JP2564121B2 - 写真処理廃液の処理方法及び処理装置 - Google Patents

写真処理廃液の処理方法及び処理装置

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JP2564121B2
JP2564121B2 JP61276221A JP27622186A JP2564121B2 JP 2564121 B2 JP2564121 B2 JP 2564121B2 JP 61276221 A JP61276221 A JP 61276221A JP 27622186 A JP27622186 A JP 27622186A JP 2564121 B2 JP2564121 B2 JP 2564121B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真用自動現像機による写真感光材料の現
像処理に伴ない発生する廃液(本明細書において写真処
理廃液ないし廃液と略称)を蒸発処理する蒸発処理方法
及び装置に関し、特に、自動現像機内若しくは自動現像
機の近傍に配置して処理するのに適した写真処理廃液の
処理方法及び装置に関する。
〔発明の背景〕
一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理は、黒
白感光材料の場合には現像、定着、水洗等、カラー感光
材料の場合には発色現像、漂白定着(又は漂白、定
着)、水洗、安定化等の機能の1つ又は2つ以上を有す
る処理液を用いた工程を組合せて行なわれている。
そして、多量の感光材料を処理する写真処理において
は、処理によって消費された成分を補充し一方、処理に
よって処理液中に溶出或は蒸発によって濃化する成分
(例えば現像液における臭化物イオン、定着液における
銀錯塩のような)を除去して処理液成分を一定に保つこ
とによって処理液の性能を一定に維持する手段が採られ
ており、上記補充のために補充液が処理液に補充され、
上記写真処理における濃厚化成分の除去のために処理液
の一部が廃棄されている。
近年、補充液は水洗の補充液である水洗水を含めて公
害上や経済的理由から補充の量を大幅に減少させたシス
テムに変わりつつあるが、写真処理廃液は自動現像機の
処理槽から廃液管によって導かれ、水洗水の廃液や自動
現像機の冷却水等で希釈されて下水道等に廃棄されてい
る。
しかしながら、近年の公害規制の強化により、水洗水
や冷却水の下水道や河川への廃棄は可能であるが、これ
ら以外の写真処理液〔例えば、現像機、定着液、発色現
像液、漂白定着液(又は漂白液、定着液)、安定液等〕
の廃棄は、実質的に不可能となっている。このため、各
写真処理業者は廃液を専門の廃液処理業者に回収料金を
払って回収してもらったり公害処理設備を設置したりし
ている。しかしながら、廃液処理業者に委託する方法
は、廃液を貯めておくのにかなりのスペースが必要とな
るし、またコスト的にも極めて高価であり、さらに公害
処理設備は初期投資(イニシャルコスト)が極めて大き
く、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の欠
点を有している。さらに具体的には、写真処理廃液の公
害負荷を低減させる公害処理方法としては、活性汚泥法
(例えば、特公昭51−12943号及び特公昭51−7952号
等)、蒸発法(特開昭49−89437号及び同56−33996号
等)、電解酸化法(特開昭48−84462号、同49−119458
号、特公昭53−43478号、特開昭49−119457号等)、イ
オン交換法(特公昭51−37704号、特開昭53−383号、特
公昭53−43271号等)、逆浸透法(特開昭50−22463号
等)、化学的処理法(特開昭49−64257号、特公昭57−3
7396号、特開昭53−12152号、同49−58833号、同53−63
763号、特公昭57−37395号等)等が知られているが未だ
十分ではない。
一方、水資源面からの制約、給排水コストの上昇、自
動現像機設備における簡易さと、自動現像機周辺の作業
環境上の点等から、近年、水洗に替わる安定化処理を用
い、自動現像機外に水洗の給排水のための配管を要しな
い自動現像機(いわゆる無水洗自動現像機)による写真
処理が普及しつつある。このような処理では処理液の温
度コントロールのための冷却水も省略されたものが望ま
れている。このような実質的に水洗水や冷却水を用いな
い写真処理では自動現像機からの写真処理廃液は水洗処
理がある場合と比べて水によって希釈されないためその
公害負荷が極めて大きく一方に於て廃液量が少ない特徴
がある。従って、この廃液量が少ないことにより、給廃
液用の機外の配管を省略でき、それにより従来の自動現
像機の欠点と考えられる、配管を設置するために設置後
は移動が困難であり、足下スペースが狭く、設置時の配
管工事に多大の費用を要し、温水供給用のエネルギー費
を要する等の欠点が全て解消され、オフィスマシンとし
て使用できるまでコンパクト化、簡易化が達成されると
いう極めて大きい利点が発揮される。
しかしながら、この反面、その廃液は極めて高い公害
負荷を有しており、河川はもとより下水道にさえ、その
公害規制に照してその廃棄は全く不可能となってしま
す。さらにこのような写真処理(多量の流水を用いて、
水洗を行わない処理)の廃液量は少ないとはいえ、比較
的小規模な処理でも、例えばXレイ感光材料の処理で1
日に10、印刷製版用感光材料の処理で、1日に30、
カラー感光材料の処理では1日に50程度となり、その
廃液の処理は、近年益々大きな問題となりつつある。
写真処理廃液の処理を容易に行うことを目的として、
写真処理廃液を加熱して水分を蒸発乾固する装置が実開
昭60−70841号明細書に示されているが、この装置にし
たところが写真処理廃液を蒸発濃縮ないし乾固する際に
生じる蒸気を大気放出するため、公害上問題が残るし、
また悪臭が出るため作業環境が悪化する等の欠点があっ
た。
また、この装置は、写真処理廃液を乾固するまで処理
するため、写真処理廃液成分の一部がタール化して熱源
や蒸発釜壁に付着し熱効率が落ちる原因となったり、写
真処理液中に添加されるか又は感光材料から溶出蓄積す
る界面活性剤の存在により発泡が生じ突沸が起こること
があるし、悪臭も著しく、過剰な分解が起こることがあ
るし、蒸発釜の破損が生じる場合さえある。等の欠点が
あった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
また、この先行技術は、実施例として蒸気中の有害物
質等を活性炭を用いて吸収除去する方法も開示している
が、この吸収も活性炭のみでは十分ではなく、また、こ
の活性炭が蒸気まで吸収してしまうため活性炭の交換頻
度が高く、非常に不経済である。また、この先行技術で
は、熱い状態のままの蒸気を大気中に放出するため、狭
い部屋では使用できず、そのための室外への放出用の手
段をも必要とする。
本発明は、実開昭60−70814号に示されているが如き
写真処理廃液用蒸発処理装置の考えを更に発展させると
共に、装置の実用化のための様々な改良を明らかにする
ことを主目的にするものであり、特に、単一若しくは少
数の自動現像機が配備されている写真処理施設における
写真処理廃液の処理に最適な写真処理廃液の処理方法及
び処理装置を明らかにすることを目的とするものであ
る。更に別なる目的は前記のような欠点ないし不都合が
なく、写真処理廃液の処理に際して生じる蒸気を容易に
処理し、蒸留液を得、該廃液の濃縮液を固形化する写真
処理廃液の処理方法及び処理装置の提供にある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明に係る写真処理廃液の処理
方法は、実質的に水洗を行わず、水洗代替安定液を用い
て行う安定化処理工程を含むハロゲン化銀写真感光材料
の現像処理に伴い発生する写真処理廃液を加熱すること
によって蒸発させ、該写真処理廃液の体積を写真処理槽
から出たときの体積の2分の1から10分の1に濃縮し、
該蒸発によって生じた蒸気を冷却することによって蒸留
液を回収し、該蒸留液を再利用することを特徴とする。
上記目的を達成する本発明に係る処理装置は、実質的
に水洗を行わず、水洗代替安定液を用いて行う安定化処
理工程を含むハロゲン化銀写真感光材料の現像処理に伴
い発生する写真処理廃液を加熱し、該写真処理廃液の体
積を写真処理槽から出た時の体積の2分の1から10分の
1に濃縮する加熱手段と、濃縮された該写真処理廃液の
濃縮液を排出する手段と、該写真処理廃液が加熱される
ことによって生じる蒸気を冷却処理する手段と、該冷却
処理によって生成される蒸留液の回収槽と、下記A乃至
Hの中から選ばれる項目によって加熱手段を制御する制
御手段を有することを特徴とする。
A.処理時間 B.写真処理廃液の粘度 C.写真処理廃液の液面レベル D.写真処理廃液または蒸気の温度 E.処理手段から排出される蒸気の量 F.写真処理廃液の重量 G.写真処理廃液の電気伝導率 H.写真処理廃液の光学濃度 なお、本明細書において蒸留液とは蒸留液体を意味
し、水以外の成分を含む場合を包含する意義である。
本発明方法の好ましい実施態様は、(1)蒸気に対し
下記(A)〜(G)から選ばれる少なくとも1つの冷却
処理を行うこと、即ち、(A)邪魔板又は放熱板による
処理、(B)蒸発濃縮ないし乾固処理する前の廃液を冷
却熱媒体として用いること、(C)冷却処理が、廃液を
ストックするタンクにおいて行われること、(D)上記
(C)においてストックタンクが複数個あること、
(E)蒸発濃縮する前の廃液が冷却処理部に導入され冷
却に利用されること、(F)空冷用扇風機を利用するこ
と、(G)冷却処理が自動現像機の処理槽、補充液槽又
は溶解水槽との熱交換によって行われること、(2)写
真処理廃液が水洗代替安定液の廃液を含むこと、又は
(3)冷却処理以前にガス吸着処理を行うこと、であ
る。
また本発明に係る濃縮液を固形化処理する好ましい実
施態様は、(A)固形化処理が吸液性樹脂への吸液処理
であること、(B)固形化処理が固化剤又は乾燥剤の添
加処理であること、(C)吸液性樹脂、固化剤、乾燥剤
の1又は2以上が廃液用パックに収納されており、該パ
ック中に写真処理廃液の濃縮液を吸収して固化させ、固
形物は、該パック中に収納されること、又は、(D)蒸
発濃縮釜に、吸液性樹脂、固化剤の少なくとも1つを投
入し固形化処理すること、である。
また、本発明方法の最も好ましい実施態様は、自動現
像機の写真処理槽からオーバーフローする写真処理廃液
をストックタンクに溜め、その量及び/又は処理手段内
の写真処理廃液量を検知して得られた写真処理廃液情報
に従い、写真処理廃液をストックタンクから処理手段に
供給し、加熱手段により写真処理廃液を蒸発させその蒸
気は省エネルギーで効率的な熱交換法で冷却して蒸留水
とすることである。
また本発明は、実開昭60−70841号に示されているが
如き写真処理廃棄用蒸発処理装置の考えを更に発展させ
ると共に、装置の実用化のための様々の改良を明らかに
することを主目的とするものであり、特に、単一若しく
は少数の自動現像機が配備されている写真処理施設にお
ける写真処理廃液の処理に最適な写真処理廃液の処理方
法及び蒸発処理装置を明らかにすることを目的とするも
のである。
本発明に係る処理装置の更に好ましい実施態様は、固
形化処理手段が1回分の吸液性樹脂、固化剤、乾燥剤の
1又は2以上が収納された廃液パックであり、該廃液パ
ックが写真処理廃液の濃縮液中に投入されるか、又は該
廃液パック中に写真処理廃液の濃縮液が導入される構成
であることである。
また、本発明の処理装置の最も好ましい実施態様は、
写真処理廃液をストックタンクに溜め、その量及び/又
は処理手段内の写真処理廃液量を検知して得られた写真
処理廃液情報に従い、写真処理廃液をストックタンクか
ら(蒸発濃縮)処理手段に供給し、加熱手段により蒸発
させ写真処理廃液を濃縮し、その濃縮液は該処理手段中
で又は外部へ流出させて固形化すると共に、蒸気は冷却
して蒸留水として写真処理工程で再利用することであ
る。
なお、本発明において加熱処理前に、電気分解法、沈
殿法、置換法、還元法等の手段で銀回収をすることが好
ましい。
本発明法の好ましい実施態様は、(A)銀回収処理
が、電気分解法による銀回収処理であること、(B)銀
回収処理が、沈澱法による銀回収処理であること、
(C)銀回収処理が、置換法又は還元法による銀回収処
理であること、(D)写真処理廃液が漂白定着液及び水
洗代替安定液の廃液を含有すること、である。
また、上記目的を達成する本発明に係る写真処理廃液
の処理装置は、写真処理廃液を銀回収処理する手段と、
写真処理廃液を蒸発濃縮処理する手段を有し、前記銀回
収処理手段が自動現像機のオーバーフロー液を直接又は
間接的に受入れる構成を有することを特徴とする。
本発明に係る処理装置の好ましい実施態様は、(E)
銀回収処理手段が電気分解法、沈澱法、置換還元法の少
なくとも1つの処理を行う装置であること、(F)オー
バーフロー液が漂白定着液及び水洗代替安定液の廃液を
含有することである。
また、本発明の最も好ましい実施態様は、自動現像機
の写真処理槽からオーバーフローする写真処理廃液をス
トックタンクに溜め、その量及び/又は処理手段内の写
真処理廃液量を検知して得られた写真処理廃液情報に従
い、写真処理廃液を銀回収手段を通してストックタンク
に溜め、該ストックタンクから(蒸発濃縮)処理手段に
供給し、加熱手段により蒸発させ写真処理廃液を濃縮
し、その濃縮液は該処理手段中で又は外部へ流出させて
固形化すると共に、蒸気は冷却して液体成分、好ましく
は蒸留水として写真処理工程で再利用することである。
また上記において、銀回収手段をストックタンク以前に
ではなく、ストックタンクと(蒸発濃縮)処理手段の間
に設けることも好ましい実施態様の1つである。更に銀
回収手段がストックタンクを兼ねていてもよい。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いる電気分解法による銀回収処理として
は、(1)前還元後電解法、(2)隔膜法、(3)電気
透析法、(4)隔膜なし通液法等のいずれでもよく、上
記(1)の技術としては特開昭48−18191号、米国特許
第4,036,715号等を参照でき、上記(2)の技術として
は特開昭52−26315号、同52−102724号、同53−35534
号、特公昭43−30167号等を参照でき、上記(3)の技
術としては特開昭53−60371号等を参照でき、上記
(4)の技術としては特開昭50−98837号、米国特許第
4,021,319号等を参照できる。更に電流制御等の制御技
術としては特開昭53−32869号、米国特許第3,875,032
号、同第3,925,184号、同第4,006,071号、仏国特許第2,
299,667号、西独特許第2,552,069号、ベルギー特許第78
0,623号等を参照でき、電極板については米国特許第3,8
40,455号、同第4,049,512号、同第4,054,503号、西独特
許第2,333,018号、同第2,507,123号、同第2,729,567
号、特開昭52−29423号等を参照でき、また装置、送液
技術については特開昭49−59727号、同52−72227号、同
53−65218号、米国特許第3,926,768号、同第3,964,990
号、西独特許第2,502,226号、同第2,515,314号等を参照
できる。
上記の他、電解銀回収技術としては、特公昭55−3183
号、同55−13343号、リサーチ・ディスクロージャー(R
D)第18,354号、同第18,926号、同第17,959号、米国特
許第4,149,756号、同第4,186,067号、同第4,213,600号
等を参照でき、沈澱法としては、特開昭55−131141号、
特公昭54−27830号、米国特許第4,129,441号、RD第18,0
17号等を参照でき、金属置換法としては、特開昭55−62
133号、同55−161035号、特公昭54−2848号、同55−280
58号、米国特許第4,110,109号、同第4,202,771号、RD第
18,140号等を参照でき、吸着法としては、特開昭54−19
496号、同55−161034号、米国特許第4,157,730号、同第
4,227,681号、同第4,228,013号、RD第19,425号等を参照
できる。
本発明に用いる沈澱法による銀回収処理としては、
(1)硫化銀沈澱法、(2)放射線、交流による硫化
法、(3)殺菌沈澱法、(4)沈澱銀回収法等のいずれ
でもよく、上記(1)の技術としては特開昭51−111765
号、同52−73033号、同53−76029号、米国特許第3,832,
453号等を参照でき、上記(2)の技術としては特開昭5
2−49984号、米国特許第4,088,552号、同第4,129,441
号、RD第18,017号等を参照でき、上記(3)の技術とし
ては特開昭53−59254号等を参照でき、上記(4)の技
術としては特開昭49−36161号、同49−54297号、同51−
63431号、米国特許第3,829,549号等を参照できる。
本発明に用いる置換法又は還元法による銀回収処理と
しては、(1)金属置換法、(2)イオン交換法等のい
ずれでもよく、上記(1)の技術としては特開昭48−44
124号、同49−31153号、同50−18318号、特公昭54−284
8号、米国特許第4,008,077号、仏国特許第2,106,962号
等を参照でき、上記(2)の技術としては特開昭49−70
823号、同51−17114号、米国特許第2,445,282号、同第
2,468,471号、同第2,497,054号、同第3,817,745号等を
参照できる。
更に還元剤・鉄化合物に関する技術としては特開昭48
−22031号、特公昭51−24822号、西独特許第1,353,805
号、米国特許第3,082,079号、同第4,035,181号、同第4,
038,080号、仏国特許第2,216,232号等を参照できる。
本発明に用いる銀回収処理技術は上記に限定されず、
(1)活性汚泥による銀回収処理(特公昭52−10839号
参照)、(2)過ヨウ素酸金属塩による銀回収処理(米
国特許第4,078,983号参照)、(3)[Co(NH3]Cl
3による銀回収処理(RD第16,437号参照)等のその他の
銀回収処理技術を用いてもよい。
本発明において特に好ましく用いられる銀回収処理技
術は、電気分解法(仏国特許第2,299,667号記載)、沈
澱法(特開昭52−73037号、独国特許第2,331,220号記
載)、イオン交換法(特開昭51−17114号、独国特許第
2,548,237号記載)、及び金属置換法(英国特許第1,35
3,805号記載)等がある。
本発明は、後記実施例に示すように、各写真処理槽C
D、BF、Sbに写真処理廃液中の成分に相違が有るため、
全ての写真処理廃液を一括して銀回収処理せず、各写真
処理槽毎に、若しくは2又は3以上の群に分け、銀錯塩
を含む写真処理廃液のみ銀回収処理することが好まし
く、特に、発色現像槽CDの廃液と、漂白定着槽BF及び水
洗代替安定槽Sbの廃液とを分け後者の漂白定着槽BF及び
水洗代替安定槽Sbの廃液のみ銀回収手段80によって銀回
収処理し、前者の発色現像槽CDの廃液と共にストックタ
ンク30へ入れることが好ましい。更に銀回収後の蒸発濃
縮処理についても別々に処理し、前者の発色現像槽CDか
らの蒸留水を発色現像槽CDに用い、後者の漂白定着槽BF
及び水洗代替安定槽Sbからの蒸留水を漂白定着槽BF及び
/又は水洗代替安定槽Sbに用いると有利である(第2図
参照)。
以下本発明について詳述する。
先ず、第1図記載の本発明における冷却処理手段60に
ついて説明する。
写真処理廃液の蒸発によって生じる蒸気を冷却するに
はあらゆる種類の熱交換手段を採用でき、 (1)シェルアンドチューブ型(多管型、套管型) (2)二重管型 (3)コイル型 (4)らせん型 (5)プレート型 (6)フィンチューブ型 (7)トロンボーン型 (8)空冷型 のいずれの構成であってもよい。
熱交換型リボイラー技術を用いることもでき、 (1)垂直サーモサイフォン型 (2)水平サーモサイフォン型 (3)溢流管束型(ケトル型) (4)強制循環型 (5)内挿型 等を採用してもよい。
更にコンデンサー型式の熱交換技術を採用してもよ
く、 (1)ダイレクトコンデンサー形式 (2)塔内蔵形式 (3)塔頂部設置式 (4)分離形式 等のいずれであってもよい。
また、クーラーを用いることも可能であり、クーラー
の型式も任意である。
空冷式熱交換器の採用も有利であり、 (1)押込通風式 (2)吹込通風式 のいずれであってもよい。
以下、本発明の冷却処理手段60の好ましい具体例を説
明する。
(1)第3図に示す如く、多数の空冷用フィン61を有す
る放熱板装置62に、写真処理廃液Pを蒸発処理すること
によって生じる蒸気Qを通す構成。
(2)第4図に示す如く、ストックタンク30中の写真処
理廃液Pとの間で熱交換を行うコイル63等のクーリング
部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって生
じる蒸気Qを通す構成。
(3)第5図に示す如く、複数のストックタンク30、31
中の写真処理廃液Pとの間で熱交換を行う多段コイル64
等のクーリング部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理する
ことによって生じる蒸気Qを通す構成。
(4)第6図に示す如く、写真処理廃液Pを散布部材65
から散布するコイル63(又は64)等のクーリング部66
に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって生じる
蒸気Qを通す構成。
(5)第7図に示す如く、扇風機等の送風手段67によっ
て風を当てるコイル63(又は64)等のクーリング部66
に、写真処理廃液Pを蒸発処理することによって生じる
蒸気Qを通す構成。
(6)第8図に示す如く、発色現像槽CD、漂白定着槽B
F、水洗代替安定槽Sb、これら各槽CD、BF、Sbの少なく
とも1つの槽に用いられる写真処理液ないし補充液槽S
の1又は2以上の液体との間で熱交換を行うコイル63等
のクーリング部66に、写真処理廃液Pを蒸発処理するこ
とによって生じる蒸気Qを通す構成。
(7)第9図に示す如く、多数のガラス玉等からなる熱
交換粒子68を内蔵した熱交換器69に写真処理廃液Pを蒸
発処理することによって生じる蒸気Qを通す構成。
(8)その他、邪魔板を用いる冷却手段については例え
ば特開昭53−125600号に記載のような邪魔板の間に、写
真処理廃液Pを蒸発処理することによって生じる蒸気Q
を通す構成。
本発明ではこれら(1)〜(8)その他の熱交換冷却
処理手段を1又は2以上組合せ用いることが好ましい。
写真処理廃液を加熱して蒸留する際に用いるガス吸着
処理が脱硫処理である場合、該脱硫処理は乾式脱硫であ
っても湿式脱硫であってもよい。前者の乾式脱硫として
は、酸化鉄法やソーダ・鉄法及び活性炭、シリカゲル、
モレキュラーシーブ等を用いる接触吸着ないし酸化脱硫
法等の各種の脱硫法が用いられることができるし、他
方、後者の場合の湿式脱硫法としては、非再生法でも、
再生法でも構わない。例えばアルカル性溶液に吸収させ
る方法、硫化水素の還元性を利用する方法、硫化水素の
化合物を作らせる方法等のいずれでもよく、操作法につ
いても、シーボード法、サイクロックス法、バキューム
カーボネート法及びガーボトル法等のいずれの方法を採
用してもよい。
本発明に用いるガス吸着処理は上記脱硫処理に限ら
ず、アンモニアガスやイオウガスの除去を目的として、
ゼオライト吸着処理、活性炭処理等を実施してもよい。
本発明において、好ましくはフィルター、吸着剤等に
よるガス吸着手段50及び蒸気の冷却手段60を含む蒸留水
Rの再利用手段を付加した実施例とする。
図中、ガス吸着手段50は、写真処理廃液の蒸気中に含
まれる硫化水素、硫黄酸化物ないしアンモニアガス(H2
S、SO2、NH3等)等の有害なガスを前述のゼオライト吸
着剤、活性炭等の各種の脱硫・吸着技術を利用して分離
回収するものである。
写真処理廃液の濃縮液を担体に吸収させて固形化処理
して回収する。
この担体として吸液性樹脂や固化剤が考えられる。
本発明に用いられる担体は、写真処理廃液の濃縮液を
吸収できるもので、該吸液済み吸液性担体を持っても液
垂れしないものが好ましく、いわゆる吸液性樹脂が好ま
しく用いられる。
該吸液性樹脂としては、例えば以下に挙げるものを使
用することができる。
種子多糖類、海藻多糖類、樹脂多糖類、果実多糖類、
根茎多糖類。
更にまた、ザンサンガム、ザンフロー、ガードラン、
サクシノグルカン、シゾフィラン、プルラン、ゼラチ
ン、カゼイン、アルブミン、シェラック等。
澱粉誘導体、グァーガム、ローカストビーンガムの誘
導体、セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ビニル系
化合物、アクリル系化合物。
その他、ポリエチレンオキサイド等。
次に、本発明に用いられる高吸液性樹脂の好ましい例
を挙げる。
(A)グラフト化でんぷん系 (A−1)でんぷん−アクリロニトリルグラフト重合体 (A−2)でんぷん−アクリル酸グラフト重合体 上記(A−1)は特開昭49−43395号及び米国特許第
4,134,863号に記載の方法によって製造することがで
き、上記(A−2)は特公昭53−46199号に記載の方法
によって製造することができる。
(B)アクリル酸系 (B−1)ポリアクリル酸ソーダ系 (B−2)ビニルアルコール−アクリル酸共重合系 上記(B−2)は自然乾燥及び/または強制乾燥で繰
り返し使用することもできる。
(C)下記(I)又は(II)で示される構造式をもった
繰り返し単位を有する重合体、更に好ましくは(I)及
び/又は(II)を10〜70重量%有し、他のエチレン系不
飽和単量体と共重合してなる重合体。
上式において、Rは水素原子、メチル基又はハロゲン
原子であり、Zはオキシ基又はイミノ基であり、nは0
又は1であり、R1は、1〜6個の炭素原子を有するアル
キレン基(置換アルキレン基も含む)、5〜6個の炭素
原子を有するシクロアルキレン基又はアリーレン基、ア
リーレンアルキレン基もしくはアリーレンビスアルキレ
ン基であり、ここで、前記アルキレン部分は1〜6個の
炭素原子を有しかつ前記アリーレン部分(置換されてい
てもよい)は6〜10個の炭素原子を有し、そして例えば 又は (式中のR5は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で
ある)のような親水性極性基で置換されたアリーレンを
含み、R2,R3及びR4は各々水素原子もしくは1〜6個の
炭素原子を有するアルキル基であり、又はNと一緒にな
って、任意に硫黄又は酸素原子を含有することもできる
複素環基を形成し、Mは水素原子、可溶性カチオン又は
6個以下の炭素原子をもったアルキル基を有する第4ア
ンモニウムカチオンを包含するアンモニウム基であり、
そしてXは、酸アニオンである。
Rのハロゲン置換基は臭素又は塩素であることがで
き、R1の1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基はヒ
ドロキシル基で置換されていてもよく、R1のアリーレン
アルキレン基はフェニレンメチレン基、フェニレンエチ
レン基、フェニレンポロピレン基及びフェニレンブチレ
ン基を包含し、そしてR1のアリーレンビスアルキル基は
フェニレンジメチレン基を包含する。
Mの可溶性カチオンにはナトリウム及びカリウムがあ
る。
R2,R3及びR4、そしてこれらが結合したN原子から形
成される複素環基にはピリジニウム、イミダゾリウム、
オキサゾリウム、チアゾリウム及びモルホリウムがあ
る。
Xの酸アニオンには、塩化物、臭化物、酢酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンス
ルホン酸塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩及び過塩素酸
塩がある。
前記一般式(I)の単量体及び/又は前記一般式(I
I)の単量体と共重合させるエチレン系不飽和単量体
は、好ましくは架橋結合可能な基を有する1種類もしく
はそれ以上の単量体、例えば2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び活
性メチレン基含有単量体からなる。このタイプの重合さ
れた共重合性エチレン系不飽和単量体は、例えば、米国
特許第3,459,790号、同第3,488,708号、同第3,554,987
号、同第3,658,878号、同第3,929,482号及び同第3,939,
130号に記載されている。
上記において使用するのに好ましい重合体は、10〜70
重量%の、以下に列挙する1種類もしくはそれ以上の単
量体から誘導されるか又はこれらの繰り返し単位を有す
る: 2−アミノエチルメタクリレートヒドロクロリド、 N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N,N−
トリメチルアンモニウムクロリド、 N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N,N−
トリメチルアンモニウムメトサルフェート、 ナトリウム2−メタクリロイルオキシエチル−1−ス
ルホネート、 及び 2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
ヒドロクロリド。
前記構造式(I)に一致する酸附加塩は、それを塩基
で中和した場合、遊離アミンに転化することができる。
上記重合体は、常法に従って、適当な単量体を水溶液
中で重合反応させることによって調製することができ
る。
前記構造式(I)の単量体は、アール.エッチ.ヨー
カム(R.H.Yocum)及びイー.ビー.ニクイスト(E.B.N
yquist)編、“ファンクショナル モノマーズ”(Func
tional Monomers),マルセル デッカー(Marcel Dekk
er),Inc.,New York(1974)及び米国特許第2,780,604
号に記載の手法によって調製することができる。前記構
造式(II)の単量体は、米国特許第3,024,221号及び同
第3,506,707号に記載の手法によって調製することがで
きる。
場合によって、この重合体は、(a)アミン基を有す
る重合体をアルキル化剤で4級化するか、さもなけれ
ば、(b)アミンをそのアミンとの反応性をもった基、
例えば活性ハロゲン基を有する重合体と反応させること
によって調製することができる。このような技法はこの
技術分野において公知であり、そして米国特許第3,488,
706号及び同第3,709,690号及びカナダ特許第601,958号
に記載されている。
以上に挙げた樹脂は市販品としても入手できる。該市
販品としては、例えばスミカゲルN−100、スミカゲルS
P−520、スミカゲルS−50、スミカゲルNP−1020、スミ
カゲルF−03、スミカゲルF−51、スミカゲルF−75、
スミカゲルR−30(以上トレードネーム、住友化学工業
社製)、サンウエットIM−300、サンウエットIM−1000
(以上トレードネーム、三洋化成社製)、アクアキープ
IOSH−P(トレードネーム、製鉄化学社製)、ランジー
ルF(トレードネーム、日本エクスラン社製)等があげ
られる。
本発明に好ましく用いる吸液性樹脂は、その形状が液
を吸収し易いものが好ましく、粉末状ないし直径0.01〜
3mm程度の粒状のものが取扱いのうえで有利に用いるこ
とができる。
又本発明に用いる担体として用いられる固化剤は、写
真処理廃液の濃縮液を固化できるものであればよく、そ
の際化学反応を伴なってもよいし、伴なわなくてもよ
い。本発明の固化剤としては、例えばCaO、Ca(O
H)、CaCO3、シリカゲル、塩化カルシウム、酸化アル
ミニウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バ
リウム、粒状ソーダ石灰、五酸化二リン等が好ましく用
いられる。
本発明は、後記実施例に示すように、第1図におい
て、処理室42を処理すべき写真処理廃液ないし処理済み
の濃縮液を溜めるように構成し、金属ないし陶磁器・合
成樹脂等により中釜ないし中敷44を形成したり、バグフ
ィルターないしパック等の分離手段を用い、処理済みの
濃縮液を、本発明によって固形化し中釜ないし中敷44ご
と又はバグフィルターないしパックごと取り出し廃棄な
いし処理するようにするのが好ましい。前記した中釜な
いし中敷44を利用するものの他、排出手段43としては、
回転スクリュウ・ポンプを利用した公知の排出装置や処
理室42の底部からバルブを介して写真処理廃液の濃縮液
を本発明に用いる吸液性樹脂、固化剤、乾燥剤の1又は
2以上を有する容器中に自然落下させ、本発明によって
固形化させるもの等様々に設計することができる。
なお、中敷44ないしパックとしては耐熱、耐薬品性の
素材、例えば炭素繊維、アラミド繊維、テフロン樹脂繊
維、麻、ガラス繊維、ポリエチレンフォーム、ポリプロ
ピレンフォーム等が好ましい。
次に、本発明の写真処理廃液の処理方法において、蒸
発によって生じる蒸気から蒸留水を得、該蒸留水を写真
処理液に用いることについて詳述する。
本発明処理方法の好ましい実施態様は、(1)蒸留水
に対し下記(A)〜(I)から選ばれる少なくとも1つ
の2次処理を行うこと、即ち、(A)活性炭処理、
(B)紫外線照射処理、(C)逆浸透処理、(D)酸化
剤処理、(E)電解酸化処理、(F)エアレーション処
理、(G)電気透析処理、(H)再蒸留処理、(I)イ
オン交換樹脂処理を行うこと、(2)蒸留水を写真処理
液の溶解水として用いること、(3)蒸留と共にガス吸
着処理を行うこと、好ましくは、脱硫処理、ゼオライト
吸着処理、活性炭処理の1又は2以上の併用処理するこ
と、である。
また、本発明の最も好ましい実施態様は、自動現像機
の写真処理槽からオーバーフローする写真処理廃液をス
トックタンクに溜め、その量及び/又は処理手段内の写
真処理廃液量を検知して得られた写真処理廃液情報に従
い、写真処理廃液をストックタンクから処理手段に供給
し、加熱手段により蒸発させ写真処理廃液を濃縮し、そ
の蒸気は冷却して蒸留水として写真処理工程で再利用す
ることである。
本発明の前記活性炭処理に用いる活性炭は、ベンジル
アルコール、アンモニウム化合物、イオウ化合物の少な
くとも1つの物質に吸着能力のあるいかなる活性炭でも
よい。
本発明においては、原料及び活性化の方法の如何を問
わず、また粉末、粒状いずれの活性炭でも使用でき、好
ましくは粒状活性炭であり、特に好ましくは椰子殻活性
炭と分子篩能を持つ活性炭である。ここで分子篩能を持
つ活性炭とはスリット状の細孔を持つものであり、その
細孔の大きさは6A以上、巾15A以下が望ましい。かかる
分子篩能を持つ活性炭については、特開昭58−14831号
公報の記載内容を参照することができる。
本発明の写真処理廃液の蒸留水を吸着処理する際に用
いる吸着性物質としては、前記活性炭の他、次のような
物質を用いることもできる。
(1)粘土物質 (2)ポリアミド系高分子化合物 (3)ポリウレタン系高分子化合物 (4)フェノール樹脂 (5)エポキシ樹脂 (6)ヒドラジド基を有する高分子化合物 (7)ポリテトラフルオロエチレンを含有する高分子化
合物 (8)1価又は多価アルコールメタクリル酸モノエステ
ル−多価アルコールメタクリル酸 (9)ポリエステル共重合体 これら(1)〜(9)の物質の詳細については、特願
昭59−124639号(特に第62〜66頁)の記載内容を参照で
きる。
本発明の写真処理廃液の蒸留水の紫外線照射処理で使
用される紫外線は一般に市販されている紫外線ランプ又
は紫外線照射装置やハロゲンランプ等によって得ること
ができるが特に限定されるものではない。この紫外線ラ
ンプ等の出力は、出力5W〜1KWのものが知られている
が、これに限定されるものではない。また本発明におい
て紫外線ランプから、190nm〜400nmの範囲をはずれる波
長の電磁波及び光が発生し、写真処理廃液から得られた
蒸留水に照射されてもよい。また赤外線等の併用を行っ
てもよい。
本発明に用いられる紫外線ランプ等は、2重管とする
こともできる。
本発明において、紫外線照射するとは、紫外線ランプ
等を用いて写真処理廃液から得られた蒸留水に紫外線照
射することを意味し、これらの紫外線照射は該蒸留水に
対して連続的に行われてもよいし、必要に応じて間欠的
に行われてもよい。
また前記の逆浸透処理においては、各種の逆浸透膜、
逆浸透膜を用いた脱塩・濃縮方法及び装置が制限なく利
用できる。逆浸透膜としては、酢酸セルロース、芳香族
ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリサルフォンが
好ましく、特に酢酸セルロースが好ましく用いられる。
逆浸透装置は、40Kg/cm2〜55Kg/cm2の圧力で運転され
ることが、分離性能、処理能力の点から好ましい。
本発明に用いる酸化剤処理に使用する酸化剤は、金
属、非金属の酸化物、酸化物酸素酸及びその塩、過酸化
物、有機の酸素を含む化合物等がこれに属する。酸化物
として過酸化窒素NOx、無水クロム酸CrO3、二酸化セレ
ンSeO2、二酸化マンガンMnO2、二酸化鉛PbO2、四酸化オ
スミウムOsO4、酸化銀Ag2O、酸化銅CuO、酸化水銀HgO等
が挙げられる。酸素酸としては熱濃硫酸H2SO4、亜硝酸H
NO2、硝酸等HNO3が挙げられる。塩としては次亜塩素酸
ナトリウムNaOCl、さらし粉CaOCl2、重クロム酸カリウ
ムK2Cr2O7、クロム酸カリウムK2Cr2O4、過マンガン酸カ
リウムKMnO4、塩素酸カリウムKClO3、過塩素酸カリウム
KClO4等が挙げられる。過酸化物としては過酸化水素H2O
2、過酸化ナトリウムNa2O2、過酸化ベンゾイル(C6H5CO
O)等が代表的なものである。2種以上の原子価をと
りうる物質、例えば3価の鉄イオンFe3+、2価の銅イオ
ンCu2+、四酢酸鉛Pb(CH3CO2等も挙げられる。その
他フェントン試薬(Fe+++H2O2)、脱水素触媒(Pt、S
e、Zn)等も酸化剤として用いることができる。
本発明に用いる電解酸化処理とは、電解によって陽極
で物質を酸化する方法であり、陽イオンの陽電荷の増
加、陰イオンの陰電荷の減少、陰イオンの重合、原子団
中の酸素原子の増加及び水素原子の減少のいずれの方式
のものでもよく、かかる電解酸化が酸化剤による酸化に
比べてすぐれている点は、非常に強い酸化が行いうると
いうこと、副生成物が少ないということである。
本発明に用いるエアレーション処理とは、写真処理廃
液の蒸留水中にエアー送風することによって酸化促進す
ることであり、ディストリビューター等を用いてエアー
泡をより細かくすることが好ましく、これによってバブ
リング効果の向上を図り、有機溶媒等の除去効率を高め
ることができる。
本発明に用いる電気透析処理とは、電気透析槽の陰極
と陽極の間が隔膜で仕切られ、仕切られた室に写真処理
廃液の蒸留水を入れ電極に直流を通じることである。
好ましくは隔膜がイオン交換膜であることであり、更
に好ましくは陰極と陽極の間が陰イオン交換膜と陽イオ
ン交換膜とにより仕切られて、陰極室、複数の濃縮室
(陰極側が陰イオン交換膜、陽極側が陽イオン交換膜で
仕切られた室)、複数の脱塩室(陰極側が陽イオン交換
膜、陽極側が陰イオン交換膜で仕切られた室)及び陽極
室とからなることである。写真処理廃液の蒸留水は好ま
しくは脱塩室へ入れるが濃縮室へ入れることも好ましい
ことである。濃縮室、陽極室に入れる電解質溶液は別に
限定されるものではなく、例えば亜硫酸ナトリウム、硫
酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、チオ硫
酸ナトリウム等の0.1〜2Nの溶液を好ましく用いること
ができる。このとき、定着能を有する処理液(漂白定着
液又は定着液)又はその廃液を濃縮室、陽極室に入れる
電解質溶液として用いると、電解質溶液を必要とせず、
非常に好ましい。
本発明に用いる再蒸留処理とは、写真処理廃液から得
られる蒸留水に対して蒸留処理することをいい、所謂精
留操作の1つである。回分蒸留(単蒸留、回分精留を含
む)でも連続蒸留でもよく、連続精留に対する連続平衡
蒸留法も採用できる。再蒸留処理によって純水(水以外
の留分の著しく少ないもの)を得ることは写真処理液に
有効に水分を供給できる。また共沸蒸留及び抽出蒸留に
おいて適当な分離剤を用いることが有利である。本発明
においては、所謂水蒸気蒸留によっても2次処理効果が
得られる。なお操作圧についても高圧蒸留、常圧蒸留、
真空蒸留及び分子蒸留のいずれであってもよい。
本発明に用いるイオン交換樹脂処理とは、各種のイオ
ン交換樹脂と写真処理廃液とを接触させることによって
行うことができ、イオン交換樹脂としては三次元に重縮
合した高分子基体に官能基を結合したもので、陽イオン
交換樹脂と陰イオン交換樹脂、キレート樹脂、吸着樹脂
等がある。
本発明に好ましく用いられるイオン交換樹脂の化学構
造例や用法については、特願昭59−124639号(特に第54
〜54頁)の記載内容を参照できる。
次に、本発明による処理を行うことができる写真処理
廃液の代表例について詳述する。但し、以下には処理さ
れる写真材料がカラー用である場合の写真処理液につい
て主に述べるが、写真処理廃液はこれら写真処理液を用
いてハロゲン化銀カラー写真材料を処理する際に出るオ
ーバーフロー液がほとんどである。
発色現像液は発色現像処理工程(カラー色画像を形成
する工程であり、具体的には発色現像主薬の酸化体とカ
ラーカプラーとのカップリング反応によってカラー色画
像を形成する工程)に用いる処理液であり、従って、発
色現像処理工程においては通常発色現像液中に発色現像
主薬を含有させることが必要であるが、カラー写真材料
中に発色現像主薬を内蔵させ、発色現像主薬を含有させ
た発色現像液又はアルカリ液(アクチベーター液)で処
理することも含まれる。発色現像液に含まれる発色現像
主薬は芳香族第1級アミン発色現像主薬であり、アミノ
フェノール系及びp−フェニレジンアミン系誘導体が含
まれる。
上記アミノフェノール系現像剤としては例えば、o−
アミノフェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ
−2−オキシ−トルエン、2−アミノ−3−オキシ−ト
ルエン、2−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチル−ベ
ンゼンが含まれる。
発色現像液は、現像液に通常用いられるアルカリ剤を
含むことがあり、更に種々の添加剤、例えばベンジルア
ルコール、ハロゲン化アルカリ金属あるいは現像調節剤
保恒剤含有することもある。さらに各種消泡剤や界面活
性剤を、またメタノール、ジメチルホルムアミドまたは
ジメチルスルホキシド等の有機溶剤等を適宜含有するこ
ともある。
また、発色現像液には必要に応じて酸化防止剤が含有
されてもよい。更に発色現像液中には、金属イオン封鎖
剤として、種々なるキレート剤が併用されてもよい。
漂白定着液は漂白定着工程(現像によって生成した金
属銀を酸化してハロゲン化銀に代え、次いで水溶性の錯
体を形成すると共に発色剤の未発色部を発色させる工
程)に用いられる処理液であり、該漂白定着液に使用さ
れる漂白剤はその種類を問わない。
なお、漂白定着液には各種pH緩衝剤を単独あるいは2
種以上組合わせて含有することがある。さらにまた、各
種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤を含有する
ことがある。また重亜硫酸付加物等の保恒剤、アミノポ
リカルボン酸等の有機キレート化剤あるいはニトロアル
コール、硝酸類等の安定剤、有機溶媒等を適宜含有する
こともある。更には、漂白定着液は、特開昭46−280
号、特公昭45−8506号、同46−556号、ベルギー特許第7
70,910号、特公昭45−8836号、同53−9854号、特開昭54
−71634号及び同49−42349号等に記載されている種々の
漂白促進剤を添加することがある。
本発明において水洗代替安定化処理と組合せると処理
廃液量が少なくて熱交換による効果が大きく好ましい。
安定液にはカラー画像を安定化させる機能の処理と水
洗ムラ等の汚染を防止する水切り浴的機能の安定液もあ
る。他にはカラー画像を着色する着色調整液や、帯電防
止剤を含んだ帯電防止液もこれらの安定液に含まれる。
安定液には前浴から漂白定着成分が持ち込まれるときに
は、これらを中和化、脱塩及び不活性化し色素の保存性
を劣化させない工夫がされる。
このような安定液に含まれる成分としては鉄イオンと
のキレート安定度定数が6以上(特に好ましくは8以
上)であるキレート剤がある。これらのキレート剤は、
有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キレート剤、ポ
リヒドロキシ化合物、無機リン酸キレート剤等があり、
本発明の効果のために特に好ましくはジエチレントリア
ミン五酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸やこれらの塩である。これらの化合物は一般に安
定液1について約0.1g〜10gの濃度、更に好ましく
は、安定液1について約0.5g〜5gの濃度で使用され
る。
安定液に添加される化合物としては、アンモニウム化
合物がある。これらは各種の無機化合物のアンモニウム
塩によって供給されるが、具体的には水酸化アンモニウ
ム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、次亜リン酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、亜リン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、酸性
フッ化アンモニウム、フルオロホウ酸アンモニウム、ヒ
酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、フッ化水素ア
ンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、ヨウ化アンモニウム、硝酸アンモニウム、五ホウ酸
アンモニウム、酢酸アンモニウム、アジピン酸アンモニ
ウム、ラウリルトリカルボン酸アンモニウム、安息香酸
アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、クエン酸ア
ンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニウ
ム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸水素アンモニウム、シ
ュウ酸水素アンモニウム、フタル酸水素アンモニウム、
酒石酸水素アンモニウム、乳酸アンモニウム、リンゴ酸
アンモニウム、マレイン酸アンモニウム、シュウ酸アン
モニウム、フタル酸アンモニウム、ピクリン酸アンモニ
ウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム、サ
ルチル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、スルフ
ァニル酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、チオグリ
コール酸アンモニウム、2,4,6−トリニトロフェノール
アンモニウム等である。これらのアンモニウム化合物の
添加量は安定液1当り0.05〜100gの範囲で使用され、
好ましくは0.1〜20gの範囲で用いられる。
安定液に添加される化合物としては、pH調整剤、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1−2
−ベンツイソチアゾリン−3−オンの他特願昭59−1463
25号(第26〜30頁)記載の防バイ剤、水溶性金属塩等の
保恒剤、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン(PVP K−15、ルビスコール
K−17等)等の分散剤、ホルマリン等の硬膜剤、蛍光増
白剤等が挙げられる。
とりわけ本発明においては、前記防バイ剤を含有した
水洗代替安定液を用いる際に蒸発処理装置内にタールの
発生が少ないため特に好ましく用いられる。
処理される感光材料がネガ用である場合、該ネガ用安
定液には写真画像保存性改良のため、アルデヒド誘導体
が添加されることがある。
前記ネガ用安定液には必要に応じて各種の添加剤、例
えば、水滴ムラ防止剤、pH調整剤、硬膜剤、有機溶媒、
調湿剤、その他色調剤等処理効果を改善、拡張するため
の添加剤が加えられることがある。
本発明における水洗代替安定液を用いて行なう安定化
処理とは通常の多量の流水を使用して写真感光材料中に
付着あるいは浸透した前段階の処理液を洗い流す処理で
はなく、安定浴中に写真感光材料の単位面積当りわずか
30ml/m2〜9000ml/m2、より好ましくは60ml/m2〜3000ml/
m2l補充をすることによって上記と同等以上の作用を有
するものであり具体的には特開昭58−134636号等に記載
のような画像安定化処理をさす。
従って本発明に係る水洗代替安定液を使用した場合に
は従来のように水洗のための自現キの外部へ給排管の設
備を必要としない。
またカラーペーパー用発色現像液や安定液でスチルベ
ン系蛍光増白剤を用いることがある。
前記発色現像液の廃液に含まれる成分は、前記各種成
分ないし添加剤及び処理される写真材料から溶出し蓄積
する成分等である。
前記漂白定着液及び安定液の廃液に含まれる成分は、
前記各種成分ないし添加剤及び処理される写真材料から
溶出し蓄積する成分等である。
次に、添付図面に従って、本発明の実施に用いて最適
である、写真処理廃液の蒸発処理装置の一実施例を説明
する。
A自動現像機 本発明が適用される自動現像機は第1図において符号
10で指示されており、図示のものはロール状の写真感光
材料Fを、発色現像槽CD、漂白定着槽BF、水洗代替安定
槽Sbに連続的に案内して写真処理し、乾燥D後、巻き取
る方式のものである(図示しないが、自動現像機として
は、ショートリーダーに写真感光材料を案内させる発色
現像槽CD、漂白槽BL、定着槽FIX、水洗代替安定槽Sb、
第2安定槽を有する態様等種々のものがあるが代表例と
して図示のものが挙げられる)。
11は補充液タンクであり後に詳記するセンサー21によ
り写真感光材料Fの写真処理量を検知し、その検出情報
に従い制御装置20により各処理槽に補充液の補充が行わ
れる。
なお、写真処理の方式、写真処理槽の構成、補充液の
補充方法は、上記に限定されるものではなく、例えば特
開昭58−14834号、同58−34448号、同57−132146号及び
同58−18631号、同60−263941号、同61−2153号等に示
される所謂無水洗方式のものを含めて、他の方式ないし
構成のものに対しても本発明の適用が可能である。
尚本発明の最も好しい実施態様は自動現像機に装備さ
れているものであるが、多量の写真処理廃液を一括して
処理する場合には本発明に係る写真処理廃液の処理装置
(図10)で処理することが好ましい。
図10における説明は本願明細書中の自動現像機のもの
と本質的に変わらないので、以下で同時に説明する。
B写真処理廃液の回収及び銀回収 各処理槽に対し補充液の補充が行われると、オーバー
フロー廃液として処理槽から排出されたストックタンク
30に集められる。この際発色現像槽CDの廃液は本発明の
銀回収処理技術による銀回収手段80を通すことなく、ス
トックタンク30に入れられるが、漂白定着槽BF及び水洗
代替安定槽Sbの廃液は本発明の銀回収処理技術による銀
回収手段80によって銀回収処理された後、ストックタン
ク30に入れられる。なお、図示の自動現像機において
は、補充液の補充により処理槽の上部からオーバーフロ
ーした分が写真処理廃液として処理の対象となる。
銀回収手段80やストックタンク30を複数個設けるこ
と、処理手段40を複数個設け、その1ないし2以上をス
トックタンクとして利用すること(例えば、交互にスト
ックタンクと処理手段として使い分ける)等も本発明に
包含される。ストックタンク30を用い、一定量を1度に
処理するようにすれば、濃縮させた写真処理廃液を均一
化でき、ストックタンク30は写真処理槽から処理手段へ
のバッファーとして有用である。
オーバーフローした写真処理廃液を銀回収手段やスト
ックタンク30に移す手段としては、案内管を通して自然
落下させるのが簡易の方法であるが、途中に熱交換手段
を配置して写真処理廃液の保有している熱エネルギーを
採取したり、或は、自動現像機若しくは後述する蒸発処
理装置の熱エネルギーを利用して銀回収手段80やストッ
クタンク30に集められる以前に写真処理廃液を予備加
熱、若しくは水分を蒸発させる手段を設けてもよいし、
また、ポンプ23等より強制移送する場合もあり得る。
また各写真処理槽CD、BF、Sbに写真処理廃液中の成分
に相違が有るため、全ての写真処理廃液を一括処理せ
ず、各写真処理槽毎に、若しくは2又は3以上の群に分
けられた処理槽の廃液毎にストックタンク30を用意して
別々に処理する場合も含まれる。特に、銀の回収の点か
ら発色現像槽CDの廃液と漂白定着槽BF及び水洗代替安定
槽Sbの廃液とを分けると有利である。
また、既存の自動現像機等にある廃液タンクに配管し
ポンプにより廃液をストックタンクへ強制移送してもよ
い。更に、自動現像機の廃液タンク自体をストックタン
クとして利用することができる。この場合、該ストック
タンクの重量を検知してポンプを作動し配管にて廃液を
強制移送することが好ましい。廃液タンクにフロートを
浮かせて一定以上の液面を検知してポンプを作動させる
ことも既存の自動現像機に設置が簡単で好ましい。
C処理手段 処理手段40は加熱手段41、処理中若しくは処理済み写
真処理廃液(濃縮液)を溜める手段を含む処理室42、処
理済み写真処理廃液(濃縮液)を処理室42から排出する
手段43を包含している。
また、好ましくはフィルター、吸着剤等によるガス吸
着手段50、51及び蒸気の冷却手段を含む蒸留水の再利用
60手段を付加した実施例としてもよい。
加熱手段41としては、熱源と加熱(蒸発)方式が重要
であるが、本発明の適用にあたっては特定のものに限定
される理由は存在せず、電気・ガス・太陽熱等の実効性
のある熱源を1つ或は2以上組み合せ利用して写真処理
廃液を加熱し、該写真処理廃液を蒸発させて濃縮させる
ものを包含する。また処理室42に写真処理廃液を溜めて
全体を加熱するものから、例えば、オーバーヒートさせ
た金属板等の発熱体に写真処理廃液を落下ないし投下
(散布を含む)して蒸発させるもの及び定量ずつ熱源に
供給して連続的に処理するものまで様々に構成すること
が可能であり、更に処理室42内に霧状に写真処理廃液を
噴霧し、加熱空気をあてて写真処理廃液を蒸発させるも
のであってもよい。なお、加熱空気を写真処理廃液中に
投入するものであってもよい。
また、噴霧するものは写真処理廃液を加熱旋回気流に
乗せるのが好ましくスプレードライ装置を用いることが
できる。
加熱手段41の位置は、溜められた写真処理廃液の上
方、内部、或いは処理室42の外部等任意である。
本発明の写真処理廃液の蒸発方法において、特に加熱
手段41がニクロム線等の熱源内蔵石英管や電熱板の如く
写真処理廃液に直接触れるものにおいては、写真処理廃
液を濃縮させる過程で、写真処理廃液がその表面にこげ
付いた状態に固着して熱効率が著しく低下することが判
明した。また、熱源から熱を写真処理廃液に伝導する熱
伝導部材にも写真処理廃液の固着が生じやすく、更に、
加熱に関係しない部分でも、廃液ないし蒸気が直接触れ
ると腐食が生じやすいことが判明した。
そこで本発明者等は、種々実験を行ったところ次の好
ましい実施例を得た。
写真処理廃液ないし蒸気が直接熱源に接触するものに
おいては、その熱源に、第1図に示す如く熱源と写真処
理廃液とが直接接触しないものにおいて、熱伝導部分の
表面に、例えば、テフロン加工(フッ素樹脂のコーティ
ング)する実施例を試みた。この実施例においては、75
0Wニクロム線内蔵石英管2本を用い、その上方に金属性
の釜を設けて中に写真処理廃液を入れてその金属の表面
を写真処理廃液の固着防止手段44としてテフロン加工
(フッ素樹脂のコーティング)したものを直接に処理す
べき写真処理廃液中に配置して写真処理廃液の処理実験
を行ったところ、廃液2を1時間で0.5に濃縮する
ことができ長期使用によっても濃縮廃液のタール物の固
着現象は見られなかった。また、何等の加工処理も行わ
ないものにはタール物が固着し2回目以降の写真廃液の
濃縮に時間がかかり著しい熱効率の低下があっただけで
なく金属部分には腐食の進行が見られた。
フッ素樹脂のコーティング以外のテフロン加工手段、
例えば、バインダータイプ、メッキタイプオイル混入タ
イプ、加熱処理タイプ常温湿布タイプのそれぞれについ
て実験を行ったところ、良好な結果が得られた。
また、同様にして、「複合材料技術集成」(1976年、
産業技術センター刊、P213〜219)、「新材料1984」(1
984年、東レリサーチセンター刊、P287〜315)「複合材
料」(1984年、東大出版会刊)に記載されている無機繊
維を用いて実験を行ったところ、上記と同様の結果が得
られた。
第1図に示す如く、中釜を利用するものにおいては、
その内側に、特に加熱手段41の熱を伝導する部分に上記
した写真処理廃液の固着防止手段を施するが、腐食など
による機器の損傷を防止する点からいえば、処理室の内
部の機器全部に写真処理廃液の固着防止手段を施すのが
好ましい。
次に、第1図において、処理室42の底部に熱源として
ニクロム線内蔵石英管を配置した加熱手段41を設けその
若干上部まで固着防止手段として例えばシリコンオイル
による液体層44を形成して、その上に写真処理廃液を溜
めて加熱処理する実施例について実験したところ、熱源
に対する廃液の固着現象は見られず、テフロン加工によ
ったものと同様の良好な結果が得られた。
処理室42の構成は、前記した加熱手段41の構成に対応
して決められるが、好ましくは減圧雰囲気にして、沸点
を下げて水の蒸発を促進するのがよい。
処理室42を処理すべき写真処理廃液ないし処理済みの
濃縮液を溜めるように構成し、金属ないし陶磁器・合成
樹脂等により中釜ないし中敷44を形成したり、バグフィ
ルターないしパック等の分離手段を用い、処理済みの濃
縮液を、固形化し中釜ないし中敷44ごと又はバグフィル
ターないしパックごと取り出し廃棄ないし処理するよう
にするのが好ましい。前記した中釜ないし中敷44を利用
するものの外、排出手段43としては、回転スクリュウ・
ポンプを利用した公知の排出装置や処理室42の底部から
バルブを介して写真処理廃液の濃縮液を吸液性樹脂、固
化剤の1又は2以上を有する容器中に自然落下させ、固
形化させるもの等様々に設計することができる。
なお、中敷44ないしパックとしては耐熱、耐薬品性の
素材、例えば炭素繊維、アラミド繊維、テフロン樹脂繊
維、麻、ガラス繊維、ポリエチレンフォーム、ポリプロ
ピレンフォーム等が好ましい。
本発明の写真処理廃液の処理装置における制御は主と
して、 (1)銀回収手段80やストックタンク30及び31への写真
処理廃液の排出 (2)ストックタンク30から処理手段40への写真処理廃
液の供給 (3)処理手段40の作動 の各事項について重要であり、以下順次説明する。
(1)銀回収手段80やストックタンク30への写真処理廃
液の排出 銀回収手段80やストックタンク30内の写真処理廃液の
量並びに温度はセンサー22により検出され、その情報
は、制御装置20の記憶部に逐次記憶されている。従っ
て、銀回収手段80やストックタンク30内の写真処理廃液
が満杯状態にあることが検出されると、新たに写真処理
廃液が排出されないように補充液の補充が禁止される
か、或は補充液の補充指示情報に従って銀回収手段80や
ストックタンク30から処理手段40へのポンプ23による緊
急排出が行われる。誤動作を防止するには、銀回収手段
80やストックタンク30の容量に余裕を持たせたり、或は
複数の銀回収手段80やストックタンク30ないし予備タン
クを配備しておくのが好ましい。また、写真処理廃液を
一括処理せず、写真処理廃液の種別に従って別々に処理
する方式のものにおいては、各銀回収手段80やストック
タンク30ごとに液量・温度等の検出が行われる。
なお、ストックタンク30内の写真処理廃液の温度検出
は、後述する処理手段40の作動制御、特に加熱温度の制
御のための写真処理廃液の情報として重要である。
(2)ストックタンク30及び31から処理手段40への写真
処理廃液の供給: ストックタンク30・31から廃液処理手段40への写真処
理廃液の供給制御には、廃液処理手段40が単一の場合
と、複数の場合とがある。後者の場合には更に、廃液処
理手段40が複数用意されておりその内の1ないし2以上
がストックタンクを兼用する場合があり、このような場
合、写真処理廃液は、上記したストックタンクへの排出
と同様に、写真処理層の廃液毎に複数用意されている廃
液処理手段40に区分されて排出され、原則として投入さ
れた廃液処理手段40によって蒸発処理される。
廃液処理手段40が単数の場合には、ストックタンク30
・31に区分けしてストックされている写真処理廃液が混
合しないように前液の処理が完了した後に別の写真処理
廃液を供給することにする。
ストックタンク30から処理手段40への写真処理廃液の
供給は、定量(廃液処理手段40内に1度に貯蔵できる
量)ずつ1度に供給する方式と、定量ずつないし可変量
を連続的に供給する方式とがある。前者の場合、センサ
ー22によりストックタンク30内の写真処理廃液の減少量
及び又はセンサー24による処理手段40内の写真処理廃液
量の検出情報に従ってストックタンク30から処理手段40
への写真処理廃液の供給を制御する。なお、この場合ス
トックタンク30から処理手段40への写真処理廃液供給管
に設けられた流量計による検出情報に従って制御するよ
うにしてもよい。
定量ずつないし可変量を連続的に供給する方式の場
合、供給する写真処理廃液の温度、処理手段40の加熱手
段41ないし処理室42の温度に従い供給する写真処理廃液
の量を調整する。また供給する写真処理廃液量を常に一
定とし、処理手段40内の写真処理廃液量をセンサー24に
より検出してその量により加熱手段41、例えばヒーター
による加熱温度を上昇ないし下降すべく制御するか、又
は加熱時間を増・減制御するようにしてもよい。
(3)処理手段40の作動: 処理手段40の作動の制御は、前項においても記載した
が、供給する写真処理廃液の量と処理された写真処理廃
液の量の差、或は、残留している写真処理廃液の量ない
し処理され濃縮された写真処理廃液の量に従って行われ
る。
なお、写真処理廃液を一定量ずつ1度に処理手段40に
供給する方式のものにおいては、供給される写真処理廃
液の温度と加熱手段41ないし処理室42の温度とが検出さ
れていれば処理時間を制御することにより処理手段40の
作動を制御することができる。
なお、処理すべき写真処理廃液の供給と処理手段の作
動(加熱手段の制御、処理済廃液の排出)とは、排出時
作動停止、排出時加熱手段の低エネルギー作動、供給時
処理同時排出、等様々に設計可能である。
以上において、処理手段の写真処理廃液の処理進行度
は処理時間で制御する外、写真処理廃液の粘度、処理室
42内の写真処理廃液下限レベル、蒸気温度、圧力、重
量、電導率、濁度ないし透過率装置外部の温度等を検出
することによって制御され、写真処理廃液が一定濃度に
濃縮された段階で写真処理廃液処理手段40の作動を停止
ないし低エネルギー運転に切り換えるようにするのが好
ましい。
また、以上の如く多様な事項によって写真処理廃液の
供給、処理(蒸発・濃縮)、排出が制御されるが、これ
に対応して時間、粘度、温度、圧力液面レベル、濃度、
電気抵抗、重量等を検出する様々なセンサー24等が用い
られ、かつセンサー24等の取付け位置も多様である。
時間制御の場合、バッチ処理と連続投入処理との場合
では異なり、また供給される写真処理廃液温度でも時間
を異にする。
写真処理廃液の粘度を検出して処理進行度を計るに
は、毛管粘度計等の各種の粘度計を用いる外例えば、撹
拌用プロペラないし棒にかかる負荷を検出するか、或い
は、排出手段にバースクリューを用いる場合には駆動モ
ーターにかかる負荷によって粘度を検出する。このよう
に回転スクリューないしプロペラを利用して粘度を検出
するには、粘度の上昇に従って一定の回転負荷の上昇な
いし回転数の低減によって処理完了信号を発するように
する。
濃度の検出には、例えば、処理室の一定の高さに発光
器、反射板、受光器等を配置しておき光の透過率(減衰
率)や屈折率を計測する計測器が用いられる。濃度の変
化に伴なう電気抵抗の変化により検出することもでき
る。
処理室42内の蒸気温度は、図示しないが、例えば、廃
液の液面が蒸発処理につれて低下してゆきある規定の位
置以下になると加熱部が液面上に露出するように装置を
構成しておけば、加熱部が露出した段階からオーバーヒ
ート現象により処理室内の蒸気温度が急激に上昇するの
で、廃液処理の進行度を検出することができる。
また、処理室42の内壁の所定の高さに液の存在不存在
により電気抵抗に変化が生じるセンサーを取付けておく
ことにより、液面レベルを検出することもできる。液面
レベルはフロート等を用いた機械的手段により検出する
こともできる。
重量を計測するには、例えば処理室42内に配置する中
釜の下面に電気的ないし機械的な重量計を配置すること
により検出する。
発生した蒸気の量は、例えばガス吸着手段の前段に流
量計を配置することによって検出することができ、また
冷却手段60に設ける場合には、溜った蒸留水の量(重
さ、液面高さ)を計ることによっても検出することもで
きる。
後者の場合、蒸気温度、重量、装置外部の温度を検出
して廃液処理手段40の作動を停止ないし低エネルギー運
転に切り変えるようにしてもよい。
なお、本発明において濃縮とは、廃液体積を写真処理
槽から出た時の体積の2分の1以下にすることであり、
廃棄の点からは4分の1以下が好ましく、更に好ましく
は5分の1以下であり、最適には、10分の1である。濃
縮すると沈澱或はタール等の発生がある。液全体として
流動性があればよく、沈澱やスラッジがあってもよい。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明の詳細を説明するが、こ
れにより本発明の実施態様が限定されるものではない。
サクラカラーSRペーパー(小西六写真工業社製)の像
露光後、次の処理工程と処理液を使用して連続処理を行
った。
基準処理工程 (1)発色現像 38℃ 3分30秒 (2)漂白定着 38℃ 1分30秒 (3)安定化処理 25℃〜35℃ 3分 (4)乾 燥 75℃〜100℃ 約2分 処理液組成 [発色現像タンク液] ベンジルアルコール 15ml エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.3g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 24.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンズ スルホン酸誘導体)(商品名ケイコールPK− コンク(新日曹化工社製)) 1.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 二ホスホン酸 0.4g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.7g 1,2−ヒドロキシベンゼン−3,5− ジスルホン酸−二ナトリウム塩 0.2g 水を加えて1とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.2
0とする。
[発色現像補充液] ベンジルアルコール 20ml エチレングリコール 20ml 亜硫酸カリウム 3.0g 炭酸カリウム 30.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 4.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル) アニリン硫酸塩 6.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンズ スルホン酸誘導体)(商品名ケイコールPK− コンク(新日曹化工社製)) 2.5g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 二ホスホン酸 0.5g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.8g 1,2−ヒドロキシベンゼン−3,5− ジスルホン酸−二ナトリウム塩 0.3g 水を加えて1とし、水酸化カリウムでpH10.70とす
る。
[漂白定着タンク液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100.0ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1とし、炭酸カリウムまたは氷酢
酸でpH7.1に調整する。
[漂白定着補充液A] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 260.0g 炭酸カリウム 42.0g 水を加えて全量を1にする。
この溶液のpHは6.7±0.1である。
[漂白定着補充液B] チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 500.0ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 250.0ml エチレンジアミンテトラ酢酸 17.0g 氷酢酸 85.0ml 水を加えて全量を1とする。
この溶液のpHは5.3±0.1である。
[水洗代替安定タンク液及び補充液] エチレングリコール 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 二ホスホン酸(60%水溶液) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.0g 水で1とし、硫酸でpH7.0とする。
自動現像機に上記の発色現像タンク液、漂白定着タン
ク液及び安定タンク液を満し、前記サクラカラーSRペー
パー試料を処理しながら3分間隔毎に上記した発色現像
補充液と漂白定着補充液A、Bと安定補充液を定量カッ
プを用いて補充しながらランニングテストを行った。補
充量はカラーペーパー1m2当りそれぞれ発色現像タンク
への補充量として190ml、漂白定着タンクへの補充量と
して漂白定着補充液A、B各々50ml、安定化槽への補充
量として水洗代替安定補充液を250ml補充した。なお、
自動現像機の安定化槽は試料の流れの方向に第1槽〜第
3槽となる安定槽とし、最終槽から補充を行い、最終槽
からのオーバーフロー液をその前段の槽へ流入させ、さ
らにこのオーバーフロー液をまたその前段の槽に流入さ
せる多槽向流方式とした。
水洗代替安定液の総補充量が安定タンク容量の3倍と
なるまで連続処理を行った。
上記処理によって生じるオーバーフロー液であって、
[発色現像液のオーバーフロー液]:[漂白定着液のオ
ーバーフロー液]:[水洗代替安定液のオーバーフロー
液]=3:3:5の比率で混合した写真処理廃液(A)につ
いて次の処理を行った。
実施例 1 写真処理廃液(A)をニクロム線内蔵石英管75OW2本
を入れた蒸発釜を用いて蒸発処理し、生じる蒸気Qを第
3図に示す放熱板装置62を用いて冷却したところ蒸留液
体Rが得られた。また、臭気も放熱板装置を用いない場
合と比べて極めて少なかった。
実施例 2〜7 実施例1の蒸発処理によって得られた蒸気Qを第4図
〜第9図に示す冷却手段を用いて冷却処理したところ、
いずれの場合も実施例1と同様に冷却手段を用いない場
合と比べて臭気が極めて少なく、問題なく蒸留液体Rが
得られた。第4図〜第6図のものは写真処理廃液が予備
加熱されており、蒸気釜における蒸発処理が同様の条件
で予備加熱しないものと比べて早かった。更に第8図の
ものは発色現像槽の温度コントロールに好適であった。
釜の内部を見たところ、所謂こびりつきや飛び跳ねた跡
が見られず、きれいであった。また排出手段43を用いて
高吸液性樹脂を中に設けてなる容器に排出したところ良
好な処理ができた。
実施例 8 写真処理廃液(A)2を蒸発乾固した後、蓋45を外
し蒸発釜から乾固物を取り出したところ硫化水素臭が強
く、乾固物は蒸発釜の底にこびりつき、又壁にも飛び散
っており、全てを取り除くことが困難であった。
実施例 9 あらかじめ蒸発釜の底部に炭素繊維織物からなる中敷
44を敷いておき、実施例1と同じく蒸発濃縮後、高吸液
性樹脂(スミカゲルN−100、商品名、住友化学社製)2
0gを添加し、前記織物からなる中敷44ごと除去したら容
易に全て除去できた。蒸発釜の内部を見たところ、所謂
こびりつきや飛び跳ねた跡が見られず、きれいであっ
た。
実施例 10 処理室内42内に最初に供給した処理すべき写真処理廃
液(A)が2、ヒーター熱容量を1.5KWとして、蒸発
処理し、回転粘度計により蒸発温度における粘度が10%
増加したところで処理手段40内の写真処理廃液を調べた
ところ約3倍に濃縮されていた。
実施例 11 処理室42内に最初に供給した処理すべき写真処理廃液
(A)が2、ヒーター熱容量を1.5KWとして、蒸発処
理し、回転粘度計により粘度が10%増加したところで、
処理すべき写真処理廃液(A)を新たに供給することを
数回繰り返した後、処理手段40内の写真処理廃液を調べ
たところ実施例10と同様、約3倍に濃縮されていた。
実施例 12 処理室42内の液面レベルを検出して10分の1までレベ
ルダウンしたところで、濃厚化された廃液を取り出し
た。また、処理室42内の液面レベルを検出して5分の1
までレベルダウンしたところで処理すべき写真処理廃液
(A)を新たに供給して再度液面レベルが5分の1まで
レベルダウンしたところで、濃厚化された廃液を取り出
した。
実施例 13 写真処理廃液(A)を電解銀回収装置(サン精機製作
所製、BN−10型)を用いて、銀錯塩0.2g/になるまで
脱銀処理を行った後、ストックタンク30へ流入させた。
かかる脱銀済み写真処理廃液と発色現像液のオーバーフ
ロー液との混合液(3:8)をストックタンク30から処理
手段40へ移した。ここでニクロム線内蔵石英管750W2本
を入れた蒸発釜を用いて蒸発処理した。この処理を連続
的に行ったところ、脱銀しない写真処理廃液を蒸発処理
した際には蒸発釜の底部に硫化銀が固着し、蒸発効率が
低下すると共に、1ヶ月後には蒸発釜の腐食が生じた。
一方、本発明の脱銀処理写真処理廃液の蒸発処理では、
これらの欠点が全く見られなかった。
実施例 14 実施例1の電解銀回収装置BN−10に替えて、硫化ナト
リウムを添加し、銀を硫化銀として沈澱させ、デカンテ
ーションで分離し、濾液はストックタンク30へ流入させ
た。他は実施例1と同様の実験を行ったところ、同じく
良好な結果が得られた。
実施例 15 実施例1の銀回収操作を処理液の加熱処理後行うと、
蒸発釜の底部に硫化銀が固定し、1ヶ月後には蒸発釜の
腐食が生じたのみならず、同じ銀濃度の液を同体積用い
ても、電着銀は蒸発前に銀回収を行った場合に比べ約20
%しか得られず、更には電着銀の電析状態が極めて悪
く、容易に剥離した。
実施例 16 写真処理廃液(A)をニクロム線内蔵石英管750W2本
を入れた蒸発釜を用いて液面で1/10になるまで蒸発処理
し、生じる蒸気を冷却して得た蒸留液体を溶解水として
漂白定着液を作成し前記現像処理に用いたところ、写真
性能に問題はみられなかった。また突沸も生じなかっ
た。
実施例 17 実施例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体をカル
ゴン粒状活性炭TYPE SGL(東洋カルゴン社製)をつめた
カラムにて処理し、得られた2次処理液体を用いて発色
現像液を作り、現像処理したところ写真性能に問題はみ
られなかった。
実施例 18 実施例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体を400W
の高圧水銀燈下にて4時間照射したのち、得られた2次
処理液体を用いて漂白定着液を作り、現像処理したとこ
ろ写真性能に問題はみられなかった。
実施例 19 実施例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体を電解
装置にて処理し、得られた2次処理液体を用いて安定液
を作り、現像処理したところ写真性能に問題はみられな
かった。
実施例 20 実施例1の蒸発処理によって得られた蒸留液体をエア
ーポンプにて空気を送り込み1時間経過後、得られた2
次処理液体を用いて水洗代替安定液を作り、現像処理し
たところ写真性能に問題はみられなかった。
実施例 21 実施例1において、写真処理廃液として、水洗代替安
定液のオーバーフロー液を用いない場合、また水洗代替
安定液のオーバーフローの代わりに同量の水を用いた場
合について、それぞれ実施例1と同様の実験を行なっ
た。
その結果、いずれの場合も、蒸発釜へのこびりつきや
固着が若干認められた。
実施例1との比較より、水洗代替安定液のオーバーフ
ローを用いる場合には、蒸発釜への固着やこびりつきが
極めて少なく、良好であることが判かる。
実施例 22 実施例1において、第1図のガス吸着手段50を除去し
て、他は実施例1と同様の実験を行なった。ただし、ガ
ス吸着手段51には、粒状活性炭(ツルミコール社製(TS
URUMI COAL CO)粒状活性炭AX型及びSX型を混合したも
の)を充填したものを用いた。10時間連続処理後、ガス
検知管(ガステック社製)を用いて、排気部のアンモニ
アガス量及び硫化水素ガス量を測定した。次いで冷却手
段60を除去して同様の比較用実験を10時間行ない、ガス
の測定を行なった。
その結果、冷却手段60を用いた本発明例の場合、アン
モニアガス濃度は5ppmであり、硫化水素ガス濃度は、0p
pmであった。いずれも、米国1985年度ACGIH(American
Conference of Governmental Industrial Hygienists)
の許容濃度勧告値(アンモニア25ppm、硫化水素10ppm)
以下であり、臭気もほとんど認められなかった。しかる
に、冷却手段60を除去して行なった場合には、蒸発処理
開始直後はアンモニアガス濃度、硫化水素濃度ともに0p
pmであったが1時間後にはアンモニアガス濃度は160ppm
であり、硫化水素240ppmであった。蒸発処理装置周辺に
悪臭がたち込めた。
実施例23 実施例12と同様な方法で、濃縮度を下記表1に記載の
如くとなる様に調整しながら実験を行った。結果を、表
1にまとめて示す。
表中、蒸発釜の損傷(外観)とは蒸発釜内部に写真処
理廃液成分の一部がタール化して付着している状態を示
し、○はタールの付着が少なく、取り除くことも容易で
あり、蒸発釜の損傷の問題なし、△は容易に取り除くこ
とのできないタールの付着がみられ蒸発釜の損傷の問題
がある、×はタールの付着がかなりみられ、明らかに蒸
発釜の損傷の問題あり、××は前記×の問題が顕著な状
態を示す。悪臭の評価は、○は問題なし、△は若干の悪
臭が認められる、×はかなりの悪臭が認められる、こと
を意味する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第10図は、本発明の写真処理廃液の処理装
置を示す概略図、第2図は、本発明の一実施例を示すフ
ローチャート図、第3図〜第9図は、本発明の処理装置
に使用する冷却手段の実施例を示す概略図。 10:自動現像機、11:補充液タンク 12:制御装置、21,22,24:センサー 23:ポンプ、30:ストックタンク 40:処理装置、41:加熱手段 42:処理室、43:排出手段 44:中釜ないし中敷、45:回収容器 50,51:ガス吸着手段、52:排気部 60:冷却手段を含む蒸留水の再利用手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願昭60−259004 (32)優先日 昭60(1985)11月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭60−259005 (32)優先日 昭60(1985)11月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭60−259007 (32)優先日 昭60(1985)11月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭60−259010 (32)優先日 昭60(1985)11月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) 審判番号 平6−21453 合議体 審判長 主代 静義 審判官 山田 充 審判官 原 健司

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に水洗を行わず、水洗代替安定液を
    用いて行う安定化処理工程を含むハロゲン化銀写真感光
    材料の現像処理に伴い発生する写真処理廃液を加熱する
    ことによって蒸発させ、該写真処理廃液の体積を写真処
    理槽から出たときの体積の2分の1から10分の1に濃縮
    し固体化せずに濃縮液に止め、該蒸発によって生じた蒸
    気を冷却することによって蒸留液を回収し、該蒸留液を
    再利用することを特徴とする写真処理廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】前記蒸留液を下記(A)〜(I)の処理か
    ら選ばれる少なくとも1つの処理を行うことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の写真処理廃液の処理方
    法。 (A)活性炭処理、 (B)紫外線照射処理、 (C)逆浸透処理、 (D)酸化剤処理、 (E)電解酸化処理、 (F)エアレーション処理、 (G)電気透析処理、 (H)再蒸留処理、 (I)イオン交換樹脂処理
  3. 【請求項3】写真処理廃液を加熱する前に銀回収処理を
    行うことを特徴とする特許請求の範囲第1または第2項
    記載の写真処理廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】前記銀回収を電気分解法、沈殿法、置換法
    又は還元法から選ばれる手段で行うことを特徴とする特
    許請求の範囲第3項記載の写真処理廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】写真処理廃液の加熱を下記A乃至Hの中か
    ら選ばれる項目によって制御することを特徴とする特許
    請求の範囲第1項、2項、3項又は4項記載の写真処理
    廃液の処理方法。 A.処理時間 B.写真処理廃液の粘度 C.写真処理廃液の液面レベル D.写真処理廃液または蒸気の温度 E.処理手段から排出される蒸気の量 F.写真処理廃液の重量 G.写真処理廃液の電気伝導率 H.写真処理廃液の光学濃度
  6. 【請求項6】実質的に水洗を行わず、水洗代替安定液を
    用いて行う安定化処理工程を含むハロゲン化銀写真感光
    材料の現像処理に伴い発生する写真処理廃液を加熱する
    処置室と、該写真処理廃液の体積を写真処理槽から出た
    ときの体積の2分の1から10分の1に濃縮する加熱手段
    と、濃縮された該写真処理廃液の濃縮液を処置室から排
    出する手段と、該写真処理廃液が加熱されることによっ
    て生じる蒸気を冷却処理する手段と、該冷却処理によっ
    て生成される蒸留液の回収槽と、下記A乃至Hの中から
    選ばれる項目によって加熱手段を制御する制御手段を有
    することを特徴とする写真処理廃液の処理装置。 A.処理時間 B.写真処理廃液の粘度 C.写真処理廃液の液面レベル D.写真処理廃液または蒸気の温度 E.処理手段から排出される蒸気の量 F.写真処理廃液の重量 G.写真処理廃液の電気伝導率 H.写真処理廃液の光学濃度
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