JPH0249091Y2 - - Google Patents

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JPH0249091Y2
JPH0249091Y2 JP5365686U JP5365686U JPH0249091Y2 JP H0249091 Y2 JPH0249091 Y2 JP H0249091Y2 JP 5365686 U JP5365686 U JP 5365686U JP 5365686 U JP5365686 U JP 5365686U JP H0249091 Y2 JPH0249091 Y2 JP H0249091Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両等のブレーキ装置に装着される
アンチスキツド装置に用いられる電磁弁装置に関
する。
〔従来技術〕
本出願人は先に、この種の装置として、入口、
出口及び弛め口を設けた本体と、前記入口と出口
との間に配置される遮断弁と、前記出口と弛め口
との間に配置される弛め弁と、前記遮断弁及び弛
め弁の各弁体に当接可能に配置され遮断弁を開弁
し弛め弁を閉弁する位置にばねにより付勢される
プランジヤと、該プランジヤの外周に配設され励
磁されるとプランジヤを遮断弁を閉弁し弛め弁を
開弁する方向に付勢する電磁コイルとを備え、前
記弛め弁は、弁体を前記出口側圧力に対向して弁
ばねにより弁座に着座するように付勢している電
磁弁装置を提案している。
これは、1つのプランジヤの電磁コイルの消励
磁に応じた移動によつて、遮断弁及び弛め弁の両
弁の弁体を移動させることにより、電磁コイルが
励磁されたときには、遮断弁が閉じた後に弛め弁
が開く、また、電磁コイルが消磁されたときに
は、弛め弁が閉じた後に遮断弁が開くというよう
に、プランジヤが移動する際、弛め弁が必らず遮
断弁の開閉に対して先行して閉じるようにし、遮
断弁と弛め弁とが同時に開いて入口側または出口
側の圧力が弛め口から不要に漏れることを防止す
るようにしたものである。
〔本考案が解決しようとする問題点〕
ところが、かかる上述のものにおいては、弛め
弁が、弁体を出口側圧力に対向して弁ばねにより
付勢し弁座に着座させるようになつているため、
プランジヤが電磁コイルの消磁によりばねに付勢
されて弛め弁の弁体から離れ、弛め弁を閉弁させ
るべき位置にあつても、弛め弁が開いて入口側ま
たは出口側の圧力が弛め口から漏れてしまうとい
う問題がある。
すなわち、弁ばねの付勢力によつて弁座に着座
させられる弛め弁の弁体には、弁体を弁座から離
座させる方向に出口側圧力が作用するため、遮断
弁の開弁時出口側と連通する入口側に弁ばねの付
勢力に打ち勝つ圧力が生じ、あるいは遮断弁が開
く前に出口側に弁ばねの付勢力に打ち勝つ圧力が
生ずると、弛め弁の弁体はそうした入口側または
出口側圧力を受けて弁座から離座させられ、弛め
弁が開いて入口側または出口側圧力が弛め口から
漏れてしまうのである。
この問題を解決するにあたり、例えば弁ばねの
付勢力を強くすることが考えられるが、このよう
にすると、プランジヤの移動により弛め弁を開弁
させるために大きな力が必要となるので、弛め弁
を開く際の応答性が悪くなつてしまう。
本考案は、上記問題に鑑みなされたものであつ
て、弛め弁を開くときの応答性を損うことなく、
プランジヤが弛め弁を閉弁させるべき位置にある
ときの弛め弁の開弁を阻止して、入口側または出
口側圧力が不要に漏れるのを確実に防止すること
を目的とする。
〔本考案の手段〕
本考案は、上記目的を達成するために、前記弛
め弁の弁体の前記弁座とは反対側に前記出口側圧
力を受けて当接する可動体を配置したものであ
る。
〔手段の作用〕
弛め弁の弁体を弁座から離座させるように作用
する出口側圧力に対向して、弁体は、弁ばねの付
勢力に、可動体が受ける出口側圧力の高さに応じ
た作用力を加えた押圧力によつて、弁座に押圧さ
れる。つまり、弁体を弁座から離座させる方向に
いかなる高さの出口側圧力が作用しても、可動体
を介してそれと同じ高さの圧力に応じた作用力が
弁体を弁座に着座させる方向に作用して、プラン
ジヤが弛め弁を開弁させる位置にあるときには、
弁体は常にばねの付勢力以上の力を受けて弁座に
着座させられることになり、弛め弁は開くことが
ない。
〔本考案の効果〕
このように、本考案の手段によれば、弁ばねの
付勢力を強くせずとも、プランジヤが弛め弁を閉
弁させるべき位置にあるときに、弛め弁が確実に
閉弁状態に保たれるので、弛め弁の開弁応答性を
損わずに、入口側または出口側圧力が弛め口から
不要に漏れることを確実に防止でき、アンチスキ
ツド制御のために電磁弁装置を介してなされる圧
力制御を、適正に行うことができる。
〔実施例〕
以下、図示した本考案の実施例について説明す
る。図は、本考案の一実施例を含むアンチスキツ
ドブレーキ制御装置を示すものである。
図においてアンチスキツドブレーキ制御装置は
全体として50で示され、タンデムマスタシリン
ダ1より液圧が供給される。タンデムマスタシリ
ンダ1には運転手によつて操作されるブレーキペ
ダル2が連結されており、一方の液圧発生室は、
配管3、電磁弁装置4及び配管5を介して、また
配管3の途中から分岐する配管68、リザーババ
ルブ装置100のバルブ部100A及び配管70
を介して前輪6のホイールシリンダに接続され
る。他方の液圧発生室は配管7及び図示と同様な
装置を介して後輪のホイールシリンダに接続され
ているものとする。
電磁弁装置4は更に配管8を介してリザーババ
ルブ装置100のリザーバ部100Bに接続され
る。また、前輪6のホイールシリンダとリザーバ
バルブ装置100Bを結ぶ配管内には液圧ポンプ
10及び電磁弁12が配設される。液圧ポンプ1
0はモータ11によつて駆動される。
電磁弁装置4は、本体13に上下方向に延びる
段付孔が形成され、その上方孔部に入口室14が
形成され、これは入口20、配管3を介してマス
タシリンダ1に接続される。また、この入口室1
4内には弁球16がばね15により下方に付勢さ
れて配設され、図示の非作動状態では段付孔の段
部としての弁座17から所定の距離l1をおいて離
座している。
段付孔の中央部にはプランジヤ18が上下方向
に摺動自在に嵌合しており、ばね15よりも強い
ばね力のばね19により上方に付勢されて、その
上方軸部18cを小径孔部13aから上方に突出
させている。すなわち、弁球16を弁座17から
離座させている。プランジヤ18の孔と嵌合する
周壁部には複数の溝18a及び上端面には径方向
に溝18bが形成され、この溝18bにより図示
の非作動状態で入口室14を前輪6のホイールシ
リンダが配管6を介して接続される出口21に連
通させている。そして、前述のばね15、弁球1
6及び弁座17により、入口20側と出口21側
との連通を遮断可能な遮断バルブが構成されてい
る。
段付孔の下方孔部には、プランジヤ18の溝1
8aを介して出口21側と連通可能な弛め室23
が形成され、これは弛め口22を介して配管8に
接続される。またこの弛め室23内には弁球25
がばね24により上方に付勢されて配設され、図
示の非作動状態では段付孔の段部としての弁座2
6に着座している。
プランジヤ18の下方軸部18dは小径孔部1
3bにおいて、図示の非作動状態では所定の距離
l2をおいて弁球25と対向している。この距離l2
は上述の所定の距離l1よりは大きい。従つて、プ
ランジヤ18が下方へ移動するときには、先ず上
方の弁球16が弁座17に着座し、然る後に、下
方軸部18dが弁球25を押し下げて弁座26か
ら離脱させるように構成されている。プランジヤ
18の上方軸部18c及び下方軸部18dの長さ
はこれを考慮して設定されている。
弛め室23内に配設されたばね24、弁球25
及び弁座26によつて、出口21側と弛め口22
側とを連通可能にする弛めバルブが構成され、弛
め室23の下方に、通路42、プランジヤ18の
溝18aを介して出口21側と常時連通し、入口
室14と連通可能な圧力室41が形成されてい
る。この圧力室41と弛め室23との間には貫通
孔43が形成され、その貫通孔43に、上端が弁
球25に当接し上下方向に摺動可能なピストン4
4が嵌合している。尚、ピストン44は非磁性材
で成るものである。
圧力室43内に導かれる液圧を受けるピストン
44の下面の面積は、弁球25の弁座26に対す
る着座面積よりもやや大きくなつている。また、
ピストン44の軸方向の長さは、図示の非作動状
態における前述の下方軸部18dと弁球25との
距離l2、上端が弁球25に当接したピストン44
の下面と圧力室41の底面との距離l3、プランジ
ヤ18の下面とばね19の下端が支持される段付
孔中央部の底面との距離l4、これら三者の関係が
l2+l3<l4となるように設定されている。
本体13の周壁部には、磁性材で成るプランジ
ヤ18をばね19のばね力に抗して下方へ吸引可
能な磁力を発生するコイル27が巻装されてお
り、このコイル27の励磁によりプランジヤ18
が、弁球16を弁座17に着座させるとともに弁
球25を弁座26から離座させる位置に移動可能
になつている。そしてまた、プランジヤ18が上
記位置まで移動されたとき、ピストン44の下面
が圧力室41の底面に当接可能になつている。そ
の他28,29,45はシールリングである。
次にリザーババルブ装置100について説明す
る。
リザーババルブ装置100はバルブ部100A
とリザーバ部100Bとから成り、本体51は一
体化されている。その左右に延びる段付孔55の
大径孔部にリザーバピストン53が密封部材54
を装着して摺動自在に嵌合しており、蓋体52と
の間に張設されたばね56により右方に付勢され
ている。リザーバピストン53によつて両側に空
気室57と貯液室58とが画成され、貯液室58
は通孔59を介して配管8に連通している。図示
の状態は貯液量が零である場合を示し、リザーバ
ピストン53は本体51の大径孔部の内端部51
aと当接している。
段付孔55の小径孔部にはバイパスカツトピス
トン60がカツプシール61でシールされて摺動
自在に嵌合しており、その右端部はマスタシリン
ダ圧室66内に突出しており先端軸部60aは弁
室65内に配設された弁球62と当接している。
弁球62は弁ばね63により左方へと付勢され、
通常の図示する状態では弁座69から離座してい
る。バイパスカツトピストン60は弁球62を介
して弁ばね63のばね力で常時、左方に付勢さ
れ、通常の図示する状態ではリザーバピストン5
3と当接している。
マスタシリンダ圧室66とは横方向に連通して
通孔67を形成され、これは配管68及び3を介
してマスタシリンダ1に接続される。通孔67内
には絞り通路67aが形成されている。また弁室
65は通孔64に接続される配管70を介して前
輪6のホイールシリンダに接続される。
以上のようにして、レザーバピストン53及び
ばね56によつてリザーバ部100Bが構成さ
れ、バイパスカツトピストン60、カツプシール
61、弁球62及び弁ばね63によつてバルブ部
100Aが構成される。カツプシール61により
マスタシリンダ側、従つてホイールシリンダ側の
液圧が零になつたときには、もし貯液室58にブ
レーキ液が残存していると、リザーバ部100B
のばね56のばね力による液圧により開弁して配
管70を通つてマスタシリンダ1に戻すように構
成されている。
コントロールユニツト30は入力端子31に供
給される車輪速度検出器の出力に基づいて各種の
演算、判断を行ないブレーキ弛め信号、再込め信
号を発生するのであるが、ブレーキ弛め弁信号発
生時にはコイル27に接続される電路32におけ
る出力S1はハイレベル“1”となる。また再込め
信号発生時には電路33,34における出力S2
びS3はハイレベル“1”となる。
出力S1が“1”でコイル27は励磁され、出力
S2,S3が“1”で電磁弁12のソレノイド12a
が励磁され、モータ11が駆動される。電磁弁1
2はソレノイド12aが励磁されないときにはA
の状態をとり、前輪6のホイールシリンダ側と液
圧ポンプ10側とを遮断しているが、ソレノイド
12aが励磁されるとBの状態をとり、それらを
連通させる。
アンチスキツドブレーキ制御装置50は以上の
ように構成されるが、次にその作動について説明
する。
今、本制御装置50及びマスタシリンダ1を装
備している車両が定速度で走行しているものとす
る。出力信号S1,S2,S3はいづれも0”であり、
装置50の各部分は図示の状態にある。ここで車
両を停止させるべくブレーキペダル2を急速に踏
み込んだものとする。
マスタシリンダ1からの圧液を配管3、電磁弁
装置4の入口室14、出口21及び配管5を通つ
て車輪6のホイールシリンダに供給される。な
お、図示せずとも後輪のホイールシリンダにも配
管7及び図に示す装置50と同様な装置を介して
圧液が供給されるが、以下、図示した前輪6側の
系統についてのみ説明する。なお、他方の前輪は
図示省略したが、配管5に並列に接続されている
ものとする。
電磁弁装置4のコイル27には未だ通電されて
いないので、プランジヤ18、弁球16,25は
それぞれ図示の非作動状態にあり、配管3側と配
管5側とは連通しているが、配管5側と配管8側
とは遮断されている。従つて、マスタシリンダ1
からの圧液は上述したように電磁弁装置4の入口
室14及び出口21を通つて前輪6のホイールシ
リンダに供給される。
このとき、マスタシリンダ1からの液圧がプラ
ンジヤ18の溝18aを介して下方にも供給さ
れ、弁球25を弁座26から離座させるように作
用するが、これと同時に、マスタシリンダ1から
の液圧は通路42を介して圧力室41にも供給さ
れており、上端が弁球25の下側に当接したピス
トン44の下面にも作用する。従つて、弁球25
は、ばね24のばね力に、ピストン44下面の受
圧面積から弁球25の弁座26に対する着座面積
を差し引いた差面積にマスタシリンダ1の液圧を
乗じた作用力を加えた押圧力によつて、弁座26
に向けて押圧されるので、弁球25の上側にマス
タシリンダ1からの液圧が作用しても、弁球25
が弁座26から離座させられることがない。な
お、弛め室23内は無圧であり、ピストン44を
下方に押圧する作用力は生じない。
前輪6のホイールシリンダへの圧液供給と共に
前輪6にブレーキがかかり始める。ホイールシリ
ンダの液圧が上昇し、ある時間に入力端子31か
らの入力に基づいてブレーキの込め過ぎであると
コントロールユニツト30が判断すると、出力S1
は“1”となる。これによりコイル27は励磁さ
れ、プランジヤ18に下方への吸引力が働らい
て、プランジヤ18はばね19のばね力に抗して
下方へと移動する。先ず、上方軸部18cが小径
孔部13aから下方へと引つ込み、弁球16がば
ね15のばね力により弁座17に着座する。これ
により入口室14、すなわちマスタシリンダ1側
と前輪6のホイールシリンダ側とは遮断される。
次いで、下方軸部18dは弁球25に当接し、ば
ね24のばね力とピストン44から作用する前述
の作用力とに抗して弁球25を押し下げる。こう
して、弁球25は弁座26から離座し、前輪6の
ホイールシリンダ側と弛め室23すなわちリザー
バ部100B側とが連通される。そして、プラン
ジヤ18は、弁球25がピストン44を下方に押
し下げてピストン44下面が圧力室41底面に当
接することにより、上方の弁球16を弁座17に
着座させ且つ下方の弁球25を弁座26から離座
させた位置にとどまる。このとき、前述したl4
l2+l3の関係から、プランジヤ18下面と小径孔
部13bが開口する段付孔中央部底面との間に
は、間隙が形成される。
前輪6のホイールシリンダからの圧液は配管8
を介してリザーバ部100Bの貯液室58内に流
入する。これによりリザーバピストン53は左方
に移動して、弁球62は弁ばね63のばね力によ
つて弁座69に着座する。マスタシリンダ圧室6
6と弁室65とは遮断される。
車輪6のホイールシリンダの液圧は低下する。
これと連通する弁室65の液圧も低下し、マスタ
シリンダ1と連通するマスタシリンダ圧室66の
液圧はなおも上昇する。これにより弁球62の両
側に差圧が生ずるが、弁球62の着座面積は充分
に小さく、弁ばね63のばね力は充分に大きく
て、この差圧によつては開弁しない。
ある時間でブレーキが弛め過ぎてあり、再込め
の必要ありとコントロールユニツト30が判断す
ると、出力S1は“0”となり、出力S2,S3
“1”となる。モータ11が回転し電磁弁12の
ソレノイド12aが励磁される。他方、弁装置4
のコイル27は消磁されプランジヤ18はばね1
9のばね力により上方へと移動する。これに追随
して下方の弁球25がばね24のばね力により上
方へ移動して弁座26に着座するとともに、出口
21を介してホイールシリンダ側と連通する圧力
室41内の液圧を受けてピストン44も上方へ移
動し、弁球25、ピストン44は図示の位置に戻
る。こうしてホイールシリンダ側とリザーバ部1
00B側とが遮断され、プランジヤ18の上方軸
部18cは上方の弁球16に当接するが、マスタ
シリンダ1の液圧は上述のブレーキ弛めの開始後
も上昇しており、弁球16の上下には大きな差圧
が発生していて、弁球16は上方軸部18cによ
つて押し上げられることはない。すなわち、マス
タシリンダ1側とホイールシリンダ側とはなおも
遮断の状態である。従つて、コントロールユニツ
ト30の出力S2がブレーキ弛め信号の終了の直後
に“1”とならないようにした場合には、電磁弁
12はAの状態であるので、ホイールシリンダの
液圧を直後に一定に保持することができる。
出力S2,S3が“1”となると共に電磁弁12は
Bの状態となり、液圧ポンプ10によりリザーバ
部100Bの貯液室58からブレーキ液が吸込ま
れ前輪6のホイールシリンダに圧液が供給され
る。ホイールシリンダの液圧は上昇し、ブレーキ
力は増大する。
電磁弁装置4の下方の弁球25の上側には、液
圧ポンプ10により上昇されたホイールシリンダ
の液圧が出口21を介して作用するが、圧力室4
1内にもそれと同圧の液圧が導入され、ピストン
44がその液圧を下面に受けて、ばね24ととも
に弁球25を弁座26に押圧しているので、弁球
25が弁座26に着座したままである。
リザーバピストン53はブレーキ力の増大と共
に右方に移動し、やがて内端壁51aと当接する
に至る。すなわち貯液室58の貯液量が零にな
る。この場合には、バルブ部100Aにおいて弁
球62がバイパスカツトピストン60によつて開
弁されることにより、マスタシリンダ側とホイー
ルシリンダ側とが連通し、追込めが可能となる。
すなわち、マスタシリンダ1からの圧液は配管
3,68及び通孔67を通つてマスタシリンダ圧
室66内に供給され、ここから更に弁室65、配
管70を通つて前輪6のホイールシリンダに供給
され、液圧を更に上昇させる。上述のブレーキ弛
め開始後、マスタシリンダ1の液圧は更に上昇し
ているが、通孔67内の絞り通路67aを通つて
ホイールシリンダ側に供給されるので、急激に車
輪がロツク傾向へと進むことが防止される。
ホイールシリンダの液圧が上昇し、電磁弁装置
4において上方の弁球16(閉じている)の両側
の差圧が小さくなつて、プランジヤ18を上方に
付勢するばね19のばね力の方が大きくなるとプ
ランジヤ18は上方に移動して弁球16を開弁さ
せマスタシリンダ1から電磁弁装置4及び配管5
を通つてもホイールシリンダに圧液が供給可能と
なる。
上述した如く、配管68、バルブ100B及び
配管70を通じて、あるいは上方の弁球16の弁
座17からの離座により電磁弁装置4の入口20
から出口21を経て上昇されたマスタシリンダの
液圧がホイールシリンダに供給される場合にも、
その上昇された液圧が下方の弁球25の上側に作
用するが、いずれにせよ同圧の液圧が圧力室41
に導入されてピストン44の下面に作用し、弁球
25はばね24の付勢力とピストン44による作
用力とによつて弁座26に押圧されるので、弁球
25の着座は保たれる。
コントロールユニツト30が再びブレーキ弛め
指令を発すると、電磁弁装置4は弁球16が閉
で、弁球25の開の状態に切り換わり、リザーバ
バルブ装置100のリザーバ部100Bにホイー
ルシリンダからの圧液が排出され、リザーバピス
トン53は左方に移動して、バルブ部100Aの
弁球62は再び閉じる。これにより配管68と7
0とは遮断され、ホイールシリンダの液圧は低下
する。
こうして上述の作動が繰返されてアンチスキツ
ド制御が行われ、車輪はロツクすることなく適正
にブレーキがかけられ、車両は停止する。ブレー
キペダル2への踏力を解除すると、ホイールシリ
ンダの圧液は配管5、電磁弁装置4及び配管3を
通つてマスタシリンダ1に還流するのであるが、
リザーババルブ装置100において貯液室58に
ブレーキ液が残存している場合には、ばね57の
ばね力による液圧によりカツプシール61を開弁
させて、マスタシリンダ圧室66、通孔67、配
管68,3を通つてマスタシリンダ1に戻され
る。
以上述べたように、図示の制御装置50に用い
られる電磁弁装置4において、出口21と弛め口
22のとの間に配設される弛めバルブを収容する
弛め室23の下側に出口21側と常時連通する圧
力室41を設けるとともに、弛めバルブの弁球2
5の上側に設けた弁座26に向けてばね24によ
り付勢される弁球25に対し、その下側に上端が
当接し圧力室41内の液圧を下面に受けるピスト
ン44を設けたことにより、電磁コイル27が消
磁されプランジヤ18がばね19のばね力によつ
て上方に付勢され弁球25を弁座26に着座させ
る位置にあるときに、弁球25の上側に弁球25
を弁座26から離座させるように液圧が作用して
も、その液圧と同圧の液圧をピストン44が受け
てばね24とともに弁球25を弁座26に押圧す
るので、弁球25が弁座26から離座することが
ない。従つて、ブレーキ作動初期にマスタシリン
ダ1から入口室14、出口21を経てホイールシ
リンダに供給される液圧、アンチスキツド制御時
に液圧ポンプ10により加圧されてホイールシリ
ンダに供給される液圧、あるいはマスタシリンダ
1からバルブ部100Aを通じてホイールシリン
ダに供給される液圧といつた入口20側または出
口21側の液圧が弁球25の上側に作用しても、
弛めバルブは開かず、そうしたホイールシリンダ
に供給されるべき液圧がリザーバ部100B側に
解放されてしまうことを防止できる。
また、弁球25を弁座26に向けて付勢する力
は、ばね24のばね力と、ピストン44の受圧面
積と弁球25の弁座26に対する着座面積との面
積差にピストン44が受ける出口21側に供給さ
れている液圧を乗じた作用力との和になるが、ピ
ストン44の受圧面積は上記着座面積よりもやや
大きいだけで両者の面積差は小さいので、出口2
1側の液圧の高さが大きく変化しても、弁球25
を弁座26に付勢する力の変化は小さく、おおむ
ねばね24のばね力となる。従つて、電磁コイル
27の励磁に応じてプランジヤ28は、ほぼばね
19とばね24とのばね力に抗する力で弁球25
を押し下げることになるので、出口21側の液圧
の高さにかかわらず、弁球25を弁座26から離
座させて弛めバルブを開く時期を安定させること
ができる。また、プランジヤ18が上方の遮断バ
ルブを閉じ下方の弛めバルブを開く位置に電磁コ
イル27の励磁によつて下方に移動されたとき、
ピストン44の下端を圧力室41底面に当接させ
て、ピストン44を弁球25、下方軸部18dを
介してプランジヤ18のストツパとして作用さ
せ、プランジヤ18の下面と小径孔部13bが開
口する段付孔中央部底面との間に間隙が形成され
るようにしているので、電磁コイル27が消磁さ
れたとき、プランジヤ18を前記位置に保持して
いる吸引力を早く減少させて、電磁コイル27の
消磁に即応してプランジヤ18をばね19のばね
力によつて上方に移動させることができ、よつ
て、コントロールユニツト30から出力されるブ
レーキ弛め信号の消滅に対する弛めバルブの閉弁
遅れを少なくすることができる。
以上説明した図示の制御装置50においては、
リザーバに排出されたブレーキ液を加圧するポン
プとしてモータ11によつて駆動される液圧ポン
プ10を用いているが、これに代えて、コントロ
ーラのブレーキ再込め信号に応じてコイルを連続
的に励消磁してプランジヤを駆動する電磁ポンプ
を用いた制御装置にも、本考案は適用することが
できる。この場合には、ポンプとホイールシリン
ダとの間の電磁弁12は必要なく、リザーバと電
磁ポンプ、電磁ポンプとホイールシリンダとの間
に各々リザーバ側からホイールシリンダ側へ向け
てのみ液移動を許容するチエツクバルブを設けれ
ばよい。また、図示の制御装置は、マスタシリン
ダ1からホイールシリンダに供給されている圧液
をブレーキ弛め時にリザーバに排出し、ブレーキ
再込め時にリザーバ側からポンプによつて加圧し
た圧液をホイールシリンダに供給する、いわゆる
液循環型のものであるが、本考案は、ホイールシ
リンダと常時連通し、マスタシリンダ側とは遮断
可能な容積室の容積を増減させる、いわゆる容積
可変型のアンチスキツド制御装置にも適用可能で
ある。この場合には、容積室の容積をその移動に
より増減させるピストンの他側に画成される制御
室に電磁弁装置4の出口(実施例の通孔21に対
応する)が接続される。容積可変型のアンチスキ
ツド制御装置としては例えば、本出願人が先に提
案した装置(特願昭59−281277号)が挙げられ
る。
【図面の簡単な説明】
図は、本考案による電磁弁装置を用いたアンチ
スキツド制御装置の一例を示すものである。 4……電磁弁装置、18……プランジヤ、19
……ばね、20……入口、21……出口、22…
…弛め口、24……ばね、25……弁球、26…
…弁座、44……ピストン。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 入口、出口及び弛め口を設けた本体と、前記入
    口と出口との間に配置される遮断弁と、前記出口
    と弛め口との間に配置される弛め弁と、前記遮断
    弁及び弛め弁の各弁体に当接可能に配置され遮断
    弁を開弁し弛め弁を閉弁する位置にばねにより付
    勢されるプランジヤと、該プランジヤの外周に配
    設され励磁されるとプランジヤを遮断弁を閉弁し
    弛め弁を開弁する方向に付勢する電磁コイルとを
    備え、前記弛め弁は、弁体を前記出口側圧力に対
    向して弁ばねにより弁座に着座するように付勢し
    ているアンチスキツド用電磁弁装置において、前
    記弛め弁の弁体の前記弁座とは反対側に前記出口
    側圧力を受けて当接する可動体を配置したアンチ
    スキツド用電磁弁装置。
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