JPH07172153A - 自動車の小物入れボックス構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小物類の収納性，整理性の向上と車室内の冷
暖房効果に影響を及ぼすことなくカップの冷却又は保温
を行えるカップホルダ付きの小物入れボックスの提供を
図る。 【構成】 インストルメントパネル１のセンターコンソ
ール部２に設けた小物入れボックス３の底部に空調用空
気が導入されるダクト部４を形成し、小物入れボックス
３の開口部３ａの下縁にダクト部４の開口部４ａを閉塞
して中空のリッド８を装着し、リッド８の下端面にリッ
ド開時にその中空部１０とダクト部４とを連通する空気
流通口１１を設け、リッド８の裏側壁にカップＣを挿入
保持するカップホルダ孔１２を設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車の小物入れボック
ス構造に関し、とりわけ、冷却，保温機能を有するカッ
プホルダ付きの小物入れボックス構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の中には、例えば実開平１−１７
５９１７号公報に示されているように、車室内の空調用
空気の吹出し口にカップホルダ孔を形成した筒状のホル
ダ部を格納，引き出し自在に装着し、ホルダ部を吹出し
口から引き出してカップホルダ孔に飲料容器，カップ等
（以下単にカップと称する）を挿入保持させることによ
り、該カップを吹出し口から吹出される空調用空気で冷
却又は保温できるようにしたものが知られている。

【０００３】また、この他実開昭６２−４６２０８号公
報に示されているように、インストルメントパネルの助
手席側に設けたグローブボックスに、空調用の空気を導
入して、グローブボックス内に収容したカップを空調用
空気で冷却又は保温できるようにしたものも知られてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前者の構造ではホルダ
部に保持したカップで空調用空気の吹出し口を塞ぐよう
になるため、車室内の冷暖房効果が損なわれるおそれが
あり、また、後者の構造にあってはグローブボックス内
にカップを収容するため、グローブボックス内への小物
類の収納性および整理性を損なってしまう恐れがある。

【０００５】そこで、本発明は小物類の収納性、整理性
を損なうことなくカップを保持できて、該カップを冷却
又は保温することができる自動車の小物入れボックス構
造を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】車室内の任意の部位に横
向きに設けた小物入れボックスの底部に、インストルメ
ントパネルの内側に配設したベントダクトに連絡するダ
クト部を形成する一方、小物入れボックスの開口部下縁
に、前記ダクト部の開口部を閉塞して略水平に開保持さ
れる中空のリッドを開閉自在に装着し、該リッドの下端
面にリッド開時にリッドの中空部と前記ダクト部とを連
通する空気流通口を形成すると共に、該リッドの裏側壁
に中空部に貫通してカップを挿入保持するカップホルダ
孔を形成してある。

【０００７】

【作用】小物入れボックスの開口部下縁側で略水平に開
保持されるリッドの裏側壁にカップを保持するカップホ
ルダ孔を設けて、該リッドにカップホルダ機能を付与
し、小物入れボックス内にカップホルダ部材が存在しな
いため、該小物入れボックスへの小物類の出し入れに支
障を来すことはなく、収納性および整理性に些かも影響
を及ぼすことはない。

【０００８】カップ使用時にはリッドを開けば、リッド
の中空部と小物入れボックス底部のダクト部とが、リッ
ド下端面の空気流通口を介して連通し、ダクト部に供給
される空調用空気が、該中空部に流入してリッド裏側壁
のカップホルダ孔より流出するようになるから、該カッ
プホルダ孔にカップを挿入保持することによって、カッ
プを冷却又は保温することができる。

【０００９】しかも、この空調用空気はインストルメン
トパネルのベント吹出口とは別の小物入れボックスの底
部に設けたダクト部から導入され、ベント吹出口からの
空気吹出しを遮ぎることはないので、車室内の冷暖房効
果を損なうことはない。

【００１０】そして、カップ不使用時にリッドを閉じれ
ば、ダクト部とリッドの中空部との連通が遮断されて、
ダクト部の開口部がリッドで閉塞されるから、ベント吹
出口からの吹出し空気量を正常化して、車室内の冷暖房
効果の向上に寄与することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。

【００１２】図１〜３において、１はインストルメント
パネル、２はインストルメントパネル１の中央部分に形
成したセンターコンソール部で、その下側部に後部を開
放した小物入れボックス３を組込んで、該小物入れボッ
クス３を横向きに配設してある。

【００１３】小物入れボックス３は、乗員の身の回り品
等の小物類を収納し得るに十分な容積に形成してあり、
その底部にダクト部４を形成してある。

【００１４】本実施例では、このダクト部４は小物入れ
ボックス３の底部面積と略同一に扁平状に形成してあ
り、前部の接続口４ａにはインストルメントパネル１の
内側に配設した図外のベントダクトから分岐したベント
分岐ダクト５を接続してあり、後部の開口部４ｂは、小
物入れボックス３の開口部３ａと同一面となるように開
口している。

【００１５】また、このダクト部４の開口部４ｂの下縁
には、後述するリッド８を略水平に開保持するための延
設部６を後方に向けて略水平に形成してある。

【００１６】８は小物入れ部３の開口部３ａの下縁に、
ダクト部４の開口部４ｂを閉塞して開閉自在に装着した
中空のリッドで、本実施例にあっては、前記延設部６の
両側縁上に立設したブラケット７に、リッド８の下端部
両側縁に突設した支軸９を係合して開閉自在に装着し、
リッド８を開いて前記延設部６に略水平に開保持される
と、該リッド８の下端面がダクト部４の開口部４ｂにも
臨むようにしてある。

【００１７】そして、このリッド８の下端面に、前述の
ようにリッド８を開いて延設部６に略水平に開保持させ
ると、ダクト部４とリッド８の中空部１０とを連通する
空気流通口１１を形成してある。

【００１８】また、該リッド８の裏側壁には、中空部１
０を貫通してカップＣを挿入保持する２つのカップホル
ダ孔１２を形成してある一方、リッド８の外面壁に、カ
ップホルダ孔１２と対向的にカップＣの底部を受容する
カップ定置部１３を凹設してある。

【００１９】以上の実施例構造によれば、小物入れボッ
クス３の開口部３ａの下縁側で延設部６により略水平に
開保持される中空のリッド８の裏側壁にカップＣを保持
するカップホルダ孔１２を、および外面壁にカップＣの
底部を受容する定置部１３を凹設して、該リッド８自体
にカップホルダ機能を付与してあって、小物入れボック
ス３内にはカップホルダ部材が存在しないため、該小物
入れボックス３への小物類の出し入れに支障を来すこと
はなく、小物類の収納性および整理性に些かも影響を及
ぼすことはない。

【００２０】カップ使用時には、リッド８を開けば該リ
ッド８は延設部６によって略水平に開保持されるから、
カップホルダ孔１２にカップＣを挿入し、カップＣの底
部を定置部１３に受容させることによって、該カップＣ
を確実に保持することができる。

【００２１】このリッド８の開保持状態では、リッド８
の下端面の空気流通口１１がダクト部４の開口部４ｂに
合致するから、ベント分岐ダクト５により図外のベント
ダクトを流通する空調用の空気が分流されてダクト部４
に流入して、更にこの空調用空気が空気流通口１１から
リッド８の中空部１０に流入してカップホルダ孔１２か
ら流出するようになり、従って、この空調用の空気でカ
ップＣを積極的に冷却又は保温することができる。

【００２２】しかも、前述のようにこの空調用の空気は
インストルメントパネル１のベント吹出口１４とは別の
小物入れボックス３の底部に設けたダクト部４から導入
され、ベント吹出口１４からの空気吹出しを遮ぎること
はないので、車室内の冷暖房効果を損なうことはない。

【００２３】カップ不使用時は、前記リッド８を閉じれ
ば該リッド８の下端面の空気流通口１１が、ダクト部４
と非整合の位置にずれて、ダクト部４とリッド８の中空
部１０との連通が遮断されて、ダクト部４の開口部４ｂ
がリッド８の下端部で閉塞されるから、ベント吹出口１
４からの吹出し空気量を正常化して、車室内の冷暖房効
果の向上に寄与することができる。

【００２４】なお、前記実施例で小物入れボックス３を
センターコンソール部２の下側部内に組込むタイプとし
てあるが、小物入れボックス３自体でセンターコンソー
ル部２の下側部を構成するようにしても良い。

【００２５】また、リッド８の略水平な開保持を延設部
６で行うようにしてあるが、この他、ステイ等で開保持
を行うようにしてもよい。

【００２６】更に、本実施例では、インストルメントパ
ネル１のセンターコンソール部２に本発明を適用した場
合を例示したが、インストルメントパネル１の助手席側
に設けられたグローブボックス１５の他、リヤサイド部
の小物入れ部に本発明を適用することもできる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、小物入れ
ボックスの開口部の下縁側で略水平に開保持されるリッ
ドにカップホルダ機能を付与してあって、小物入れボッ
クス内にカップホルダ部材が存在しないため、小物入れ
ボックスへの小物類の出し入れを自由に行えて収納性お
よび整理性に些かも影響を及ぼすことはない。

【００２８】また、カップ使用時はリッドを開いて略水
平に開保持することにより、小物入れボックス底部のダ
クト部と、リッドの中空部とがリッド下端面の空気流通
孔を介して連通し、ダクト部に導入される空調用空気が
該中空部に流入して、リッド裏側壁のカップホルダ孔に
挿入保持したカップを積極的に冷却又は保温することが
できる。

【００２９】しかも、この空調用空気はベントダクトか
ら分流してダクト部に導入されて、ベント吹出し口から
の空気吹出しを遮ぎることはないので、車室内の冷暖房
効果を損なうことはない。

【００３０】更に、カップ不使用時はリッドを閉じるこ
とによって、ダクト部の開口部を閉塞して空気の流出を
停止できるから、ベント吹出口からの吹出し空気量を正
常化して、車室内の冷暖房効果の向上に寄与することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の小物入れボックスを示す分
解斜視図。

【図２】同実施例の全体構造を示す斜視図。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【符号の説明】

１ インストルメントパネル ３ 小物入れボックス ３ａ 小物入れボックスの開口部 ４ ダクト部 ４ｂ ダクト部の開口部 ８ リッド １０ 中空部 １１ 空気流通口 １２ カップホルダ孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室内の任意の部位に横向きに設けた小
   物入れボックスの底部に、インストルメントパネルの内
   側に配設したベントダクトに連絡するダクト部を形成す
   る一方、小物入れボックスの開口部下縁に、前記ダクト
   部の開口部を閉塞して略水平に開保持される中空のリッ
   ドを開閉自在に装着し、該リッドの下端面にリッド開時
   にリッドの中空部と前記ダクト部とを連通する空気流通
   口を形成すると共に、該リッドの裏側壁に中空部に貫通
   してカップを挿入保持するカップホルダ孔を形成したこ
   とを特徴とする自動車の小物入れボックス構造。