JPH071664Y2 - 再使用防止車両用ラベル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は印刷面に透明フイルム等の表面材をラミネート
した再使用防止車両用ラベルに関するものである。

〔従来技術〕

従来のこの種の再使用防止車両用ラベルとしては例えば
第６図に示すものがある（実開昭62−203068号公報参
照）。

すなわち、これら図において、１は再使用防止車両用ラ
ベルで、脆性塩化ビニル等の脆質の基材２の裏面に粘着
層３が積層され、この粘着層３により車体パネル等の被
着材４に貼付されるようになっている。また前記基材２
の表面には車両に関する所定事項を表示する印刷層が形
成され、この印刷層は熱溶融型転写インク５からなる部
分と溶剤蒸発乾燥型インク６からなる。さらに、印刷層
上には粘着層７を介して透明フイルム等の表面材８がラ
ミネートされている。

そしてこの再使用防止車両用ラベル１は基材２を表面材
８と共に被着材４から剥離すると、脆質の基材２が破断
されてしまい、その後の使用を不可能とすることによ
り、再使用を防止するものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来の再使用防止車両用ラベ
ルにあっては、再使用防止機能は備えているものの、互
いに印刷特性の異なる熱溶融型転写インク５および溶剤
蒸発乾燥型インク６からなる印刷層が単一の基材２の表
面に形成されているため、基材２の材質として一方のイ
ンクに適合したものを選択すれば、他方のインクからな
る印刷が不鮮明となる虞れがあった。特に近時サーティ
フィケーションラベルでは通常の印刷事項の他にバーコ
ードが印刷されるようになり、この場合各バーがぼやけ
ないで鮮明に浮き出てくることが必要であった。

本考案はこのような従来の課題に鑑みなされたもので、
再使用防止機能を全うしつつ、鮮明な印刷が得られるよ
うな再使用防止車両用ラベルを提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はかかる目的を達成するため、透明フイルムより
なる表面材と、脆質を有する透明の第１基材と、同じく
脆質を有する第２基材とを粘着剤を介して接着するとと
もに、前記第１基材および第２基材の一方に熱溶融型転
写インクからなる印刷層および他方に溶剤蒸発乾燥型イ
ンクからなる印刷層を夫々形成した再使用防止車両用ラ
ベルとしたものである。

〔作用〕

表面材を剥離した場合、第１基材に熱溶融型転写インク
からなる印刷層が形成されている場合には該印刷層は熱
転写されているため、表面材には付着せず第１基材に残
り、該表面材は再使用不可能となる。

第１基材に溶剤蒸発乾燥型インクからなる印刷層が形成
されている場合には、剥離した表面材に該印刷層が全て
転写されることがあるが、一部の印刷事項は第２基材に
印刷されているため、該表面材は再使用不可能である。

第１基材又は第２基材を剥離した場合には、該第１基材
および第２基材は脆質のため、各所で破断され、これら
に形成された印刷層も破壊され、再使用不可能となる。

また、第１基材は透明であるため、第２基材に印刷した
印刷事項ははっきり見ることができる。

さらに、第１基材および第２基材は別層になっており、
夫々これらの印刷層を形成するインクの印刷特性に合っ
た材質のものを選択でき、鮮明な印刷が可能となる。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

第１図および第２図において、11は再使用防止車両用ラ
ベル、具体的にはサティフィケーションラベルで、透明
のポリエステルフイルム等よりなる表面材12と、脆質を
有する透明の第１基材13と、同じく脆質を有する第２基
材14とが粘着剤15,16を介して接着されている。

第１基材13には熱溶融型転写インク17からなる印刷層が
形成され、この印刷層には車体番号18やバーコード19な
ど重要度の高い個別事項が印刷されている。

第２基材14には溶剤蒸発乾燥型インク20からなる印刷層
が形成され、この印刷層には説明文21等の一般的な共通
事項が印刷されている。

熱溶融型転写インク17は加熱によって溶融させられ、図
示しない転写用フイルム等から第１基材13へ熱転写され
ている。一方、溶剤蒸発乾燥型インク20は通常の凸版印
刷等に用いる溶剤タイプのインクによって印刷されてい
る。

このような再使用防止車両用ラベル11は使用状態を示し
ており、被着材すなわち車体パネル22上に粘着剤23によ
り貼着されている。

また、、使用前は裏面に剥離紙が貼着されており、使用
時これを剥離するものである。

かかる構成につき、第３図に示すように表面材12を剥離
した場合、熱溶融型転写インク17は第１基材13へ熱転写
されているため、表面材12へは付着せず第１基材13に残
り、該表面材12は再使用不可能となる。

また、第４図に示すように、表面材12と第１基材13を剥
離した場合には該第１基材13は脆質のため、各所で破断
され、これに形成した印刷層も破壊され、再使用不可能
となる。

さらに第２基材14を第１基材13および表面材12と共に剥
離した場合も、同様に該第２基材14が脆質のため、破断
され再使用不可能となる。

なお、再使用防止車両用ラベル11は使用状態で第１基材
13が透明であるため、第２基材14に印刷された印刷事項
をはっきり見ることができる。

このようにして上記の再使用防止車両用ラベルは再使用
防止機能を備えているが、第１基材13および第２基材14
は別層になっており、夫々これらの印刷層を形成する熱
溶融型転写インク17および溶剤蒸発乾燥型インク20の印
刷特性に適合した材質のものを選択でき、鮮明な印刷を
得ることができる。

第５図は本考案の他の実施例を示す。

この例は第１および第２基材13,14の印刷層を前記第１
実施例とは逆に夫々溶剤蒸発乾燥型インク20および熱溶
融型転写インク17から形成したものである。

この場合も、前記第１実施例と同様第１基材13又は第２
基材14から剥離した場合には夫々が破断されるため、再
使用不可能となる。

ただし、この場合表面材12を剥離した場合には、第１基
材13に形成された溶剤蒸発乾燥型インク20からなる印刷
層が表面材12に全て転写されることがあるが、一部の印
刷事項は第２基材14に印刷されているため、同様に再使
用不可能となる訳である。

〔効果〕

以上説明してきたように、本考案によれば、透明フイル
ムよりなる表面材と、脆質を有する透明の第１基材と、
同じく脆質を有する第２基材とを粘着剤を介して接着す
るとともに、前記第１基材および第２基材の一方に熱溶
融型転写インクからなる印刷層および他方に溶剤蒸発乾
燥型インクからなる印刷層を夫々形成したため、再使用
防止機能を備えつつ、鮮明な印刷が得られるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断側面図、第２図は
同じくその正面図、第３図および第４図は本考案の作用
説明用縦断側面図、第５図は本考案の他の実施例を示す
第１図相当断面図、第６図は従来例を示す第１図相当断
面図である。 11……再使用防止車両用ラベル、12……表面材、13……
第１基材、14……第２基材、15,16……粘着剤、17……
熱溶融型転写インク、20……溶剤蒸発乾燥型インク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明フイルムよりなる表面材と、脆質を有
   する透明の第１基材と、同じく脆質を有する第２基材と
   を粘着剤を介して接着するとともに、前記第１基材およ
   び第２基材の一方に熱溶融型転写インクからなる印刷層
   および他方に溶剤蒸発乾燥型インクからなる印刷層を夫
   々形成したことを特徴とする再使用防止車両用ラベル。