JPH0725159A - カラー熱転写記録方法 - Google Patents

カラー熱転写記録方法

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JPH0725159A
JPH0725159A JP5098212A JP9821293A JPH0725159A JP H0725159 A JPH0725159 A JP H0725159A JP 5098212 A JP5098212 A JP 5098212A JP 9821293 A JP9821293 A JP 9821293A JP H0725159 A JPH0725159 A JP H0725159A
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JP
Japan
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color
heat
ink
ink layer
recording medium
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JP5098212A
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English (en)
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Tadao Seto
忠雄 瀬戸
Ryoichi Shimazaki
良一 島崎
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 熱溶融転写記録において、色再現性よく多色
のカラー画像を形成しうるカラー熱転写用記録媒体を提
供する。 【構成】 記録紙上に多色の印像を形成する記録システ
ムに用いられるカラー熱転写用記録媒体10であって、基
材の片面に層状に配された前記熱溶融転写インキが、融
点50〜150 ℃の範囲内にあり、粘度20〜10000 cP(融点
より30℃高い温度での測定値)の範囲内にあり、針入度
0.1 〜50の範囲内にあるもので、透明の熱溶融転写性ビ
ヒクル中に混合されることで透明に着色する透明着色剤
により所定の色に着色されてなる透明インキであり、イ
エロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層が相互に重
なり合わないように、かつ記録紙と実質的に等しい大き
さで帯状の基材上に順次繰返し単位Aで配列されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、イエローに着色された
熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転
写インキ層と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層
とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させて、前
記各色のインキ層のそれぞれによりおよびそれらの2つ
以上による減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
形成する記録システムに用いられるカラー熱転写用記録
媒体に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特開
昭56-98190号公報に示されるごとく、この種の記録シス
テムおよびそれに用いるカラー熱転写用記録媒体はすで
に知られている。 【0003】この種従来のカラー熱転写用記録媒体で
は、従来の単色の記録に比べ、非常に多量の情報を良好
に記録しうるのみならず、カラー化された画像をハード
に記録するのに極めて有利である。 【0004】このようなカラー熱転写記録媒体の要請に
応じ、かつ前記カラー熱転写記録に際し必要な条件であ
る、記録紙に直接熱溶融転写するばあいと、記録紙に熱
溶融転写されているインキ層の上に再度インキ層を熱溶
融転写するばあいとでほぼ同じように熱溶融転写を行な
えるようにしたのが、前記特開昭56-98190号公報に示さ
れているカラー熱転写用記録媒体である。 【0005】しかし、このような従来技術によった従来
のカラー熱転写用記録媒体では、減法混色が良好に生じ
ないためにカラー画像を忠実な色彩で再現することがで
きないという事態がしばしば生じていた。 【0006】その原因についての研究の成果によって本
発明が完成されたものであって、つぎに前記欠点の原因
について説明する。 【0007】そもそも熱溶融転写記録では、転写時の加
熱により、室温で固体状のインキ層が溶融軟化すること
で記録紙への接着性を増大し、逆に基材との接着性を低
下して基材より記録紙上にインキ層が転移することによ
って記録紙上に印像を形成するものであり、そのインキ
層は数μmの厚さのごく薄いものである。 【0008】そのため、すでに記録紙上に転写されてい
るインキ層に重ねて熱溶融転写したばあい、両インキ層
はともに溶融し相互に溶け合って完全にではないにして
も混合されるものと予想されていた。そして、絵の具の
ようにインキ同士が混合することによって減法混色が生
じるものと考えられていた。 【0009】一方、熱転写記録媒体は、そのインク層を
記録紙上に転写して印像を形成することを基本的機能と
するものであり、したがって従来のこの種の熱転写記録
媒体では記録紙自体の色質、記録紙が有している汚れな
どの影響をできるだけ受けないようにするには、インキ
層を不透明にするのがよいとされていた。 【0010】本発明者らは、このような認識のもとで種
々実験などを繰返したが、良好な減法混色を生じさせる
ことはできなかった。 【0011】そこで、減法混色が良好でないインキ層同
士の重ね合せ箇所の状態を詳細に解析した結果、インキ
層は層状になったまま重ね合わされて、相互にはほとん
ど混合していないことが判明した。またインキ層の重な
り状態とインキの物性値との間に関連性があり、融点が
50〜 150℃、粘度が20〜10000cP(融点より30℃高い温度
での測定値)、針入度が 0.1〜50であるインキのばあい
は、両インキ同士が層状になったまま重ね合わされて存
在しており、両インキ同士は大部分相互に混合していな
かった。そして印字条件如何によっては絵の具様の混合
もかなり発生するばあいがあることも明らかになった。 【0012】本発明者らは、これらの知見に基づき、熱
転写記録媒体のインキ層は不透明であるのがよいとされ
ていた前記従来の認識を打破し、インキ層を透明にする
ことによって減法混色によるカラー画像の色再現を良好
に行なわしめ、かつ減法混色を最大限かつ確実に発揮せ
しめるようにして、本発明の完成に至ったものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、イエ
ローに着色された熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着
色された熱溶融転写インキ層と、シアンに着色された熱
溶融転写インキ層とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶
融転写させて、前記各色のインキ層のそれぞれによりお
よびそれらの2つ以上のインキ層が層状に重ねられてな
る減法混色により前記記録紙上に多色の印像を形成する
記録システムに用いられるカラー熱転写用記録媒体であ
って、基材の片面に層状に配された前記熱溶融転写イン
キが、融点50〜 150℃の範囲内にあり、粘度20〜10000c
P(融点より30℃高い温度での測定値)の範囲内にあり、
針入度 0.1〜50の範囲内にあるもので、透明の熱溶融転
写性ビヒクル中に混合されることで透明に着色する透明
着色剤により所定の色に着色されてなる透明インキであ
り、前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
が相互に重なり合わないように、かつ記録紙と実質的に
等しい大きさで帯状の基材上に順次繰返し単位で配列さ
れていることを特徴とするカラー熱転写用記録媒体を提
供するものである。 【0014】 【作用および実施例】しかして、前記物性値を有するイ
ンキ層を熱溶融転写にて転写し、重ね合わされた箇所で
は、インキ層同士が層状のまま重なっていても、インキ
層が透明着色インキ層であるが故に、下になったインキ
層の色も上になっているインキ層を透して視認できるこ
ととなり、両インキの色は、インキ同士の混合なしに視
覚的に混合されることとなる。 【0015】従来においては、減法混色が充分に起らず
に上になったインキ層の色のみが強くなり、これをなく
すために上になるべきインキ層の色の濃度をうすめた結
果、こんどは、そのインキ層が直接記録紙上に転写され
たばあいにその色の濃度が不充分になるという問題があ
った。 【0016】なお、本発明によれば、異色のインキ層を
重ね合わせ状に転写するとき両インキ層が微視的には絵
の具様の混合状態を呈するような印字条件(温度、印字
圧、印字速度など)が採用されても、これらインキ層が
透明であるため、やはり理想的な減法混色が確保される
という利点がある。 【0017】さらに本発明はイエロー、マゼンタ、シア
ンの各色のインキ層が記録紙と実質的に等しい大きさと
されていることを特徴とする。 【0018】前記特開昭56-98190号公報ではインクリボ
ンの幅方向(第2図、第4図、第6図)または長さ方向
(第5図)おけるイエロー、マゼンタ、シアンの各色の
インキ層の長さが記録紙の長さまたは幅より小さくされ
ているが、このばあいにはサーマルヘッドおよび記録紙
に対するインクリボンの位置変更を頻繁に行なわなけれ
ばならず、このような頻繁な位置変更はイエロー、マゼ
ンタ、シアンの各インキ層を記録紙上で重ね合せるばあ
いに、位置ずれを生じる可能性が大きい。位置ずれが生
じると、前記透明なインキ層の重ね合せによる良好な減
法混色の発現が阻害される。 【0019】本発明では、各色のインキ層の大きさが記
録紙の大きさと等しくされているから、1枚の記録紙上
にカラー画像を形成するのに、各色のインキ層について
1回位置合せをすればよいため、各色の画像の位置ずれ
を可及的に防止でき、それゆえ前記透明インキ層の重ね
合せによる減法混色を最大限かつ確実に発揮できる。 【0020】以下、図面を用いて本発明の記録媒体を説
明する。 【0021】図1は本発明のカラー熱転写用記録媒体の
一実施例を示す概略平面図、図2は図1のX−X線概略
断面図、図3は本発明の記録媒体の他の実施例を示す概
略平面図、図4および図5はそれぞれ本発明の記録媒体
を用いるカラー画像作成方法の一例を示す概略説明図で
ある。 【0022】図1〜2に示されるように本発明の記録媒
体10は基材8上にその長さ方向に沿って連続的にイエロ
ー、マゼンタおよびシアンの各色の熱溶融性転写インキ
層(以下、感熱転写性インキ層という)9Y、9M、9
Cを配列するか、あるいは図3に示されるようにこれら
の感熱転写性インキ層9Y、9M、9Cに加えて、さら
にブラックの感熱転写性インキ層9Bを同様にして基材
8上に連続的に配列して形成されるものである。 【0023】これらの感熱転写性インキ層はイエロー、
マゼンタおよびシアン、要すればブラックを含む繰り返
し単位(A)で形成され、かつ各感熱転写性インキ層は
記録される普通紙などの記録紙7と実質的に等しいシー
ト状の大きさ(たとえばA4版、B5版など)で形成さ
れる。 【0024】図4は図1〜2に示される記録媒体を用い
てカラー画像を作成する方法を概略的に示している。図
4に示されるごとく、本発明の記録媒体10はサーマルヘ
ッド20上を経て一方向に移送される。記録媒体10はサー
マルヘッド20と基材の裏面で接触し、かつ感熱転写性イ
ンキ層9Y、9M、9Cを有する表面が普通紙などの記
録紙7と接触される。記録媒体10および記録紙7はサー
マルヘッド20上で重ね合わされ、同一速度で一方向に移
送されながら、サーマルヘッド20から加えられる熱によ
って感熱転写性インキ層が像の形態で記録紙7上に溶融
転写せられる。 【0025】しかして1つの繰返し単位内において、イ
エローのインキ層9Yがイエロー信号Yによる所定の印
字像を記録紙7上に転写したのち、記録紙7は再びサー
マルヘッド20に復帰し、マゼンタのインキ層9Mとサー
マルヘッド20上で重ね合わされ、マゼンタ信号Mによる
印字像が記録紙7上に転写される。同様にして、マゼン
タのインキ層9Mによる印字が完了すると、再び記録紙
7がサーマルヘッド20に復帰し、シアンのインキ層9C
がシアン信号Cにより記録紙7上に転写される。かくし
て1枚の記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアン
の各印字像が順次形成される結果、たとえばカラー原稿
の黒色に相当する部位にはイエロー、マゼンタおよびシ
アンが重ね合わされて黒色を形成するように、これらイ
エロー、マゼンタおよびシアンの各画像がたがいに重ね
合わされて所望のカラー画像を記録紙上に再現させるこ
とができる。 【0026】したがって、本発明の記録媒体10は1枚の
記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアンの各印字
像を順次形成せしめてこれらの重ね合わせにより所望の
カラー画像をうるものであり、いわゆる面順次方式のカ
ラープリントに採用しうる記録媒体10を提供するもので
ある。 【0027】図5は図4に示されるカラープリント方法
を実施するための好ましい実施態様を示しており、記録
紙7はドラム30上にその端部が突き合わせるごとく巻き
つけられており、該記録紙7は記録媒体10を介してサー
マルヘッド20と対向される。記録媒体10は供給ロール11
から所定の速度でサーマルヘッド20へ送られ、巻取ロー
ル12で巻き取られるように構成される。しかして各感熱
転写性インキ層9Y、9M、9Cは記録紙7と同じ大き
さであり、かつ記録紙7を巻きつけたドラム30が記録媒
体10と同一速度で回転されることにより、記録紙7上に
形成されるイエロー、マゼンタおよびシアンの各画像の
ずれが生じるのを排除することができ、そのため感熱プ
リンターの機構が簡単になり、その取り扱いをいちじる
しく容易ならしめるというすぐれた利点を有する。 【0028】前記サーマルヘッド20は記録媒体10の全巾
にわたって該記録媒体10に対向せられ、このものは通常
のラインプリンターにおけると同様なラインヘッドであ
る。高い解像度のカラー画像を作成するうえで、サーマ
ルヘッド20は加熱素子が1mmあたり8〜16本であるのが
好ましい。 【0029】なお以上の説明においては、カラー画像が
イエロー、マゼンタおよびシアンの順で記録紙7上に形
成されるばあいについて説明したが、その順序はとくに
制限されるものではない。 【0030】本発明における感熱転写性インキ層9Y、
9M、9Cはそれぞれイエロー、マゼンタおよびシアン
の各透明の着色剤(以下、透明着色剤という)を含み、
さらにバインダー剤および柔軟剤からなる単一層であ
る。 【0031】イエローを形成する透明着色剤としては、
たとえばジンクエロージンククロメート(亜鉛黄)、レ
モンイエロー(クロム酸バリウム)、ナフトールエロー
S、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエロ
ーG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハンザエロ
ーRN、ハンザエローR、ベンジジンエロー、ベンジジ
ンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネントエロ
ーNCG、キノリンエローレーキなどの顔料やオーラミ
ンなどの染料の1種または2種以上が用いられる。 【0032】またマゼンタを形成する透明着色剤として
は、たとえばパーマネントレッド4R、ブリリアントフ
ァストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パー
マネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネント
レッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメント
スカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレ
ーキY、アリザリンレーキなどの顔料やローダミンなど
の染料の1種または2種以上が用いられる。 【0033】さらにシアンを形成する透明着色剤として
は、たとえばビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシ
アニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイ
ブルーなどの顔料やビクトリアブルーなどの染料の1種
または2種以上が用いられる。 【0034】ここで、前記イエロー、マゼンタおよびシ
アンを形成する顔料とは、いずれもビヒクル(バインダ
ー剤、柔軟剤など)中に分散させたとき、透明に着色す
る顔料をいう。 【0035】各透明着色剤は感熱転写性インキ層の総量
に対して1〜20部(重量部、以下同様)、より好ましく
は5〜15部の範囲で使用されうる。透明着色剤の含有量
が前記範囲より大なるときは透明性が低下し、色再現が
困難となり、また前記範囲より小なるときは着色力が低
下し、いずれも好ましくない。 【0036】なお前記ブラックの感熱転写性インキ層9
Bは、たとえばカーボンブラック、ニグロシンベースな
どの着色剤を含有するものであって、イエロー、マゼン
タおよびシアンの3色重ね合わせでは鮮明な黒色を再現
させるのが困難なばあいに用いられる。 【0037】本発明における前記感熱転写性インキ層は
該インキ層総量100 部に対して着色剤、バインダー剤お
よび柔軟剤をそれぞれ1〜20部、20〜80部および3〜25
部の割合で配合されてなる組成物を基材8上にホットメ
ルトコーティングするか、あるいはソルベントコーティ
ングするなどして形成される厚さ1〜10μのインキ層で
ある。 【0038】バインダー剤としては、針入度が10〜30
(25℃)の固体ロウを用いるのが、えられるインキ層の
感熱性を向上せしめるうえで好ましく、たとえばカルナ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、木ろう、
ミツロウ、セレシンワックス、鯨ロウなどのワックス類
が用いられるが、さらに必要に応じて低分子量ポリエチ
レン、酸化ワックス、エステルワックスなど容易に溶融
しうる物質を併用して用いてもよい。 【0039】また柔軟剤としては、たとえば石油樹脂、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、セルロースエステル類、セルロースエーテル
類、アクリル系樹脂類などのごとき容易に熱溶融性しう
る物質または潤滑油が好適に使用される。 【0040】さらに本発明においては、かかる感熱転写
性インキ層に良好な熱伝導性および溶融転写性を付与さ
せるために、粉体状熱伝導性物質および(または)体質
顔料を配合することができる。 【0041】粉体状熱伝導性物質としては、たとえばア
ルミニウム、銅、錫、亜鉛などの熱伝導率が6.0 ×10-4
〜25.0×10-4 cal/sec・cm・℃のものが好適に使用され
る。 【0042】また体質顔料としては、たとえばコロイダ
ルシリカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、珪酸カルシウム、アエロジル、ホワイト
カーボンなどの比較的透明性の高いものが好適に使用さ
れる。 【0043】これら熱伝導性物質や体質顔料はインキ層
総量100 部に対してそれぞれ0〜30部および0〜10部の
割合で配合される。 【0044】かくしてえられる感熱転写性インキ層はそ
の溶融転写性(記録紙上への溶融転写性および記録紙上
にすでに転写されているインキ層上への溶融転写性を含
む)を向上せしめるうえで融点が50〜150 ℃で粘度が10
〜10000cP (融点より30℃高い温度での測定値)である
のが好ましく、また該インキ層は柔らかいと汚れやすく
なるために硬い目のものが好ましく、具体的には針入度
(JIS K 2530) が0.1〜50の範囲内で好適に使用しう
る。 【0045】本発明における前記基材8は、適度な耐熱
強度を有し、かつ熱伝導性にすぐれたものであるのが好
ましく、たとえば厚さ3〜25μで密度0.8 〜1.5 cm3
プラスチックフィルム(セロハン、ポリイミド、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン
など)または紙(コンデンサー紙、グラシン紙、合成
紙、ラミネート紙など)が好適に使用される。 【0046】なお本発明においては、各色の感熱転写性
インキ層9Y、9M、9C、9Bをそれらの間に間隙を
もって基材上に形成するようにしてもよいが、図1〜3
に示されるように隣接するインキ層がたがいに突き合わ
されるように密接して基材上に形成するのがカラープリ
ント操作を容易にするうえで好ましい。隣接するインキ
層をたがいに密接して設けるには、凸版塗り、グラビア
塗り、フレキソ塗り、シルクスクリーン塗りなどの通常
のカラー印刷で一般に用いられる塗布方法を用いればよ
い。 【0047】以上詳述せるごとく、本発明の記録媒体は
イエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも3色の感
熱転写性インキ層9Y、9M、9Cからサーマルヘッド
20により1枚の記録紙7上に順次それぞれの色の画像を
溶融転写させ、それらの画像の重ね合わせにより所望の
鮮明なカラー画像をうるというまったく新たなカラープ
リント方式に好適に採用されるものである。しかして本
発明の記録媒体を用いるカラープリント方式において
は、カラープリンターやカラーファクシミリの機構が複
雑になることがなく、その取り扱いが容易でかつ信頼性
をいちじるしく向上させ、しかも安価に製造することが
でき、それゆえ感熱方式のカラープリンターやカラーフ
ァクシミリの実用化に大きく貢献しうるものである。 【0048】加えて、本発明の記録媒体は溶融転写性に
きわめて優れているために、サーマルヘッド20に加えら
れるパルス信号の強さを変えることによってインキ層の
転写量を調整することができ、中間調の再現やもとの色
調に忠実なカラー画像をうることができ、また該カラー
画像はきわめて堅牢であり、さらにコピーシート7とし
て通常の普通紙を用いることができるためにランニング
コストが安価であるなどの顕著な効果を奏しうる。 【0049】かかる本発明の熱転写用リボンは感熱プリ
ンターを用いるカラープリンター、カラーファクシミ
リ、カラービデオプリンター、カラーコピーマシンなど
の実用化に大きく寄与しうるものであり、その実用的価
値はきわめて大なるものがある。 【0050】つぎに実施例をあげて本発明の記録媒体を
説明する。 【0051】実施例1 厚さ9μ、密度1.4 g/cm3 のポリエステルフィルムを
基材として用い、該基材を巾297mm の帯状に切断した。
ついで表1に示す組成からなるイエロー、マゼンタおよ
びシアンの各感熱転写性インキ層をホットメルトコーテ
ィングにより基材上にその長さ方向に沿って巾210mm で
順次塗布し、A4版の大きさの感熱転写性インキ層を有
する図1に示されるごとき記録媒体をえた。感熱転写性
インキ層は厚さ5μ、融点90℃、粘度250 cP(120
℃)、針入度2であった。 【0052】 【表1】【0053】かくしてえられた記録媒体を用いてカラー
画像を作成するために、実験用として単色用ラインヘッ
ドを装備した感熱ファクシミリ(三菱電機(株)製のメ
ルファス)を用いてA4版の普通紙にイエロー、マゼン
タおよびシアンの各画像を順次溶融転写させた。実験は
まずイエローのインキ層と普通紙とを重ね合わせ、イエ
ローの画像をサーマルヘッドにより普通紙上に転写さ
せ、ついで転写後の普通紙をマゼンタのインキ層と重ね
合わせ、マゼンタの画像を同様にして転写させ、さらに
シアンの画像を転写させた。かくしてイエロー、マゼン
タおよびシアンの各画像が重ね合わされたカラー画像は
鮮明で高い解像度を有していた。 【0054】実施例2 イエロー、マゼンタおよびシアンの感熱転写性インキ層
に加えて、下記組成を有するブラックの感熱転写性イン
キ層を基材上に順次塗布したほかは実施例1と同様にし
て図3に示されるごとき記録媒体をえた。 【0055】 (成 分) (部) カーボンブラック 10 カルナバワックス 30 マイクロクリスタリンワックス(融点95℃) 30 石油樹脂 10 コロイダルシリカ 10 アルミニウム粉末 10 えられた記録媒体を用いて実施例1と同様にして普通紙
にカラー画像を作成した。その結果、カラー画像はとり
わけ黒色が実施例1のものに比して鮮明であった。 【0056】実施例3 基材として厚さ10μ、密度1.2 g/cm3 のコンデンサー
紙を用いたほかは実施例1と同様にして記録媒体をえ
た。 【0057】実施例4 イエロー、マゼンタおよびシアンの各透明着色剤とし
て、オーラミンベース、ローダミンBベースおよびビク
トリアブルーBベースの各染料をそれぞれインキ総量10
0 部に対して10部の割合で用いたほかは実施例1と同様
にして記録媒体をえた。 【0058】えられた各感熱転写性インキ層はいずれも
厚さ5μ、融点90℃、粘度300 cP(120 ℃)、針入度4
であった。 【0059】実施例3および4でえた各記録媒体を用い
て実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。その結
果、えられたカラー画像はいずれも鮮明で高い解像度を
有していた。 【0060】 【発明の効果】熱溶融転写記録において、各色の透明な
インキ層の層状重ねによる減法混色により、色再現性よ
く多色のカラー画像をうることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のカラー熱転写用記録媒体の一実施例を
示す概略平面図である。 【図2】図1のX−X線概略断面図である。 【図3】本発明の記録媒体の他の実施例を示す概略平面
図である。 【図4】本発明の記録媒体を用いるカラー画像作成方法
を示す概略説明図である。 【図5】本発明の記録媒体を用いるカラー画像作成方法
を示す概略説明図である。 【図6】カラープリント方式を示す概略説明図である。 【符号の説明】 7 記録紙 8 基材 9Y、9M、9C 感熱転写性インキ層 10 記録媒体 A 繰返し単位
【手続補正書】 【提出日】平成5年5月21日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 カラー熱転写記方法 【特許請求の範囲】 1 帯状の基材の片面に、イエローに着色された熱溶融
転写インキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転写イン
キ層と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層とが並
べて配列され、前記各色の熱溶融転写インキが、融点50
〜 150℃の範囲内にあり、粘度20〜10000cP(融点より30
℃高い温度での測定値)の範囲内にあり、針入度 0.1〜
50の範囲内にあるもので、透明の熱溶融転写性ビヒクル
と透明有機顔料とからなり、前記透明の熱溶融転写性ビ
ヒクル中に混合されることで透明に着色する前記透明
機顔料により所定の色に着色されてなる透明インキであ
り、前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
が記録紙と実質的に等しい大きさで帯状の基材上に順次
繰返し単位で配列されているカラー熱転写用記録媒体を
用い、前記記録媒体の各色のインキ層のうちの少なくと
も2つを任意の順序でそれぞれ記録紙と合致するように
重ね合わせ、各色のインキ層を同一記録紙上に任意の像
状に熱溶融転写させ、減法混色による部分は、前記各色
のインキ層のうちの少なくとも2つを前記記録紙上で層
状に重ね合わせて所定の色を発現させることによって、
多色のカラー画像を形成することを特徴とするカラー熱
写記方法 前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
の厚さが1〜10μで、各インキ層における着色剤の含有
量が1〜20重量%である特許請求の範囲第1項記載のカ
ラー熱転写記方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、イエローに着色された
熱溶融転写インキ層と、マゼンタに着色された熱溶融転
写インキ層と、シアンに着色された熱溶融転写インキ層
とを同一記録紙上に任意の像状に熱溶融転写させて、前
記各色のインキ層のそれぞれによりおよびそれらの2つ
以上による減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
形成するカラー熱転写記録方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】特開
昭56-98190号公報に示されるごとく、この種の記録シス
テムおよびそれに用いるカラー熱転写用記録媒体はすで
に知られている。 【0003】この種従来のカラー熱転写用記録媒体で
は、従来の単色の記録に比べ、非常に多量の情報を良好
に記録しうるのみならず、カラー化された画像をハード
コピーとして記録するのに極めて有利である。 【0004】このようなカラー熱転写記録媒体の要請に
応じ、かつ前記カラー熱転写記録に際し必要な条件であ
る、記録紙に直接熱溶融転写するばあいと、記録紙に熱
溶融転写されているインキ層の上に再度インキ層を熱溶
融転写するばあいとでほぼ同じように熱溶融転写を行な
えるようにしたのが、前記特開昭56-98190号公報に示さ
れているカラー熱転写用記録媒体である。 【0005】しかし、このような従来技術によった従来
のカラー熱転写用記録媒体では、減法混色が良好に生じ
ないためにカラー画像を忠実な色彩で再現することがで
きないという事態がしばしば生じていた。 【0006】その原因についての研究の成果によって本
発明が完成されたものであって、つぎに前記欠点の原因
について説明する。 【0007】そもそも熱溶融転写記録では、転写時の加
熱により、室温で固体状のインキ層が溶融軟化すること
で記録紙への接着性を増大し、逆に基材との接着性を低
下して基材より記録紙上にインキ層が転移することによ
って記録紙上に印像を形成するものであり、そのインキ
層は数μmの厚さのごく薄いものである。 【0008】そのため、すでに記録紙上に転写されてい
るインキ層に重ねて熱溶融転写したばあい、両インキ層
はともに溶融し相互に溶け合って完全にではないにして
も混合されるものと予想されていた。そして、絵の具の
ようにインキ同士が混合することによって減法混色が生
じるものと考えられていた。 【0009】一方、熱転写記録媒体は、そのインク層を
記録紙上に転写して印像を形成することを基本的機能と
するものであり、したがって従来のこの種の熱転写記録
媒体では記録紙自体の色質、記録紙が有している汚れな
どの影響をできるだけ受けないようにするには、インキ
層を不透明にするのがよいとされていた。 【0010】本発明者らは、このような認識のもとで種
々実験などを繰返したが、良好な減法混色を生じさせる
ことはできなかった。 【0011】そこで、減法混色がとくに良好でない部分
におけるインキ層同士の重ね合せ箇所の状態を詳細に解
析した結果、インキ層は層状になったまま重ね合わされ
て、相互にはほとんど混合していないことが判明した
(このばあいインキ層の不透明性の故に減法混色は不良
になる)。またインキ層の重なり状態とインキの物性値
との間に関連性があり、融点が50〜 150℃、粘度が20〜
10000cP(融点より30℃高い温度での測定値)、針入度が
0.1〜50であるインキのばあいは、両インキ同士が層状
になったまま重ね合わされて存在しており、両インキ同
士は大部分相互に混合していなかった。そして印字条件
如何によっては絵の具様の混合もかなり発生するばあい
があることも明らかになった。 【0012】本発明者らは、これらの知見に基づき、熱
転写記録媒体のインキ層は不透明であるのがよいとされ
ていた前記従来の認識を打破し、インキ層を透明にする
ことによって減法混色によるカラー画像の色再現を良好
に行なわしめ、かつ減法混色を最大限かつ確実に発揮せ
しめるようにして、本発明の完成に至ったものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、帯状
の基材の片面に、イエローに着色された熱溶融転写イン
キ層と、マゼンタに着色された熱溶融転写インキ層と、
シアンに着色された熱溶融転写インキ層とが並べて配列
され、前記各色の熱溶融転写インキが、融点50〜 150℃
の範囲内にあり、粘度20〜10000cP(融点より30℃高い温
度での測定値)の範囲内にあり、針入度 0.1〜50の範囲
内にあるもので、透明の熱溶融転写性ビヒクルと透明有
機顔料とからなり、前記透明の熱溶融転写性ビヒクル中
に混合されることで透明に着色する前記透明有機顔料に
より所定の色に着色されてなる透明インキであり、前記
イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層が記録紙
と実質的に等しい大きさで帯状の基材上に順次繰返し単
位で配列されているカラー熱転写用記録媒体を用い、前
記記録媒体の各色のインキ層のうちの少なくとも2つを
任意の順序でそれぞれ記録紙と合致するように重ね合わ
せ、各色のインキ層を同一記録紙上に任意の像状に熱溶
融転写させ、減法混色による部分は、前記各色のインキ
層のうちの少なくとも2つを前記記録紙上で層状に重ね
合わせて所定の色を発現させることによって、多色のカ
ラー画像を形成することを特徴とするカラー熱転写記録
方法を提供するものである。 【0014】 【作用および実施例】しかして、前記物性値を有するイ
ンキ層を熱溶融転写にて転写し、重ね合わされた箇所で
は、インキ層同士が層状のまま重なっていても、インキ
層が透明着色インキ層であるが故に、下になったインキ
層の色も上になっているインキ層を透して視認できるこ
ととなり、両インキの色は、インキ同士の混合なしに視
覚的に混合されることとなる。 【0015】従来においては、減法混色が充分に起らず
に上になったインキ層の色のみが強くなり、これをなく
すために上になるべきインキ層の色の濃度をうすめた結
果、こんどは、そのインキ層が直接記録紙上に転写され
たばあいにその色の濃度が不充分になるという問題があ
った。 【0016】しかして、本発明におけるインキ層の透明
とは、異色のインキ層同士の重ね合わせ順序を変えても
減法混色により所定の色がえられる程度のものをいう。
そしてこのような減法混色は各インキ層の平均透過率が
70%以上であれば達成される。 【0017】また、前記インキ層の粘度を20〜10000cP
(融点より30℃高い温度での測定値)の範囲内に、融点
を50〜150 ℃の範囲内に、針入度を0.1 〜50の範囲内に
特定した理由はつぎのとおりである。以下において、イ
ンキ層を重ね転写するばあい、すでに記録紙に転写され
ているドット状のインキ層を1次色インキドットとい
い、この1次色インキドット上に重ね合わせるドット状
のインキ層を2次色インキドットという。 【0018】粘度が20cP未満では、1次色インキドッ
ト、2次色インキドットともに変形、つぶれを生じ、そ
のためインキ層の層状重ねが不良になり、良好な減法混
色が生じない。粘度が10000cP を超えると、インキ層の
切れがわるくなり、転写不良が生じ、そのためインキ層
の層状重ねが不良となり、良好な減法混色が生じない。
融点が50℃未満では、1次色インキドット、2次色イン
キドットともに変形、つぶれを生じ、そのためインキ層
の層状重ねが不良になり、良好な減法混色が生じない。
融点が150 ℃を超えると、転写感度が低下し、転写不良
が生じ、そのためインキ層の層状重ねが不良となり、良
好な減法混色が生じない。 【0019】針入度が50を超えると、主に1次色インキ
ドットが変形、つぶれを生じ、そのためインキ層の層状
重ねが不良になり、良好な減法混色が生じない。針入度
が0.1 未満では、インキ層が脆く、転写不良が生じ、そ
のためインキ層の層状重ねが不良になり、良好な減法混
色が生じない。 【0020】なお、本発明によれば、異色のインキ層を
重ね合わせ状に転写するとき、両インキ層の界面の近傍
ではインキ層の重ね転写時に両インキの融着が必要であ
り、この融着により微視的に該界面部においてインキの
絵の具様混合状態が生じるが、これは均一なものであ
り、減法混色に支障はない。 【0021】さらに本発明はイエロー、マゼンタ、シア
ンの各色のインキ層が記録紙と実質的に等しい大きさと
されていることを特徴とする。 【0022】前記特開昭56-98190号公報ではインクリボ
ンの幅方向(第2図、第4図、第6図)または長さ方向
(第5図)おけるイエロー、マゼンタ、シアンの各色の
インキ層の長さが記録紙の長さまたは幅より小さくされ
ているが、このばあいにはサーマルヘッドおよび記録紙
に対するインクリボンの位置変更を頻繁に行なわなけれ
ばならず、このような頻繁な位置変更はイエロー、マゼ
ンタ、シアンの各インキ層を記録紙上で重ね合せるばあ
いに、位置ずれを生じる可能性が大きい。位置ずれが生
じると、前記透明なインキ層の重ね合せによる良好な減
法混色の発現が阻害される。 【0023】本発明では、各色のインキ層の大きさが記
録紙の大きさと等しくされているから、1枚の記録紙上
にカラー画像を形成するのに、各色のインキ層について
1回位置合せをすればよいため、各色の画像の位置ずれ
を可及的に防止でき、それゆえ前記透明インキ層の重ね
合せによる減法混色を最大限かつ確実に発揮できる。以
下、図面を用いて本発明を説明する。 【0024】図1は本発明に用いるカラー熱転写用記録
媒体の一実施例を示す概略平面図、図2は図1のX−X
線概略断面図、図3は本発明に用いる記録媒体の他の実
施例を示す概略平面図、図4および図5はそれぞれ本発
明のカラー熱転写記録方法の一例を示す概略説明図であ
る。 【0025】図1〜2に示されるように本発明の記録媒
体10は基材8上にその長さ方向に沿って連続的にイエロ
ー、マゼンタおよびシアンの各色の熱溶融性転写インキ
層(以下、感熱転写性インキ層という)9Y、9M、9
Cを配列するか、あるいは図3に示されるようにこれら
の感熱転写性インキ層9Y、9M、9Cに加えて、さら
にブラックの感熱転写性インキ層9Bを同様にして基材
8上に連続的に配列して形成されるものである。 【0026】これらの感熱転写性インキ層はイエロー、
マゼンタおよびシアン、要すればブラックを含む繰り返
し単位(A)で形成され、かつ各感熱転写性インキ層は
記録される普通紙などの記録紙7と実質的に等しいシー
ト状の大きさ(たとえばA4版、B5版など)で形成さ
れる。 【0027】図4は図1〜2に示される記録媒体を用い
てカラー画像を作成する方法を概略的に示している。図
4に示されるごとく、本発明の記録媒体10はサーマルヘ
ッド20上を経て一方向に移送される。記録媒体10はサー
マルヘッド20と基材の裏面で接触し、かつ感熱転写性イ
ンキ層9Y、9M、9Cを有する表面が普通紙などの記
録紙7と接触される。記録媒体10および記録紙7はサー
マルヘッド20上で重ね合わされ、同一速度で一方向に移
送されながら、サーマルヘッド20から加えられる熱によ
って感熱転写性インキ層が像の形態で記録紙7上に溶融
転写せられる。しかして1つの繰返し単位内において、
イエローのインキ層9Yがイエロー信号Yによる所定の
印字像を記録紙7上に転写したのち、記録紙7は再びサ
ーマルヘッド20に復帰し、マゼンタのインキ層9Mとサ
ーマルヘッド20上で重ね合わされ、マゼンタ信号Mによ
る印字像が記録紙7上に転写される。同様にして、マゼ
ンタのインキ層9Mによる印字が完了すると、再び記録
紙7がサーマルヘッド20に復帰し、シアンのインキ層9
Cがシアン信号Cにより記録紙7上に転写される。かく
して1枚の記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシア
ンの各印字像が順次形成される結果、たとえばカラー原
稿の赤色、緑色、青色に相当する部位にはそれぞれイエ
ローとマゼンタ、イエローとシアン、マゼンタとシアン
とがたがいに重ね合わされて赤色、緑色、青色を形成す
るように、またカラー原稿の黒色に相当する部位にはイ
エロー、マゼンタおよびシアンが重ね合わされて黒色を
形成するように、これらイエロー、マゼンタおよびシア
ンの各画像がたがいに重ね合わされて所望のカラー画像
を記録紙上に再現させることができる。なおカラー原稿
のイエロー、マゼンタ、シアンに相当する部位ではイエ
ロー、マゼンタ、シアンは重ね合わされない。 【0028】したがって、本発明の記録媒体10は1枚の
記録紙7上にイエロー、マゼンタおよびシアンの各印字
像を順次形成せしめてこれらの重ね合わせにより所望の
カラー画像をうるものであり、いわゆる面順次方式のカ
ラープリントに採用しうる記録媒体10を提供するもので
ある。 【0029】図5は図4に示されるカラープリント方法
を実施するための好ましい実施態様を示しており、記録
紙7はドラム30上にその端部が突き合わせるごとく巻き
つけられており、該記録紙7は記録媒体10を介してサー
マルヘッド20と対向される。記録媒体10は供給ロール11
から所定の速度でサーマルヘッド20へ送られ、巻取ロー
ル12で巻き取られるように構成される。しかして各感熱
転写性インキ層9Y、9M、9Cは記録紙7と同じ大き
さであり、かつ記録紙7を巻きつけたドラム30が記録媒
体10と同一速度で回転されることにより、記録紙7上に
形成されるイエロー、マゼンタおよびシアンの各画像の
ずれが生じるのを排除することができ、そのため感熱プ
リンターの機構が簡単になり、その取り扱いをいちじる
しく容易ならしめるというすぐれた利点を有する。 【0030】前記サーマルヘッド20は記録媒体10の全巾
にわたって該記録媒体10に対向せられ、このものは通常
のラインプリンターにおけると同様なラインヘッドであ
る。高い解像度のカラー画像を作成するうえで、サーマ
ルヘッド20は加熱素子が1mmあたり8〜16本であるのが
好ましい。 【0031】なお以上の説明においては、カラー画像が
イエロー、マゼンタおよびシアンの順で記録紙7上に形
成されるばあいについて説明したが、その順序はとくに
制限されるものではない。 【0032】本発明における感熱転写性インキ層9Y、
9M、9Cはそれぞれイエロー、マゼンタおよびシアン
の各透明着色剤を含み、さらにバインダー剤および柔軟
剤からなる単一層である。 【0033】イエローを形成する透明着色剤としては、
たとえばナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハン
ザエロー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハ
ンザエローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベ
ンジジンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエロ
ーGR、パーマネントエローNCG、キノリンエローレ
ーキなどの有機顔料の1種または2種以上が用いられ
る。 【0034】またマゼンタを形成する透明着色剤として
は、たとえばパーマネントレッド4R、ブリリアントフ
ァストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パー
マネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネント
レッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメント
スカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレ
ーキY、アリザリンレーキなどの有機顔料の1種または
2種以上が用いられる。 【0035】さらにシアンを形成する透明着色剤として
は、たとえばビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシ
アニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイ
ブルーなどの有機顔料の1種または2種以上が用いられ
る。 【0036】ここで、前記イエロー、マゼンタおよびシ
アンを形成する有機顔料とは、いずれもビヒクル(バイ
ンダー剤、柔軟剤など)中に分散させたとき、透明に着
色する有機顔料をいう。 【0037】各透明着色剤は感熱転写性インキ層の総量
に対して1〜20部(重量部、以下同様)、より好ましく
は5〜15部の範囲で使用されうる。透明着色剤の含有量
が前記範囲より大なるときは透明性が低下し、色再現が
困難となり、また前記範囲より小なるときは着色力が低
下し、いずれも好ましくない。 【0038】なお前記ブラックの感熱転写性インキ層9
Bは、たとえばカーボンブラック、ニグロシンベースな
どの着色剤を含有するものであって、イエロー、マゼン
タおよびシアンの3色重ね合わせでは鮮明な黒色を再現
させるのが困難なばあいに用いられる。 【0039】本発明における前記感熱転写性インキ層は
該インキ層総量100 部に対して着色剤、バインダー剤お
よび柔軟剤をそれぞれ1〜20部、20〜80部および3〜25
部の割合で配合されてなる組成物を基材8上にホットメ
ルトコーティングするか、あるいはソルベントコーティ
ングするなどして形成される厚さ1〜10μのインキ層で
ある。 【0040】バインダー剤としては、針入度が10〜30
(25℃)の固体ロウを用いるのが、えられるインキ層の
感熱性を向上せしめるうえで好ましく、たとえばカルナ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、木ろう、
ミツロウ、セレシンワックス、鯨ロウなどのワックス類
が用いられるが、さらに必要に応じて低分子量ポリエチ
レン、酸化ワックス、エステルワックスなど容易に溶融
しうる物質を併用して用いてもよい。 【0041】また柔軟剤としては、たとえば石油樹脂、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
共重合体、セルロースエステル類、セルロースエーテル
類、アクリル系樹脂類などのごとき容易に熱溶融性しう
る物質または潤滑油が好適に使用される。 【0042】さらに本発明においては、かかる感熱転写
性インキ層に良好な溶融転写性を付与させるために、体
質顔料を配合することができる。 【0043】体質顔料としては、たとえばコロイダルシ
リカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、カ
オリン、珪酸カルシウム、アエロジル、ホワイトカーボ
ンなどの比較的透明性の高いものが好適に使用される。 【0044】体質顔料はインキ層総量100 部に対して0
〜10部の割合で配合される。 【0045】かくしてえられる感熱転写性インキ層はそ
の溶融転写性(記録紙上への溶融転写性および記録紙上
にすでに転写されているインキ層上への溶融転写性を含
む)を向上せしめるうえで融点が50〜150 ℃で粘度が10
〜10000cP (融点より30℃高い温度での測定値)である
のが好ましく、また該インキ層は柔らかいと汚れやすく
なるために硬い目のものが好ましく、具体的には針入度
(JIS K 2530) が0.1〜50の範囲内で好適に使用しう
る。 【0046】本発明における前記基材8は、適度な耐熱
強度を有し、かつ熱伝導性にすぐれたものであるのが好
ましく、たとえば厚さ3〜25μで密度0.8 〜1.5 cm3
プラスチックフィルム(セロハン、ポリイミド、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン
など)または紙(コンデンサー紙、グラシン紙、合成
紙、ラミネート紙など)が好適に使用される。 【0047】なお本発明においては、各色の感熱転写性
インキ層9Y、9M、9C、9Bをそれらの間に間隙を
もって基材上に形成するようにしてもよいが、図1〜3
に示されるように隣接するインキ層がたがいに突き合わ
されるように密接して基材上に形成するのがカラープリ
ント操作を容易にするうえで好ましい。隣接するインキ
層をたがいに密接して設けるには、凸版塗り、グラビア
塗り、フレキソ塗り、シルクスクリーン塗りなどの通常
のカラー印刷で一般に用いられる塗布方法を用いればよ
い。 【0048】以上詳述せるごとく、本発明の記録媒体は
イエロー、マゼンタおよびシアンの少なくとも3色の感
熱転写性インキ層9Y、9M、9Cからサーマルヘッド
20により1枚の記録紙7上に順次それぞれの色の画像を
溶融転写させ、それらの画像の重ね合わせにより所望の
鮮明なカラー画像をうるというまったく新たなカラープ
リント方式に好適に採用されるものである。しかして本
発明の記録媒体を用いるカラープリント方式において
は、カラープリンターやカラーファクシミリの機構が複
雑になることがなく、その取り扱いが容易でかつ信頼性
をいちじるしく向上させ、しかも安価に製造することが
でき、それゆえ感熱方式のカラープリンターやカラーフ
ァクシミリの実用化に大きく貢献しうるものである。 【0049】加えて、本発明の記録媒体は溶融転写性に
きわめて優れているために、サーマルヘッド20に加えら
れるパルス信号の強さを変えることによってインキ層の
転写量を調整することができ、中間調の再現やもとの色
調に忠実なカラー画像をうることができ、また該カラー
画像はきわめて堅牢であり、さらにコピーシート7とし
て通常の普通紙を用いることができるためにランニング
コストが安価であるなどの顕著な効果を奏しうる。 【0050】かかる本発明の熱転写用リボンは感熱プリ
ンターを用いるカラープリンター、カラーファクシミ
リ、カラービデオプリンター、カラーコピーマシンなど
の実用化に大きく寄与しうるものであり、その実用的価
値はきわめて大なるものがある。 【0051】本発明の記録媒体を用いてえられたカラー
画像は鮮明で高い解像度を有していた。 【0052】 【発明の効果】熱溶融転写記録において、各色の透明な
インキ層を層状重ねすることによる減法混色により、色
再現性よく多色のカラー画像をうることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いるカラー熱転写用記録媒体の一実
施例を示す概略平面図である。 【図2】図1のX−X線概略断面図である。 【図3】本発明に用いる記録媒体の他の実施例を示す概
略平面図である。 【図4】本発明のカラー熱転写記録方法を示す概略説明
図である。 【図5】本発明のカラー熱転写記録方法を示す概略説明
図である。 【図6】カラープリント方式を示す概略説明図である。 【符号の説明】 7 記録紙 8 基材 9Y、9M、9C 感熱転写性インキ層 10 記録媒体 A 繰返し単位

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 イエローに着色された熱溶融転写インキ層と、マゼ
    ンタに着色された熱溶融転写インキ層と、シアンに着色
    された熱溶融転写インキ層とを同一記録紙上に任意の像
    状に熱溶融転写させて、前記各色のインキ層のそれぞれ
    によりおよびそれらの2つ以上のインキ層が層状に重ね
    られてなる減法混色により前記記録紙上に多色の印像を
    形成する記録システムに用いられるカラー熱転写用記録
    媒体であって、基材の片面に層状に配された前記熱溶融
    転写インキが、融点50〜 150℃の範囲内にあり、粘度20
    〜10000cP(融点より30℃高い温度での測定値)の範囲内
    にあり、針入度 0.1〜50の範囲内にあるもので、透明の
    熱溶融転写性ビヒクル中に混合されることで透明に着色
    する透明着色剤により所定の色に着色されてなる透明イ
    ンキであり、前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色の
    インキ層が相互に重なり合わないように、かつ記録紙と
    実質的に等しい大きさで帯状の基材上に順次繰返し単位
    で配列されていることを特徴とするカラー熱転写用記録
    媒体。 2 前記透明着色剤が、前記ビヒクル中に分散させたと
    きに透明に着色する有機顔料である特許請求の範囲第1
    項記載のカラー熱転写用記録媒体。 3 前記イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインキ層
    の厚さが1〜10μで、各インキ層における着色剤の含有
    量が1〜20重量%である特許請求の範囲第1項または第
    2項記載のカラー熱転写用記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120259007A1 (en) * 2009-12-23 2012-10-11 Haoma Medica Limited Anticoagulant compounds and their use

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