JPH0717142A - カラー熱転写記録方法 - Google Patents

カラー熱転写記録方法

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JPH0717142A
JPH0717142A JP5098211A JP9821193A JPH0717142A JP H0717142 A JPH0717142 A JP H0717142A JP 5098211 A JP5098211 A JP 5098211A JP 9821193 A JP9821193 A JP 9821193A JP H0717142 A JPH0717142 A JP H0717142A
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JP
Japan
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color
ink layer
heat
recording medium
yellow
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JP5098211A
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English (en)
Inventor
Tadao Seto
忠雄 瀬戸
Ryoichi Shimazaki
良一 島崎
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱溶融転写記録において、色再現性よく多色
のカラー画像を形成しうるカラー熱転写用記録媒体を提
供すること。 【構成】 イエローに着色された熱溶融転写インキ層9
Yと、マゼンタに着色された熱溶融転写インキ層9M
と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層9Cとを同
一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させて、前記各色
のインキ層のそれぞれによりおよびそれらの2つ以上の
インキ層が層状に重ねられてなる減法混色により前記記
録紙上に多色の印像を形成する記録システムに用いられ
るカラー熱転写用記録媒体10であって、基材の片面に層
状に配された前記熱溶融転写インキが、融点50〜150 ℃
の範囲内にあり、粘度20〜10000 cP(融点より30℃高い
温度での測定値)の範囲内にあり、針入度0.1 〜50の範
囲内にあるもので、透明の熱溶融転写性ビヒクル中に混
合されることで透明に着色する透明着色剤により所定の
色に着色されてなる透明インキであることを特徴とする
カラー熱転写用記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、イエローに着色された
熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転
写インキ層と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層
とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させて、前
記各色のインキ層のそれぞれによりおよびそれらの2つ
以上による減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
形成する記録システムに用いられるカラー熱転写用記録
媒体に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特開
昭56-98190号公報に示されるごとく、この種の記録シス
テムおよびそれに用いるカラー熱転写用記録媒体はすで
に知られている。 【0003】この種従来のカラー熱転写用記録媒体で
は、従来の単色の記録に比べ、非常に多量の情報を良好
に記録しうるのみならず、カラー化された画像をハード
に記録するのに極めて有利である。 【0004】このようなカラー熱転写記録媒体の要請に
応じ、かつ前記カラー熱転写記録に際し必要な条件であ
る、記録紙に直接熱溶融転写するばあいと、記録紙に熱
溶融転写されているインキ層の上に再度インキ層を熱溶
融転写するばあいとでほぼ同じように熱溶融転写を行な
えるようにしたのが、前記特開昭56-98190号公報に示さ
れているカラー熱転写用記録媒体である。 【0005】しかし、このような従来技術によった従来
のカラー熱転写用記録媒体では、減法混色が良好に生じ
ないためにカラー画像を忠実な色彩で再現することがで
きないという事態がしばしば生じていた。 【0006】その原因についての研究の成果によって本
発明が完成されたものであって、つぎに前記欠点の原因
について説明する。 【0007】そもそも熱溶融転写記録では、転写時の加
熱により、室温で固体状のインキ層が溶融軟化すること
で記録紙への接着性を増大し、逆に基材との接着性を低
下して基材より記録紙上にインキ層が転移することによ
って記録紙上に印像を形成するものであり、そのインキ
層は数μmの厚さのごく薄いものである。 【0008】そのため、すでに記録紙上に転写されてい
るインキ層に重ねて熱溶融転写したばあい、両インキ層
はともに溶融し相互に溶け合って完全にではないにして
も混合されるものと予想されていた。そして、絵の具の
ようにインキ同士が混合することによって減法混色が生
じるものと考えられていた。 【0009】一方、熱転写記録媒体は、そのインキ層を
記録紙上に転写して印像を形成することを基本的機能と
するものであり、したがって従来のこの種の熱転写記録
媒体では記録紙自体の色質、記録紙が有している汚れな
どの影響をできるだけ受けないようにするには、インキ
層を不透明にするのがよいとされていた。 【0010】本発明者らは、このような認識のもとで種
々実験などを繰返したが、良好な減法混色を生じさせる
ことができなかった。 【0011】そこで、減法混色が良好でないインキ層同
士の重ね合せ箇所の状態を詳細に解析した結果、インキ
層は層状になったまま重ね合わされて、相互にはほとん
ど混合していないことが判明した。またインキ層の重な
り状態とインキの物性値との間に関連性があり、融点が
50〜150 ℃、粘度が20〜10000 cP(融点より30℃高い温
度での測定値)、針入度が0.1 〜50であるインキのばあ
いは、両インキ同士が層状になったまま重ね合わされて
存在しており、両インキ同士は大部分相互に混合してい
なかった。そして印字条件如何によっては絵の具様の混
合もかなり発生するばあいがあることも明らかになっ
た。 【0012】本発明者らは、これらの知見に基づき、熱
転写記録媒体のインキ層は不透明であるのがよいとされ
ていた前記従来の認識を打破し、本発明の完成に至った
ものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、イエ
ローに着色された熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着
色された熱溶融転写インキ層と、シアンに着色された熱
溶融転写インキ層とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶
融転写させて、前記各色のインキ層のそれぞれによりお
よびそれらの2つ以上のインキ層が層状に重ねられてな
る減法混色により前記記録紙上に多色の印像を形成する
記録システムに用いられるカラー熱転写用記録媒体であ
って、基材の片面に層状に配された前記熱溶融転写イン
キが、融点50〜150 ℃の範囲内にあり、粘度20〜10000
cP(融点より30℃高い温度での測定値)の範囲内にあ
り、針入度0.1 〜50の範囲内にあるもので、透明の熱溶
融転写性ビヒクル中に混合されることで透明に着色する
透明着色剤により所定の色に着色されてなる透明インキ
であることを特徴とするカラー熱転写用記録媒体を提供
するものである。 【0014】 【作用および実施例】しかして、前記物性値を有するイ
ンキ層を熱溶融転写にて転写し、重ね合わされた箇所で
は、インキ層同士が層状のまま重なっていても、インキ
層が透明着色インキ層であるが故に、下になったインキ
層の色も上になっているインキ層を透して視認できるこ
ととなり、両インキの色は、インキ同士の混合なしに視
覚的に混合されることとなる。 【0015】従来においては、減法混色が充分に起らず
に上になったインキ層の色のみが強くなり、これをなく
すために上になるべきインキ層の色の濃度をうすめた結
果、こんどは、そのインキ層が直接記録紙上に転写され
たばあいにその色の濃度が不充分になるという問題があ
った。 【0016】なお、本発明によれば、異色のインキ層を
重ね合わせ状に転写するとき両インキ層が微視的には絵
の具様の混合状態を呈するような印字条件(温度、印字
圧、印字速度など)が採用されても、これらインキ層が
透明であるため、やはり理想的な減法混色が確保される
という利点がある。 【0017】以下、図面を用いて本発明の記録媒体を説
明する。 【0018】図1は本発明のカラー熱転写用記録媒体の
一実施例を示す概略平面図、図2は図1のX−X線概略
断面図、図3は本発明の記録媒体の他の実施例を示す概
略平面図、図4a〜cはそれぞれ本発明の記録媒体を用
いるカラー画像作成方法を示す概略説明図である。 【0019】図1〜2に示されるように本発明の記録媒
体10は基材8上にその長さ方向に沿って連続的にイエロ
ー、マゼンタおよびシアンの各色の熱溶融転写インキ層
(以下、感熱転写性インキ層という)9Y、9M、9C
を配列するか、あるいは図3に示されるようにこれらの
感熱転写性インキ層9Y、9M、9Cに加えて、さらに
ブラックの感熱転写性インキ層9Bを同様にして基材8
上に連続的に配列して形成されるものである。 【0020】これらの感熱転写性インキ層はイエロー、
マゼンタおよびシアン、要すればブラックを含む繰返し
単位Aで形成され、かつ各感熱転写性インキ層は記録さ
れる普通紙などの記録紙と実質的に等しい長さで形成さ
れる。 【0021】図4a〜cは図1〜2に示される記録媒体
を用いてカラー画像を作成する方法を概略的に示してい
る。図4aに示されるごとく、本発明の記録媒体10内の
イエローの感熱転写性インキ層9Yがまず記録紙7の全
巾にわたって対向されるように重ね合わされ、基材裏面
より記録媒体10に沿って記録紙7の一端から他端へと移
動するサーマルヘッド2によりイエロー信号Yに従って
所定の画像が記録紙7上に溶融転写される。サーマルヘ
ッド20が記録紙7の一端から他端に移動すると、サーマ
ルヘッド20は再びもとの位置に復帰せられ、それと同時
に記録媒体10もサーマルヘッド20と同方向に移動されて
つぎのマゼンタの感熱転写性インキ層9Mが記録紙7の
同一部位に対向され、マゼンタ信号Mに従って再び図4
aに示されるごとき印字操作が繰り返される。同様にし
てシアンの感熱転写性インキ層9Cが記録紙7と対向さ
れ、シアン信号Cに従って印字操作が繰り返される。 【0022】しかして記録媒体10の巾に相当する記録紙
7の部位でのカラー印字が完了すると、記録紙7は記録
媒体10の移動方向と直角方向に該記録媒体の巾に相当す
る長さだけ移動され、再び前記と同様な操作が繰り返さ
れる。かくして記録紙7はその巾方向または長さ方向に
沿って端から順にカラー画像が作成され、記録紙7にも
とのカラー原稿と同じカラー画像が再現される。 【0023】したがって、本発明の記録媒体10は1枚の
記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアン、要すれ
ばブラックの各画像を該記録紙7の一端から他端にかけ
て一区分ずつ順次形成せしめて、これらの区分内におけ
る重ね合わせにより所望のカラー画像を作成するもので
あり、いわゆる面順次方式のカラープリントに採用しう
る記録媒体を提供するものである。 【0024】また本発明における記録媒体は巾が通常3
〜35mmときわめて小型化され、かつ使用されるサーマル
ヘッドも小型であるために、プリンター装置自体を小型
にすることが可能であり、かつ安価に製造できるという
すぐれた利点を有する。 【0025】本発明における感熱転写性インキ層9Y、
9M、9Cはそれぞれイエロー、マゼンタおよびシアン
の各透明の着色剤(以下、透明着色剤という)を含み、
さらにバインター剤および柔軟剤からなる単一層であ
る。 【0026】イエローを形成する透明着色剤としては、
たとえばジンクエロージンククロメート(亜鉛黄)、レ
モンイエロー(クロム酸バリウム)、ナフトールエロー
S、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエロ
ーG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハンザエロ
ーRN、ハンザエローR、ベンジジンエロー、ベンジジ
ンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネントエロ
ーNCG、キノリンエローレーキなどの顔料やオーラミ
ンなどの染料の1種または2種以上が用いられる。 【0027】またマゼンタを形成する透明着色剤として
は、たとえばパーマネントレッド4R、ブリリアントフ
アストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パー
マネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネント
レッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメント
スカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレ
ーキY、アリザリンレーキなどの顔料やローダミンなど
の染料の1種または2種以上が用いられる。 【0028】さらにシアンを形成する透明着色剤として
は、たとえばビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシ
アニンブルー、フタロシアニンブルー、フアストスカイ
ブルーなどの顔料やビクトリアブルーなどの染料の1種
または2種以上が用いられる。 【0029】ここで、前記イエロー、マゼンタおよびシ
アンを形成する顔料としては、いずれもビヒクル(バイ
ンダー剤、柔軟剤など)中に分散させたとき、透明に着
色する顔料をいう。 【0030】各透明着色剤は感熱転写性インキ層の総量
に対して1〜20部(重量部、以下同様)、より好ましく
は5〜15部の範囲で使用されうる。透明着色剤の含有量
が前記範囲より大なるときは透明性が低下し、色再現が
困難となり、また前記範囲より小なるときは着色力が低
下し、いずれも好ましくない。 【0031】また前記ブラックの感熱転写性インキ層9
Bは、たとえばカーボンブラック、ニグロシンベースな
どの着色剤を含有するものであって、イエロー、マゼン
タおよびシアンの3色重ね合わせでは鮮明な黒色を再現
させるのが困難なばあいに用いられる。 【0032】本発明における前記感熱転写性インキ層は
該インキ層総量100 部に対して着色剤、バインダー剤お
よび柔軟剤をそれぞれ1〜20部、20〜80部および3〜25
部の割合で配合されてなる組成物を基材8上にホットメ
ルトコーティングするか、あるいはソルベントコーティ
ングするなどして形成される厚さ1〜10μのインキ層で
ある。 【0033】バインダー剤としては、針入度が10〜30
(25℃)の固体ロウを用いるのが、えられるインキ層の
感熱性を向上せしめるうえで好ましく、たとえばカルナ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、木ろう、
ミツロウ、セレシンワックス、鯨ロウなどのワックス類
が用いられるが、さらに必要に応じて低分子量ポリエチ
レン、酸化ワックス、エステルワックスなど容易に溶融
しうる物質を併用して用いてもよい。 【0034】また柔軟剤としては、たとえば石油樹脂、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、セルロースエステル類、セルロースエーテル
類、アクリル系樹脂類などのごとき容易に熱溶融しうる
物質または潤滑油が好適に使用される。 【0035】さらに本発明においては、かかる感熱転写
性インキ層に良好な熱伝導性および溶融転写性を付与さ
せるために、粉体状熱伝導性物質および(または)体質
顔料を配合することができる。 【0036】粉体状熱伝導性物質としては、たとえばア
ルミニウム、銅、錫、亜鉛などの熱伝導率が6.0 ×10-4
〜25.0×10-4 cal/sec・cm・℃のものが好適に使用され
る。 【0037】また体質顔料としては、たとえばコロイダ
ルシリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、珪酸カルシウム、アエロジル、ホワイト
カーボンなどの比較的透明性の高いものが好適に使用さ
れる。 【0038】これらの熱伝導性物質や体質顔料はインキ
層総量100 部に対してそれぞれ0〜30部および0〜10部
の割合で配合される。 【0039】かくしてえられる感熱転写性インキ層はそ
の溶融転写性(記録紙上への溶融転写性および記録紙上
にすでに転写されているインキ層上への溶融転写性を含
む)を向上せしめるうえで融点が50〜150 ℃で粘度が20
〜10000 cP(融点よりも30℃高い温度での測定値)であ
るのが好ましく、また該インキ層は柔らかいと汚れやす
くなるために硬い目のものが好ましく、具体的には針入
度(JIS K 2530)が0.1 〜50の範囲内で好適に使用しう
る。 【0040】本発明における前記基材8は、適度な耐熱
強度を有し、かつ熱伝導性にすぐれたものであるのが好
ましく、たとえば厚さ3〜25μで密度0.8 〜1.5 g/cm
3 のプラスチックフィルム(セロハン、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなど)または紙(コンデンサー紙、グラシン紙、合
成紙、ラミネート紙など)が好適に使用される。 【0041】なお本発明においては、各色の感熱転写性
インキ層9Y、9M、9C、9Bをそれらの間に間隙を
もって基材上に形成するようにしてもよいが、隣接する
インキ層がたがいに突き合わされるように密接して基材
上に形成するのがカラープリント操作を容易にするうえ
で好ましい。隣接するインキ層をたがいに密接して設け
るには、凸版塗り、グラビア塗り、フレキソ塗り、シル
クスクリーン塗りなどの通常のカラー印刷で一般に用い
られる塗布方法を適宜用いればよい。 【0042】以上詳述せるごとく、本発明の記録媒体は
イエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも3色の感
熱転写性インキ層9Y、9M、9Cからサーマルヘッド
20により1枚の記録紙7上に順次それぞれの色の画像を
溶融転写させ、それらの画像の重ね合わせにより所望の
鮮明なカラー画像をうるというまったく新たなカラープ
リント方式に好適に採用されるものである。しかして本
発明の記録媒体を用いるカラープリント方式において
は、カラープリンターやカラーファクシミリの機構が複
雑になることがなく、その取り扱いが容易でかつ信頼性
をいちじるしく向上させ、しかも安価に製造することが
でき、それゆえ感熱方式のカラープリンターや、カラー
ファクシミリの実用化に大きく貢献しうるものである。 【0043】加えて、本発明の記録媒体は溶融転写性に
きわめてすぐれているために、サーマルヘッド20に加え
られるパルス信号の強さを変えることによってインキ層
の転写量を調整することができ、中間調の再現やもとの
色調に忠実なカラー画像をうることができ、また該カラ
ー画像はきわめて堅牢であり、さらにコピーシート7と
して通常の普通紙を用いることができるためにランニン
グコストが安価であるなどの顕著な効果を奏しうる。 【0044】かかる本発明の熱転写用リボンは感熱プリ
ンターを用いるカラープリンター、カラーファクシミ
リ、カラービデオプリンター、カラーコピーマシンなど
の実用化に大きく寄与しうるものであり、その実用的価
値はきわめて大なるものがある。 【0045】つぎに実施例をあげて本発明の記録媒体を
説明する。 【0046】実施例1 厚さ9μ、密度1.4 g/cm3 のポリエステルフィルムを
基材として用い、該基材を巾8mmの帯状に切断した。つ
いで表1に示す組成からなるイエロー、マゼンタおよび
シアンの各感熱転写性インキ層をホットメルトコーティ
ングにより基材上にその長さ方向に沿ってA4版の巾に
相当する巾210 mmで順次塗布して図1に示されるごとき
記録媒体をえた。感熱転写性インキ層は厚さ5μ、融点
90℃、粘度250 cP(120 ℃)、針入度2であった。 【0047】 【表1】 【0048】かくしてえられた記録媒体を用いてカラー
画像を作成するために、実験用として単色用感熱シリア
ルプリンター(キャノン(株)製のキャノワード55)
を用いてA4版の普通紙にイエロー、マゼンタおよびシ
アンの各画像を順次溶融転写させた。実験はまずイエロ
ーのインキ層を普通紙の一端と重ね合わせ、イエローの
画像をサーマルヘッドにより普通紙上に転写させ、つい
で記録媒体を移動させて普通紙の同一カ所でマゼンタの
インキ層と重ね合わせ、マゼンタの画像を転写させ、さ
らに同様にしてシアンの画像を転写させた。かくしてイ
エロー、マゼンタおよびシアンの各画像が重ね合わされ
たカラー画像は鮮明で高い解像度を有していた。 【0049】実施例2 イエロー、マゼンタおよびシアンの感熱転写性インキ層
に加えて、下記組成を有するブラックの感熱転写性イン
キ層を基材上に順次塗布したほかは実施例1と同様にし
て図3に示されるごとき記録媒体をえた。 【0050】 (成 分) (部) カーボンブラック 10 カルナバワックス 30 マイクロクリスタリンワックス(融点95℃) 30 石 油 樹 脂 10 コロイダルシリカ 10 アルミニウム粉末 10 えられた記録媒体を用いて実施例1と同様にして普通紙
にカラー画像を作成した。その結果、カラー画像はとり
わけ黒色が実施例1のものに比して鮮明であった。 【0051】実施例3 基材として厚さ10μ、密度1.2 g/cm3 のコンデンサー
紙を用いたほかは実施例1と同様にして記録媒体をえ
た。 【0052】実施例4 イエロー、マゼンタおよびシアンの各透明着色剤とし
て、オーラミンベース、ローダミンBベースおよびビク
トリアブルーBベースの各染料をそれぞれインキ総量10
0 部に対して10部の割合で用いたほかは実施例1と同様
にして記録媒体をえた。 【0053】えられた各感熱転写性インキ層はいずれも
厚さ5μ、融点90℃、粘度300 cP(120 ℃)、針入度4
であった。 【0054】実施例3および4でえられた各記録媒体を
用いて実施例1と同様にしてカラー画像を作成した。そ
の結果、えられたカラー画像はいずれも鮮明で高い解像
度を有していた。 【0055】 【発明の効果】熱溶融転写記録において、各色の透明な
インキ層の層状重ねによる減法混色により、色再現性よ
く多色のカラー画像をうることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のカラー熱転写用記録媒体の一実施例を
示す概略平面図である。 【図2】図1のX−X線概略断面図である。 【図3】本発明の記録媒体の他の実施例を示す概略平面
図である。 【図4】本発明の記録媒体を用いるカラー画像作成方法
を示す概略説明図である。 【図5】カラープリント方式を示す概略説明図である。 【符号の説明】 7 記録紙 8 基材 9Y、9M、9C 感熱転写性インキ層 10 記録媒体 A 繰返し単位
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成5年5月21日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 カラー熱転写記方法 【特許請求の範囲】 1 基材の片面に、イエローに着色された熱溶融転写イ
ンキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転写インキ層
と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層とが並べて
配列され、前記各色の熱溶融転写インキが、透明の熱溶
融転写性ビヒクルと透明有機顔料とからなり、前記透明
の熱溶融転写性ビヒクル中に混合されることで透明に着
色する透明有機顔料により所定の色に着色されてなる透
明インキであるカラー熱転写用記録媒体を用い、前記記
録媒体のイエローのインキ層、マゼンタのインキ層、シ
アンのインキ層のうちの少なくとも2つをこの順序で同
一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させ、減法混色に
よる部分は、前記各色のインキ層のうちの少なくとも2
つを前記記録紙上で層状に重ね合わせて所定の色を発現
させることによって、多色のカラー画像を形成すること
を特徴とするカラー熱転写記方法 前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
の厚さが1〜10μで、各インキ層における着色剤の含有
量が1〜20重量%である特許請求の範囲第1項記載のカ
ラー熱転写記方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、イエローに着色された
熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転
写インキ層と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層
とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させて、前
記各色のインキ層のそれぞれによりおよびそれらの2つ
以上による減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
形成するカラー熱転写記録方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特開
昭56-98190号公報に示されるごとく、この種の記録シス
テムおよびそれに用いるカラー熱転写用記録媒体はすで
に知られている。 【0003】この種従来のカラー熱転写用記録媒体で
は、従来の単色の記録に比べ、非常に多量の情報を良好
に記録しうるのみならず、カラー化された画像をハード
コピーとして記録するのに極めて有利である。 【0004】このようなカラー熱転写記録媒体の要請に
応じ、かつ前記カラー熱転写記録に際し必要な条件であ
る、記録紙に直接熱溶融転写するばあいと、記録紙に熱
溶融転写されているインキ層の上に再度インキ層を熱溶
融転写するばあいとでほぼ同じように熱溶融転写を行な
えるようにしたのが、前記特開昭56-98190号公報に示さ
れているカラー熱転写用記録媒体である。 【0005】しかし、このような従来技術によった従来
のカラー熱転写用記録媒体では、減法混色が良好に生じ
ないためにカラー画像を忠実な色彩で再現することがで
きないという事態がしばしば生じていた。 【0006】その原因についての研究の成果によって本
発明が完成されたものであって、つぎに前記欠点の原因
について説明する。 【0007】そもそも熱溶融転写記録では、転写時の加
熱により、室温で固体状のインキ層が溶融軟化すること
で記録紙への接着性を増大し、逆に基材との接着性を低
下して基材より記録紙上にインキ層が転移することによ
って記録紙上に印像を形成するものであり、そのインキ
層は数μmの厚さのごく薄いものである。 【0008】そのため、すでに記録紙上に転写されてい
るインキ層に重ねて熱溶融転写したばあい、両インキ層
はともに溶融し相互に溶け合って完全にではないにして
も混合されるものと予想されていた。そして、絵の具の
ようにインキ同士が混合することによって減法混色が生
じるものと考えられていた。 【0009】一方、熱転写記録媒体は、そのインキ層を
記録紙上に転写して印像を形成することを基本的機能と
するものであり、したがって従来のこの種の熱転写記録
媒体では記録紙自体の色質、記録紙が有している汚れな
どの影響をできるだけ受けないようにするには、インキ
層を不透明にするのがよいとされていた。 【0010】本発明者らは、このような認識のもとで種
々実験などを繰返したが、良好な減法混色を生じさせる
ことができなかった。 【0011】そこで、減法混色がとくに良好でない部分
におけるインキ層同士の重ね合せ箇所の状態を詳細に解
析した結果、インキ層は層状になったまま重ね合わされ
て、相互にはほとんど混合していないことが判明した
(このばあいインキ層の不透明性の故に減法混色が不良
になる)。またインキ層の重なり状態とインキの物性値
との間に関連性があり、融点が50〜150 ℃、粘度が20〜
10000 cP(融点より30℃高い温度での測定値)、針入度
が0.1 〜50であるインキのばあいは、両インキ同士が層
状になったまま重ね合わされて存在しており、両インキ
同士は大部分相互に混合していなかった。そして印字条
件如何によっては絵の具様の混合もかなり発生するばあ
いがあることも明らかになった。 【0012】本発明者らは、これらの知見に基づき、熱
転写記録媒体のインキ層は不透明であるのがよいとされ
ていた前記従来の認識を打破し、本発明の完成に至った
ものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、基材
の片面に、イエローに着色された熱溶融転写インキ層
と、マゼンタに着色された熱溶融転写インキ層と、シア
ンに着色された熱溶融転写インキ層とが並べて配列さ
れ、前記各色の熱溶融転写インキが、透明の熱溶融転写
性ビヒクルと透明有機顔料とからなり、前記透明の熱溶
融転写性ビヒクル中に混合されることで透明に着色する
透明有機顔料により所定の色に着色されてなる透明イン
キであるカラー熱転写用記録媒体を用い、前記記録媒体
のイエローのインキ層、マゼンタのインキ層、シアンの
インキ層のうちの少なくとも2つをこの順序で同一記録
紙上に任意の像状に熱溶融転写させ、減法混色による部
分は、前記各色のインキ層のうちの少なくとも2つを前
記記録紙上で層状に重ね合わせて所定の色を発現させる
ことによって、多色のカラー画像を形成することを特徴
とするカラー熱転写記録方法を提供するものである。 【0014】 【作用および実施例】しかして、前記物性値を有するイ
ンキ層を熱溶融転写にて転写し、重ね合わされた箇所で
は、インキ層同士が層状のまま重なっていても、インキ
層が透明着色インキ層であるが故に、下になったインキ
層の色も上になっているインキ層を透して視認できるこ
ととなり、両インキの色は、インキ同士の混合なしに視
覚的に混合されることとなる。 【0015】従来においては、減法混色が充分に起らず
に上になったインキ層の色のみが強くなり、これをなく
すために上になるべきインキ層の色の濃度をうすめた結
果、こんどは、そのインキ層が直接記録紙上に転写され
たばあいにその色の濃度が不充分になるという問題があ
った。 【0016】しかして、本発明におけるインキ層の透明
とは、異色のインキ層同士の重ね合せ順序を変えても減
法混色により所定の色がえられる程度のものをいう。 【0017】前記のごとく本発明に用いる各色のインク
層は透明なので、各インク層の重ね合わせ順序は問わな
いが、記録紙上にイエローインキ層、マゼンタインキ層
およびシアンインキ層の順に重ね合わせると、色再現性
がよい。 【0018】また、本発明においては、前記インキ層の
粘度を20〜10000cp (融点より30℃高い温度での測定
値)の範囲内に、融点を50〜150 ℃の範囲内に、針入度
を0.1〜50の範囲内に特定することによって、インキ層
の層状重ねが確保される。なお以下において、インキ層
を重ね転写するばあい、すでに記録紙に転写されている
ドット状のインキ層を1次色インキドットといい、この
1次色インキドット上に重ね合わせるドット状のインキ
層を2次色インキドットという。 【0019】粘度が20cp未満では、1次色インキドッ
ト、2次色インキドットともに変形、つぶれを生じ、そ
のためインキ層の層状重ねが不良になり、良好な減法混
色が生じない。粘度が10000cp を超えると、インキ層の
切れがわるくなり、転写不良が生じ、そのためインキ層
の層状重ねが不良となり、良好な減法混色が生じない。 【0020】融点が50℃未満では、1次色インキドッ
ト、2次色インキドットともに変形、つぶれを生じ、そ
のためインキ層の層状重ねが不良になり、良好な減法混
色が生じない。融点が150 ℃を超えると、転写感度が低
下し、転写不良が生じ、そのためインキ層の層状重ねが
不良となり、良好な減法混色が生じない。 【0021】針入度が50を超えると、主に1次色インキ
ドットが変形、つぶれを生じ、そのためインキ層の層状
重ねが不良になり、良好な減法混色が生じない。針入度
が0.1 未満では、インキ層が脆く、転写不良が生じ、そ
のためインキ層の層状重ねが不良になり、良好な減法混
色が生じない。 【0022】なお、本発明によれば、異色のインキ層を
重ね合わせ状に転写するとき、両インキ層の界面の近傍
ではインキ層の重ね転写時に両インキの融着が必要であ
り、この融着により微視的に該界面部においてインキの
絵の具様混合状態が生じるが、これは均一なものであ
り、減法混色に支障はない。 【0023】以下、図面を用いて本発明を説明する。 【0024】図1は本発明に用いるカラー熱転写用記録
媒体の一実施例を示す概略平面図、図2は図1のX−X
線概略断面図、図3は本発明に用いる記録媒体の他の実
施例を示す概略平面図、図4a〜cはそれぞれ本発明の
カラー熱転写記録方法を示す概略説明図である。 【0025】図1〜2に示されるように本発明の記録媒
体10は基材8上にその長さ方向に沿って連続的にイエロ
ー、マゼンタおよびシアンの各色の熱溶融転写インキ層
(以下、感熱転写性インキ層という)9Y、9M、9C
を配列するか、あるいは図3に示されるようにこれらの
感熱転写性インキ層9Y、9M、9Cに加えて、さらに
ブラックの感熱転写性インキ層9Bを同様にして基材8
上に連続的に配列して形成されるものである。 【0026】これらの感熱転写性インキ層はイエロー、
マゼンタおよびシアン、要すればブラックを含む繰返し
単位Aで形成され、かつ各感熱転写性インキ層は記録さ
れる普通紙などの記録紙と実質的に等しい長さで形成さ
れる。 【0027】図4a〜cは図1〜2に示される記録媒体
を用いてカラー画像を作成する方法を概略的に示してい
る。図4aに示されるごとく、本発明の記録媒体10内の
イエローの感熱転写性インキ層9Yがまず記録紙7の全
巾にわたって対向されるように重ね合わされ、基材裏面
より記録媒体10に沿って記録紙7の一端から他端へと移
動するサーマルヘッド2によりイエロー信号Yに従って
所定の画像が記録紙7上に溶融転写される。サーマルヘ
ッド20が記録紙7の一端から他端に移動すると、サーマ
ルヘッド20は再びもとの位置に復帰せられ、それと同時
に記録媒体10もサーマルヘッド20と同方向に移動されて
つぎのマゼンタの感熱転写性インキ層9Mが記録紙7の
同一部位に対向され、マゼンタ信号Mに従って再び図4
aに示されるごとき印字操作が繰り返される。同様にし
てシアンの感熱転写性インキ層9Cが記録紙7と対向さ
れ、シアン信号Cに従って印字操作が繰り返される。 【0028】しかして記録媒体10の巾に相当する記録紙
7の部位でのカラー印字が完了すると、記録紙7は記録
媒体10の移動方向と直角方向に該記録媒体の巾に相当す
る長さだけ移動され、再び前記と同様な操作が繰り返さ
れる。かくして記録紙7はその巾方向または長さ方向に
沿って端から順にカラー画像が作成され、記録紙7にも
とのカラー原稿と同じカラー画像が再現される。すなわ
ち1枚の記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアン
の各印字像が順次形成される結果、たとえばカラー原稿
の赤色、緑色、青色に相当する部位にはそれぞれイエロ
ーとマゼンタ、イエローとシアン、マゼンタとシアンと
がたがいに重ね合わされて赤色、緑色、青色を形成する
ように、またカラー原稿の黒色に相当する部位にはイエ
ロー、マゼンタおよびシアンが重ね合わされて黒色を形
成するように、これらイエロー、マゼンタおよびシアン
の各画像がたがいに重ね合わされて所望のカラー画像を
記録紙上に再現させることができる。なおカラー原稿の
イエロー、マゼンタ、シアンに相当する部位ではイエロ
ー、マゼンタ、シアンは重ね合わされない。 【0029】したがって、本発明の記録媒体10は1枚の
記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアン、要すれ
ばブラックの各画像を該記録紙7の一端から他端にかけ
て一区分ずつ順次形成せしめて、これらの区分内におけ
る重ね合わせにより所望のカラー画像を作成するもので
あり、いわゆる面順次方式のカラープリントに採用しう
る記録媒体を提供するものである。 【0030】また本発明における記録媒体は巾が通常3
〜35mmときわめて小型化され、かつ使用されるサーマル
ヘッドも小型であるために、プリンター装置自体を小型
にすることが可能であり、かつ安価に製造できるという
すぐれた利点を有する。 【0031】本発明における感熱転写性インキ層9Y、
9M、9Cはそれぞれイエロー、マゼンタおよびシアン
の各透明着色剤を含み、さらにバインター剤および柔軟
剤からなる単一層である。 【0032】イエローを形成する透明着色剤としては、
たとえばナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハン
ザエロー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハ
ンザエローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベ
ンジジンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエロ
ーGR、パーマネントエローNCG、キノリンエローレ
ーキなどの有機顔料の1種または2種以上が用いられ
る。 【0033】またマゼンタを形成する透明着色剤として
は、たとえばパーマネントレッド4R、ブリリアントフ
アストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パー
マネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネント
レッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメント
スカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレ
ーキY、アリザリンレーキなどの有機顔料の1種または
2種以上が用いられる。 【0034】さらにシアンを形成する透明着色剤として
は、たとえばビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシ
アニンブルー、フタロシアニンブルー、フアストスカイ
ブルーなどの有機顔料の1種または2種以上が用いられ
る。 【0035】ここで、前記イエロー、マゼンタおよびシ
アンを形成する有機顔料とは、いずれもビヒクル(バイ
ンダー剤、柔軟剤など)中に分散させたとき、透明に着
色する有機顔料をいう。 【0036】各透明着色剤は感熱転写性インキ層の総量
に対して1〜20部(重量部、以下同様)、より好ましく
は5〜15部の範囲で使用されうる。透明着色剤の含有量
が前記範囲より大なるときは透明性が低下し、色再現が
困難となり、また前記範囲より小なるときは着色力が低
下し、いずれも好ましくない。 【0037】また前記ブラックの感熱転写性インキ層9
Bは、たとえばカーボンブラック、ニグロシンベースな
どの着色剤を含有するものであって、イエロー、マゼン
タおよびシアンの3色重ね合わせでは鮮明な黒色を再現
させるのが困難なばあいに用いられる。 【0038】本発明における前記感熱転写性インキ層は
該インキ層総量100 部に対して着色剤、バインダー剤お
よび柔軟剤をそれぞれ1〜20部、20〜80部および3〜25
部の割合で配合されてなる組成物を基材8上にホットメ
ルトコーティングするか、あるいはソルベントコーティ
ングするなどして形成される厚さ1〜10μのインキ層で
ある。 【0039】バインダー剤としては、針入度が10〜30
(25℃)の固体ロウを用いるのが、えられるインキ層の
感熱性を向上せしめるうえで好ましく、たとえばカルナ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、木ろう、
ミツロウ、セレシンワックス、鯨ロウなどのワックス類
が用いられるが、さらに必要に応じて低分子量ポリエチ
レン、酸化ワックス、エステルワックスなど容易に溶融
しうる物質を併用して用いてもよい。 【0040】また柔軟剤としては、たとえば石油樹脂、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、セルロースエステル類、セルロースエーテル
類、アクリル系樹脂類などのごとき容易に熱溶融しうる
物質または潤滑油が好適に使用される。 【0041】さらに本発明においては、かかる感熱転写
性インキ層に良好な溶融転写性を付与させるために、体
質顔料を配合することができる。 【0042】体質顔料としては、たとえばコロイダルシ
リカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、カ
オリン、珪酸カルシウム、アエロジル、ホワイトカーボ
ンなどの比較的透明性の高いものが好適に使用される。 【0043】体質顔料はインキ層総量100 部に対して0
〜10部の割合で配合される。 【0044】かくしてえられる感熱転写性インキ層はそ
の溶融転写性(記録紙上への溶融転写性および記録紙上
にすでに転写されているインキ層上への溶融転写性を含
む)を向上せしめるうえで融点が50〜150 ℃で粘度が20
〜10000 cP(融点よりも30℃高い温度での測定値)であ
るのが好ましく、また該インキ層は柔らかいと汚れやす
くなるために硬い目のものが好ましく、具体的には針入
度(JIS K 2530)が0.1 〜50の範囲内で好適に使用しう
る。 【0045】本発明における前記基材8は、適度な耐熱
強度を有し、かつ熱伝導性にすぐれたものであるのが好
ましく、たとえば厚さ3〜25μで密度0.8 〜1.5 g/cm
3 のプラスチックフィルム(セロハン、ポリイミド、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなど)または紙(コンデンサー紙、グラシン紙、合
成紙、ラミネート紙など)が好適に使用される。 【0046】なお本発明においては、各色の感熱転写性
インキ層9Y、9M、9C、9Bをそれらの間に間隙を
もって基材上に形成するようにしてもよいが、隣接する
インキ層がたがいに突き合わされるように密接して基材
上に形成するのがカラープリント操作を容易にするうえ
で好ましい。隣接するインキ層をたがいに密接して設け
るには、凸版塗り、グラビア塗り、フレキソ塗り、シル
クスクリーン塗りなどの通常のカラー印刷で一般に用い
られる塗布方法を適宜用いればよい。 【0047】以上詳述せるごとく、本発明の記録媒体は
イエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも3色の感
熱転写性インキ層9Y、9M、9Cからサーマルヘッド
20により1枚の記録紙7上に順次それぞれの色の画像を
溶融転写させ、それらの画像の重ね合わせにより所望の
鮮明なカラー画像をうるというまったく新たなカラープ
リント方式に好適に採用されるものである。しかして本
発明の記録媒体を用いるカラープリント方式において
は、カラープリンターやカラーファクシミリの機構が複
雑になることがなく、その取り扱いが容易でかつ信頼性
をいちじるしく向上させ、しかも安価に製造することが
でき、それゆえ感熱方式のカラープリンターや、カラー
ファクシミリの実用化に大きく貢献しうるものである。 【0048】加えて、本発明の記録媒体は溶融転写性に
きわめてすぐれているために、サーマルヘッド20に加え
られるパルス信号の強さを変えることによってインキ層
の転写量を調整することができ、中間調の再現やもとの
色調に忠実なカラー画像をうることができ、また該カラ
ー画像はきわめて堅牢であり、さらにコピーシート7と
して通常の普通紙を用いることができるためにランニン
グコストが安価であるなどの顕著な効果を奏しうる。 【0049】かかる本発明の熱転写用リボンは感熱プリ
ンターを用いるカラープリンター、カラーファクシミ
リ、カラービデオプリンター、カラーコピーマシンなど
の実用化に大きく寄与しうるものであり、その実用的価
値はきわめて大なるものがある。 【0050】本発明の記録媒体を用いてえられたカラー
画像はいずれも鮮明で高い解像度を有していた。 【0051】 【発明の効果】熱溶融転写記録において、各色の透明な
インキ層をイエロー、マゼンタ、シアンの順序で層状重
ねすることによる減法混色により、色再現性よく多色の
カラー画像をうることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いるカラー熱転写用記録媒体の一実
施例を示す概略平面図である。 【図2】図1のX−X線概略断面図である。 【図3】本発明に用いる記録媒体の他の実施例を示す概
略平面図である。 【図4】本発明のカラー熱転写記録方法を示す概略説明
図である。 【図5】カラープリント方式を示す概略説明図である。 【符号の説明】 7 記録紙 8 基材 9Y、9M、9C 感熱転写性インキ層 10 記録媒体 A 繰返し単位

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イエローに着色された熱溶融転写インキ層と、マゼ
    ンタに着色された熱溶融転写インキ層と、シアンに着色
    された熱溶融転写インキ層とを同一記録紙上に任意の像
    状に熱溶融転写させて、前記各色のインキ層のそれぞれ
    によりおよびそれらの2つ以上のインキ層が層状に重ね
    られてなる減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
    形成する記録システムに用いられるカラー熱転写用記録
    媒体であって、基材の片面に層状に配された前記熱溶融
    転写インキが、融点50〜150 ℃の範囲内にあり、粘度20
    〜10000 cP(融点より30℃高い温度での測定値)の範囲
    内にあり、針入度0.1 〜50の範囲内にあるもので、透明
    の熱溶融転写性ビヒクル中に混合されることで透明に着
    色する透明着色剤により所定の色に着色されてなる透明
    インキであることを特徴とするカラー熱転写用記録媒
    体。 2 前記透明着色剤が、前記ビヒクル中に分散させたと
    きに透明に着色する有機顔料である特許請求の範囲第1
    項記載のカラー熱転写用記録媒体。 3 前記基材上に、前記イエロー、マゼンタ、シアンの
    各色のインキ層が相互に重なり合わないようにして配置
    されてなる特許請求の範囲第1項または第2項記載のカ
    ラー熱転写用記録媒体。 4 前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
    の厚さが1〜10μで、各インキ層における着色剤の含有
    量が1〜20重量%である特許請求の範囲第1項、第2項
    または第3項記載のカラー熱転写用記録媒体。
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Cited By (1)

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US7431309B2 (en) 2002-08-07 2008-10-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Ground contact load control apparatus for a vehicle

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