JPH07167222A - 動力伝動ベルト - Google Patents

動力伝動ベルト

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JPH07167222A
JPH07167222A JP31792393A JP31792393A JPH07167222A JP H07167222 A JPH07167222 A JP H07167222A JP 31792393 A JP31792393 A JP 31792393A JP 31792393 A JP31792393 A JP 31792393A JP H07167222 A JPH07167222 A JP H07167222A
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JP
Japan
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rubber layer
canvas
power transmission
transmission belt
latex composition
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JP31792393A
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Atsushi Azuma
篤 東
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤を必要とせず、耐熱性にすぐれ、と
くにゴム層と帆布との接着力が大きい動力伝動ベルトを
提供すること。 【構成】 心線が埋設された接着ゴム層と圧縮ゴム層と
が積層され、その外面に帆布が接着された動力伝動ベル
トであって、前記帆布がレゾルシン−ホルムアルデヒド
初期縮合物およびケイ酸化合物を含有した水性ラテック
ス組成物を含浸させたものであることを特徴とする動力
伝動ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力伝動ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、動力伝動ベルトは、産業用機械、
自動車、船舶などの種々の産業分野に用いられており、
該動力伝動ベルトの外面に接着された帆布には、主とし
て糊ゴムが糊引き法によってコーティングされていた
が、糊ゴムには有機溶剤が用いられているため、火災の
危険性、環境汚染などに問題があった。
【0003】こうした糊ゴムを用いたばあいの問題点を
解決しうるものとして、水系のクロロプレンゴムラテッ
クスとカルボキシル化クロロプレンゴムラテックスから
なるラテックス配合組成物が提案されている(特開昭6
3−15146号公報)。
【0004】前記ラテックス配合組成物を用いたばあい
には、糊ゴムを用いたときの問題点が解決されるが、耐
熱性が充分でなく、またゴム層と帆布との接着力におと
るという問題があった。
【0005】そこで、ゴム層と帆布との接着性を向上せ
しめるために、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合
物とクロロプレンゴムラテックス、ビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックスなどのラテック
スとを混合した処理液(以下、RFL液という)を含浸
させた帆布を用い、乾燥後に熱処理を施してゴム層と接
着せしめる方法や、加硫可能なゴムにメチレン供与体お
よびメチレン受容体を配合し、ゴムを加硫すると同時に
帆布と接着せしめる方法(以下、HRH法という)など
を用いることが試みられている。
【0006】しかしながら、前記RFL液は、繊維コー
ドとゴム層との接着には適用することができるが、かか
るRFL液を含浸させた帆布は、硬すぎて動力伝動ベル
トに用いることが困難であり、またHRH法では、メチ
レン供与体およびメチレン受容体が直接ゴムに配合され
るので、帆布と糊ゴムとの接着力が小さく、ゴム層全体
と帆布との接着力に劣るといった問題がある。したがっ
て、とくにゴム層と帆布との接着性が向上された動力伝
動ベルトの開発が待ち望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、有機溶剤を必要とせ
ず、耐熱性にすぐれ、とくにゴム層と帆布との接着力が
大きい動力伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、心
線が埋設された接着ゴム層と圧縮ゴム層とが積層され、
その外面に帆布が接着された動力伝動ベルトであって、
前記帆布がレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物お
よびケイ酸化合物を含有した水性ラテックス組成物を含
浸させたものであることを特徴とする動力伝動ベルトに
関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の動力伝動ベルトは、前記
したように、心線が埋設された接着ゴム層と圧縮ゴム層
とが積層され、その外面に帆布が接着されたものであ
り、前記帆布がレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合
物およびケイ酸化合物が含有された水性ラテックス組成
物を含浸させたものであることを特徴とするものであ
る。
【0010】以下、図面を参考にして本発明の動力伝動
ベルトを説明する。
【0011】図1は、本発明の動力伝動ベルトの切口を
有するVベルトの概略説明図である。
【0012】図1において、心線4が埋設された接着ゴ
ム層3と圧縮ゴム層5とが積層されており、該接着ゴム
層3と圧縮ゴム層5の周囲には、帆布1が接着されてい
る。
【0013】心線4は、通常用いられているものであれ
ばよく、その材質としては、たとえばポリエステル、ガ
ラス、ポリアミドなどがあげられる。心線4の直径は、
通常0.5〜2mm程度であることが好ましく、また埋
設される心線4の本数は、動力伝動ベルトの用途に応じ
て適宜調整すればよいが、通常4〜10本程度であるこ
とが好ましい。
【0014】接着ゴム層3に用いられるゴム成分として
は、耐熱性、耐力学的疲労性、心線4との接着性などを
考慮すれば、たとえばクロロプレンゴム、水素添加アク
リロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリ
エチレンゴムなどが好ましい。かかる接着ゴム層3のゴ
ム硬度(Hs)は、通常60〜80(JIS A)程
度、なかんづく60〜70(JIS A)程度であるこ
とが好ましい。
【0015】圧縮ゴム層5に用いられるゴム成分として
は、耐熱性、耐力学的疲労性、接着ゴム層3との接着性
などを考慮すれば、たとえばクロロプレンゴム、水素添
加アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン
化ポリエチレンゴムなどが好ましい。かかる圧縮ゴム層
5の硬度は、弾性を付与せしめるために、通常60〜8
5(JIS A)程度、なかんづく70〜85(JIS
A)程度であることが好ましい。
【0016】前記接着ゴム層3と圧縮ゴム層5とは積層
されるが、両ゴム層はたがいに接着によって一体化され
る。積層された接着ゴム層3および圧縮ゴム層5の少な
くとも一部に水性ラテックス組成物が含浸された帆布1
が接着される。
【0017】帆布1としては、通常、動力伝動ベルトに
用いられているものであればとくに限定なく用いること
ができる。かかる帆布1の具体例としては、たとえば
綿、ポリエステル、ポリアミドなどの素材からなるもの
があげられる。
【0018】ここで、水性ラテックス組成物は、レゾル
シン−ホルムアルデヒド初期縮合物およびケイ酸化合物
を含有したものである。
【0019】なお、本発明に用いられる水性ラテックス
組成物のラテックスとしては、接着性、耐熱性、耐オゾ
ン性などの物性のバランスの点から、たとえば2−クロ
ロ−1,3−ブタジエンの重合体であるポリクロロプレ
ンラテックスや2−クロロ−1,3−ブタジエン−2,
3−ジクロロ−1,3−ブタジエン共重合体などのクロ
ロプレン系ラテックスなどが好ましい代表例としてあげ
られる。また水性ラテックス組成物中のラテックスの樹
脂固形分量は、あまりにも多いばあいには、帆布とゴム
層との接着力およびえられる動力伝動ベルトの耐熱性が
低下する傾向があり、またあまりにも少ないばあいに
は、動力伝動ベルトの成形加工時に、帆布の粘着性が小
さいことから成形が困難となる傾向があるので、通常5
〜65重量%程度、なかんづく10〜60重量%程度で
あることが好ましい。
【0020】本発明において、前記レゾルシン−ホルム
アルデヒド初期縮合物およびケイ酸化合物両成分が含有
された水性ラテックス組成物を用いることによって、該
水性ラテックス組成物が含浸された帆布が硬くなりすぎ
ることがなく、該帆布とゴム層との接着性が向上する。
【0021】前記レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮
合物は、レゾルシンおよびホルムアルデヒドを酸触媒ま
たは塩基性触媒の存在下で縮合反応させてえられるもの
である。
【0022】前記レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮
合物をうる際のレゾルシンとホルムアルデヒドとのモル
比(レゾルシン/ホルムアルデヒド)は、ホルムアルデ
ヒドがあまりにも多いばあいには、帆布とゴム層との接
着性が低下する傾向があり、またあまりにも少ないばあ
いには、反応性が劣るようになる傾向があるので、1/
4〜1/0.5、なかんづく1/2〜1/1であること
が好ましい。
【0023】また前記酸触媒としては、たとえば塩酸、
シュウ酸、スルホン酸、リン酸などが代表例としてあげ
られ、塩基性触媒としては、たとえば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニアなどが代表例としてあ
げられる。
【0024】なお、本発明において、前記レゾルシン−
ホルムアルデヒド初期縮合物の数平均分子量にはとくに
限定がない。
【0025】前記レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮
合物の配合量は、水性ラテックス組成物中のラテックス
の樹脂固形分100部(重量部、以下同様)に対して3
〜20部、なかんづく5〜15部であることが好まし
い。かかるレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物の
配合量が前記下限値よりも少ないばあいには、とくに高
温下での帆布のゴム層に対する接着力が低下するように
なる傾向があり、また前記上限値よりも多いばあいに
は、帆布が硬くなりすぎて動力伝動ベルトの耐疲労性が
低下する傾向がある。
【0026】本発明に用いられる前記レゾルシン−ホル
ムアルデヒド初期縮合物は、帆布をゴム層と接着せしめ
る際に高分子量化されるものであり、該レゾルシン−ホ
ルムアルデヒド初期縮合物は、水に溶解せしめた状態で
水性ラテックス組成物に容易に配合することができる
が、本発明においては、該レゾルシン−ホルムアルデヒ
ド初期縮合物のほかに、帆布の耐水性や反応安定性を向
上せしめるために、たとえば通常HRH法で用いられる
メチレン供与体およびメチレン受容体を組み合わせて用
いることができる。
【0027】前記メチレン供与体の代表例としては、た
とえばヘキサメチレンテトラミン、多価メチロールメラ
ミン誘導体、オキサゾリジン誘導体、多価メチロール化
アセチレン尿素誘導体などがあげられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。また前
記メチレン受容体の代表例としては、たとえばレゾルシ
ン、レゾルシンとアルキルフェノール、アリルフェノー
ル、アラルキルフェノールなどのフェノール類とアルデ
ヒドとの共縮合物、アルキルフェノール、アリルフェノ
ール、アラルキルフェノールなどのフェノール類とアル
デヒドとの縮合物の混合物、レゾルシンおよび脂肪酸の
混合物などのレゾルシン系化合物;m−クレゾール−ア
ルデヒド縮合物、m−エチルフェノール−アルデヒド縮
合物などのm−置換アルキルフェノール系化合物;メチ
ルレゾルシン、エチルレゾルシン、プロピルレゾルシ
ン、エチルレゾルシン−アルデヒド縮合物、プロピルレ
ゾルシン−アルデヒド縮合物などのアルキルレゾルシン
系化合物などがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0028】なお、前記メチレン供与体およびメチレン
受容体が水に対する親和性が小さいばあいには、たとえ
ば界面活性剤などによって水との親和性を高めてもよ
く、また水に溶解しないばあいには、たとえばボールミ
ル、ホモジナイザーなどを用いて粉砕し、界面活性剤な
どとともに水性ラテックス組成物に分散させてもよい。
【0029】前記メチレン供与体およびメチレン受容体
の配合量は、水性ラテックス組成物中のラテックスの樹
脂固形分100部に対して3〜30部、なかんづく5〜
20部であることが好ましい。かかるメチレン供与体お
よびメチレン受容体の配合量が前記下限値よりも少ない
ばあいには、帆布とゴム層との接着性が劣るようになる
傾向があり、また前記上限値よりも多いばあいには、帆
布が硬くなりすぎて動力伝動ベルトの耐疲労性が低下す
る傾向がある。
【0030】前記ケイ酸化合物の代表例としては、たと
えば無水ケイ酸;含水ケイ酸;含水ケイ酸カルシウム、
含水ケイ酸アルミニウムなどの含水ケイ酸塩などがあげ
られるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもので
はない。
【0031】前記ケイ酸化合物としては、その平均粒子
径が1〜50μm程度、なかんづく1〜25μm程度の
ものであることが帆布とゴム層との接着性の向上の点か
ら好ましい。またかかるケイ酸化合物は、通常水に対す
る溶解性が小さいので、たとえば界面活性剤などによっ
て水に対する溶解性を高め、水性ラテックス組成物に分
散させて用いることが好ましく、たとえばコロイダルシ
リカといった無水ケイ酸の微粒子を水に分散せしめたも
のを水性ラテックス組成物に配合することもできる。
【0032】前記ケイ酸化合物の配合量は、水性ラテッ
クス組成物中のラテックスの樹脂固形分100部に対し
て3〜20部、なかんづく5〜15部であることが好ま
しい。かかるケイ酸化合物の配合量が前記下限値よりも
少ないばあいには、帆布とゴム層との接着性が劣るよう
になる傾向があり、また前記上限値よりも多いばあいに
は、とくに高温下での帆布とゴム層との接着性が低下す
るようになる傾向がある。
【0033】さらに、本発明においては、接着ゴム層3
や圧縮ゴム層5との接着を強固にするために、水性ラテ
ックス組成物に加硫剤を配合することが好ましい。
【0034】かかる加硫剤の代表例としては、たとえば
イオウ、亜鉛華などがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。該加硫剤の配合量
は、水性ラテックス組成物中のラテックスの樹脂固形分
100部に対して0.5〜6部、なかんづく0.5〜4
部であることが好ましい。かかる加硫剤の配合量が前記
下限値よりも少ないばあいには、ゴム層との接着力が小
さくなるようになる傾向があり、また前記上限値よりも
多いばあいには、反応性が大きくなりすぎて加工が困難
となったり、えられる動力伝動ベルトの耐熱性が低下す
る傾向がある。
【0035】なお、前記水性ラテックス組成物には、必
要により、通常糊ゴムなどに用いられている配合剤を適
量配合してもよい。
【0036】前記配合剤の具体例としては、たとえばジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、
テトラエチルチウラムジスルフィドなどの加硫促進剤、
p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルア
ミン、N−フェニル−N´−イソプロピル−p−フェニ
レンジアミンなどの老化防止剤、ジオクチルフタレー
ト、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなど
の軟化剤、カーボンブラック、酸化チタン、群青(JI
S K5112規格)、リトポン(JIS K5105
規格)などの着色剤、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、シリカなどの充填剤、クロマン樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、ロジン誘導体、石油系炭化水素樹
脂などの粘性付与剤、アルキルアリルスルホン酸ナトリ
ウムなどのアルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮
合物、特殊ポリカルボン酸塩型分散剤などの分散剤、オ
レイン酸カリウム石けん、ステアリン酸ナトリウムなど
の乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの安定化
剤、カルボキシル化メチルセルロースやそのナトリウム
塩、ポリアクリル酸ナトリウムなどの増粘剤などがあげ
られる。
【0037】前記配合剤が水に対する親和性が小さいば
あいには、たとえば界面活性剤などによって水との親和
性を高めてもよく、また水に溶解しないばあいには、た
とえばボールミル、ホモジナイザーなどを用いて粉砕
し、水性ラテックス組成物に分散させてもよい。
【0038】本発明においては、帆布1には、あらかじ
めたとえば一般に動力伝動ベルトの帆布に用いられてい
るイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの接着性
を改善する処理液で含浸処理を施してもよい。このよう
な含浸処理を施したばあいには、帆布1とゴム層とをよ
り一層強固に接着させることができる。
【0039】なお、これらの成分は、必要により、水性
ラテックス組成物に配合させてもよい。
【0040】帆布に水性ラテックス組成物を含浸させる
方法としては、たとえばソーキング法などがあげられる
が、本発明はかかる方法のみに限定されるものではな
い。
【0041】なお、帆布に水性ラテックス組成物を含浸
させたのちには、必要により、50〜200℃程度の温
度で乾燥させればよい。
【0042】水性ラテックス組成物を含浸させた帆布1
は、接着ゴム層3と圧縮ゴム層5との積層体に接着され
る。
【0043】帆布1を接着ゴム層3と圧縮ゴム層5との
積層体に接着する際には、かかる帆布1と積層体との接
着性をさらに向上せしめるために、たとえばロールコー
ターやナイフコーターなどを用い、たとえばソーキング
法などによって含浸させたものよりも粘度を大きくした
水性ラテックス組成物をコーティングするなどして、図
1に示されるような水性ラテックス組成物層2を形成さ
せることが好ましい。
【0044】また、帆布1は、図1に示されるように、
前記積層体の全面に接着させてもよく、一部分にのみ接
着させてもよい。
【0045】さらに、帆布を前記積層体の全面に接着さ
せるばあいには、通常帆布の両端が重なるようにして接
着させることが好ましく、またかかる帆布は、通常積層
体に1重で接着されていればよいが、それ以上、たとえ
ば2重以上に積層された状態で接着されていてもよい。
【0046】なお、水性ラテックス組成物の帆布1への
付着量は、あまりにも多いばあいには、経済性が低下す
る傾向があり、またあまりにも少ないばあいには、ゴム
層と帆布との接着が不充分となる傾向があるので、樹脂
固形分量で80〜480g/m2 、なかんづく160〜
320g/m2 であることが好ましい。
【0047】帆布1を接着ゴム層3と圧縮ゴム層5との
積層体に張り合わせたのちには、必要により、140〜
200℃程度の温度で加硫させればよい。
【0048】図2は、本発明の動力伝動ベルトの切口を
有するVリブドベルトの概略説明図である。
【0049】図2において、心線4が埋設された接着ゴ
ム層3と圧縮ゴム層5とが積層されており、接着ゴム層
3の上面には、水性ラテックス組成物層2を介して帆布
1が接着されている。
【0050】以上、本発明の動力伝動ベルトを図1〜2
に基づいて説明したが、本発明はかかる図面に記載の態
様のみに限定されるものではない。
【0051】つぎに、本発明の動力伝動ベルトを実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例にのみに限定されるものではない。
【0052】実施例1 レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物として、レゾ
ルシン15部および37重量%ホルムアルデヒド水溶液
15.9部(レゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比
(レゾルシン/ホルムアルデヒド):1/1.44)な
らびに水酸化ナトリウム1.7部およびイオン交換水3
10部からえられた初期縮合物の6.6重量%溶液(以
下、6.6%RF液という)106部を用い、ケイ酸化
合物として、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)
製、スノーテックス20、無水ケイ酸の20重量%水分
散体)50部を用い、これらとネオプレンラテックス4
00(昭和電工・デュポン(株)製、ポリクロロプレン
ラテックス、固形分量50重量%)200部、ならびに
カーボンブラックFEF10部、酸化亜鉛10部、ノク
ラックTD(大内新興化学工業(株)製、p−(p−ト
ルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン)2部、
コロイドイオウ1部、ノクセラーBZ(大内新興化学工
業(株)製、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛)
2部、デモールN(花王(株)製、アルキルアリルスル
ホン酸塩のホルマリン縮合物)0.75部、エマルゲン
911(花王(株)製、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル)0.25部およびイオン交換水50部
をボールミルを用いて粉砕してえられた水分散体を配合
して水性ラテックス組成物をえた。
【0053】つぎに、えられた水性ラテックス組成物中
に綿/ポリエステル繊維混紡(重量比50/50)の帆
布(坪量:14.5g/m2 )を浸漬させてソーキング
し(付着量192g/m2 )、これを70℃で乾燥させ
たのち、前記ソーキングに用いられた水性ラテックス組
成物の組成においてネオプレンラテックス400 20
0部のかわりにネオプレンラテックス635(昭和電工
・デュポン(株)製、ポリクロロプレンラテックス、固
形分量58重量%)200部を用い、さらに増粘剤(セ
ロゲン3H、第一工業製薬(株)製、カルボキシルメチ
ルセルロースのナトリウム塩)0.6部および粘性付与
剤(スーパーエステルE−710、荒川化学工業(株)
製、安定化ロジンエステル系水分散型粘着剤、樹脂固形
分量50重量%、樹脂軟化点75℃)を配合して粘度を
大きくした水性ラテックス組成物を、ロールコーターを
用いて帆布の片面にコーティングし(付着量64g/m
2)、70℃で乾燥して水性ラテックス組成物層2を形
成した。こののち、図2に示されるように、心線4(ポ
リエステル、直径1mm)が埋設された接着ゴム層3
(クロロプレンゴム、ゴム硬度(Hs)70(JIS
A))と圧縮ゴム層5(クロロプレンゴム、ゴム硬度
(Hs)85(JIS A))とが積層された積層体の
接着ゴム層3上に水性ラテックス組成物層2が接するよ
うに帆布を接着させたのち、150℃で30分間加硫さ
せて動力伝動ベルトをえた。
【0054】えられた動力伝動ベルトの帆布とゴム層と
の接着力を以下の方法にしたがって調べた。その結果を
表1に示す。
【0055】(接着力)ポリクロロプレン100部に対
して、カーボンブラックFEF35部、ジオクチルフタ
レート15部、ノクラックTD2部、ステアリン酸1
部、酸化マグネシウム4部、酸化亜鉛5部およびニップ
シールVN−3(シリカ)10部を混合し、バンバリー
ミキサーで混練して被着ゴムを調製した。
【0056】かかる被着ゴムと前記と同様にして水性ラ
テックス組成物を含浸させた帆布2枚とを150℃で3
0分間加熱して加硫接着させて試験片(40mm×18
0mm、厚さ8mm)を作製した。
【0057】えられた試験片について、ストログラフ
(東洋精機(株)製、引張り試験機)を用いて室温(2
5℃)または感温(120℃)で引張り速度50mm/
分にて剥離試験を行ない、接着強度(kg/cm)を測
定した。
【0058】比較例1〜3 実施例1において、6.6%RF液およびコロイダルシ
リカを用いなかった(比較例1)またはコロイダルシリ
カを用いなかった(比較例2)または6.6%RF液を
用いなかった(比較例3)ほかは、実施例1と同様にし
て動力伝動ベルトをえた。
【0059】えられた動力伝動ベルトの帆布とゴム層と
の接着力を実施例1と同様にして調べた。その結果を表
1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1に示された結果から、実施例1でえら
れた動力伝動ベルトは、比較例1〜3のレゾルシン−ホ
ルムアルデヒド初期縮合物および/またはケイ酸化合物
が含有されていない水性ラテックス組成物を用いてえら
れた動力伝動ベルトと対比して帆布とゴム層との接着力
にすぐれたものであることがわかる。
【0062】また、実施例1でえられた動力伝動ベルト
は、120℃といった高温における接着力にもすぐれて
いることから、かかる動力伝動ベルトは、耐熱性にすぐ
れたものであることがわかる。
【0063】
【発明の効果】本発明の動力伝動ベルトは、有機溶剤を
用いずに製造されたものであるので、引火などの危険性
がなく、しかも環境汚染などの問題を発生することがな
い。
【0064】また、本発明の動力伝動ベルトは、耐熱性
にすぐれたものであり、またとくにゴム層と帆布との接
着力にすぐれたものであるので、大きな応力が加わる各
種動力伝動ベルトとして好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動力伝動ベルトの切口を有するVベル
トの概略説明図である。
【図2】本発明の動力伝動ベルトの切口を有するVリブ
ドベルトの概略説明図である。
【符号の説明】
1 帆布 3 接着ゴム層 4 心線 5 圧縮ゴム層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心線が埋設された接着ゴム層と圧縮ゴム
    層とが積層され、その外面に帆布が接着された動力伝動
    ベルトであって、前記帆布がレゾルシン−ホルムアルデ
    ヒド初期縮合物およびケイ酸化合物を含有した水性ラテ
    ックス組成物を含浸させたものであることを特徴とする
    動力伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 水性ラテックス組成物が加硫剤を配合し
    たものである請求項1記載の動力伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508510A (ja) * 2003-10-17 2007-04-05 ダイコ ユーロペ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ 歯付きベルト

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