JP2508478Y2 - 親展葉書及び親展葉書きセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、年金や預金残高など本人にのみその内容を
知らせる必要がある秘匿情報の通知用葉書に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の秘匿情報の通知法としては、秘匿情報
を記した用紙を封筒に入れるか、葉書に記録した秘匿情
報の上からラベルを貼付して情報を秘匿するものが知ら
れている。

［考案が解決しようとする課題］ 秘匿情報を記した用紙を封筒に入れる方法は、秘匿情
報を記した用紙を封筒に入れるのに多大の手間と時間を
必要とするばかりでなく、郵送費用が葉書に比べかかる
という問題点を有している。

葉書に記録した秘匿情報の上からラベルを貼付して情
報を秘匿する方法は、記録された秘匿情報の定められた
位置に情報隠蔽用の特殊なラベルを貼らなければならな
いので、貼る手間と秘匿情報の大きさに応じた大きさの
ラベルを必要とする。ラベルを貼ることは、市販されて
いるラベル貼り専用機を使用することによりかなり高速
で行えるようになってきている。秘匿情報及び宛先はコ
ンピュータープリンターから連続して打ち出されてくる
ので、秘匿情報の上に貼られるラベルは１枚のミスもな
く確実に貼られなければならない。しかし、粘着剤を有
するラベルを１枚のミスもなく確実に貼付することは現
在のところ難しく、ラベルが貼られ無かったり、貼付場
所がずれたり、貼付するために剥がされたラベルの送り
がうまく行なかった場合、しばしばこのラベルと用紙と
が接着し用紙の供給トラブルが生じる等の問題点を有し
ている。このような状態になると、その部分だけの手直
しが難しいので、再度最初から作業のし直しを行はざる
を得ない場合もある。更に、年金受給者の増大や、金融
商品の利用者の増大にともなって、益々秘匿情報の親展
通知の需要が多くなっているから、処理速度を高速化す
る必要があるが、ラベル貼りの確実性と高速化を満足し
た専用機は現在の所見当らない。

そこで本考案は、従来技術のこのような問題点を解決
するためになされたのであり、その課題とするところ
は、コンピューターからの情報を印字する高速のドット
プリンターで確実に宛先と秘匿情報が記録されるととも
に、後処理を必要とせずそのまま発送し得る親展葉書の
提供である。

［課題を解決するための手段］ 上記課題は、本考案の親展葉書を、表面に宛先欄と透
かし防止画像を設けた発送葉書の裏面に設けたヒートシ
ール性接着剤と、透かし防止画像に対応する位置に親展
情報欄を有する自己発色性感圧複写紙からなる親展情報
通知票の発色層の上に設けたヒートシール性樹脂被覆層
を対接し、発送葉書と親展情報通知票の少なくとも２辺
をヒートシールし、該ヒートシールの内側に発送葉書に
剥離用ミシン目と該ミシン目を一端とする剥離開始用切
込みを設けたものとすることにより解決した。

又、控えを必要とする場合は、親展葉書の上側又は下
側に、宛先欄と親展情報欄を有する控票を設ければよ
い。控票の宛先欄と親展情報欄は、それぞれ発送葉書の
宛先欄と親展情報通知票の親展情報欄と対応する位置に
設けられる。親展葉書の上側に控票を置く場合は、控票
の宛先欄に記録された宛先は、発送葉書の宛先欄にその
まま複写される。複写手段は特に限定するものではな
く、控票の宛先欄の裏面に裏カーボンを設ける、控票を
発色性染料を含有したマイクロカプセルを塗布した感圧
複写紙の上用紙とし、発送葉書を顕色剤を塗布した感圧
複写紙の下用紙とする、あるいはカーボン紙を挿入する
などの手段が考えられる。控票の宛先欄の裏面に裏カー
ボンを設ける方法が経済性の点からこのましい。親展葉
書の上側に控票を置く場合は、控票を自己発色性感圧複
写紙とすることもできる。

発送葉書の表面に設ける宛先欄と透かし防止画像は一
般的には印刷する。透かし防止画像は、親展情報通知票
に記録された親展情報が上部から発送葉書面を通して透
けて見えることを防ぐために設けるものである。通常、
地紋印刷が多いが、メモやお知らせなどこの目的に合う
ものであれば特に制限するものではない。

発送葉書の裏面にはヒートシール性の接着剤を設け
る。ヒートシール性接着剤は、通常ホットメルト型接着
剤を使用するが、粘着剤にポリエチレンエマルジョン等
のヒートシール性があるものを所定量混合し、ヒートシ
ール性を付与したものであってもよい。ホットメルト型
接着剤が固すぎると親展情報通知票と接着したとき取扱
中に剥離してくる可能性があり、柔らかすぎると粘着力
が強すぎて親展情報通知票と発送葉書を剥離するときに
剥離しにくかったり、剥離できなかったりすることがあ
る。ホットメルト型接着剤は、剥離力と溶融温度を勘案
して選択する必要があり、通常剥離力は50〜200g/2.5cm
程度が好適であり、その溶融温度は100〜300℃程度が好
適である。

親展情報通知票は、自己発色性感圧記録紙を基材と
し、その発色面の上にヒートシール性樹脂被覆層を設け
たものである。自己発色性感圧記録紙は、発色性無色染
料を溶解した油を含有するマイクロカプセルと、無色染
料を発色させる顕色剤を、混合あるいは重ねて支持体上
に塗布したものである。支持体は紙、プラスチック、不
織布など自己発色性感圧記録層を塗布できるものであれ
ばよい。一般的には上質紙である。

自己発色性感圧記録層の上に設ける被覆層のヒートシ
ール性樹脂は、ヒートシール性を有するものであれば特
に制限はないが、発送葉書の裏面に設けたヒートシール
性接着剤の溶融温度よりも低い温度で溶融する樹脂であ
ることが好ましい。

このようにすることによって、接着剤の溶融温度が多
少不足する場合でも必ずヒートシールできる。性能、入
手性、経済性、取扱性、安全性などの点でポリエチレン
が最も好ましいものである。

親展情報通知票には予め親展情報欄を設けるが、その
方法はクラッシャー印刷法で行なうのが便利である。

親展情報通知票に記録された親展情報の秘匿の完璧性
を要求する場合、自己発色性感圧記録層の支持体が上質
紙であると、裏面からその情報が透かして見える場合が
ある。これを防止するために、親展情報欄の裏側に親展
情報欄を覆うように透かし防止用画像を設けることは好
ましい方法である。支持体が紙であっても、厚いものや
填料の添加によって不透明性が高い場合はその必要はな
い。

ヒートシールは、発送葉書の上部から、発送葉書の少
なくとも２辺に行なう。４周辺全部にヒートシールをす
れば取扱によって、接着部が一部にしろ剥がれたりする
ことが無いから、その点では最も安全である。ヒートシ
ールの幅は数mmもあれば十分である。発送葉書にはヒー
トシール部の内側に沿って、少なくとも１条のヒートシ
ール切取り用ミシン目を設ける。ヒートシールが４周辺
になされている場合は、ヒートシールに沿ってその内側
４周辺にミシン目を設けると良い。更に、発送葉書には
ミシン目を一端とする剥離開始用の切込み（ハーフカッ
ト）を設ける。

本考案は、最終的には葉書としてそのまま郵送するこ
とを目的としているから、その大きさは葉書として通用
する寸法である必要がある。最初から葉書大の連続葉書
として製造する場合は、その左右両端に、紙送り用スプ
ロケット孔をもうけるとよい。又、葉書より大きな寸法
の本考案の構成を有する紙送り用スプロケット孔を有す
る連続用紙とし、コンピュータープリンターで記録後、
葉書大に打ち抜いてもよい。

控票と親展葉書の間は、粘着、接着、紙ホチキス等の
方法で取扱に不便を来さない程度に密着されていればよ
い。

［作用］ 本考案の発送葉書と親展情報通知票を接着し、一部が
ヒートシールされている親展葉書は、発送葉書に設けた
宛先欄に、郵便番号、住所、氏名などの宛先情報と、親
展情報通知票の親展情報欄に親展情報が記録されるよう
に、夫々の情報を発送葉書の上部からドットプリンター
で打ち込む。数が少ない場合はタイプライタや手書きで
も良い。親展情報は、発送葉書の透かし防止画像の上か
ら打ち込まれるから、発送葉書の表面には親展情報は現
われず、この葉書きを扱う他人に親展情報を見られる恐
れはない。

発送葉書の宛先欄に打ち込まれた宛先は親展情報通知
票の自己発色性感圧記録層に自動的に記録されている。

控票がある場合は、控票の上部から宛先と親展情報を
打ち込む。宛先は、控票の裏面に設けた複写手段によっ
て、発送葉書の宛先欄に複写され、親展情報は、発送葉
書の透かし防止画像を通して親展情報通知票の親展情報
欄に自己発色して記録される。

控票がある場合は控票を剥し、葉書より大きな連続紙
として記録された場合は、葉書大に打ち抜いて発送す
る。

親展情報欄に相当する位置の発送葉書の部分、及び場
合により親展情報欄の裏面には透かし防止印刷がされて
いるから、この親展葉書を扱う人は親展情報を見ること
ができない。発送葉書と親展情報通知票は接着され且つ
周辺部はヒートシールされているから、親展情報を見よ
うとすればこのヒートシールを剥すかヒートシール部を
ミシン目に沿って切り取らなければならない。発送葉書
裏面の接着剤はヒートシール性ではあっても粘着剤では
ないから、いったん剥された場合は通常の粘着剤を有す
る剥離紙のように再粘着させて、元のようにみせかける
ことは粘着剤の場合より困難である。従って、第３者が
親展情報を知ることはできず、情報は完全に秘匿され
る。

受取人は、発送葉書に設けられた少なくとも２辺に施
されたヒートシールをミシン目に沿って切り離した後剥
離開始用切込み（ハーフカット）を折り、現われる発送
葉書の端部に指をかけて発送葉書を引き剥すことによっ
て初めて親展情報を知ることができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

実施例１ 第１−ａ及びｂ図は、本考案の親展葉書の各葉を別々
にした平面図であり、第１−ｃ図はその断面図である。
発送葉書（Ａ）は、基紙１の表面に宛先欄11と親展情報
欄21より大きい透かし防止用地紋31が印刷がされてお
り、裏面に全面にホットメルト接着剤２が塗布されてい
る。親展情報通知票（Ｂ）は基紙３の表面に発色性無色
染料を溶解した油を含有するマイクロカプセルと無色染
料を発色させる顕色剤を混合した塗料を塗布して自己発
色層とし、その上にヒートシール性樹脂被覆層としてポ
リエチレンの被覆層５を設け、親展情報欄21がクラッシ
ャー印刷されている。本考案の親展葉書は、上記発送葉
書（Ａ）と親展情報通知票（Ｂ）の４周辺を数mmの幅で
ホットメルト接着剤２とポリエチレン被覆層とをヒート
シールし、発送葉書（Ａ）の表面に、ヒートシールＳの
内側に設けた切り取り用ミシン目ｍとミシン目の左辺と
下辺を両端とする剥離開始用切込み６を設けたものであ
る。

実施例２ 第２−ａ〜ｅ図は控票を親展葉書の上側に設けた、本
考案の親展葉書セットの各葉を別々に示した平面図であ
る。本実施例は、控票を親展葉書の上側に設けた葉書の
大きさの親展葉書セットの両端に送り用のスプロケット
孔７を設けたものであり、連続伝票と同様に使用するこ
とができる。

控票（Ｃ）は基紙８の表面に、発送葉書（Ａ）の宛先
欄11とかさなる位置に宛先欄12が印刷され、宛先欄12の
裏面には発送葉書（Ａ）の宛先欄11を覆う大きさで裏カ
ーボン９が設けてある。

発送葉書（Ａ）と親展情報通知票（Ｂ）をスプロケッ
ト孔を含む位置で左右２辺をヒートシールし、親展情報
通知票（Ｂ）の裏面に親展情報欄21を覆うように透かし
防止用地紋を設けたほかは実施例１の親展葉書と同様の
構成である。

この実施例の親展葉書セットは、連続親展葉書セット
してこのままコンピューターアウトプットができ、控え
を取った後親展葉書として郵送される。ヒートシールさ
れているので途中の取扱によって発送葉書が剥がれる恐
れはなくて、秘匿情報が開封するにはヒートシール部を
ミシン目に沿って切り取った後、発送葉書を剥さなけれ
ばならず、一度剥してしまえば開封跡が残り元のように
することができないから本人以外に親展情報を知られる
心配はない。

実施例３ 第３−ａ〜ｃ図及び第４図は、第１図で示した実施例
１の親展葉書に控票をセットしてなる親展葉書セットの
各葉の平面図及び断面図である。

本実施例は、親展葉書のセットより大きな寸法の連続
用紙セットであり、紙送り用のスプロケット孔７が親展
葉書のセットより大きな寸法の連続用紙セットに設けた
ものである。発送葉書（Ａ）の裏面のホットメルト接着
剤２、親展情報通知票（Ｂ）の自己発色性感圧複写層４
及びその上のポリエチレン被覆層５は連続用紙全面に施
されている。ヒートシールｈ、発送葉書（Ａ）の剥離用
ミシン目ｍ及び剥離開始用切込み６、宛先欄11、透かし
防止画像としての地紋印刷31、及び親展情報通知票
（Ｂ）親展情報欄21は実施例１と同様であり、控票
（Ｃ）宛先欄12、親展情報欄22、裏面の裏カーボン９、
親展情報通知票（Ｂ）の裏面の透かし防止用地紋印刷32
は実施例２と同様である。

本実施例の使用法は、親展葉書のセットより大きな寸
法の連続用紙セットとして、コンピュータープリンター
にセットして宛先及び親展情報をプリントアウトした
後、葉書大に打ち抜いて控票を取り去り、親展葉書とす
る。

本実施例の場合は、実施例２と異なり親展葉書にスプ
ロケット孔がないから外観上優れている。

［考案の効果］ 本考案は親展情報を記録した親展葉書であるから、封
書として郵送する場合と比べると、宛先と親展情報を連
続して且つ同時にプリントアウトすることができ、親展
情報記録用紙の封入及び封緘が不用であり、発送作業能
率が高く且つ郵送費も安いので、経済的に著しく有利で
ある。

又、本考案は親展情報が記録された親展情報通知票と
親展情報が透かしても読めないように透かし防止用画像
を設けた発送葉書が予め接着され且つヒートシールされ
て一体となっているから、親展情報記録の上に粘着ラベ
ルを貼付して親展情報を秘匿するようにした親展葉書と
比べ、ラベルを貼付すためのラベラーが不用であり、ラ
ベルが確実に貼付されないために起こる作業の流れが中
断されたり、作業そのものをやり直すようなことがな
く、処理の確実性と処理速度が大幅に改善される。

更に、控えを必要とする場合も、親展葉書の上又は下
に控票を置くことにより、親展葉書への記録と同時に控
票を作成することができる。

このように、本考案の親展葉書は、年金や預金残高の
秘匿情報を受取人本人以外に知られることなく通知する
ことができるものであり、しかも記録の作成から発送ま
での処理を高速且つ確実に連続して行なうことができる
ものであるから経済的にも有利であって、秘匿情報の通
知の増大に対処できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に関わる親展葉書の各葉の
平面図、及び断面図、第２図は第２実施例の親展葉書の
各葉の平面図、第３図及び第４図は第３実施例の親展葉
書の各葉の平面図及び断面図である。 1,3……基紙、２……ヒートシール性接着剤、４……自
己発色層、５……ヒートシール性樹脂被覆層、11……宛
先印刷、21……親展情報欄、31……透かし防止画像、Ｓ
……ヒートシール、ｍ……ミシン目。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−21530（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−25023（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭60−14619（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭52−52819（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に宛先欄と透かし防止画像を設けた発
   送葉書の裏面全面に設けたヒートシール性接着剤と、透
   かし防止画像に対応する位置に親展情報欄を有する自己
   発色性感圧複写紙からなる親展情報通知票の発色層の上
   の全面に設けたヒートシール性樹脂被覆層を対接し、発
   送葉書と親展情報通知票の少なくとも２辺をヒートシー
   ルし、該ヒートシールの内側に発送葉書あるいは発送葉
   書と親展情報通知票に切取り用ミシン目を設け、かつ発
   送葉書に該ミシン目を一端とする剥離開始用切込みを設
   けた親展葉書。
2. 【請求項２】請求項１記載の親展葉書の上側または下側
   に、宛先欄と親展情報欄を有する控票を設けた親展葉書
   セット。