JPH0717209B2 - 動力操舵制御装置 - Google Patents

動力操舵制御装置

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JPH0717209B2
JPH0717209B2 JP3287807A JP28780791A JPH0717209B2 JP H0717209 B2 JPH0717209 B2 JP H0717209B2 JP 3287807 A JP3287807 A JP 3287807A JP 28780791 A JP28780791 A JP 28780791A JP H0717209 B2 JPH0717209 B2 JP H0717209B2
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steering
wheel
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清二 駒村
勝博 鈴木
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧式パワーステアリ
ング装置によって前輪とともに後輪をも操舵制御するよ
うにした車両の4輪操舵装置に係り、特に後輪の追従遅
れを改善し、車の走行安定性と操安性を向上させるため
の前後輪操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の小回り性能を良くするた
め、あるいは車線変更、スラローム走行をし易くする観
点から、前輪とともに後輪を操舵する前後輪操舵方式が
採用され、前後輪の操舵にもパワーシリンダを用いるよ
うになっている。しかし、後輪転舵を機械的なリンク手
段等により車速等の条件で制御しているため、リンク手
段本来のもつ誤差等によりどうしても後輪に追従遅れが
生じ、車両の最適運転条件と、実際の運転者の好みにあ
った操作感覚とが必ずしも適合しないという問題があっ
た。
【0003】この点を改良した前後輪操舵装置が特願昭
59−68182号および特願昭59−159944号
に提案されている。前記従来装置では、操舵軸に同期し
て移動する同軸2連のコントロールバルブを使用し、該
コントロールバルブをして、前輪の操舵と同時に後輪の
転舵が行なわれるように前後輪操舵用の各パワーシリン
ダの出力制御を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同軸2連のコ
ントロールバルブを使用したものにおいては、バルブス
プールの摺動抵抗および該バルブスプールを作動させる
ためのギヤその他のシール等の摩擦抵抗からなる前輪操
舵系の摩擦力によってハンドルを操作するに必要な操舵
力と、その操舵による一定出力の範囲が続く場合におい
てハンドルを一定の舵角に保持するのに必要な保舵力と
の間に若干力の差が生じていた。この力の差が大きい、
すなわち操保舵比(=保舵力/操舵力)が小さいと、旋
回など一定の舵角を必要とする走行時において、一定の
操舵出力を得たハンドルが急に軽くなるので、運転者は
切り増し操作をすることになりハンドルが切れ過ぎて危
険である。すなわち目標舵角より大きめに舵角が取ら
れ、車両の向きが目標よりやや大きく変えられる傾向が
ある。そのため、運転者は、常にハンドルの操作力を加
減して舵角を修正し、正しい走行が行なわれるように制
御しなければならず、非常に高度な熟練を要していた。
【0005】この発明の目的は、後輪転舵量を前輪用パ
ワーシリンダの作動油圧によって決定し、後輪の追従遅
れを改善しかつ後輪を正しい転舵量に制御して走行安定
性を確保すると同時に、操保舵比を大きくして操安性の
向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る動力操舵
制御装置は、前輪操舵用および後輪転舵用の各パワーシ
リンダと、操舵軸の回動に同期させてバルブスプールを
作動させ、前記前輪用パワーシリンダへの作動流体供給
方向を切換える前輪用コントロールバルブと、該前輪用
コントロールバルブから前記前輪用パワーシリンダへ圧
油を供給する主供給路が配設され、前記前輪用パワーシ
リンダの圧力流体の一部をパイロット圧力として作動し
後輪を転舵させる後輪用コントロールバルブとを備えた
ものである。
【0007】
【作用】上記発明の構成によると、前輪操舵量に対し望
ましい後輪転舵量まで後輪を前輪操舵とは独立して転舵
させることができ、後輪転舵の追従性を最適に維持して
安定した走行ができる。しかも、制御が前輪転舵とは機
械的に無関係に行われるため、前輪操舵系の摩擦系の摩
擦力等の影響を軽減しハンドルの操保舵比を大きくで
き、一定出力の旋回時に操舵と保舵との違和感がなく、
正確に目標舵角に保持することができ、操安性が向上す
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0009】図1および図2は、本発明の一実施例を示
す動力操舵制御装置1である。この動力操舵制御装置は
前輪2および後輪3の操舵補助力を発生する前輪用パワ
ーシリンダ4および後輪用パワーシリンダ5と、前輪用
パワーシリンダ4への圧油供給量と方向を制御する前輪
用コントロールバルブ6と、前輪用コントロールバルブ
6から前輪用パワーシリンダ4への主供給路8より分岐
した分岐路9に配設され前輪用パワーシリンダ4からの
圧油の一部が導入される第1の固定オリフィス10と、
該第1の固定オリフィス10の下流に配設され該第1の
固定オリフィス10に導入された圧油の圧力を協働作用
により前輪用パワーシリンダ4の圧油の圧力に比例して
減少する差圧を発生させる第2の固定オリフィス12
と、この差圧をパイロット圧力として後輪用パワーシリ
ンダ5への圧油量を制御し後輪3を転舵させる後輪用コ
ントロールバルブ13と、前後輪用コントロールバルブ
6、13を介して前後輪用パワーシリンダ4、5に圧油
を供給する油ポンプ14、15と、後輪用コントロール
バルブ13と油ポンプ15との管路16途中に配設され
後輪用コントロールバルブ13への圧油の供給流量を車
速に応じて制御する流量制御電磁バルブ18と、後輪用
コントロールバルブ13と後輪用パワーシリンダ5との
管路19途中に配設され後輪用パワーシリンダ5への圧
油供給方向を車速に応じて切換える方向切換電磁バルブ
20と、方向切換および流量制御電磁バルブ20、18
を車速に応じて作動させる信号を送るコントローラ21
と、後輪用パワーシリンダ5の後記出力軸34に配設さ
れ後輪3の中立位置を保持するために後輪用パワーシリ
ンダ5の出力に対する反力を生せしめる中立保持反力機
構23とから構成されている。
【0010】なお、26はハンドル、28は操舵軸、2
9は操舵軸28の先端に固定されたピニオン、30、3
2は前後輪パワーシリンダ4、5に挿通されたピスト
ン、33、34は該ピストン4、5の出力軸、35は出
力軸33に形成されピニオン29と噛合するラック、3
6は油タンク、38は車速センサである。
【0011】またピストン30、32の出力軸33、3
4は、夫々前後輪2、3におけるタイロット40、41
に連接されており、前後輪用パワーシリンダ4、5内へ
の圧油の供給によりピストン30、32を摺動させ、前
後輪2、3を夫々操舵又は転舵するようになっている。
【0012】後輪用コントロールバルブ13は、図2に
示すように、管路43を通してバルブスプール45の両
側に第1および第2の固定オリフィス10、12が夫々
配設され、これらの部品間から管路43に導入された圧
油の圧力差により、バルブスプール45を一方向に摺動
させて圧油の供給方向を規定している。例えば、右側の
管路43の圧油の圧力が左側の管路43の圧油の圧力よ
り高いとき、バルブスプール45はスプリング46の弾
性力に抗してA矢示方向に移動し、B矢示方向から流量
制御電磁バルブ18を介して導入された油ポンプ15か
らの圧油が管路48および方向切換電磁バルブ20を介
して後輪用パワーシリンダ5のいずれか一方の圧力室5
aに供給される。また左側の管路43の圧油の圧力が右
側の管路43の圧油の圧力より高いときは、バルブスプ
ール45はスプリング50の弾性力に抗してC矢示方向
に移動し、油ポンプ15からの圧油が管路51および方
向切換電磁バルブ20を介して後輪用パワーシリンダ5
の他方の圧力室5aに供給される。なお圧油の一部は、
D矢示方向から油タンク36に戻される。
【0013】つぎに、上記発明の実施例の作用を説明す
る。
【0014】車両の走行時、ハンドル26を操作して操
舵軸28を回転させると、操舵軸28にギヤ(図示せ
ず)を介して連結された前輪用コントロールバルブ6が
作動し、油ポンプ14から送られる圧油が前輪用コント
ロールバルブ6を通して前輪用パワーシリンダ4に供給
される。前記圧油によって得られる前輪用パワーシリン
ダ4の出力は、該パワーシリンダ4のピストン30に連
結されたタイロッド40を介して前輪2を操舵する。こ
の前輪2の操舵量は、操舵軸28の回転角(舵角)に応
じた前輪用コントロールバルブ6の変位置に基づく前輪
用パワーシリンダ4の出力によって定まる。例えば、ハ
ンドル26を右に切ると、前輪用パワーシリンダ4の右
側の圧力室4aの油圧が上昇し、一方左側の圧力室4a
の油圧が下降して右操舵に対するアシスト力が発生す
る。
【0015】一方、コントローラ21には、操舵時の車
速が車速センサ38から入力され、この車速と前輪操舵
系の操舵時のデータ(舵角、前輪用パワーシリンダ4の
出力など)に基いて後輪転舵量を演算し、かつ車速に応
じて後輪3の転舵方向を定める。例えば、低速時には、
旋回半径を小さくして小回り特性を良くするために、方
向切換電磁バルブ20は、コントローラ21からの指令
信号により後輪3を前輪2の操舵方向とは逆方向に転舵
するように制御される。
【0016】またハンドル26の操作により、前輪用パ
ワーシリンダ4のいずれか一方の圧力室4aの油圧が他
方の圧力室の油圧より上昇すると、その油圧が上昇した
圧力室4a側の第1の固定オリフィス10からの圧油分
流量qは、次のようになる。
【0017】
【数1】
【0018】Cd…流量係数、a…オリフィス面積 Δp…オリフィス前後の差圧、ρ…密度 上式によって分るように、圧力室4aの油圧が増大する
に伴って第1の固定オリフィス10からの圧油分流量q
が増大する。さらに第1の固定オリフィス10の下流に
第2の固定オリフィス12が配設されているので、第1
の固定オリフィス10と第2の固定オリフィス12間に
は、圧力室4aに発生した圧油圧力に比例して減少する
圧油圧力(差圧)が発生し、この差圧をパイロット圧力
として後輪用コントロールバルブ13が作動する。
【0019】同時に車速に応じてコントローラ21から
の指令信号によって、油ポンプ15からの圧油が流量制
御電磁バルブ18を介して後輪用コントロールバルブ1
3に送られ(車速が増大するに伴って圧油供給量も増大
する)後輪用コントロールバルブ13のバルブスプール
45が摺動して後輪転舵に必要な圧油が、方向切換電磁
バルブ20を介して後輪用パワーシリンダ5に供給され
る。この際前述の如く方向切換電磁バルブ20は、車速
に応じたコントローラ21からの指令信号によって最適
な後輪転舵方向に切換えられる。
【0020】後輪3は、後輪用パワーシリンダ5の出力
に応じて転舵されるが、出力軸34に中立保持反力機構
23が設けられているため、常に反力を受けた状態、す
なわち後輪3を中立(直進走行)位置に戻す力が働いた
状態で供給油圧力と平衡して保持される。
【0021】ここで、後輪用コントロールバルブ13は
前輪操舵系から独立して配置されているため、後輪転舵
のためのバルブなどの機器による摩擦抵抗は前輪操舵系
から取り除かれ、軽減されている。したがって、定常旋
回時においてハンドル26に与える力は、操舵時と保舵
時とにおける差が小さくなり、異和感のないハンドル操
作による運転ができ、操安性が向上する。
【0022】また、中高速時には、最適な後輪転舵量が
コントローラ21により演算され、また、後輪3の転舵
方向は、追従遅れをなくすために前輪2と同方向にとら
れる。このようにして、中高速時には、変更区間での後
輪3の追従を転舵方向に予測して合わせることができる
ので、車線変更、スラローム走行を安全かつ安定して行
なうことができる。
【0023】
【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、前輪操
舵とは独立して後輪が転舵されるため、後輪の追従遅れ
がなく、安定した最適な走行を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例を示す動力操舵制御装置の
構成図である。
【図2】後輪用コントロールバルブを示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 動力操舵制御装置 2 前輪 3 後輪 4 前輪用パワーシリンダ 5 後輪用パワーシリンダ 6 前輪用コントロールバルブ 8 主流体供給路 9 分岐路 10 第1の固定オリフィス 12 第2の固定オリフィス 13 後輪用コントロールバルブ 18 流量制御電磁バルブ 28 操舵軸 45 バルブスプール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪操舵用および後輪転舵用の各パワー
    シリンダと、操舵軸の回動に同期させてバルブスプール
    を作動させ、前記前輪用パワーシリンダへの作動流体供
    給方向を切換える前輪用コントロールバルブと、該前輪
    用コントロールバルブから前記前輪用パワーシリンダへ
    圧油を供給する主供給路が配設され、前記前輪用パワー
    シリンダの圧力流体の一部をパイロット圧力として作動
    し後輪を転舵させる後輪用コントロールバルブとを備え
    たことを特徴とする動力操舵制御装置。
JP3287807A 1991-11-01 1991-11-01 動力操舵制御装置 Expired - Fee Related JPH0717209B2 (ja)

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