JPH07165743A - 光学活性グリシジルトシレートの製法 - Google Patents
光学活性グリシジルトシレートの製法Info
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- JPH07165743A JPH07165743A JP30883793A JP30883793A JPH07165743A JP H07165743 A JPH07165743 A JP H07165743A JP 30883793 A JP30883793 A JP 30883793A JP 30883793 A JP30883793 A JP 30883793A JP H07165743 A JPH07165743 A JP H07165743A
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Abstract
ールを有機溶媒中で塩基性条件下反応させ、中間体とし
て得られる光学活性グリシド−ルを単離することなく、
第3級アミン類、及びアシル化触媒の存在下、p−トル
エンスルホニルクロリドと反応させる。 【効果】 高い光学純度(98%ee以上)を有する光学活
性グリシジルトシレートを好収率、かつ、簡便な操作で
得ることができる。
Description
レ−トの製法に関するものである。光学活性グリシジル
トシレ−トは、各種の医薬、農薬及び生理活性物質等を
合成するための合成中間体として有用な物質であり、そ
の応用については例えば Chemical Reviews, 91, 437
(1991) に詳しく記載されている。
トシレートを得る方法としては、アリルアルコールを不
斉酸化して光学活性グリシドールとし(J. Am. Chem. S
oc., 102, 5974 (1980))、このものをp−トルエンスル
ホニル化する方法がある。この場合、中間体である光学
活性グリシドールはそれ自身熱的に不安定であり、この
ものの単離のため蒸留操作を行うと一部が重合してオリ
ゴマーあるいはポリマーになることが知られている。さ
らに、この方法で得られる光学活性グリシドールは収率
が65%、光学純度が88〜91%ee程度であり(Chemical Rev
iews, 91, 437 (1991))、したがって、この光学活性グ
リシドールから誘導された光学活性グリシジルトシレー
トの総収率(40%)と光学純度(94%ee)は良好なもので
はない(J. Org. Chem., 51, 3712 (1986))。上記方法
によって得られる光学活性グリシジルトシレートの光学
純度を向上させるためには、さらに数回の再結晶操作が
必要であり、これを行うとすれば収率のさらなる低下を
まねくことを否めない。したがって、例えば光学純度98
%ee以上の高純度の光学活性グリシジルトシレートを好
収率で得るための方法としては満足できるものではな
い。
シジルトシレートに誘導するための光学純度の高い光学
活性グリシドールを得る方法として、特公平4-73998号
および特公平4-73999号の方法によって得られる光学活
性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを塩基性条件
下で分子内環化させる方法が考えられる。この場合、塩
基として例えば水酸化カリウムを用い、水溶液中で反応
させた場合には、光学活性グリシドールの高い水溶性の
ため単離収量が低く、経済的に不利である。また、塩基
として例えば炭酸カリウムを用い、有機溶媒中で不均一
系反応を行った場合には、生成した塩類を分離する際、
固体が微細であるため減圧あるいは加圧してもろ過がき
わめて困難で、ろ過工程に長い時間を要するばかりか光
学活性グリシドールを十分分離精製するため多量の洗浄
溶媒が必要であり、工業的規模でこれを行うのは非常に
困難である。さらに、前述したように、光学活性グリシ
ドールを蒸留精製しようとすればその熱的不安定性ゆえ
収量が低下する。
ルトシレートを収率よく得るためには、製造中間体であ
る光学活性グリシドールを高い光学純度、そして高い収
率で得て、さらにこのものを単離せずに、温和な条件で
p−トルエンスルホニル化を行う必要があると考えた。
すなわち、高い光学純度を有する3−クロロ−1,2−
プロパンジオールを原料として用い、このものを塩基と
反応させて光学活性グリシドールとし、これを単離する
ことなく、続いて副反応をできるだけ抑える温和な条件
でp−トルエンスルホニル化するということである。
問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、光学活
性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを有機溶媒中
で塩基性条件下、反応させ、中間体として得られるグリ
シド−ルを単離することなく、続いて第3級アミン類、
及び4−ジメチルアミノピリジンの存在下、p−トルエ
ンスルホニルクロリドを反応させることにより、高純度
の光学活性グリシジルトシレ−トが簡便に得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
ロパン−1,2−ジオ−ルを有機溶媒中でアルカリ金属
の炭酸塩、炭酸水素塩、およびアルカリ土類金属の炭酸
塩より選ばれた少なくとも一種と反応させ、続いてp−
トルエンスルホニルクロリド、第3級アミンおよび4−
ジメチルアミノピリジンと反応させることを特徴とする
光学活性グリシジルトシレ−トの製法である。
達成される。
−プロパンジオ−ルの環化反応により中間体である光学
活性グリシド−ルへ導き、次いで水酸基をp−トルエン
スルホニル基に置換することにより光学活性グリシジル
トシレ−トを得るものである。
1,2−プロパンジオ−ルとしては光学純度の高いもの
を使用することが好ましい。光学活性3−クロロ−1,
2−プロパンジオ−ルとしては、本出願人による特公平
4-73998号、及び特公平4-73999号記載の方法によって得
られるものが光学純度が高く(98%ee以上)好ましい。
また本発明の方法によれば、R−3−クロロ−1,2−
プロパンジオ−ルからはS−グリシジルトシレ−トが、
S−3−クロロ−1,2−プロパンジオ−ルからはR−
グリシジルトシレ−トが得られる。
オ−ルの環化反応は有機溶媒中、塩基性条件下で行う。
その際、使用する塩基としては、アルカリ金属の炭酸
塩、炭酸水素塩、もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩を
それぞれ単独、あるいは混合して用いることができ、例
えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸カルシウムが好ましい。
ロロ−1,2−プロパンジオ−ルに対し、1.0〜3.0モ
ル、より好ましくは1.2〜2.5モルである。使用する有機
溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲ
ン系炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テ
ル、t-ブチルメチルエ−テル、イソプロピルエ−テル等
のエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、あるいは、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素をそれぞれ単独もしくは混合して用い
ることが好ましい。環化反応の反応温度としては、10〜
40℃、好ましくは20〜30℃、さらに好ましくは25〜28℃
である。この範囲未満では反応の進行が遅く、また反応
液の粘度も上昇し、この範囲を超えると原料の2量体等
が副生し、収率が低下する。
に、使用する有機溶媒で希釈した光学活性3−クロロ−
1,2−プロパンジオ−ルを滴下するか、あるいは、希
釈せずにそのまま滴下して攪拌することにより行う。反
応は通常5〜24時間で終了し、中間体である光学活性グ
リシド−ルが得られ、続いて次の置換反応が行われる。
ジルトシレ−トを得る反応は次のようにして達成され
る。すなわち、上記方法により、得られた光学活性グリ
シド−ルを含む反応混合物に第3級アミン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、およびp−トルエンスルホニルクロ
リドを反応させることにより光学活性グリシジルトシレ
−トが得られる。
いた溶媒と同じものをそのまま用いることができる。p
−トルエンスルホニルクロリドの使用量は、3−クロロ
−1,2−プロパンジオ−ルに対し、1〜2倍モルであ
り、好ましくは1〜1.5倍モルである。p−トルエンスル
ホニルクロリドは使用する反応溶媒に溶かして滴下する
かあるいは結晶のまま反応液に添加してもどちらでもよ
い。第3級アミン類はトリエチルアミンあるいはピリジ
ンを使用するのが好ましく、その添加量は光学活性3−
クロロ−1,2−プロパンジオ−ルに対し、1〜3倍モル
であり、好ましくは1〜2倍モルである。また、トシル化
反応の反応温度としては、-15〜40℃が望ましく、より
好ましくは-10〜30℃である。4−ジメチルアミノピリ
ジンの使用量としては、光学活性3−クロロ−1,2−
プロパンジオ−ルに対し、0.001〜0.2モル%であり、好
ましくは0.005〜0.05モル%である。以上の条件によ
り、反応は0.5〜10時間で終了する。4−ジメチルアミノ
ピリジンを添加しない場合は、同じ温度で反応を行った
ときに反応終了まで10時間以上を要する。さらに、HPLC
による反応溶液の分析において、4−ジメチルアミノピ
リジンを添加した場合ではこのものを添加しなかった場
合に比べて副生成物の生成が抑えられることが観測され
た。
は、塩酸による分液操作によって簡便に目的とする光学
活性グリシジルトシレートを有機層へと分離できる。す
なわち、反応溶液を塩酸で中和し、分液処理した後、溶
媒留去により得られるものを再結晶するという通常の操
作により、容易に高純度の光学活性グリシジルトシレ−
ト(化学純度98%以上、光学純度98%以上)を得ること
ができる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
エタン(1500ml)のけんだく液を24〜28℃で攪拌しなが
ら、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオ−ル(1
20.03g、1.085mol、99.74%e.e.)30分かけて滴下した。
滴下終了後21時間 攪拌した後、反応液を冷却し、5〜1
0℃で攪拌しながらトリエチルアミン(120.73g、1.193mo
l)を15分かけて滴下し、次いで4−ジメチルアミノピリ
ジン(1.99g、0.016mol)、p−トルエンスルホニルクロ
リド(206.97g、1.086mol)を30分かけて添加した。添加
終了後2時間攪拌を行い、3%塩酸(900ml)を加え塩を溶解
させた。有機層を3%塩酸(600ml)、次いで水(900ml)で洗
浄し、過剰の溶媒を減圧下留去した。留去後の残留物(2
11.73g)をイソプロピルアルコ−ル(424ml)とヘキサン(4
24ml)で再結晶し、(S)−グリシジルトシレ−ト170.3
2gを得た。HPLCによる化学純度は96.53%であり、光学純
度は96.67%eeであった。さらにこのものをイソプロピル
アルコ−ル(340ml)とヘキサン(340ml)で再結晶すること
により、化学純度99.85%、光学純度98.01%eeの(S)−
グリシジルトシレ−ト147.38gを得た。(単離収率59.51
%)
タン(120ml)のけんだく液を24〜28℃で攪拌しながら、
(S)−3−クロロ−1,2−プロパンジオ−ルを(13.
10g、0.118mol、99.74%e.e.)10分かけて滴下した。滴下
終了後22時間攪拌した後、1,2−ジクロロエタン(55m
l)を加え、反応液を冷却し5〜10℃で攪拌しながらトリ
エチルアミン(14.36g、0.142mol)滴下し、次いで4−ジ
メチルアミノピリジン(0.24g、0.002mol)、p−トルエ
ンスルホニルクロリド(22.59g、0.118mol)を10分かけて
添加した。添加終了後3時間攪拌を行い、6%塩酸(125ml)
を加え塩を溶解させた。有機層を3%塩酸(30ml)、次いで
水(100ml×2)で洗浄し、過剰の溶媒を減圧下留去した。
さらに、留去後の残留物(30.02g)にイソプロピルアルコ
−ル(30ml)を加え、よく混合させた後、イソプロピルア
ルコ−ルを減圧下留去した。油状残留物(24.50g)をイソ
プロピルアルコ−ル(50ml)とヘキサン(50ml)で再結晶
し、(R)−グリシジルトシレ−ト20.69gを得た。HPLC
による化学純度は99.31%であり、光学純度は96.91%e.e.
であった。さらにこのものをイソプロピルアルコ−ル(4
0ml)とヘキサン(40ml)で再結晶することにより、化学純
度99.87%、光学純度98.23%eeの(R)−グリシジルトシ
レ−ト19.11gを得た。(単離収率70.94%)
p-トルエンスルホニルクロリドの添加終了後24時間攪拌
すること以外はすべて実施例1と同様の方法で反応を行
ったところ、(S)−グリシジルトシレ−ト(化学純度
98.4%、光学純度98.0%ee)の単離収率は、43.3%であっ
た。
以上)を有する光学活性グリシジルトシレートを中間体
光学活性グリシドールを単離しない簡便な操作、かつ、
好収率で得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 光学活性3−クロロプロパン−1,2−
ジオ−ルを有機溶媒中でアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水
素塩、およびアルカリ土類金属の炭酸塩より選ばれた少
なくとも一種と反応させ、続いてp−トルエンスルホニ
ルクロリド、第3級アミンおよび4−ジメチルアミノピ
リジンと反応させることを特徴とする光学活性グリシジ
ルトシレ−トの製法。
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---|---|---|---|---|
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JP2008120704A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Emcure Pharmaceuticals Ltd | β遮断薬化合物の改善された調製方法 |
CN114479053A (zh) * | 2022-02-22 | 2022-05-13 | 华今(山东)新材料科技有限公司 | 一种超支化聚缩水甘油的制备方法 |
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-
1993
- 1993-12-09 JP JP30883793A patent/JP3250350B2/ja not_active Expired - Fee Related
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