JP3105399B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP3105399B2
JP3105399B2 JP06186755A JP18675594A JP3105399B2 JP 3105399 B2 JP3105399 B2 JP 3105399B2 JP 06186755 A JP06186755 A JP 06186755A JP 18675594 A JP18675594 A JP 18675594A JP 3105399 B2 JP3105399 B2 JP 3105399B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法或いは静電
記録法などにより形成された静電潜像を現像して画像を
得る画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】被記録画像信号に対応して変調されたレ
ーザビームにより、電子写真感光体である感光ドラムを
走査露光して、ドット分布静電潜像、即ちドット状の潜
像を、画像に対応して分布させた静電潜像を形成する潜
像形成方式が知られている。その中でも、レーザの駆動
パルス電流の幅(即ち継続時間長)を被記録画像の濃淡
に対応して変調する、所謂パルス変調幅(PWM)法
は、高記録密度(即ち高解像度)を得ることができ、且
つ高い階調性を得ることができる。
【0003】ところが、PWM法を用いてドット状潜像
を感光ドラムに形成し、二成分現像剤の磁気ブラシを感
光ドラムに接触させて、静電潜像を反転現像したとこ
ろ、得られた画像は反射濃度が0.3以下のハーフトー
ン領域において、がさついてしまった。このガサツキ
は、文字原稿等においては余り発生せず、写真原稿等の
濃度の薄い領域において多く発生した。
【0004】そこで、ガサツキの発生原因について調
査、検討したところ、以下のことが分った。通常、ドッ
ト状潜像により低濃度部の潜像を形成する場合、ミクロ
的に見ると感光ドラム上の潜像は、アナログ潜像のよう
なブロードな潜像ではなく、図2に示すように、局所的
なドット状潜像の2次元的分布となっている。更により
低い濃度を再現しようとすると、感光ドラムの感光体膜
厚の影響からドット状潜像がなまり、図2のように、最
大コントラストVo (非露光部電位とドット状潜像内の
絶対値で最小の電位の差)が徐々に小さくなってしま
う。例えば反射濃度0.2程度の画像を再現しようとす
ると、そのときのドット状潜像のVo は、150〜20
0V程度となってしまう。
【0005】一方、感光ドラムの光露光部にトナーを付
着させる反転現像の場合、カブリを防止するために、現
像バイアスとして印加する振動バイアス電圧のDC電圧
成分を、非露光部(非画像部)の表面電位よりも絶対値
で100〜200V低く設定しているので、最大コント
ラストVo が150〜200Vの場合、ドット状潜像の
光露光部の電位と現像バイアスのDC電圧成分との電位
差Vcontは、0〜50V程度になってしまう。
【0006】このVcontが0〜50Vというのは、トナ
ーが感光ドラム側に着くか現像スリーブ側に残留するか
非常に不安定なコントラスト電位である。そのために二
成分現像剤の磁気ブラシの感光ドラムへの接触状態が、
ドット状潜像の現像効率に大きく影響し、磁気ブラシの
穂のムラに対応して現像される(即ち磁気ブラシが感光
ドラムに接触しているところは現像されず、接触してい
ない領域が現像される)。このためドットの欠落等によ
るガサツキ(濃度が細かいムラになって分布する)が発
生し易くなるのである。
【0007】図3にこれを示す。図3において、符号P
は1画素を示す。各画素PにPWM法により変調された
レーザビームによって、低濃度画像に対応するドット状
潜像L1〜L5が形成されている。D1〜D4はドット
状潜像L1〜L5のうちのトナー付着領域、即ち現像さ
れた領域を示す。ドット状潜像L2は完全に現像されて
いる。しかしドット状潜像L1、L3、L4は部分的に
しか現像されていない。ドット状潜像L5は全く現像さ
れていない。
【0008】このようにドット状潜像の現像に欠損があ
る現像像が二次元的に分布することにより、低濃度領域
ががさついて見えるのであり、特に複数色のトナー像を
重ね合わせてカラー画像を形成する場合、このガサツキ
が非常に目立ち、画像品質の低下を生じている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなハイライ
ト、ハーフトーン濃度領域におけるガサツキを少なくす
る方法として、現像部の磁気ブラシを緻密に形成させる
ことが考えられる。又全濃度領域において高濃度の最終
画像を得る方法として、磁性キャリアの粒径を小さく
し、且つトナーの現像剤に対する混合比、即ちT/(T
+C)比を向上させることが考えられる(尚、キャリア
の粒径を小さくすることにより、磁気ブラシの密度も向
上する傾向がある)。磁気ブラシの穂を密にするために
一番効果がある方法は、現像スリーブ内磁石の現像磁極
位置における磁場中で、磁性キャリアの単位体積当たり
の磁化の大きさ[emu/cm3 ]を小さくする方法で
ある。しかし、磁化の大きさを小さくすると、磁性キャ
リアが現像スリーブ上に拘束される力が弱まり、感光ド
ラム側にキャリアが付着するというキャリア引き現象が
生じ易くなる(尚、キャリアの粒径を小さくすると、キ
ャリア1個当たりの磁化の大きさ[emu/個]が小さ
くなり、キャリア引きが生じ易くなる)。又磁気ブラシ
の穂を緻密にした場合には、逆に磁気ブラシ下層部のト
ナーが現像に寄与できなくなり、画像濃度が低下すると
いった問題もある。
【0010】本発明の目的は、ドット分布静電潜像を二
成分現像剤の磁気ブラシにより、キャリア付着を生じる
ことなく且つ現像効率よく現像し、全濃度領域において
ガサツキのない高品質な画像を得ることが可能な画像形
成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成方法にて達成される。要約すれば本発明は、像
担持体上にドット分布潜像を形成し、その像担持体と対
向した現像部に、磁界発生手段を内包した現像剤担持体
によりトナー及びキャリアを有する現像剤を担持して搬
送し、前記現像部において前記現像剤により前記像担持
体上の潜像を現像する画像形成方法において、前記磁界
発生手段の現像部に位置した現像磁極の磁場中で、キャ
リアの単位体積当たりの磁化の大きさが100[emu
/cm3]以下であり、且つキャリアの単位重量当たり
の平均帯電電荷量Q/Mをc[μC/g]、トナーの現
像剤に対する混合比をT/(T+C)[wt%]とし
て、このc及びT/(T+C)が 2≦T/(T+C)<8のとき 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)のとき c≦5 の関係を満たすことを特徴とする画像形成方法である。
本発明の一実施態様によると、1画素当たりの光源の発
光時間を画像の濃度値に対応して変調することにより、
前記ドット分布潜像を形成する。又、本発明の他の実施
態様によると、前記現像剤担持体には、交流電圧に直流
電圧を重畳したバイアス電圧が印加される。
【0012】
【実施例】
実施例1 図4は、本発明が適用可能な画像形成装置を示す全体構
成図である。本画像形成装置は、電子写真方式のカラー
プリンタである。このプリンタは、矢印方向に回転する
電子写真感光ドラム3を備え、該感光ドラム3の周囲
に、一次帯電器4、現像器1M、1C、1Y、1Kを備
えた回転現像装置1、転写帯電器10及びクリーニング
手段12が配設され、感光ドラム3の上方にレーザスキ
ャナLSが配設されており、これら一次帯電器4等によ
り画像形成手段が構成されている。
【0013】回転現像装置1の現像器、即ちマゼンタ現
像器1M、シアン現像器1C、イエロー現像器1Y及び
ブラック現像器1Kは、トナーとキャリアを含有する二
成分現像剤を収容しており、それぞれトナーとしてマゼ
ンタトナー、シアントナー、イエロートナー、ブラック
トナーを使用している。
【0014】被複写原稿は、図示しない原稿読み取り装
置で読み取られる。この読み取り装置は、原稿画像を電
気信号に変化するCCD等の光電変換素子を有してお
り、原稿のマゼンタ画像情報、シアン画像情報、イエロ
ー画像情報、白黒画像情報にそれぞれ対応した画像信号
を出力する。レーザビームスキャナLSに内蔵された半
導体レーザは、これらの画像信号に対応して制御され、
レーザビームLを射出する。尚、電子計算機からの出力
信号に対応してレーザビームLを射出することもでき
る。
【0015】カラープリンタ全体のシーケンスについ
て、フルカラーモードの場合を例に採って簡単に説明す
ると、先ず、感光ドラム3は一次帯電器4により均等に
帯電される。次にマゼンタ画像信号により変調されたレ
ーザビームLにより走査露光され、感光ドラム3上にド
ット状潜像が形成される。この潜像は予め現像位置に定
置されたマゼンタ現像器1Mによって反転現像して、マ
ゼンタトナー像として可視化される。
【0016】一方、カセット2から取り出して、給紙ガ
イド5a、給紙ローラ6、給紙ガイド5bを経由して供
給された紙等の転写材は、転写ドラム9のグリッパ7に
より把持され、当接用ローラ8とその対向極により静電
的に転写ドラム9上に巻き付けて担持される。転写ドラ
ム9は、感光ドラム3と同期して図示の矢印方向に回転
しており、転写ドラム9上に担持された転写材は感光ド
ラム3と対向した転写部に搬送され、そこで上記の感光
ドラム3上のマゼンタトナー像が転写帯電器10により
転写される。転写ドラム9はそのまま回転を継続し、次
に形成される色のトナー像(図4においてはシアントナ
ー像)の転写に備えるべく、転写材を転写部に向けて再
び搬送する。
【0017】マゼンタトナー像の転写が終了した感光ド
ラム3は、除電帯電器11により除電し、クリーニング
手段12により清掃して転写残りのトナーを除去した
後、再び一次帯電器4によって帯電し、次のシアン画像
信号により変調されたレーザビームLの露光により、感
光ドラム3上にドット状潜像が形成される。この間に現
像装置1が回転してシアン現像器1Cが現像位置に定置
され、上記の感光ドラム3上の潜像は、このシアン現像
器1Cによって反転現像されて、シアントナー像として
可視化される。得られたシアントナー像は、転写部にお
いて転写ドラム3上の転写材上にマゼンタトナー像の上
から重ね合わせて転写される。
【0018】以上のような工程がイエロー、ブラックに
対しても行なわれ、感光ドラム3上へのそれぞれの画像
信号で変調したレーザビームLの露光によるドット状潜
像の形成、イエロー現像器1Y、ブラック現像器1Kで
の現像によるイエロートナー像、ブラックトナー像の形
成、転写材上へのイエロートナー像、ブラックトナー像
の重ね合わせた転写により、転写材上にマゼンタ、シア
ン、イエロー及びブラックの4色のトナー像を重ねたカ
ラー画像が得られる。
【0019】4色のトナー像の転写が終了すると、転写
材は分離除電帯電器13、14により除電し、グリッパ
7による把持を解除した後、分離爪15により転写ドラ
ム9から分離され、次いで搬送ベルト16で定着器17
に送られる。定着器17に送られた転写材は、そこで加
熱及び加圧して定着することにより、各色のトナー像の
混色及び転写材への固定が行なわれて、フルカラープリ
ント画像とされる。かくして、一連のフルカラーモード
のシーケンスが終了し、定着により得られたフルカラー
プリント画像はプリンタの機外に排出される。
【0020】図5に、図4のプリンタに設置したレーザ
ビームスキャナLSを示す。本スキャナは半導体レーザ
素子102を備え、この素子102はレーザ光発生用の
駆動信号である発光信号の発生器(レーザドライバ回
路)500に接続され、発光信号発生器500で発生さ
れた発光信号に応じて明滅する。レーザ素子102から
明滅により放射されたレーザビームLの光束は、コリメ
ータレンズ系103にて略平行光にして、回転多面鏡、
即ちポリゴンミラー104に入射される。
【0021】ポリゴンミラー104は矢印B方向に一定
速度で回転することにより、コリメータレンズ系103
から入射された平行光のレーザビームLを偏向して、被
走査対象物である感光ドラム3の軸方向と同方向の矢印
C方向に走査する。このポリゴンミラー104の前方に
設けたfθレンズ群100が、偏向されたレーザビーム
Lを感光ドラム3の表面上にスポット状に結像すると共
に、その走査速度を感光ドラム3の表面上で等速とす
る。このようなレーザビームLによる感光ドラム3の走
査露光により、感光ドラム3上にドット分布静電潜像が
形成される。
【0022】前記各現像器1M〜1Kは、一次帯電器4
による帯電極性と同極性に帯電したトナーを潜像の明部
電位部に付着させる反転現像を行なうので、レーザビー
ムLは感光ドラム3のトナーが付着されるべき領域を露
光する。
【0023】本実施例においては、PWM(パルス幅変
調)方式を用いて、最小記録単位を1画素とする多値記
録によってドット状潜像を形成している。これについて
説明する。図6はパルス幅変調回路の一例を示す回路ブ
ロック図、図7はパルス幅変調回路の動作を示すタイミ
ングチャートである。
【0024】図6において、符号401は8ビットのデ
ジタル画像信号をラッチするTTLラッチ回路、402
はTTL論理レベルを高速ECL論理レベルに変換する
レベル変換器、403はECL論理レベルをアナログ信
号に変換するD/Aコンバータである。404はPWM
信号を発生するECLコンパレータ、405はECL論
理レベルをTTL論理レベルに変換するレベル変換器、
406はクロック信号2fを発振するクロック発振器、
407はクロック信号2fに同期して略理想的三角波信
号を発生する三角波信号発生器、408はクロック信号
2fを1/2分周して画像クロック信号fを作成する分
周器である。これによりクロック信号2fは画像クロッ
ク信号fの2倍の周期を有していることとなる。尚、回
路を高速動作させるために、随所にECL論理回路を配
している。
【0025】斯る構成の回路動作を図7のタイミングチ
ャートを参照して説明する。信号aはクロック信号2
f、信号bは画像クロック信号fを示しており、図示の
如く画像信号eと関係付けてある。又三角波信号発生器
407内部においても、三角波信号のデューティー比を
50%に保つため、クロック信号2fを一旦1/2分周
してから三角波信号cを発生させている。更にこの三角
波信号cはECLレベル(0〜−1V)に変換されて三
角波信号dになる。
【0026】一方、画像信号は00h(白)〜FFh
(黒)まで、例えば256階調レベルで変化する(記
号”h”は16進数表示であることを示している)。そ
して画像信号eは、いくつかの画像信号値についてそれ
らをD/A変換したECL電圧レベルを示している。例
えば第1画素は最高濃度画素レベルのFFh、第2画素
は中間調レベルの80h、第3画素は中間調レベルの4
0h、第4画素は中間調レベルの20hの各電圧を示し
ている。
【0027】コンパレータ404は三角波信号dと画像
信号eを比較することにより、形成すべき画素濃度に応
じたパルス幅(時間長)T、t2 、t3 、t4 等のPW
M信号を発生する。このPWM信号は低濃度画素に対応
するパルス幅ほど狭くなる。そしてPWM信号は、0V
又は5VのTTLレベルに変換されてPWM信号fにな
り、レーザドライバ回路500に入力される。このよう
にして得られたPWM信号値に対応して1画素当たりの
露光時間を変化させることにより、1画素で256階調
を得ることが可能となる。
【0028】尚、図7のビーム効果hは各駆動パルス幅
に対応する感光ドラムのレーザビーム露光面積形状を示
す。各ドット状潜像の面積形状もこの露光面積形状に略
対応する。図7でa〜gの信号波形については横軸は時
間であり、hについては横軸はビーム走査方向の距離で
ある。
【0029】図8に、図4の画像形成装置における回転
現像装置1の各現像器1M〜1Kとして使用される現像
器の断面図を掲げる。本現像器は、トナーと磁性キャリ
アを混合した二成分現像剤22を収容した現像容器18
を備え、この現像容器18内は、隔壁19によって現像
室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2とに区画され
ている。上記の二成分現像剤22は、現像室R1及び撹
拌室R2内に収容されている。撹拌室R2の上方にはト
ナー貯蔵室R3が設けられ、このトナー貯蔵室R3内に
補強用トナー(非磁性トナー)20が収容されている。
トナー貯蔵室R3の下部には補給口21が設けられ、現
像で消費されたトナーに見合った量で補強用トナー20
が補給口21を経て撹拌室R2内に落下、補給される。
【0030】前記のトナーとしては、バインダー樹脂に
着色剤や帯電制御剤等を添加した公知のトナーが使用で
き、その体積平均粒径は5〜15μmの範囲が好適であ
る。トナーの体積平均粒径は、例えば下記の測定法で測
定した。
【0031】測定装置としてコールカウンターTA−II
型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出
力するインターフェース(日科機製)及びCX−iパー
ソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続した。電解液
として、試薬1級の塩化ナトリウムを用い、1%NaC
l水溶液を調製した。
【0032】上記の電解液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、更にトナーの測定試料
を0.5〜50mg加えて懸濁する。そして試料を懸濁
した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
なってから、上記のコールカウンターにより100μm
のアパチャーを用いて、2〜40μmの粒子の粒度分布
を測定し、それからトナーの体積分布を求める。この体
積分布により試料の体積平均粒径が得られる。
【0033】一方、磁性キャリアとしては、磁性体粒子
の表面に極めて薄く樹脂コーティングを施したもの等が
好適に使用でき、平均粒径は5〜70μmが好ましい。
このキャリアの平均粒径は水平方向最大弦長で示してお
り、測定法は顕微鏡法によった。キャリア300個以上
をランダムに選んで、その径を実測して算術平均するこ
とによりキャリアの平均粒径が得られる。
【0034】磁性キャリアの抵抗は107 Ω・cm以
上、好ましくは108 Ω・cm以上が好適である。本発
明では、キャリアの抵抗を、測定電極面積が4cm、電
極間の間隔が0.4cmのサンドイッチタイプのセルを
用いて測定した。キャリアを挟んだ電極の一方に1kg
の荷重を負荷し、その荷重下に両電極間に電圧E[V/
cm]を印加して、そのとき測定回路に流れた電流値を
計測し、それからキャリアの抵抗値が測定される。
【0035】磁性キャリアの摩擦帯電によるキャリア単
位重量当たりの平均帯電電荷量(略して平均電荷量)Q
/Mは、トナーの摩擦帯電によるトナー単位重量当たり
の平均帯電電荷量(略して平均電荷量)Q/M(T) (キ
ャリアの平均電荷量Q/Mと区別するために、トナーの
平均電荷量を便宜的にQ/M(T) と表示する)から換算
して求めた。トナーの平均電荷量Q/M(T) の測定法は
次の通りである。
【0036】図9にトナーの平均電荷量を測定する装置
を示す。図9に示すように、測定装置は底に500メッ
シュの導電性スクリーン43を有する金属製の測定容器
42を備えている。帯電電荷量を測定しようとするトナ
ーと磁性キャリアを、重量比:トナー/キャリア=0.
5/9.5の割合で50〜100ml容量のポリエチレ
ン製のビンに入れ、約10〜40秒間手で振盪してか
ら、その混合物(現像剤である)の約0.5〜1.5g
を測定容器42内に入れ、その上に蓋44をする。この
ときの測定容器42全体の重量を計り、これをW1
(g)とする。次に測定容器42を装置の吸引機41
(少なくとも測定容器42と接する部分は絶縁体であ
る)上にセットして、その吸引口47から吸引し、風量
調節弁46を調整して真空計45の圧力を250mmA
qとする。この状態で十分、好ましくは2分間の吸引を
行ない、トナーの樹脂を吸引除去する。そしてこのと
き、測定容器42とアースとの間にコンデンサー(容量
C(μF))48と並列に接続された電位計49の電位
を読んで、その読みをV(ボルト)とする。又吸引後の
測定容器42全体の重量を計り、これをW2(g)とす
る。このときのトナーの平均電荷量は、下記の式の如く
計算される。測定条件は23℃、60%RHとする。
【0037】トナーの平均電荷量[μC/g]=C・V
/(W1−W2) 本実施例では、磁性キャリアとして、フッ素系樹脂−ス
チレン系樹脂コートフェライト粒子からなり、250メ
ッシュパス(通過)、350メッシュオン(非通過)の
粒子を70〜90wt%有するキャリアを使用した。具
体的には、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエ
チレン共重合体とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキ
シル−メタクリル酸メチルが5:5(重量比)の樹脂混
合物を、0.2〜0.7wt%コートしたフェライト粒
子を使用した。トナー及びキャリアは、23℃、60%
RHの環境下、最低12時間放置後、帯電電荷量測定に
使用する。電荷量の測定は、23℃、60%RHの環境
下で行なう。
【0038】上記のようにしてトナーの平均電荷量が求
められるが、現像剤中のトナー及びキャリアの摩擦によ
るそれぞれの総電荷量は、トナーとキャリアとで互に逆
極性で且つ絶対値がほぼ等しい。従ってキャリアの単位
重量当たりの平均電荷量Q/Mは、トナーの単位重量当
たりの平均電荷量Q/M(T) と、現像剤に占めるトナー
の割合、つまりC/(T+C)比(従ってT/(T+
C)比)とから、簡単に逆算で求まる。例えばT/(T
+C)比が5wt%、トナーのQ/M(T) が30μC/
gであるとすると、C/(T+C)比は95wt%であ
り、キャリアの平均電荷量Q/Mは約1.58μC/g
となる。
【0039】図8を参照すると、本現像器において、現
像容器18の現像室R1内には搬送スクリュー23が設
置され、この搬送スクリュー23の回転駆動によって現
像室R1内の現像剤22が撹拌されながら、現像スリー
ブ25の長手方向に向けて搬送される。撹拌室R2内に
も搬送スクリュー24が設置され、この搬送スクリュー
24の回転駆動によって撹拌室R2内の現像剤とこれに
供給されたトナーが撹拌されながら、現像スリーブ25
の長手方向に向けて搬送する。この搬送スクリュー24
による搬送方向はスクリュー23によるそれとは反対方
向である。
【0040】現像容器18の隔壁19には手前側と奥側
に開口が設けられており、スクリュー23で搬送された
現像剤がこの開口の1つからスクリュー24に受け渡さ
れ、スクリュー24で搬送された現像剤が他の1つの開
口からスクリュー23に受け渡され、上記したように撹
拌されながら搬送される。この撹拌による磁性キャリア
との摩擦で、トナーは潜像を現像するための極性に帯電
される。
【0041】現像容器18の感光ドラム3に近接した部
位には開口部が設けられ、この開口部には、前記の現像
スリーブ25が設置されている。現像スリーブ25は、
アルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性材料から
なる。
【0042】現像容器18内に収容された現像剤22
は、現像スリーブ25内に設置された磁石29により現
像スリーブ25上に担持され、現像スリーブ25の矢印
b方向の回転により感光ドラム3と対向した現像部26
に向けて搬送される。そして現像部26で磁気ブラシを
形成して矢印方向aに回転する感光ドラム3に接触し、
感光ドラム3上に形成されたドット状潜像が現像され
る。
【0043】現像時、現像スリーブ25には電源27に
より現像バイアスとして、交流電圧に直流電圧を重畳し
た振動バイアス電圧が印加される。潜像の暗部電位(非
露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バ
イアス電圧の最大値と最小値の間に位置している。これ
によって現像部26に向きが交互に変化する交番電界が
形成される。この交番電界中で現像剤のトナーとキャリ
アが激しく振動し、トナーが現像スリーブ25及びキャ
リアへの静電的拘束を振り切って感光ドラム3に飛翔
し、感光ドラム3に潜像に対応して付着する。
【0044】振動バイアス電圧の最大値と最小値の差
(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、周波数は1
〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、
矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイア
スの直流電圧成分は、上記したように暗部電位と明部電
位の間の値であるが、絶対値で最小の明部電位よりも暗
部電位に近い値である方が、暗部電位領域へのカブリト
ナーの付着を防止する上で好ましい。
【0045】現像スリーブ25と感光ドラム3の最小間
隙(現像部26内の最小間隙)は、0.2〜1mmであ
ることが好適である。
【0046】現像スリーブ25の上方には現像剤層厚規
制ブレード28が設置されており、この規制ブレード2
8は、現像スリーブ25が現像部へ搬送する現像剤22
の層厚、つまり現像剤22の量を規制する。現像スリー
ブ25に搬送される現像剤量は、磁石29の現像磁極S
1により現像部26に形成される現像剤の磁気ブラシの
現像スリーブ表面からの高さが、感光ドラム3を取り去
った状態で、上記の最小間隙0.2〜1mmの1.2〜
3倍となるような量であることが好ましい。
【0047】現像スリーブ25内の磁石29はローラ状
に形成され、現像スリーブ25内に同心状に且つ非回転
に配置されている。磁石29の現像磁極S1は現像部2
6に位置し、この現像磁極S1が現像部26に形成する
現像磁界により、現像スリーブ25上の現像剤に磁気ブ
ラシが形成される。磁気ブラシは感光ドラム3に接触し
て、磁気ブラシ中のトナーが感光ドラム3上に形成され
たドット分布静電潜像に転移して、潜像を現像する。磁
気ブラシ中のトナーは、磁性キャリアの穂(ブラシ)に
付着したり、現像スリーブ25表面に付着しているが、
いずれのトナーも潜像の露光部に転移可能である。
【0048】現像磁極S1による現像磁界の現像スリー
ブ25表面上での強さ(現像スリーブ表面に垂直な方向
の磁束密度)は、そのピーク値が500〜2000ガウ
スであることが好適である。
【0049】磁石29は、本例では、現像磁極S1の他
に、磁極N1、N2、N3、S2を有している。現像容
器18内の現像剤22が磁極N2によって現像スリーブ
25上に汲み上げられ、現像スリーブ25が回転するこ
とにより、汲み上げられた現像剤が磁極S2からN1へ
と搬送され、その途中で規制部材28により規制され
て、現像剤22の薄層に形成される。そして現像スリー
ブ25の回転に伴い現像部26へ搬送されて、前記した
ように、現像磁極S1の磁界中で磁気ブラシを形成し、
感光ドラム3上の静電潜像に使用される。
【0050】現像を終了した現像剤は、現像スリーブ2
5の回転により現像容器18内に戻され、磁極N3とN
2間の反撥磁界により現像スリーブ25上から撹拌室R
1内落下して、回収される。回収された現像剤は、前記
したように撹拌スクリュー23及び24により搬送され
る。
【0051】以上のような現像器を用いて検討を行った
ところ、画像のガサツキをなくすためには、現像部にお
ける現像スリーブ上の現像剤の磁気ブラシの密度(現像
スリーブ25の表面単位面積当たりの磁気ブラシの本
数)を高くする必要があること、そして磁気ブラシの密
度を高めるためには、現像部における磁性キャリアの磁
化の強さを低くすればよいことが分かった。
【0052】磁性キャリアの磁気特性は、理研電子
(株)の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50
型を使用して測定することができる。この測定の際、円
柱状の容器(内径6.5mm、高さ10mm)にキャリ
アを2g程度の荷重をかけて充填し、容器内でキャリア
が動かないようにしてその磁化の強さを測定するように
すること重要である。本実施例では、磁性キャリアとし
て、図10に示すような磁気特性を有するキャリア、即
ち軟強磁性キャリア(ソフトフェライトキャリア)を使
用した。
【0053】尚、本実施において、負帯電性のトナーを
含有した二成分現像剤を用い、暗部電位を−700V、
明部電位を−200Vとし、現像スリーブ29に振動バ
イアス電圧(周波数2000Hz、ピーク間電圧Vpp
2000の交番電圧に直流電圧−500Vを重畳)を印
加し、反転現像方式により現像した。即ちコントラスト
電圧が350V、カブリとり電圧が150Vである。
【0054】画像のガサツキをなくすために、現像部に
おける現像剤の磁気ブラシの密度を高めることが有効で
あることを以下に示す。即ちドット状潜像は、アナログ
潜像に比べてシャープである反面、局所的な潜像となる
ために、現像によって磁気ブラシの穂に対応したムラ
(ガサツキ)がより発生し易い。従ってドット状潜像の
現像には、より磁気ブラシの穂が密であることが望まれ
る。現像スリーブ上の現像剤の磁気ブラシ密度を変化さ
せる方法として、磁性キャリアの磁気特性を変化させる
ことがあり、具体的には、現像磁極の磁場により磁化さ
れる磁性キャリアの磁化の大きさを小さくする方法であ
る。これは、ソフトフェライトタイプのキャリアでは、
透磁率を小さくすることに相当する。
【0055】図11に、現像磁極(磁界のピーク値:d
ガウス)による磁場中で、磁性キャリアの単位体積当た
りの磁化の大きさσd [emu/cm3 ]を変えたとき
の、現像スリーブ上現像剤の磁気ブラシの密度(現像剤
の漏らし量、即ち現像スリーブ上の現像剤規制部を通過
した現像剤量=一定)の変化を示す。現像磁極の磁界d
として1000ガウスを目安にし、キャリアの磁化の大
きさσd として、1000ガウスの磁場中での磁化の大
きさ、即ちσ1000を評価した。図11に示されるよう
に、σ1000の値を小さくするにつれて、磁気ブラシの穂
は緻密になる。
【0056】次に、この磁性キャリアの透磁率変化によ
る磁気ブラシの密度変化、そのとき得られた画像サンプ
ルの画像性(ハイライト、ハーフトーンのガサツキ
感)、及びキャリア付着の度合の間の関係を調べた。画
像の記録密度は、主走査方向200dpi、副走査方向
400dpiで、通常の二成分現像方式により現像し
た。用いた二成分現像剤は、T/(T+C)比が5wt
%、トナーの平均電荷量Q/M(T) が−35μC/gで
あった。トナーに−35μC/gの平均電荷量を付与す
る能力のある、このキャリアを「キャリアA」とする。
結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1において、記号の意味は下記の通りで
ある。
【0059】A:「ガサツキ」がなく、非常に滑らかな
画質 B:「ガサツキ」がなく、更に滑らかな画質 C:「ガサツキ」が目立たなく、滑らかな画質 D:「ガサツキ」が目立つ E:「ガサツキ」が非常に目立つ ○:Vb(カブリ取り電位)300Vでキャリア付着せ
ず △:Vb150Vでキャリア付着せず ×:Vb150Vでキャリア付着する
【0060】表1に示す結果から分かるように、σ1000
の値が100emu/cm3 以下のキャリアを用い、磁
気ブラシの穂の密度が1mm2 当たり5本より多い場合
には、ガサツキはほとんど発生しなかった。これは、人
間の目の視覚限界による効果である。
【0061】図12は、空間周波数ν[line/m
m]と認識可能なレベル数L及び濃度差ΔDとの関係を
示している。L=103 exp(−0.72ν){1−
exp(−0.52ν)}+1である。
【0062】一般にガサツキが目立ち易い低濃度部分
(濃度0.2〜0.3)における濃度の振れ幅は約0.
02程度であり、図12から、空間周波数νが約2.7
line/mmよりも高い場合は、0.02程度の濃度
変動は人間の目で認識できなくなる。つまり磁気ブラシ
の密度が7.3本/mm2 (2.7×2.7=7.3)
以上の場合には、上記の理由により高周波のガサツキに
なるため認識しにくくなる。従って穂の密度が1mm2
当たり8本以上あるとき、ガサツキがほとんど目立たな
かった。
【0063】一方、現像磁界(現像磁極による磁界)の
ピーク値でのキャリアの磁化の強さσ1000が30emu
/cm3 より小さいと、現像スリーブ上での現像剤の搬
送性が悪く、現像画像の画質が劣化したり、現像剤の飛
散が生じ易くなる。従ってキャリアの磁化の強さは30
emu/cm3 以上であることが好ましい。
【0064】以上は、現像磁界のピーク値dが1000
ガウスの条件であったが、ピーク値dが1000ガウス
以外の場合でも同様な結果となった。ピーク値dが50
0、800、1500、2000ガウスのときの磁化の
強さσd [emu/cm3 ]と磁気ブラシの穂の密度α
[本/mm2 ]の関係を図13に示す。いずれの場合
も、σd ×α=600という関係を満たしていることが
分かる。
【0065】又ピーク値dが500、800、150
0、2000ガウスのいずれの場合も、磁気ブラシの穂
の密度が8本/mm2 以上となるのは、σd が75em
u/cm3 以下の場合であり、磁気ブラシの穂の密度が
10本/mm2 以上となるのは、σd が60emu/c
3 以下の場合であった。
【0066】従って磁気ブラシの穂の密度、及びドット
分布潜像を現像した画像のガサツキの防止性は、現像磁
界のピーク強度dに依存するのではなく、強さdの磁界
中でのキャリアの磁化の強さσd に依存していることが
分かる。
【0067】一方、磁性キャリアの付着性は、キャリア
に働く磁気力が静電気力よりも小さい場合に、感光ドラ
ム側に引き付けられることにより発生する現象である。
カブリとり電圧によって現像領域のトナーが現像スリー
ブ側に引き付けられることにより、磁気ブラシの感光ド
ラムに接した領域のT/(T+C)比が極度に低くなっ
ているときにも、キャリア付着は発生し易い。
【0068】磁性キャリアの粒子1個に働く、感光ドラ
ム側に引き付ける方向の静電気力Feは、キャリア粒子
1個の電荷qと、キャリアを感光ドラム側に引き付ける
電界(即ち、Vppのキャリアを感光ドラム側に引き付
ける方向のピーク分の電圧+カブリとり電圧)との積で
表され、キャリア粒子1個当たりが保持する電荷量が小
さいほどFeは小さくなり、キャリアが付着しづらくな
る。又T/(T+C)比が大きいほど、磁気ブラシ中の
感光ドラムに接している領域のT/(T+C)比の低下
が起こりにくくなり、キャリア付着がしづらなくなる。
【0069】前述したように、キャリアの平均電荷量Q
/Mは、T/(T+C)比とトナーの平均電荷量Q/M
(T)により決まる。例えばキャリア量を同量にしたまま
トナー量を増すと、キャリア1個当たりのトナーに接触
する回数が増加して、キャリア1個当たりの電荷量(或
いは単位重量当たりの平均電荷量Q/M)は増加する。
トナー1個当たりは、逆にキャリアに接触する回数が減
少して、1個当たりの電荷量(或いは単位重量当たりの
平均電荷量Q/M(T))は減少する。
【0070】即ち、図14は、T/(T+C)比を変え
たときのキャリアの平均電荷量Q/Mの逆数をプロット
した図であり、図15は、同じくトナーの平均電荷量Q
/M(T) をプロットした図である。図14、図15の
イ、ロ、ハは、キャリア及びトナーの種類(キャリアの
コート剤、トナーのバインダー)を変えたそれぞれ異な
る現像剤を指す。図からT/(T+C)比を増加させる
と、トナーの平均電荷量が減少し、キャリアの平均電荷
量が増加していることが分かる。
【0071】キャリアのコート剤の表面性を変えること
によって、キャリアのトナーとの間の摩擦帯電性を変
え、キャリアの平均電荷量Q/Mを前述したキャリアA
に比べて大きくした(このキャリアを「キャリアB」と
する)。そしてキャリアBをT/(T+C)比5wt%
で、又キャリアAをT/(T+C)比9wt%で、それ
ぞれ現像に用い、得られた画像サンプルの画像性(ハイ
ライト、ハーフトーンのガサツキ感)、及びキャリア付
着の度合の間の関係を調べた。画像の記録密度は、表1
の場合と同様、主走査方向200dpi、副走査方向4
00dpiで、通常の二成分現像方式により現像した。
結果を表2及び3に示す。表2及び3において磁気ブラ
シの密度が表1の場合と変わらなかったが、これは、磁
気ブラシ密度に対してはキャリアの磁気特性が支配的で
あるという理由による。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】表2を表1と比較すると、キャリアAに比
べて平均電荷量Q/Mの高いキャリアBを用いることに
より、キャリア付着が起こり易くなっていることが分か
る。表3を表1と比較すると、T/(T+C)比を増す
ことにより、キャリアの平均電荷量Q/Mは増加する
が、キャリア付着はしにくくなっていることが分かる。
【0075】又T/(T+C)比が2wt%以下の場
合、カブリとり電圧の印加の状態で、非画像部において
感光ドラム側にトナーがほとんど存在しなくなり、T/
(T+C)比が8wt%以上の場合、キャリアのQ/M
はほとんど飽和し、そのQ/Mの飽和値が5μC/g以
下ではキャリア付着はないことが分かった。
【0076】以上の一連の実験結果から、図1の斜線を
施した領域を満たす条件、即ちキャリアの単位重量当た
りの平均電荷量Q/Mをc[μC/g]、トナーの現像
剤に対する混合比をT/(T+C)[wt%]とし、c
とT/(T+C)の関係が、2≦T/(T+C)<8の
場合 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)の場合 c≦5 であるときに、カブリ取り電位Vb=150Vにおいて
も、キャリア付着を起こすことなく良好な画像を得るこ
とができる。
【0077】以上から、本実施例によれば、キャリア付
着がなく、ハーフトーン等の低濃度部のガサツキを抑制
した、全濃度領域の画質が良好な高品質の画像を得るこ
とができた。
【0078】実施例2 実施例1に示した画像形成方法では、感光ドラム3上に
各色のトナー像を順次形成し、その各色のトナー像を転
写材上に順々に重ね合わせて多重転写することより転写
材上にカラー画像を得る、多重転写プロセスを採用して
いる。
【0079】これに対し、感光ドラム上に各色のトナー
像を多重現像により順次重ね合わせて形成し、その重ね
合わせた各色のトナー像を一括して転写材上に転写する
ことにより、転写材上にカラー画像を得る多重現像プロ
セスが提案されている。
【0080】即ち、図16に示すように、この多重現像
プロセスの画像形成装置では、感光ドラム3の表面を一
次帯電器4により均一に帯電し、感光ドラム3をレーザ
Lにより露光して1色目の例えばマゼンタ成分色の潜像
を書き込み、その潜像をマゼンタ現像器1Mによって反
転現像し、感光ドラム3上に1色目のマゼンタトナー像
を形成する。上記と同様なプロセスを第2色目以降の例
えばシアン、イエロー、ブラックにも繰り返し、感光ド
ラム3上にマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの
4色のトナー像を重ね合わせて形成する。そしてこの4
色のトナー像を転写帯電器10により、感光ドラム3に
供給された転写材上に一括して転写し、転写材上にカラ
ー画像を得るものである。その後、転写材は定着器で定
着することにより、各色のトナー像の混色及び転写材へ
の固定が行なわれ、これによりフルカラーのプリント画
像とされる。4色のトナー像の転写が終了した感光ドラ
ム3は、クリーナ20によりクリーニングした後、前露
光ランプ21により残留電荷を除電して、次の画像形成
に備えられる。
【0081】このような多重現像プロセスの画像形成方
法においても、実施例1と同様に、1000ガウスの磁
場中での単位体積当たりの磁化の大きさが100emu
/cm3 以下の磁性キャリアを用い、そのキャリアの単
位重量当たりの平均電荷量Q/Mをc[μC/g]、ト
ナーの現像剤に対する混合比をT/(T+C)[wt
%]とすると、このcとT/(T+C)が、2≦T/
(T+C)<8の場合 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)の場合 c≦5 の関係を満たすようにすることにより、キャリア付着が
なく、ハーフトーン等の低濃度部のガサツキを抑制し
た、全濃度領域の画質が良好な高品質の画像を得ること
ができた。
【0082】実施例3 図17は、本発明の実施に使用することができる画像形
成装置の更に他の実施例を示す概略構成図である。本画
像形成装置は、フルカラーのレーザビームプリンターで
あるが、実施例2のときと異なり、各色後に専用の感光
ドラム3Y、3M、3C、3Kを有している。これらの
感光ドラム3Y、3M、3C、3Kの周囲には、それぞ
れのレーザビームスキャナ80Y、80M、80C、8
0K、現像器1Y、1M、1C、1K、転写帯電器10
Y、10M、10C、10K、クリーナ12Y、12
M、12C、12Kが配置されている。前述したのと同
様にして、感光ドラム3Y、3M、3C、3K上にそれ
ぞれイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナ
ー像、ブラックトナー像が形成される。
【0083】転写材は、給紙ガイド5a、給紙ローラ
6、給紙ガイド5bを経て搬送ベルト9aに供給され、
吸着帯電器81からのコロナ放電を受けて、静電吸着に
より搬送ベルト9a上に確実に保持される。搬送ベルト
9a上に保持された転写材は、搬送ベルト9aにより各
感光ドラム3Y〜3Kに対向した転写部に順次搬送さ
れ、各転写部に配置された転写帯電器10〜10Kによ
り、各感光ドラム3Y〜3K上の各色のトナー像が転写
材上に順々に重ね合わせて転写される。4色のトナー像
が転写された転写材は、除電器82により除電して搬送
ベルト9aから分離した後、定着器17により定着して
フルカラーのプリント画像とされる。
【0084】本実施例においても、1000ガウスの磁
場中での単位体積当たりの磁化の大きさが100emu
/cm3 以下の磁性キャリアを用い、そのキャリアの単
位重量当たりの平均電荷量Q/Mをc[μC/g]、ト
ナーの現像剤に対する混合比をT/(T+C)[wt
%]として、cとT/(T+C)が、2≦T/(T+
C)<8の場合 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)の場合 c≦5 を満足するようにすることにより、キャリア付着がな
く、且つ全濃度領域においてガサツキのない高品質な画
像を得ることができた。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、像担持
体上にドット分布潜像を形成し、その像担持体と対向し
た現像部に、磁界発生手段を内包した現像剤担持体によ
りトナー及びキャリアを有する現像剤を担持して搬送
し、現像部において現像剤により像担持体上の潜像を現
像する画像形成方法において、磁界発生手段の現像部に
位置した現像磁極の磁場中で、キャリアの単位体積当た
りの磁化の大きさが100[emu/cm3]以下であ
り、且つキャリアの単位重量当たりの平均帯電電荷量Q
/Mをc[μC/g]、トナーの現像剤に対する混合比
をT/(T+C)[wt%]として、このc及びT/
(T+C)が 2≦T/(T+C)<8のとき 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)のとき c≦5 の関係を満たす構成とされるので、ドット分布静電潜像
をトナーとキャリアを有する現像剤の磁気ブラシによ
り、キャリア付着することなく、且つ現像効率よく現像
して、ハーフトーンなどの低濃度部のガサツキがない、
全濃度領域において画質が良好な高品質な画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な画像形成装置を示す全体構
成図である。
【図2】図1の画像形成装置の感光ドラムに形成される
ドット状潜像の電位を示す説明図である。
【図3】ドット状潜像の現像像を示す説明図である。
【図4】本発明が適用可能な画像形成装置を示す全体構
成図である。
【図5】図1の画像形成装置に設置されたレーザビーム
スキャナを示す説明図である。
【図6】図5のスキャナで使用するパルス幅変調回路の
一例を示す回路ブロック図である。
【図7】図6のパルス幅変調回路の信号波形を示す説明
図である。
【図8】図1の画像形成装置の回転現像装置における現
像器を示す断面図である。
【図9】図8の現像器で使用する二成分現像剤のトナー
の平均電荷量を測定する装置を示す斜視図である。
【図10】軟強磁性キャリアの磁気特性を示す説明図で
ある。
【図11】二成分現像剤のキャリアの磁化と磁気ブラシ
の穂の密度との関係を示す説明図である。
【図12】人間の視力限界の説明図である。
【図13】現像磁界のピーク値の強さに対するキャリア
の磁化の関係を示すグラフである。
【図14】二成分現像剤のT/(T+C)とキャリアの
平均電荷量の逆数との関係を示す説明図である。
【図15】二成分現像剤のT/(T+C)とトナーの平
均電荷量との関係を示す説明図である。
【図16】本発明が適用可能な画像形成装置の他の例を
示す全体構成図である。
【図17】本発明が適用可能な画像形成装置の更に他の
例を示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 回転現像装置 1M〜1K 現像器 3 感光ドラム 18 現像容器 22 二成分現像剤 25 現像スリーブ 27 バイアス電源 29 磁石 S1 現像磁極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 - 15/095 G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上にドット分布潜像を形成し、
    その像担持体と対向した現像部に、磁界発生手段を内包
    した現像剤担持体によりトナー及びキャリアを有する現
    像剤を担持して搬送し、前記現像部において前記現像剤
    により前記像担持体上の潜像を現像する画像形成方法に
    おいて、 前記磁界発生手段の現像部に位置した現像磁極の磁場中
    で、キャリアの単位体積当たりの磁化の大きさが100
    [emu/cm3]以下であり、且つキャリアの単位重
    量当たりの平均帯電電荷量Q/Mをc[μC/g]、ト
    ナーの現像剤に対する混合比をT/(T+C)[wt
    %]として、このc及びT/(T+C)が 2≦T/(T+C)<8のとき 1/c≧−1/10・T/(T+C)+1 8≦T/(T+C)のとき c≦5 の関係を満たすことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 1画素当たりの光源の発光時間を画像の
    濃度値に対応して変調することにより、前記ドット分布
    潜像を形成する請求項1の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記現像剤担持体には、交流電圧に直流
    電圧を重畳したバイアス電圧が印加される請求項1の画
    像形成方法。
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