JPH07163972A - 写真処理廃液の処理装置 - Google Patents

写真処理廃液の処理装置

Info

Publication number
JPH07163972A
JPH07163972A JP22339694A JP22339694A JPH07163972A JP H07163972 A JPH07163972 A JP H07163972A JP 22339694 A JP22339694 A JP 22339694A JP 22339694 A JP22339694 A JP 22339694A JP H07163972 A JPH07163972 A JP H07163972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste liquid
photographic processing
processing
processing waste
photographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22339694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2627255B2 (ja
Inventor
Satoru Kuze
哲 久世
Yoko Matsushima
陽子 松島
Shozo Aoki
尚三 青木
Shigeharu Koboshi
重治 小星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP6223396A priority Critical patent/JP2627255B2/ja
Publication of JPH07163972A publication Critical patent/JPH07163972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2627255B2 publication Critical patent/JP2627255B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用化のために様々に改良した写真処理廃液
の処理装置、該廃液の処理に最適な写真処理廃液の処理
装置、該廃液の処理に際して生じる蒸気を容易に処理す
ることができる写真処理廃液の処理装置の提供。 【構成】 写真処理廃液の処理室の少なくとも一部に写
真処理廃液の固着防止手段が設けられていることを特徴
とする写真処理廃液の処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真用自動現像機によ
る写真感光材料の現像処理に伴ない発生する廃液(本明
細書において写真処理廃液ないし廃液と略称)を蒸発処
理する写真処理廃液の処理装置に関し、特に、自動現像
機内若しくは自動現像機の近傍に配置して処理するのに
適した写真処理廃液の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写
真処理は、黒白感光材料の場合には現像、定着、水洗
等、カラー感光材料の場合には発色現像、漂白定着(又
は漂白、定着)、水洗、安定化等の機能の1つ又は2つ
以上を有する処理液を用いた工程を組合せて行われてい
る。
【0003】そして、多量の感光材料を処理する写真処
理においては、処理によって消費された成分を補充し一
方、処理によって処理液中に溶出或は蒸発によって濃化
する成分(例えば現像液における臭化物イオン、定着液
における銀錯塩のような)を除去して処理液成分を一定
に保つことによって処理液の性能を一定に維持する手段
が採られており、上記補充のために補充液が処理液に補
充され、上記写真処理における濃厚化成分の除去のため
に処理液の一部が廃棄されている。
【0004】近年、補充液は水洗の補充液である水洗水
を含めて公害上や経済的理由から補充の量を大幅に減少
させたシステムに変わりつつあるが、写真処理廃液は自
動現像機の処理槽から廃液管によって導かれ、水洗水の
廃液や自動現像機の冷却水等で希釈されて下水道等に廃
棄されている。
【0005】しかしながら、近年の公害規制の強化によ
り、水洗水や冷却水の下水道や河川への廃棄は可能であ
るが、これら以外の写真処理液〔例えば、現像液、定着
液、発色現像液、漂白定着液(又は漂白液、定着液)、
安定液等〕の廃棄は、実質的に不可能となっている。こ
のため、各写真処理業者は廃液を専門の廃液処理業者に
回収料金を払って回収してもらったり公害処理設備を設
置したりしている。しかしながら、廃液処理業者に委託
する方法は、廃液を貯めておくのにかなりのスペースが
必要となるし、またコスト的にも極めて高価であり、さ
らに公害処理設備は初期投資(イニシャルコスト)が極め
て大きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする
等の欠点を有している。さらに具体的には、写真処理廃
液の公害負荷を低減させる公害処理方法としては、活性
汚泥法(例えば、特公昭51-12943号及び特公昭51-7952
号等)、蒸発法(特開昭49-89437号及び同56-33996号
等)、電解酸化法(特開昭48-84462号、同49-119458
号、特公昭53-43478号、特開昭49-119457号等)、イオ
ン交換法(特公昭51-37704号、特開昭53-383号、特公昭
53-43271号等)、逆浸透法(特開昭50-22463号等)、化
学的処理法(特開昭49-64257号、特公昭57-37396号、特
開昭53-12152号、同49-58833号、同53-63763号、特公昭
57-37395号等)等が知られているが未だ十分ではない。
【0006】一方、水資源面からの制約、給排水コスト
の上昇、自動現像機設備における簡易さと、自動現像機
周辺の作業環境上の点等から、近年、水洗に替わる安定
化処理を用い、自動現像機外に水洗の給排水のための配
管を要しない自動現像機(いわゆる無水洗自動現像機)
による写真処理が普及しつつある。このような処理では
処理液の温度コントロールのための冷却水も省略された
ものが望まれている。このような実質的に水洗水や冷却
水を用いない写真処理では自動現像機からの写真処理廃
液は水洗処理がある場合と比べて水によって希釈されな
いためその公害負荷が極めて大きく一方に於て廃液量が
少ない特徴がある。従って、この廃液量が少ないことに
より、給廃液用の機外の配管を省略でき、それにより従
来の自動現像機の欠点と考えられる、配管を設置するた
めに設置後は移動が困難であり、足下スペースが狭く、
設置時の配管工事に多大の費用を要し、温水供給用のエ
ネルギー費を要する等の欠点が全て解消され、オフィス
マシンとして使用できるまでコンパクト化、簡易化が達
成されるという極めて大きい利点が発揮される。
【0007】しかしながら、この反面、その廃液は極め
て高い公害負荷を有しており、河川はもとより下水道に
さえ、その公害規制に照してその廃棄は全く不可能とな
ってします。さらにこのような写真処理(多量の流水を
用いて、水洗を行わない処理)の廃液量は少ないとはい
え、比較的小規模な処理でも、例えばXレイ感光材料の
処理で1日に10l、印刷製版用感光材料の処理で、1日
に30l、カラー感光材料の処理では1日に50l程度とな
り、その廃液の処理は、近年益々大きな問題となりつつ
ある。
【0008】写真処理廃液の処理を容易に行うことを目
的として、写真処理廃液を加熱して水分を蒸発乾固する
装置が実開昭60-70841号に示されているが、この装置に
したところが写真処理廃液を蒸発濃縮ないし乾固する際
に生じる蒸気を大気放出するため、公害上問題が残る
し、また悪臭が出るため作業環境が悪化する等の欠点が
あった。
【0009】また、この装置は、写真処理廃液を乾固す
るまで処理するため、写真処理廃液成分の一部がタール
化して熱源や蒸発釜壁に付着し熱効率が落ちる原因とな
ったり、写真処理液中に添加されるか又は感光材料から
溶出蓄積する界面活性剤の存在により発泡が生じ突沸が
起こることがあるし、悪臭も著しく、過剰な分解が起こ
ることがあるし、蒸発釜の破損が生じる場合さえある等
の欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】また、前述の先行の技
術は、実施例として蒸気中の有害物質等を活性炭を用い
て吸収除去する方法も開示しているが、該吸収方法も活
性炭のみでは十分ではなく、またこの活性炭が蒸気まで
吸収してしまうため活性炭の交換頻度が高く、非常に不
経済である。また、上記技術では、熱い状態のままの蒸
気を大気中に放出するため、狭い部屋では使用できず、
そのための室外への放出用の手段をも必要とする。
【0011】本発明は、実開昭60-70814号に示されてい
るが如き写真処理廃液用蒸発処理装置の考えを更に発展
させると共に、装置の実用化のための様々の改良を明ら
かにすることを主目的にするものであり、特に、単一若
しくは少数の自動現像機が配備されている写真処理施設
における写真処理廃液の処理に最適な写真処理廃液の処
理装置を提供することを目的とするものである。更に別
なる目的は前記のような欠点ないし不都合がなく、写真
処理廃液の処理に際して生じる蒸気を容易に処理するこ
とができる写真処理廃液処理装置の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成された。
【0013】1.写真処理廃液の処理室の少なくとも1
部に写真処理廃液の固着防止手段が設けられていること
を特徴とする写真処理廃液の処理装置。
【0014】2.前記固着防止手段として下記一群から
選ばれる化合物を使用することを特徴とする前記1記載
の写真処理廃液の処理装置。
【0015】A.フッ素樹脂 B.シリコンオイル C.ハクリ剤 D.無機繊維 写真処理廃液の処理方法は、写真処理廃液を蒸発濃縮な
いし乾固する写真処理廃液の処理方法で、該廃液を加熱
することによって蒸発させ、この蒸発によって生じる蒸
気を冷却処理して蒸留液を得ることおよび/又は該処理
廃液の濃縮液を担体に吸収させることによって固形化処
理してもよい。
【0016】処理装置は、写真処理廃液を加熱する手段
と、該加熱によって生じる蒸気を冷却処理する手段を有
し、前記冷却処理手段が該加熱手段から生じる蒸気を直
接又は間接的に受入れる構成を有してもよい。
【0017】なお、本明細書において蒸留液とは蒸留液
体を意味し、濃縮液も含み、水以外の成分を含む場合を
包含する定義である。
【0018】写真処理廃液の処理方法は、(1)蒸気に対
し下記(A)〜(G)から選ばれる少なくとも1つの冷却処
理を行ってもよい、即ち、(A)邪魔板又は放熱板による
処理、(B)蒸発濃縮ないし乾固処理する前の廃液を冷却
熱媒体として用いること、(C)冷却処理が、廃液をスト
ックするタンクにおいて行われること、(D)上記(C)に
おいてストックタンクが複数個あること、(E)蒸発濃縮
ないし乾固処理する前の廃液が冷却処理部に導入され冷
却に利用されること、(F)空冷用扇風機を利用するこ
と、(G)冷却処理が自動現像機の処理槽、補充液槽又は
溶解水槽との熱交換によって行われること、(2)写真処
理廃液が水洗代替安定液の廃液を含んでもよい、又は
(3)冷却処理以前にガス吸着処理を行ってもよい。
【0019】本発明において濃縮液を固形化処理しても
よい、固形化処理とは、(A)固形化処理が吸液性樹脂へ
の吸液処理であること、(B)固形化処理が固化剤又は乾
燥剤の添加処理であること、(C)吸液性樹脂、固化剤、
乾燥剤の1又は2以上が廃液用パックに収納されてお
り、該パック中に写真処理廃液の濃縮液を吸収して固化
させ、固形物は、該パック中に収納されること、又は、
(D)蒸発濃縮釜に、吸液性樹脂、固化剤の少なくとも1
つを投入し固形化処理してもよい。
【0020】また、本発明において写真処理廃液の処理
方法は、自動現像機の写真処理槽からオーバーフローす
る写真処理廃液をストックタンクに溜め、その量及び/
又は処理手段内の写真処理廃液量を検知して得られた写
真処理廃液情報に従い、写真処理廃液をストックタンク
から処理手段に供給し、加熱手段により写真処理廃液を
蒸発させその蒸気は省エネルギーで効率的な熱交換法で
冷却して蒸留水としてもよい。
【0021】また写真処理廃液の処理装置は、写真処理
廃液を加熱処理する処理槽、濃縮された該写真処理廃液
の濃縮液を排出する手段、該濃縮液の回収槽該加熱処理
によって生じる蒸気を冷却処理する手段、該冷却処理に
よって生成される蒸留液の回収槽及び廃液処理進行度に
より加熱手段を制御する制御手段を有していても良い。
【0022】また本発明は、実開昭60-70841号に示され
ているが如き写真処理廃液用蒸発処理装置の考えを更に
発展させると共に、装置の実用化のための様々の改良を
明らかにすることを主目的とするものであり、特に、単
一若しくは少数の自動現像機が配備されている写真処理
施設における写真処理廃液の処理に最適な写真処理廃液
の蒸発処理装置を明らかにすることを目的とするもので
ある。前記のような欠点ないし不都合がない、写真処理
廃液からの銀資源の回収が容易で、写真処理廃液を容易
に処理できる写真処理廃液の処理装置としてもよい。
【0023】また、本発明の処理装置は、固形化処理手
段が1回分の吸液性樹脂、固化剤、乾燥剤の1又は2以
上が収納された廃液パックであり、該廃液パックが写真
処理廃液の濃縮液中に投入されるか、又は該廃液パック
中に写真処理廃液の濃縮液が導入される構成であっても
良い。
【0024】また、本発明の処理装置は、写真処理廃液
をストックタンクに溜め、その量及び/又は処理手段内
の写真処理廃液量を検知して得られた写真処理廃液情報
に従い、写真処理廃液をストックタンクから(蒸発濃縮)
処理手段に供給し、加熱手段により蒸発させ写真処理廃
液を濃縮し、その濃縮液は該処理手段中で又は外部へ流
出させて固形化すると共に、蒸気は冷却して蒸留水とし
て写真処理工程で再利用しても良い。
【0025】なお、本発明において加熱処理前に、電気
分解法、沈殿法、置換法、還元法等の手段で銀回収をし
てもよい。
【0026】(A)銀回収処理が、電気分解法による銀回
収処理、(B)銀回収処理が、沈澱法による銀回収処理、
(C)銀回収処理が、置換法又は還元法による銀回収処理
等の回収方法があり、(D)写真処理廃液が漂白定着液及
び水洗代替安定液の廃液を含有していてもよい。
【0027】また、上記目的を達成する本発明の写真処
理廃液の処理装置は、写真処理廃液を銀回収処理する手
段と、写真処理廃液を蒸発濃縮ないし乾固処理する手段
を有してもよく、前記銀回収処理手段が自動現像機のオ
ーバーフロー液を直接又は間接的に受入れる構成を有し
ていても良い。
【0028】本発明の処理装置は、(E)銀回収処理手段
が電気分解法、沈澱法、置換還元法の少なくとも1つの
処理を行う装置であってもよく、(F)オーバーフロー液
が漂白定着液及び水洗代替安定液の廃液を含有していて
もよい。
【0029】また、本発明に用いられる、自動現像機の
写真処理槽からオーバーフローする写真処理廃液をスト
ックタンクに溜め、その量及び/又は処理手段内の写真
処理廃液量を検知して得られた写真処理廃液情報に従
い、写真処理廃液を銀回収手段を通してストックタンク
に溜め、該ストックタンクから(蒸発濃縮)処理手段に供
給し、加熱手段により蒸発させ写真処理廃液を濃縮し、
その濃縮液は該処理手段中で又は外部へ流出させて固形
化すると共に、蒸気は冷却して液体成分、好ましくは蒸
留水として写真処理工程で再利用してもよい。また上記
において、銀回収手段をストックタンク以前にではな
く、ストックタンクと(蒸発濃縮)処理手段の間に設ける
ことも好ましい実施態様の1つである。更に銀回収手段
がストックタンクを兼ねていてもよい。
【0030】以下、本発明について詳述する。
【0031】本発明において用いてもよい電気分解法に
よる銀回収処理としては、(1)前還元後電解法、(2)隔
膜法、(3)電気透析法、(4)隔膜なし通液法等のいずれ
でもよく、上記(1)の技術としては特開昭48-18191号、
米国特許第4,036,715号等を参照でき、上記(2)の技術
としては特開昭52-26315号、同52-102724号、同53-3553
4号、特公昭43-30167号等を参照でき、上記(3)の技術
としては特開昭53-60371号等を参照でき、上記(4)の技
術としては特開昭50-98837号、米国特許第4,021,319号
等を参照できる。更に電流制御等の制御技術としては特
開昭53-32869号、米国特許第3,875,032号、同第3,925,1
84号、同第4,006,071号、仏国特許第2,299,667号、西独
特許第2,552,069号、ベルギー特許第780,623号等を参照
でき、電極板については米国特許第3,840,455号、同第
4,049,512号、同第4,054,503号、西独特許第2,333,018
号、同第2,507,123号、同第2,729,567号、特開昭52-294
23号等を参照でき、また装置、送液技術については特開
昭49-59727号、同52-72227号、同53-65218号、米国特許
第3,926,768号、同第3,964,990号、西独特許第2,502,22
6号、同第2,515,314号等を参照できる。
【0032】上記の他、電解銀回収技術としては、特公
昭55-3183号、同55-13343号、リサーチ・ディスクロー
ジャー(RD)第18,354号、同第18,926号、同第17,959号、
米国特許第4,149,756号、同第4,186,067号、同第4,213,
600号等を参照でき、沈澱法としては、特開昭55-131141
号、特公昭54-27830号、米国特許第4,129,441号、RD第1
8,017号等を参照でき、金属置換法としては、特開昭55-
62133号、同55-161035号、特公昭54-2848号、同55-2805
8号、米国特許第4,110,109号、同第4,202,771号、RD第1
8,140号等を参照でき、吸着法としては、特開昭54-1949
6号、同55-161034号、米国特許第4,157,730号、同第4,2
27,681号、同第4,228,013号、RD第19,425号等を参照で
きる。
【0033】本発明において用いてもよい沈澱法による
銀回収処理としては、(1)硫化銀沈澱法、(2)放射線、
交流による硫化法、(3)殺菌沈澱法、(4)沈澱銀回収法
等のいずれでもよく、上記(1)の技術としては特開昭51
-111765号、同52-73033号、同53-76029号、米国特許第
3,832,453号等を参照でき、上記(2)の技術としては特
開昭52-49984号、米国特許第4,088,552号、同第4,129,4
41号、RD第18,017号等を参照でき、上記(3)の技術とし
ては特開昭53-59254号等を参照でき、上記(4)の技術と
しては特開昭49-36161号、同49-54297号、同51-63431
号、米国特許第3,829,549号等を参照できる。
【0034】本発明において用いてもよい置換法又は還
元法による銀回収処理としては、(1)金属置換法、(2)
イオン交換法等のいずれでもよく、上記(1)の技術とし
ては特開昭48-44124号、同49-31153号、同50-18318号、
特公昭54-2848号、米国特許第4,008,077号、仏国特許第
2,106,962号等を参照でき、上記(2)の技術としては特
開昭49-70823号、同51-17114号、米国特許第2,445,282
号、同第2,468,471号、同第2,497,054号、同第3,817,74
5号等を参照できる。
【0035】更に還元剤・鉄化合物に関する技術として
は特開昭48-22031号、特公昭51-24822号、西独特許第1,
353,805号、米国特許第3,082,079号、同第4,035,181
号、同第4,038,080号、仏国特許第2,216,232号等を参照
できる。
【0036】本発明において用いてもよい銀回収処理技
術は上記に限定されず、(1)活性汚泥による銀回収処理
(特公昭52-10839号参照)、(2)過ヨウ素酸金属塩によ
る銀回収処理 (米国特許第4,078,983号参照)、(3)[Co
(NH3)4]Cl3による銀回収処理(RD第16,437号参照) 等の
その他の銀回収処理技術を用いてもよい。
【0037】本発明において用いてもよい銀回収処理技
術は、電気分解法 (仏国特許第2,299,667号記載)、沈澱
法 (特開昭52-73037号、独国特許第2,331,220号記載)、
イオン交換法 (特開昭51-17114号、独国特許第2,548,23
7号記載)、及び金属置換法 (英国特許第1,353,805号記
載) 等がある。
【0038】後記実施例に示すように、各写真処理槽C
D、BF、Sbに写真処理廃液中の成分に相違が有るため、
全ての写真処理廃液を一括して銀回収処理せず、各写真
処理槽毎に、若しくは2又は3以上の群に分け、銀錯塩
を含む写真処理廃液のみ銀回収処理してもよく、発色現
像槽CDの廃液と、漂白定着槽BF及び水洗代替安定槽Sbの
廃液とを分け後者の漂白定着槽BF及び水洗代替安定槽Sb
の廃液のみ銀回収手段80によって銀回収処理し、前者の
発色現像槽CDの廃液と共にストックタンク30へ入れても
よい。更に銀回収後の蒸発濃縮ないし乾固処理について
も別々に処理し、前者の発色現像槽CDからの蒸留水を発
色現像槽CDに用い、後者の漂白定着槽BF及び水洗代替安
定槽Sbからの蒸留水を漂白定着槽BF及び/又は水洗代替
安定槽Sbに用いてもよい(図2参照)。
【0039】以下本発明について詳述する。
【0040】先ず、図1記載の本発明において使用して
もよい冷却処理手段60について説明する。
【0041】写真処理廃液の蒸発によって生じる蒸気を
冷却するにはあらゆる種類の熱交換手段を採用でき、 (1)シェルアンドチューブ型(多管型、套管型) (2)二重管型 (3)コイル型 (4)らせん型 (5)プレート型 (6)フィンチューブ型 (7)トロンボーン型 (8)空冷型 のいずれの構成であってもよい。
【0042】熱交換型リボイラー技術を用いることもで
き、 (1)垂直サーモサイフォン型 (2)水平サーモサイフォン型 (3)溢流管束型 (ケトル型) (4)強制循環型 (5)内挿型 等を採用してもよい。
【0043】更にコンデンサー型式の熱交換技術を採用
してもよく、 (1)ダイレクトコンデンサー形式 (2)塔内蔵形式 (3)塔頂部設置式 (4)分離形式 等のいずれであってもよい。
【0044】また、クーラーを用いることも可能であ
り、クーラーの型式も任意である。
【0045】空冷式熱交換器の採用も有利であり、 (1)押込通風式 (2)吹込通風式 のいずれであってもよい。
【0046】以下、本発明において使用してもよい冷却
処理手段60の具体例を説明する。
【0047】(1)図3に示す如く、多数の空冷用フィン
61を有する放熱板装置62に、写真処理廃液Pを蒸発処理
することによって生じる蒸気Qを通す構成。
【0048】(2)図4に示す如く、ストックタンク30中
の写真処理廃液Pとの間で熱交換を行うコイル63等のク
ーリング部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理することに
よって生じる蒸気Qを通す構成。
【0049】(3)図5に示す如く、複数のストックタン
ク30、31中の写真処理廃液Pとの間で熱交換を行う多段
コイル64等のクーリング部66に、写真処理廃液Pを蒸発
処理することによって生じる蒸気Qを通す構成。
【0050】(4)図6に示す如く、写真処理廃液Pを散
布部材65から散布するコイル63(又は64)等のクーリン
グ部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって
生じる蒸気Qを通す構成。
【0051】(5)図7に示す如く、扇風機等の送風手段
67によって風を当てるコイル63(又は64)等のクーリン
グ部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって
生じる蒸気Qを通す構成。
【0052】(6)図8に示す如く、発色現像槽CD、漂白
定着槽BF、水洗代替安定槽Sb、これら各槽CD、BF、Sbの
少なくとも1つの槽に用いられる写真処理液ないし補充
液槽Sの1又は2以上の液体との間で熱交換を行うコイ
ル63等のクーリング部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理
することによって生じる蒸気Qを通す構成。
【0053】(7)図9に示す如く、多数のガラス玉等か
らなる熱交換粒子68を内蔵した熱交換器69に写真処理廃
液Pを蒸発処理することによって生じる蒸気Qを通す構
成。
【0054】(8)その他、邪魔板を用いる冷却手段につ
いては例えば特開昭53-125600号に記載のような邪魔板
の間に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって生
じる蒸気Qを通す構成。
【0055】本発明ではこれら(1)〜(8)その他の熱交
換冷却処理手段を1又は2以上組合せ用いてもよい。
【0056】写真処理廃液を加熱して蒸留する際に用い
るガス吸着処理が脱硫処理である場合、該脱硫処理は乾
式脱硫であっても湿式脱硫であってもよい。前者の乾式
脱硫としては、酸化鉄法やソーダ・鉄法及び活性炭、シ
リカゲル、モレキュラーシーブ等を用いる接触吸着ない
し酸化脱硫法等の各種の脱硫法が用いられることができ
るし、他方、後者の場合の湿式脱硫法としては、非再生
法でも、再生法でも構わない。例えばアルカリ性溶液に
吸収させる方法、硫化水素の還元性を利用する方法、硫
化水素の化合物を作らせる方法等のいずれでもよく、操
作法についても、シーボード法、サイクロックス法、バ
キュームカーボネート法及びガーボトル法等のいずれの
方法を採用してもよい。
【0057】本発明において用いてもよいガス吸着処理
は上記脱硫処理に限らず、アンモニアガスやイオウガス
の除去を目的として、ゼオライト吸着処理、活性炭処理
等を実施してもよい。
【0058】本発明において使用してもよい、フィルタ
ー、吸着剤等によるガス吸着手段50及び蒸気の冷却手段
60を含む蒸留水Rの再利用手段を付加した参考例とす
る。
【0059】図中、ガス吸着手段50は、写真処理廃液の
蒸気中に含まれる硫化水素、硫黄酸化物ないしアンモニ
アガス(H2S、SO2、NH3等)等の有害なガスを前述のゼオ
ライト吸着剤、活性炭等の各種の脱硫・吸着技術を利用
して分離回収してもよい。
【0060】写真処理廃液の濃縮液を担体に吸収させて
固形化処理して回収してもよい。
【0061】この担体として吸液性樹脂や固化剤が考え
られる。
【0062】本発明において用いてもよい担体は、写真
処理廃液の濃縮液を吸収できるもので、該吸液済み吸液
性担体を持っても液垂れしないものでもよく、いわゆる
吸液性樹脂が用いられてもよい。
【0063】該吸液性樹脂としては、例えば以下に挙げ
るものを使用することができる。
【0064】種子多糖類、海藻多糖類、樹脂多糖類、果
実多糖類、根茎多糖類。
【0065】更にまた、ザンサンガム、ザンフロー、ガ
ードラン、サクシノグルカン、シゾフィラン、プルラ
ン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、シェラック等。
【0066】澱粉誘導体、グァーガム、ローカストビー
ンガムの誘導体、セルロース誘導体、アルギン酸誘導
体、ビニル系化合物、アクリル系化合物。
【0067】その他、ポリエチレンオキサイド等。
【0068】次に、本発明において用いてもよい高吸液
性樹脂の例を挙げる。
【0069】(A)グラフト化でんぷん系 (A−1)でんぷん-アクリロニトリルグラフト重合体 (A−2)でんぷん-アクリル酸グラフト重合体 上記(A−1)は特開昭49-43395号及び米国特許第4,134,
863号に記載の方法によって製造することができ、上記
(A−2)は特公昭53-46199号に記載の方法によって製造
することができる。
【0070】(B)アクリル酸系 (B−1)ポリアクリル酸ソーダ系 (B−2)ビニルアルコール-アクリル酸共重合系 上記(B−2)は自然乾燥及び/または強制乾燥で繰り返
し使用することもできる。
【0071】(C)下記(I)又は(II)で示される構造式を
もった繰り返し単位を有する重合体、更に好ましくは
(I)及び/又は(II)を10〜70重量%有し、他のエチレン
系不飽和単量体と共重合してなる重合体。
【0072】
【化1】
【0073】式中Rは水素原子、メチル基又はハロゲン
原子であり、Zはオキシ基又はイミノ基であり、nは0
又は1であり、R1は1〜6個の炭素原子を有するアル
キレン基(置換アルキレン基も含む)、5〜6個の炭素
原子を有するシクロアルキレン基又はアリーレン基、ア
リーレンアルキレン基もしくはアリーレンビスアルキレ
ン基であり、ここで前記アルキレン部分は1〜6個の炭
素原子を有しかつ前記アリーレン部分(置換されていて
もよい)は6〜10個の炭素原子を有し、そして例えば
【0074】
【化2】
【0075】(式中のR5は1〜4個の炭素原子を有す
るアルキル基である)のような親水性極性基で置換され
たアリーレンを含み、R2, R3及びR4は各々水素原子
もしくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であ
り、又はNと一緒になって、任意に硫黄又は酸素原子を
含有することもできる複素環基を形成し、Mは水素原
子、可溶性カチオン又は6個以下の炭素原子をもったア
ルキル基を有する第4アンモニウムカチオンを包含する
アンモニウム基であり、そしてXは、酸アニオンであ
る。
【0076】Rのハロゲン置換基は臭素又は塩素である
ことができ、R1の1〜6個の炭素原子を有するアルキ
レン基はヒドロキシル基で置換されていてもよく、R1
のアリーレンアルキレン基はフェニレンメチレン基、フ
ェニレンエチレン基、フェニレンポロピレン基及びフェ
ニレンブチレン基を包含し、そしてR1のアリーレンビ
スアルキル基はフェニレンジメチレン基を包含する。
【0077】Mの可溶性カチオンにはナトリウム及びカ
リウムがある。
【0078】R2, R3及びR4、そしてこれらが結合し
たN原子から形成される複素環基にはピリジニウム、イ
ミダゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム及びモル
ホリウムがある。
【0079】Xの酸アニオンには、塩化物、臭化物、酢
酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、
エタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩及び
過塩素酸塩がある。
【0080】前記(I)の単量体及び/又は前記(II)の単
量体と共重合させるエチレン系不飽和単重体は、好まし
くは架橋結合可能な基を有する1種類もしくはそれ以上
の単量体、例えば2-ヒドロキシエチルメタクリレート、
2-ヒドロキシエチルアクリレート及び活性メチレン基含
有単量体からなる。このタイプの重合された共重合性エ
チレン系不飽和単量体は、例えば、米国特許第3,459,79
0号、同第3,488,708号、同第3,554,987号、同第3,658,8
78号、同第3,929,482号及び同第3,939,130号に記載され
ている。
【0081】上記において使用するのに好ましい重合体
は、10〜70重量%の、以下に列挙する1種類もしくはそ
れ以上の単量体から誘導されるか又はこれらの繰り返し
単位を有する:2-アミノエチルメタクリレートヒドロク
ロリド、N-(2-メタクリロイルオキシエチル)-N,N,N-ト
リメチルアンモニウムクロリド、N-(2-メタクリロイル
オキシエチル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムメトサル
フェート、ナトリウム2-メタクリロイルオキシエチル-1
-スルホネート、及び2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルメ
タクリレートヒドロクロリド。
【0082】前記構造式(I)に一致する酸附加塩は、そ
れを塩基で中和した場合、遊離アミンに転化することが
できる。
【0083】上記重合体は、常法に従って、適当な単量
体を水溶液中で重合反応させることによって調製するこ
とができる。
【0084】前記構造式(I)の単量体は、アール.エッ
チ.ヨーカム(R.H.Yocum)及びイー・ビー・ニクイスト
(E.B.Nyquist)編、“ファンクショナル モノマーズ"(Fu
nctional Monomers),マルセル デッカー(Marcel Dekke
r),Inc.,New York(1974)及び米国特許第2,780,604号
に記載の手法によって調製することができる。前記構造
式(II)の単量体は、米国特許第3,024,221号及び同第3,5
06,707号に記載の手法によって調製することができる。
【0085】場合によって、この重合体は、(a)アミン
基を有する重合体をアルキル化剤で4級化するか、さも
なければ、(b)アミンをそのアミンとの反応性をもった
基、例えば活性ハロゲン基を有する重合体と反応させる
ことによって調製することができる。このような技法は
この技術分野において公知であり、そして米国特許第3,
488,706号、同第3,709,690号、カナダ特許第601,958号
等に記載されている。
【0086】以上に挙げた樹脂は市販品としても入手で
きる。該市販品としては、例えばスミカゲルN-100、ス
ミカゲルSP-520、スミカゲルS-50、スミカゲルNP-102
0、スミカゲルF-03、スミカゲルF-51、スミカゲルF-
75、スミカゲルR-30(以上トレードネーム、住友化学
工業社製)、サンウエットIM-300、サンウエットIM-100
0(以上トレードネーム、三洋化成社製)、アクアキー
プIOSH-P(トレードネーム、製鉄化学社製)、ランジー
ルF(トレードネーム、日本エクスラン社製)等があげ
られる。
【0087】本発明において用いてもよい吸液性樹脂
は、その形状が液を吸収し易いものが好ましく、粉末状
ないし直径0.01〜3mm程度の粒状のものが取扱いのうえ
で有利に用いることができる。
【0088】又本発明において用いてもよい担体として
用いられる固化剤は、写真処理廃液の濃縮液を固化でき
るものであればよく、その際化学反応を伴なってもよい
し、伴なわなくてもよい。本発明において用いてもよい
固化剤としては、例えばCaO、Ca(OH)2、CaCO3、シリカ
ゲル、塩化カルシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、粒状ソーダ石
灰、五酸化二リン等が好ましく用いられる。
【0089】本発明は、後記実施例に示すように、図1
において、処理室42を処理すべき写真処理廃液ないし処
理済みの濃縮液を溜めるように構成し、金属ないし陶磁
器・合成樹脂等により中釜ないし中敷44を形成したり、
バグフィルターないしパック等の分離手段を用い、処理
済みの濃縮液を、固形化し中釜ないし中敷44ごと又はバ
グフィルターないしパックごと取り出し廃棄ないし処理
するようにしてもよい。前記した中釜ないし中敷44を利
用するものの他、排出手段43としては、回転スクリュウ
・ポンプを利用した公知の排出装置や処理室42の底部か
らバルブを介して写真処理廃液の濃縮液を前記吸液性樹
脂、固化剤、乾燥剤の1又は2以上を有する容器中に自
然落下させ、固形化させるもの等様々に設計することも
できる。
【0090】なお、中敷44ないしパックとしては耐熱、
耐薬品性の素材、例えば炭素繊維、アラミド繊維、テフ
ロン樹脂繊維、麻、ガラス繊維、ポリエチレンフォー
ム、ポリプロピレンフォーム等が挙げられる。
【0091】次に、本発明において使用してもよい写真
処理廃液の処理方法において、蒸発によって生じる蒸気
から蒸留水を得、該蒸留水を写真処理液に用いることに
ついて以下に述べる。
【0092】蒸留水を写真処理液に用いるには、(1)蒸
留水に対し下記(A)〜(I)から選ばれる少なくとも1つ
の2次処理を行ってよく、即ち、(A)活性炭処理、(B)
紫外線照射処理、(C)逆浸透処理、(D)酸化剤処理、
(E)電解酸化処理、(F)エアレーション処理、(G)電気
透析処理、(H)再蒸留処理、(I)イオン交換樹脂処理を
行うこと、(2)蒸留水を写真処理液の溶解水として用い
ること、(3)蒸留と共にガス吸着処理を行うこと、好ま
しくは、脱硫処理、ゼオライト吸着処理、活性炭処理の
1又は2以上の併用処理することである。
【0093】また、本発明は、自動現像機の写真処理槽
からオーバーフローする写真処理廃液をストックタンク
に溜め、その量及び/又は処理手段内の写真処理廃液量
を検知して得られた写真処理廃液情報に従い、写真処理
廃液をストックタンクから処理手段に供給し、加熱手段
により蒸発させ写真処理廃液を濃縮ないし乾固し、その
蒸気は冷却して蒸留水として写真処理工程で再利用して
もよい。
【0094】本発明において用いてもよい前記活性炭処
理に用いる活性炭は、ベンジルアルコール、アンモニウ
ム化合物、イオウ化合物の少なくとも1つの物質に吸着
能力のあるいかなる活性炭でもよい。
【0095】本発明において用いてもよい活性炭は、原
料及び活性化の方法の如何を問わず、また粉末、粒状い
ずれの活性炭でも使用でき、好ましくは粒状活性炭であ
り、特に好ましくは椰子殻活性炭と分子篩能を持つ活性
炭である。ここで分子篩能を持つ活性炭とはスリット状
の細孔を持つものであり、その細孔の大きさは6A以
上、巾15A以下が望ましい。かかる分子篩能を持つ活性
炭については、特開昭58-14831号公報の記載内容を参照
することができる。
【0096】本発明の写真処理廃液から得られる蒸留水
は吸着処理しても良く、用いる吸着性物質としては、前
記活性炭の他、次のような物質を用いることもできる。
【0097】(1)粘土物質 (2)ポリアミド系高分子化合物 (3)ポリウレタン系高分子化合物 (4)フェノール樹脂 (5)エポキシ樹脂 (6)ヒドラジド基を有する高分子化合物 (7)ポリテトラフルオロエチレンを含有する高分子化合
物 (8)1価又は多価アルコールメタクリル酸モノエステル
-多価アルコールメタクリル酸 (9)ポリエステル共重合体 これら(1)〜(9)の物質の詳細については、特願昭59-1
24639号(特に第62〜66頁)の記載内容を参照できる。
【0098】本発明の写真処理廃液から得られる蒸留水
は紫外線照射処理されてもよく、使用される紫外線は一
般に市販されている紫外線ランプ又は紫外線照射装置や
ハロゲンランプ等によって得ることができるが特に限定
されるものではない。この紫外線ランプ等の出力は、出
力5W〜1KWのものが知られているが、これに限定され
るものではない。また本発明において使用してもよい紫
外線ランプから、190nm〜400nmの範囲をはずれる波長の
電磁波及び光が発生し、写真処理廃液から得られた蒸留
水に照射されてもよい。また赤外線等の併用を行っても
よい。
【0099】本発明において用いてもよい紫外線ランプ
等は、2重管とすることもできる。
【0100】前記の紫外線照射するとは、紫外線ランプ
等を用いて写真処理廃液から得られた蒸留水に紫外線照
射することを意味し、これらの紫外線照射は該蒸留水に
対して連続的に行われてもよいし、必要に応じて間欠的
に行われてもよい。
【0101】また前記の逆浸透処理においては、各種の
逆浸透膜、逆浸透膜を用いた脱塩・濃縮方法及び装置が
制限なく利用できる。逆浸透膜としては、酢酸セルロー
ス、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリサ
ルフォンが好ましく、特に酢酸セルロースが好ましく用
いられる。
【0102】逆浸透装置は、40Kg/cm2〜55Kg/cm2の圧
力で運転されることが、分離性能、処理能力の点から好
ましい。
【0103】本発明において用いてもよい酸化剤処理に
使用する酸化剤は、金属、非金属の酸化物、酸化物酸素
酸及びその塩、過酸化物、有機の酸素を含む化合物等が
これに属する。酸化物として過酸化窒素NOx、無水クロ
ム酸CrO3、二酸化セレンSeO2、二酸化マンガンMnO2、二
酸化鉛PbO2、四酸化オスミウムOsO4、酸化銀Ag2O、酸化銅
CuO、酸化水銀HgO等が挙げられる。酸素酸としては熱濃
硫酸H2SO4、亜硝酸HNO2、硝酸等HNO3が挙げられる。塩
としては次亜塩素酸ナトリウムNaOCl、さらし粉CaOC
l2、重クロム酸カリウムK2Cr2O7、クロム酸カリウムK2C
r2O4、過マンガン酸カリウムKMnO4、塩素酸カリウムKCl
O3、過塩素酸カリウムKClO4等が挙げられる。過酸化物
としては過酸化水素H2O2、過酸化ナトリウムNa2O2、過酸
化ベンゾイル(C6H5COO)2等が代表的なものである。2種
以上の原子価をとりうる物質、例えば3価の鉄イオンFe
3+、2価の銅イオンCu2+、四酢酸鉛Pb(CH3CO2)4等も挙
げられる。その他フェントン試薬(Fe+++H2O2)、脱水素
触媒(Pt、Se、Zn)等も酸化剤として用いることもでき
る。
【0104】本発明において用いてもよい電解酸化処理
とは、電解によって陽極で物質を酸化する方法であり、
陽イオンの陽電荷の増加、陰イオンの陰電荷の減少、陰
イオンの重合、原子団中の酸素原子の増加及び水素原子
の減少のいずれの方式のものでもよく、かかる電解酸化
が酸化剤による酸化に比べてすぐれている点は、非常に
強い酸化が行いうるということ、副生成物が少ないとい
うことである。
【0105】本発明において用いてもよいエアレーショ
ン処理とは、写真処理廃液の蒸留水中にエアー送風する
ことによって酸化促進することであり、ディストリビュ
ーター等を用いてエアー泡をより細かくすることが好ま
しく、これによってバブリング効果の向上を図り、有機
溶媒等の除去効率を高めることができる。
【0106】本発明において用いてもよい電気透析処理
とは、電気透析槽の陰極と陽極の間が隔膜で仕切られ、
仕切られた室に写真処理廃液の蒸留水を入れ電極に直流
を通じることである。
【0107】好ましくは隔膜がイオン交換膜であること
であり、更に好ましくは陰極と陽極の間が陰イオン交換
膜と陽イオン交換膜とにより仕切られて、陰極室、複数
の濃縮室(陰極側が陰イオン交換膜、陽極側が陽イオン
交換膜で仕切られた室)、複数の脱塩室(陰極側が陽イオ
ン交換膜、陽極側が陰イオン交換膜で仕切られた室)及
び陽極室とからなることである。写真処理廃液の蒸留水
は脱塩室へ入れるが、濃縮室へ入れてもよい。濃縮室、
陽極室に入れる電解質溶液は別に限定されるものではな
く、例えば亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナ
トリウム、硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム等の0.1
〜2Nの溶液を好ましく用いることができる。このとき、
定着能を有する処理液(漂白定着液又は定着液)又はその
廃液を濃縮室、陽極室に入れる電解質溶液として用いる
と、電解質溶液を必要とせず、非常に好ましい。
【0108】本発明において用いてもよい再蒸留処理と
は、写真処理廃液から得られる濃縮液に対して蒸留処理
することをいい、所謂精留操作の1つである。回分蒸留
(単蒸留、回分精留を含む)でも連続蒸留でもよく、連続
精留に対する連続平衡蒸留法も採用できる。再蒸留処理
によって純水(水以外の留分の著しく少ないもの)を得る
ことは写真処理液に有効に水分を供給できる。また共沸
蒸留及び抽出蒸留において適当な分離剤を用いることが
有利である。本発明においては、所謂水蒸気蒸留によっ
ても2次処理効果が得られる。なお操作圧についても高
圧蒸留、常圧蒸留、真空蒸留及び分子蒸留のいずれであ
ってもよい。
【0109】本発明において用いてもよいイオン交換樹
脂処理とは、各種のイオン交換樹脂と写真処理廃液とを
接触させることによって行うことができ、イオン交換樹
脂としては三次元に重縮合した高分子基体に官能基を結
合したもので、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂、
キレート樹脂、吸着樹脂等がある。
【0110】上記イオン交換樹脂の化学構造例や用法に
ついては、特願昭59-124639号(特に第54〜57頁)の記載
内容を参照できる。
【0111】次に、本発明による処理を行うことができ
る写真処理廃液の代表例について詳述する。但し、以下
には処理される写真材料がカラー用である場合の写真処
理液について主に述べるが、写真処理廃液はこれら写真
処理液を用いてハロゲン化銀カラー写真材料を処理する
際に出るオーバーフロー液がほとんどである。
【0112】発色現像液は発色現像処理工程(カラー色
画像を形成する工程であり、具体的には発色現像主薬の
酸化体とカラーカプラーとのカップリング反応によって
カラー色画像を形成する工程)に用いる処理液であり、
従って、発色現像処理工程においては通常発色現像液中
に発色現像主薬を含有させることが必要であるが、カラ
ー写真材料中に発色現像主薬を内蔵させ、発色現像主薬
を含有させた発色現像液又はアルカリ液(アクチベータ
ー液)で処理することも含まれる。発色現像液に含まれ
る発色現像主薬は芳香族第1級アミン発色現像主薬であ
り、アミノフェノール系及びp-フェニレジンアミン系誘
導体が含まれる。
【0113】上記アミノフェノール系現像剤としては例
えば、o-アミノフェノール、p-アミノフェノール、5-ア
ミノ-2-オキシ-トルエン、2-アミノ-3-オキシ-トルエ
ン、2-オキシ-3-アミノ-1,4-ジメチル-ベンゼンが含ま
れる。
【0114】発色現像液は、現像液に通常用いられるア
ルカリ剤を含むことがあり、更に種々の添加剤、例えば
ベンジルアルコール、ハロゲン化アルカリ金属あるいは
現像調節剤保恒剤含有することもある。さらに各種消泡
剤や界面活性剤を、またメタノール、ジメチルホルムア
ミドまたはジメチルスルホキシド等の有機溶剤等を適宜
含有することもある。また、発色現像液には必要に応じ
て酸化防止剤が含有されてもよい。更に発色現像液中に
は、金属イオン封鎖剤として、種々なるキレート剤が併
用されてもよい。
【0115】漂白定着液は漂白定着工程(現像によって
生成した金属銀を酸化してハロゲン化銀に代え、次いで
水溶性の錯体を形成すると共に発色剤の未発色部を発色
させる工程)に用いられる処理液であり、該漂白定着液
に使用される漂白剤はその種類を問わない。
【0116】なお、漂白定着液には各種pH緩衝剤を単
独あるいは2種以上組合わせて含有することがある。さ
らにまた、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性
剤を含有することがある。また重亜硫酸付加物等の保恒
剤、アミノポリカルボン酸等の有機キレート化剤あるい
はニトロアルコール、硝酸類等の安定剤、有機溶媒等を
適宜含有することもある。更には、漂白定着液は、特開
昭46-280号、特公昭45-8506号、同46-556号、ベルギー
特許第770,910号、特公昭45-8836号、同53-9854号、特
開昭54-71634号及び同49-42349号等に記載されている種
々の漂白促進剤を添加することがある。
【0117】本発明において水洗代替安定化処理と組合
せてもよい。
【0118】安定液にはカラー画像を安定化させる機能
の処理と水洗ムラ等の汚染を防止する水切り浴的機能の
安定液もある。他にはカラー画像を着色する着色調整液
や、帯電防止剤を含んだ帯電防止液もこれらの安定液に
含まれる。安定液には前浴から漂白定着成分が持ち込ま
れるときには、これらを中和化、脱塩及び不活性化し色
素の保存性を劣化させない工夫がされる。
【0119】このような安定液に含まれる成分としては
鉄イオンとのキレート安定度定数が6以上(特に好まし
くは8以上)であるキレート剤がある。これらのキレー
ト剤は、有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キレー
ト剤、ポリヒドロキシ化合物、無機リン酸キレート剤等
があり、本発明の効果のために特に好ましくはジエチレ
ントリアミン五酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジ
ホスホン酸やこれらの塩である。これらの化合物は一般
に安定液1lについて約0.1g〜10gの濃度、更に好ま
しくは、安定液1lについて約0.5g〜5gの濃度で使
用される。
【0120】安定液に添加される化合物としては、アン
モニウム化合物がある。これらは各種の無機化合物のア
ンモニウム塩によって供給されるが、具体的には水酸化
アンモニウム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、リン酸ア
ンモニウム、亜リン酸アンモニウム、フッ化アンモニウ
ム、酸性フッ化アンモニウム、フルオロホウ酸アンモニ
ウム、ヒ酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、フッ
化水素アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アン
モニウム、ヨウ化アンモニウム、硝酸アンモニウム、五
ホウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、アジピン酸ア
ンモニウム、ラウリルトリカルボン酸アンモニウム、安
息香酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、クエ
ン酸アンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモ
ニウム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸水素アンモニウ
ム、シュウ酸水素アンモニウム、フタル酸水素アンモニ
ウム、酒石酸水素アンモニウム、乳酸アンモニウム、リ
ンゴ酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウム、シュウ
酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、ピクリン酸ア
ンモニウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウ
ム、サルチル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、
スルファニル酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、チ
オグリコール酸アンモニウム、2,4,6-トリニトロフェノ
ールアンモニウム等である。これらのアンモニウム化合
物の添加量は安定液1l当り0.05〜100gの範囲で使用
され、好ましくは0.1〜20gの範囲で用いられる。
【0121】安定液に添加される化合物としては、pH
調整剤、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オ
ン、2-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンツ
イソチアゾリン-3-オンの他特願昭59-146325号(第26〜3
0頁)記載の防バイ剤、水溶性金属塩等の保恒剤、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピ
ロリドン(PVP K-15、ルビスコールK-17等)等の分散剤、
ホルマリン等の硬膜剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
【0122】前記防バイ剤を含有した水洗代替安定液を
用いる際は蒸発処理装置内にタールの発生が少ない。
【0123】処理される感光材料がネガ用である場合、
該ネガ用安定液には写真画像保存性改良のため、アルデ
ヒド誘導体が添加されることがある。
【0124】前記ネガ用安定液には必要に応じて各種の
添加剤、例えば、水滴ムラ防止剤、pH調整剤、硬膜
剤、有機溶媒、調湿剤、その他色調剤等処理効果を改
善、拡張するための添加剤が加えられることがある。
【0125】本発明において水洗代替安定液を用いて行
ってもよい水洗代替安定化処理とは通常の多量の流水を
使用して写真感光材料中に付着あるいは浸透した前段階
の処理液を洗い流す処理ではなく、安定浴中に写真感光
材料の単位面積当りわずか30ml/m2〜9000ml/m2、より
好ましくは60ml/m2〜3000ml/m2l補充をすることによ
って上記と同等以上の作用を有するものであり具体的に
は特開昭58-134636号等に記載のような画像安定化処理
をさす。
【0126】従って水洗代替安定液を使用した場合には
従来のように水流のための自現機の外部へ給排管の設備
を必要としない。
【0127】またカラーペーパー用発色現像液や安定液
でスチルベン系蛍光増白剤を用いることがある。
【0128】前記発色現像液の廃液に含まれる成分は、
前記各種成分ないし添加剤及び処理される写真材料から
溶出し蓄積する成分等である。
【0129】前記漂白定着液及び安定液の廃液に含まれ
る成分は、前記各種成分ないし添加剤及び処理される写
真材料から溶出し蓄積する成分等である。
【0130】次に、添付図面に従って、本発明の写真処
理廃液の蒸発処理装置の一例を説明する。
【0131】A自動現像機 本発明が適用される自動現像機は図1において符号10で
指示されており、図示のものはロール状の写真感光材料
Fを、発色現像槽CD、漂白定着槽BF、水洗代替安定槽Sb
に連続的に案内して写真処理し、乾燥D後、巻き取る方
式のものである(図示しないが、自動現像機としては、
ショートリーダーに写真感光材料を案内させる発色現像
槽CD、漂白槽BL、定着槽FIX、水洗代替安定槽Sb、第2
安定槽を有する態様等種々のものがあるが代表例として
図示のものが挙げられる)。
【0132】11は補充液タンクであり後に詳記するセン
サー21により写真感光材料Fの写真処理量を検知し、そ
の検出情報に従い制御装置20により各処理槽に補充液の
補充が行われる。
【0133】なお、写真処理の方式、写真処理槽の構
成、補充液の補充方法は、上記に限定されるものではな
く、例えば特開昭58-14834号、同58-34448号、同57-132
146号及び同58-18631号、同60-263941号、同61-2153号
等に示される所謂無水洗方式のものを含めて、他の方式
ないし構成のものに対しても本発明の適用が可能であ
る。
【0134】尚本発明の写真処理廃液の処理装置は自動
現像機に装備されていてもよいが、多量の写真処理廃液
を一括して処理する場合には本発明に係る写真処理廃液
の処理装置(図10)で処理することが好ましい。
【0135】図10における説明は本願明細書中の自動現
像機のものと本質的に変わらないので、以下で同時に説
明する。
【0136】B写真処理廃液の回収及び銀回収 各処理槽に対し補充液の補充が行われると、オーバーフ
ロー廃液として処理槽から排出されストックタンク30に
集められる。この際発色現像槽CDの廃液は本発明の銀回
収処理技術による銀回収手段80を通すことなく、ストッ
クタンク30に入れられるが、漂白定着槽BF及び水洗代替
安定槽Sbの廃液は本発明の銀回収処理技術による銀回収
手段80によって銀回収処理された後、ストックタンク30
に入れられる。なお、図示の自動現像機においては、補
充液の補充により処理槽の上部からオーバーフローした
分が写真処理廃液として処理の対象となる。
【0137】銀回収手段80やストックタンク30を複数個
設けること、処理手段40を複数個設け、その1ないし2
以上をストックタンクとして利用すること(例えば、交
互にストックタンクと処理手段として使い分ける)等も
本発明に包含される。ストックタンク30を用い、一定量
を1度に処理するようにすれば、濃縮ないし乾固させた
写真処理廃液を均一化でき、ストックタンク30は写真処
理槽から処理手段へのバッファーとして有用である。
【0138】オーバーフローした写真処理廃液を銀回収
手段やストックタンク30に移す手段としては、案内管を
通して自然落下させるのが簡易の方法であるが、途中に
熱交換手段を配置して写真処理廃液の保有している熱エ
ネルギーを採取したり、或は、自動現像機若しくは後述
する蒸発処理装置の熱エネルギーを利用して銀回収手段
80やストックタンク30に集められる以前に写真処理廃液
を予備加熱、若しくは水分を蒸発させる手段を設けても
よいし、また、ポンプ23等より強制移送する場合もあり
得る。
【0139】また各写真処理槽CD、BF、Sbに写真処理廃
液中の成分に相違が有るため、全ての写真処理廃液を一
括処理せず、各写真処理槽毎に、若しくは2又は3以上
の群に分けられた処理槽の廃液毎にストックタンク30を
用意して別々に処理する場合も含まれる。特に、銀の回
収の点から発色現像槽CDの廃液と漂白定着槽BF及び水洗
代替安定槽Sbの廃液とを分けると有利である。
【0140】また、既存の自動現像機等にある廃液タン
クに配管しポンプにより廃液をストックタンクへ強制移
送してもよい。更に、自動現像機の廃液タンク自体をス
トックタンクとして利用することができる。この場合、
該ストックタンクの重量を検知してポンプを作動し配管
にて廃液を強制移送することが好ましい。廃液タンクに
フロートを浮かせて一定以上の液面を検知してポンプを
作動させることも既存の自動現像機に設置が簡単であ
る。
【0141】C処理手段 処理手段40は加熱手段41、処理中若しくは処理済み写真
処理廃液(濃縮液)を溜める手段を含む処理室42、処理済
み写真処理廃液(濃縮液)を処理室42から排出する手段43
を包含している。
【0142】また、好ましくはフィルター、吸着剤等に
よるガス吸着手段50、51及び蒸気の冷却手段を含む蒸留
水の再利用60手段を付加した参考例としてもよい。
【0143】加熱手段41としては、熱源と加熱(蒸発)方
式があるが、本発明の適用にあたっては特定のものに限
定される理由は存在せず、電気・ガス・太陽熱等の実効
性のある熱源を1つ或は2以上組み合せ利用して写真処
理廃液を加熱し、該写真処理廃液を蒸発させて濃縮させ
るものを包含する。また処理室42に写真処理廃液を溜め
て全体を加熱するものから、例えば、オーバーヒートさ
せた金属板等の発熱体に写真処理廃液を落下ないし投下
(散布を含む)して蒸発させるもの及び定量ずつ熱源に供
給して連続的に処理するものまで様々に構成することが
可能であり、更に処理室42内に霧状に写真処理廃液を噴
霧し、加熱空気をあてて写真処理廃液を蒸発させるもの
であってもよい。なお、加熱空気を写真処理廃液中に投
入するものであってもよい。
【0144】また、噴霧するものは写真処理廃液を加熱
旋回気流に乗せてもよくスプレードライ装置を用いるこ
とができる。
【0145】加熱手段41の位置は、溜められた写真処理
廃液の上方、内部、或いは処理室42の外部等任意であ
る。
【0146】本発明において用いてもよい写真処理廃液
の蒸発方法において、特に加熱手段41がニクロム線等の
熱源内蔵石英管や電熱板の如く写真処理廃液に直接触れ
るものにおいては、写真処理廃液を濃縮ないし乾固させ
る過程で、写真処理廃液がその表面にこげ付いた状態に
固着して熱効率が著しく低下することが判明した。ま
た、熱源から熱を写真処理廃液に伝導する熱伝導部材に
も写真処理廃液の固着が生じやすく、更に、加熱に関係
しない部分でも、廃液ないし蒸気が直接触れると腐食が
生じやすいことが判明した。
【0147】そこで本発明者等は、種々実験を行ったと
ころ次の好ましい実施例を得た。
【0148】写真処理廃液ないし蒸気が直接熱源に接触
するものにおいては、その熱源に、図1に示す如く熱源
と写真処理廃液とが直接接触しないものにおいては、熱
伝導部分の表面に、例えば、テフロン加工(フッ素樹脂
のコーティング)する実施例を試みた。この実施例にお
いては、750Wニクロム線内蔵石英管2本を用い、その
上方に金属性の釜を設けて中に写真処理廃液を入れてそ
の金属の表面を写真処理廃液の固着防止手段44としてテ
フロン加工(フッ素樹脂のコーティング)したものを直接
に処理すべき写真処理廃液中に配置して写真処理廃液の
処理実験を行ったところ、廃液2lを1時間で0.5lに
濃縮することができ長期使用によっても濃縮廃液のター
ル物の固着現象は見られなかった。また、何等の加工処
理も行わないものにはタール物が固着し2回目以降の写
真廃液の濃縮に時間がかかり著しい熱効率の低下があっ
ただけでなく金属部分には腐食の進行が見られた。
【0149】またフッ素樹脂のコーティング以外のテフ
ロン加工手段、例えば、バインダータイプ、メッキタイ
プオイル混入タイプ、加熱処理タイプ常温湿布タイプの
それぞれについて実験を行ったところ、良好な結果が得
られた。
【0150】また、同様にして、「複合材料技術集成」
(1976年、産業技術センター刊、P213〜219)、「新材
料1984」(1984年、東レリサーチセンター刊、P287〜31
5)「複合材料」(1984年、東大出版会刊)に記載され
ている無機繊維を用いて実験を行ったところ、上記と同
様の結果が得られた。
【0151】図1に示す如く、中釜を利用するものにお
いては、その内側に、特に加熱手段41の熱を伝導する部
分に上記した写真処理廃液の固着防止手段を施するが、
腐食などによる機器の損傷を防止する点からいえば、処
理室の内部の機器全部に写真処理廃液の固着防止手段を
施すのが好ましい。
【0152】次に、図1において、処理室42の底部に熱
源としてニクロム線内蔵石英管を配置した加熱手段41を
設けその若干上部まで固着防止手段として例えばシリコ
ンオイルによる液体層44を形成して、その上に写真処理
廃液を溜めて加熱処理する実施例について実験したとこ
ろ、熱源に対する廃液の固着現象は見られず、テフロン
加工によったものと同様の良好な結果が得られた。
【0153】処理室42の構成は、前記した加熱手段41の
構成に対応して決められるが、好ましくは減圧雰囲気に
して、沸点を下げて水の蒸発を促進するのがよい。
【0154】処理室42を処理すべき写真処理廃液ないし
処理済みの濃縮液を溜めるように構成し、金属ないし陶
磁器・合成樹脂等により中釜ないし中敷44を形成した
り、バグフィルターないしパック等の分離手段を用い、
処理済みの濃縮液を、固形化し中釜ないし中敷44ごと又
はバグフィルターないしパックごと取り出し廃棄ないし
処理するようにしてもよい。前記した中釜ないし中敷44
を利用するものの外、排出手段43としては、回転スクリ
ュウ・ポンプを利用した公知の排出装置や処理室42の底
部からバルブを介して写真処理廃液の濃縮液を吸液性樹
脂、固化剤の1又は2以上を有する容器中に自然落下さ
せ、固形化させるもの等様々に設計することもできる。
【0155】なお、中敷44ないしパックとしては耐熱、
耐薬品性の素材、例えば炭素繊維、アラミド繊維、テフ
ロン樹脂繊維、麻、ガラス繊維、ポリエチレンフォー
ム、ポリプロピレンフォーム等が好ましい。
【0156】本発明の写真処理廃液の処理装置において
制御してもよい、制御は主として、 (1)銀回収手段80やストックタンク30及び31への写真処
理廃液の排出 (2)ストックタンク30から処理手段40への写真処理廃液
の供給 (3)処理手段40の作動 の各事項について以下順次説明する。
【0157】(1)銀回収手段80やストックタンク30への
写真処理廃液の排出 銀回収手段80やストックタンク30内の写真処理廃液の量
並びに温度はセンサー22により検出され、その情報は、
制御装置20の記憶部に逐次記憶されている。従って、銀
回収手段80やストックタンク30内の写真処理廃液が満杯
状態にあることが検出されると、新たに写真処理廃液が
排出されないように補充液の補充が禁止されるか、或は
補充液の補充指示情報に従って銀回収手段80やストック
タンク30から処理手段40へのポンプ23による緊急排出が
行われる。誤動作を防止するには、銀回収手段80やスト
ックタンク30の容量に余裕を持たせたり、或は複数の銀
回収手段80やストックタンク30ないし予備タンクを配備
しておくのが好ましい。また、写真処理廃液を一括処理
せず、写真処理廃液の種別に従って別々に処理する方式
のものにおいては、各銀回収手段80やストックタンク30
ごとに液量・温度等の検出が行われる。
【0158】なお、ストックタンク30内の写真処理廃液
の温度検出は、後述する処理手段40の作動制御、特に加
熱温度の制御のための写真処理廃液の情報である。
【0159】(2)ストックタンク30及び31から処理手段
40への写真処理廃液の供給:ストックタンク30・31から
廃液処理手段40への写真処理廃液の供給制御には、廃液
処理手段40が単一の場合と、複数の場合とがある。後者
の場合には更に、廃液処理手段40が複数用意されており
その内の1ないし2以上がストックタンクを兼用する場
合があり、このような場合、写真処理廃液は、上記した
ストックタンクへの排出と同様に、写真処理槽の廃液毎
に複数用意されている廃液処理手段40に区分されて排出
され、原則として投入された廃液処理手段40によって蒸
発処理される。
【0160】廃液処理手段40が単数の場合には、ストッ
クタンク30・31に区分けしてストックされている写真処
理廃液が混合しないように前液の処理が完了した後に別
の写真処理廃液を供給することにする。
【0161】ストックタンク30から処理手段40への写真
処理廃液の供給は、定量 (廃液処理手段40内に1度に貯
蔵できる量) ずつ1度に供給する方式と、定量ずつない
し可変量を連続的に供給する方式とがある。前者の場
合、センサー22によりストックタンク30内の写真処理廃
液の減少量及び又はセンサー24による処理手段40内の写
真処理廃液量の検出情報に従ってストックタンク30から
処理手段40への写真処理廃液の供給を制御する。なお、
この場合ストックタンク30から処理手段40への写真処理
廃液供給管に設けられた流量計による検出情報に従って
制御するようにしてもよい。
【0162】定量ずつないし可変量を連続的に供給する
方式の場合、供給する写真処理廃液の温度、処理手段40
の加熱手段41ないし処理室42の温度に従い供給する写真
処理廃液の量を調整する。また供給する写真処理廃液量
を常に一定とし、処理手段40内の写真処理廃液量をセン
サー24により検出してその量により加熱手段41、例えば
ヒーターによる加熱温度を上昇ないし下降すべく制御す
るか、又は加熱時間を増・減制御するようにしてもよ
い。
【0163】(3) 処理手段40の作動:処理手段40の作動
の制御は、前項においても記載したが、供給する写真処
理廃液の量と処理された写真処理廃液の量の差、或は、
残留している写真処理廃液の量ないし処理され濃縮され
た写真処理廃液の量に従って行われる。
【0164】なお、写真処理廃液を一定量ずつ1度に処
理手段40に供給する方式のものにおいては、供給される
写真処理廃液の温度と加熱手段41ないし処理室42の温度
とが検出されていれば処理時間を制御することにより処
理手段40の作動を制御することもできる。
【0165】なお、処理すべき写真処理廃液の供給と処
理手段の作動(加熱手段の制御、処理済廃液の排出)と
は、排出時作動停止、排出時加熱手段の低エネルギー作
動、供給時処理同時排出、等様々に設計可能である。
【0166】以上において、処理手段の写真処理廃液の
処理進行度は処理時間で制御する他、写真処理廃液の粘
度、処理室42内の写真処理廃液下限レベル、蒸気温度、
圧力、重量、電導率、濁度ないし透過率装置外部の温度
等を検出することによって制御され、写真処理廃液が一
定濃度に濃縮された段階で写真処理廃液処理手段40の作
動を停止ないし低エネルギー運転に切り換えるようにす
る。
【0167】また、以上の如く多様な事項によって写真
処理廃液の供給、処理(蒸発・濃縮)、排出が制御される
が、これに対応して時間、粘度、温度、圧力液面レベ
ル、濃度、電気抵抗、重量等を検出する様々なセンサー
24等が用いられ、かつセンサー24等の取付け位置も多様
である。
【0168】時間制御の場合、バッチ処理と連続投入処
理との場合では異なり、また供給される写真処理廃液温
度でも時間を異にする。
【0169】写真処理廃液の粘度を検出して処理進行度
を計るには、毛管粘度計等の各種の粘度計を用いる外例
えば、撹拌用プロペラないし棒にかかる負荷を検出する
か、或いは、排出手段にバースクリューを用いる場合に
は駆動モーターにかかる負荷によって粘度を検出する。
このように回転スクリューないしプロペラを利用して粘
度を検出するには、粘度の上昇に従って一定の回転負荷
の上昇ないし回転数の低減によって処理完了信号を発す
るようにしてもよい。
【0170】濃度の検出には、例えば、処理室の一定の
高さに発光器、反射板、受光器等を配置しておき光の透
過率(減衰率)や屈折率を計測する計測器が用いられる。
濃度の変化に伴なう電気抵抗の変化により検出すること
もできる。
【0171】処理室42内の蒸気温度は、図示しないが、
例えば、廃液の液面が蒸発処理につれて低下してゆきあ
る規定の位置以下になると加熱部が液面上に露出するよ
うに装置を構成しておけば、加熱部が露出した段階から
オーバーヒート現象により処理室内の蒸気温度が急激に
上昇するので、廃液処理の進行度を検出することもでき
る。
【0172】また、処理室42の内壁の所定の高さに液の
存在不存在により電気抵抗に変化が生じるセンサーを取
付けておくことにより、液面レベルを検出することもで
きる。液面レベルはフロート等を用いた機械的手段によ
り検出することもできる。
【0173】重量を計測するには、例えば処理室42内に
配置する中釜の下面に電気的ないし機械的な重量計を配
置することにより検出する。
【0174】発生した蒸気の量は、例えばガス吸着手段
の前段に流量計を配置することによって検出することが
でき、また冷却手段60を設ける場合には、溜った蒸留水
の量(重さ、液面高さ)を計ることによっても検出するこ
ともできる。
【0175】後者の場合、蒸気温度、重量、装置外部の
温度を検出して廃液処理手段40の作動を停止ないし低エ
ネルギー運転に切り変えるようにしてもよい。 なお、
本発明において濃縮とは、廃液体積を写真処理槽から出
た時の体積の2分の1以下にすることであり、廃棄の点
からは4分の1以下が好ましく、更に好ましくは5分の
1以下であり、最適には、10分の1以下である。濃縮す
ると沈澱或はタール等の発生がある。液全体として流動
性があればよく、沈澱やスラッジがあってもよい。
【0176】
【実施例】以下、実施例によって本発明の詳細を説明す
るが、これにより本発明の実施態様が限定されるもので
はない。
【0177】サクラカラーSRペーパー(小西六写真工業
社製)の像露光後、次の処理工程と処理液を使用して連
続処理を行った。
【0178】基準処理工程 (1) 発色現像 38℃ 3分30秒 (2) 漂白定着 38℃ 1分30秒 (3) 安定化処理 25℃〜35℃ 3分 (4) 乾 燥 75℃〜100℃ 約2分 処理液組成 [発色現像タンク液] ベンジルアルコール 15ml エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.3g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 24.0g 3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンズスルホン酸誘導体) (商品名ケイコールPK-コンク(新日曹化工社製)) 1.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-二ホスホン酸 0.4g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.7g 1,2-ヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸-二ナトリウム塩 0.2g 水を加えて1lとし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.20
とする。
【0179】 [発色現像補充液] ベンジルアルコール 20ml エチレングリコール 20ml 亜硫酸カリウム 3.0g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 4.0g 3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-(β-メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 6.0g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンズスルホン酸誘導体) (商品名ケイコールPK-コンク(新日曹化工社製)) 2.5g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-二ホスホン酸 0.5g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.8g 1,2-ヒドロキシベンゼン-3,5-ジスルホン酸-二ナトリウム塩 0.3g 水を加えて1lとし、水酸化カリウムでpH10.70とす
る。
【0180】 [漂白定着タンク液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム (70%溶液) 100.0ml 亜硫酸アンモニウム (40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1lとし、炭酸カリウムまたは氷酢酸
でpH7.1に調整する。
【0181】 [漂白定着補充液A] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 260.0g 炭酸カリウム 42.0g 水を加えて全量を1lにする。
【0182】この溶液のpHは6.7±0.1である。
【0183】 [漂白定着補充液B] チオ硫酸アンモニウム (70%溶液) 500.0ml 亜硫酸アンモニウム (40%溶液) 250.0ml エチレンジアミンテトラ酢酸 17.0g 氷酢酸 85.0ml 水を加えて全量を1lとする。
【0184】この溶液のpHは5.3±0.1である。
【0185】 [水洗代替安定タンク液及び補充液] エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-二ホスホン酸 (60%水溶液) 1.0g アンモニア水 (水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.0g 水で1lとし、硫酸でpH7.0とする。
【0186】自動現像機に上記の発色現像タンク液、漂
白定着タンク液及び安定タンク液を満し、前記サクラカ
ラーSRペーパー試料を処理しながら3分間隔毎に上記し
た発色現像補充液と漂白定着補充液A、Bと安定補充液
を定量カップを用いて補充しながらランニングテストを
行った。補充量はカラーペーパー1m2当りそれぞれ発色
現像タンクへの補充量として190ml、漂白定着タンクへ
の補充量として漂白定着補充液A、B各々50ml、安定化
槽への補充量として水洗代替安定補充液を250ml補充し
た。なお、自動現像機の安定化槽は試料の流れの方向に
第1槽〜第3槽となる安定槽とし、最終槽から補充を行
い、最終槽からのオーバーフロー液をその前段の槽へ流
入させ、さらにこのオーバーフロー液をまたその前段の
槽に流入させる多槽向流方式とした。
【0187】水洗代替安定液の総補充量が安定タンク容
量の3倍となるまで連続処理を行った。
【0188】上記処理によって生じるオーバーフロー液
であって、[発色現像液のオーバーフロー液] : [漂白定
着液のオーバーフロー液] : [水洗代替安定液のオーバ
ーフロー液] =3 : 3 : 5の比率で混合した写真処理
廃液(A)について次の処理を行った。
【0189】参考例 1 写真処理廃液(A)をニクロム線内蔵石英管750W2本を
入れた蒸発釜を用いて蒸発処理し、生じる蒸気Qを図3
に示す放熱板装置62を用いて冷却したところ蒸留液体R
が得られた。また、臭気も放熱板装置を用いない場合と
比べて極めて少なかった。
【0190】参考例 2〜7 参考例1の蒸発処理によって得られた蒸気Qを図4〜図
9に示す冷却手段を用いて冷却処理したところ、いずれ
の場合も参考例1と同様に冷却手段を用いない場合と比
べて臭気が極めて少なく、問題なく蒸留液体Rが得られ
た。図4〜図6のものは写真処理廃液が予備加熱されて
おり、蒸発釜における蒸発処理が同様の条件で予備加熱
しないものと比べて早かった。更に図8のものは発色現
像槽の温度コントロールに好適であった。釜の内部を見
たところ、所謂こびりつきや飛び跳ねた跡が見られず、
きれいであった。また排出手段43を用いて高吸液性樹脂
を中に設けてなる容器に排出したところ良好な処理がで
きた。
【0191】参考例 8 写真処理廃液(A)2lを蒸発乾固した後、蓋45を外し蒸
発釜から乾固物を取り出したところ硫化水素臭が強く、
乾固物は蒸発釜の底にこびりつき、又壁にも飛び散って
おり、全てを取り除くことが困難であった。
【0192】実施例 9 あらかじめ蒸発釜の底部に炭素繊維織物からなる中敷44
を敷いておき、参考例1と同じく蒸発濃縮後、高吸液性
樹脂(スミカゲルN-100、商品名、住友化学社製)20g
を添加し、前記織物からなる中敷44ごと除去したら容易
に全て除去できた。蒸発釜の内部を見たところ、所謂こ
びりつきや飛び跳ねた跡が見られず、きれいであった。
【0193】参考例 10 処理室内42内に最初に供給した処理すべき写真処理廃液
(A)が2l、ヒーター熱容量を1.5KWとして、蒸発処理
し、回転粘度計により蒸発温度における粘度が10%増加
したところで処理手段40内の写真処理廃液を調べたとこ
ろ約3倍に濃縮されていた。
【0194】参考例 11 処理室42内に最初に供給した処理すべき写真処理廃液
(A)が2l、ヒーター熱容量を1.5KWとして、蒸発処理
し、回転粘度計により粘度が10%増加したところで、処
理すべき写真処理廃液(A)を新たに供給することを数回
繰り返した後、処理手段40内の写真処理廃液を調べたと
ころ参考例3と同様、約3倍に濃縮されていた。
【0195】参考例 12 処理室42内の液面レベルを検出して10分の1までレベル
ダウンしたところで、濃厚化された廃液を取り出した。
また、処理室42内の液面レベルを検出して5分の1まで
レベルダウンしたところで処理すべき写真処理廃液(A)
を新たに供給して再度液面レベルが5分の1までレベル
ダウンしたところで、濃厚化された廃液を取り出した。
【0196】参考例 13 写真処理廃液(A)を電解銀回収装置(サン精機製作所
製、BN-10型)を用いて、銀錯塩0.2g/lになるまで脱
銀処理を行った後、ストックタンク30へ流入させた。か
かる脱銀済み写真処理廃液と発色現像液のオーバーフロ
ー液との混合液(3:8)をストックタンク30から処理
手段40へ移した。ここでニクロム線内蔵石英管750W2
本を入れた蒸発釜を用いて蒸発処理した。この処理を連
続的に行ったところ、脱銀しない写真処理廃液を蒸発処
理した際には蒸発釜の底部に硫化銀が固着し、蒸発効率
が低下すると共に、1ケ月後には蒸発釜の腐食が生じ
た。一方、本発明の脱銀処理写真処理廃液の蒸発処理で
は、これらの欠点が全く見られなかった。
【0197】参考例 14 参考例1の電解銀回収装置BN-10に替えて、硫化ナトリ
ウムを添加し、銀を硫化銀として沈澱させ、デカンテー
ションで分離し、濾液はストックタンク30へ流入させ
た。他は参考例1と同様の実験を行ったところ、同じく
良好な結果が得られた。
【0198】参考例 15 参考例1の銀回収操作を処理液の加熱処理後行うと、蒸
発釜の底部に硫化銀が固定し、1ケ月後には蒸発釜の腐
食が生じたのみならず、同じ銀濃度の液を同体積用いて
も、電着銀は蒸発前に銀回収を行った場合に比べ約20%
しか得られず、更には電着銀の電析状態が極めて悪く、
容易に剥離した。
【0199】参考例 16 写真処理廃液(A)をニクロム線内蔵石英管750W2本を
入れた蒸発釜を用いて液面で1/10になるまで蒸発処理
し、生じる蒸気を冷却して得た蒸留液体を溶解水として
漂白定着液を作成し前記現像処理に用いたところ、写真
性能に問題はみられなかった。また突沸も生じなかっ
た。
【0200】参考例 17 参考例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体をカルゴ
ン粒状活性炭TYPE SGL(東洋カルゴン社製)をつめたカラ
ムにて処理し、得られた2次処理液体を用いて発色現像
液を作り、現像処理したところ写真性能に問題はみられ
なかった。
【0201】参考例 18 参考例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体を400W
の高圧水銀燈下にて4時間照射したのち、得られた2次
処理液体を用いて漂白定着液を作り、現像処理したとこ
ろ写真性能に問題はみられなかった。
【0202】参考例 19 参考例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体を電解装
置にて処理し、得られた2次処理液体を用いて安定液を
作り、現像処理したところ写真性能に問題はみられなか
った。
【0203】参考例 20 参考例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体をエアー
ポンプにて空気を送り込み1時間経過後、得られた2次
処理液体を用いて水洗代替安定液を作り、現像処理した
ところ写真性能に問題はみられなかった。
【0204】参考例 21 参考例1において、写真処理廃液として、水洗代替安定
液のオーバーフロー液を用いない場合、また水洗代替安
定液のオーバーフローの代わりに同量の水を用いた場合
について、それぞれ参考例1と同様の実験を行った。
【0205】その結果、いずれの場合も、蒸発釜へのこ
びりつきや固着が若干認められた。
【0206】参考例1との比較より、水洗代替安定液の
オーバーフローを用いる場合には、蒸発釜への固着やこ
びりつきが極めて少なく、良好であることが判かる。
【0207】参考例 22 参考例1において、図1のガス吸着手段50を除去して、
他は参考例1と同様の実験を行った。ただし、ガス吸着
手段51には、粒状活性炭(ツルミコール社製(TSURUMI C
OAL CO)粒状活性炭AX型及びSX型を混合したもの)を充
填したものを用いた。10時間連続処理後、ガス検知管
(ガステック社製)を用いて、排気部のアンモニアガス量
及び硫化水素ガス量を測定した。次いで冷却手段60を除
去して同様の比較用実験を10時間行い、ガスの測定を行
った。
【0208】その結果、冷却手段60を用いた本発明例の
場合、アンモニアガス濃度は5ppmであり、硫化水素ガ
ス濃度は、0ppmであった。いずれも、米国1985年度ACG
IH(American Conference of Governmental Industrial
Hygienists)の許容濃度勧告値(アンモニア25ppm、硫化
水素10ppm)以下であり、臭気もほとんど認められなか
った。しかるに、冷却手段60を除去して行った場合に
は、蒸発処理開始直後はアンモニアガス濃度、硫化水素
濃度ともに0ppmであったが1時間後にはアンモニアガ
ス濃度は160ppmであり、硫化水素240ppmであった。蒸発
処理装置周辺に悪臭がたち込めた。
【0209】
【発明の効果】本発明の写真処理廃液の処理装置は、実
開昭60-70814号に示されている写真処理廃液用処理装置
の考えを更に発展させ、装置の実用化のための様々の改
良ができ、特に単一若しくは少数の自動現像機が配備さ
れている写真処理施設における写真処理廃液に最適であ
り、写真処理廃液の処理の際に生じる蒸気を容易に処理
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真処理廃液の処理装置を示す概略図
である。
【図2】本発明の一実施例を示すフローチャート図であ
る。
【図3】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図4】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図5】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図6】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図7】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図8】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図9】処理装置に使用する冷却手段の実施例を示す概
略図である。
【図10】本発明の写真処理廃液の処理装置を示す概略
図である。
【符号の説明】
10 自動現像機 11 補充液タンク 12 制御装置 21,22,24 センサー 23 ポンプ 30 ストックタンク 40 処理装置 41 加熱手段 42 処理室 43 排出手段 44 中釜ないし中敷 45 回収容器 50,51 ガス吸着手段 52 排気部 60 冷却手段を含む蒸留水の再利用手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小星 重治 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真処理廃液の処理室の少なくとも1部
    に写真処理廃液の固着防止手段が設けられていることを
    特徴とする写真処理廃液の処理装置。
  2. 【請求項2】 前記固着防止手段として下記一群から選
    ばれる化合物を使用することを特徴とする請求項1記載
    の写真処理廃液の処理装置。 A.フッ素樹脂 B.シリコンオイル C.ハクリ剤 D.無機繊維
JP6223396A 1994-09-19 1994-09-19 写真処理廃液の処理装置 Expired - Fee Related JP2627255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6223396A JP2627255B2 (ja) 1994-09-19 1994-09-19 写真処理廃液の処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6223396A JP2627255B2 (ja) 1994-09-19 1994-09-19 写真処理廃液の処理装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61276221A Division JP2564121B2 (ja) 1985-11-19 1986-11-18 写真処理廃液の処理方法及び処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07163972A true JPH07163972A (ja) 1995-06-27
JP2627255B2 JP2627255B2 (ja) 1997-07-02

Family

ID=16797497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6223396A Expired - Fee Related JP2627255B2 (ja) 1994-09-19 1994-09-19 写真処理廃液の処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2627255B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5747289U (ja) * 1980-09-03 1982-03-16
JPS60187384A (ja) * 1984-03-05 1985-09-24 Kansai Electric Power Co Inc:The 生物付着の防止方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5747289U (ja) * 1980-09-03 1982-03-16
JPS60187384A (ja) * 1984-03-05 1985-09-24 Kansai Electric Power Co Inc:The 生物付着の防止方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2627255B2 (ja) 1997-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4985118A (en) Method for treating photographic process waste liquor through concentration by evaporation
EP0315373B1 (en) Apparatus for treating photographic process waste liquor
CA1307762C (en) Method for evaporation treatment of photographic processing waste solution and device therefor
AU603400B2 (en) Method of treating photographic process waste liquor through concentration by evaporation and apparatus therefor
JP2564121B2 (ja) 写真処理廃液の処理方法及び処理装置
US5004522A (en) Method of treating photographic process waste liquor through concentration by evaporation
JP2627255B2 (ja) 写真処理廃液の処理装置
JP2627256B2 (ja) 写真処理廃液の処理装置
EP0306294B1 (en) Apparatus for treating photographic process waste liquor
JPH0729095B2 (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理装置
JPH0732904B2 (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理装置
JPS62118346A (ja) 写真処理廃液の処理方法及び処理装置
CA1330934C (en) Apparatus for treating photographic process waste liquor through concentration by evaporation
JPH0783867B2 (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理装置
JPS63235943A (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理装置
EP0292282B1 (en) Method of treating photographic process waste liquor through concentration by evaporation
JPH07303878A (ja) 廃液の蒸発濃縮処理装置
JPH0732908B2 (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理方法及びその装置
JPH0445887A (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理方法及び処理装置
JPH0445886A (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理方法及び処理装置
JPH08232B2 (ja) 写真処理廃液の沈殿物分離装置
JPH0729098B2 (ja) 写真処理廃液の処理方法
JPS63291680A (ja) 写真処理廃液の固形化剤
JPS63287587A (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理方法及びその装置
JPH04282636A (ja) 黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそれに用いる自動現像機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees