JPH07164362A - ロボット装置及びその原点出し方法 - Google Patents

ロボット装置及びその原点出し方法

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JPH07164362A
JPH07164362A JP30913793A JP30913793A JPH07164362A JP H07164362 A JPH07164362 A JP H07164362A JP 30913793 A JP30913793 A JP 30913793A JP 30913793 A JP30913793 A JP 30913793A JP H07164362 A JPH07164362 A JP H07164362A
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JP
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arm
rotation angle
light
respect
rotation
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JP30913793A
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Yasuhiro Sawada
康宏 沢田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アームを大きく動かすことなくその絶対位置を
正確に検出することができるロボット装置を提供する。 【構成】基台3と、基台3に回動自在に支持された第1
の腕4と、第1の腕4を基台3に対して回動させるため
の第1の駆動モータと、この第1の駆動モータに備えら
れ、第1の腕4が基台3に対して所定角度回動する毎に
第1のパルス信号を発生する第1のエンコーダと、第1
の腕4の基台3に対する第1の基準位置からの回動角に
略比例して変化する電圧を発生する第1の回動角検出機
構85Aと、第1の回動角検出機構85Aによって検出
される第1の腕4の概略回動角度と、第1のエンコーダ
の発生する第1のパルス信号とに基づいて、第1のパル
ス信号が発生されたときの第1の腕4の第1の基準位置
からの正確な回動角度を判定する第1の判定装置とを具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多関節型のロボット装
置及びその原点出し方法に関し、特に、クリーン環境内
でウエハ、レチクル等の移送を行なうための直進移送型
のクリーンロボット及びその原点だし方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーン環境内で使用されるクリ
ーンロボットの原点出し方法は、公知である一般の産業
用ロボット等の原点出しと同様に、原点センサとインク
リメンタル型エンコーダとを併用し、これらの出力に基
づいて行われていた。具体的には、原点センサがONに
なって初めてエンコーダのZ層パルスが出力された位置
をロボットアームの原点として規定していた。
【0003】ところで、クリーンロボットも含めた通常
の産業用ロボットおいては、例えばワークを搬送中にロ
ボットに異常が発生し非常停止がかかったり、組立装置
本体の異常または停電等によるロボットへの電力供給の
停止による非常停止が発生したりした場合、電源を再投
入し、原点出しからやり直さなければならない場合があ
る。この様な場合、上記の様な原点出し方法を用いよう
とすると、ロボットアームが原点センサの位置まで一旦
移動する必要があるため、ワークの搬送中に非常停止が
かかった場合などには、むやみに原点出しを行うとロボ
ットアームが大きく移動し、周囲の装置にワークを衝突
させて破壊してしまう虞がある。特に、半導体の製造工
程に使用されるクリーンロボットでは、搬送するワーク
がウエハやレチクルといった高価な部材であるため、こ
れらを破壊してしまうことは大きな損失となる。
【0004】この様な場合、一般の組み立て用の産業ロ
ボットでは、人間が直接ロボットを動かしてロボットア
ームを危険な位置から退避させた後に原点出しを行うこ
とも可能であるが、ロボットがクリーン環境内、しかも
ステッパーの様な狭い領域に配置されている場合には、
人間がロボットアームを直接動かす様なスペースはな
い。
【0005】そこで、ロボットアームの概略の現在位置
(ある基準からの絶対位置)が確認できれば、外部から
マニユアル操作でロボットアームを安全な位置に移動さ
せることも可能であるし、更にインクリメンタルエンコ
ーダを併用して、上記の現在位置データとインクリメン
タルエンコーダのZ層のパルスとからアームの正確な位
置を検出すれば、モータの1回転以内の動きで原点出し
を行うこともできる。このようにアームの現在位置が確
認できれば、従来の様に、高価なレチクルやウエハ等を
把持したまま長い距離を動かして、原点出し作業を行う
必要がなくなるわけである。
【0006】上記の様にロボットアームの現在位置を確
認できる様にした産業用ロボットとしては、特開昭64
−31209号に開示されている様にアブソリュートエ
ンコーダを使用したものや、特開平3−260709号
の様にポテンショメータとインクリメンタルエンコーダ
を使用したものが知られている。
【0007】また、停電等が起こった場合の問題点を解
決する別のアプローチとしては、特開平4−12320
5号に開示されている様に、停電等が起こった場合でも
カウンタ及びエンコーダの電源バックアップを行う方法
等も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例の内、アブソリュートエンコーダを使用するもの
においては、アブソリュートエンコーダが高価であると
いう問題点があり、ポテンショメータとインクリメンタ
ルエンコーダを使用するものにおいては、ポテンショメ
ータが接触式であるため寿命が短いという問題点があ
る。また、ポテンショメータを使用する場合には、この
ポテンショメータがボールネジを使用した伝達系等の様
に剛性があってバックラッシュの少ない伝達系に使用さ
れる場合は、アームの略正確な位置が検出できるが、タ
イミングベルトを利用した伝達系の様に比較的剛性が低
く、バックラッシュが大きい伝達系に使用される場合に
は、アーム位置の検出誤差が大きくなるという問題点も
ある。
【0009】また、電源バックアップを行うものにおい
ては、大型の電池が必要になり、これにかかるコスト
と、これを配置するためのスペースが大きくなるという
問題点がある。
【0010】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その第1の目的は、アームを大きく
動かすことなくその絶対位置を正確に検出することがで
きるロボット装置及びその原点出し方法を提供すること
にある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、スペースを
とらず、安価で、且つアームの絶対位置を検出すること
のできるロボット装置及びその原点出し方法を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明のロボット装置は、基台
と、該基台に回動自在に支持された第1の腕と、該第1
の腕を前記基台に対して回動させるための第1の駆動手
段と、該第1の駆動手段に備えられ、前記第1の腕が前
記基台に対して所定角度回動する毎に第1のパルス信号
を発生する第1のエンコーダと、前記第1の腕の前記基
台に対する第1の基準位置からの回動角に略比例して変
化する電圧を発生する第1の回動角検出手段と、該第1
の回動角検出手段によって検出される前記第1の腕の概
略回動角度と、前記第1のエンコーダの発生する前記第
1のパルス信号とに基づいて、該第1のパルス信号が発
生されたときの前記第1の腕の前記第1の基準位置から
の正確な回動角度を判定する第1の判定手段とを具備す
ることを特徴としている。
【0013】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の判定手段は、前記第1の回動角検出手
段の出力値と、前記第1のパルス信号が発生されたとき
の前記第1の腕の前記第1の基準位置からの正確な回動
角度との関係を予め記憶しておくための第1のメモリを
有することを特徴としている。
【0014】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の駆動手段は、駆動源としての第1のモ
ータを備え、前記第1のエンコーダは、前記第1のモー
タの回転軸に連結されたロータリエンコーダであること
を特徴としている。
【0015】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1のパルス信号は、前記第1のエンコーダ
の1回転につき1回発せられるZ層パルスであることを
特徴としている。
【0016】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の回動角検出手段は、前記基台と前記第
1の腕の内の一方に設けられ、対象物との距離を検出す
るための第1の距離センサーと、前記基台と前記第1の
腕の内の他方に前記第1の距離センサーと対向して設け
られ、前記第1の腕の前記基台に対する回動に伴って前
記第1の距離センサーとの距離が連続的に変化する第1
の斜面とを備えることを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の回動角検出手段は、前記基台と前記第
1の腕の内の一方に設けられ、第1の発光部と第1の受
光部とを有する第1の位置センサーと、前記基台と前記
第1の腕の内の他方に前記第1の発光部と前記第1の受
光部の間に位置する様に設けられ、前記第1の腕の前記
基台に対する回動に伴って、前記第1の発光部から前記
第1の受光部に入る光を遮る位置が連続的に変化する第
1の遮光板とを備えることを特徴としている。
【0018】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の位置センサーは、前記第1の発光部か
ら前記第1の受光部に入射する光像の位置変化により出
力値が変化する様になされており、前記第1の腕の回動
に伴って回転する前記第1の遮光板に形成された螺旋状
のスリットを通過する前記第1の発光部からの光の光像
の位置が前記第1の受光部上で移動することにより前記
第1の腕の回動角を検出することを特徴としている。
【0019】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の位置センサーは、前記第1の発光部か
ら前記第1の受光部に入射する光量の変化により出力値
が変化する様になされており、前記第1の腕の回動に伴
って回転する前記第1の遮光板の螺旋状の外形部により
遮られる前記第1の発光部からの光の光量変化により前
記第1の腕の回動角を検出することを特徴としている。
【0020】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の腕に回動自在に支持され、該第1の腕
と同じ長さの第2の腕と、該第2の腕を前記第1の腕に
対して回動させるための第2の駆動手段と、該第2の駆
動手段に備えられ、前記第2の腕が前記第1の腕に対し
て所定角度回動する毎に第2のパルス信号を発生する第
2のエンコーダと、前記第2の腕の前記第1の腕に対す
る第2の基準位置からの回動角に略比例して変化する電
圧を発生する第2の回動角検出手段と、該第2の回動角
検出手段によって検出される前記第2の腕の概略回動角
度と、前記第2のエンコーダの発生する前記第2のパル
ス信号とに基づいて、該第2のパルス信号が発生された
ときの前記第2の腕の前記第2の基準位置からの正確な
回動角度を判定する第2の判定手段とを更に具備するこ
とを特徴としている。
【0021】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の判定手段は、前記第2の回動角検出手
段の出力値と、前記第2のパルス信号が発生されたとき
の前記第2の腕の前記第2の基準位置からの正確な回動
角度との関係を予め記憶しておくための第2のメモリを
有することを特徴としている。
【0022】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の駆動手段は、駆動源としての第2のモ
ータを備え、前記第2のエンコーダは、前記第2のモー
タの回転軸に連結されたロータリエンコーダであること
を特徴としている。
【0023】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2のパルス信号は、前記第2のエンコーダ
の1回転につき1回発せられるZ層パルスであることを
特徴としている。
【0024】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の回動角検出手段は、前記第1の腕と前
記第2の腕の内の一方に設けられ、対象物との距離を検
出するための第2の距離センサーと、前記第1の腕と前
記第2の腕の内の他方に前記第2の距離センサーと対向
して設けられ、前記第2の腕の前記第1の腕に対する回
動に伴って前記第2の距離センサーとの距離が連続的に
変化する第2の斜面とを備えることを特徴としている。
【0025】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の回動角検出手段は、前記第1の腕と前
記第2の腕の内の一方に設けられ、第2の発光部と第2
の受光部とを有する第2の位置センサーと、前記第1の
腕と前記第2の腕の内の他方に前記第2の発光部と前記
第2の受光部の間に位置する様に設けられ、前記第2の
腕の前記第1の腕に対する回動に伴って、前記第2の発
光部から前記第2の受光部に入る光を遮る位置が連続的
に変化する第2の遮光板とを備えることを特徴としてい
る。
【0026】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の位置センサーは、前記第2の発光部か
ら前記第2の受光部に入射する光像の位置変化により出
力値が変化する様になされており、前記第2の腕の回動
に伴って回転する前記第2の遮光板に形成された螺旋状
のスリットを通過する前記第2の発光部からの光の光像
の位置が前記第2の受光部上で移動することにより前記
第2の腕の回動角を検出することを特徴としている。
【0027】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の位置センサーは、前記第2の発光部か
ら前記第2の受光部に入射する光量の変化により出力値
が変化する様になされており、前記第2の腕の回動に伴
って回転する前記第2の遮光板の螺旋状の外形部により
遮られる前記第2の発光部からの光の光量変化により前
記第2の腕の回動角を検出することを特徴としている。
【0028】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第2の腕に回動自在に支持された第3の腕を
更に具備し、前記第2の駆動手段は、前記第2の腕を前
記第1の腕に対して回動させると共に、前記第3の腕を
前記第2の腕に対して、前記第2の腕の回動方向とは反
対方向に前記第2の腕の1/2の角速度で回動させるこ
とを特徴としている。
【0029】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第1の腕を前記基台に対して第1の角速度で
回動させると共に、前記第2の腕を前記第1の腕に対し
て、該第1の腕の回動方向とは反対の方向に前記第1の
角速度の2倍の角速度で回動させる様に、前記第1の駆
動手段と前記第2の駆動手段を制御することにより、前
記第3の腕を直進運動させる制御手段を更に具備するこ
とを特徴としている。
【0030】また、この発明に係わるロボット装置にお
いて、前記第3の腕が所定の直線状の軌跡からはずれて
いる場合には、前記制御手段による制御を行わずに異常
信号を出力すると共に、前記第1及び第2の回動角検出
手段から出力される前記第1及び第2の腕の、前記第1
及び第2の基準位置からの回動角度データを表示するこ
とを特徴としている。
【0031】また、本発明のロボット装置の原点出し方
法は、基台と、該基台に回動自在に支持された第1の腕
と、該第1の腕に回動自在に支持され、該第1の腕と同
じ長さの第2の腕と、該第2の腕に回動自在に支持され
た第3の腕と、前記第1の腕を前記基台に対して回動さ
せるための第1の駆動手段と、前記第2の腕を前記第1
の腕に対して回動させると共に、前記第3の腕を前記第
2の腕に対して、前記第2の腕の回動方向とは反対方向
に前記第2の腕の1/2の角速度で回動させる第2の駆
動手段と、前記第1の駆動手段に備えられ、前記第1の
腕が前記基台に対して所定角度回動する毎に第1のパル
ス信号を発生する第1のエンコーダと、前記第1の腕の
前記基台に対する第1の基準位置からの回動角に略比例
して変化する電圧を発生する第1の回動角検出手段と、
該第1の回動角検出手段によって検出される前記第1の
腕の概略回動角度と前記第1のエンコーダの発生する前
記第1のパルス信号とに基づいて、前記第1の腕の前記
第1の基準位置からの正確な回動角度を判定する第1の
判定手段と、前記第2の駆動手段に備えられ、前記第2
の腕が前記第1の腕に対して所定角度回動するごとに第
2のパルス信号を発生する第2のエンコーダと、前記第
2の腕の前記第1の腕に対する第2の基準位置からの回
動角に略比例して変化する電圧を発生する第2の回動角
検出手段と、該第2の回動角検出手段によって検出され
る前記第2の腕の概略回動角度と前記第2のエンコーダ
の発生する前記第2のパルス信号とに基づいて、前記第
2の腕の前記第2の基準位置からの正確な回動角度を判
定する第2の判定手段と、を備えるロボット装置の原点
出し方法であって、前記第1の駆動手段を動作させて前
記第1の腕を前記基台に対して第1の角速度で回動させ
ると共に、前記第2の駆動手段を動作させて前記第2の
腕を前記第1の腕に対して、該第1の腕の回動方向とは
反対の方向に前記第1の角速度の2倍の角速度で回動さ
せることにより、前記第3の腕を直進運動させる第1の
工程と、該第1の工程を実行中に、前記第2の判定手段
により、前記第2の腕の前記第2の基準位置からの正確
な回動角度を判定する第2の工程と、前記第1の工程と
前記第2の工程が終了した後に、前記第1の駆動手段の
みを動作させて前記第1の腕を前記基台に対して第2の
角速度で回動させる第3の工程と、該第3の工程を実行
中に、前記第1の判定手段により、前記第1の腕の前記
第1の基準位置からの正確な回動角度を判定する第4の
工程とを具備することを特徴としている。
【0032】また、この発明に係わるロボット装置の原
点出し方法において、前記第1及び第2の角速度は微小
な角速度であることを特徴としている。
【0033】
【作用】以上の様に、この発明に係わるロボット装置は
構成されているので、回動角検出手段によって腕の概略
角度を求め、この概略角度に基づいてエンコーダがパル
ス信号を発する点で、腕の角度を更に正確に規定するこ
とにより、1つのパルス信号が発せられる位置から次の
パルス信号が発せられる位置までの微小角度だけ腕を回
動させる操作を行うだけで、腕の正確な位置を検出する
ことができる。
【0034】また、角度検出手段を、距離センサとそれ
に対向する斜面、あるいは、発光素子と受光素子からな
る位置センサーと遮光板から構成しているので、構造が
単純になり場所を取らず、コストも安く済む。
【0035】また、この発明に係わるロボット装置の原
点出し方法は、第1の腕と第2の腕と第3の腕とを備
え、この第3の腕を直進運動させるロボット装置におい
て、第3の腕を直進運動させながら、第2の腕の原点出
しを行い、その後に、第1の腕のみを回動させて第1の
腕の原点出しを行っているので、第3の腕の先端部の最
小限の動きで各腕の原点出しを行うことができ、第3の
腕に把持されたワークを周囲の装置にぶつけて破損させ
たりすることが防止できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。
【0037】まず、一実施例のクリーンロボットの側断
面図である図1、及び図1を左側から見た部分断面図で
ある図2に基づいて、クリーンロボットの構成について
説明する。
【0038】図1,図2において、ロボット基台3は、
その下部に基台用フランジ1を備えており、また、上部
には、任意の数の取付レバー2を備えている。ロボット
基台3は、これらの基台用フランジ1及び、取り付けレ
バー2を介して半導体装置内にボルト等で固定されてい
る。ロボット基台3の内部には、第1腕4をこのロボッ
ト基台3に対して回転駆動するための駆動源となる第1
腕駆動用モータ6が配置されている。第1腕駆動用モー
タ6の上部の出力軸には、このモータ6の回転状態を検
出するための第1のロータリエンコーダ7が接続されて
おり、また第1腕駆動用モータ6の下部の出力軸には、
第1のプーリ8が取り付けられている。第1腕駆動用モ
ータ6に隣接した位置には、このモータ6の回転を減速
するための減速機11が配置されており、この第1の減
速機11の下部に位置する入力軸11aには、第2のプ
ーリ10が取り付けられている。第1のプーリ8と第2
のプーリ10の間には、第1のタイミングベルト9が掛
け渡されており、このタイミングベルト9を介して、モ
ータ6の回転力が第1の減速機11に伝達される。第1
の減速機11の上部に位置する出力軸11bには、第3
のプーリ12が取り付けられている。
【0039】一方、第1腕4の下部には、固定フランジ
15を介して、第4のプーリ14がボルト等で固定され
ており、この第4のプーリ14と第3のプーリ12の間
には、第2のタイミングベルト13が掛け渡されてい
る。従って、第1腕駆動用モータ6の回転力は、第1の
プーリ8,第1のタイミングベルト9,第2のプーリ1
0を順次介して、第1の減速機11に伝達され、この第
1の減速機11により所定の減速比で減速された後、第
3のプーリ12,第2のタイミングベルト13,第4の
プーリ14を順次介して第1腕4に伝達される。そし
て、第1腕4が、ロボット基台3に対して水平面内で回
転駆動される。
【0040】また、固定フランジ15は、上端部を閉止
された略円筒形状に形成されており、その天井部の下面
には、第2腕駆動用モータ21と、このモータ21の下
部に直結された第2のロータリエンコーダ22と、モー
タ21の上部に直結された第2の減速機23がボルト等
を介して固定されている。第2の減速機23の出力軸2
3aには第5のプーリ24が固定されている。
【0041】また、第2腕5の下部には、固定フランジ
27を介して、第6のプーリ26がボルト等を介して固
定されており、この第6のプーリ26は、第1腕4の先
端部に形成された開口穴から第1腕4の内部に進入して
いる。第5のプーリ24と第6のプーリ26の間には第
3のタイミングベルト25が掛け渡されており、この第
3のタイミングベルト25により、第5のプーリ24の
回転力が、第6のプーリ26に伝達される。従って、第
2腕駆動用モータ21の回転力は、第2の減速機23に
より所定の減速比で減速された後、第5のプーリ24,
第3のタイミングベルト25,第6のプーリ26を順次
介して第2腕5に伝達され、第2腕5が、第1腕4に対
して水平面内で回転駆動される。なお、第5のプーリ2
4と第6のプーリ26の間の位置には、第3のタイミン
グベルト25の張力を調整するために、第1のアイドル
プーリ28が配置されている。
【0042】固定フランジ27と、第6のプーリ26の
中央部には、これらを上下方向に貫通した状態で、回転
軸32が配設されており、この回転軸32は、固定フラ
ンジ27及び第6のプーリ26に対して(すなわち第2
腕5に対して)、ベアリング41により回転自在に支持
されている。この回転軸32の下端部は、レバー31に
より、第1腕4の内部に固定されている。また、回転軸
32の上端部には、第7のプーリ33が固定されてい
る。
【0043】次に、第3腕38の下部には、固定フラン
ジ37を介して第8のプーリ35がボルト等により固定
されており、この第8のプーリ35は、第2腕5の先端
部に形成された開口穴から第2腕5の内部に進入してい
る。第7のプーリ33と第8のプーリ35の間には第4
のタイミングベルト34が掛け渡されており、この第4
のタイミングベルト34により、第7のプーリ33の回
転力が、第8のプーリ35に伝達される。なお、第7の
プーリ33と第8のプーリ35の間の位置には、第4の
タイミングベルト34の張力を調整するために、第2の
アイドルプーリ36が配置されている。
【0044】第3腕38は、固定フランジ37上に固定
され、第3腕38の上面にはレチクル・ウエハ等を把持
するフィンガー(図示せず)が固定できるようになされ
ている。
【0045】なお、第1腕4は、ロボット基台3に対し
て第1のベアリング40を介して回転自在に支持されて
おり、第2腕5は第1腕4に対して第2のベアリング4
1を介して回転自在に支持されており、更に、第3腕3
8は第2腕5に対して第3のベアリング42を介して回
転自在に支持されている。
【0046】ロボット基台3、第1腕4、及び第2腕5
には、これらの内部に機構部品を組み込むために、開口
穴が形成されているが、ロボット内のダストを外部に出
さないために、これらの開口穴にはカバー板51〜54
が取付けられている。このカバー板51〜54の表面及
びこれらカバー板51〜54と接するロボット基台3、
第1腕4、第2腕5の面は平滑に仕上げられているの
で、これらロボット基台3、第1腕4、及び第2腕5
は、カバー板51〜54により確実に封止されている。
もちろん、カバー板51〜54と本体の間をゴム材、シ
リコン材等でシールしても構わない。さらに、回転部分
には、磁性流体シール45〜47を配置することによ
り、発塵を防いでいる。また、ロボットの機構部材の組
立調整が終了してから、回転部分に磁性流体を充填する
ために、第2腕5には、図3に示す様に、タップ穴57
が形成されており、更に固定フランジ27にも貫通穴5
6が形成されている。第2腕5に形成されている穴57
がタップ穴であるは、この穴から発塵しない様に、磁性
流体を充填したあと、セットボルト58で栓をするため
である。図示はしないが、第1腕4及び第3腕38にも
同様の機構が設けられている。
【0047】また、発塵を防止するためにロボットを密
閉すると、モータ等の発熱のため内部温度が上昇し、空
気が膨張することによって内圧が上がり、磁性流体シー
ルが破壊する可能性がある。そのため、ロボット内部と
外部で気圧が同一となるように、ロボット基台3にはフ
ィルタ55が取り付けられている。フィルタ55を介し
てロボットの内部と外部とで空気のやりとりをするの
で、ゴミが外に出ることはない。
【0048】次に図4は、図1を上方から見た図であ
り、図示した様な位置関係で、ロボット基台3、第1腕
4、第2腕5、第3腕38が配置されている。
【0049】次に、上記の様に構成されたロボットの動
作の原理を図5乃至図6に基づいて説明する。ウエハや
レチクル等を搬送するロボットの動作パターンは、通常
図5に示した直線移動と図6に示した回転移動の2パタ
ーンである。
【0050】まず、図5(a)に示した初期位置から、
図5(b),図5(c)に示した様に、基準の直線iに
直交する直線hに沿ってハンド80が移動する場合につ
いて説明する。ここで、前提条件として、図5(c)に
示した様に第1腕4のアーム長と第2腕5のアーム長は
等しく共に長さLであるものとする。また、第1腕4,
第2腕5,第3腕38の夫々の回転角は、それぞれθ
1,θ2,θ3で表すものとする。このとき、θ1,θ
2,θ3が、 θ2=180o −2θ1 θ3=θ2/2 ただし、例えば、 θ1=−60°〜60o θ2=300°〜60o θ3=150°〜30o で表される関係を保持した状態で、第1腕〜第3腕4,
5,38が動作すれば第3腕38の先端部、すなわちハ
ンド80は、図5(a)〜図5(c)に示した様に直線
hに沿って直線移動することとなる。
【0051】これを実現させるために、実施例のロボッ
トでは特性の等しい2つのモータを第1腕駆動用モータ
6及び第2腕駆動用モータ21として使用し、第1腕駆
動部の減速比と第2腕駆動部の減速比の割合を2:1と
している。ちなみに、実施例では第1腕駆動部の減速比
は1/200、第2腕駆動部の減速比は1/100であ
る。このときの各プーリ、減速機の減速比は、図7に示
すように任意に決めることができるが、実施例では第1
腕駆動部の減速比は第1のプーリ8と第2のプーリ10
の間で1/1.6,第1減速機11で1/50,第3の
プーリ12と第4のプーリ14の間で1/2.5とし、
第2腕駆動部の減速比は第2減速機23で1/100,
第5のプーリ24と第6のプーリ26の間で1/1とし
ている。
【0052】すなわち、第1腕駆動用モータ6及び第2
腕駆動用モータ21を全く同一の回転速度で逆方向に回
転させた場合、第1腕4が図5(c)に示した様に原点
Oの回りに反時計回転方向にθ1だけ回転すると、第2
腕5は第1腕4の先端部である点P1の回りに時計回転
方向に2θ1だけ回転することとなる。これにより第3
腕38の回転中心である点P2は直線hに沿って直線運
動することとなる。
【0053】また、第3腕38については、第7のプー
リ33の直径を第8のプーリ35の直径の1/2とする
ことにより、θ3=θ2/2なる関係を満足した状態
で、第3腕を、この直線hに沿って移動させることがで
きる。すなわち、ハンド80を直線hに沿って移動させ
ることができる。
【0054】上記の様にして、ハンド80が直線hに沿
って移動されるわけであるが、第3腕38の回転駆動に
は、プーリを使用しなくてもよい。例えば、第1腕4お
よび第2腕5の駆動と同様に、第3腕38にも回転駆動
装置を設け、第3腕38を第1腕4と全く同じ回転速度
で同じ方向に回転させる様にすれば、上記のプーリを用
いた場合と全く同様の動作をさせることが可能である。
【0055】なお、図6に示した様な回転運動をさせる
場合には、第1腕駆動用モータ6のみを回転させればよ
いことは言うまでもない。
【0056】次に、ロボットの第1腕4及び第2腕5の
絶対回動角度(ある基準からの回動角度)を求めるため
の機構について、図1及び図8乃至図12を参照して説
明する。
【0057】第1腕4及び第2腕5の絶対回転角は、絶
対角度検出機構85A,85Bにより検出される。この
絶対角度検出機構85A,85Bは、距離検出センサ8
1,82と、円筒状に形成され、下端面に被検出面83
c,84cを有するドッグ83,84とによって構成さ
れている。距離検出センサ81,82には、例えば渦電
流式、レーザ式等の距離センサが使用される。距離検出
センサ81,82は、図12に示す様にドッグ83,8
4の被検出面83c,84cとの距離に比例した出力を
出すものであり、例えば距離検出センサ81,82を固
定し、ドッグ83,84の被検出面83c,84cを、
図8(a)に示す様に、1回転360°を滑らかな斜面
状に形成することにより第1腕4及び第2腕5の回動角
を検出できる。すなわち、第1腕4及び第2腕5が回動
すると、それに伴ってドッグ83,84が回転し、その
被検出面83c,84cと距離検出センサ81,82と
の距離が変化するので、距離検出センサ81,82は、
第1腕4及び第2腕5の回動角に対応した出力を出すこ
ととなる。勿論、ドッグ83,84の被検出面83c,
84cの傾斜は、距離検出センサ81,82の検出範囲
内としなければならない。
【0058】図1は、この絶対回転角検出機構85A,
85Bを、本実施例のロボット装置に適用した状態を示
しており、絶対角度検出機構85A,85Bは、前述し
た様に、第1の距離検出センサ81と第1のドッグ8
3、及び第2の距離検出センサ82と第2のドッグ84
から構成されている。
【0059】第1及び第2のドッグ83,84は、別部
品として製作しても構わないが、例えば、第1腕4の第
1のドック83の様にプーリの一端面を斜面状に加工し
ても良いし、第2腕5の第2のドッグ84の様に、固定
フランジの一旦面を斜面状に加工してもよい。そうする
ことにより部品点数を削減することができる。
【0060】図8(b)は、同一の距離検出センサ81
a,81bを2台組み合わせて使用した例である。これ
は、距離検出センサの出力がアナログ出力であるため、
温度変化等の外乱に対して強くするため、2台の出力差
を検出しようとしたものである。
【0061】図9(a),(b),図10は、他の絶対
角度検出機構92を示した図である。絶対角度検出機構
92は、発光素子(例えばLED)87と受光素子(例
えばPSD)88と、発光素子87からの光の受光素子
88への入射位置を変化させる遮光板86とから概略構
成されている。受光素子88は、これへ入射する光の位
置あるいは光量の変化により出力が変化する。遮光板8
6は、図8に示したドッグと同様にロボットの腕に固定
されている(図示せず)。遮光板86の形状は、図9
(a)に示した様に螺旋状のスリット90を形成したも
のでもよいし、図9(b)の様に外周部を螺旋状とした
ものでもよい。この絶対角度検出機構92の出力信号も
図12の様になる。
【0062】図11は、上記の絶対角度検出機構92を
第1腕4と第2腕5の間に配置した状態を示した図であ
る。図示した様に、遮光板86aは、中央部を中空と
し、第2腕5を第1腕4に対して回転させるための固定
フランジ27aに配管及び配線を通せる様になされてい
る。なお、図11では、磁性流体シールは示されていな
い。また、図11は、第1腕4と第2腕5の関節部分を
示しているが、ロボット基台3と第1腕4の関節部分に
も絶対角度検出機構を同様に構成することができる。ま
た、発光素子87を支持するブラケット91は、外部か
ら光が入って受光素子88が誤動作をしない様にするカ
バーの役目も果たしている。
【0063】次に、ロボットを制御するための制御回路
について図13を参照して説明する。制御部100は、
CPU102,メモリ104,操作部106,第1の制
御回路112,第2の制御回路114から構成されてい
る。そして、第1腕駆動用モータ6は、第1の制御回路
112に接続されており、この第1の制御回路112
は、第1のロータリエンコーダ7から出力される位置デ
ータ、及び第1のロータリエンコーダ7から不図示のF
/V変換器を経て出力される速度データをもとに第1腕
駆動用モータ6の回転を制御する。また、同様に第2の
制御回路114は、第2のロータリエンコーダ22から
出力される位置データ、及び第2のロータリエンコーダ
22から不図示のF/V変換器を経て出力される速度デ
ータをもとに第2腕駆動用モータ21の回転を制御す
る。また、第3腕54の回転駆動のために第3腕駆動用
モータを使用する場合には、図中破線で示した様に第1
及び第2の制御回路と同様の構成の第3の制御回路を設
ける様にすればよい。なお、第1腕駆動用モータ6及び
第2腕駆動用モータ21の回転制御は公知の数値制御に
より行われる。
【0064】また、第1の距離検出センサ81の出力
は、A/D変換器116を介してCPU102に入力さ
れる。また、第2の距離検出センサ82の出力は、A/
D変換器118を介してCPU102に入力される。
【0065】次に、上記の様に構成されたロボット装置
の原点出しの方法について説明する。
【0066】ここで、まず、従来の原点出し方法につい
て説明しておくと、図14及び図15は、従来の原点出
し方法の手順を説明する図である。
【0067】原点出しのプログラムがスタートすると、
ロボットアームを原点センサの位置まで即座に移動させ
るために、ロボットアームを最大速度まで加速し、最大
速度で移動させる(ステツプS10,図15のAの領
域)。ロボットアームが原点センサの位置まで移動して
原点センサがONすると(ステツプS11)、ロボット
アームが目標位置に近づいたことを示しているので、目
標位置に正確に位置決めするためにロボットアームを微
小移動速度まで減速し、この微小速度で更に移動させる
(ステツプS12,図15のBの領域)。そして、原点
センサがONしてから最初にエンコーダのZ層パルスが
出力される位置までロボットアームを移動させ、Z層パ
ルスが出力された位置でアームを停止させる(ステツプ
S13〜14,図15のCの領域)。そして、この停止
位置を原点とするためにカウンタをリセットし、原点出
し終了フラグをセットしてプログラムを終了する。
【0068】従来のロボット装置においては、以上の様
にしてアームの原点出しが行われていた。
【0069】次に、本実施例の原点出し方法について説
明する。
【0070】前述した様に、本実施例においては、第1
腕4の減速比は1/200に設定されているので、図1
6に示した様に第1腕4の回転角度1.8°に対して1
回、第1のロータリーエンコーダ7のZ相パルスが出力
される。これに対して、第1の距離検出センサ81の出
力は図16に示したように、第1腕4の角度に対して比
例関係にあるから、例えば、第1腕が18.0°〜1
9.8°の間にあるときは第1の距離検出センサ81の
出力が0.5V〜0.55Vの間にあるわけである。先
に述べた様に本実施例の第1腕4では、1.8°に1回
エンコーダのZ相パルスが出力されるから第1腕4が1
8.0°〜19.8°の間で1回Z相が出力されること
になる。ここでは仮にZ相パルスが出力される位置を1
8.6°としている。この値はあらかじめ制御部100
内のメモリ104に図17に示す様に記憶しておく。す
なわち、エンコーダ7のZ相とアーム角度との関係をテ
ーブルとして、保存しておく。以上より、ロボット異常
時に電源がOFFし、カウンタ回路がクリアされてしま
っても、電源を再投入時に第1腕4の原点出しを、第1
腕4を僅か1.8°以内回転させるだけで行うことがで
きる。
【0071】次に、この第1腕4の原点出しの手順を図
18及び図19を参照して更に詳細に説明する。
【0072】まず、原点出しのプログラムがスタートす
ると、第1腕4を微小速度で移動させる(ステツプS4
0,図18のAの領域)。そして、第1腕4を移動させ
ているうちに第1のロータリーエンコーダ7のZ相パル
スが出力された時点で第1腕4を停止させる(ステツプ
S41〜42)。次に、第1腕4が停止した位置での第
1の距離検出センサ81の出力を読み取る(ステツプS
43)。このときの第1の距離検出センサ81の検出角
度がθ1 以上θ2 以下であれば、メモリ104に記憶さ
れているテーブルから第1腕4の絶対角度位置がθ0 で
あると判断する。具体的には、例えば第1の距離検出セ
ンサ81の出力値が18.0°〜19.8°の間であれ
ば、第1腕4が停止した位置は、18.6°であると判
断する。そして、CPU102内のカウンタにこの角度
データをセットする(ステツプS45)。その後、原点
出し終了フラグをセットし(ステツプS45)、プログ
ラムを終了する。この様な動作により、第1腕4の正確
な位置が求められることとなる。
【0073】ロボットの第2腕5についても同様に原点
出しを行うことができる。
【0074】なお、上記の説明は、本実施例の原点出し
方法の一般的な使用方法を説明したものであるが、以下
に、本実施例のロボット装置に特有の原点出し動作に上
記の方法を適用する場合について説明する。
【0075】先に説明したように、本実施例では図5の
ようにハンドの直進移動動作を行う場合、ロボットの第
1腕4及び第2腕5の駆動用モーター6,21を協調動
作させている。具体的には、第2腕5を第1腕4の回動
方向とは反対方向に、第1腕4の2倍の角速度で回動さ
せることにより、ハンドを直進移動させている。そのた
め、原点出し動作は以下の様な手順で行われる。すなわ
ち、まず、停電等によりロボットが停止した状態からロ
ボットの第1腕4と第2腕5を協調動作させてハンドを
直進移動させながら、第2腕5の距離検出センサ82の
出力値に基づいて第2腕5の原点出しを行う。次に、第
1腕4と第2腕を更に協調動作させて、第3腕を一番縮
めた状態まで移動させる。その後、第1腕4のみを回動
させて第1腕4の距離検出センサ81の出力値に基づい
てロボットの第1腕4の原点出し動作を行う。この順番
が大切であり、もし図5(c)に示す様なハンドが伸び
た状態で第1腕4の原点出し動作を先に行った場合に
は、先端部のハンドが、ロボット基台3を中心に大きく
回動運動することとなり、ステッパ内の他の装置(図示
せず)と干渉し、ウエハ、レチクルや、ロボット自身
や、ステッパ内の他の装置を壊してしまう虞がある。
【0076】そこで、本実施例では図20及び図21に
示したフローチャートにしたがって原点出し動作を行
う。
【0077】ここで、図20及び図21を参照して本実
施例のロボット装置に特有の原点出し方法について説明
する。
【0078】まず、プログラムがスタートすると、ま
ず、第1腕4及び第2腕5の回動角度を距離検出センサ
81,82により検出し(ステツプS50)、この検出
結果から第1腕4及び第2腕5の現在位置を推定する
(ステツプS51)。次に、第1腕4及び第2腕5の現
在位置が原点出し動作をしても良い位置か否かを判断す
る(ステツプS52)。
【0079】ここで、原点出し動作をしても良い位置か
否かを判断するのは、以下の様な理由による。すなわ
ち、クリーンロボットが動作中に何らかの原因で停電し
た場合、ロボットの各腕の慣性で図21のように通常時
のロボットの軌跡とは大きく異なってしまう場合があり
得る。この時、前述の原点出し動作を行わせると、ロボ
ットがステッパ内の他装置と干渉したり、最悪の場合、
ウエハ、レチクルを周囲の装置にぶつける可能性があ
る。そのため、この様な場合には原点出しを行わない様
にする配慮が必要となる。
【0080】従って、ステツプS52で、ロボットの各
腕が図22の様になっており、原点出しが不可能である
と判断されると、原点出しを行わず、異常信号を表示す
る(ステツプS66)。この異常信号は、操作部106
のディスプレイに表示しても良いし、ロボットに異常表
示灯を設けたり、音声発生器を設けたりして表示しても
良い。なお、この様な異常状態でも、ロボットの各腕の
回動角度は把握できるわけであるから、操作部106か
らコマンドを送ってマニュアルで直すことが可能であ
る。
【0081】一方、ステツプS52で、ロボットの各腕
が、通常の移動軌跡上に乗った状態で停止している場合
には、第1腕4及び第2腕5を協調動作させながら微小
速度で移動させ(ステツプS53)、第2腕5のエンコ
ーダ22からZ相パルスが出力されるまで、移動を続け
る(ステツプS54)。エンコーダ22からZ相パルス
が出力されるとその位置で第1腕4及び第2腕5を停止
させ(ステツプS55)、その位置での第2腕の距離検
出センサ82の出力値を読み取る(ステツプS56)。
そして距離検出センサ82の出力値と、メモリ104内
のテーブルから、第2腕5の絶対回動角度を判定し、こ
の判定値を第2腕5の現在位置データとして、CPU1
02内のカウンタにセットする(ステツプS57)。こ
れにより第2腕5の原点出しが終了したので、第2腕5
の原点出し終了フラグをセットする(ステツプS5
8)。
【0082】次に、第1腕4の原点出し動作を行うため
の予備動作として、第1腕4と第2腕5を協調動作させ
て第3腕38を、図5(a)に示す位置まで退避させる
(ステツプS59)。その後、第1腕4を微小移動速度
で回動させつつ(ステツプS60)、第1腕4のエンコ
ーダ7からZ相パルスが出力されるまで待つ(ステツプ
S61)。エンコーダ7からZ相パルスが出力される
と、その時点で第1腕4を停止させ、第1腕4の距離検
出センサ81の出力を読み取る(ステツプS63)。そ
して、この出力値とメモリ104内のテーブルとから第
1腕4の絶対回転角度を判定し、この判定値を第1腕4
の現在位置データとして、CPU102内のカウンタに
セットする(ステツプS64)。これにより、第1腕4
の原点出しも終了したので、第1腕4の原点出し終了フ
ラグをセットする(ステツプS65)。以上で、第1腕
4と第2腕5の原点出しが全て終了し、プログラムを終
了する。
【0083】次に、ロボット10の第1腕4及び第2腕
5の回転角度の制御について図23乃至図27を参照し
て説明する。
【0084】まず、目標物をある方向にある回転角だけ
短時間で回転移動させる場合には、時間に対する角速度
変化のパターンとしては、図23に示した様なものが用
いられる。このパターンは、一定角速度で目標物を加速
し、最大角速度に達したところでこの最大角速度で移動
させ、その後加速時と同じ角加速度で減速させ、目標位
置に停止させるものである。通常、ある目標物を移動さ
せるための駆動源には、その能力の限界があり、発生可
能な最大角加速度と最大角速度が規定されると、移動対
象物を最短時間で移動させるためのパターンにおける最
大角速度θVmでの移動時間T2及び立ち上げ時間T1及
び立ち下げ時間T3は決定される。一実施例のロボット
10においても、第1腕4及び第2腕5の回転動作に
は、上記の様な角速度パターンを使用する。
【0085】上記の様な角速度パターンで移動させた時
の時間Tと回転角θの関係の理想値を示したものが図2
4である。この理想曲線上の点を目標として、所定の時
間間隔ΔT毎に回転角θを検出し、この実際の回転角と
目標値との差をフィードバック制御することにより、移
動対象物を目標回転角だけ回転移動させることができ
る。
【0086】ここで、前述した様に、ハンド80を直線
移動させるためには、第1腕4を例えば反時計回転方向
にθ1だけ回転させ、第2腕5を第1腕4に対して時計
回転方向にθ2=2θ1だけ回転させ、第3腕38を第
2腕5に対して反時計回転方向にθ3=θ1だけ回転さ
せる必要がある。この動作に上記の制御方法を適用する
と、そのときの回転角速度θV と時間Tの関係及び回転
角度θと時間Tとの関係は、図25,図26にそれぞれ
示した様になる。図25に示した様に第1腕4の回転角
速度θ1V と第2腕5の回転角速度θ2V の比を常に
1:2とすることにより、図25に示した様に第1腕4
の回転角度θ1と第2腕5の回転角度θ2の比が常に
1:2となる。また、第3腕38は、第7のプーリ33
及び第8のプーリ35により駆動されるので、第1腕4
の回転角度θ1と第2腕5の回転角度θ2が1:2とな
る様に駆動されれば、第3腕38は、必然的に第1腕4
と同じ方向に同じ回転角だけ回転されるので、ハンド8
0は、正確に直線運動されることとなる。
【0087】次に、図27に示したフローチャートに基
づいて、第1腕4及び第2腕5の具体的な回転動作につ
いて説明する。
【0088】まず、作業者は、このフローチャートに従
ってロボットを作動させる前に、予めハンド80の目標
移動位置の座標から、第1腕4及び第2腕5の回転角度
θ1,θ2、回転の立ち上げ時間T1と立ち下げ時間T
3、第1腕4及び第2腕5の最大回転角速度θ1Vm,θ
Vm及びこれらの最大回転角速度での移動時間T2を算
出しておく。この予備作業の後にフローチャートの動作
に移る。
【0089】まず、ステップS20において、作業者
は、操作部106から図23における立ち上げ時間T1
と立ち下げ時間T3の設定値を入力する。この値はメモ
リ104に記憶される。次に、ステップS22におい
て、作業者は、第1腕4と第2腕5の回転角θ1,θ2
を操作部106から入力する。この値も同様にメモリ1
04に記憶される。同様に、ステップS24において、
作業者は、第1腕4と第2腕5の最大回転角速度θ
Vm,θ2Vmを操作部106から入力する。そして、こ
れらの値もメモリ104に記憶される。これらの入力が
終了した時点では、ロボットは、ハンド80を移動させ
る待機状態となっている。
【0090】次に、ステップS26において作業者がス
タート信号を操作部106から入力するとCPU102
は、ステップS28において、回転角の大きい第2腕5
を駆動する第2腕駆動用モータ21の目標回転角θ2′
を計算し、ステップS30に進む。ステップS30で
は、CPU102は、この第2腕駆動用モータ21の単
位時間ΔTあたり(例えば5msecあたり)の回転角
Δθ2を計算する。また、同時に、この第2腕駆動用モ
ータ21の回転角Δθ2をk倍することにより第1腕駆
動用モータ6の単位時間あたりの回転角Δθ1(Δθ1
=kΔθ2)を計算する。ここでkは、第1腕駆動用モ
ータ6と第2腕駆動用モータ21の回転角の比である。
そして、一実施例では、第2の減速機23の減速比を第
1の減速機11の減速比の1/2にすることにより第1
腕駆動用モータ6及び第2腕駆動用モータ21を全く同
一回転角速度で回転させれば、ハンド80が直進移動す
る様にされている。従って、ここではk=1である。た
だし、必ずしも第2の減速機23の減速比を第1の減速
機11の減速比の1/2にする必要はなく、これらの減
速機の減速比に応じてkの値を変化させることにより対
応することができる。例えば、第1の減速機11の減速
比と、第2の減速機23の減速比が同一であった場合に
は、k=1/2とすればよい。
【0091】次にステップS32において、CPUは、
第1腕駆動用モータ6及び第2腕駆動用モータ21を単
位時間内にこれらの回転角Δθ1及びΔθ2だけ回転さ
せるための加速度を計算し、これらの加速度で第1腕駆
動用モータ6及び第2腕駆動用モータ20,38を回転
させる。そして単位時間ΔT毎の回転角度を第1及び第
2のロータリエンコーダ7,22で検出しながら、第1
腕駆動用モータ6及び第2腕駆動用モータ21を回転さ
せる。そして、ステップS34では、目標回転角まで第
1腕駆動用モータ6及び第2腕駆動用モータ21が回転
したか否かが判定され、目標回転角に達していない時に
は、ステップS30とステップS32を繰り返す。ステ
ップS34において、第1腕駆動用モータ6及び第2腕
駆動用モータ21が目標回転角θ1′,θ2′に達した
と判断されると、ステップS36に進み、各モータを停
止させ、動作を終了する。
【0092】なお、ロボットに図6に示した様な回転運
動を行わせる場合には、作業者は操作部106から回転
運動を行わせる指令を入力する。CPU106は、この
指令をメモリ104に記憶させると共に、第1の制御回
路112に指令を送り、第1腕駆動用モータ6を所定回
転速度で、所定回転数だけ回転させハンド80を所望の
位置に位置決めする。
【0093】以上説明した様に、本実施例によれば、距
離検出センサー出力とインクリメンタル型エンコーダの
Z相を組み合わせることにより、ロボットアームをわず
かに動かすだけでロボットアームの絶対位置を求めるこ
とができるから、従来の様な時間のかかる原点出し作業
が不要になる。
【0094】また、ロボットやステッパなどの異常によ
りロボットが非常停止した時の原点出し作業が不要にな
るばかりでなく、従来は高価なウエハやレチクルなどを
破壊する虞があったため、外部よりマニュアルでロボッ
トを動作させることは難しかったが、再起動直後のロボ
ットアームの絶対位置がステッパ外部から確認できるの
で、外部よりのマニュアル退避動作が行い易くなった。 (他の実施例)なお、本発明は、その主旨を逸脱しない
範囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用可
能である。
【0095】例えば、本発明は、クリーンロボットに限
られることなく、広く一般産業用ロボットとしても使用
可能である。
【0096】また、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても1つの機器からなる装置に適用
してもよい。
【0097】また、本発明は、システムあるいは装置に
プログラムを供給することによって達成される場合にも
適用できることは言うまでもない。
【0098】更に、本実施例では、回転機構の絶対位置
検出及び原点出しについて述べたが図8(c)に示した
様に直動機構についても同様に可能である。
【0099】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のロボット装
置によれば、角度検出手段によって腕の概略角度を求
め、この概略角度に基づいてエンコーダがパルス信号を
発する点で、腕の角度を更に正確に規定することによ
り、1つのパルス信号が発せられる位置から次のパルス
信号が発せられる位置までの微小角度だけ腕を回動させ
る操作を行うだけで、腕の正確な位置を検出することが
できる。
【0100】また、角度検出手段を、距離センサとそれ
に対向する斜面、あるいは、発光素子と受光素子からな
る位置センサーと遮光板から構成しているので、構造が
単純になり場所を取らず、コストも安く済む。
【0101】また、本発明のロボット装置の原点出し方
法によれば、第1の腕と第2の腕と第3の腕とを備え、
この第3の腕を直進運動させるロボット装置において、
第3の腕を直進運動させながら、第2の腕の原点出しを
行い、その後に、第1の腕のみを回動させて第1の腕の
原点出しを行っているので、第3の腕の先端部の最小限
の動きで各腕の原点出しを行うことができ、第3の腕に
把持されたワークを周囲の装置にぶつけて破損させたり
することが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したクリーンロボットの側断面図
である。
【図2】図1を左側から見た部分断面図である。
【図3】第1腕と第2腕の回転部分を拡大した図であ
る。
【図4】クリーンロボットを上方から見た図である。
【図5】ハンドの直線移動動作を示した図である。
【図6】ハンドの回転運動を示した図である。
【図7】減速比の組合せを示した図である。
【図8】距離検出センサーの構成を示した図である。
【図9】他の距離検出センサーの構成を示した平面図で
ある。
【図10】他の距離検出センサーの構成を示した側断面
図である。
【図11】他の距離検出センサーの構成を示した側断面
図である。
【図12】距離検出センサーの出力の変化を示した図で
ある。
【図13】クリーンロボットの制御部の構成を示した図
である。
【図14】従来の原点出し動作を示す図である。
【図15】従来の原点出し動作を示すフローチャートで
ある。
【図16】距離検出センサーの出力とエンコーダのZ相
の関係を示した図である。
【図17】制御部のメモリー内のテーブルである。
【図18】一実施例の原点出し動作を示す図である。
【図19】一実施例の原点出し動作のフローチャートで
ある。
【図20】一実施例の原点出し動作のフローチャートで
ある。
【図21】一実施例の原点出し動作のフローチャートで
ある。
【図22】ロボットの各腕の異常状態を示した図であ
る。
【図23】回転角速度と時間との関係である。
【図24】回転角度と時間との関係である。
【図25】第1及び2腕の回転速度と時間との関係であ
る。
【図26】第1及び2腕の回転角度と時間との関係であ
る。
【図27】ハンドの直進動作をさせるためのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 基台用フランジ 2 取り付けレバー 3 ロボット基台 4 第1腕 5 第2腕 6 第1腕駆動用モータ 7 第1のロータリーエンコーダ 8 第1のプーリ 9 第1のタイミングベルト 10 第2のプーリ 11 第1の減速機 12 第3のプーリ 13 第2のタイミングベルト 14 第4のプーリ 15 固定フランジ 21 第2腕駆動用モータ 22 第2のロータリーエンコーダ 23 第2の減速機 24 第5のプーリ 26 第6のプーリ 27 固定フランジ 28 第1のアイドルプーリ 32 回転軸 33 第7のプーリ 35 第8のプーリ 36 第2のアイドルプーリ 37 固定フランジ 38 第3腕 40 第1のベアリング 41 第2のベアリング 42 第3のベアリング 43 ベアリング 45〜47 磁性流体シール 51〜54 カバー板 55 フイルタ 56 貫通穴 57 穴 58 セットボルト 80 ハンド 81 第1の距離検出センサ 82 第2の距離検出センサ 83 第1のドッグ 84 第2のドッグ 86 遮光板 87 発光素子 88 受光素子 100 制御部 102 CPU 104 メモリー 106 操作部 112 第1の制御回路 114 第2の制御回路 116 第1のA/D回路 118 第2のA/D回路

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、 該基台に回動自在に支持された第1の腕と、 該第1の腕を前記基台に対して回動させるための第1の
    駆動手段と、 該第1の駆動手段に備えられ、前記第1の腕が前記基台
    に対して所定角度回動する毎に第1のパルス信号を発生
    する第1のエンコーダと、 前記第1の腕の前記基台に対する第1の基準位置からの
    回動角に略比例して変化する電圧を発生する第1の回動
    角検出手段と、 該第1の回動角検出手段によって検出される前記第1の
    腕の概略回動角度と、前記第1のエンコーダの発生する
    前記第1のパルス信号とに基づいて、該第1のパルス信
    号が発生されたときの前記第1の腕の前記第1の基準位
    置からの正確な回動角度を判定する第1の判定手段とを
    具備することを特徴とするロボット装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の判定手段は、前記第1の回動
    角検出手段の出力値と、前記第1のパルス信号が発生さ
    れたときの前記第1の腕の前記第1の基準位置からの正
    確な回動角度との関係を予め記憶しておくための第1の
    メモリを有することを特徴とする請求項1に記載のロボ
    ット装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の駆動手段は、駆動源としての
    第1のモータを備え、前記第1のエンコーダは、前記第
    1のモータの回転軸に連結されたロータリエンコーダで
    あることを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のパルス信号は、前記第1のエ
    ンコーダの1回転につき1回発せられるZ層パルスであ
    ることを特徴とする請求項3に記載のロボット装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の回動角検出手段は、前記基台
    と前記第1の腕の内の一方に設けられ、対象物との距離
    を検出するための第1の距離センサーと、前記基台と前
    記第1の腕の内の他方に前記第1の距離センサーと対向
    して設けられ、前記第1の腕の前記基台に対する回動に
    伴って前記第1の距離センサーとの距離が連続的に変化
    する第1の斜面とを備えることを特徴とする請求項1に
    記載のロボット装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の回動角検出手段は、前記基台
    と前記第1の腕の内の一方に設けられ、第1の発光部と
    第1の受光部とを有する第1の位置センサーと、前記基
    台と前記第1の腕の内の他方に前記第1の発光部と前記
    第1の受光部の間に位置する様に設けられ、前記第1の
    腕の前記基台に対する回動に伴って、前記第1の発光部
    から前記第1の受光部に入る光を遮る位置が連続的に変
    化する第1の遮光板とを備えることを特徴とする請求項
    1に記載のロボット装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の位置センサーは、前記第1の
    発光部から前記第1の受光部に入射する光像の位置変化
    により出力値が変化する様になされており、前記第1の
    腕の回動に伴って回転する前記第1の遮光板に形成され
    た螺旋状のスリットを通過する前記第1の発光部からの
    光の光像の位置が前記第1の受光部上で移動することに
    より前記第1の腕の回動角を検出することを特徴とする
    請求項6に記載のロボット装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の位置センサーは、前記第1の
    発光部から前記第1の受光部に入射する光量の変化によ
    り出力値が変化する様になされており、前記第1の腕の
    回動に伴って回転する前記第1の遮光板の螺旋状の外形
    部により遮られる前記第1の発光部からの光の光量変化
    により前記第1の腕の回動角を検出することを特徴とす
    る請求項6に記載のロボット装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の腕に回動自在に支持され、該
    第1の腕と同じ長さの第2の腕と、該第2の腕を前記第
    1の腕に対して回動させるための第2の駆動手段と、該
    第2の駆動手段に備えられ、前記第2の腕が前記第1の
    腕に対して所定角度回動する毎に第2のパルス信号を発
    生する第2のエンコーダと、前記第2の腕の前記第1の
    腕に対する第2の基準位置からの回動角に略比例して変
    化する電圧を発生する第2の回動角検出手段と、該第2
    の回動角検出手段によって検出される前記第2の腕の概
    略回動角度と、前記第2のエンコーダの発生する前記第
    2のパルス信号とに基づいて、該第2のパルス信号が発
    生されたときの前記第2の腕の前記第2の基準位置から
    の正確な回動角度を判定する第2の判定手段とを更に具
    備することを特徴とするロボット装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の判定手段は、前記第2の回
    動角検出手段の出力値と、前記第2のパルス信号が発生
    されたときの前記第2の腕の前記第2の基準位置からの
    正確な回動角度との関係を予め記憶しておくための第2
    のメモリを有することを特徴とする請求項9に記載のロ
    ボット装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の駆動手段は、駆動源として
    の第2のモータを備え、前記第2のエンコーダは、前記
    第2のモータの回転軸に連結されたロータリエンコーダ
    であることを特徴とする請求項9に記載のロボット装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第2のパルス信号は、前記第2の
    エンコーダの1回転につき1回発せられるZ層パルスで
    あることを特徴とする請求項11に記載のロボット装
    置。
  13. 【請求項13】 前記第2の回動角検出手段は、前記第
    1の腕と前記第2の腕の内の一方に設けられ、対象物と
    の距離を検出するための第2の距離センサーと、前記第
    1の腕と前記第2の腕の内の他方に前記第2の距離セン
    サーと対向して設けられ、前記第2の腕の前記第1の腕
    に対する回動に伴って前記第2の距離センサーとの距離
    が連続的に変化する第2の斜面とを備えることを特徴と
    する請求項9に記載のロボット装置。
  14. 【請求項14】 前記第2の回動角検出手段は、前記第
    1の腕と前記第2の腕の内の一方に設けられ、第2の発
    光部と第2の受光部とを有する第2の位置センサーと、
    前記第1の腕と前記第2の腕の内の他方に前記第2の発
    光部と前記第2の受光部の間に位置する様に設けられ、
    前記第2の腕の前記第1の腕に対する回動に伴って、前
    記第2の発光部から前記第2の受光部に入る光を遮る位
    置が連続的に変化する第2の遮光板とを備えることを特
    徴とする請求項9に記載のロボット装置。
  15. 【請求項15】 前記第2の位置センサーは、前記第2
    の発光部から前記第2の受光部に入射する光像の位置変
    化により出力値が変化する様になされており、前記第2
    の腕の回動に伴って回転する前記第2の遮光板に形成さ
    れた螺旋状のスリットを通過する前記第2の発光部から
    の光の光像の位置が前記第2の受光部上で移動すること
    により前記第2の腕の回動角を検出することを特徴とす
    る請求項14に記載のロボット装置。
  16. 【請求項16】 前記第2の位置センサーは、前記第2
    の発光部から前記第2の受光部に入射する光量の変化に
    より出力値が変化する様になされており、前記第2の腕
    の回動に伴って回転する前記第2の遮光板の螺旋状の外
    形部により遮られる前記第2の発光部からの光の光量変
    化により前記第2の腕の回動角を検出することを特徴と
    する請求項14に記載のロボット装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の腕に回動自在に支持された
    第3の腕を更に具備し、前記第2の駆動手段は、前記第
    2の腕を前記第1の腕に対して回動させると共に、前記
    第3の腕を前記第2の腕に対して、前記第2の腕の回動
    方向とは反対方向に前記第2の腕の1/2の角速度で回
    動させることを特徴とする請求項9に記載のロボット装
    置。
  18. 【請求項18】 前記第1の腕を前記基台に対して第1
    の角速度で回動させると共に、前記第2の腕を前記第1
    の腕に対して、該第1の腕の回動方向とは反対の方向に
    前記第1の角速度の2倍の角速度で回動させる様に、前
    記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段を制御すること
    により、前記第3の腕を直進運動させる制御手段を更に
    具備することを特徴とする請求項17に記載のロボット
    装置。
  19. 【請求項19】 前記第3の腕が所定の直線状の軌跡か
    らはずれている場合には、前記制御手段による制御を行
    わずに異常信号を出力すると共に、前記第1及び第2の
    回動角検出手段から出力される前記第1及び第2の腕
    の、前記第1及び第2の基準位置からの回動角度データ
    を表示することを特徴とする請求項18に記載のロボッ
    ト装置。
  20. 【請求項20】 基台と、該基台に回動自在に支持され
    た第1の腕と、該第1の腕に回動自在に支持され、該第
    1の腕と同じ長さの第2の腕と、該第2の腕に回動自在
    に支持された第3の腕と、前記第1の腕を前記基台に対
    して回動させるための第1の駆動手段と、前記第2の腕
    を前記第1の腕に対して回動させると共に、前記第3の
    腕を前記第2の腕に対して、前記第2の腕の回動方向と
    は反対方向に前記第2の腕の1/2の角速度で回動させ
    る第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段に備えられ、
    前記第1の腕が前記基台に対して所定角度回動する毎に
    第1のパルス信号を発生する第1のエンコーダと、前記
    第1の腕の前記基台に対する第1の基準位置からの回動
    角に略比例して変化する電圧を発生する第1の回動角検
    出手段と、該第1の回動角検出手段によって検出される
    前記第1の腕の概略回動角度と前記第1のエンコーダの
    発生する前記第1のパルス信号とに基づいて、前記第1
    の腕の前記第1の基準位置からの正確な回動角度を判定
    する第1の判定手段と、前記第2の駆動手段に備えら
    れ、前記第2の腕が前記第1の腕に対して所定角度回動
    するごとに第2のパルス信号を発生する第2のエンコー
    ダと、前記第2の腕の前記第1の腕に対する第2の基準
    位置からの回動角に略比例して変化する電圧を発生する
    第2の回動角検出手段と、該第2の回動角検出手段によ
    って検出される前記第2の腕の概略回動角度と前記第2
    のエンコーダの発生する前記第2のパルス信号とに基づ
    いて、前記第2の腕の前記第2の基準位置からの正確な
    回動角度を判定する第2の判定手段と、を備えるロボッ
    ト装置の原点出し方法であって、 前記第1の駆動手段を動作させて前記第1の腕を前記基
    台に対して第1の角速度で回動させると共に、前記第2
    の駆動手段を動作させて前記第2の腕を前記第1の腕に
    対して、該第1の腕の回動方向とは反対の方向に前記第
    1の角速度の2倍の角速度で回動させることにより、前
    記第3の腕を直進運動させる第1の工程と、 該第1の工程を実行中に、前記第2の判定手段により、
    前記第2の腕の前記第2の基準位置からの正確な回動角
    度を判定する第2の工程と、 前記第1の工程と前記第2の工程が終了した後に、前記
    第1の駆動手段のみを動作させて前記第1の腕を前記基
    台に対して第2の角速度で回動させる第3の工程と、 該第3の工程を実行中に、前記第1の判定手段により、
    前記第1の腕の前記第1の基準位置からの正確な回動角
    度を判定する第4の工程とを具備することを特徴とする
    ロボット装置の原点出し方法。
  21. 【請求項21】 前記第1及び第2の角速度は微小な角
    速度であることを特徴とする請求項20に記載のロボッ
    ト装置の原点出し方法。
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