位置と、可動ば
ね座8bが前記制御シリンダ7後部の肩部7gに当接さ
れた位置と間の距離に等しく調整されている。また、上
記大径ロッド8dの後部には、可動ばね座8bの中心穴
を貫通して小径ロッド8eが後方へ延伸されて一体的に
設けられている。
【0025】次に、推力発生装置9には、駆動軸にピニ
オン9bが取り付けられた可逆転モータ9aがベース9
cに固定されて設けられている。このベース9cの中心
には中空円筒部9dが設けられていて、軸受を介して上
記ピニオン9bに噛合するギヤー9eが回転自在に設け
られている。またベース9cおよび可逆転モータ9aは
カバー9fによって保護されている。上記ギヤー9eの
ボス内径部はボールナット9gになっていて、前記小径
ロッド8eの後端から延びるボールねじ9hに螺合され
ている。また、ボールねじ9hがボールナット9gに回
されないように、後端はスプラインナット9kになって
いる。そして、ボールを介して上記中空円筒部9dの内
径部に設けられたスプライン溝9lに係合されている。
【0026】さらに、図1におけるコントローラ10
は、車両の要所々々に取付けられたセンサ群から車両状
態を検出し、各輪のブレーキ制御アクチュエータ1へ指
令を与える装置である。ピストン7aは図1における右
方(後方)に移動してチャンバ7e内の減圧を行うだけ
でなく、左方(前方)にも移動可能である。つまりチャ
ンバ7e内のブレーキ圧力を増圧することもできる。
【0027】先ず、トラクション制御モードにおいて
は、運転者がアクセルペダルを踏み過ぎて車輪が空転す
ると、センサ群が空転の発生をコントローラ10に伝達
する。すると、コントローラ10は電磁カット弁を閉じ
るとともに、可逆転モータ9aに演算された正の電流を
流すから、ギャー9e、ボールねじ9h、小径、大径ロ
ッド8e、8dを介してピストン7aは前方に移動され
る。これにより、チャンバ7e内のブレーキ圧力は増圧
される。
【0028】そして、車両が操縦性を失わない程度まで
車輪の空転が押さえられる。上記の演算は繰り返し行わ
れるので、ピストン7aはその都度移動され、ブレーキ
圧力は常に適宜な値に保たれている。そして、空転が無
くなると、コントローラ10からの指令で可逆転モータ
9aと電磁カット弁5への電流が遮断されるから、通常
のブレーキ作動モードに戻る。なお、上述の増圧作動時
には、大径ロッド8d後端は可動ばね座8bから離れて
前方へ移動するから、強力ばね8cの付勢力の影響は受
けない。
【0029】通常ブレーキ作動モードにおいては、電磁
カット弁5が開放されているから、ドライバによって踏
まれたブレーキペダル2aの踏力に比例したブレーキ圧
力がホイールシリンダ3に伝達され、車輪には通常のブ
レーキ力が作用する。このとき、ピストン7aは大径ロ
ッド8d、可動ばね座8bを介して強力ばね8cの付勢
力に支持されているから中立位置が保たれている。次
に、車輪がスリップを始めるとセンサを介してコントロ
ーラ10が感知する。すると、電磁カット弁5が閉鎖さ
れる。よって、マスターシリンダ2からの圧力がホイー
ルシリンダ3に伝達されなくなってABS制御モードに
なる。
【0030】そして、コントローラ10は、車両が操縦
性を失わない程度の適宜なスリップ率になるような演算
された負の電流値を可逆転モータ9aに流すから、ピス
トン7aは強力ばね8cの付勢力に抗して引き戻されて
後退する。これにより、チャンバー7eの容積が拡大さ
れてブレーキ圧力は減圧される。そして、上記演算され
た電流値に見合ったブレーキ圧力になってピストン7a
は、力が均衡して停止する。
【0031】このとき、当初はチャンバー7e内のブレ
ーキ圧力に押されてピストン7aは大径ロッド8dの後
退に追従して後退する。さらに、ブレーキ圧力が0付近
に小さくなっても、ピストン7aには磁石7cが装着さ
れているので、ピストン7aはシール7bの摩擦力のた
めに停止することなく、磁石7cの吸着力に引かれて大
径ロッド8dに追従して移動できる。このとき、大径ロ
ッド8dの引張力がシール7bの摩擦力を越えると、磁
石7cの吸着力が不足してピストン7aが切り離される
から、ブレーキ圧力が負圧になることはない。また、磁
石7cは軸方向にのみ着磁されているから、シール7b
付近は磁化されない。よって、鉄粉などによりシール7
bが傷つくことがない。
【0032】次に、ブレーキ圧力が減圧された後にスリ
ップが止まると、この時点での路面状態に見合うブレー
キ力に高めるために、コントローラ10は演算された電
流値を可逆転モータ9aに流すから、ピストン7aは前
進してブレーキ圧力が高められる。そして、ブレーキ圧
力が上記電流値に見合った値まで上昇すると、ピストン
7a前後に働く力が均衡してピストン7aはその位置に
停止される。上述のようなブレーキ圧力上昇作動が繰返
されると、ピストン7aは中立位置に達するとともに、
電磁カット弁5がコントローラ10によって開放されて
通常のブレーキ作動モードに切換えられる。
【0033】本実施例は以上のように構成され、ABS
制御モードにおける減圧作用時にスリップを低減させる
ための所望のブレーキ圧力が0付近で、シール7bの摩
擦力がピストン7aの受圧面積に作用するブレーキ圧力
による押圧力を凌駕しても、結合手段である磁石7cを
介して直進駆動部8における大径ロッド8dによりピス
トン7aを引張ることができるから、ブレーキ圧力を必
ず所望の0付近の圧力または0まで下げることができ
る。したがって、極低μ路面でも車輪のスリップが回復
しなかったり、または回復が遅れるという問題が解消さ
れ、信頼性が向上するという効果がある。
【0034】また、磁石7cの結合力(吸着力)F’
は、シール7bの摩擦力Fに対してF’≦Fになるよう
に調整されているので、大径ロッド8dがピストン7a
を強く引張り過ぎた場合には、ピストン7aは大径ロッ
ド8dから切り離されるから、チャンバ7eの圧力、す
なわちブレーキ圧力が負圧になるようなことはない。し
たがって、シール部分からエアーを吸ったり、エアレー
ションを起こしてブレーキ液の圧縮率を増大させるよう
なことが防止され高い応答性が保持されるという効果が
ある。
【0035】次に、図2は第2の実施例を示す。この実
施例は、第1の実施例に比較して、結合手段とこれに関
連するピストンおよび大径ロッド8dが異なるだけであ
る。すなわち、ピストン(可動部分)7a’の内側はシ
リンダ状の内孔部が設けられ、この内孔部に嵌合するプ
ランジャ部が大径ロッド8d’の前端に設けられてい
る。そして、上記プランジャ部とピストン7a’の上記
内孔部との間には結合手段としての密封シール部材状の
摩擦部材7c’が装着されている。なお、上記プランジ
ャ部には、ピストン7a’端面との間の空気が圧縮、膨
脹されて抵抗にならないように通気孔が設けられてい
る。その他の構成は第1の実施例と同様なので、同一作
用・目的の同一部品には同一符号を付することで説明を
省略する。また作用においても、ピストン7aを7a’
に、磁石7cを摩擦部材7c’に、大径ロッド8dを8
d’に置き換えれば、他は第1の実施例と同様となるか
ら説明を省略する。
【0036】なお、摩擦部材7c’の摩擦力はそのシー
ル部材の状態と相手部材の表面状態で決まるから、例え
ば相手部材の表面仕上げを同じにしたうえ、シール材質
を同じにするとか締め代を同じにすると、シール長さが
同等になるように径とシール本数を定めることにより、
容易に所定の摩擦力F’を得ることができる。すなわ
ち、シールの摩擦力は同一断面形であれば一般に接触円
周長さに比例するから、摩擦部材7c’としてピストン
7a’の外径の約1/2の直径のプランジャ部に2本の
シールを対向して設け、その2本のシールの間に液圧を
導く導入路を設ければ液圧、液温などの条件が変化して
も、常にシール7bの摩擦力に対抗した摩擦力を得るこ
とができる。また潤滑状態も同じになるように初期にブ
レーキ液を塗布しておくとよい。そして前実施例と同様
に、シール7bのシール摩擦力の最小値をFとしてF’
の値を求めるようにする。
【0037】この実施例によれば、ABS制御モードに
おける減圧作用時にスリップを低減させるためのブレー
キ圧力が0付近において、シール7bの摩擦力がピスト
ン7a’の受圧面積に作用するブレーキ圧力による押圧
力を凌駕しても、摩擦部材7c’を介して直進駆動部8
における大径ロッド8d’によりピストン7a’を引張
ることができるので、前実施例と同じくブレーキ圧力を
必ず所望の0付近の圧力または0まで下げることができ
る。したがって、極低μ路面でも車輪のスリップが確実
に回復され、信頼性が向上する。
【0038】また、摩擦部材7c’の摩擦力F’がシー
ル7bの摩擦力Fに対してF’≦Fになるように調整さ
れているので、大径ロッド8d’がピストン7a’を強
く引張り過ぎた場合には、ピストン7a’は大径ロッド
8d’から切り離されるから、ブレーキ圧力が負圧にな
るようなこともない。したがって、シール部分からエア
ーを吸ったり、エアレーションを起こしてブレーキ液の
圧縮率を増大させるようなことはなく、応答性が損なわ
れない。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、容積変化手段
における可動部分と駆動手段との間に密封シール部材の
摩擦力を越えない所定の力で結合する結合手段を設ける
ものとしたので、ブレーキ制御圧力が0付近になっても
ピストンを駆動手段で引張って減圧することができるか
ら、信頼性が向上するという効果がある。また、ブレー
キ制御圧力が0付近のときに、駆動手段がピストンを強
く引張りすぎるときには駆動手段が可動部分から切り離
されるから、ブレーキ圧力が負圧になって液中に気泡が
発生することなく、ブレーキ液の圧縮率の増大が防止さ
れて高い応答性が保持されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す軸方向断面説明図
である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す軸方向断面説明図
である。
【図3】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 ブレーキ制御アクチュエータ 2 マスターシリンダ 3 ホイールシリンダ 4、6 通路 5 電磁カット弁(遮断手段) 7 制御シリンダ 7a、7a’ ピストン(可動部分) 7b シール(密封シール部材) 7c 磁石(結合手段) 7c 摩擦部材(結合手段) 7e チャンバ 8 直進駆動部(駆動手段) 8b 可動ばね座 8c 強力ばね 8d、8d’ 大径ロッド 8e 小径ロッド 9 推力発生装置 9a 可逆転モータ 9b ピニオン 9e ギヤー 9g ボールナット 9h ボールねじ 9k スプラインナット 9l スプライン溝 10 コントローラ 51 マスターシリンダ 52 ホイールシリンダ 55 ブレーキ制御アクチュエータ 59 逆止弁 60 電磁カット弁 61 制御シリンダ 62 ピストン 62a シール 63 ボールナット 64 ボールねじ 66 歯車群 67 可逆転モータ 68 電磁ブレーキ 69 コントローラ δ 隙間 F シール摩擦力 F’ 結合力(吸着力または摩擦力)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターシリンダとホイールシリンダと
    の間に介挿され、前記マスターシリンダと前記ホイール
    シリンダの間の連通を遮断する遮断手段と、遮断された
    通路の前記ホイールシリンダ側の容積を変化させる容積
    変化手段とを備えるブレーキ制御アクチュエータにおい
    て、前記容積変化手段を駆動する駆動手段と前記容積変
    化手段の可働部分とを所定の力で結合する結合手段を有
    することを特徴とするブレーキ制御アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記容積変化手段が、制御シリンダと、
    密封シール部材を有し前記制御シリンダ内に移動可能に
    設けられたピストンとで構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載のブレーキ制御アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記結合手段が、前記ピストンに設けら
    れた前記密封シール部材の内側位置に設置された磁石を
    備えてなることを特徴とする請求項2記載のブレーキ制
    御アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記結合手段が、前記ピストンと前記駆
    動手段との間に介挿される密封シール部材状の摩擦部材
    であることを特徴とする請求項2記載のブレーキ制御ア
    クチュエータ。
JP34488493A 1993-12-20 1993-12-20 ブレーキ制御アクチュエータ Withdrawn JPH07172275A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010179210A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Toray Eng Co Ltd ピストンポンプ及びそれを備える塗布装置
JP2012106643A (ja) * 2010-11-17 2012-06-07 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキシステム

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JP2010179210A (ja) * 2009-02-04 2010-08-19 Toray Eng Co Ltd ピストンポンプ及びそれを備える塗布装置
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