JPH07166908A - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents

車両のトラクションコントロール装置

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JPH07166908A
JPH07166908A JP31763993A JP31763993A JPH07166908A JP H07166908 A JPH07166908 A JP H07166908A JP 31763993 A JP31763993 A JP 31763993A JP 31763993 A JP31763993 A JP 31763993A JP H07166908 A JPH07166908 A JP H07166908A
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JP
Japan
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adjusting means
control
amount
engine
engine output
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Application number
JP31763993A
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English (en)
Inventor
Fumio Kageyama
文雄 景山
Tomoyuki Hirao
知之 平尾
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動輪に過剰スリップ状態が発生したとき
に、遅滞なく、エンジントルクを低下させることができ
る車両のトラクションコントロール装置を提供する。 【構成】 エンジン出力を少なくとも吸気系調節手段と
燃料系調節手段と点火系調節手段とにより制御するエン
ジン制御手段と、上記吸気系調節手段に関する駆動輪の
スリップ量に応じた制御量を設定して、該設定値を表す
情報を上記エンジン制御手段に伝送し、該エンジン制御
手段に上記設定値に基づいて上記吸気系調節手段の制御
を行わせ、これにより、上記駆動輪のスリップ量を制御
するトラクション制御手段とを備えた車両のトラクショ
ンコントロール装置において、上記設定値の変化率が所
定値以上の場合、上記吸気系調節手段に加えて、上記燃
料系調節手段および上記点火系調節手段のうちの少なく
とも一方を作動させる過渡制御手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の目標スリップ量
に基づいて駆動輪の路面に対するスリップ量を制御する
車両のトラクションコントロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、駆動輪の路面に対するスリッ
プ量が所定の目標スリップ量になるように制御する車両
のトラクションコントロール装置が知られている。この
トラクションコントロール装置は、特に路面の摩擦係数
μが低い場合に、車両の発進時および加速時等に駆動輪
が過大駆動トルクによりスリップして、発進が困難にな
ったり、あるいは加速性が低下したり、さらには駆動輪
が操舵輪を兼ねる場合に操舵性が低下したりすることを
防止するために、駆動輪のスリップ量を検出し、この駆
動輪のスリップ量が路面の摩擦係数に対応する目標スリ
ップ量となるように、エンジン出力を低下させたり駆動
輪のブレ−キ力を増大させたりする制御を行うものであ
る。
【0003】このようなトラクションコントロール装置
を備えた車両においては、従来より、例えば実開平3−
23628号公報に記載されているように、エンジン制
御用の電子コントロ−ルユニット(ENG−ECU)に
加えて、トラクション制御用の電子コントロ−ルユニッ
ト(TCS−ECU)を設けている。そして、このTC
S−ECUは、駆動輪の過剰スリップ状態を検出する
と、その過剰スリップ状態を表す情報を上記ENG−E
CUに伝送して、エンジン出力を低下させるように構成
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なトラクションコントロール装置を備えた車両において
は、一般に、アクセルペダルに機械的に連結されたメイ
ンスロットルバルブに直列的に、サブスロットルバルブ
をエンジンの吸気通路に配設し、駆動輪の過剰スリップ
時には、上記サブスロットルバルブの開度をアクチュエ
−タを介して制御して(スロットル開度を減少させ
て)、エンジンのトルクダウンを行っているが、トルク
ダウン要求時点から実際にエンジントルクが所望値にま
で低下するのに若干の時間を要するために、その間の制
御遅れが問題になっていた。
【0005】このような事情に鑑み、本発明は、駆動輪
に過剰スリップ状態が発生したときに、遅滞なく、エン
ジントルクを低下させることができる車両のトラクショ
ンコントロール装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わる車両のトラクションコントロール装
置は、複数のエンジン出力調節手段を制御するエンジン
制御手段と、上記複数のエンジン出力調節手段のうちの
特定のエンジン出力調節手段に関する駆動輪の路面に対
するスリップ量に応じた制御量を設定して、該設定値を
表す情報を上記エンジン制御手段に伝送し、該エンジン
制御手段に上記設定値に基づいて上記特定のエンジン出
力調節手段の制御を行わせ、これにより、上記駆動輪の
スリップ量を制御するトラクション制御手段とを備えた
車両のトラクションコントロール装置において、上記設
定値の変化率が所定値以上の場合、上記特定のエンジン
出力調節手段に加えて、該特定のエンジン出力調節手段
以外のエンジン出力調節手段をも作動させる過渡制御手
段を設けてなることを特徴とするものである。
【0007】本発明の1つの態様によれば、上記複数の
エンジン出力調節手段が、少なくとも吸気系調節手段と
燃料系調節手段と点火系調節手段とよりなり、上記特定
のエンジン出力調節手段が上記吸気系調節手段よりな
り、上記過渡制御手段は、上記設定値の変化率が所定値
以上の場合、上記燃料系調節手段および上記点火系調節
手段のうちの少なくとも一方を作動させるように構成さ
れている。
【0008】また、本発明の他の態様によれば、上記複
数のエンジン出力調節手段が、少なくとも吸気系調節手
段と燃料系調節手段と点火系調節手段とよりなり、上記
特定のエンジン出力調節手段が上記吸気系調節手段より
なり、上記過渡制御手段は、上記設定値の変化率が所定
値以上の場合、上記点火系調節手段を作動させて、点火
時期をリタ−ドさせるとともに、上記設定値の変化率が
大きい程、点火時期のリタ−ド量を増大させるように構
成されている。
【0009】さらに、本発明の他の態様によれば、上記
複数のエンジン出力調節手段が、少なくとも吸気系調節
手段と燃料系調節手段と点火系調節手段とよりなり、上
記特定のエンジン出力調節手段が上記吸気系調節手段よ
りなり、上記過渡制御手段は、上記設定値の変化率が所
定値以上の場合、上記燃料系調節手段を作動させて燃料
カットを行わせるように構成されている。
【0010】上記エンジン制御手段とトラクション制御
手段とは単一の信号線により接続されている。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明に係る車両のトラクシ
ョンコントロール装置おいては、駆動輪の路面に対する
スリップ量に応じた制御量設定値の変化率が所定値以上
の場合、上記特定のエンジン出力調節手段(例えば吸気
系調節手段)に加えて、該特定のエンジン出力調節手段
以外のエンジン出力調節手段(例えば燃料系調節手段お
よび/または点火系調節手段)をも作動させる過渡制御
手段を備えているので、駆動輪に過剰スリップ状態が発
生したときに、遅滞なく、エンジントルクを低下させる
ことができるから、駆動輪に過剰スリップ状態を速やか
に終息させることが可能になる。
【0012】また、本発明によれば、上記特定のエンジ
ン出力調節手段(例えば吸気系調節手段)のみを作動さ
せる通常制御と、上記特定のエンジン出力調節手段以外
のエンジン出力調節手段(例えば燃料系調節手段および
/または点火系調節手段)をも作動させる過渡制御と
を、トラクション制御手段からエンジン制御手段に伝送
される単一情報によって選択することが可能である。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係る車両のトラクションコ
ントロール装置の一実施例を示す全体構成図である。
【0015】[車両構成]図示の車両は、左右の前輪1
FL、1FRが従動輪とされ、左右の後輪1RL,1R
Rが駆動輪とされた後輪駆動車両である。該車両におい
ては、車体前部にエンシン2が搭載され、該エンジン2
の発生トルクが、流体式自動変速機3、プロペラシャフ
ト4およびデファレンシャルギア5を経た後、左駆動軸
6Lを介して左後輪1RLに、右駆動軸6Rを介して右
後輪1RRにそれぞれ伝達される。
【0016】上記自動変速機3は、流体トルクコンバー
タ11と多段変速歯車機構12とから構成されている。この
変速歯車機構12は、既知のように油圧作動式とされ、実
施例では、前進4段、後進1段用とされている。すなわ
ち、その油圧回路に組込まれた複数のソレノイド13a の
励磁と消磁との組合わせを変更することにより変速が行
なわれる。また、トルクコンバータ11は、油圧作動式の
ロックアップクラッチ11Aを有し、その油圧回路に組込
まれたソレノイド13b の励磁と消磁とを切換えることに
より締結と締結解除とが行なわれる。
【0017】上記ソレノイド13a ,13b は、自動変速機
3の変速制御用の電子コントロ−ルユニット(ATC)
60によって制御される。該コントロ−ルユニット(AT
C)60は、変速特性とロックアップ特性とを予め記憶し
ており、これに基づいて変速制御とロックアップ制御と
を行なう。このため、コントロ−ルユニット(ATC)
60には、エンジン2の吸気通路41に配設されてアクセル
ペダル42と連動するメインスロットルバルブ43の開度を
検出するメインスロットル開度センサ62と、上記吸気通
路41にメインスロットルバルブ43と直列的に配設され
た、トラクション制御用のサブスロットルバルブ45の開
度を検出するサブスロットル開度センサ63とからの各ス
ロットル開度信号と、車速を検出する車速センサ64から
の車速信号(実施例ではプロペラシャフト4の回転数信
号)とが入力される。
【0018】[トラクションコンロール装置]次に、上
記車両に設けられたトラクションコントロール装置につ
いて説明する。このトラクションコントロール装置は、
車両の加速時等に駆動輪1RL,1RRが過大駆動トル
クによりスリップして、発進が困難になったり加速性が
低下したりするのを防止するため、駆動輪1RL,1R
Rのスリップ量が過大となった場合、駆動輪1RL,1
RRの駆動を制御して該駆動輪1RL,1RRのスリッ
プ量を適正なスリップ量とするものであり、そのため第
1目標スリップ量とこの第1目標スリップ量よりも大き
い第2目標スリップ量とを有し、両目標スリップ量に基
づいてエンジン出力や駆動輪の制動力を制御して駆動輪
1RL,1RRのスリップ量を制御する様に構成されて
いる。
【0019】さらに具体的には、上記第1目標スリップ
量としてエンジン制御用の目標スリップ量SETを、第
2目標スリップ量としてブレーキ制御用の目標スリップ
量SBTを有し、駆動輪1RL,1RRのスリップ量が
SETを超えたらエンジン出力の制御を開始し、それで
も駆動輪1RL,1RRのスリップ量が増大してSBT
を超えたら更にブレーキ制御を行なう様に構成されてい
る。そして、上記エンジン制御とブレーキ制御とを行な
うため、トラクション制御用の電子コントロ−ルユニッ
ト(TRC−ECU)61を備えている。
【0020】<制動力調節機構>各車輪1FL,1F
R,1RL,1RRには、上記ブレーキ制御のためのブ
レーキ21FL〜21RRが設けられている。該各ブレーキ
21FL〜21RRのキャリパ(ホイールシリンダ)22FL
〜22RRには、それぞれ配管23FL〜23RRを介してブ
レーキ液圧が供給される。
【0021】このブレーキ液圧の供給のための構成は、
次のようになっている。先ず、ブレーキペダル25の踏込
力が、液圧倍力式の倍力装置26によって倍力されて、タ
ンデム型のマスタシリンダ27に伝達される。該マスタシ
リンダ27の第1の吐出口27aには左前輪用のブレーキ配
管23FLが接続され、マスタシリンダ27の第2の吐出口
27b には右前輪用のブレーキ配管23FRが接続されてい
る。
【0022】上記倍力装置26には、配管28を介してポン
プ29からの液圧が供給され、余剰液圧はリターン用配管
30を介してリザーバタンク31へ戻される。上記配管28か
ら分岐した分岐管28a は、後述する合流部aに連通して
おり、この分岐管28a には電磁式の開閉弁32が介設され
ている。また、倍力装置26で発生される倍力用液圧は、
配管33を介して上記合流部aへと供給されるようになっ
ており、この配管33にも電磁式の開閉弁34が介設されて
いる。そして、上記配管33には、開閉弁34と並列に、合
流部aへ向けての流れのみを許容する一方向弁35が設け
られている。
【0023】上記合流部aには、左右後輪用ブレーキ配
管23RL,23RRが接続されている。この配管23RL,
23RRには、電磁式の開閉弁36L,36Rが介設されてい
るとともに、該開閉弁36L,36Rの下流に接続されたリ
リーフ通路38L,38Rに対して、電磁式の開閉弁37L,
37Rが接続されている。
【0024】上記各開閉弁32,34,36L,36R,37L,
37Rは、トラクション制御用のコントロ−ルユニット
(TRC−ECU)61によって制御される。すなわち、
ブレーキ制御によるトラクション制御を行なわないとき
には、図示のように開閉弁32が閉じ、開閉弁34が開か
れ、かつ開閉弁37L,37Rが閉じ、開閉弁36L,36Rが
開かれる。これにより、ブレーキペダル25が踏込まれる
と、前輪用ブレーキ21FL,21FRに対してはマスタシ
リンダ27を介してブレーキ液圧が供給される。また、後
輪用ブレーキ21RL,21RRに対しては、液圧倍力装置
26からのブレーキペダル25の踏込み力に応じた倍力用液
圧が、ブレーキ液圧として配管33を介して供給される。
【0025】また、後述するように、駆動輪としての後
輪1RL,1RRの路面に対するスリップ量が大きくな
ってトラクション制御を行なうときには、開閉弁34が閉
じられ、開閉弁32が開かれる。そして、開閉弁36L,37
L,(36R,37R)のデューティ制御によって、ブレー
キ液圧の保持と昇圧と降圧とが行なわれる。より具体的
には、開閉弁32が開かれていることを前提として、各開
閉弁36L,37L,36R,37Rが閉じているときにブレー
キ液圧の保持となり、開閉弁36L(36R)が開き、開閉
弁37L(37R)が閉じているときに昇圧となり、開閉弁
36L(36R)が閉じ、開閉弁37L(37R)が開いている
ときに降圧となる。そして、分岐管28aを経たブレーキ
液圧は、一方向弁35の作用によって、ブレーキペダル25
に対する反力として作用しないようになっている。
【0026】このようなトラクション制御を行なってい
るときにブレーキペダル25が踏込まれると、この踏込み
に応じた倍力装置26からのブレーキ液圧が、一方向弁35
を介して後輪用ブレーキ21RL,21RRに供給される。
【0027】<エンジン出力調節機構>上述のように、
エンジン2の吸気通路41には、アクセルペダル42に機械
的に連結されたメインスロットルバルブ43と、スロット
ル開度調節用アクチュエータ44に連結されたサブスロッ
トルバルブ45とが配設され、このサブスロットルバルブ
45は、エンジン制御用の電子コントロ−ルユニット(E
GI−ECU)100 により上記アクチュエータ44を介し
て制御するようになっている。また、エンジン2は、上
記コントロ−ルユニット(EGI−ECU)100 によっ
て点火タイミングを制御される点火タイミング調節機構
101 と、同じく上記コントロ−ルユニット(EGI−E
CU)100 によって燃料噴射量および燃料噴射タイミン
グを制御される燃料噴射機構102 を備えている。
【0028】上記エンジン制御用の電子コントロ−ルユ
ニット(EGI−ECU)100 と上記トラクション制御
用のコントロ−ルユニット(TRC−ECU)61の間に
は単一の信号線103 が接続されており、トラクション制
御用のコントロ−ルユニット(TRC−ECU)61は、
駆動輪1RL,1RRの駆動トルクを低減するために、
駆動輪1RL,1RRに対するブレーキ制御を行なうと
ともに、駆動輪1RL,1RRの路面に対するスリップ
量に応じたサブスロットルバルブ45の制御量を設定し
て、該設定値を表す情報を信号線73を通じて上記上記エ
ンジン制御用のコントロ−ルユニット(EGI−EC
U)100 に伝送するようになっている。
【0029】エンジン制御用のコントロ−ルユニット
(EGI−ECU)100 は、上記トラクション制御用の
コントロ−ルユニット(TRC−ECU)61から伝送さ
れた、サブスロットルバルブ45の制御量の設定値に基づ
いて上記サブスロットルバルブ45を上記アクチュエータ
44を介して制御する(通常制御)とともに、後述するよ
うに、上記設定値の変化率が所定値以上である場合、サ
ブスロットルバルブ45の制御に加えて、上記点火系調節
機構101 および/または上記燃料噴射機構102 を作動さ
せて、点火時期のリタ−ドおよび/または燃料カットを
実行する(過渡制御)ようになっている。
【0030】<トラクション制御手段>トラクション制
御用のコントロ−ルユニット(TRC−ECU)61に
は、スロットル開度センサ62,63および車速センサ64か
らの信号が入力され、さらに、各車輪1FL〜1RRの
速度を検出する車輪速センサ65FL〜65RRからの車輪
速信号、アクセル踏込量を検出するアクセル踏込量セン
サ66からの踏込量信号、マニュアル操作されるモードス
イッチ68からのモード信号およびエンジン回転数を検出
するエンジン回転数センサ69からのエンジン回転数信号
が入力される。
【0031】また、このコントロ−ルユニット(TRC
−ECU)61は、上記各センサからの信号を受け入れる
入力インターフェイスと、CPUとROMとRAMとか
らなるマイクロコンピュータと、出力インターフェイス
と、弁32,34,36L,36R,37L,37Rを駆動する駆動
回路と、サブスロットルバルブ45の開閉制御量を設定す
る回路と、この回路で設定された、サブスロットルバル
ブ45の開閉制御量を表す情報を信号線103 を介してエン
ジン制御用のコントロ−ルユニット(EGI−ECU)
100 に伝送する回路とを備えており、ROMにはトラク
ション制御に必要な制御プログラムおよび各種マップ等
が設けられ、またRAMには制御を実行するのに必要な
各種メモリが設けられている。
【0032】一方、エンジン制御用のコントロ−ルユニ
ット(EGI−ECU)100 には、スロットル開度セン
サ62,63およびエンジン回転数センサ69からの信号が入
力され、さらに、吸入空気量センサ104 ,ノックセンサ
105 ,水温センサ106 ,EGRセンサ107 ,加減速セン
サ108 およびアイドルスイッチ109 その他エンジン2の
運転に必要な諸センサからの信号が入力される。
【0033】また、このコントロ−ルユニット(EGI
−ECU)100 も、上記各センサからの信号を受け入れ
る入力インターフェイスと、CPUとROMとRAMと
からなるマイクロコンピュータと、出力インターフェイ
スと、点火系調節機構101 および燃料噴射機構102 を駆
動する駆動回路と、エンジン2のサブスロットルバルブ
45のアクチュエ−タ44を駆動する駆動回路とを備えてお
り、ROMにはエンジン制御に必要な制御プログラムお
よび各種マップ等が設けられ、またRAMには制御を実
行するのに必要な各種メモリが設けられている。
【0034】<コントロ−ルユニット61,100の具体的構
成>図2に示すように、トラクション制御用のコントロ
−ルユニット(TRC−ECU)61は、スリップ量検出
手段72、目標スリップ量(閾値)を設定する目標スリッ
プ量設定手段73、路面摩擦係数算出手段74、スリップ判
定手段75、サブスロットルバルブ45の速度設定手段77、
基本制御量演算手段76および弁32,34,36L,36R,37
L,37Rを駆動する弁駆動手段78を備え、さらに、サブ
スロットルバルブ45の制御量および開閉速度を表す情報
を信号線103 を介してエンジン制御用のコントロ−ルユ
ニット(EGI−ECU)100 に送出する伝送手段79を
備えている。
【0035】一方、エンジン制御用のコントロ−ルユニ
ット(EGI−ECU)100 は、点火系調節機構101 お
よび燃料噴射機構102 の基本制御量演算手段110 と、点
火系調節機構101 を駆動する点火系駆動手段111 と、燃
料噴射機構102 を駆動する燃料系駆動手段112 と、コン
トロ−ルユニット(TRC−ECU)61から伝送され
た、サブスロットルバルブ45の開閉制御量を表す情報に
基づいてアクチュエ−タ44を駆動するバルブ駆動手段11
3 とを備え、さらにサブスロットルバルブ45の制御量の
設定値の変化状態を検出するバルブ制御量変化状態検出
手段114 と、点火系および燃料系の過渡制御手段115 と
を備えている。
【0036】(スリップ量検出手段72)駆動輪のスリッ
プ量は、車輪速センサ65FL,65FR,65RL,65RR
からの検出信号に基づいて検出される。すなわち、スリ
ップ量検出手段72は、駆動輪の速度から従動輪の速度を
差し引くことにより駆動輪のスリップ量Sを算出するも
のである。なお、このスリップ量Sの算出に際しては、
エンジン制御用の場合、駆動輪の速度としては左右駆動
輪のうちの大きい方が選択され、従動輪の速度としては
左右従動輪の平均値が用いられる。ブレーキ制御用の場
合、従動輪の速度としてはエンジン制御用と同じである
が、駆動輪の速度としては左右駆動輪に付与する制動力
を互いに独立して制御するため左右駆動輪の速度がそれ
ぞれの制御に用いられる。
【0037】(目標スリップ量設定手段73)図3はエン
ジン制御用の目標スリップ量SETおよびブレーキ制御
用の目標スリップ量SBTを決定する回路をブロック図
的に示したものであり、決定パラメータとしては、車速
と、アクセル踏込量と、モードスイッチ68の操作状態
と、路面摩擦係数μとがある。なお、SBT>SETで
ある。
【0038】すなわち、図3において、SETの基本値
STAOと、SBTの基本値STBOとが、路面摩擦係
数μをパラメータとして、マップ81に記憶されている。
この場合、路面摩擦係数μが大きくなるに従って上記基
本値STAOおよびSTBOは大きくなる(STBO>
STAO)。そして、この基本値STAO,STBO
に、それぞれ補正ゲイン係数KDを掛け合わせることに
より、SETおよびSBTが得られる。
【0039】上記補正ゲイン係数KDは、各ゲイン係数
VGとACPGとMODEGとを掛け合わせることによ
り得られる。上記ゲイン係数VGは、車速をパラメータ
とするもので、マップ82として記憶されている。また、
ゲイン係数ACPGは、アクセル開度をパラメータとす
るもので、マップ83として記憶されている。ゲイン係数
MODEGは、運転者にマニュアル選択されるもので、
テーブル85に記憶されている。このテーブル85では、ス
ポーツモードとノーマルモードとセーフティモードとの
三種類が設けられている。
【0040】後述する下限制御値SMは、図4に示すよ
うに、車速と路面摩擦係数μとをパラメータとして、マ
ップ86として記憶されている。この下限制御値SMはス
ロットル開度(%)を意味し、スロットル全閉のとき開
度0%、全開のとき開度100%である。なお、図4にお
いて、μ=1が摩擦係数最小であり、μ=5が摩擦係数
最大である。
【0041】(路面摩擦係数算出手段74)タイヤと路面
との間の摩擦係数である路面摩擦係数μは、車体速Vr
と車体加速度VGとに基づいて算出される。車体加速度
VGの演算には、タイマA(100msec カウント)とタイ
マB(500msec カウント)とを用いる。すなわち、車体
加速度VGは、スリップ制御開始から500msec 経過する
までは(車体速度が十分に大きくない)、100msec 毎に
100msec 間の車体速Vr(本例の場合は前輪1FL,1
FRの両車輪速のうち速い方の車輪速、単位;km/h)の
変化に基づいて次の(1) 式により求め、500msec 経過後
(車体速度が十分に発達)は100msec 毎に500msec 間の
車体速Vrの変化に基づいて次の(2) 式により求める。
【0042】 VG=Gk1×{Vr(k) −Vr(k-100)} (1) VG=Gk2×{Vr(k) −Vr(k-500)} (2) 上記Gk1およびGk2は係数である。また、Vr(k) は現
時点、Vr(k-100)は100msec 前、Vr(k-500)は500m
sec 前の各車体速である。そして、上述の如くして算出
された車体加速度VGと車体速Vrとから次のマップ1
(表1)により3次元補間によって路面摩擦係数μを求
める。
【0043】
【表1】
【0044】(スリップ判定手段75)スリップ判定手段
75によるスリップ判定は、スリップ量検出手段72による
スリップ量Sと目標スリップ量SETおよびSBTとに
基づいて行なわれる。すなわち、スリップ判定手段75
は、スリップ量SがSETよりも大のときエンジン制御
要と判定し、 スリップ量がSET以下の状態が所定時間
t以上継続したときにエンジン制御不要と判定し、また
スリップ量SがSBTよりも大のときブレーキ制御要と
判定する。
【0045】(基本制御量演算手段76)基本制御量演算
手段76によるサブスロットルバルブ45の開閉制御量およ
びブレーキ制御量の演算は、上記スリップ量Sと目標ス
リップ量SET,SBTとに基づいて行なわれる。上記
スロットル開閉制御量については、次の(3) 式で求まる
スリップ量の偏差ENと、この偏差ENの時間変化率D
ENとをパラメータとして、次のマップ2(表2)によ
り、まず基本スロットル開閉制御量Thが求められる。
【0046】 EN=S−SET (3)
【0047】
【表2】
【0048】この場合、上記マップに記載の記号ZOは
スロットル開度の保持を表わし、Nは閉動、Pは開動を
表わす。また、NおよびPの添字S,M,Bは制御量の
大きさを表わすもので、Sは小(開動量小、閉動量
小)、Mは中(開動量中、閉動量中)、Bは大(開動量
大、閉動量大)の意味であり、同じ添字であれば、開動
も閉動も制御量の大きさ自体は同じである。
【0049】次に、上記基本スロットル開閉制御量Th
におけるスロットル開閉制御量補正係数TG を次のマッ
プ3(表3)により求め、最終的なスロットル開閉制御
量であるスロットル開閉基本制御量TA (=Th×
G )を算出する。
【0050】
【表3】
【0051】このマップ3においては、スロットル開度
とエンジン回転数Neをスロットル開閉制御量補正係数
G のパラメータとして用いている。この補正係数TG
は、スロットル開度が小さいほど、またエンジン回転数
が低いほど、エンジン回転に敏感に反応するため、より
小さな値に設定されている。なお、このスロットル開閉
制御量補正係数TG は、スロットル開度のみをパラメー
タとして用いてもよい。
【0052】ブレーキ制御量の演算制御についても、基
本的には上記スロットル開閉制御量の場合と同様であ
り、具体的なマップは省略する。
【0053】(バルブ速度設定手段77)バルブ速度設定
手段77は、上記基本制御量演算手段76により求められた
スロットル開閉基本制御量TA に基づいて、サブスロッ
トルバルブ45のバルブ開閉速度(単位;%/秒)を次の
マップ4(表4)により設定するものである。なお、サ
ブスロットルバルブ45の全開時が開度100 %である。
【0054】
【表4】
【0055】この場合、バルブ速度は、制御量大の領域
においては閉動速度の方が開動速度よりも高くなるよう
に、つまり、NBの方がPBよりもバルブ速度が大きく
設定され、制御量小の領域では制御量が同じてれあば、
閉動速度と開動速度とは等しくなるように設定される。
【0056】(弁駆動手段78)弁駆動手段78は、上記基
本制御量演算手段76により求められたブレーキ制御量が
得られるように、弁32,34,36L,36R,37L,37Rに
駆動信号を出力する。 (バルブ駆動手段113 )バルブ駆動手段79は、上記基本
制御量演算手段76により求められたスロットル開閉基本
制御量TA が得られるように、上記バルブ速度設定手段
77により設定された速度で上記サブスロットルバルブ45
を駆動すべく、アクチュエータ44に駆動信号を出力す
る。
【0057】(バルブ制御量変化状態検出手段114 )バ
ルブ制御量両変化状態検出手段114 は、上記マップ4
(表4)に示されている7段階のスロットル開閉基本制
御量TA に1段階の変化があったか、または3段階以上
の変化があったかを検出し、その検出結果を過渡制御手
段115 に出力する。
【0058】(過渡制御手段115 )過渡制御手段115
は、上記検出手段114 の検出出力に応じて点火系駆動手
段111 および/または燃料系駆動手段112 に駆動信号を
出力する。
【0059】<トラクション制御の内容>上記トラクシ
ョン制御用のコントロ−ルユニット(TRC−ECU)
61と上記エンジン制御用のコントロ−ルユニット(EG
I−ECU)100 とによるトラクション制御の内容を、
エンジン制御とブレーキ制御とに着目して示したのが図
5である。
【0060】図5において、t1 時点前までは駆動輪に
大きなスリップが生じていないので、エンジン制御は行
なわれておらず、従ってサブスロットルバルブ45は全開
であって、スロットル開度Tn(両スロットルバルブ4
3,45の合成開度であって、開度の小さな方のスロット
ルバルブの開度に一致する)は、アクセル踏込量に対応
するメインスロットル開度TH・Mである。
【0061】t1 時点では、駆動輪のスリップ量Sが、
エンジン用目標スリップ量SETとなった大きなスリッ
プ発生時となる。実施例では、このスリップ量SがSE
T以上となったときにトラクション制御を開始するよう
になっており、このt1 時点で、サブスロットルバルブ
45の開度が下限制御値SMにまで一挙に低下せしめられ
る(フィードフォワード制御)。そして、一旦SMとし
た後は、スリップ量Sがエンジン用目標スリップ量SE
Tとなるように、サブスロットルバルブ45の開度がフィ
ードバック制御される。このとき、スロットル開度Tn
はサブスロットルバルブ開度TH・Sとなる。
【0062】t2 時点では、スリップ量Sがブレーキ用
目標スリップ量SBT以上となったときであり、このと
きは、駆動輪のブレーキ21RL,21RRに対してブレー
キ液圧が供給され、エンジン制御とブレーキ制御の両方
によるトラクション制御が開始される。
【0063】t3 時点では、スリップ量Sがブレーキ用
目標スリップ量SBT未満となったときであり、これに
よって、ブレーキ液圧が徐々に低下され、やがてブレー
キ液圧は零となる。ただし、エンジン制御は、なおも継
続される。
【0064】ここで、上記エンジン制御に関して説明す
ると、上記t1 時点で、スロットル開度Tn が下限制御
値SMにまで一挙に低下された後も、スリップ量Sは急
激に増大していっている。このときは、上記偏差ENお
よび偏差変化率DENは(+)に大きな値であるから、
例えば開閉制御量としてNBが演算される。その結果、
サブスロットルバルブ45は高い閉動速度でもって閉じら
れていく。
【0065】また、このサブスロットルバルブ45の閉制
御に伴って、点火時期調節機構101による点火時期のリ
タ−ド制御および/または燃料噴射機構102 による燃料
カットが、サブスロットルバルブ45の制御量の変化に応
じて後述するように実行される。すなわち、点火時期の
リタ−ド制御に関しては、上記表4に示す制御量が1段
階左方に変化するごとに実行され、燃料カットに関して
は、上記表4に示す制御量が3段階左方に変化したこと
に基づいて、エンジン回転数が所定値(例えば2000
rpm )以下になるまで実行される。
【0066】これによって、スリップ量はピークを超え
て速やかに目標スリップ量SETに近付いて行く。
【0067】その後は、開閉制御量としてNM,NS,
ZOが順に演算され、スロットル開度Tn は閉じ気味で
保持される。そして、スリップ量Sがエンジン用目標ス
リップ量SET近傍になると、開閉制御量としてPSが
演算され、サブスロットルバルブ45は開動されていく。
このような小さな開閉制御量においては、バルブ速度も
遅いため、スリップ量Sの急減や急増は生じ難く、従っ
て、制御のハンチングも抑制される。そして、点火時期
は、上記表4に示す制御量が1段階右方に変化するごと
にアドバンス制御される。
【0068】しかして、路面の摩擦係数が一時的に高く
なった場合、スリップ量Sはエンジン用目標スリップ量
SETを下回るようになり、場合によっては、開閉制御
量としてPBが演算されることがある。しかし、この場
合のバルブ速度は上記NBに比べて遅い。よって、スロ
ットル開度が急激に過剰な開度になることはなく、従っ
て、その後に低μ路面に移行した際に、過大なスリップ
を生ずることが防止される。
【0069】なお、実施例では、スリップ量Sがエンジ
ン用目標スリップ量SET未満に収束しアクセル踏込量
が零となった時点、もしくはメインスロットルバルブ開
度がサブスロットルバルブ開度よりも小さくなった時
点、さらにはブレーキペダルが踏み込まれた時点でも、
スリップ制御を終了せしめるようにしている。
【0070】なお、ブレーキ制御は、ブレーキ液圧の減
圧が所定時間続けば中止されるが、このときの条件とし
て、両駆動輪のブレーキ液圧が減圧となった場合を+、
ブレーキ液圧が増圧となった場合をリセット、ブレーキ
液圧を保持もしくは一方の駆動輪のブレーキ液圧が減圧
となった場合を0と、それぞれカウントし、所定カウン
トに達した場合としてもよい。
【0071】次に、上記点火時期制御の具体例を、図6
および図7に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0072】点火時期(角度)Igは下記の(1)式に
よって演算される。
【0073】 Ig=IgB +IgA +IgN +IgW +IgEGR +IgTRC (1) ここで、IgB は、図8のマップからエンジン回転数N
eと負荷とに基づいて求められる基本項、IgA は図9
のマップからスロットル開度の開速度ΔTVOに基づい
て求められる加速補正項(リタ−ド)、IgN は、図1
0に示すように、ノック信号がONになったときΔIg
ずつリタ−ドされるノック補正項、IgWは、エンジン
水温が所定値(例えば50°C)以下のときに設定され
る水温補正項(リタ−ド)である。また、IgEGR は、
図11のマップからEGR(排気還流)量に基づいて求
められるEGR補正項(アドバンス)、IgTRC は、上
記サブスロットルバルブ45の制御量の変化に応じて、図
12に示すマップ(1)(アドバンス)またはマップ
(2)(リタ−ド)から求められるトラクション制御補
正項である。
【0074】図6のフロ−チャ−トにおいて、先ず各種
のデータを入力し(S1)、次いで、図8のマップから
IgB を入力する(S2)。次に、加速か否かを調べ
(S3)、加速であれば(S3:YES)、図9のマッ
プによってIgA を設定し(S4)、加速でなければ
(S3:NO)、IgA をゼロとする(S5)。次に、
ノック信号がONになったか否かを調べ(S6)、ON
であれば(S6:YES)、図10に示すように、前回
のリタ−ド量IgN をΔIgだけ増量し(S7)、失火
を防止するためのガ−ド値に達したならば(S8:YE
S)、IgN を15°に固定する(S9)。一方、ノッ
ク信号がOFFであれば(S6:NO)、現在のIgN
がゼロ以下であるか否かを調べ(S10)、ゼロであれ
ば(S10:YES)、IgN をそのままゼロとし(S
11)、ゼロでなければ(S10:NO)、前回のリタ
−ド量IgN をΔIgだけ減量する(S12)。次にエ
ンジン水温を調べ(S13)、50°C以下であれば
(S13:YES)、IgW を設定し、50°Cを超え
ていれば(S13:NO)、IgW をゼロとし(S1
5)、図7へ進む。
【0075】図7においては、EGRの実施状態をを調
べ(S16)、EGRを行っていれば(S16:YE
S)、図11のマップからIgEGR を設定し(S1
7)、EGRを行っていなければ(S16:NO)、I
EGR をゼロとする(S18)。
【0076】次に、サブスロットルバルブ45の制御量の
変化量ΔTA を調べ(S19)、ΔThの変化がプラス
側であれば(S20:YES)、図12のマップ(1)
からIgTRC を設定し(S21)、ΔTA の変化がマイ
ナス側であれば(S20:NO)、図12のマップ
(2)からIgTRC を設定する(S22)。また、サブ
スロットルバルブ45の制御量の変化がなければ(S1
9:NO)、IgTRC をゼロとする(S23)。
【0077】このようにして各補正項を求めた後、最終
Igを(1)式により設定し(S24)、直列4気筒エ
ンジンであればクランク軸回転角の180°毎に、V型
6気筒エンジンであれば120°毎に点火を実行する
(S25)。
【0078】次に、上記燃料噴射制御の具体例を、図1
3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0079】燃料噴射量T(燃料噴射信号のパルス幅)
は下記の(2)式によって演算される。
【0080】 T=TP ×(1+加速増量係数+F/B係数+・・・) (2) ここで、TP は基本噴射量で、式TP =K・Q/Neに
より演算される。Qは吸入空気量、Neはエンジン回転
数、Kは定数である。
【0081】図13のフロ−チャ−トでは、先ず先ず各
種のデータを入力し(S31)、次にアイドルスイッチ
IDSWがONになったか否か、すなわち、アクセルペ
ダルが完全に戻されたかいなかをを調べる(S32)。
そして、IDSWがONのときに(S32:YES)、
エンジン回転数Neが2000rpm 以上であれば(S3
3:YES)、TP =0として、図14に示すように、
燃料カットを実行する(S34)。
【0082】次に、IDSWがONでないとき(S3
2:NO)、あるいはIDSWがONであってもエンジ
ン回転数Neが2000rpm 未満のとき(S33:N
O)には、前記表4におけるサブスロットルバルブ45の
制御量TA の変化が3段階以上であれば(S35:YE
S)、燃料カットを実行して、駆動輪のスリップ量が速
やかに目標スリップ量SETに近付くようにする。
【0083】一方、サブスロットルバルブ45の制御量の
変化が3段階未満のときには(S35:NO)、燃料噴
射量を(2)式によって演算し(S36)、所定のタイ
ミングで燃料噴射を実行する。
【0084】以上の説明で、本発明に係る車両のトラク
ションコントロール装置の実施例の構成およびその動作
が明らかになったが、本実施例おいては、駆動輪の路面
に対するスリップ量に応じたサブスロットルバルブ45の
制御量の設定値の変化率が所定値以上の場合、上記サブ
スロットルバルブ45の制御に加えて、点火時期調節機構
101 および/または燃料噴射機構102 をも過渡的に作動
させるようにしているので、駆動輪1RL,1RRに過
剰スリップ状態が発生したときに、遅滞なく、エンジン
トルクを低下させることができるから、駆動輪1RL,
1RRに過剰スリップ状態を速やかに終息させることが
可能になる。
【0085】また、本実施例によれば、サブスロットル
バルブ45のみを作動させる通常制御と、点火時期調節機
構101 および/または燃料噴射機構102 をも作動させる
過渡制御とを、トラクションコントロ−ルユニット(T
RC−ECU)61らエンジンコントロ−ルユニット(E
GI−ECU)100 に信号線103 を介して伝送される単
一情報によって選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトラクションコントロール装置
の一実施例を示す全体構成図
【図2】同 トラクション制御手段を詳細に示すブロッ
ク図
【図3】第1および第2目標スリップ量を算出するため
の回路図
【図4】下限制御値SMを設定するためのマップ図
【図5】トラクション制御のタイムチャート
【図6】点火時期制御ル−チンを示すフローチャートの
前半部分
【図7】点火時期制御ル−チンを示すフローチャートの
後半部分
【図8】点火時期演算式の基本項IgB を求めるマップ
【図9】点火時期演算式の加速補正項IgA を求めるマ
ップ
【図10】点火時期演算式のノック補正項IgN を求め
るマップ
【図11】点火時期演算式のEGR補正項IgEGR を求
めるマップ
【図12】点火時期演算式のトラクション制御補正項I
TRC を求めるマップ
【図13】燃料噴射制御ル−チンを示すフローチャート
【図14】燃料カット領域を示す特性図
【符号の説明】
43 スロットルバルブ 45 サブスロットルバルブ 61 トラクションコントロ−ルユニット(TRC−E
CU) 100 エンジンコントロ−ルユニット(EGI−EC
U) 101 点火時期調節機構 102 燃料噴射機構 103 信号線 105 ノックセンサ 106 水温センサ 107 EGRセンサ 108 加減速センサ 115 過渡制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエンジン出力調節手段を制御する
    エンジン制御手段と、上記複数のエンジン出力調節手段
    のうちの特定のエンジン出力調節手段に関する駆動輪の
    路面に対するスリップ量に応じた制御量を設定して、該
    設定値を表す情報を上記エンジン制御手段に伝送し、該
    エンジン制御手段に上記設定値に基づいて上記特定のエ
    ンジン出力調節手段の制御を行わせ、これにより、上記
    駆動輪のスリップ量を制御するトラクション制御手段と
    を備えた車両のトラクションコントロール装置におい
    て、 上記設定値の変化率が所定値以上の場合、上記特定のエ
    ンジン出力調節手段に加えて、該特定のエンジン出力調
    節手段以外のエンジン出力調節手段をも作動させる過渡
    制御手段を設けてなることを特徴とする車両のトラクシ
    ョンコントロール装置。
  2. 【請求項2】 上記複数のエンジン出力調節手段が、少
    なくとも吸気系調節手段と燃料系調節手段と点火系調節
    手段とよりなり、上記特定のエンジン出力調節手段が上
    記吸気系調節手段よりなり、上記過渡制御手段は、上記
    設定値の変化率が所定値以上の場合、上記燃料系調節手
    段および上記点火系調節手段のうちの少なくとも一方を
    作動させることをを特徴とする請求項1記載の車両のト
    ラクションコントロール装置。
  3. 【請求項3】 上記複数のエンジン出力調節手段が、少
    なくとも吸気系調節手段と燃料系調節手段と点火系調節
    手段とよりなり、上記特定のエンジン出力調節手段が上
    記吸気系調節手段よりなり、上記過渡制御手段は、上記
    設定値の変化率が所定値以上の場合、上記点火系調節手
    段を作動させて、点火時期をリタ−ドさせるとともに、
    上記設定値の変化率が大きい程、点火時期のリタ−ド量
    を増大させることを特徴とする請求項1記載の車両のト
    ラクションコントロール装置。
  4. 【請求項4】 上記複数のエンジン出力調節手段が、少
    なくとも吸気系調節手段と燃料系調節手段と点火系調節
    手段とよりなり、上記特定のエンジン出力調節手段が上
    記吸気系調節手段よりなり、上記過渡制御手段は、上記
    設定値の変化率が所定値以上の場合、上記燃料系調節手
    段を作動させて燃料カットを行わせることを特徴とする
    請求項1記載の車両のトラクションコントロール装置。
  5. 【請求項5】 上記エンジン制御手段とトラクション制
    御手段とが単一の信号線により接続されてなることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両のトラク
    ションコントロール装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128023A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Suzuki Motor Corp 自動二輪車用運転モード切り替え装置
JP2010121507A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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JP2008128023A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Suzuki Motor Corp 自動二輪車用運転モード切り替え装置
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