JPH0740820A - 液圧制御アクチュエータ - Google Patents

液圧制御アクチュエータ

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Publication number
JPH0740820A
JPH0740820A JP5207276A JP20727693A JPH0740820A JP H0740820 A JPH0740820 A JP H0740820A JP 5207276 A JP5207276 A JP 5207276A JP 20727693 A JP20727693 A JP 20727693A JP H0740820 A JPH0740820 A JP H0740820A
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JP
Japan
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spring
cylinder
control
force
control piston
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5207276A
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English (en)
Inventor
Takayuki Watanabe
隆行 渡辺
Masahiro Tsukamoto
雅裕 塚本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH0740820A publication Critical patent/JPH0740820A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のABS制御及びトラクション制御が可
能な小型で制御性のよい液圧制御アクチュエータを提供
する。 【構成】 マスターシリンダ2とホイールシリンダ3を
結ぶ液圧配管4に介入された電気操作カット弁5と、ホ
イールシリンダ3側の液圧配管4bに接続された制御シ
リンダ7と、シリンダ室7aを拡大・縮小する制御ピス
トン7cのピストンロッド7fと、大径ピストンロッド
7f端に当接してスプリングハウジング8に案内され、
かつスプリング8aによりシリンダ室7c方向に付勢さ
れ、さらに同方向に磁石10により吸引される磁性体の
スプリングシート8bと制御ピストン7cを駆動する推
力発生装置9とを備える。制御ピストンの力に対抗する
スプリングシートが、スプリングだけでなく磁石の力も
加わって押圧されるため、スプリングが小型化され、装
置が小型軽量化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マニュアル加圧シリン
ダで加圧される作業シリンダの液圧を、必要に応じて随
時電気的入力により制御する液圧制御アクチュエータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の液圧制御アクチュエータと
しては、例えば図5に示されているようなものが知られ
ている。図5は液圧制御アクチュエータ51が自動車の
ブレーキ制御システムに適用された一例である。マスタ
ーシリンダ(マニュアル加圧シリンダ)2とホイールシ
リンダ(作業シリンダ)3との間に接続された液圧配管
4にソレノイドコイル5aにより電気的に開閉されるカ
ット弁5が介入されている。これにより、液圧配管4は
マスターシリンダ2側の液圧配管4aと、ホイールシリ
ンダ3側の液圧配管4bに分割されている。そして、こ
の液圧配管4bには液圧制御アクチュエータ本体56の
構成要素である制御シリンダ7のシリンダ室7aがポー
ト7bのところで接続されている。なお、液圧制御アク
チュエータ51は上記カット弁5と液圧制御アクチュエ
ータ本体56とから構成されている。
【0003】上記マスターシリンダ2は、ブレーキペダ
ル2aの踏力により内部の液圧が高圧化されて液圧配管
4aに伝達されるようになっている。そして、フェイル
セイフのためマスターシリンダ2は2系統になってい
て、セカンダリの液圧配管4aのほかにプライマリの液
圧配管4cも接続されている。さらに、これらの液圧配
管4a,4cはそれぞれ2つに分岐されていて、図5に
おける矢印の先には、それぞれの液圧制御アクチュエー
タ51とホイールシリンダ3が接続されている。従っ
て、図5には一つの車輪用に設けられたホイールシリン
ダ3を制御する一つの液圧制御アクチュエータ51が示
されているだけである。
【0004】上記液圧制御アクチュエータ本体56に
は、制御シリンダ7と、スプリングハウジング58と、
推力発生装置9とが設けられている。制御シリンダ7に
は、制御ピストン7cが軸方向に摺動自在に設けられて
いる。このピストン7cの図5における左側には、前記
シリンダ室7aが設けられているが、右側には大径ピス
トンロッド7fが設けられていて、制御シリンダ7のロ
ッドエンド部内孔に軸方向に摺動自在に案内されてい
る。そして、上記大径ピストンロッド7fの先には、小
径ピストンロッド7gが上記スプリングハウジング58
内に突出して設けられている。
【0005】スプリングハウジング58はシリンダ状の
形状をしており、このスプリングハウジング58の内径
部を軸方向に摺動自在に、かつ上記大径ピストンロッド
7fの端面に接して、スプリングシート58bが設けら
れている。さらに、スプリングハウジング58の図5に
おける右端部に設けられた隔壁58cとの間にスプリン
グ58aが設けられていて、スプリングシート58bを
プリロードをかけて常に上記制御シリンダ7方向に付勢
している。
【0006】なお、図5はスプリング58aの付勢力に
よりスプリングシート58bが制御シリンダ7のロッド
エンド部に押付けられて最左端位置にあり、このスプリ
ングシート58bに当接された大径ピストンロッド7f
および制御ピストン7cが中立位置にある状態を示して
いる。また、中立位置におけるスプリング58aのプリ
ロードにおける付勢力がスプリングシート58bを左方
へ押圧している力は、マスターシリンダ2が出し得る最
大圧力、例えば12MPa(120kg/cm2 )が制
御ピストン7cを右方へ押す力に等しいかそれ以上にな
るように設定されている。
【0007】上記推力発生装置9には、電気モータ9b
と、外周にギヤーが設けられたボールねじナット9e
と、このボールねじナット9eに螺合されて軸方向に移
動自在のボールねじ軸9fが設けられている。そして、
このボールねじ軸9fは前記小径ピストンロッド7gの
先端に延長されて設けられているので、上記電気モータ
9bに適宜な方向の適宜な値の電流を流してやれば、制
御ピストン7cは所望の方向、所望の推力で押されるよ
うになっている。また、制御回路12は、例えばマスタ
ーシリンダ2の圧力を検出する圧力センサ13などのセ
ンサ群から車両状態を検出し、各車輪の液圧制御アクチ
ュエータ51内のソレノイドコイル5aおよび電気モー
タ9bへ指令値を計算して与えるようになっている。
【0008】上記従来例は以上のように構成され、まず
カット弁5が開の状態でブレーキペダル2aが踏まれる
と、マスターシリンダ2で発生した液圧が液圧配管4
a,4bを介してホイールシリンダ3に伝達されるか
ら、車輪に制動力が作用する。このとき、スプリング5
8aのプリロードは前述のように強力に設定されている
ので、制御ピストン7cは中立状態のまま動かない。と
ころが、このとき車輪が例えば凍結した路面に載ってス
リップを起こすと、ブレーキペダル2aの踏力はそのま
まで、瞬間的にホイールシリンダ3にかかっている液圧
が低下するように制御される。そしてまた、スリップが
止れば速やかにブレーキ圧が高くなるように制御され
る。つまり、いわゆるABS(アンチスキッドブレーキ
システム)制御が行われる。
【0009】それには、先ず制御回路12が車両状態を
検出するセンサ群によりスリップを感知すると、ソレノ
イドコイル5aに指令してカット弁5を閉鎖させると共
に、電気モータ9bに計算された所要電流が送られる。
すると推力発生装置9がスプリング58aの付勢力に抗
して制御ピストン7cを適宜な位置まで引張るから、シ
リンダ室7aの容積が拡大されてブレーキ圧が低下す
る。次の瞬間、前記センサ群がスリップが止ったことを
感知すると、制御回路12は電気モータ9bに上記とは
逆方向の計算された所要電流を送るよう指令するから、
制御ピストン7cは適宜な位置まで押されることによ
り、シリンダ室7aの容積が縮小されてブレーキ圧が上
昇する。
【0010】この液圧制御アクチュエータ51は、AB
S制御だけでなく、そのままトラクション制御にも利用
される。例えば、加速中に車輪が凍結路面に載ったり、
急加速しようとしてアクセルペダルを踏んだりしたとき
に起こる車輪の空転を防止するために、ブレーキペダル
2aの踏力に関係なく、例えばブレーキペダル2aを踏
んでいなくても、ブレーキ圧が上るように制御される。
先ず、制御回路12が前記センサ群から車輪の空転を感
知すると、ソレノイドコイル5aに指令してカット弁5
が閉鎖させると共に、電気モータ9bに計算された所要
電流が送られると、推力発生装置9により制御ピストン
7cが押されてシリンダ室7aの容積が縮小されるか
ら、ホイールシリンダ3内のブレーキ圧が増大される。
これにより、車輪の空転を防止することができる。但し
この場合は、制御ピストン7cは中立位置から図5にお
ける左方へ移動するので、スプリングシート58bは制
御シリンダ7のロッドエンドに当接されたまま移動しな
いから、スプリング58aの付勢力は関係しない。
【0011】上述のABS、トラクション制御中のホイ
ールシリンダ3のより発生されるホイールシリンダ圧力
(W/C圧力)と、制御ピストン7cの駆動手段である
電気モータ9bの電流値との関係は図6に示されてい
る。まず、減圧制御時には、電流を増加しても推力発生
装置による推力とシリンダ室7a内に封じ込められてい
るマスターシリンダ圧力(M/C圧力)による押圧力と
の合力がスプリング58aの力に打ち勝つまでは制御ピ
ストン7cは動かない。そして、この合力がスプリング
58aの力を越えるところまで電流が増加すると、制御
ピストン7cがスプリング58aを押し縮めて減圧され
る。
【0012】次に、増圧制御時には、制御ピストン7c
に働く推力発生装置9による推力がシリンダ室7aの封
入圧による押圧力を越えるところまで、電流が増加しな
いと制御ピストン7cは動かない。そして、電流を増加
して上記推力が上記封入圧による押圧力を越えると、制
御ピストン7cが移動して増圧される。この結果、図6
に示されるような特性で、所望の圧力に対応した電流値
が電気モータ9bに指令されて、ブレーキ圧が制御され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記スプリ
ング58aは、中立状態における制御ピストン7cにマ
スターシリンダ2が出す最大圧力がかかっても、縮まな
いようにプリロードが設置されなければならない。この
場合1本の大きなスプリングを使用するか、あるいはそ
れより小さなスプリングを複数個使用しなければなら
ず、いずれにしてもスプリング58a、スプリングシー
ト58b、スプリングハウジング58などが大型化し、
装置が大きくなるという問題がある。
【0014】また、減圧制御のときは、スプリング58
aの付勢力に対抗して制御ピストンを移動させるが、上
記付勢力はスプリングシート58bの変位量に比例して
増加し、その増加率はばね定数に比例する。図6に示し
たように、或るホイールシリンダ3のW/C圧力まで減
圧を行なうとき、初期の封入圧が高いと、変位量が大き
くなるのでスプリング58aの付勢力が増加し、初期の
封入圧が小さいときに比べてより大きな推力が必要にな
ってくる。これでは同じ電流指令を与えても、初期封入
圧の違いでW/C圧力が変化してしまい制御性が悪くな
るという問題がある。なお、上記制御性を改善しようと
して、ばね定数の小さいスプリング58aを設計する
と、スプリング長が増大するから、やはり装置の大型化
の問題が出て来る。したがって、本発明は、上記従来の
問題点に鑑み、装置を大型化することなく、かつ制御性
が良好な液圧制御アクチュエータを提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、マニュアル加圧シリンダで加圧される
作業シリンダの液圧を随時電気的入力により制御する液
圧制御アクチュエータであって、マニュアル加圧シリン
ダと作業シリンダとを接続する液圧配管に介入された電
気的に操作されるカット弁と、作業シリンダと液圧配管
で接続された制御シリンダと、この制御シリンダのシリ
ンダ室を拡大・縮小する制御ピストンと、プリロードの
かかったスプリングと、このスプリングで付勢されると
ともに制御ピストンが所定の中立位置より前記のシリン
ダ室を拡大する方向に移動する場合は制御ピストンとと
もに移動してスプリングを押し縮め、制御ピストンが中
立位置よりシリンダ室を縮小する方向に移動する場合は
移動不能に位置規制された磁性体からなるスプリングシ
ートと、制御ピストンを移動させるために電気的入力に
応じて引張・圧縮双方の力を発するように設けられた推
力発生装置と、さらに磁力によってスプリングシートを
スプリングの付勢力と同方向に引張る磁石と、この磁石
とスプリングシートとが磁力により接するのを防ぐよう
に位置された非磁性体からなるスペーサとを備えてなる
ものとした。
【0016】
【作用】カット弁が開放された状態で、液圧配管内の液
体がマニュアル加圧シリンダにより加圧されると作業シ
リンダが作動する。このとき、制御シリンダ内のシリン
ダ室も加圧されるが、制御ピストンはスプリングシート
を介してスプリングのロードによる付勢力と、スペーサ
によって適宜に調整された磁石の吸引力との総合力によ
ってシリンダ室側に押圧されているから、制御ピストン
は中立位置を維持している。上記総合力は、マニュアル
加圧シリンダの出す最大加圧力が制御ピストンに作用し
ても対抗できる程大きな力であるが、磁石とスプリング
により力を分担しているので、スプリングは小型になり
装置が小型化される。
【0017】作業シリンダが液圧配管を介してマニュア
ル加圧シリンダにより加圧されているときに、作業シリ
ンダの液圧を減圧する必要性が生じたときは、制御回路
により、カット弁が電気的に閉鎖されると共に、推力発
生装置が電気的に適宜な力で制御ピストンを引くように
指令されるから、シリンダ室が拡大されて作業シリンダ
の液圧は所望の圧力に減圧される。そして、スプリング
はスプリングシートの変位量により圧縮されて付勢力を
増加する。また、磁力によるスプリングシートの吸引力
は減少する。
【0018】この時の制御ピストンの変位量は、同じ所
望の圧力に減圧する場合でも、始めにマニュアル加圧シ
リンダにより加圧されていた加圧力の大小により異な
る。したがって、推力発生装置に対する電流指令値が変
わってくる。つまり、制御性が悪くなる原因となる。と
ころが、制御ピストンに対してシリンダ室の液圧に対抗
する力は、スプリングシートの変位量に伴なって付勢力
を増加するスプリング力と、逆に吸引力を減少する磁石
の磁力とによっているので、これらの総合力は上記変位
量にともなう変化が少なく、従来のスプリングだけの場
合に比べて制御性を向上することができる。なお、増圧
制御をするために制御ピストンを中立位置からシリンダ
室を縮小する方向に移動させることもできるが、スプリ
ングや磁石の機能には無関係である。
【0019】
【実施例】図1は、自動車のブレーキ制御システムに適
用された本発明の実施例を示す軸方向断面説明図であ
る。マスターシリンダ(マニュアル加圧シリンダ)2と
ホイールシリンダ(作業シリンダ)3との間に接続され
た液圧配管4に、電気的に操作されるカット弁5が介入
されているから、液圧配管4はマスターシリンダ2側の
液圧配管4aとホイールシリンダ3側の液圧配管4bに
分割されている。そして、この液圧配管4bには、液圧
制御アクチュエータ本体6の構成要素である制御シリン
ダ7のシリンダ室7aが、ポート7bのところで接続さ
れている。なお、液圧制御アクチュエータ1は、上記カ
ット弁5と液圧制御アクチュエータ本体6とから構成さ
れている。
【0020】上記マスターシリンダ2は、公知のように
ブレーキペダル2aの踏力がブースタ2bによって増幅
され、さらにピストンに伝達され、このピストン力でマ
スターシリンダ本体2c内の液体が高圧化されて、液圧
配管4aに伝達されるようになっている。そして、フェ
イルセイフのために2系統、例えば、1系統が前2輪、
他系統が後2輪に対応させたプライマリとセカンダリが
設けられている。したがって、マスターシリンダ本体2
cからは、液圧配管4aだけでなく、4cも出ており、
そしてそれぞれの車輪に設けられたホイールシリンダに
接続されるために、矢印で示されているように、さらに
2つに分岐されている。すなわち、図1はセカンダリ側
の1輪についてのみを詳細に示したものであるから、実
際には液圧制御アクチュエータ1は各車輪用に4個設け
られている。
【0021】上記カット弁5には、ソレノイドコイル5
aが設けられていて、電気的に励磁されることにより、
リターンスプリング5cによって開方向に付勢されてい
るプランジャ5bをバルブシート5d方向に閉ざすよう
になっている。そして、ポート5cはバルブシート5d
のプランジャ側の室に通じていると共に液圧配管4aに
接続されており、ポート5fはバルブシート5dの反プ
ランジャ側に通じていると共に液圧配管4bに接続され
ている。上記液圧制御アクチュエータ本体6には、制御
シリンダ7と、スプリングハウジング8と、推力発生装
置9とが設けられている。
【0022】制御シリンダ7には、シール7dを有する
制御ピストン7cが軸方向に摺動自在に設けられてい
る。この制御ピストン7cに区切られた制御シリンダ7
のヘッド部にはシリンダ室7aが形成され、このシリン
ダ室7aのヘッドエンド部に設けられたポート7bは、
前記液圧配管4bに接続されている。一方、制御ピスト
ン7cには、シリンダ室7aに接する反対面に大径ピス
トンロッド7fが設けられていて、制御シリンダ7のロ
ッドエンド壁内孔に軸方向に摺動自在に案内されてい
る。そして、上記大径ピストンロッド7fの先には、小
径ピストンロッド7gが上記スプリングハウジング8内
に突出して設けられている。
【0023】スプリングハウジング8はシリンダ状の形
状をしており、上記制御シリンダ7のロッドエンドに接
する部分の内径は一段と大きくなっていて、リング状の
磁石10とリング状の非磁性体からなるスペーサ11と
が、制御シリンダ7のロッドエンドに挾持されて設けら
れている。そして、上記スペーサ11に接して、磁性体
からなるスプリングシート8bが、スプリングハウジン
グ8内を軸方向に摺動自在に設けられている。さらに、
スプリングハウジング8の半制御シリンダ7方向に設け
られた隔壁8cとの間に、スプリング8aが設けられて
いて、スプリングシート8bをプリロードをかけて常に
上記制御シリンダ7方向に付勢している。
【0024】なお、図1は、スプリング8aの付勢力に
よりスプリングシート8bがスペーサ11に押付けられ
て最左端位置にあり、このスプリングシートに当接され
た大径ピストンロッド7fおよび制御ピストン7cが、
中立位置にある状態を示している。また、中立位置にお
けるスプリング8aによるプリロードと、磁石10によ
る吸引力との合力が、スプリングシート8bを図1にお
ける左方へ付勢している力は、マスターシリンダ2が出
す最大圧力、例えば12Mpaが制御ピストン7cを右
方へ押す力に等しいか、それ以上になるように設定され
ている。
【0025】上記推力発生装置9のハウジング9aの、
図1における右端には電気モータ9bが設けられてい
る。この電気モータ9bは一般に電流に比例したトルク
を発生すると共に、電流の方向によってトルクの方向も
変化するという特性がある。上記電気モータの駆動軸に
はピニオン9cが結合されており、このピニオン9cに
は、上記ハウジング9aとスプリングハウジング8に回
転自在に軸支されたギヤー9dが噛合されている。そし
て、このギヤー9dのボス部内孔にはボールねじナット
9eが設けられていて、前記小径ピストンロッド7gの
延長上に設けられたボールねじ軸9fに螺合されてい
る。このボールねじ軸9fの図1における右端には、ス
プラインナット9gが同軸に設けられていて、上記ハウ
ジングボス部内孔に設けられたスプラインチューブ9h
とボールを介して噛合されている。従って、ボールねじ
軸9fは左右方向に移動は許されるが、ボールナット9
eと共に回転することは防止されている。
【0026】ホイールシリンダ3は、液圧を受けてホイ
ールディスク3aを制動するようになっている。また、
制御回路12は、例えばマスターシリンダ2の圧力を検
出する圧力センサ13などのセンサ群から車両状態を検
出し、各車輪の液圧制御アクチュエータ1内のソレノイ
ドコイル5aおよび電気モータ9bへ、指令値を計算し
て与えるようになっている。
【0027】本実施例は以上のように構成され、まずカ
ット弁5が開の状態でブレーキペダル2aが踏まれる
と、マスターシリンダ2で発生した液圧が液圧配管4
a,4bを介してホイールシリンダ3に伝達されるか
ら、ホイールディスク3aが圧迫されて車輪に制動力が
働く。ところでこのとき車輪が、例えば凍結した路面に
載ってスリップを起こすと、車両は操縦性を失ってスピ
ンを起こす恐れが出て来る。そこで、ブレーキペダル2
aの踏力はそのままで、瞬間的かつ自動的にホイールシ
リンダ3にかかる液圧、すなわちブレーキ圧を下げるよ
うに制御し、またスリップが止まれば速やかに元のブレ
ーキ圧に戻してやる必要性がでてくる。この実施例によ
れば、上記いわゆるABS(アンチスキッド・ブレーキ
・システム)制御を行って、操縦性を保ちながら最大の
ブレーキ効果を上げる制御を行うことができる。
【0028】それには、先ず制御回路12が車両状態を
検出するセンサ群からの情報でスリップを起こしたと判
断すると、ソレノイドコイル5aに指令してカット弁5
を閉鎖させると共に、電気モータ9bに計算された所要
電流が送られる。例えば、電気モータ9bがピニオン9
c側から見て時計方向にトルクを発生すると、図1にお
いては、ボールねじ軸9fには右方向の推力が発生する
から、制御ピストン7cは右方に動いてシリンダ室7a
の容積を拡大するので、液圧配管4b、ホイールシリン
ダ3内のブレーキ圧は減圧される。そして、制御ピスト
ン7cの位置は、減圧されたブレーキ圧による右方への
押圧力とボールねじ軸9fを右方へ引張る引張力との合
力が、圧縮されたスプリング8aがスプリングシート8
bを左方へ付勢する力と磁石10が中立位置より離れた
スプリングシート8bを吸引する力との合力に釣合った
ところで落ち着くように位置される。
【0029】上記の力関係を図2,図3,図4に基づい
て説明すると、図2において、スプリング8aによる力
F1は、通常時、すなわち中立時のスプリングシート8
bの位置を0として横軸に変位量Xをとると、力F1
は、変位量X=0のときはプリロード分のみの力を発生
し、変位量Xの増加に比例して増加する。一方、磁石1
0による力F2は、図3に示したように、変位量Xの2
乗に比例する。図中Aはスペーサ11により設けられた
磁石10とスプリングシート8bとの距離であり、この
距離を調整することで変位量X=0のときの力F2およ
び変位量Xに対する力F2の減少率を適宜に設定するこ
とができる。
【0030】上記から、スプリングシート8bに加わる
力F3は、F1とF2の合力であるから、図4に示され
たような特性となる。この図では変位量X=0のときの
力の分担を50:50としているが、この比率は適宜に
変更可能である。また、従来のスプリングのみの場合と
して、力F1のスプリングと同じばね定数のスプリング
1本を使ったときの特性を、F4として図4に表示し
た。力F4は変位量Xに比例して増加するのに対して、
本実施例による力F3は緩やかな増加を示す。理想的に
は変位量にかかわらず一定の力が加わって欲しいが、従
来に比べてより理想的に近い特性とすることができる。
【0031】上記図4において述べた特性を得るため
の、具体的なスプリング8aおよび磁石10の大きさを
検討する。前述したように、制御ピストン7cが中立位
置にあるとき、すなわち図4における変位量X=0にお
ける力F3又はF4は、マスターシリンダ2が出し得る
最高ブレーキ圧力、例えば12Mpaが制御ピストン7
cにかかる力に等しいか、それ以上の力が必要である。
この力は、制御ピストンの受圧面積を1cm2 ,最高ブ
レーキ圧力を12Mpaとすると、初期荷重Fpは次の
ようになる。 Fp=12(Mpa)×1(cm2 )=1200(N)
【0032】もし、スプリングだけで上記1200Nの
力を支えようとすると、スペースを考慮すれば1本のス
プリングよりも下記のように内外2本のスプリングで設
計するのが妥当である。
【表1】 以上により、合計ばね定数は61.66N/mmとな
る。
【0033】次に磁石10を併用して上記1200Nの
力を支えようとすると、先ず磁石10には残留磁束密度
10KG程の希土類磁石(厚さ10mm)を用い、とり
あえずスペーサ11無しで磁石の吸引力を計算すると、
270Nとなる。これは、上記の内スプリングの分担荷
重をカバーできる値であり、磁石10を併用すればスプ
リングは上記の外スプリングと同じ特性を持つスプリン
グ8a1本で済む。この場合、ばね定数は50.04N
/mmであるから、内外2本のスプリングを使用する場
合のばね定数61.66N/mmに比較して、約20%
削減できる。
【0034】以上のように本実施例によれば、磁石10
およびスペーサ11を併用することにより、スプリング
8aのばね定数を小さくすることができることと、図4
にも示されているように、中立位置からの変位量Xの変
化に対して大径ピストンロッド7fを押す総合力F3の
力の変化を少なくすることができるから、制御性が向上
するという効果がある。また、内スプリングが不要にな
れば、小径ピストンロッド7gとの干渉を気にする必要
がないので、装置の小型化・軽量化ができるという効果
もある。
【0035】なお、図1に示した液圧制御アクチュエー
タ1は、制御回路12によってはABS制御だけでな
く、そのままトラクション制御も行えるものである。こ
のトラクション制御とは、加速中に車輪が凍結路面に載
ったり、急加速しようとしてアクセルペダルを踏込んだ
りしたときに起きる車輪の空転を防止するために、自動
的にホイールシリンダ3の液圧を制御することである。
先ず、制御回路12が車両状態を検出するセンサ群から
車輪の空転を感知すると、ソレノイドコイル5aに指令
してカット弁5を閉鎖させると共に、電気モータ9bに
計算された所要電流(減圧制御とは逆方向)を送ると、
ボールねじ軸9fには図1における左方向の推力が発生
するから、制御ピストン7cは左方に動いてシリンダ室
7aの容積を縮小するので、ホイールシリンダ3内のブ
レーキ圧が増圧される。すなわち、マスターシリンダ2
の液圧に関係なくホイールシリンダ3に圧力がかかって
車輪がブレーキされるから、空転を適宜に防止すること
ができる。但し、このトラクション制御のときは、大径
ピストンロッド7fは左行してスプリングシート8bか
ら離れてしまうので、スプリングシート8bは移動され
ずに変位量は0のままである。したがって、磁石10、
スペーサ11、スプリング8aの特性には関係ない。な
お、実施例は自動車のブレーキ制御システムに適用した
ものを示したが、これに限定されず、種々のシステムに
用い、また適宜な変更を行って他の態様でも実施するこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、マニュ
アル加圧シリンダが出す最高圧力が印加された制御ピス
トンの力に対抗するスプリングシートは、スプリングだ
けでなく磁石の力も加勢して押圧されるため、スプリン
グが小型化されるから、装置が小型軽量化されるという
効果がある。また、スプリングシートにはスプリングの
付勢力と、スペーサにより適宜に調整された磁石の吸引
力とが作用しているので、これら合計の押圧力は、スプ
リング自体のばね定数が軽減できるだけでなく、磁石の
吸引力のスプリングシートの変位量に対する増減が前記
スプリング力の増減と逆になるので、スプリングシート
の変位量に対する上記合計の押圧力の変化を小さくでき
ることから、制御性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す軸方向断面説明図であ
る。
【図2】スプリングシートの変位量に対するスプリング
の特性を示す線図である。
【図3】スプリングシートの変位量に対する磁石および
スペーサの特性を示す線図である。
【図4】スプリングと磁石による総合特性を示す線図で
ある。
【図5】従来例における軸方向断面説明図である。
【図6】従来例における特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 液圧制御アクチュエータ 2 マスターシリンダ(マニュアル加圧シリン
ダ) 3 ホイールシリンダ(作業シリンダ) 4 液圧配管 5 カット弁 5a ソレノイドコイル 6 液圧制御アクチュエータ本体 7 制御シリンダ 7a シリンダ室 7c 制御ピストン 7f 大径ピストンロッド 7g 小径ピストンロッド 8 スプリングハウジング 8a スプリング 8b スプリングシート 9 推力発生装置 9b 電気モータ 9e ボールねじナット 9f ボールねじ軸 9g スプラインナット 9h スプラインチューブ 10 磁石 11 スペーサ 12 制御回路 13 圧力センサ F1 スプリングの力 F2 磁石の力 F3 総合力 X スプリングシートの変位量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マニュアル加圧シリンダで加圧される作
    業シリンダの液圧を随時電気的入力により制御する液圧
    制御アクチュエータであって、前記マニュアル加圧シリ
    ンダと前記作業シリンダとを接続する液圧配管に介入さ
    れた電気的に操作されるカット弁と、前記作業シリンダ
    と液圧配管で接続された制御シリンダと、該制御シリン
    ダのシリンダ室を拡大・縮小する制御ピストンと、プリ
    ロードのかかったスプリングと、該スプリングで付勢さ
    れるとともに、前記制御ピストンが所定の中立位置より
    前記シリンダ室を拡大する方向に移動する場合は前記制
    御ピストンとともに移動して前記スプリングを押し縮
    め、前記制御ピストンが中立位置より前記シリンダ室を
    収縮する方向に移動する場合は移動不能に位置規制され
    た磁性体からなるスプリングシートと、前記制御ピスト
    ンを移動させるために、電気的入力に応じて引張・圧縮
    双方の力を発生するように設けられた推力発生装置と、
    さらに磁力によって前記スプリングシートを前記スプリ
    ングの付勢方向と同方向に引張る磁石と、該磁石と前記
    スプリングシートとが磁力により接するのを防ぐように
    位置された非磁性体からなるスペーサとを備えてなるこ
    とを特徴とする液圧制御アクチュエータ。
JP5207276A 1993-07-29 1993-07-29 液圧制御アクチュエータ Withdrawn JPH0740820A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6953229B2 (en) 2000-12-28 2005-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydraulic braking system and method with flow control device
US7309112B2 (en) 2000-05-02 2007-12-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Braking system having valve device for delivering pressurized fluid to brake cylinder selectively from at least two pressurizing chambers or only one of them

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309112B2 (en) 2000-05-02 2007-12-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Braking system having valve device for delivering pressurized fluid to brake cylinder selectively from at least two pressurizing chambers or only one of them
DE10120651B4 (de) * 2000-05-02 2011-09-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Bremssystem
US6953229B2 (en) 2000-12-28 2005-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydraulic braking system and method with flow control device

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