JPH071690Y2 - 車両用灯具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等の車両に装備される車両用灯具に係
り、特に灯具ボディのシール溝と該灯具ボディの前面開
口部を被蓋して灯室を形成する前面レンズのシール脚と
の嵌合構造に関するものである。

〔従来の技術〕 近年車両の外観意匠の高級化に対応して車両用灯具を複
数の機能ランプが一体的に並設された所謂コンビネーシ
ョンランプとして構成したり、車体グリル部に構成する
ガーニッシュと一体的に組み込んだ構造に成り、車両の
横幅一杯に構成すると共に、該車両用灯具の前面を覆う
レンズについても横長一体化した一枚の前面レンズによ
り構成されたものが多用されるように成っている。

このような前面レンズ50は、第９図及び第10図に示すよ
うに、灯具ボディ51の前面開口部周縁に形成したシール
溝52内に、該シール溝52に対応して形成した前面レンズ
50のシール脚53を挿入して接着剤54により接着固定する
構造に成ると共に、該シール溝52とシール脚53の嵌合部
には該嵌合部の機械的強度を増加して灯具ボディ51の前
面開口部周縁からの前面レンズ50の脱落を防止する嵌合
構造を構成している。

上記嵌合構造は、一般的にはシール脚53側に突設した複
数のランス爪55を、これに対応してシール溝52側に穿設
したランス孔56内に該シール溝52部の材質弾性を利用し
て強制的に嵌合させる構造に成っている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の嵌合構造によっては、前面レンズ50
のシール脚53に突設したランス爪55が灯具ボディ51のシ
ール溝52部の弾性変形を利用してその溝壁外端面に穿設
したランス孔56内に強制的に嵌合するものであるため、
該嵌合時に灯具ボディ51側のシール溝52の溝壁部分がラ
ンス爪55によって無理に押し広げられて変形してしまい
（矢印Ｘ）、該嵌合部の整合状態が得られないばかりで
なく、ランス爪55のランス孔56に対する掛合代が少なく
成り、前面レンズ50が灯具ボディ51の前面開口部周縁か
ら浮き上がったり、最悪の場合には離脱してしまう等の
原因に成り、また製品としての耐久性が悪くなるという
問題を有するものであった。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、ラ
ンス孔に対するランス爪の嵌合に際して灯具ボディがの
シール溝部の変形を防止すると共に、灯具ボディと前面
レンズの装着整合性の良い車両用灯具を提供することを
目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る車両用灯具
は、前面レンズのシール脚の外側端面に複数個のランス
爪を突設すると共に、該ランス爪に対応し、これを嵌合
させるランス孔を灯具ボディのシール溝の溝壁に穿設
し、上記各ランス孔の近傍において、前面レンズの嵌合
方向に延びるように上記灯具ボディのシール溝の溝壁外
端面にリブを形設したことを要旨とするものである。

〔作用〕

而して、上記構成によれば、ランス爪をランス孔に嵌合
させたときに、受け治具に灯具ボディのシール溝の溝壁
外端面に形設したリブが当接し、該シール溝部の機械的
な変形を防止するため、嵌合後に両者の嵌合代が少なく
なることがなく、また灯具ボディと前面レンズの装着後
に両者の整合性や機械的強度を向上することができる。

なお、ランス爪をランス孔に嵌合する際には、リブをラ
ンス孔の近傍に形設したものであるため、このリブがシ
ール溝の弾性変形を妨げることなく、ランス爪をランス
孔に容易に嵌合させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案に係る車両用灯具の実施例を図面に従って
説明する。

第１図乃至第６図は、ガーニッシュの左右両側部に後退
灯を一体的に構成した車両用灯具を示すものであり、リ
ヤコンビネーションランプ間に形成した灯具ボディ１の
左右両側に後退灯用の灯室２を形成し、それぞれの内面
後端部に反射鏡３を固設し、該反射鏡３の後端に嵌合し
たバルブホルダ４に所定の照度を有する点灯用のバルブ
５を配設して成る。上記灯室２は、その周縁にシール溝
６を形成すると共に、該シール溝６に前方に位置し、灯
具ボディ１の前面開口部周縁を形成するシール溝７を構
成して成り、上記内側のシール溝６にはガーニッシュ部
８との間に灯室２を画成する補助ボディ９のシール脚10
を嵌合し、接着剤11により一体的に固設して成る。この
補助ボディ９は、機能ランプとして、その前方に所定の
配置光面を形成し得る大きさに灯室２を形成すべく、そ
の一部分を覆う上縁部12と、該上縁部12の内周縁には、
機能ランプとしての所定の照射光を得るための透明レン
ズ13のシール脚14を嵌合固定するためのシール溝15が形
成してあり、該シール溝15は、上記灯具ボディ１の前面
開口縁部に形成したシール溝７と同一の前面レンズ16の
装着面を形成する高さ位置に形成してある。即ち、上記
前面レンズ16は、その外周縁部に形成したシール脚17を
上記灯具ボディ１のシール溝７内に嵌合し、接着剤18に
より固定すると共に、灯室２の前面に位置する開口部の
内縁に形成したシール脚19を上記透明レンズ13のシール
脚14と共に補助ボディ９のシール溝15内に嵌合固定する
構造に成っている。

上記前面レンズ16は、本実施例においては上述の如くガ
ーニッシュとして構成したものであり、該部内面には適
宜図形又は文字等の表示部20を形成し、かつ灯具ボディ
１のガーニッシュ部８の表面には拡散ステップ21を刻設
して外光による再帰反射作用を呈することにより上記前
面レンズ16の内面に形成した表示部20を輝光表示するよ
うに構成したものである。

第７図及び第８図は、上記灯具ボディ１と前面レンズ16
の接合部に構成した嵌合構造及び該嵌合構造の嵌合方法
を示すものであり、前面レンズ16のシール脚17の外側端
面複数個所にランス爪22を形成すると共に、該ランス爪
22に対応する灯具ボディ１のシール溝７の溝壁にランス
孔23を穿設し、シール溝７内にシール脚17を嵌合させた
ときに上記ランス爪22がランス孔23内に嵌入し、相互に
掛止作用により灯具ボディ１に対する前面レンズ16の接
合部における機械的強度を得る構造にしたものである。
24は、上記ランス孔23の近傍において、前面レンズ16の
嵌合方向に延びるようにシール溝７の溝壁外端面に形設
したリブである。このリブ24は、灯具ボディ１の前面開
口部に前面レンズ16を被蓋するときに、受け治具Ｙの端
面に当接して灯具ボディ１のシール溝７の溝壁が前面レ
ンズ16のシール脚17に突設したランス爪22によって外方
に押し広げられ、該部の変形や座屈が発生することを防
止するためのものであり、その突出端縁は、上記受け治
具Ｙの端面形状に適合する形状や長さ、乃至は高さに形
成することができるものである。

上記ランス爪22及びランス孔23より成る嵌合構造の形成
数や形成部位は、車両用灯具の大きさや形状等にに応じ
て適宜設計変更することができるものであることは当然
である。

〔考案の効果〕

本考案に係る車両用灯具は、以上のように構成したか
ら、灯具ボディのシール溝に対する前面レンズのシール
脚の嵌合工程において、シール脚に突設したランス爪に
よってシール溝の溝壁が押し広げられて変形し、嵌合不
良による装着不整合等が発生する事故を防止すると共
に、仕上がり状態の良い車両用灯具を提供することがで
きるものであり、本考案実施後の実用上の効果に優れて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用灯具に関する実施例を示す
部分正面図、 第２図は同じく部分背面図、 第３図は第１図III-III線断面図、 第４図は第１図IV-IV線断面図、 第５図は第１図Ｖ−Ｖ線断面図、 第６図は第５図VI部拡大図、 第７図は本考案に係る嵌合構造の嵌合方法を示す要部拡
大断面図、 第８図は同じく要部斜視図、 第９図は従来の嵌合構造を示す縦断面図、 第10図は同じく従来の嵌合構造による嵌合方法を示す説
明図である。 １……灯具ボディ、７……シール溝 16……前面レンズ、17……シール脚 22……ランス爪、23……ランス孔 24……リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面レンズのシール脚の外側端面に複数個
   のランス爪を突設すると共に、該ランス爪に対応し、こ
   れを嵌合させるランス孔を灯具ボディのシール溝の溝壁
   に穿設し、 上記各ランス孔の近傍において、前面レンズの嵌合方向
   に延びるように上記灯具ボディのシール溝の溝壁外端面
   にリブを形設したことを特徴とする車両用灯具。