JPH0716567Y2 - 青果物の箱詰装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は青果物の箱詰装置に係り、特に傷み易いみか
ん或は馬鈴薯等の青果物を傷めることなくばら（散）で
箱詰するのに好適な箱詰装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、選果場等で用いられる青果物の箱詰装置は、箱詰
するための青果物を搬送するコンベアの終端部下方に、
フラップ（上蓋）と収容部とからなる段ボール箱のフラ
ップを立てて開口させた段ボール箱を起立状態（底面が
水平な状態）に設置し、コンベアの終端からその下方の
段ボール箱内へ青果物を落下投入する箱詰方式のもの
や、フラップを立てた段ボール箱を比較的大きな一定角
度で傾斜させて設置し、この段ボール箱のフラップ上端
の若干上方から投入し、傾斜させた内壁面（フラップと
その下の収容部との内壁面）に沿って青果物を転がして
箱詰する方式のものが一般に用いられていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記従来の前者の箱詰方式のものは、フラップを立てた
段ボール箱を起立状態に設置してコンベアの終端からそ
の下方の段ボール箱内へ青果物を落下投入するものであ
るので、その落差（投入初期落差）が、フラップの高さ
に収容部の高さを加えたもの以上の大きな落差となり、
落下衝撃が大きく青果物を傷めるという問題があった。

また、前記従来の後者の箱詰方式のものは、段ボール箱
を傾斜させ、この傾斜した内壁面に沿って青果物を転が
して箱詰するものであるので、落下衝撃を軽減させる上
ではやや効果的であるが、段ボール箱のフラップを立て
た状態でフラップ上端の若干上方から投入し、段ボール
箱のフラップとその下の収容部との内壁面に沿ってかな
りの勢いで転がし箱詰するものであるので、この転がる
際の落差距離が大きく、やはり青果物にかなりの衝撃を
与え青果物を傷めるという問題があった。更に、この後
者の箱詰方式のものは、段ボール箱の傾斜角度が一定角
度のまま箱詰すべき所定量の青果物を投入するものであ
るので、投入された青果物が段ボール箱内で一方側に偏
り、投入完了後この段ボール箱を起立状態にしても青果
物が箱内で均等状態とはならず、箱詰後に均等状態に修
正する修正作業を必要とするという問題があった。

本考案は、上記問題に鑑みなされたものであり、フラッ
プ付きの段ボール箱に青果物を供給して箱詰する際に、
落差を小さくし得ると共に供給初期に青果物が勢いよく
転動することを防止し得て青果物を傷めることはなく箱
詰めすることができ、且つ青果物を箱内に均等に箱詰し
得て箱詰後均等状態に修正する修正作業を必要としない
青果物の箱詰装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、以下の技術的手
段を講じたものである。

即ち、本考案は、フラップと収容部とを有し傾動台に載
せられたフラップ付きの段ボール箱に青果物を供給する
搬送手段と、前記段ボール箱の収容部の一側内壁面を水
平に近い傾斜状態で且つ前記供給される青果物が転動可
能な傾斜状態とする傾斜位置から起立状態とする起立位
置まで前記傾動台を徐々に傾動し、且つ前記傾斜位置に
おいては前記一側内壁面の上端としてのフラップ下端を
前記搬送手段の終端部に近接させている傾動機構とを具
備することを特徴とする青果物の箱詰装置の構成とした
ものである。

尚、本考案では、前記傾動台と傾動機構は秤量機上に設
けられ、該傾動機構は、前記段ボール箱に供給される青
果物の重量を秤量する該秤量機から秤量重量に応じて出
力される信号により該傾動台を傾動するように構成する
ことがよく、又、前記傾動台は、前記秤量機上に設けら
れた昇降装置の一部として構成され、該傾動台と前記傾
動機構は該昇降装置の昇降部材に設けられるようにする
ことがよい。

〔作用〕

本考案の青果物の箱詰装置によれば、フラップと収容部
とを有するフラップ付きの段ボール箱が載せられた傾動
台を傾動機構により作動させて、該段ボール箱の収容部
の一側内壁面を水平に近い傾斜状態で且つ青果物が該内
壁面上で転動可能な傾斜状態とする傾斜位置に傾斜台を
傾動すると、搬送手段から青果物が供給されるが、この
傾斜装置においては前記一側内壁面の上端（フラップ下
端）が搬送手段の終端部に近接しており、段ボール箱の
収容部の高さ（長さ）分のみが青果物の転動落差となっ
て小さな落差で供給されると共に、この供給初期におい
ては前記内壁面の傾斜状態が水平に近いことから青果物
が勢いよく転がることなく転動供給されることにより、
青果物が傷められることなく供給され、この後、傾動台
が徐々に傾動して段ボール箱に青果物が所定量供給され
該箱が起立状態となることにより、青果物が箱内で一方
側に偏ることなく均等に供給される。

〔実施例〕

以下、本考案の好ましい一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図は箱詰装置の正面図、第２図は第１図の左側面
図、第３図は同平面図、第４図はフラップ案内装置の作
用を示す説明図である。

図において、１は秤量機であり、該秤量機１は、フラッ
プ31と収容部32とからなる段ボール箱３に供給される青
果物10の重量を秤量し、秤量重量に応じて信号を出力す
るものであって、該秤量重量が所定の設定箱詰重量にな
ったときおよび、箱詰されて秤量重量が設定箱詰重量に
対して所定残量になったとき信号を出力するようになっ
ている。この信号は、設定箱詰重量を100％とした場
合、例えば50％の残量,10％の残量等で出力すると共に
設定箱詰重量で出力するもので、この秤量機１はこれら
の残量を任意に設定することのできる設定機能を有して
いる。

２はフラップ31付きの箱詰段ボール箱３を昇降させるた
めの昇降装置であり、該昇降装置２は、支柱21と傾動台
22と昇降部材としての昇降ベース23とシリンダ24とが組
み合わされて構成されている。支柱21は、前記秤量機１
上に設けられた固定ベース211とボルトまたは溶接構造
等により一体型に構成されて秤量機１に立設されてい
る。傾動台22は段ボール箱３を起立状態で載せるための
載台221と箱押さえ装置222とを有している。箱押さえ装
置222は、載台221上に段ボール箱３を載置したとき、段
ボール箱３が移動しないようにバネ等により押さえるよ
うになっている。223は傾動台22の上端部に設けられた
支軸であり、この支軸223を支点として該傾動台22が傾
動するようになっている。

昇降ベース23は、前記傾動台22の支軸223を軸受231を介
して支持し、この昇降ベース23の両側部には、該昇降ベ
ース23の昇降動作を案内する昇降ガイドローラ232が回
動自在に軸支されている。そして、この昇降ガイドロー
ラ232は、前記支柱21の縦方向に設けられた走行レール2
12に沿って上下方向に走行回転するようになっている。

シリンダ24は前記支柱21に縦方向に取り付けられ、その
ピストンロッドの先端は、前記昇降ベース23の上部を側
方へ突出させたレバー233とコネクタ241を介して連結さ
れている。

尚、ここで使用する段ボール箱３は、フラップ31を立て
た状態で載台221上に載置されるものである。

４は段ボール箱３の上昇中に、一側フラップ31の内壁面
に接触して該フラップ31を外側に折り曲げるフラップ案
内装置であり、前記支柱21の上部に取り付けられ、後述
する搬送手段６の下方に設けられている。

このフラップ案内装置４は、図例では、上昇中の段ボー
ル箱３のフラップ31の内壁面に接触して外側に折り曲げ
る如く滑らかな曲面を有する案内板で構成されている。

５は前記載台221を有する傾動台22を傾動する傾動機構
であり、該傾動機構５は、シリンダ51と作動アーム52と
コネクタ53とからなり、前記昇降装置２の昇降ベース23
の一部にシリンダ51が取り付けられ、このシリンダ51の
ピストンロンドの先端には、前記傾動台22の支軸233に
固定して取り付けられた作動アーム52とコネクタ53とが
運結されている。そして、この傾動機構５は、シリンダ
51のピストンロッドが縮小することにより傾動台22を作
動させ、傾動台22の載台221に起立状態で載せられてい
る段ボール箱３を傾けて、段ボール箱３の収容部32の一
側内壁面を水平に近い傾斜状態で且つ青果物10が転動可
能な傾斜状態とする傾斜位置まで傾動台22を傾動するよ
うになっており、一方、シリンダ51のピストンロッドが
徐々に伸長することにより、前記傾斜位置から前記一側
内壁面を起立状態とする起立位置まで傾動台22を徐々に
傾動するようになっている。

また、このシリンダ51のピストンロッドの伸長作動は所
定ストロークごと停止して徐々に伸長する如く作動回路
（図示せず）が構成されており、秤量機１からの信号に
より傾動台22が段階的に所定の角度ずつ徐々に傾動する
ようになっている。

６は青果物10を搬送して段ボール箱３に供給する搬送手
段であり、例えばベルトコンベアが用いられ、その終端
部61は、傾動台22が前記傾斜位置に傾斜したときに、段
ボール箱３の収容部32の一側内壁面の上端（フラップの
下端）に近接するように配置されている。また、この搬
送手段６は前記秤量機１からの信号により、供給を停止
するかまたは低速で供給する如く供給動作が制御される
ようになっている。

この搬送手段６は、図例ではベルトコンベアを用いた
が、これに限定するものではなく、バイブレートフィダ
ーやその他のコンベア、或いはコンベアとシュートとを
組み合わせたもの等を用いることもできる。

以上のように構成された青果物の箱詰装置によれば、傾
動台22の載台221上に載置されたフラップ31付きの段ボ
ール箱３は、図示しない作動指令により昇降機構２のシ
リンダ24が作動して上昇する。そして、この段ボール箱
３の上昇中に、第４図に示す如くフラップ案内装置４
が、段ボール箱３の一側フラップ31の内壁面に接触して
フラップ31を外側に折り曲げるように作用する。そし
て、このフラップ31が外側に折り曲げられると、傾動機
構５のシリンダ51が作動して傾動台22を作動させ、前記
フラップ31が折り曲げられた段ボール箱３の収容部32の
一側内壁面を水平に近い傾斜状態で且つ青果物10が該内
壁面上で転動可能な傾斜状態とする傾斜位置に傾斜台22
を傾動して段ボール箱３を該傾斜状態で待機させる。こ
のとき、搬送手段６が作動して該傾斜状態の段ボール箱
３内に青果物10が供給されるが、該傾斜状態とする傾斜
位置においては収容部32の一側内壁面の上端（フラップ
31下端）が搬送手段６の終端部61に近接していることか
ら、段ボール箱３の収容部32の高さ（長さ）分のみが青
果物10の転動落差となって小さな落差で供給されると共
に、この供給初期においては一側内壁面の傾斜状態が水
平に近いことから、青果物10が勢いよく転がることなく
転動供給されるので、青果物を傷めることながない。そ
して、箱詰された量に応じて傾動機構５のシリンダ51が
作動し傾動台22を徐々に傾動して、段ボール箱３を段階
的に徐々に元の起立状態に戻すべく傾けつつ所定量箱詰
するので、青果物10が段ボール箱３内で一方側に偏るこ
となく均等に供給できる。

このシリンダ51の作動は、秤量機１から秤量重量に応じ
て出力される信号により行なわれる。更に、秤量機１
は、秤量重量が設定した箱詰重量に対し所定の残量にな
ったとき信号を出力して搬送手段６の連続供給をスロー
ダウンさせて設定箱詰重量になるまでの微量を供給し、
設定箱詰重量になると秤量機１から出力される信号によ
り供給を停止する。

一方、設定箱詰重量に達したとき、段ボール箱３を載せ
た傾動台22は、昇降装置２のシリンダ24により降下され
て定位置に停止する如く動作し一連の箱詰動作が終了す
る。

第５図〜第７図は、本考案の箱詰装置と段ボール箱３を
搬送する搬送装置７とを組み合わせた実施例で、該搬送
装置７はローラコンベアやチェンコンベア等を用いて構
成されている。71は搬送装置のストップ装置であり、シ
リンダ等を組み合わせて搬送装置７の搬送面上に出没自
在に構成されており、この搬送装置７は、箱詰装置へ段
ボール箱３を自動的に供給すると共に、箱詰された段ボ
ール箱３を自動的に所定方向へ搬出する如く構成されて
いる。

このように構成すれば、段ボール箱３の供給および搬出
を含めた自動箱詰装置を実現することができる。

〔考案の効果〕

本考案は、上記の如く、フラップと収容部とを有し傾動
台に載せられたフラップ付きの段ボール箱に青果物を供
給する搬送手段と、前記段ボール箱の収容部の一側内壁
面を水平に近い傾斜状態で且つ前記供給される青果物が
転動可能な傾斜状態とする傾斜位置から起立状態とする
起立位置まで前記傾動台を徐々に傾動し、且つ前記傾斜
位置においては前記一側内壁面の上端としてのフラップ
下端を前記搬送手段の終端部に近接させている傾動機構
とを具備するものであるから、前記傾斜位置では前記収
容部の一側内壁面の上端（フラップ下端）が搬送手段の
終端部に近接した状態で青果物が供給されるので、段ボ
ール箱の収容部の高さ（長さ）分のみが青果物の転動落
差となって小さな落差で箱詰し得ると共に、この供給初
期においては前記内壁面が水平に近い傾斜状態で供給さ
れるので、青果物を勢いよく転がすことなく転動供給し
得て、青果物を傷めることなく箱詰することができ、し
かも傾動台に載せられた段ボール箱が前記傾斜状態から
起立状態に徐々に傾動して青果物が所定量供給されるの
で、青果物を箱内に均等に箱詰し得て箱詰後均等状態に
修正する修正作業を必要としない効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の好ましい一実施例を示すもの
で、第１図は正面図、第２図は第１図の左側面図、第３
図は同平面図、第４図はフラップ案内装置の作用を示す
説明図。第５図は箱詰装置と搬送装置とを組み合わせた
実施例を示す正面図、第６図は同平面図、第７図は同左
側面図である。 １……秤量機 ２……昇降装置 21……支柱 211……固定ベース、212……走行レール 22……傾動台 221……載台、222……箱押さえ装置 223……支軸 23……昇降部材としての昇降ベース 231……軸受、232……昇降ガイドローラ 233……レバー 24……シリンダ 241……コネクタ ３……段ボール箱 31……フラップ、32……収容部 ４……フラップ案内装置 ５……傾動機構 51……シリンダ、52……作動アーム 53……コネクタ ６……搬送手段 61……終端部 ７……搬送装置 71……ストップ装置 10青果物

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フラップと収容部とを有し傾動台に載せら
   れたフラップ付きの段ボール箱に青果物を供給する搬送
   手段と、前記段ボール箱の収容部の一側内壁面を水平に
   近い傾斜状態で且つ前記供給される青果物が転動可能な
   傾斜状態とする傾斜位置から起立状態とする起立位置ま
   で前記傾動台を徐々に傾動し、且つ前記傾斜位置におい
   ては前記一側内壁面の上端としてのフラップ下端を前記
   搬送手段の終端部に近接させている傾動機構とを具備す
   ることを特徴とする青果物の箱詰装置。
2. 【請求項２】前記傾動台と傾動機構は秤量機上に設けら
   れ、該傾動機構は、前記段ボール箱に供給される青果物
   の重量を秤量する該秤量機から秤量重量に応じて出力さ
   れる信号により該傾動台を傾動することを特徴とする請
   求項１に記載の青果物の箱詰装置。
3. 【請求項３】前記傾動台は、前記秤量機上に設けられた
   昇降装置の一部として構成され、該傾動台と前記傾動機
   構は該昇降装置の昇降部材に設けられていることを特徴
   とする請求項２に記載の青果物の箱詰装置。