JPH07168448A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH07168448A
JPH07168448A JP5342691A JP34269193A JPH07168448A JP H07168448 A JPH07168448 A JP H07168448A JP 5342691 A JP5342691 A JP 5342691A JP 34269193 A JP34269193 A JP 34269193A JP H07168448 A JPH07168448 A JP H07168448A
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developing
image
carrier
magnetic
developer
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JP5342691A
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Inventor
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Kenichiro Waki
健一郎 脇
Masaru Hibino
勝 日比野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドット分布潜像の低濃度領域においてガサツ
キのない良好なハーフトーン画像を得ることができ、か
つ高濃度領域において現像効率のよい現像装置を備えた
画像形成装置を提供する。 【構成】 磁性キャリアの磁化の強さρd(emu/c
3 )は、1mm2 当りの画素数をXとし、かつ、60
≦X≦10000としたとき、 X<200の場合、30≦ρd≦15000/X X≧200の場合、30≦ρd≦75 の条件を満たす
ものとし、更に、現像磁極の半値幅を35度以上とする
ことにより、現像スリーブ上の滞留トナーを現像スリー
ブ回転方向下流に搬送可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録画像信号に対応
して像担持体に形成されたドット分布静電潜像を、トナ
ーと磁性キャリアとを有する現像剤の磁気ブラシにより
現像する現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被記録画像信号に対応して変調されたレ
ーザービームにより電子写真感光体を走査露光し、ドッ
ト分布静電潜像、即ち、ドット状の潜像を画像に対応し
て分布させた静電潜像を形成する画像形成方法が知られ
ている。その中でもレーザーの駆動パルス電流の幅(即
ち継続時間長)を被記録画像の濃淡に対応して変調す
る、所謂パルス幅変調(PWM)法は、高記録密度(即
ち高解像度)を得ることができ、且つ、高い諧調性を得
ることができる。
【0003】ところが、PWM法を用いてドット分布静
電潜像を感光体に形成し、2成分現像剤の磁気ブラシを
感光体に接触させて、この静電潜像を反転現像したとこ
ろ、形成された現像画像の反射濃度にして0.3以下の
ハーフトーン領域において、ガサツキ、即ち、濃度の細
かいムラの分布が生じた。このガサツキは文字原稿等に
おいてはあまり発生せず、写真原稿等の濃度の薄い領域
にて多く発生した。
【0004】そこで、ガサツキの発生原因について検討
を行ったところ以下のことが判明した。
【0005】通常ドット分布潜像により低濃度部の潜像
を形成する場合、ミクロに見ると感光体上の潜像は、ア
ナログ潜像のようなブロードな潜像ではなく、図14に
示すような局所的なドット状潜像の2次元的分布となっ
ている。更により低い濃度の潜像を再現しようとする
と、感光体の膜厚の影響からドット状潜像がなまり、図
14に示すように最大コントラストV0 の非露光部電位
とドット状潜像内の絶対値で最小の電位との差が徐々に
小さくなる。
【0006】例えば、反射濃度0.2程度の画像を再現
しようとすると、そのときのドット状潜像の最大コント
ラストV0 は、150〜200V程度となる。
【0007】一方、感光体の光露光部にトナーを付着さ
せる反転現像の場合、かぶりを防止するために、振動現
像バイアス電圧のDC電圧成分は、非露光部(非画像
部)の表面電位よりも絶対値で100〜200V低く設
定されているため、最大コントラストV0 が150〜2
00Vの場合のドット状潜像の光露光部の電位と現像バ
イアスのDC電圧成分との電位差Vcontは、0〜50V
程度となる。この電位差Vcontが0〜50Vであるの
は、トナーが感光体側につくか現像剤担持体側に残留す
るか非常に不安定なコントラストである。そのために、
2成分現像剤によって上記ドット状潜像を現像する際、
磁気ブラシの感光体への接触状態が現像効率に大きな影
響を与え、磁気ブラシの穂のムラに対応したドットの欠
落等によるガサツキが発生し易くなる。
【0008】図15にこのドットの欠落状態の例を示
す。同図にてPは1画素を示している。
【0009】尚、1画素とは階調情報の最小単位を示し
ており、多値記録であるPWM方式等においては最小記
録単位のことをいう。即ち、その最小記録単位に相当す
る時間長パルスで駆動された画素は、最高濃度の画素で
あり、上記時間長より短い時間長のパルスで駆動された
光で露光された部分と非露光部分とからなる画素は、中
間調濃度の画素であり、非露光部分のみからなる画素は
最低濃度(白地)の画素である。
【0010】図15に示すように、各画素Pに、PWM
法により変調されたレーザービームによって、低濃度画
像に対応するドット状潜像L1〜L5が形成されてい
る。又、D1〜D4はトナー付着領域、即ち現像された
領域を示している。
【0011】同図において、ドット状潜像L2は完全に
現像されているが、ドット状潜像L1、L3、L4は部
分的にしか現像されてなく、又、ドット状潜像L5は全
く現像されていない。
【0012】このようにドット状潜像の欠損現像像が2
次元的に分布することにより、低濃度領域がガサついて
見えるのであり、特に複数色のトナーを重畳して、カラ
ー画像を形成する場合、このガサツキが特に目立ち画像
品質を低下させている。
【0013】この問題に対しては、磁性キャリアの磁化
の強さを弱めて磁気ブラシの密度を高め、穂ムラの影響
をなくすことによって解決することができる。
【0014】しかしながら、上記のように磁性キャリア
の磁化の強さを弱めて磁気ブラシの密度を高めると、同
時に図4のグラフに示すように磁気ブラシの垂直方向の
長さが短くなり、電子写真感光体に対する磁気ブラシの
接触ニップが図5のグラフに示すように減少することに
なる。
【0015】尚、このときのもらし量は約50mg/c
2 で一定とした。又、上記の図4、図5のデータは、
感光体が直径80mm、現像剤担持ローラが直径32m
mのものを用い、両者間の距離を最近接位置において5
00μmになるように設定し、また、垂直方向の磁気力
パターンが、図1に示すような半値幅W=30度の現像
剤担持ローラを用いた場合である。
【0016】この接触ニップの減少によって、図7に示
すように同現像コントラストにおける画像濃度の低下が
発生する。この画像濃度の低下は以下の要因によって発
生する。例えば、非磁性1成分現像方式のように磁気ブ
ラシのない現像方法においては、曲率をもった現像スリ
ーブと感光ドラム間に振動電界が形成されトナー粒子が
往復するとき、図3に示すように現像領域上流部におい
ては、電界の向きが搬送方向の逆方向に形成されるた
め、このトナー粒子、特に電荷量の高いトナー粒子は、
現像領域上流部での滞留現象を起こし易くなり感光ドラ
ムへの現像トナー量の減少や後端部はきよせが発生す
る。
【0017】この非磁性1成分現象方式に対して非磁性
2成分現像方式のように磁気ブラシによって現像する場
合、上記のトナー粒子の滞留を磁気ブラシによって搬送
することができるため、上記のような感光ドラムへの現
像トナー量の減少や後端部はきよせが発生することはな
かった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように磁性キャリアの磁化の強さを弱めると磁気ブラシ
の垂直方向の長さが短くなり、電子写真感光体に対する
磁気ブラシの接触ニップが減少する。このため磁気ブラ
シが接触していない上流部の領域にトナーの滞留が発生
し、従来、非磁性2成分現像方式では見られなかった現
像トナー量の減少や後端部はきよせが若干発生するよう
になり、画像濃度の低下を招来する結果となった。
【0019】従って、本発明の目的は、ドット分布潜像
の低濃度領域においてガサツキのない良好なハーフトー
ン画像を得ることができ、且つ、高濃度領域において現
像効率のよい現像装置を備えた画像形成装置を提供する
ことである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
トナー及び磁性キャリアを有する現像剤を、像担持体に
対向配置された現像剤担持体により現像部に搬送し、該
現像剤担持体の内部に配置された磁石の現像磁極が前記
現像部に形成する現像磁界中で、前記現像剤の磁気ブラ
シを前記像担持体に接触させ、被記録画像信号に対応し
て前記像担持体に形成されたドット分布静電潜像を前記
現像剤担持体に振動バイアス電圧を印加することにより
現像する画像形成装置において、前記磁性キャリアは、
前記現像磁極の前記現像剤担持体表面上での垂直磁界の
ピーク値の磁界を印加した時の磁化の強さρd(emu
/cm3 )が、前記ドット分布静電潜像の1mm2 当た
りの画素数をXとし、かつ、60≦X≦10000とし
たとき、 X<200の場合、30≦ρd≦15000/X X≧200の場合、30≦ρd≦75 の条件を満足し、前記現像剤担持体と前記像担持体との
最近接位置よりも前記現像剤担持体回転方向上流部に振
動電界によって滞留したトナーを、回転方向下流に搬送
する手段を有することを特徴とする画像形成装置であ
る。
【0021】好ましくは、前記滞留トナーを回転方向下
流に搬送する手段は、半値幅が35度以上の現像磁極を
備えた前記磁石である。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る画像形成装置の実施例を
図面に則して更に詳しく説明する。
【0023】実施例1 図16は、本発明が適用できる電子写真方式カラープリ
ンタの構成図である。
【0024】このプリンタは、矢印方向に回転する電子
写真感光ドラム3を備え、該感光ドラム3の周囲には、
帯電器4、現像器1M、1C、1Y、1BKを備えた回
転現像装置1、転写用放電器10、クリーニング手段1
2、及び感光ドラム3の図面上方に配設したレーザービ
ームスキャナLS等からなる画像形成手段が配設されて
いる。各現像器は、トナー粒子とキャリア粒子を含有す
る2成分現像剤を感光ドラム3に供給する。現像器1M
の現像剤はマゼンタトナーを、現像器1Cの現像剤はシ
アントナーを、現像器1Yの現像剤はイエロートナー
を、現像器1BKの現像剤は黒トナーを含有する。ここ
で今回用いた電子写真感光ドラムは直径80mm、現像
器中の現像スリーブは直径32mmの垂直方向の磁気力
パターンが図1に示すようなものを用いた(半値幅W=
30度)。又、現像剤のもらし量は約50mg/cm2
で一定にした。
【0025】被複写原稿は、不図示の原稿読み取り装置
で読み取られる。この読み取り装置は、CCD等の、原
稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有してお
り、原稿のマゼンタ画像情報、シアン画像情報、イエロ
ー画像情報、白黒画像情報に、それぞれ対応した画像信
号を出力する。レーザービームスキャナLSに内蔵され
た半導体レーザは、これらの画像信号に対応して制御さ
れ、レーザービームLを射出する。尚、電子計算機から
の出力信号をプリントアウトすることもできる。
【0026】カラープリンタ全体のシーケンスについ
て、フルカラーモードの場合を例として簡単に説明する
と先ず、感光ドラム3は帯電器4によって均等に帯電さ
れる。次にマゼンタ画像信号により変調されたレーザー
光Lにより走査露光が行われ、感光ドラム3上にドット
分布静電潜像が形成され、この潜像は予め現像位置に定
着されたマゼンタ現像器1Mによって反転現像される。
【0027】一方、カセットCSから取り出され、給紙
ガイド5a、給紙ローラー6、給紙ガイド5bを経由し
て進行した紙等の転写材は、転写ドラム9のグリッパ7
により保持され、当接用ローラ8とその対向極によって
静電的に転写ドラム9に巻き付けられる。転写ドラム9
は、感光ドラム3と同期して図示矢印方向に回転してお
り、マゼンタ現像器1Mで現像されたマゼンタ顕画像
は、転写部において転写帯電器10によって転写材に転
写される。転写ドラム9はそのまま回転を継続し次の色
の画像の転写に備える。
【0028】一方、感光ドラム3は、帯電器11により
除電され、クリーニング手段12によってクリーニング
され、再び帯電器4によって帯電され、次のシアン画像
信号により変調されたレーザービームLにより上記のよ
うな露光を受け、静電潜像が形成される。この間に現像
装置1は回転して、シアン現像器1Cが所定の現像位置
に定置されていて、シアンに対応するドット分布静電潜
像の反転現像を行い、シアン顕画像を形成する。
【0029】続いて、以上のような工程を、それぞれイ
エロー画像信号、及びブラック画像信号に対して行い、
4色分顕画像(トナー像)の転写が終了すると、転写材
は、各帯電器13、14により除電され、グリッパ7で
解除すると共に、分離爪15によって転写ドラム9によ
り分離され、搬送ベルト16で定着器(熱圧ローラ定着
器)17に送られる。定着器17は転写材上に重なって
いる4色の顕画像を定着する。
【0030】こうして一連のフルカラープリントシーケ
ンスが終了し、所要のフルカラープリント画像が形成さ
れる。
【0031】レーザービームスキャナLSに内蔵された
半導体レーザー素子102は、図17に示すように、レ
ーザー光を発生するための発光信号(駆動信号)を送る
発光信号発生器であるレーザードライバ500に接続さ
れ、該レーザードライバの発光信号に応じて明滅する。
レーザー素子102から放射されたレーザー光束Lは、
コリメータレンズ系103にて略平行光とされる。
【0032】ポリゴンミラー、即ち、回転多面鏡104
は、矢印B方向に一定速度で回転することにより、コリ
ーメーターレンズ系103から射出された平行光を矢印
C方向に走査する。回転多面鏡104の前方に設けたf
−θレンズ群100は、該多面鏡104により偏向され
たレーザー光束を被走査面、即ち感光ドラム3上にスポ
ット状に結像すると共に、その走査速度を被走査面上に
おいて等速とする。以上のレーザービームLによる感光
体の走査露光により、感光体3にはドット分布静電潜像
が形成される。
【0033】上記各現像器は、帯電器4による帯電極性
と同極性に帯電したトナーを潜像の明部電位部分に付着
させる反転現像を行うので、レーザービームLは感光ド
ラム3のトナーが付着されるべき領域を露光する。
【0034】本実施例においては、PWM方式(パルス
幅変調)を用いて、最小記録単位を1画素とする多値記
録によって行うため、PWM方式について簡単に説明す
る。
【0035】図18はパルス幅変調回路の一例を示す回
路ブロック図、図19はパルス幅変調回路の動作を示す
タイミングチャートである。
【0036】図18において、401は8ビットのデジ
タル画像信号をラッチするTTLラッチ回路、402は
TTL論理レベルを高速ECL論理レベルに変換するレ
ベル変換器、403はECL論理レベルをアナログ信号
に変換するD/Aコンバーターである。404はPWM
信号を発生するECLコンパレーター、405はECL
論理レベルをTTL論理レベルに変換するレベル変換
器、406はクロック信号2fを発振するクロック発振
器、407はクロック信号2fに同期して略理想的三角
波信号を発生する三角波発生器、408はクロック信号
2fを1/2分周して画像クロック信号fを作成してい
る1/2分周期である。これによりクロック信号2fは
画像クロック信号fの2倍の周期を有していることとな
る。尚、回路を高速動作させるために、随所にECL論
理回路を配している。
【0037】つぎにかかる構成からなる回路動作を、図
19のタイミングチャートを参照して説明する。信号a
はクロック信号2f、信号bは画像クロック信号fを示
しており、図示のごとく画像信号と関係付けてある。ま
た、三角波発生器407内部においても、三角波信号の
デューティー比を50%に保つため、クロック信号2f
を一旦1/2分周してから三角波信号cを発生させてい
る。更に、この三角波信号cはECLレベル(0〜−1
V)に変換されて三角波信号dになる。
【0038】一方、画像信号は00h(白)〜FFh
(黒)まで例えば256階調レベルで変化する。尚、記
号「h」は16進数表示を示している。そして画像信号
eはいくつかの画像信号値についてそれらをD/A変換
したECL電圧レベルを示している。例えば、第1画素
は最高濃度画素レベルのFFh、第2画素は中間調レベ
ルの80h、第3画素は中間調レベルの40h、第4画
素は中間調レベルの20hの各電圧を示している。
【0039】コンパレーター404は三角波信号dと画
像信号eを比較することにより、形成すべき画素濃度に
応じたパルス幅(時間長)T、t2 、t3 、t4 等のP
WM信号を発生する。低濃度画素に対応するパルス幅程
狭くなる。そしてこのPWM信号は、OV又は5VのT
TLレベルに変換されてPWM信号fになりレーザード
ライバ回路500に入力される。
【0040】このようにして得られたPWM信号値に対
応して1画素当たりの露光時間を変化させることにより
1画素で256階調を得ることが可能となる。
【0041】尚、図19のhは各駆動パルス幅に対応す
る感光体のレーザービーム露光面積形状を示す。各ドッ
ト潜像の面積形状もこの露光面積形状に略対応する。
【0042】図19において、a〜gの信号波形に関す
る横軸は時間であり、hに関する横軸はビーム走査方向
の距離である。
【0043】次に、感光ドラム3に形成されたドット分
布静電潜像を顕像化する現像装置1M〜1BKについ
て、図20により説明する。
【0044】現像装置は現像剤容器18を備え、その内
部は隔壁19によって現像室(第1室)R1 と攪拌室
(第2室)R2 とに区画され、攪拌室R2 の上方にはト
ナー貯蔵室R3 が形成され、該トナー貯蔵室R3 内には
補給用トナー(非磁性トナー)20が収容されている。
なお、トナー貯蔵室R3 には補給口21が設けられ、現
像で消費されたトナーに見合った量のトナーが補給口2
1を経て攪拌室R2 内に落下補給される。
【0045】これに対し、現像室R1 及び攪拌室R2
には上記トナー粒子と磁性キャリア粒子が混合された現
像剤22が収容されている。
【0046】トナーとしては、バインダー樹脂に着色剤
や帯電制御剤等を添加した公知のものが使用でき、本実
施例においては体積平均粒径が8μmのものを使用し
た。ここでトナーの体積平均粒径は例えば、下記測定法
で測定されたものを使用する。
【0047】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、
体積平均分布を出力するインターフェース(日科機製)
及びCX−iパーソナルコンピュータ(キャノン製)を
接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%Na
cl水溶液を調整する。
【0048】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、上記コールターカウンタ
ーTA−II型によりアパーチャーとして100μmア
パーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測
定し体積分布を求める。これら求めた体積分布により、
サンプルの体積平均粒径が得られる。
【0049】一方、磁性キャリアとしては磁性体粒子の
表面に極めて薄い樹脂コーティングを施したもの等が好
適に使用され、平均粒径5〜70μmが好ましい。キャ
リアの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は
顕微鏡法により、キャリア300個以上をランダムに選
び、その径を実測して算術平均をとることによって本発
明のキャリア粒径とした。
【0050】ところで、現像室R1 内には搬送スクリュ
ー23が収容されており、該搬送スクリュー23の回転
駆動によって現像室R1 内の現像剤22は現像スリーブ
25の長手方向に向けて搬送される。
【0051】また、貯蔵室R2 内に搬送スクリュー24
が収容されており、該搬送スクリュー24はその回転に
よってトナーを現像スリーブ25の長手方向に沿って搬
送する。尚、搬送スクリュー24による現像剤搬送方向
は搬送スクリュー23によるそれとは反対方向である。
【0052】隔壁19には図、20上において手前側と
奥側に開口がそれぞれ設けられており、搬送スクリュー
23で搬送された現像剤が一方の開口から搬送スクリュ
ー24に受け渡され、スクリュー24で搬送された現像
剤が他方の開口から搬送スクリュー23に受け渡され
る。トナーは磁性粒子との摩擦で潜像を現像するための
極性に帯電する。
【0053】現像剤容器18の感光ドラム3に近接対向
する部位には開口部が設けられ、該開口部にアルミニウ
ムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性現像スリーブ25が
設けられている。
【0054】現像スリーブ25は矢印b方向に回転して
トナー及びキャリアの混合された現像剤を現像部26に
担持搬送する。現像スリーブ25に担持された現像剤の
磁気ブラシは現像部26で矢印a方向に回転する感光ド
ラム3に接触し、静電潜像はこの現像部26で現像され
る。
【0055】尚、現像スリーブ25には、電源27によ
り、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が
印加される。潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電
位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と
最小値の間に位置している。これによって現像部26に
向きが交互に変化する交番電界が形成される。この振動
電界中でトナーとキャリアは激しく振動しトナーが現像
スリーブ及びキャリアへの静電的拘束を振り切って潜像
に対応して感光ドラム3に付着する。
【0056】振動バイアス電圧の最大値と最小値の差
(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、また周波数
は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形
は矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。
【0057】そして、上記直流電圧成分は潜像の暗部電
位と明部電位の間の値のものであるが絶対値で最小の明
部電位よりも暗部電位の方により近い値であることが、
暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止する上で好
ましい。
【0058】又、現像スリーブ25と感光ドラム3の最
小間隙(この最小間隙位置は現像部26内にある)は
0.2〜1mmであることが好適である。
【0059】又、現像剤容器18には一端が現像スリー
ブ25に近接するように現像剤層厚規制ブレード28が
支持されており、現像スリーブ25が現像部26に担持
搬送する2成分現像剤の層厚を規制する。現像剤層厚規
制ブレード28により規制されて現像部26に搬送され
る現像剤量は、後述の現像磁極S1の現像部26での磁
界により形成される現像剤の磁気ブラシのスリーブ表面
上での高さが、感光ドラム3を取り去った状態で、スリ
ーブ及び感光ドラム間の最小間隙値の1.2〜3倍とな
るような量であることが好ましい。
【0060】現像スリーブ25内にはローラ状の磁石2
9が固定配置されている。この磁石29は現像部26に
対向する現像磁極S1を有している。現像磁極S1が現
像部26に形成する現像磁界により現像剤の磁気ブラシ
が形成され、この磁気ブラシが感光ドラム3に接触して
ドット分布静電潜像を現像する。その際、磁性キャリア
の穂(ブラシ)に付着しているトナーも、この穂ではな
くスリーブ表面に付着しているトナーも、該潜像の露光
部に転移してこれを現像する。
【0061】現像磁極S1による現像磁界のスリーブ2
5表面上での強さ、即ち、スリーブ表面に垂直な方向の
磁束密度は、そのピーク値が500〜2000ガウスで
あることが好適である。
【0062】この例では磁石は上記現像磁極S1の他に
N1、N2、N3、S2極を有している。
【0063】かかる構成により、従来と同様に、現像ス
リーブ25の回転によりN2極で汲み上げられた現像剤
はS2極からN1極と搬送され、その途中で現像剤層厚
規制ブレード28で規制され、現像剤薄層を形成する。
そして現像磁極S1の磁界中で穂立ちした現像剤が感光
ドラム3上の静電潜像を現像する。その後N3極、N2
極間の反発磁界により現像スリーブ25上の現像剤は現
像室R1 内へ落下する。現像室R1 内に落下した現像剤
は搬送スクリュー23により隔壁19に設けられた一方
の開口を介して撹拌室R2 に搬送され、搬送スクリュー
24により攪拌搬送される。
【0064】このような現像装置を用いて検討を行った
ところ、上記のようなガサツキをなくすためには、現像
剤により形成される磁気ブラシの密度(単位面積当たり
の本数)を現像部において高くする必要があることが分
かった。又、磁気ブラシの密度を高める方法としては、
現像部における磁性キャリアの磁化の強さを低くするこ
とにより可能となる。
【0065】尚、磁性キャリアの磁気特性測定には理研
電子株式会社の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH
−50を用いることができる。この際、直径(内径)
6.5mm、高さ10mmの円柱状の容器にキャリアを
荷重約2g程度で充填し、容器内でキャリアが動かない
ようにしてその磁化の強さを測定する。
【0066】さて、先ず、現像磁極S1として、スリー
ブ表面上での、スリーブ表面に対する法線方向の磁束密
度のピーク値が1000ガウスであるものを使用したの
で、磁気力(磁束密度)が1000ガウスの場合のキャ
リアの磁化の値と現像部での磁気ブラシの密度の関係を
調べた処、図21に示すグラフの通りになった。
【0067】図21のグラフを見てもわかるように、現
像磁界のピーク磁束密度でのキャリアの磁化の値と磁気
ブラシの穂の密度の関係は、反比例になっている。穂の
密度をα(本/mm2 )、1000ガウスの磁気力にお
けるキャリアの磁化の値をρ1000(emu/cm3 )と
すると、α×ρ1000=600という関係になった。つま
り、ρ1000が小さくなればなるほど穂の密度αは密にな
る。
【0068】又、現像剤の穂の密度とガサツキの関係を
考える場合においては、記録密度(ドット状潜像の分布
密度、即ち画素の分布密度)を考慮に入れる必要があ
る。即ち、記録密度が低い場合には、穂の密度が多少粗
くてもガサツキは出にくいが、記録密度が高い場合に
は、穂の密度についても高密度であることが必要となっ
てくる。そこで、本実施例においては、記録密度を副走
査方向(感光体移動方向)については、200dpi、
300dpi、400dpi、600dpiと変化さ
せ、主走査方向(ビーム走査方向)については、200
dpi、400dpi、600dpiに変えた場合につ
いて実験した。下記の表1は、各記録密度の場合の磁気
ブラシの密度とガサツキの関係を示したものである。
【0069】
【表1】
【0070】表1において、記号の意味は下記の通りで
ある。 A:「ガサツキ」がなく、非常になめらかな画質 B:「ガサツキ」がなく、なめらかな画質 C:「ガサツキ」が目立たなく、なめらかな画質 D:「ガサツキ」が目立つ E:「ガサツキ」が非常に目立つ。
【0071】表1に示す結果からわかるように、記録密
度が低くても、磁気ブラシ1本当たりの画素数が25画
素以下の場合においてはガサツキは殆ど目立たなかっ
た。
【0072】又、穂の密度が1mm2 当たり8本以上あ
る場合においては、記録密度が高く磁気ブラシ1本当た
りの画素数が、25画素以上ある場合においてもガサツ
キは殆ど目立たなかった。これは人間の目の視覚限界に
よっている。
【0073】図22に示すグラフは、空間周波数ν(l
ine/mm)と認識可能なレベル数L(濃度差)との
関係を示している。尚、認識可能なレベル数Lは次の式
により表される。
【0074】
【数1】
【0075】一般にガサツキが目立ちやすい画像濃度
0.2〜0.3の低濃度部分における濃度の振れ幅は約
0.02程度であり、図22に示すグラフから、空間周
波数が約2.7(line/mm)よりも高い場合に
は、上記の程度の濃度変動については人間の目では認識
できなくなる。つまり磁気ブラシの密度が7.3(本/
mm2 、2.7×2.7=7.3)以上の場合には上記
の理由により高周波数なガサツキになるために認識しに
くくなるのである。よって穂の密度が1mm2 当たり8
本以上ある場合においては、記録密度が高く磁気ブラシ
1本当たりの画素数が、25画素数以上ある場合におい
てもガサツキは殆ど目立たなかった。
【0076】ここで、1mm2 当たりの画素数をXとし
て、上記のα×ρ1000=600という関係を用い、25
画素数当たり1本以上の磁気ブラシが必要であるとする
と、 ρ1000≦600×25/X=15000/X という式が得られる。
【0077】又、表1に示すように磁気ブラシの密度が
8本/mm2 以上になるためには、ρ1000≦75という
条件を満たせばよい。
【0078】一方、現像磁界のピーク値でのキャリアの
磁化の強さρ1000が30(emu/cm3 )より小さい
とスリーブ上での現像剤の搬送性が悪く、現像画像の画
質が劣化したり、現像剤の飛散が生じやすくなるので、
キャリアの磁化の強さρ1000は30(emu/cm3
以上であることが好ましい。
【0079】又、記録密度Xが60画素/mm2 より小
さいと、解像性も良いとは言えず従って60画素/mm
2 以上の場合に適用することが好ましい。一方、記録密
度Xが10000画素/mm2 より大になると乾式トナ
ー粒子によるドット画像の再現も困難になるので、10
000画素/mm2 以下の場合に適用することが好まし
い。
【0080】以上により、1mm2 当たりの画素数Xと
ρ1000の関係において、図13の斜線の領域を満たす場
合においてはガサツキのない、良好な画像が得られる。
即ち、図15のD1、D3、D4のような欠損画像の発
生や、L5のような非現像ドット状潜像の残存を抑制す
ることができる。
【0081】そして、上記の2式が交差する点における
1mm2 当たりの画素数Xは200(画素/mm2 )で
あるため、次のことがいえる。
【0082】すなわち、現像磁界のスリーブ表面の法線
方向の磁束密度のピーク値(dガウス)を印加したとき
の磁性キャリアの磁化の強さをρd(emu/cm3
とした場合、下記の条件を満たす磁性キャリアを用いる
ことによりガサツキが発生しにくくなり、低濃度領域に
おいて良好なハーフトーン画像を得ることができる。。 X<200の場合、ρd≦15000/X X≧200の場合、ρd≦75
【0083】又、表1から磁気ブラシの本数を15画素
当たり1本以上、又は10本/mm2 以上とすることに
より殆どガサツキは目で認識できなくなることがわかっ
た。そのためには、下記の条件を満たす磁性キャリアを
用いることが必要になる。 X<150の場合、ρd<9000/X(15画素当た
り1本以上) X≧150の場合、ρd<60(10本/mm2 以上) これは、2式が交差する点のXが150(画素/mm
2 )であるためである。
【0084】前述のように、磁性キャリアの磁化の強さ
を下げることによって、低濃度領域のガサツキをなくす
ことができる。しかしながら、磁性キャリアの磁化の強
さを下げると、磁気ブラシの密度が高まるのと同時に図
4のグラフに示すように磁気ブラシの穂の長さが短くな
るため、感光体に対する接触ニップが図5のグラフに示
すように減少する。尚、このとき用いた現像磁極の半値
幅W=30度、磁気力は1000ガウスである。このた
め図7のグラフに示すように同コントラストにおける画
像濃度の減衰が発生する。この現象は、先に説明のとお
り、曲率をもった現像スリーブと感光ドラム間に振動電
界が形成されトナー粒子が往復するとき、図3に示すよ
うに現像領域上流部においては、電界の向きが搬送方向
の逆方向に形成され、このためトナー粒子、特に電荷量
の高いトナー粒子が、現像領域上流部にて滞留現象を起
こし易くなるために発生する。
【0085】このトナー粒子の、現像流域上流部での滞
留現象が画像濃度減衰の主要因であり、トナー粒子の滞
留を搬送方向に搬送することにより画像濃度減衰を解消
することができる。本実施例では、接触ニップの減少を
防止するために、磁気ブラシの穂立ち領域を拡げること
を目的として、現像磁極における垂直方向の磁界の強さ
のピーク値に対する半値幅を拡げた。尚、半値幅とは、
現像磁極の現像剤スリーブ表面上での垂直磁界のピーク
値の磁界に対して、その磁界の強さが50%になる上流
部と下流部間の角度のことであり、図1中において、W
で示す幅である。
【0086】この半値幅Wを図1のように変化させて接
触ニップ及び画像濃度を調べた。尚、磁性キャリアとし
て磁化の強さが64emu/cm3 のものを用い、電子
写真感光ドラムが直径80mm、現像スリーブが直径3
2mmのものを用いた場合の半値幅と接触ニップの関係
は図8のグラフに示すようになることがわかった。尚、
感光ドラム及び現像スリーブ間の距離を最近接位置にお
いて500μmになるように設定した。
【0087】図8からわかるように現像極の半値幅を拡
げると接触ニップが拡がることがわかる。又、半値幅3
5度以上においてはほぼ飽和していることがわかる。今
回の検討条件は、もらし量を約50mg/cm2 で一定
にした。
【0088】尚、半値幅を拡げると接触ニップが拡がる
のは以下の理由からである。磁気ブラシの穂の長さは、
磁化の強さによるため半値幅には殆ど依存しない。穂長
は同等であるが図2に示すように半値幅を拡げると、穂
がスリーブ面に対して垂直方向に立つ領域が広くなる。
このため、感光ドラムに接触するニップが拡大される。
但し、接触ニップはスリーブ面に垂直な穂立ち状態で感
光ドラムに接触する場合で飽和する。
【0089】このように半値幅を変化させた場合の画像
濃度の変化は図10のグラフに示す通りである。図10
のグラフから、半値幅を35度以上に拡げることによっ
て画像濃度が同コントラストにおいて高くなることがわ
かる。
【0090】以上本実施例においては、低濃度領域での
ガサツキの発生を磁気ブラシの密度、即ち単位面積当た
りの磁気ブラシの本数を高めることにより防止し、更
に、高濃度領域において、現像磁極における垂直方向の
磁界の強さのピーク値に対する半値幅を35度以上と
し、穂立ち領域を広め接触ニップを確保することによっ
て、現像領域上流部に発生するトナー粒子の滞留を防止
し、現像効率を高めることができる。
【0091】実施例2 第1実施例においては、図23のグラフに示すヒステリ
シス特性を有するキャリア、即ち軟強磁性体キャリアを
使用したが、本実施例では図24のグラフに示すような
ヒステリシス特性を有するキャリア、即ち硬強磁性体キ
ャリアを使用する。
【0092】図24のグラフに示す硬強磁性キャリアは
保磁力Hc及び残留磁化ρrを有することを特徴として
いる。硬強磁性キャリアは残留磁化ρrを有するため、
外部磁場が弱まった状態、即ち現像部から離れた状態に
おいても磁化が残留するためキャリア−キャリア間の引
き合う力が強くなり、軟強磁性キャリアに比べてキャリ
ア付着、即ち、画像部にキャリアが付着し画像を乱す現
象を防止する点で有利である。
【0093】本実施例においては、潜像形成方法(パル
ス幅変調方式)及び装置構成については上記軟強磁性キ
ャリアを使用した第1実施例と同様にし、現像剤のキャ
リアのみを変更した。現像剤のキャリアとしては、保磁
力Hcはすべて約2000(Oe)のものを用い、10
00ガウスの磁気力における磁化の値ρ1000(emu/
cm3 )及び残留磁化ρrが違うキャリアを用いた。
【0094】そしてピーク値dが1000ガウスの現像
磁極S1を用いて現像部に形成された磁気ブラシの穂の
密度は、図26のグラフの白丸にて示された通りであ
り、又、ドット分布静電潜像を現像して得られた評価結
果は下記の表2の通りである。尚、表2のガサツキに関
する評価の記号の意味は表1と同じである。
【0095】
【表2】
【0096】又、図25のグラフに示されているよう
に、硬強磁性キャリアの場合も、前述の軟強磁性キャリ
アの場合と同様にα×ρ1000=600である。
【0097】又、表2からわかるように、記録密度が低
くても、磁気ブラシ1本当たりの画素数が25画素以下
の場合においてはガサツキは殆ど目立たなかった。
【0098】又、穂の密度が1mm2 当たり8本以上あ
る場合においては、記録密度が高く磁気ブラシ1本当た
りの画素数が25画素以上ある場合においてもガサツキ
は殆ど目立たなかった。これは、前述の通り人間の目の
視覚限界によっている。
【0099】又、表2から磁気ブラシの本数を15画素
当たり1本以上、又は10本/mm 2 以上とすることに
より殆どガサツキは目で認識できなくなることがわかっ
た。
【0100】一方、図26のグラフに示すように、硬強
磁性キャリアの残留磁化ρr(emu/cm3 )が相違
しても、α×ρd=600という式は成立する。即ち、
磁気ブラシの穂の密度はキャリアの残留磁化に依存する
のではなく、ピーク磁界d(ガウス)におけるキャリア
の磁化の強さに依存する。
【0101】従って、硬強磁性キャリアの場合も、前述
軟強磁性キャリアの場合と同様、現像磁界のスリーブ表
面上での、スリーブ表面の法線方向の磁束のピーク値d
(ガウス)を印加したときの磁性キャリアの磁化の強さ
をρd(emu/cm3 )とした場合、下記の条件を満
たす磁性キャリアを用いることによりドット状潜像を欠
損なく現像してガサツキが発生しにくくなり、低濃度領
域において良好なハーフトーン画像が得ることができ
る。 X<200の場合、ρd≦15000/X(25画素当
たり1本以上) X≧200の場合、ρd≦75(8本/mm2 以上) ここで、Xは上記ドット分布静電潜像の1mm2 当たり
の画素数であり60以上、10000以下である。
【0102】しかし、硬強磁性キャリアを使用する場合
も第1実施例と同様に磁性キャリアの磁化の強さを弱め
ると、穂が密になることにともない穂の長さが短くな
る。このために、磁気ブラシの感光ドラムに対する接触
ニップが減少し画像濃度低下が発生する。この現象は、
第1実施例の説明の通り、曲率をもった現像スリーブと
感光ドラム間に形成された振動電界によりトナー粒子が
往復するとき、図3に示すように現像領域上流部におい
ては、電界の向きが逆方向に形成され、このためトナー
粒子、特に電荷量の高いトナー粒子が、現像領域上流部
での滞留現象を起こし易くなるために発生する。
【0103】このトナー粒子の、現像流域上流部での滞
留現象が画像濃度減衰の主要因であり、トナー粒子の滞
留を搬送方向に搬送することにより画像濃度減衰を解消
することができる。
【0104】また、本実施例においても第1実施例と同
様に磁性キャリアとして磁化の強さが64emu/cm
3 のものを用い、第1実施例と同等の実験条件において
も半値幅と接触ニップの関係を調べたところ、第1実施
例とほぼ同様の結果が得られた。尚、その結果を示すグ
ラフは省略する。
【0105】半値幅を変化させた場合の画像濃度の変化
についても図11のグラフが示すように第1実施例と同
様に、半値幅を35度以上に拡げることによって画像濃
度が同コントラストにおいて高くなることがわかる。こ
の結果は、磁性キャリアにおける磁気ブラシの形成につ
いては、磁界下での磁性キャリアの磁化の値で決まり、
保磁力には依存しないことを示している。
【0106】以上本実施例のごとく、磁性キャリアとし
て硬強磁性キャリアを用いた場合でも、低濃度領域での
ガサツキの発生を磁気ブラシの密度、即ち単位面積当た
りの磁気ブラシの本数と高めることにより防止し、更に
高濃度領域において、現像磁極における垂直方向の磁界
の強さのピーク値に対する半値幅を35度以上にするこ
とによって、穂立ち領域を広め接触ニップを確保するこ
とによって、現像領域上流部に発生するトナー粒子の滞
留を防止し現像効率を高めることができる。
【0107】実施例3 近年、電子写真複写機等の画像形成装置の小型化に伴
い、その現像スリーブ及び電子写真感光ドラムのより一
層の小径化が望まれている。そこで、第1及び第2実施
例においては、電子写真感光ドラムを直径80mm、現
像スリーブを直径32mmとし、更に、両者間の最近接
距離を500μmとしてが、本実施例においては、電子
写真感光ドラムを40mm、現像スリーブを直径20、
25、28、32mmの4種類を用い、又、両者間の最
近接距離を500μmとした。
【0108】このように、感光ドラム及び現像スリーブ
を小径化すると曲率の関係から、磁気ブラシの穂長が同
等の場合、接触ニップが減少する。尚、穂長は曲率には
依存しない。
【0109】軟強磁性キャリアの磁化の強さを変化させ
たキャリアを用い、もらし量を約50mg/cm2 で一
定にして接触ニップを測定した結果を示したものが図6
のグラフである。尚、このとき用いた現像スリーブの直
径は25mm、現像磁極の半値幅W=30度、磁気力は
1000ガウスである。図6のグラフからもわかるよう
に図5と同様に磁性キャリアの磁化の値を小さくする
と、接触ニップが減少し、同種のキャリアにおいては現
像スリーブ及び感光ドラムを小径化した図6のグラフ場
合の方が接触ニップが狭くなっている。
【0110】例えば、磁化の強さが64emu/cm3
の磁性キャリアを用いたところ、現像スリーブの直径が
25mm以下の場合には、現像コントラストを500V
とった場合においても十分な画像濃度が得られなかっ
た。
【0111】そこで第1及び第2実施例と同様に現像磁
極の半値幅を変化させて接触ニップ及び画像濃度を、現
像コントラスト500Vとして、測定した。半値幅に対
する接触ニップ及び画像濃度はそれぞれ図9及び図12
のグラフに示す通りである。第1及び第2実施例に較べ
ると、どちらも低い値となっているが、半値幅を拡げる
ことによって画像濃度が上昇し現像磁極の半値幅が35
度以上の場合においては、現像スリーブの直径が25m
m以下の場合においても現像コントラストを500Vま
でとれば、十分な画像濃度が得られることがわかった。
【0112】以上本実施例のように現像スリーブ及び感
光ドラムを小径化した場合においても、第1及び第2実
施例と同様の効果を得ることができた。
【0113】実施例4 第1ないし第3実施例においては、現像磁極の垂直方向
の磁界の強さの半値幅を35度以上にすることによっ
て、穂立ち領域を広め接触ニップを確保し、現像領域上
流部に滞留するトナーを搬送することによって現像効率
を高めたが、本実施例においてはトナーの搬送能力を更
に向上させるために図27の模式図に示すような現像磁
極において2ピークをもつ磁気パターンのマグネットロ
ーラを用いた。
【0114】このような磁気パターンのマグネットパタ
ーンを用いると、現像領域における磁気搬送力Fθが大
きく変動するため、穂立ち状態で磁気ブラシが高速で搬
送される。このため、現像領域上流部に滞留するトナー
を搬送する力が向上し、第1ないし第3実施例よりも画
像濃度が高くなり、後端部はきよせの発生をも防止する
ことができた。
【0115】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による画像形成装置は、使用する磁性キャリアが現像磁
極の現像剤担持体表面上での垂直磁界のピーク値の磁界
を印加した時の磁化の強さρd(emu/cm3 )が、
ドット分布静電潜像の1mm2当たりの画素数をXと
し、かつ、60≦X≦10000としたとき、 X<200の場合、30≦ρd≦15000/X X≧200の場合、30≦ρd≦75 の条件を満足し、前記現像剤担持体と像担持体との最近
接位置よりも前記現像剤担持体回転方向上流部に振動電
界によって滞留したトナーを、回転方向下流に搬送する
手段を有する構成とした。これにより、低濃度領域での
ガサツキの発生を磁気ブラシの密度、即ち単位面積当た
りの磁気ブラシの本数と高めることにより防止し、更に
高濃度領域において、穂立ち領域を広め接触ニップを確
保することによって、現像領域上流部に発生するトナー
粒子の滞留を防止し現像効率を高めることができる。従
って、全濃度領域において高品質の画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像スリーブ表面における垂直成分の磁気力分
布を半値幅30度及び45度の場合について比較的に示
すグラフである。
【図2】半値幅と接触ニップの関係を半値幅の大小の場
合について比較的に示す説明図である。
【図3】トナー粒子の滞留現象の説明図である。
【図4】磁性キャリアの磁化の強さと磁気ブラシの穂長
の関係を示すグラフである。
【図5】磁性キャリアの磁化の強さと磁気ブラシの接触
ニップの関係を示すグラフである。
【図6】感光ドラム及び現像スリーブを小径化した場合
における磁性キャリアの磁化の強さと磁気ブラシの接触
ニップの関係を示すグラフである。
【図7】磁性キャリアの磁化の強さと画像濃度の関係を
示すグラフである。
【図8】現像磁極の半値幅と磁気ブラシの接触ニップの
関係を示すグラフである。
【図9】感光ドラム及び現像スリーブを小径化した場合
における磁性キャリアの磁化の強さと磁気ブラシの接触
ニップの関係を示すグラフである。
【図10】軟強磁性キャリアを用いた場合における現像
磁極の半値幅と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図11】硬強磁性キャリアを用いた場合における現像
磁極の半値幅と画像濃度の関係を示すグラフである。
【図12】感光ドラム及び現像スリーブを小径化した場
合における現像磁極の半値幅と画像濃度の関係を示すグ
ラフである。
【図13】磁性キャリアの磁化の強さと記録密度の関連
における好適範囲を示すグラフである。
【図14】ドット状潜像の電位の説明図である。
【図15】ドット状潜像の現像像の説明図である。
【図16】本発明が利用できるカラー電子写真装置の一
例を示す全体構成図である。
【図17】図16のカラー電子写真装置に利用できるレ
ーザービームスキャナの説明図である。
【図18】PWM用回路の説明図である。
【図19】PWM方式の信号波形の説明図である。
【図20】図16のカラー電子写真装置に利用できる現
像装置の構成図である。
【図21】磁性キャリアの磁化の強さと穂の密度の関係
を示すグラフである。
【図22】視力限界の説明図である。
【図23】軟強磁性キャリアのヒステリシス曲線の説明
図である。
【図24】硬強磁性キャリアのヒステリシス曲線の説明
図である。
【図25】軟強磁性キャリア、硬強磁性キャリアの磁化
の強さと穂の密度の相関を示すグラフである。
【図26】硬強磁性キャリアの磁化の強さと穂の密度の
相関を、残留磁化に関連させて示したグラフである。
【図27】本発明の第4実施例において使用したマグネ
ットローラの磁気力分布を示す模式図である。
【符号の説明】
3 感光ドラム(像担持体) 22 2成分現像剤 25 現像スリーブ(現像剤担持体) 26 現像部 29 磁石 S1 現像磁極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー及び磁性キャリアを有する現像剤
    を、像担持体に対向配置された現像剤担持体により現像
    部に搬送し、該現像剤担持体の内部に配置された磁石の
    現像磁極が前記現像部に形成する現像磁界中で、前記現
    像剤の磁気ブラシを前記像担持体に接触させ、被記録画
    像信号に対応して前記像担持体に形成されたドット分布
    静電潜像を前記現像剤担持体に振動バイアス電圧を印加
    することにより現像する画像形成装置において、 前記磁性キャリアは、前記現像磁極の前記現像剤担持体
    表面上での垂直磁界のピーク値の磁界を印加した時の磁
    化の強さρd(emu/cm3 )が、前記ドット分布静
    電潜像の1mm2 当たりの画素数をXとし、かつ、60
    ≦X≦10000としたとき、 X<200の場合、30≦ρd≦15000/X X≧200の場合、30≦ρd≦75 の条件を満足し、 前記現像剤担持体と前記像担持体との最近接位置よりも
    前記現像剤担持体回転方向上流部に振動電界によって滞
    留したトナーを、回転方向下流に搬送する手段を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記滞留トナーを回転方向下流に搬送す
    る手段が、半値幅が35度以上の現像磁極を備えた前記
    磁石であることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020140129A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

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JP2020140129A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

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