JPH0716623Y2 - スポイト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、液体を収納した容器の閉蓋具に指で作動す
るポンプ手段を備えたスポイト容器に関し、特に吸い上
げられた液体がポンプ手段内に入り込むのを防止するよ
うにしたスポイト容器に関する。

（従来の技術） 従来、容器本体を閉塞する蓋部に吸上管と指で作動する
ポンプ手段とを付設してポンプ手段の作動により、吸上
管内に液体を吸い上げて保持し、再びポンプ手段を作動
して所要部位に液体を吐出可能としたスポイト容器は公
知である。

かかるスポイト容器のポンプ手段は、一般には、袋状に
形成したゴム等の弾性体からなり、これを指で直接若し
くは指圧板を介して間接的に圧縮若しくは復元させて、
ポンプ手段に連接された吸上管内に液体を吸い上げるよ
うになっている。

（考案が解決しようとする問題点） ポンプ手段と吸上管とは連通状態にある為、吸上管内の
液体は、スポイトを逆転させればポンプ手段内に容易に
入り込んで来る。このため、液体がポンプ手段の内壁に
付着し汚染したり、或はゴム等を腐触させたり変質させ
てしまうおそれがあった。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、この考案が採った手段
は、容器本体（１）の口部に装着される蓋体（２）に本
体（１）内に延び出す吸上管（３）と、外部から指で圧
縮自在なゴム製の袋体からなるポンプ手段（４）とを設
け、吸上管（３）の上端に先端を閉塞した円錐状の筒体
からなるストッパー手段（５）を密に取り付け、該スト
ッパー手段（５）の閉塞された先端部に空気の流通は許
容するが表面張力によって液体の通過を阻止する空隙
（６）を形成したことを特徴とする。

（作用） 吸上管とポンプ手段との間に配設されたストッパー手段
の空隙により、液体はその表面張力によってポンプ手段
側への通過が阻止される。

ポンプ手段の作動時には、空隙を通って空気は自由に流
通出来るため、吸上管への液体吸い上げ並びにその吐出
を行うことが出来る。

（考案の効果） この考案によれば、空隙（６）が円錐状筒体の細くなっ
た先端部に形成されているため、ポンプ手段作動時や容
器転倒時にストッパー手段（５）に向って流れて来た液
体は円錐形に沿ってストッパー手段（５）の根元部に流
れて行く結果、狭い先端部に形成された空隙（６）から
の液体の流入が完全に阻止され、ポンプ手段（４）の汚
染の防止効果が高くなる。

（実施例） 以下に図面を参照しつつこの考案の好ましい実施例を説
明する。図において（１）は容器本体、（２）は該容器
本体（１）の口部（1a）に装着される蓋体であって、容
器本体（１）内に延び出す吸上管（３）と外部から指で
作動し得るポンプ手段（４）とを備える。吸上管（３）
とポンプ手段（４）とは連通した状態にあり、ポンプ手
段（４）を作動して吸上管（３）内に液体を吸い込み、
又吐出することが出来る。

ポンプ手段（４）は、外方へ延び出すゴム製の袋体から
なり、圧縮又は弾性復元させることにより空気の吐出又
は吸引を行い、吸上管（３）内に液体を吸い上げて、吐
出することが出来る。

吸上管（３）とポンプ手段（４）との間には、液体がそ
の表面張力によってそこを通過するのを阻止するストッ
パー手段（５）が配設される。該ストッパー手段（５）
は吸上管（３）の上端に密に取り付けられ先端部を閉塞
された円錐状の筒体からなり、細くなった先端部に空隙
（６）が形成される、該空隙（６）は液体がその表面張
力によって通過が阻止される大きさのものであり、表面
張力の大きさによって空隙（６）の大きさは適宜選択さ
れる。又、空隙（６）が円錐状筒体の細くなった先端部
に形成されているため、ポンプ手段作動時や容器転倒時
にストッパー手段（５）に向って流れて来た液体は円錐
形に沿ってストッパー手段（５）の根元部に流れて行く
結果、狭い先端部に形成された空隙（６）からの液体の
流入が完全に阻止され、ポンプ手段（４）の汚染の防止
効果が高くなる。第５図に示す空隙（６）は小円孔の形
状を有するが、第６図に示すように一つの大きな円孔を
仕切（７）で区切っても良く、又第７図に示すように網
目形状であっても良い。

ストッパー手段（５）は表面張力によって液体の通過は
阻止するが、内外が連通しており空気の通過は許容する
空隙（６）を備えている為、第４図に示すように液体を
吸い上げた吸上管（３）を逆転しても、ポンプ手段
（４）内に液体が入り込むおそれはない。しかも空気の
通過は許容されているため、ポンプ手段（４）の作動に
より、吸上管（３）内に液体を吸い込み、吐出すること
が出来る。（12）はポンプ手段の保護キャップである。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断面図、第２図は斜視図、第３図は要部の拡
大断面図、第４図は吸上管を逆転した断面図、第５〜７
図は第３図Ｖ−Ｖ線に沿った断面図であって、空隙の変
形を示す。 （１）……容器本体、（２）……蓋体 （３）……吸上管、（４）……ポンプ手段 （５）……ストッパー手段、（６）……空隙 （７）……仕切、（８）……多孔板 （９）……ゴム袋、（10）……指圧板 （11）……案内筒、（12）……保護キャップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 原田 容一 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂研究所内 (72)考案者 松本 正春 大阪府茨木市宇野辺１−６−９ 株式会社 吉野工業所大阪工場内 (56)参考文献 実開 昭62−13536（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−102664（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体（１）の口部に装着される蓋体
   （２）に本体（１）内に延び出す吸上管（３）と、外部
   から指で圧縮自在なゴム製の袋体からなるポンプ手段
   （４）とを設け、吸上管（３）の上端に先端を閉塞した
   円錐状の筒体からなるストッパー手段（５）を密に取り
   付け、該ストッパー手段（５）の閉塞された先端部に空
   気の流通は許容するが表面張力によって液体の通過を阻
   止する空隙（６）を形成したことを特徴とするスポイト
   容器。
2. 【請求項２】空隙（６）が小円孔からなることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のスポイト容
   器。
3. 【請求項３】空隙（６）が円孔を仕切により複数の部分
   に仕切った通路からなることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のスポイト容器。
4. 【請求項４】空隙（６）が、網目からなることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のスポイト容
   器。
5. 【請求項５】空隙（６）が、多孔板（８）のよって形成
   されていることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のスポイト容器。