JPH07167464A - 氷蓄熱設備 - Google Patents

氷蓄熱設備

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JPH07167464A
JPH07167464A JP34238193A JP34238193A JPH07167464A JP H07167464 A JPH07167464 A JP H07167464A JP 34238193 A JP34238193 A JP 34238193A JP 34238193 A JP34238193 A JP 34238193A JP H07167464 A JPH07167464 A JP H07167464A
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JP
Japan
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ice
heat storage
brine
storage tank
ice heat
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JP34238193A
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English (en)
Inventor
Shinji Kishida
真二 岸田
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SEKISUI PLANT SYST KK
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SEKISUI PLANT SYST KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブライン中の水分をシャーベット状の氷の微
粒子として氷蓄熱槽内に蓄えておき、冷熱として利用す
る氷蓄熱設備において、氷蓄熱槽内の氷微粒子の層を一
様な厚さに保持して冷熱の利用を効率よくするために、
負荷装置を経て来た戻りブラインを氷蓄熱槽内の上部で
ノズルから噴出させることとし、その場合のノズルの有
効な配置を定める。 【構成】 氷蓄熱槽の蓋に接近して複数個の閉鎖した流
体通路を設け、各流体通路に複数個のノズルを付設し、
ノズルを水平方向に均等に分散させ、負荷装置を経たあ
との戻りブラインを上記の流体通路に流してノズルから
噴射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は氷蓄熱設備に関するも
のであり、とくに冷熱を氷の微粒子として氷蓄熱槽内に
蓄え、必要に応じて氷の持つ冷熱を負荷装置へ効率よく
供給できるようにした氷蓄熱設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】氷蓄熱設備は既に知られている。それは
例えば特開平1−147234号、特開平3−7542
8号公報などに記載されている。氷蓄熱設備は、ブライ
ンを冷却媒体として用い、ブライン中の水分を氷として
氷蓄熱槽内に蓄えておき、必要に応じて氷の持つ冷熱を
取り出すことができるようにしたものである。その設備
は、ブライン中の水分をシャーベット状の細かい氷の粒
子として蓄える氷蓄熱槽と、氷蓄熱槽から取り出したブ
ラインを冷凍機で冷却して氷蓄熱槽へ戻す冷却通路と、
氷蓄熱槽から取り出したブラインを負荷装置例えば空調
機器などを経て、氷蓄熱槽へ戻す循環通路とで構成され
ている。ブラインとしては、食塩などの無機塩類を溶解
した水溶液のほか、エチレングリコールのような有機物
を溶解した水溶液も用いられる。
【0003】氷蓄熱設備では、電力によって如何に多く
のシャーベット状の氷の微粒子を作り、且つ氷蓄熱槽内
に均等厚さに蓄えておくか、また蓄えた氷の微粒子を冷
熱として如何に効率よく利用するかが、最大の問題とさ
れる。
【0004】従来の氷蓄熱設備では、循環通路から氷蓄
熱槽へどのようにしてブラインを戻すべきかについて検
討され、色々な提案がなされて来た。例えば、特開平1
−147234号公報は、循環通路の戻り部を氷蓄熱槽
内の上部に設け、その戻り部を一本の主管と、これと直
交する多数の枝管とで構成することとし、枝管に多数の
ノズルを付設し、ノズルを水平方向で氷蓄熱槽の全面に
わたり分散させるように提案している。また、特開平3
−75428号公報は、氷蓄熱槽内の上部に管を放射状
に付設し、各管に複数個のノズルを設け、放射状配置の
中心の周りにこれらの管を回転させ、循環通路を通って
戻ってくるブラインを上記のノズルから噴射させるよう
に提案している。
【0005】ところがこれらの提案の氷蓄熱設備では、
氷蓄熱槽内の蓋に近接した高所に、多数のノズルを全て
垂直に、同一高さに、同一間隔に取り付けて、ノズルか
ら噴射されるブラインの噴射量、噴射角度を同一にする
ことは、作業性が悪くて、非常に困難なことであった。
そこで例えば、特開平3−75428号公報第2図に示
すように、ノズルを氷蓄熱槽の蓋に近接させず、下方に
離れた位置に設けることも行われたが、この場合、ノズ
ル取付けの作業性は良くなるが、その分氷蓄熱槽内に蓄
えられる氷の微粒子の総量は少なくなり、氷蓄熱設備の
能力は小さなものとなる。しかも、従来の提案では、各
枝管の先が閉塞し、この枝管に多数のノズルが付設され
ているので、各枝管毎に内圧が異なることになり、また
同じ枝管であっても主管に近いノズルと遠いノズルとで
内圧が異なることになり、ノズルからブラインを均等に
氷蓄熱槽内の氷の層全表面上に分散させて、冷熱を有効
に利用することは困難なことであった。例えば、特開平
1−147234号公報の提案では、隣接する枝管の内
圧が異なることになり、また同じ枝管であっても主管に
近いノズルと遠いノズルとで内圧が異なることになり、
全ての枝管に同じ構造のノズルを付設した場合、隣接す
るノズルから噴射されるブラインの噴射量・噴射角度に
差異を生じて、戻りブラインが氷蓄熱槽内に均等に噴出
されることにならず、このために冷熱を有効に利用する
には、各ノズル毎に噴射量・噴射角度を微妙に異なるも
のとせねばならなかった。また、特開平3−75428
号公報の提案では、氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層表面
上に戻りブラインの降り注がれない部分隅角部を生じ
て、矢張り戻りブラインが氷蓄熱槽内に均等に噴出され
ることにならず、このために冷熱を有効に利用できなか
った。
【0006】一般に、氷蓄熱槽内に放出された氷の微粒
子が浮力によって浮き上がり氷の層の下面に次々と蓄積
され、氷の層の厚さが分厚くなっているような状態であ
ると、図1(a)に示すように、ブラインの液中に存在
している氷の微粒子は浮力Fによってさらに上方に浮き
上がろうとして、氷の層の上面近くにある氷の微粒子を
ブラインの液上面Bよりも上へ押し上げることとなり、
氷の層の表面Xはブラインの液上面Bよりも上方に位置
することとなる。ここに、隣接するノズルYから噴射さ
れるブラインの噴射量及び噴射角度が共に大きく氷蓄熱
槽内に蓄えられた氷の層の表面X上で重なり合う場合に
は、氷の層の表面Xは一様に溶かされることとなり、氷
の層の表面は全体的に平らな状態が維持される。
【0007】ノズルから噴射されたブラインは、氷の微
粒子間の隙間を通過して冷却されながら下方(破線矢印
方向)に向かい、一方、氷の微粒子は負荷装置を経て温
度の高くなったブラインによって溶解される。この時、
負荷装置を経て温度の高くなったブラインは氷の層の上
部ほど均等によく溶かしブラインの温度が下がるにつれ
て氷の層の下部ほど均等に少なく溶かすこととなり、氷
の層の厚さに厚い所と薄い所との差が出来ず、常に氷蓄
熱槽内に蓄積されている冷熱を均等にまんべんなく利用
することになる。
【0008】しかしながら、図1(b)に示すように、
各ノズルYから噴射される噴射量が氷蓄熱槽内の場所に
よってまちまちであると、氷蓄熱槽内のブライン中に浮
かぶ氷の層の表面Xの一部に突出部Zが出来ることにな
り、その分だけ氷の層の厚さに差が生じるばかりでな
く、氷の層中の氷の微粒子の溶解の度合いが異なり、氷
の微粒子の密度が場所によって次第に異なってくること
になる。
【0009】つまり、ノズルからの噴射量の少ない所で
は、氷の層の厚さが厚くて氷の微粒子の密度が高く、ノ
ズルからの噴射量の多い所では、氷の層の厚さが薄くて
氷の微粒子の密度が小さくなる傾向にあった。
【0010】また、各ノズルから噴射される噴射量が異
なるままに負荷装置の稼働が続くことになるので、ブラ
イン上面に浮かぶ氷の層の厚さや、氷の層中の氷の微粒
子の密度の差は大きく開く一方であった。
【0011】循環通路のブライン戻り部から散布された
温度の高いブラインは、氷蓄熱槽内の氷の層が厚く氷の
微粒子の密度が高い所だけでなく、氷の層が薄く氷の微
粒子の密度が小さい所も通過する。しかも、氷の層が厚
く氷の微粒子の密度が高い所ほどノズルから噴射される
噴射量が少なく、氷の層が薄く氷の微粒子の密度が小さ
い所ほどノズルから噴射される噴射量が多いので、氷の
層の厚い所を通過した少量のブラインは充分に冷却さ
れ、氷の層の薄い所を通過した多量のブラインは充分に
は冷却されていないこととなり、氷の層の下には温度の
低いブラインと、温度の高いブラインとが混在すること
になる。従って、循環通路のブライン取り出し部から出
て、再び負荷装置へ送られるブラインは温度が一定しな
い為、負荷装置の能力が不規則に変動することとなる。
【0012】その上、氷の層が薄く氷の微粒子の密度が
小さい所ほどノズルから噴射される噴射量が多いので、
次第に氷の層の下に存在するブラインの温度は高めに推
移していくことになる。即ち、負荷装置の能力は次第に
低下していくことになる。
【0013】更に又、図1(c)に示すように、隣接す
るノズルYの少なくとも一方から噴射されるブラインの
噴射量及び噴射角度が小さく氷蓄熱槽内に蓄えられた氷
の層の表面上で重なり合わない場合には、負荷装置を経
て温度の高くなったブラインが散布されない部分ができ
ることになる。温度の高いブラインが散布された部分の
氷の表面Xは溶解されるが、散布されない部分の氷の表
面は溶解されないので、氷の層の表面に著しい凹凸がで
き、この散布状態が継続すると氷の層の表面の凹凸は一
層顕著になる。しかも、温度の高いブラインが散布され
る部分では、溶解が継続するので、溶解すればするほど
溶解した部分の氷の層は浮き上がろうとする。ところが
氷の層の下方では全体的に一体となった挙動を示し、氷
の層全体が浮き上がろうとするので、温度の高いブライ
ンが散布されない部分の氷は溶解されることなく、氷の
層の上面に高く突出することとなり、例えば柱状や小山
状の突出部Zが形成される。こうして溶解が継続するに
従って氷の層全体が自重と浮力の均衡を保つためにより
一層高さを増していくこととなり、そして遂には氷の突
出部Zは氷蓄熱槽の上部に付設された管を破壊し、さら
には蓋までも破壊することとなって、不都合を生じる。
そこでこのような不都合を起こさないようにする必要が
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな欠点のない氷蓄熱設備を提供しようとするものであ
る。すなわち、この発明は、氷蓄熱槽内の蓋に近接した
高所に、多数のノズルを全て垂直に、同一高さに、同一
間隔に取り付けて、ノズルから噴射されるブラインの噴
射量、噴射角度を同一にするに当たって、ノズル取付け
の作業性を良くし、しかも蓋に近接した高所にノズルを
設ける分氷蓄熱槽内に蓄えられ得る氷の微粒子の総量を
多くし、氷蓄熱設備の能力を大きなものとするものであ
る。更にこの発明は、ブライン中の水分をシャーベット
状の細かい氷の粒子として氷蓄熱槽内に蓄えておき、循
環通路から戻されるブラインを氷蓄熱槽内に蓄えられた
氷の層の表面上に余すところなく一様に噴出させ、氷の
層を一様に溶解させて、負荷装置の高い能力を一定に保
とうとするものである。また、この発明は、氷の層の表
面上に突出部が形成され、次第に高さを増していって氷
蓄熱槽の上部に付設された管や蓋を破壊することのない
ようにしようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上述の課
題を解決するためには、氷蓄熱槽内にある循環通路の戻
り部を格別な構造にする必要があると考えた。すなわ
ち、循環通路の戻り部を氷蓄熱槽の蓋に近接して複数個
の閉鎖した流体通路で構成し、各流体通路に複数個のノ
ズルを付設して、ノズルを氷蓄熱槽内で水平方向にほぼ
均等に分散させ、このように配置したノズルから戻りブ
ラインを噴出させる必要があると考えた。また、氷蓄熱
槽内で隣接するノズルから噴出するブラインの縁が、氷
蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表面上で、常に重なり合
うようにすると、上述の課題解決が一層容易確実になる
ことを見出した。この発明は、このような知見に基づい
て完成されたものである。
【0016】この発明は、ブライン中の水分を氷として
蓄える氷蓄熱槽と、氷蓄熱槽から取り出したブラインを
冷凍機で冷却して氷蓄熱槽へ戻す冷却通路と、氷蓄熱槽
から取り出したブラインを負荷装置を経て氷蓄熱槽へ戻
す循環通路とからなる氷蓄熱設備において、氷蓄熱槽の
蓋に接近して複数個の閉鎖した流体通路を設け、各流体
通路に複数個のノズルを付設し、これらのノズルを氷蓄
熱槽内で水平方向にほぼ均等に分散させ、負荷装置を経
たあとの循環通路の端を上記複数個の閉鎖した流体通路
に接続して、戻りブラインを上記ノズルから噴出させる
ようにしたことを特徴とする、氷蓄熱設備に関するもの
である。
【0017】また、この発明は、各ノズルが氷蓄熱槽内
に蓄えられた氷の層表面に向かってブラインを円錐状に
噴出し、隣接したノズルから噴出されるブラインの縁
が、上記氷の層表面上で常に重なり合うようにすること
を含んでいる。
【0018】さらに、この発明は、氷蓄熱槽の蓋が直角
四辺形の基板の四辺にフランジを設けた浅い箱状の単位
パネルの接続によって構成されており、閉鎖した流体通
路が単位パネル内に設置されているようにすることをも
含んでいる。
【0019】この発明に係る氷蓄熱設備を実施の一例に
ついて、図面に基づき説明すると次のとおりである。図
2及び図3は、この発明に係る氷蓄熱設備の一部切欠斜
視図である。図4及び図5は、この発明における循環通
路のブライン戻り部と蓋との関係を示した氷蓄熱槽の一
部切欠断面図である。
【0020】図2において、1は氷蓄熱槽であり、2は
冷却通路であり、3は循環通路である。冷却通路2及び
循環通路3内では、氷蓄熱槽1内に入れられているブラ
インが、それぞれポンプP1 及びP2 によって吸引され
てそれぞれ矢印x及びy方向に流れるようになってい
る。冷却通路2におけるブライン取り出し部は複数個の
管4で構成され、ブラインの戻り部は複数個の管5で構
成されている。循環通路3におけるブライン取り出し部
は複数個の管6で構成されている。また、循環通路3に
おけるブラインの戻り部は管7、管8及び管81、閉鎖
した流体通路9及びノズル10によって構成されてい
る。
【0021】この発明の特徴事項は循環通路3における
ブラインの戻り部に関係しているので、循環通路3の戻
り部について最初に説明する。氷蓄熱槽1は底11、4
個の側壁12ないし15、蓋16とで構成されている。
循環通路3の戻り部は、氷蓄熱槽1の内部の上方部分
に、蓋16に接近して設けられている。負荷装置を通過
したあとの循環通路の端は管7に接続されるが、管7は
側壁15に沿って延びている。管7は、これと直交して
延びる複数個の管8に接続され、管8は互いに平行に延
びている。管8の端は、これと直交して延びる管81に
接続され、管81は側壁13に沿って延びている。管8
は、その両側に設置された複数個の閉鎖された流体通路
9に接続されている。各閉塞された通路9はリング状の
小さな回路を形成し、その各回路に複数個のノズル10
が付設されている。各ノズル10はブラインを氷蓄熱槽
内に蓄えられた氷の層表面に向かって円錐状に広がる立
体内に分散して噴出するようにされている。
【0022】図2では管7、管8及び管81が閉鎖した
回路を形成しているので、ここで戻りのブラインの圧力
が均一化される。また、管8に接続される閉鎖された流
体通路9においても、均一な圧力が維持されることにな
り、同一構造のノズル10を付設するだけで、戻りブラ
インが氷蓄熱槽内に均等に噴出される。従って、各ノズ
ル毎に噴射量、噴射角度が異なるように調節する必要が
ない。
【0023】図2では、氷蓄熱槽の底11も、側壁12
ないし15も、蓋16も、何れも単位パネルの組み立て
によって構成されている。そのうち蓋16を構成する単
位パネルは、直角四辺形の基板の四辺に接続用フランジ
を設けて浅い箱状に形成されているが、その基板は中央
部が僅かに隆起して高さの低い四角錐台状を呈してい
る。上述のリング状の流体通路9は、その四角錐台の下
方に丁度納まる形となって収容されている。
【0024】図4(a)は、リング状の流体通路9が蓋
16を構成する単位パネルの中に収容されている状態を
断面によって示している。管7に接続された管8の両側
に、リング状の流体通路9が付設されているが、リング
状の流体通路9は四角錐台の基板に固定されている。そ
れに伴い、リング状の流体通路9に付設されたノズル1
0は、蓋16に極めて接近したところに位置することと
なっている。つまり予め、リング状の流体通路9に、複
数のノズル10を全て垂直に、同一面上に、同一間隔に
取り付けておき、このリング状の流体通路を氷蓄熱槽の
蓋16を構成する単位パネルの中に取り付けることによ
って、極めて容易にノズル10を、蓋16に接近したと
ころに位置させることができて、それだけ氷蓄熱槽内に
より多くの氷の微粒子を蓄えることが出来る。又、各ノ
ズル10から噴出するブラインは、氷蓄熱槽内に蓄えら
れる氷の層の表面X上に円錐状に散布され、隣接するノ
ズルから噴出するブラインの縁が、この表面X上で常に
重なり合う状態にされる。従って、温度の高いブライン
が氷の層を余すところなくほぼ一様に溶解することとな
るので、溶解されないために出来る氷の突出部が形成さ
れず好都合である。
【0025】図4(b)は、リング状の流体通路9が別
の方法で単位パネル中に付設されている状態を断面によ
って示している。図4(b)中で左側に示されるリング
状の流体通路9は、氷蓄熱槽の側壁上端で側壁間にさし
わたされた梁上に形鋼を乗せ、さらにその形鋼上に乗せ
られて付設されており、フレキシブルチューブにより管
8に接続されている。また、図4(b)中で中央に示さ
れるリング状の通路9は、蓋16の90度鍔間にさしわ
たされた形鋼上に乗せて付設されている。また、図4
(b)中で右側に示されるリング状流体通路9も同様な
形鋼上に乗せて付設され、フレキシブルでない管で図示
されていない管8に接続されている。
【0026】次に、冷却通路2のブライン取り出し部と
ブライン戻り部及び循環通路3のブライン取り出し部の
構造を説明すると次のとおりである。図2において、管
4ないし管6は、何れも氷蓄熱槽1の底11に沿って延
びるように配置されている。また、管4ないし管6は互
いに平行に配置されている。管4ないし管6は組をなし
ており、各組では管4ないし管6が同じ順序に配置され
ていることが好ましい。こうして、管4ないし管6は底
11のほぼ全面にわたって延びている。
【0027】管4ないし管6は、何れもその管にそれぞ
れ複数個の開口41、51、61が設けられ、これらの
開口はそれぞれの管の長手方向に沿ってほぼ等しい間隔
をおいて設けられている。管4の開口41と管6の開口
61とは、底11の面と平行な方向に向かって開き、互
いに反対方向に向かって開いている。また管5の開口5
1は、底11の面に垂直に上方に向かって開いている。
【0028】複数個の管4は、何れも一端が閉塞され、
他端において管4と垂直に延びる管42に接続され、管
42は一端が閉塞され、他端が底11から僅かに立ち上
がり、その後氷蓄熱槽1の側壁12を貫通して槽外へ出
て、ポンプP1 に連なる。こうして管4は、冷却通路2
のブライン取り出し部を形成している。
【0029】同様に複数個の管5は何れも一端が閉塞さ
れ、他端が何れも等しい僅かの高さだけ立ち上がり、そ
の先が管5と垂直に延びる管52に接続され、管52は
両端が閉塞され途中で分岐され、分岐管53が氷蓄熱槽
1の側壁13を貫通して槽外へ出て、その先が冷凍機へ
連結される。こうして、管5は冷却通路2のブラインの
戻り部を形成している。
【0030】また、同様に複数個の管6は、何れも一端
が閉塞され、他端が管6に垂直に延びる管62に接続さ
れ、管62は両端が閉塞され、途中の2ケ所に分岐管6
3が付設され、各分岐管63は氷蓄熱槽1の側壁14を
貫通して槽外へ出て、ポンプP2 に連なっている。こう
して、管6は循環通路の取り出し部を形成している。
【0031】なお、図2において、開口41と開口61
との向く方向を何れも底11の延びる平面と平行にし
て、且つ互いに位置をずらして反対がわに向け、開口5
1の向く方向を底11の平面に垂直にして上方に向ける
と、開口51から放出されたブラインが直ちに開口41
及び開口61に吸い込まれることがなくなり、従ってブ
ライン全体が一様な温度に一層なり易い。このために、
負荷装置は一様に冷気を放出し易くなる。
【0032】図2に示した氷蓄熱設備は上述のように構
成されているから、冷却通路2では、氷蓄熱槽1から氷
の層の下に溜まったブラインを均等に取り出すことがで
き、冷凍機で冷却された氷の微粒子を含むブラインを氷
蓄熱槽1の底上へ均等に放出できることとなる。同様に
循環通路3では、氷蓄熱槽1から氷の層の下に溜まった
ブラインを均等に取り出すことができ、負荷装置を出た
ブラインを氷蓄熱槽1内の氷の層の表面上へ隈なく噴出
させて氷の微粒子間の隙間を通って下方に向かう間に一
様に冷却させ、氷蓄熱槽1の底へ溜めることができる。
【0033】なぜならば、氷の層は氷蓄熱槽1の中で上
方に位置し、液状のブラインが下方に位置し、冷却通路
2の取り出し部が氷蓄熱槽1の底11に沿って延びてい
るために、その取り出し部は開口41から氷粒を吸い込
まないで液状のブラインを能率よく吸い込むこととな
り、その際、開口41が底11の全体にわたって分散し
ているので底11の全体からブラインを吸い込むことと
なる。また、開口41から吸い込まれたブラインは、冷
凍機によって冷却されて開口51から放出されるが、そ
の開口51も底11に沿い底11の全体にわたって分散
しているので、底11の近くへブラインを広く一様に排
出することとなるからである。また、循環通路3内を流
れるブラインは、開口61から吸い込まれ、負荷装置を
経てノズル10から放出されるが、開口61が底11に
沿い底11の全体にわたって分散しているので、さきに
述べた冷却通路2の吸い込みと同様に、氷粒を避けて底
11の全体から一様にブラインを吸い込むこととなる。
循環通路3の戻りのブラインは、氷蓄熱槽1の内部で側
壁15に沿って延びる管7に入れられ、次いで側壁12
と14とに沿って延びる管8及び側壁13に沿って延び
る管81に入り、均一な圧力とされて閉鎖された流体通
路9へ入れられるので、流体通路9内の戻りのブライン
が一様な圧力を持つことになる。その後に流体通路9に
付設されたノズル10から噴出されるので、隣接したノ
ズル10から均一化された圧力をもって噴出される。し
かも全てのノズル10が、垂直に、同一高さに、同一間
隔に、氷蓄熱槽1の蓋に接近した位置に蓋の全面にわた
って分散して設けられ、各ノズルに加わる圧力に差異が
ないので、戻りブラインは各ノズルから噴出され、氷蓄
熱槽内に蓄えられた氷の層表面上に一様に散布されるこ
ととなる。
【0034】また、このとき各ノズル10から噴出され
るブラインの縁が、氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表
面上で、常に重なり合うように配置されているので、噴
出されたブラインは上記の氷の層の全表面上に隈なく散
布される。従って、負荷装置を経てノズルから噴出され
た温度の高いブラインが氷の層の表面を余すところなく
ほぼ一様に溶解することとなり、溶解されないために出
来る氷の表面の突出部が形成されない。また隣接するノ
ズルから噴射されるブラインの噴射量及び噴射角度がと
もに大きく氷の表面上にほぼ同量均等に散布されるの
で、温度の高いブラインの全てが氷の微粒子の隙間を通
る間に一様に充分冷却されることとなり、氷の層の下に
は充分冷却された温度の一定したブラインが存在するこ
ととなって、このブラインを吸い込んで熱交換を行う負
荷装置の能力が変動せず、しかも高い能力が維持され
る。
【0035】さらに、ブラインが氷の層の全表面上に隈
なく均等に散布されるので、負荷装置を経て温度の高く
なったブラインは氷の微粒子の隙間を通って下方に向か
う時、氷の層の上部ほど均等によく溶かしブラインの温
度が下がるにつれて氷の層の下部ほど均等に少なく溶か
すこととなり、氷の層の厚さに厚い所と薄い所の差が出
来ず、常に氷蓄熱槽内に蓄積されている冷熱を均等にま
んべんなく利用することになって、熱効率が良い。図2
に示した氷蓄熱設備はこのような点で有利なものであ
る。
【0036】図3に示した氷蓄熱設備は、図2に示した
ものとほぼ同様であるが、次の点で大きく異なってい
る。すなわち、図2の管4と管6とは何れもブラインの
取り出し部として働くので、図3では管4と管6とを同
一の管46に接続して、ブラインを管46から分岐管6
3を経由して槽外に導くこととしている。こうして槽外
に導いたブラインを冷却通路2と循環通路3とに分配し
ている。
【0037】図3に示した氷蓄熱設備では、管4が管6
と同じものであるから、管4と管6とを何れも管6であ
ると考えることができ、従って見方によっては図2の氷
蓄熱設備の管4が管6で代用されていると考えることが
でき、図2の管4と管42とは省略されていると見るこ
ともできる。この発明に係る氷蓄熱設備は図3に示した
ようなものであってもよい。
【0038】また、図3に示した氷蓄熱設備では、循環
通路3の戻り部の構造が、次の点で異なっている。図3
では、管7から直交して延びる複数個の管8の先がそれ
ぞれ閉鎖されているので、各管8内の圧力が均一でな
く、従って、管8に接続される閉鎖された流体通路9内
の圧力は各々異なることになる。しかし、閉鎖された各
流体通路9内の圧力は均一化されるから、各流体通路9
に付設される複数個のノズル10は同一構造とすること
ができる。つまり、各ノズル毎に噴射量、噴射角度が異
なるように調節する必要はない。また、図2では、閉鎖
された流体通路9としてリング状のものを用いたが、図
3ではリング状の代わりに正方形状のものが付設され、
各正方形91の各かど部にノズル10が付設されてい
る。こうして、循環通路3から戻されたブラインはノズ
ル10から氷蓄熱槽内へ噴霧されて氷の層の表面上に散
布される。
【0039】図3に示した氷蓄熱設備は、図2について
説明したのとほぼ同様の効果をもたらすが、ただ管4と
管42及び管81が省略されているだけ、その構造が簡
単になっている、という利点がある。
【0040】図4(a)及び図4(b)では、管7及び
管8を氷蓄熱槽1の内部に付設することとし、従って管
7及び管8は蓋16の下方に設けられた。しかし、管7
及び管8を、図5(a)及び図5(b)に示したよう
に、氷蓄熱槽1の外に付設してもよい。すなわち、管7
及び管8は蓋16の上方に位置し、管8に連なる管82
が蓋16を貫通して氷蓄熱槽1の中へ入り、氷蓄熱槽1
の内部に付設された流体通路9に接続されてもよい。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、閉鎖した流体通路に
複数のノズルを付設し、これを氷蓄熱槽内に配設するこ
ととしたので、多数のノズルを全て垂直に、同一高さ
に、同一間隔に、しかも作業性良く、能率的に、氷蓄熱
槽内でもっとも高い位置である蓋に接近した高所に取り
付けることができる。つまり、各ノズルが氷蓄熱槽の蓋
に接近して設けられるので、氷蓄熱槽内に大量の氷の微
粒子を蓄えることができる。
【0042】また、この発明によれば、氷蓄熱槽の蓋に
接近して複数個の閉鎖した流体通路を設け、各流体通路
に複数個のノズルを付設し、これらのノズルを氷蓄熱槽
内で水平方向にほぼ均等に分散させ、負荷装置を経由し
たあとの循環通路の端を上記複数個の閉鎖した流体通路
に接続して、戻りブラインを上記ノズルから噴出させる
ようにしたので、戻りブラインは、氷蓄熱槽内に蓄えら
れた氷の層表面上に、隣接したノズルから一様な圧力で
噴出することとなる。
【0043】また、氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表
面Xは、負荷装置を経てノズルから噴出された温度の高
いブラインによって溶解されるが、この発明では隣接す
るノズルから円錐状に噴出されたブラインの縁が、氷の
層の表面X上で常に重なるようにノズルと氷の層の表面
との関係を調整したので、循環通路から戻されるブライ
ンが隈なく氷の層の表面X上に散布され、従って溶解さ
れないために出来る氷の表面の突出部が形成されない。
また、隣接するノズルから噴射されるブラインの噴射量
及び噴射角度がともに大きく氷の表面上にほぼ同量均等
に散布されるので、負荷装置を経て温度の高くなったブ
ラインは氷の微粒子の隙間を通って下方に向かう時、氷
の層の上部ほど均等によく溶かしブラインの温度が下が
るにつれて氷の層の下部ほど均等に少なく溶かすことと
なり、氷の層の厚さに厚い所と薄い所との差が出来な
い。更に、温度の高いブラインの全てが氷の微粒子の隙
間を通る間に一様に充分冷却されることとなり、氷の層
の下には充分冷却された温度の一定したブラインが存在
することとなって、このブラインを吸い込んで熱交換を
行う負荷装置の能力が変動せず、しかも高い能力が維持
される。
【0044】また、蓋が直角四辺形の基板の四辺にフラ
ンジを設けた浅い箱状の単位パネルの接続により構成さ
れており、閉鎖した流体通路が単位パネル内で基板に近
接して設置されているときは、流体通路が蓋を構成する
単位パネル内に入り込んでいるような構造にすることが
できるので、流体通路を氷蓄熱槽内の高いところに納ま
りよく設けることができ、従って氷蓄熱槽の冷熱容量を
容易に向上させることができる。この発明はこのような
利益を与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の氷蓄熱設備における氷蓄熱槽の一部切欠
縦断面図である。
【図2】この発明に係る氷蓄熱設備の一部切欠斜視図で
ある。
【図3】この発明に係る氷蓄熱設備の一部切欠斜視図で
ある。
【図4】この発明に係る氷蓄熱槽の一部切欠縦断面図で
ある。
【図5】この発明に係る氷蓄熱設備で用いることのでき
る氷蓄熱槽の一部切欠縦断面図である。
【符号の説明】
1 氷蓄熱槽 2 冷却通路 3 循環通路 4、5、6 管 7 管 8 管 9 流体通路 10 ノズル 11 氷蓄熱槽1の底 12、13、14、15 氷蓄熱槽1の側壁 16 氷蓄熱槽1の蓋 41、51、61 開口 42、52、62、46 管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 複数個の管4は、何れも一端が管4と垂
直に延びる管42に接続され、管42は一端が閉塞さ
れ、他端が底11から僅かに立ち上がり、その後氷蓄熱
槽1の側壁12を貫通して槽外へ出て、ポンプPに連
なる。こうして管4は、冷却通路2のブライン取り出し
部を形成している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 同様に複数個の管5は何れも等しい僅か
の高さだけ立ち上がり、その先が管5と垂直に延びる管
52に接続され、管52は両端が閉塞され途中で分岐さ
れ、分岐管53が氷蓄熱槽1の側壁13を貫通して槽外
へ出て、その先が冷凍機へ連結される。こうして、管5
は冷却通路2のブラインの戻り部を形成している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 また、複数個の管6は、何れも一端が閉
塞され、他端が管6に垂直に延びる管62に接続され、
管62は両端が閉塞され、途中の2ケ所に分岐管63が
付設され、各分岐管63は氷蓄熱槽1の側壁14を貫通
して槽外へ出て、ポンプPに連なっている。こうし
て、管6は循環通路の取り出し部を形成している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブライン中の水分を氷として蓄える氷蓄
    熱槽と、氷蓄熱槽から取り出したブラインを冷凍機で冷
    却して氷蓄熱槽へ戻す冷却通路と、氷蓄熱槽から取り出
    したブラインを負荷装置を経て氷蓄熱槽へ戻す循環通路
    とからなる氷蓄熱設備において、氷蓄熱槽の蓋に接近し
    て複数個の閉鎖した流体通路を設け、各流体通路に複数
    個のノズルを付設し、これらのノズルを氷蓄熱槽内で水
    平方向にほぼ均等に分散させ、負荷装置を経たあとの循
    環通路の端を上記複数個の閉鎖した流体通路に接続し
    て、戻りブラインを上記ノズルから噴出させるようにし
    たことを特徴とする、氷蓄熱設備。
  2. 【請求項2】 各ノズルが氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の
    層表面に向かってブラインを円錐状に噴出し、隣接した
    ノズルから噴出されるブラインの縁が、上記氷の層表面
    上で常に重なり合うようにしたことを特徴とする、請求
    項1の氷蓄熱設備。
  3. 【請求項3】 蓋が直角四辺形の基板の四辺にフランジ
    を設けた浅い箱状の単位パネルの接続により構成されて
    おり、閉鎖した流体通路が単位パネル内に設置されてい
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の氷蓄熱
    設備。
JP34238193A 1993-12-13 1993-12-13 氷蓄熱設備 Pending JPH07167464A (ja)

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Legal Events

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A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021031