JPH07166649A - 鉄筋及びアンカーボルトの定着方法 - Google Patents

鉄筋及びアンカーボルトの定着方法

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JPH07166649A
JPH07166649A JP34181693A JP34181693A JPH07166649A JP H07166649 A JPH07166649 A JP H07166649A JP 34181693 A JP34181693 A JP 34181693A JP 34181693 A JP34181693 A JP 34181693A JP H07166649 A JPH07166649 A JP H07166649A
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治克 角屋
Hiroaki Sugimoto
浩章 杉本
Norio Noda
憲雄 野田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄筋あるいはアンカーボルトとコンクリート表
面とが接近してかぶり寸法が十分とれない場合でも、鉄
筋あるいはアンカーボルトに定着板を固定するだけで十
分な定着力が得られる定着方法を提供し、これにより配
筋作業の改善を図る。 【構成】コンクリート11中に埋設する鉄筋7あるいは
アンカーボルトの所定位置に定着板9を固定するととも
に、そのコンクリート11の表面が前記定着板9に近接
した、せん断抵抗力の不足する側に、補強板12を、前
記鉄筋あるいはアンカーボルトとほぼ平行して、前記コ
ンクリート中あるいはコンクリート表面に密着させて配
設することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築構造物等において
使用される鉄筋及びアンカーボルトの定着方法に関し、
より詳しくは、鉄筋あるいはアンカーボルトの定着部の
かぶり寸法が十分とれないためにせん断抵抗力が不足し
てその定着力、すなわち引抜き抵抗力が低下するのを防
ぐ、鉄筋及びアンカーボルトの定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5〜図10はこの種の鉄筋あるいはア
ンカーボルトの従来の定着方法を例示したものである。
図5に例示したものは、コンクリート101中に埋設さ
れる鉄筋102の端部を折曲げて所定の折曲げ定着部1
03を形成したものである。また、図6に例示したもの
は、鉄筋104の端部をJ型に折曲げてJ型定着部10
5を形成したものである。図7はこれらの定着方法を用
いた鉄筋の一般的な施工例を示したもので、図示のよう
に、柱部106の主筋107、梁部108の上端筋10
9及び下端筋110、梁部111の上端筋112及び下
端筋113の端部には、それぞれ前記定着方法が採用さ
れている。
【0003】また、他の定着方法として、図8〜図10
に例示したように、アンカーボルト114の端部に定着
板115を固定してコンクリート116中に埋設するこ
とにより定着する工法が知られている。しかしながら、
肝心の定着板115の部分のかぶり寸法が不足する事例
が多く、引抜き抵抗力が低下し、鉄筋やアンカーボルト
としての機能を充分発揮できないため、この定着方法
は、構造上、危険があるとされていた。
【0004】すなわち、この定着方法は、コンクリート
のせん断抵抗力を基礎にして定着力を確保するものであ
り、図8に示すように、アンカーボルト114の定着板
115とコンクリート116の側方表面117との間の
かぶり寸法L1及び上方表面118とのかぶり寸法L2
が共に十分に大きい場合には、必要な定着力を容易に確
保でき、形状が直線状であるため埋設作業も容易であ
る。しかしながら、図9及び図10に示すように、アン
カーボルト114の定着板115とコンクリート116
の上方表面118とのかぶり寸法が十分でも、側方表面
117とのかぶり寸法L3が小さい場合には十分な定着
力を確保できないという問題がある。すなわち、図8及
び図9に示したように、アンカーボルト114に対して
軸方向の引張力Pが作用した場合には、コンクリート1
16の内部の、定着板115から斜め上方に延びる略4
5度の円錐面上にせん断面Sが仮想され、このせん断面
Sに生じるせん断抵抗力Fの総和が前記引張力Pに対抗
する引抜き抵抗力の基礎となる。しかるに、図9の場合
のように、定着板115とコンクリート116の表面と
が接近した位置関係にある場合には、その接近した側、
すなわち本例では側方表面117の側に生じるせん断抵
抗力Fの一部が欠落することになるため、十分な定着力
を確保できなくなる。その結果、図10に示すように、
仮想せん断面Sにほぼ沿った破壊面119からコンクリ
ートの一部が脱落してしまうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来
は、例えば、図5に示した最上階の梁端部のように、鉄
筋102の端部を折曲げて所定長の折曲げ定着部103
を形成したり、図6に示したようにJ型定着部105を
形成する必要があった。しかしながら、これらの定着部
103,105の形成には、折曲げ作業が伴うだけでな
く、その折曲げ部によって他の鉄筋等との配筋関係が複
雑になるため、配筋作業をやりにくくする大きな原因と
なっていた。本発明は、このような事情の下においてな
されたもので、その目的とするところは、鉄筋あるいは
アンカーボルトとコンクリート表面とが接近してかぶり
寸法が十分とれない場合でも、鉄筋あるいはアンカーボ
ルトに定着板を固定することにより十分な定着力が得ら
れる定着方法を提供し、これにより配筋作業の改善を図
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を達
成するため、コンクリート中に埋設する鉄筋あるいはア
ンカーボルトの所定位置に定着板を固定するとともに、
そのコンクリートの表面が前記定着板に近接した、せん
断抵抗力の不足する側に、補強板を、前記鉄筋あるいは
アンカーボルトとほぼ平行して、前記コンクリート中あ
るいはコンクリート表面に密着させて配設することを特
徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、せん断抵抗力の不足する側の
コンクリート中あるいはコンクリート表面に配設される
補強板により、その補強板とコンクリートとの接触摩擦
力及び付着力によって前述のせん断抵抗力の不足を補填
できるため、鉄筋あるいはアンカーボルトの所定位置に
定着板を固定することにより十分な定着力を確保し得
る。したがって、鉄筋あるいはアンカーボルトの端部
に、従来のように、折曲げ部を形成する必要はなく、直
線状のまま埋設できるため、配筋作業が大幅に改善され
る。
【0008】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例に関して
説明する。図1は本発明の一実施例を示した斜視図、図
2はその縦断面図である。図中、1はアンカーボルト
で、コンクリート2の端部に埋設する場合を示したもの
である。各アンカーボルト1の下端部には定着板3を固
定し、この定着板3との間隔が小さく、せん断抵抗力の
不足する、コンクリート2の端面部に補強板4をボルト
5及びナット6により締付けて付設している。この場
合、補強板4の接触面の摩擦係数や付着力を高めるた
め、波鋼板を用いたり、その接触表面にプレス加工等に
より凸凹や穴を形成することができる。
【0009】図2に示すように、アンカーボルト1に対
して軸方向の引張力Pが作用した場合には、コンクリー
ト2の内部の、定着板3から斜め上方に延びる略45度
の円錐面上の仮想せん断面Sに生じるせん断抵抗力F
と、補強板4との間に生じる摩擦抵抗力及び付着による
抵抗力(以下、単に抵抗力Gという)との総和が前記引
張力Pに対抗する引抜き抵抗力の基礎として作用する。
このように、補強板4により前記抵抗力Gが付加される
ため、引抜き抵抗力が大幅に強化される。この結果、か
ぶり寸法を十分とれないコンクリート2の表面に接近し
た部位への、定着板3を使用した直線状のアンカーボル
トあるいは鉄筋の配筋が可能になる。
【0010】図3は本定着方法を使用した場合を示した
もので、図7に示した従来例に対応するものである。図
中、7,8は上端筋及び下端筋で、その端部にはそれぞ
れ定着板9,10が固定されている。これらの鉄筋のう
ち、上端筋7とコンクリート11の上面との間のかぶり
寸法L4は小さく、十分とれないため、コンクリート中
に補強板12を埋設することによりせん断抵抗力の不足
を補填している。この補強板12は主筋13に固定され
ている。以上のように、上、下端筋7,8に従来のよう
な折曲げ定着部やJ型定着部を形成する必要はなく、直
線状のままでよいため、配筋及び埋設作業が大幅に改善
される。
【0011】図4は他の実施例を示したもので、本定着
方法を鉄骨造の基礎構造部に適用した場合を示したもの
である。鉄骨造の基礎梁14に埋設される鉄筋15に定
着板16を固定した場合には、この定着板16に対する
コンクリート17側の補強板としては、鉄骨柱18のベ
ースプレート19が利用される。この場合、このベース
プレート19とコンクリート表面20との間には間隙が
生じるが、無収縮モルタル等の充填物21によって間隙
をなくし、ベースプレート19とコンクリート表面20
とが完全に密着した状況を作ることは容易である。密着
後はベースプレート19が定着板16の補強板として機
能し、効果を発揮する。また、鉄筋22の定着板23に
関する補強板としては、鉄骨柱18用のアンカーボルト
24の下部に配設する該アンカーボルト24の固定を兼
ねた鉄板25が機能する。
【0012】
【発明の効果】本発明は、以上の構成に基づいて次の効
果を得ることができる。 (1)前記補強板により定着力が補填されるため、コン
クリート表面に接近した部位への定着板による定着が可
能となり、その配筋に関する自由度が増大する。 (2)鉄筋あるいはアンカーボルトの端部に従来のよう
に折曲げ定着部を形成する必要から解放されるため、定
着部の形成作業が大幅に改善される。 (3)鉄筋あるいはアンカーボルトの端部に折曲げ部が
なくなるので、配筋関係が単純になり、配筋作業が容易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示した斜視図である。
【図2】 同実施例の縦断面図である。
【図3】 本発明の適用場面を示した縦断面図である。
【図4】 本発明の他の適用場面を示した縦断面図であ
る。
【図5】 従来技術を示した縦断面図である。
【図6】 従来技術を示した縦断面図である。
【図7】 従来技術の適用場面を示した縦断面図であ
る。
【図8】 従来技術を示した縦断面図である。
【図9】 従来技術を示した縦断面図である。
【図10】 従来技術を示した斜視図である。
【符号の説明】
1…アンカーボルト、2…コンクリート、3…定着板、
4…補強板、5…ボルト、6…ナット、7…上端筋、8
…下端筋、9,10…定着板、11…コンクリート、1
2…補強板、13…主筋、14…基礎梁、15…鉄筋、
16…定着板、17…コンクリート、18…鉄骨柱、1
9…ベースプレート、20…コンクリート表面、21…
充填物、22…鉄筋、23…定着板、24…アンカーボ
ルト、25…鉄板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート中に埋設する鉄筋の所定位
    置に定着板を固定するとともに、そのコンクリートの表
    面が前記定着板に近接した、せん断抵抗力の不足する側
    に、補強板を、前記鉄筋とほぼ平行して、前記コンクリ
    ート中あるいはコンクリート表面に密着させて配設する
    ことを特徴とする鉄筋の定着方法。
  2. 【請求項2】 コンクリート中に埋設するアンカーボル
    トの所定位置に定着板を固定するとともに、そのコンク
    リートの表面が前記定着板に近接した、せん断抵抗力の
    不足する側に、補強板を、前記アンカーボルトとほぼ平
    行して、前記コンクリート中あるいはコンクリート表面
    に密着させて配設することを特徴とするアンカーボルト
    の定着方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003253753A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Maeda Corp 最上階又は屋階における梁主鉄筋の定着方法
JP2003253754A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Maeda Corp 最上階又は屋階の柱梁接合部における梁主鉄筋の定着方法
DE10233124A1 (de) * 2002-07-20 2004-02-12 Krummel, Gerhard, Dipl.-Ing. Rahmeneckbewehrung zwischen zwei winklig aufeinander stoßenden Wänden oder stabförmigen Bauteilen, z.B. Verbindung zwischen Stütze und Unterzug
KR100904057B1 (ko) * 2009-01-12 2009-06-23 (주)대우건설 철근간 삽입이 용이한 철근 기계적 정착부재

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DE10233124B4 (de) * 2002-07-20 2008-05-08 Krummel, Gerhard, Dipl.-Ing. Rahmeneckbewehrung zwischen zwei winklig aufeinander stoßenden Wänden oder stabförmigen Bauteilen, z.B. eine Verbindung zwischen Stütze und Unterzug
KR100904057B1 (ko) * 2009-01-12 2009-06-23 (주)대우건설 철근간 삽입이 용이한 철근 기계적 정착부재

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