JPH0716686U - 浴槽ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業能率が良好であると共に、美観が優れて
商品価値の高い浴槽ユニットを提供する。 【構成】 浴槽本体２の上端部分において、本体側上縁
部４の本体側上端面４ｂの外側に、外側上縁部材５の外
側上端面５ａを重ねて、シーム溶接することにより接続
して一体状の上縁部３を形成し、該上縁部３には上縁面
７を取り付けるためのブラケット８を本体側上端面４ｂ
にスポット溶接して固定し、更にシーム溶接部を研磨処
理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、浴槽ユニットに関し、特に浴槽ユニットにおける浴槽本体の上縁 部分の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、浴槽ユニットにおいては浴槽本体の周囲に上縁面が形成されて いる。この上縁面は、浴槽本体の縁をフランジ状に延出させて形成したり、別部 材によって形成してある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、浴槽本体の縁をフランジ状に延設して上縁面を形成する場合は、成形 する際に、型による制約を受けたり、作業性に問題が有る。また、上記浴槽本体 をフランジ状に延設したものはあまり広い上縁面を形成することが困難であった 。一方、上縁面を別部材として形成するときは、自由な形状の上縁面を形成可能 ではあるが、取付作業が面倒なものとなるし、防水性に難点が生じることが有る 。しかも、上縁面を取り付ける為の取付部材を浴槽本体側に溶接すると、溶接跡 が残り、商品価値が低下していた。 本考案は上記に鑑み提案されたもので、作業能率が良好であると共に、美観が 優れて商品価値の高い浴槽ユニットを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、浴槽本体の上端部分の外側に上縁部を形成 し、該上縁部に上縁面を止着する浴槽ユニットにおいて、浴槽本体の上端に外向 きに延出する本体側上端面を形成する一方、該本体側上端面に重合可能な外側上 端面を備える外側上縁部材を構成し、本体側上端面の外側に外側上縁部材の外側 上端面を重ねて両者をシーム溶接して浴槽本体の上縁部を形成し、上記本体側上 端面の内側に上縁面を止着する為のブラケットを溶接し、浴槽本体の本体側上端 面と外側上端面部材の外側上端面との重合部分を研磨処理したものである。

【０００５】

【作用】

浴槽本体の本体側上端面と、外側上縁部材の外側上端面とを重合させると共に シーム溶接して肉厚が増してあり、この肉厚の増した重合部分において、浴槽本 体側に上縁面を止着する為のブラケットを溶接すると共に研磨処理してあるので 、このとき溶接跡が表にでない。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案を図面の実施例について説明すると、図１は浴槽ユニット１の平 面図、図２は右側面図である。尚、浴槽ユニット１は、一般に、図示していない 洗い場部分及び壁部分を含めているが、ここでは省略している。

【０００７】 浴槽本体２は、例えばステンレス鋼板等によって構成され、、上端部分の外側 には、隆出状の緩い山形曲面に形成さた上縁部３が設けてある。即ち、図２ない し図５に示すように、浴槽本体２の側壁の上端を断面形状が１／４円弧程度の曲 面状になるように成形して本体側上縁部４を形成すると共に、断面形状が１／４ 円弧程度に成形した外側上縁部材５を上記本体側上縁部４に接続して上縁部３の 全体を構成するのである。

【０００８】 本体側上縁部４は、緩い円弧状の立上り曲面４ａと、該立上り曲面４ａの上端 からほゞ水平方向に延出する本体側上端面４ｂとを有する。一方、外側上縁部材 ５は、ほゞ水平な外側上端面５ａと、この外側上端面５ａの先端から緩い円弧を 描いて立ち下がる垂下曲面５ｂとを有している。

【０００９】 そして、上記本体側上縁部４の本体側上端面４ｂの外側に、外側上縁部材５の 外側上端面５ａを重ねて、シーム溶接することにより一体状に接続する。これに より、浴槽本体２の上端部分に、下方が開放して内部に接続空間６を有する上縁 部３を形成するのである。

【００１０】 この上縁部３の内側には、適宜間隔で、後述する上縁面７を取り付けるための ブラケット８が設けてある。このブラケット８は、例えば図２にＡ部として示し 、或は図３に示すように、脚片９を有した断面形状がほゞ台形の部材である。詳 しく説明すると、基板部１０の両端に斜めに脚片９を延設し、該脚片９の先端部 分を本体側上端面４ｂにスポット溶接して固定するのである。尚、ブラケット８ には予めボルト１１を固定しておく。即ち、基板部１０に開設した通孔にボルト １１を通し、このボルト１１の頭を基板部１０に溶接しておく。

【００１１】 そして、前記したように、本体側上端面４ｂと外側上端面５ａとを重ねてシー ム溶接した部分を研磨する。このようにして上縁部３を形成すると、ブラケット ８を溶接したときの溶接くぼみが外部に生じない。従って、美観が損なわれるこ となく、商品価値の高い浴槽ユニット１を提供可能である。

【００１２】 尚、図示の実施例によれば、浴槽本体２に肘掛け部１２が設けてあり、しかも 当該肘掛け部１２の下方が拡幅している。従って、このような浴槽本体２によれ ば、肘掛け部１２を設けても狭苦しさを感じることなく入浴可能である。

【００１３】 一方、上記したような浴槽本体２の上縁部３に接続する上縁面７の接続部分に は、上方へ隆出する接続縁１３を形成する。この接続縁１３は、例えば図２に示 すように、上縁面７の浴槽本体２と接続すべき部分の先端を、一旦斜め上方へ屈 曲させて傾斜起立片１３ａを形成した後、該傾斜起立片１３ａの上端をほゞ水平 方向へ延在させて水平接続片１３ｂを設けてなる。

【００１４】 尚、図示の上縁面７には、手摺１４や給水栓１５、或は点検口を兼ねる小物置 き１６等を形成すると共に、洗い場側を除く三方の縁に水返し畝部１７が隆設し てある。

【００１５】 そして、浴槽本体２と上縁面７とを接続するには、上縁面７に開設した浴槽装 着口（図示せず）に、浴槽本体２を挿通し、当該浴槽本体２の上縁部３を浴槽装 着口の縁部、即ち接続縁１３の基端付近に係止させる。次いで、ブラケット８に 取り付けたボルト１１にナット１７を螺着する。また、図示の実施例では、上縁 部３の内側に形成した接続空間６に、シリコン或はウレタン等の充填材１８を充 填して水密に形成している。

【００１６】 尚、上記固定作業は、伏せた状態に載置した浴槽本体２に対して、裏返し状態 の上縁面７を被せるようにして、浴槽装着口に挿通して行うとよい。

【００１７】 上記のようにすれば、上縁面７の取付作業が容易であるばかりではなく、浴槽 本体２と上縁面７との間に湯水が浸入し難いし、接続縁１３には傾斜起立片１３ ａが設けてあるので、この傾斜起立片１３ａが水返し片として機能し、更に奥ま で浸入することを防止する。

【００１８】 また、浴槽本体２に外側上縁部材５を接続して構成した上縁部３は、接続状態 にある上縁面７よりも隆出しているので、意匠的に優れているばかりではなく、 上縁面７を流れる湯水が浴槽本体２内へ流入することがなく衛生的である。しか も、接続部分が研磨処理されて外観がよいばかりではなく、上縁面７との接続箇 所が目隠しされ、更にブラケット８を固定した際の溶接跡も見えないので、美観 に優れた浴槽ユニット１を提供可能である。

【００１９】 以上、本考案を図示の実施例について説明したが、本考案は上記した実施例に 限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した構成を変更しない 限り、適宜に実施できる。例えば、浴槽本体や上縁面の形状はどのようなもので あってもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上要するに本考案は、浴槽本体の上端部分の外側に上縁部を形成し、該上縁 部に上縁面を止着する浴槽ユニットにおいて、浴槽本体の上端に外向きに延出す る本体側上端面を形成する一方、該本体側上端面に重合可能な外側上端面を備え る外側上縁部材を構成し、本体側上端面の外側に外側上縁部材の外側上端面を重 ねて両者をシーム溶接して浴槽本体の上縁部を形成し、上記本体側上端面の内側 に上縁面を止着する為のブラケットを溶接し、浴槽本体の本体側上端面と外側上 端面部材の外側上端面との重合部分を研磨処理したので、浴槽本体に形成した上 縁部の接続部分が研磨処理されて外観が極めて良好である。また、上縁面と浴槽 本体との接続箇所が目隠しされ、更にブラケットを固定した際の溶接跡も見えな いので、優れた美観を備えた商品価値の高い浴槽ユニットを提供可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】浴槽ユニットの平面図である。

【図２】Ａ部を拡大断面図とした浴槽ユニットの右側面
図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ線における断面図である。

【図４】上縁部の接続状態を示す要部の断面図である。

【図５】上縁部にブラケットを取付けた状態を示す要部
の断面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽ユニット ２ 浴槽本体 ３ 上縁部 ４ 本体側上縁部 ５ 外側上縁部材 ７ 上縁面 ８ ブラケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽本体の上端部分の外側に上縁部を形
   成し、該上縁部に上縁面を止着する浴槽ユニットにおい
   て、 浴槽本体の上端に外向きに延出する本体側上端面を形成
   する一方、該本体側上端面に重合可能な外側上端面を備
   える外側上縁部材を構成し、 本体側上端面の外側に外側上縁部材の外側上端面を重ね
   て両者をシーム溶接して浴槽本体の上縁部を形成し、 上記本体側上端面の内側に上縁面を止着する為のブラケ
   ットを溶接し、浴槽本体の本体側上端面と外側上端面部
   材の外側上端面との重合部分を研磨処理したことを特徴
   とする浴槽ユニット。