JP2608420B2 - 写真処理廃液の処理装置 - Google Patents

写真処理廃液の処理装置

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JP2608420B2
JP2608420B2 JP62219645A JP21964587A JP2608420B2 JP 2608420 B2 JP2608420 B2 JP 2608420B2 JP 62219645 A JP62219645 A JP 62219645A JP 21964587 A JP21964587 A JP 21964587A JP 2608420 B2 JP2608420 B2 JP 2608420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、写真用自動現像機による写真感光材料の
現像処理に伴い発生する廃液(以下、写真処理廃液ない
し廃液と略称)を蒸発処理する処理装置に係り、特に、
自動現像機内若しくは自動現像機の近傍に配置して処理
するのに適した写真処理廃液の処理装置に関する。 [従来の技術] 一般に、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理は、白
黒感光材料の場合には現像、定着、水洗等、カラー感光
材料の場合には発色現像、漂白定着(又は漂白、定
着)、水洗、安定化等の機能の1つ又は2つ以上を有す
る処理液を用いた工程を組合せて行なわれている。 そして、多量の感光材料を処理する写真処理において
は、処理によって消費された成分を補充し一方、処理に
よって処理液中に溶出或いは蒸発によって濃化する成分
(例えば現像液における臭化物イオン、定着液における
銀錯塩のような)を除去して処理液成分を一定に保つこ
とによって処理液の性能を一定に維持する手段が採られ
ており、補充のために補充液が処理液に補充され、写真
処理における濃厚化成分の除去のために処理液の一部が
廃棄されている。 近年、補充液は水洗の補充液である水洗水を含めて公
害上や経済的理由から補充の量を大幅に減少させたシス
テムに変わりつつあるが、写真処理廃液は自動現像機の
処理槽から廃液管によって導かれ、水洗水の廃液や自動
現像機の冷却水等で稀釈されて下水道等に廃棄されてい
る。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、近年の公害規制の強化により、水洗水
や冷却水の下水道や河川への廃棄は可能であるが、これ
ら以外の写真処理液[例えば、現像液、定着液、発色現
像液、漂白定着液(又は漂白液、定着液)、安定液等]
の廃棄は、実質的に不可能となっている。このため、各
写真処理業者は廃液を専門の廃液処理業者に回収料金を
払って回収してもらったり公害処理設備を設置したりし
ている。しかしながら、廃液処理業者に委託する方法
は、廃液を貯溜しておくのにかなりのスペースが必要と
なるし、またコスト的にも極めて高価であり、さらに公
害処理設備は初期投資(イニシャルコスト)が極めて大
きく、整備するのにかなり広大な場所を必要とする等の
欠点を有している。 従って、一般には廃液回収業者によって回収され、二
次及び三次処理され無害化されているが、回収費の高騰
により廃液引き取り価格は年々高くなるばかりでなく、
ミニラボ等では回収効率は悪いため、なかなか回収に来
てもらうことができず、廃液が店に充満する等の問題を
生じている。これらの問題を解決するために写真処理廃
液の処理をミニラボ等でも容易に行なえることを目的と
して、写真処理廃液を加熱して水分を蒸発乾固ないし固
化することが研究されており、例えば、実開昭60−7084
1号等に示されている。 ところで、写真処理廃液を蒸発処理した場合、亜硫酸
ガス、硫化水素、アンモニアガス等の有害ないし極めて
悪臭性のガスが発生する。これは写真処理廃液に含有さ
れる定着液や漂白定着液としてよく用いられる特有のイ
オウ系化合物、例えばチオ硫酸塩や亜硫酸塩の分解によ
るものである。また、写真処理液廃液に含まれるアンモ
ニウム塩が臭気の発生に関与して、アンモニアガスが発
生し、さらに蒸発濃縮が進行してpHが低下すると、亜硫
酸ガスが発生し、かつ著しく硫化水素等のイオウ系臭気
が発生するようになる。 発生したガスを活性炭等で吸着、吸収あるいは乾燥さ
せることが、実開昭60−70841に記載されているが、効
果的な除去を持続するためにはメンテナンスを頻繁に行
うことが必要となる。 このため、臭気成分を除去すべく種々の研究、実験を
行なったところ、このような写真処理廃液特有な現象に
対して、写真処理廃液を加熱手段に接触させると、蒸発
濃縮により発生する蒸気中に存在するアンモニアガス量
を大幅に低下させることができ、さらに濃縮が進行して
発生するイオウ系の臭気の発生を大幅に抑制することが
できることを見い出した。 この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもの
であり、この発明の目的は写真処理廃液の蒸発濃縮処理
によって生じるアンモニア及びイオウ系の悪臭の発生を
防止し、かつ臭気を軽減して蒸発効率を向上できる写真
処理廃液の処理装置を提供することである。 [課題を解決するための手段] 前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、写真
処理廃液を蒸発して濃縮せしめる写真処理廃液の処理装
置において、前記写真処理廃液に接触して蒸発濃縮せし
める表面温度が200℃以上の発熱手段を写真処理処理液
中に少なくとも一部を浸漬するように配置された蒸発手
段と、前記写真処理廃液を蒸発させることにより発生す
る気体を冷却凝縮する凝縮手段を備え、更にこの凝縮手
段を通過した気体の少なくとも一部を前記凝縮手段より
前段側へ戻して循環させる写真処理廃液の処理装置を用
いる。 この発明の発熱手段は単位面積当りの伝熱量の大きい
高温ヒータで構成され、18Kcal/cm2・hr以上、好ましく
は18〜800Kcal/cm2・hr、より好ましくは20〜100Kcal/c
m2・hrに設定される。この写真処理廃液と接触する発熱
手段の表面温度は、200℃以上が好ましく、より好まし
くは500℃以上、さらに好ましくは1000℃以上に設定さ
れる。この温度の測定方法は、株式会社培風館、昭和61
年5月30日初版発行の「センサハンドブック」が参照さ
れ、特に、頁365〜393に記載される気体圧力計、バイメ
タル、白金抵抗体NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、各種
熱電対、感温フェライト磁性合金の接触式、或いはポロ
メータ、サーモパイル、焦電形センサ、ゴーレイセル、
光電導形、光起電力形、ショットキー形の引接触式が用
いられる。 この発熱手段は全体を写真処理廃液中に浸漬するよう
に配置され、或いは一部を浸漬して配置され、蒸発濃縮
により発生する蒸気中に存在するアンモニアガス量を大
幅に低下させることができ、かつ濃縮が進行して発生す
るアンモニア及びイオウ系の臭気の発生を大幅に抑制す
る。 この蒸発手段は、いかなる形態であってもよく、立方
体、円柱、四角柱をはじめとする多角柱、円錐、四角錐
をはじめとする多角錐やこれらのうちのいくつかを組み
合わせたものであっても良いが、加熱手段近傍と底部に
おける写真処理廃液の温度差が大きくなるように縦長で
あることが好ましく、さらに突沸による吹き出し事故を
最大限少なくするために、蒸発手段中の廃液表面から上
の空間をできるだけ広くした方が好ましい。 蒸発手段の材質は、耐熱性ガラス、チタン、ステンレ
ス、カーボンスチール、耐熱プラスチック等の耐熱性の
材質であればいかなる素材であってもよいが、安全性や
耐腐食性の点からステンレス(好ましくはSUS304やSUS3
16、特に好ましくはSUS316)やチタンが好ましい。 写真処理廃液を加熱する加熱手段が備えられ、これは
廃液の中に設置してもよいが、蒸発手段の外部に設けて
蒸発手段の壁を通じて蒸発手段中の廃液を加熱すること
も好ましい。この加熱手段の設置位置は、蒸発手段の廃
液を加熱できる位置であれば、いずれの位置であっても
良いが、特開昭63−141692号に記載されたように、蒸発
手段中の写真処理廃液の上方部を加熱するように加熱手
段を設置し、加熱手段近傍における写真処理廃液と写真
処理液の底部における温度に差が生じるようにすること
が好ましく、この温度差が5℃以上になるように加熱手
段を設置することが、この発明の効果をより高くするた
めに好ましい。 この発明において写真処理廃液に接触する発熱手段及
び蒸発手段に備えられる加熱手段は、ニクロム線であっ
ても良いし、カートリッジヒータ、石英ヒータ、テフロ
ンヒータ、棒ヒータやパネルヒータのように加工成型さ
れたヒーターまたはマイクロウェーブによる加熱であっ
ても良い。また、写真処理廃液に導電材料を直接接触さ
せ、この導電材料によって写真処理廃液中に電流を流す
と共に、加熱するようにしてもよい。 この導電材料は単結晶Si、多結晶Si、Ta2N、Ta−Si
O2、ZrO2、ZrN、TiN、Cr−Si−O、SiC、SiC−Zr、SiC
−Cr、SiC−Hf、SiC−Ti、SiC−Mo、SiC−W、SiC−N
b、SiC−Ta、SiC−La、B、B−Mo、B−La、B−Cr、
B−Tr、B−Na、B−Ta、W、B−W、B−V、C、C
−ハロゲン、C−Si、C−Ge、C−H、Pt、Mo、Mo−S
i、MoSi2、CaO、MgO、Y2O、La2(CrO4)の内から少なく
とも1個の組成物を選択して構成され、触媒作用や電流
の影響等で蒸発濃縮の際に生じる臭気の発生を抑えるこ
とができる。また、前記組成物を単に抵抗材料として使
用し、写真処理廃液に対して絶縁したヒータとしても好
ましく、さらにセラミックヒータ等が用いられる。この
場合には加熱手段として使用した後のヒータを砕いて吸
着剤として用いることができる。 この発明は蒸発した蒸気を冷却凝縮する凝縮手段を有
し、凝縮手段にはあらゆる種類の熱交換手段を採用で
き、蒸気を冷却凝縮することで臭気を軽減できる。熱交
換手段として、(1)シェルアンドチューブ型(多管
型、套管型)、(2)二重管型、(3)コイル型、
(4)らせん型、(5)プレート型、(6)フィンチュ
ーブ型、(7)トロンボーン型、(8)空冷型のいずれ
の構成であってもよい。また熱交換型リボイラー技術を
用いることもでき、(1)垂直サーモサイフォン型、
(2)水平サーモサイフォン型、(3)溢流管束型(ケ
トル型)、(4)強制循環型、(5)内挿型等を採用し
てもよい。 さらに、コンデンサー形式の熱交換技術を採用しても
よく、(1)ダイレクトコンデンサー形式、(2)塔内
蔵形式、(3)塔頂部設置式、(4)分離形式等のいず
れであってもよい。 また、クーラーを用いることも可能であり、クーラー
の形式も任意である。空冷式熱交換器の採用も有利であ
り、(1)押込通風式、(2)吹込通風式のいずれであ
ってもよい。 好ましい実施態様は、この凝縮手段が蒸発した蒸気を
排出する蒸気排出管に放熱板(空冷用ファン)を設置し
た放熱板装置として構成されており、この放熱板上に水
を供給する手段を有していることである。この場合、水
は、シャワー状に放熱板装置の上から放熱板上に供給さ
れることが好ましい。水は、例えば、水道水の蛇口から
必要に応じてバルブや電磁弁を介して放熱板上に供給さ
れてもよく、この場合水を供給する手段とは、水道の蛇
口、水の供給管等を示すが、好ましくはため水で、前記
したような種々の定量ポンプや非定量ポンプを介して放
熱板上に供給されることが好ましく、特に、好ましくは
放熱板装置の下部に設けられたため水タンクの水が、ポ
ンプを介して放熱板上にシャワー状に供給されて再び下
部のため水タンクにたまるという具合に、ため水が循環
するように構成されていることである。この場合、ため
水タンクには液面レベルセンサを設置し、液面レベルが
一定以下になった時、信号を発信すれば、ため水がなく
なったことを知ることができ、再び水を供給するのが良
い。 凝縮手段は蒸発した蒸気を排出する蒸気排出管に放熱
板(空冷用ファン)を設置した放熱板装置として構成さ
れており、この放熱板上に水を供給する手段を有してい
る場合、同時に空冷用の扇風機を有していることが好ま
しいが、特に、この場合、空冷用の扇風機は空気が放熱
板装置を通って、この発明の蒸発濃縮処理装置外へ放出
されるように設置されていることが、この発明の蒸発濃
縮処理装置内の電装部での凝結を防ぐことができるため
好ましい。 蒸発した蒸気を冷却濃縮することによって得られた凝
縮液は、凝縮液を貯溜する槽(溜液タンク)中に貯溜さ
れるが、この溜液タンクはこの発明の蒸発濃縮装置の内
部に設置することがスペースを小さくでき好ましく、こ
の場合、溜液タンクは引き出し可能な架台上に設置され
ることが作業性を良くするため好ましい。 さらに、この発明の蒸発手段、加熱手段及び凝縮手段
の構成は、この出願人が先に出願した特開昭63−236585
号、同63−236586号、及び同63−235943号に詳細に記載
されている。 この発明の写真処理廃液は蒸発手段で蒸発濃縮され、
これによる沈殿を蒸発手段の下部から取り出すようにな
すことが、この発熱体による処理で蒸発濃縮による沈殿
物が少なく、かつ粘性が小さいため、容易に取り出すこ
とができ好ましい。さらに、この発明の写真処理廃液の
蒸発によって発生する気体の少なくとも一部を吸着剤と
接触させる吸着カラムを備えることが好ましい。即ち、
極く少量発生する臭気成分を吸着剤と接触させ除去する
ことで、臭気の発生をより、確実に防止することができ
る。また、この吸着剤の交換頻度が発熱体による処理に
よって、大幅に低下する。 この吸着剤による吸着の具体例は、蒸気及び/又は凝
縮液の少なくとも一部を、次の物質、 CaO、MgO、La2(CrO4)、ZrO2、Ge、Se、Te、GaP、Bi
2Te3、InP、CoO、Fe2O、FeO3、WO2、VO2、MoS2、単結
晶、Si、多結晶Si、Ta2N、Ta−SiO2、ZrN、TiN、Cr−Si
−O、SiC、SiC−Zr、CiO−Cr、SiC−Hf、SiC−Ti、SiC
−Mo、SiC−W、SiC−Nb、SiC−Ta、SiC−La、B、B−
Mo、B−La、B−Cr、B−Tr、B−Na、B−Ta、B−
W、B−V、C、C−ハロゲン、C−Si、C−Ge、C−
H、Pt、Mo、Mo−Siの内から少なくとも1個の物質を選
択して構成される吸着剤と接触させることが好ましい。 また、この発明の吸着剤が、次の物質、活性炭、粘度
物質、ポリアニド系高分子化合物、ポリウレタン系高分
子化合物、フェノール樹脂、エポキシド樹脂、ヒドラジ
ド基を有する高分子化合物、ポリテトラフルオロエチレ
ンを含有する高分子化合物、1価又は多価アルコールメ
タクリル酸モノエステル−多価アルコールメタクリル
酸、ポリエステル共重合体の内から、少なくとも1個の
物質を選択して併用及び/又は混合し構成されること
が、臭気成分の除去が効果的に行なわれる点で好まし
い。 この発明の吸着剤は蒸発濃縮によって生じる蒸気を冷
却する前段に配置し、蒸気が冷却される前に接触させて
もよく、或いは冷却凝縮の後段に配置して、得られた凝
縮液を吸着剤と接触させるようにしてもよい。 この発明物質における活性炭とは、吸収能力のあるい
かなる活性炭でもよい。活性炭の原料には木材、ノコギ
リクズ、やし殻、リグニン、牛のほね、血液、亜炭、カ
ツ炭、泥炭、石炭など、いずれのものが使用されてもよ
い。形態上粉末活性炭と粒状活性炭があるが、この発明
はいずれであってもよい。粉末活性炭を製造するには、
原料を粉砕した後、高熱下で炭化させて活性化を行な
う。場合により、高熱下で水蒸気を通して活性化した
り、塩化亜鉛、リン酸、硫酸、アルカリなどの溶液に浸
してから焼成し、炭化して活性化を行なうこともある。
その他減圧下で強熱したり、空気、二酸化炭素、塩素ガ
ス中で加熱し、木炭の一部を酸化し活性化する方法もあ
る。活性化を行なったものは通常灰分や薬品を除去する
ために洗浄し、粉砕し、乾燥させて粉末活性炭を製造す
る。粒状活性炭は粉砕した木炭粉をタール、ピッチなど
を粘結剤として一定粒度に成形し、乾燥し焼結し活性化
を行なう。またやし殻や石炭類を使用する時は粉砕し、
篩分けを行なってから高熱下で炭化させ活性化し、粒状
活性炭を得ることができる。この発明においては、原料
及び活性化の方法の如何問わず、また粉末、粒状いずれ
の活性炭でも使用でき、好ましくは粒状活性炭であり、
特に好ましくはやし殻活性炭分子篩能を持つ活性炭であ
る。ここで分子篩能を持つ活性炭とはスリット状の細孔
を持つものであり、その細孔の大きさは6Å以上、巾
は、15Å以下が望ましい。かかる分子篩能を有する活性
炭については、この出願人による特開昭58−14831号公
報の記載内容を参考にすることができる。 この発明物質におけるの粘土物質とは、シリカ及びア
ルミナを必須成分とし、例えばシリカゲル、ベントナイ
ト、活性白土、酸性色土、カオリオン、ゼオライト等の
フッ石群などを包含する。ベントナイトはモンモリロナ
イトを主要鉱石とする含水ケイ酸アルミニウムを基体本
とする粘土酸である。活性白土はモンモリロナイト、ハ
ロサイトを主要鉱石とする粘度物質である。酸性白土も
同様な粘土物質である。カオリンは天然含水ケイ酸アル
ミニウムからなる粘土物である。ゼオライト等のフッ石
群は天然又は合成フッ石で均一細孔径を持ちモレキュラ
シーブ作用をする粘土物質である。ゼオライト以外のも
のとしては、ソーダフッ石、チャバサイトなどがある。 この発明物質におけるポリアミド系高分子化合物は、
6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等の酸
アミド結合を有する重合体をいう。 この発明におけるポリウレタン系高分子化合物は、主
鎖の繰返し単位の中にウレタン結合−NHCOO−を持つ高
分子化合物である。 この発明物質におけるフェノール樹脂とは、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノ
ール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフ
ラール等のアルデヒド類から得られる樹脂及びそれらの
変性樹脂であり、好ましくはフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂であり、市販品としては例えば住友化学工業社製
デュオライトS−761樹脂等がある。 この発明物質におけるヒドラジド基を有する高分子化
合物とは、例えばスルホヒドラジド基、カルボニルヒド
ラジド基、ヒドラジド基をアクリル酸メチル−ジビニル
ベンゼン共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体等に付与した高分子化合物である。 この発明物質におけるポリテトラフルオロエチレンを
含有する高分子化合物とは、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルクロライド等とポリテトラフルオロエ
チレンの混合物又は純粋のポリテトラフルオロエチレン
であり、好ましくはポリテトラフルオロエチレンの含有
量は50%以上である。 この発明における1価又は多価アルコールメタクリル
酸モノエステル−多価アルコールメタクリル酸ポリエス
テル共重合体成分である1価又は多価アルコールメタク
リル酸モノエステルとしては、どのようなメタクリレー
ト共重合体でもよいが、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、プチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシ−エチルメタクリレート、
2−ヒドロキシ−プロピルメタクリレート等が好まし
い。架橋用モノマーの多価アルコールメタクリル酸ポリ
エステルとしては、エチレングリコールジメタクリレー
トが最も好ましく、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレート等のポリ
エチレングリコール(n=1〜10)ジメタクリレートも
好ましい。更にトリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメクリレート等も用
いることができる。好ましくは多孔性であり、多孔性メ
タクリレート共重合体としては、1価又は多価アルコー
ルメタクリル酸モノエステル10〜90重量%の組成のもの
が用いられる。中でも多価アルコールメタクリル酸ポリ
エステルが50%以下のものが好ましい。具体的にはロー
ムアンドハース社製のアンバーライトXAD−7,8及び9等
が好ましい。 又、これらこの発明物質は大きな表面積状態を持つ多
孔性のものが好ましく、比表面積が約1〜3000m2/gの範
囲が好ましく、更に好ましくは100〜1000m2/gの比表面
積持つものである。また細孔半径は40〜2000Åのものが
好ましい。 この発明物質の中でも活性炭、粘土物質、フェノール
樹脂及び1価又は多価アルコールメタクリル酸モノエス
テル−多価アルコールメタクリル酸ポリエステル共重合
体が特に好ましい。 この発明は前記のように蒸気を冷却凝縮して凝縮液を
得る手段とを備え、この冷却凝縮手段を通った気体の少
なくとも一部を吸着剤と接触させ、この気体を前記凝縮
液を得る手段の前段側へ戻して循環させ、臭気を軽減し
て蒸発効率を向上できる。また、凝縮液を得る手段を通
った気体の少なくとも一部を吸着剤へ接触させ、さらに
この気体を再度凝縮液を得る手段を通過させ、吸着剤と
の接触を繰返すことにより、気体中の臭気成分を充分に
軽減することができ、発熱体による処理で臭気が軽減で
きるから、この吸着剤の負担を軽くすることができる。 また、この吸着剤と接触させた気体は、蒸発濃縮せし
める手段に戻してもよいが、蒸発濃縮せしめる手段と凝
縮液を得る手段との間に戻して循環させるようにする
と、蒸発濃縮せしめる手段に冷却された気体が侵入しな
いため、より臭気を軽減して熱効率を向上することがで
き好ましい。 さらに、この発明の凝縮液を得る手段を通過した気体
を直接吸着剤に接触させて戻すようにしてもよく、また
溜液タンクを介して接触させるようにしてもよい。ま
た、気体の吸着剤に接触した気体の戻しは、ポンプ等の
手段によって強制的に戻し、循環するようにすることが
好ましい。 この発明の写真処理廃液の蒸発濃縮によって発生する
沈殿物はろ過するフィルタを介して取り出すことが好ま
しく、この場合には沈殿物をこのフィルタを介して循環
ポンプで強制的に吸引するようになすことができる。こ
の場合には、発熱体による処理によって、沈殿物が少量
になり、しかも沈殿物の粘性が小さくなるため、フィル
タの負担が少なく、多量の沈殿物を目詰まりなく、ろ過
することができる。 次に、この発明による処理を行なうことができる写真
処理廃液の代表例について詳述する。但し、以下には処
理される写真材料がカラー用である場合の写真処理液に
ついて主に述べるが、写真処理廃液はこれら写真処理液
を用いてハロゲン化銀カラー写真材料を処理する際に出
るオーバーフロー液がほとんどである。 発色現像液は発色現像処理工程(カラー色画像を形成
する工程であり、具体的には発色現像主薬の酸化体とカ
ラーカプラーとのカップリング反応によってカラー色画
像を形成する工程)に用いる処理液であり、従って、発
色現像処理工程においては通常発色現像液中に発色現像
主薬を含有させることが必要であるが、カラー写真材料
中に発色現像主薬を内蔵させ、発色現像主薬を含有させ
た発色現像液又はアルカリ液(アクチベーター液)で処
理することも含まれる。これらの発色現像主薬は有機酸
及び無機酸の塩として用いることができ、例えば塩酸
塩、硫酸塩、燐酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、亜硫
酸塩、シュウ酸塩、ベンゼンジスルホン酸塩等を用い
る。これらの化合物は一般に発色現像液1について約0.
1g〜30gの濃度、さらに好ましくは、発色現像液11につ
いて約1g〜15gの濃度で使用される。 発色現像液に含まれる発色現像主薬は芳香族第1級ア
ミン発色現像主薬であり、アミノフェノール系及びp−
フェニレンジアミン系を誘導体が含まれる。 上記アミノフェノール系現像剤としては例えば、o−
アミノフェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ
−2−オキシ−トルエン、2−アミノ−3−オキシ−ト
ルエン、2−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチル−ベ
ンゼンが含まれる。 発色現像液は、現像液に通常用いられるアルカリ剤、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アン
モニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、メタホウ酸ナトリウムまたはホウ砂を含むことが
あり、更に種々の添加剤、例えばベンジルアルコール、
ハロゲン化アルカリ金属、例えば、臭化カリウム、また
は塩化カリウム等、あるいは現像調節剤として例えばシ
トラジン酸等、保恒剤としてヒドロキシルアミンまたは
亜硫酸塩等を含有することもある。更に、各種消泡剤や
界面活性剤を、またメタノール、ジメチルホルムアミド
またはジメチルスルホキシド等の有機溶剤等を適宜含有
することもある。なお、この発色現像液のpHは通常7以
上であり、好ましくは約9〜13である。 また、発色現像液には必要に応じて酸化防止剤として
ジエチルヒドロキシアミン、テトロン酸、テトロンイミ
ド、2−アニリノエタノール、ジヒドロキシアセトン、
芳香族第2アルコール、ヒドロキサム酸、ベントースま
たはヘキソース、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテ
ル等が含有されてもよい。更に発色現像液中には、金属
イオン封鎖剤として、種々なるキレート剤が併用されて
もよい。例えば、このキレート剤としてエチレンジアミ
ン四酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸等のアミノポリ
カルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸等の有機ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホス
ホン酸)もしくはジエチレンジアミンテトラメチレンホ
スホン酸等のアミノポリホスホン酸、クエン酸もしくは
グルコン酸等のオキシカルボン酸、2−ホスホノブタン
−1,2,4−トリカルボン酸等のホスホノカルボン酸、ト
リポリリン酸もしくはヘキサメタリン酸等のポリリン
酸、ポリヒドロキシ化合物等が挙げられる。 漂白定着液は漂白定着工程(現像によって生成した金
属銀を酸化してハロゲン化銀に代え、次いで水溶性の錯
体を形成すると共に発色剤の未発色部を発色させる工
程)に用いられる処理液であり、漂白定着液に使用され
る漂白剤はその種類を問わない。例えば有機酸の金属錯
塩は、アミノポリカルボン酸又はホウ酸、クエン酸等の
有機酸で鉄、コバルト、銅等の金属イオンを配位したも
のである。このような有機酸の金属錯塩を形成するため
に用いられる有機酸としては、ポリカルボン酸またはア
ミノポリカルボン酸が挙げられる。これらのポリカルボ
ン酸またはアミノカルボン酸はアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩もしくは水溶性アミン酸であってもよい。これ
らの具体例としてはエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミン−M−
(β−オキシエチル)−N,N,N−トリ酢酸、プロピレン
ジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、シクロヘキサ
ンジアミンテトラ酢酸、イミノジ酢酸、ジヒドロキシエ
チルグリシンクエン酸(又は酒石酸)、エチルエーテル
ジアミンテトラ酢酸、グリコールエーテルジアミンテト
ラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、フェニ
レンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸
ジナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラ
(トリメチルアンモニウム)塩、エチレンジアミンテト
ラ酢酸テトラナトリウム塩、ジエチレントリアミンペン
タ酢酸ペンタナトリウム塩、エチレンジアミン−N−
(β−オキシエチル)−N,N,N−トリ酢酸ナトリウム
塩、プロピレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩、ニト
リロ三酢酸ナトリウム塩、シクロヘキサンジアミンテト
ラ酢酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの漂白剤は5
〜450g/l、より好ましくは10〜150g/lで使用される。こ
の漂白定着液には前記の如き漂白剤以外にハロゲン化銀
定着剤を含有し、必要に応じて保恒剤として亜硫酸塩を
含有する組成の液が適用される。また、エチレンジアミ
ン四酢酸鉄(III)錯塩漂白剤と前記のハロゲン化銀定
着剤の他の臭化アンモニウムの如きハロゲン化物を少量
添加した組成からなる漂白定着液、あるいは逆に臭化ア
ンモニウムの如きハロゲン化物を多量に添加した組成か
らなる漂白定着液、さらにはエチレンジアミン四酢酸鉄
(III)錯塩漂白剤と多量の臭化アンモニウムの如きハ
ロゲン化物との組合せからなる組成の特殊な漂白定着液
等が用いられることがある。前記ハロゲン化物として
は、臭化アンモニウムの他に塩化水素酸、臭化水素酸、
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化ナ
トリウム、沃化カリウム、沃化アンモニウム等も使用す
ることができる。 漂白定着液に含まれる前記ハロゲン化銀定着剤として
は通常の定着処理に用いられるようなハロゲン化銀と反
応して水溶性の錯塩を形成する化合物、例えば、チオ硫
酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ムの如きチオ硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムの如きチオ
シアン酸塩、チオ尿素、チオエーテル等がその代表的な
ものである。これらの定着剤は5g/l以上、溶解できる範
囲の量で使用されるが、一般には70g〜250g/lで使用さ
れる。 なお、漂白定着液にはホウ酸、ホウ砂、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、酢酸、酢酸ナ
トリウム、水酸化アンモニウム等の各種pH緩衝剤を単独
あるいは2種以上組合わせて含有することがある。さら
にまた、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤
を含有することがある。またヒドロキシルアミン、ヒド
ラジン、アルデヒド化合物の重亜硫酸付加物等の保恒
剤、アミノポリカルボン酸等の有機キレート化剤あるい
はニトロアルコール、硝酸類等の安定、剤、メタノー
ル、ジメチルスルホアミド、ジメチルスルホキシド等の
有機溶媒等を適宜含有することもある。更には、漂白定
着液は、特開昭46−280号、特開昭45−8506号、同46−5
56号、ベルギー特許第770,910号、特公昭45−8836号、
同53−9854号、特開昭54−71634号及び同49−42349号に
記載されている種々の漂白促進剤を添加することがあ
る。 漂白定着液のpHは4.0以上で用いられるが、一般にpH
5.0以上、pH9.5以下で使用され、望ましくはpH6.0以
上、pH8.5以上で使用され、更に述べれば最も好ましいp
Hは6.5以上、8.5以下で処理される。 なお、漂白定着処理は、前記漂白剤を主成分とする漂
白液による漂白処理と、前記定着剤を主成分とする定着
液による定着処理とに分離されて実施される場合もあ
る。 水洗代替安定液は通常の安定化処理ではなく水洗代替
処理であり、特開昭58−134636号等の他、特開昭59−12
6533号等に記載のような画像安定処理をさし、実質的に
水洗処理をなくすためのものである。従って、処理浴の
名称は必ずしも安定化処理でなくてもよい。 この水洗代替安定化処理と組合せる機能の処理と処理
廃液量が少なくて熱交換による効果が大きく好ましい。 安定液にはカラー画像を安定化させる機能の処理と水
洗ムラ等の汚染を防止する水切り浴的機能の安定液もあ
る。他にはカラー画像を着色する着色調整液や、帯電防
止剤を含んだ帯電防止液もこれらの安定液に含まれる。
安定液には前浴から漂白定着成分が持ち込まれるときに
は、これらを中和化、脱塩及び不活性化し色素の保存性
を劣化させない工夫がされる。 このような安定液に含まれる成分としては鉄イオンと
のキレート安定度定数が6以上(特に好ましくは8以
上)であるキレート剤がある。これらのキレート剤は、
有機カルボン酸キレート剤、有機リン酸キレート剤、ポ
リヒドロキシ化合物、無機リン酸キレート剤等があり、
なかでも好ましいキレート剤としては、エチレンジアミ
ンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、ニトリロ三酢酸、
ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジアミノ
プロパノール四酢酸、エチレンジアミンテトラキスメチ
レンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、1
−ヒドロジシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1−ジ
ホスホノエタン−2−カルボン酸、2−ホスホノブタン
−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1−ホス
ホノブロパン−1,2,3−トリカルボン酸、カテコール−
3,5−ジスルホン酸、ピロリン酸ナトリウム、テトラポ
リリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムがあ
り、特に好ましくはジエチレントリアミン五酢酸、1−
ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸やこれらの
塩である。これらの化合物は一般に安定液11について約
0.1g〜10gの濃度、更に好ましくは、安定液11について
約0.5g〜5gの濃度で使用される。 安定液に添加される化合物としては、アンモニウム化
合物がある。これらは各種の無機化合物のアンモニウム
塩によって供給されるが、具体的には水酸化アンモニウ
ム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、次亜リン酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム、亜リン酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、酸性
フッ化アンモニウム、フルオロホウ酸アンモニウム、ヒ
酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、フッ化水素ア
ンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、ヨウ化アンモニウム、硝酸アンモニウム、五ホウ酸
アンモニウム、酢酸アンモニウム、アジピン酸アンモニ
ウム、ラウリルトリカルボン酸アンモニウム、安息香酸
アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、クエン酸ア
ンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニウ
ム、ギ酸アンモニウム、リンゴ酸水素アンモニウム、シ
ュウ酸水素アンモニウム、フタル酸水素アンモニウム、
酒石酸水素アンモニウム、乳酸アンモニウム、リンゴ酸
アンモニウム、マレイン酸アンモニウム、シュウ酸アン
モニウム、フタル酸アンモニウム、ピクリン酸アンモニ
ウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム、サ
ルチル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、スルフ
ァニル酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、チオグリ
コール酸アンモニウム、2,4,6−トリニトロフェノール
アンモニウム等である。これらのアンモニウム化合物の
添加量は安定液11当り0.05〜100gの範囲で用いられる。 安定液の添加される化合物としては、酢酸、硫酸、塩
酸、硝酸、スルファニル酸、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化アンモニウム等のpH調整剤、安息香酸
ソーダ、ヒドロキシ安息香酸ブチル、抗生物質、テヒド
ロ酢酸、ソルビン酸カリウム、サイアベンダゾール、オ
ルト−フェニルフェノール等、5−クロロ−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、1−2−ペンツイソチアゾ
リン−3−オンの他特開昭61−43741号(第7〜8頁)
記載の防バイ剤、水溶性金属塩等の保恒剤、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリ
ドン(PVP K−15、ルビスコールK−17等)等の分散
剤、ホルマリン等の硬膜剤、蛍光増白剤等が挙げられ
る。 なお、これらの添加化合物の中でも特開昭59−184345
号明細書に記載されるアンモニウム化合物は画像被膜中
にpH保存にとって最適な弱酸性に調整する働きをする。
アンモニウム化合物とともに用いられる化合物としては
酸があり、硫酸、塩酸等が用いられる。とりわけ、この
発明においては、前記防バイ剤を含有した水洗代替安定
液を用いる際に蒸発処理装置にタールの発生が少ないた
め特に好ましく用いられる。 安定液のpH値は0.1〜10に調整され、好ましくは2〜
9、より好ましくはpH4〜8.5で処理される。また、安定
化処理工程は多段槽とし、補充液は最終段槽から補充
し、順次前段槽にオーバーフローする逆流方式にするこ
とが補充量を少なくできて好ましい。安定化処理の後に
は水洗処理を全く必要としないが、極く短時間での少量
水洗によるリンス、表面洗浄等が必要に応じて行なわれ
ることがある。 漂白定着処理工程に続き、実質的に水洗工程を経ずに
直接安定化処理を行なうときは、漂白定着浴と安定化浴
の間に銀回収のための短時間の銀回収や温水によるリン
ス等が設けられることがある。また、安定化処理の後、
界面活性剤を含有する水切り浴等を設けてもよいが、好
ましくは、銀回収浴、リンス及び水切り浴等は設けない
ことである。これらの付加処理はスプレーや塗りつけ処
理をすることもある。 また、前記発色現像処理の後にコンディショニング槽
が設けられることがあり、このコンディショニング槽は
現象を停止させ、漂白反応を促進させるために使用し、
漂白定着液への現像剤の混入を防止し、その悪影響を少
なくするため役立つものであり、このコンディショニン
グ槽には例えば漂白促進剤とバッファー剤が含有され
る。この漂白促進剤としては、一般には有機イオウ化合
物が用いられ、メルカプト化合物やチオン化合物が使用
される。さらに、酢酸やクエン酸、コハク酸、硫酸、水
酸化ナトリウム等の酸やアルカリ剤がコンディショナー
のpHを調整するために使用される。これらの漂白剤促進
剤やバッファー剤の添加量はコンディショナー11当り0.
001gから100gの範囲で使用される。また、上記添加剤以
外にもキレート剤等を添加することもある。 処理される感光材料がネガ用である場合、このネガ用
安定液には写真画像保存性改良のため、アルデヒド誘導
体が添加されることがある。 前記ネガ用安定液には必要に応じて各種の添加剤、例
えば、シロキサン誘導体等の水滴ムラ防止剤、ホウ酸、
クエン酸、燐酸、酢酸、あるいは水酸化ナトリウム、酢
酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のpH調整剤、カリ明
ばん、クロム明ばん等の硬膜剤、メタノール、エタノー
ル、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール等の調湿剤、その他色
調剤等処理効果を改善、拡張するための添加剤が加えら
れることがある。 また前記ネガ用安定液は前記した安定液と同様向流流
路長を長くするため2つ以上の区画に仕切られてもよ
い。また補充液の作り方や補充量は前記安定液の場合と
同様でよい。 水洗代替安定液を用いて行なう安定化処理とは通常の
多量の流水を使用して写真感光材料中に付着あるいは浸
透した前段階の処理液を洗い流す処理ではなく、安定浴
中に写真感光材料の単位面積当りわずか30ml/m2〜9000m
l/m2、より好ましくは60ml/m2〜3000ml/m2補充をするこ
とによって上記と同等以上の作用を有するものであり、
具体的には特開昭58−134636号に記載のような画像安定
化処理をさす。 従って、水洗代替安定液を使用した場合には従来のよ
うに水洗のための自動現像機の外部へ給排管の設備を必
要としない。 またカラーペーパー用発色現像液や安定液でスチルベ
ン系蛍光増白剤を用いることがある。 前記発色現像液の廃液に含まれる成分は、前記各種成
分ないし添加剤及び処理される写真材料から溶出し蓄積
する成分等である。 前記漂白定着液及び安定液の廃液に含まれる成分は、
前記各種成分ないし添加剤及び処理される写真材料から
溶出し蓄積する成分等である。 この発明の蒸発濃縮処理装置において、廃液が写真処
理廃液であり、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、アンモニウム塩
を多量に含有する場合に有効であり、特に有機酸第2鉄
錯塩及びチオ硫酸塩を含有する場合極めて有効である。 この発明の好ましい適用例としては自動現像機による
写真感光材料の現像処理に伴ない発生する写真処理廃液
を自動現像機内もしくはその近傍にて処理を行なうのに
適している。ここで、自動現像機及び写真処理廃液につ
いて説明する。 自動現像機 第1図において自動現像機は符号100で指示されてお
り、図示のものはロール状の写真感光材料Fを、発色現
像槽CD、漂白定着槽BF、安定化処理槽Sbに連続的に案内
して写真処理し、乾燥D後、巻き取る方式のものであ
る。101は補充液タンクでありセンサ102により写真感光
材料Fの写真処理量を検知し、その検出情報に従い制御
装置103により各処理槽に補充液の補充が行われる。 各写真処理槽に対し補充液の補充が行われるをオーバ
ーフロー廃液として処理槽から排出され、ストックタン
ク104に集められる。オーバーフローした写真処理廃液
をストックタンク104に移す手段としては、案内管を通
して自然落下させるのが簡易の方法である。ポンプ等よ
り強制移送する場合もあり得る。 また上記した如く、各写真処理槽CD、BF、Sbに写真処
理廃液中の成分に相違を有するが、この発明において
は、全ての写真処理廃液を混合し一括処理することが好
ましい。 [実施例] 第2図はこの発明の写真処理廃液の処理装置を示す概
略構成図である。 図において符号1は蒸発手段としての蒸発釜で、直径
が大きい円柱状の上部1aと、直径が小さい円柱状の下部
1bとから構成され、下部1bの方方には加熱手段2が設け
られ、下方にはボールバルブ3が設けられている。蒸発
釜1には液面レベルセンサ4が設けられ、さらに蒸発釜
1の下部に配置された支持台5にはスラッジ受け6が載
置され、このスラッジ受け6は下部1bの下に設けられ、
その内部にはポリプロピレン製バッグ7がOリング8に
よって固定されている。蒸発釜1の上部1aには、蒸気排
出管9が設けられており、この蒸気排出管9は吸着剤6
0、熱交換器10及び凝縮手段11を通って、溜液導入管12
に接続される。蒸発濃縮で生じる蒸気が吸着剤60を通過
するとき、その蒸気に含有されている着色成分と臭気成
分が吸着される。 凝縮手段11では、蒸気排出管9に多数の冷却用放熱板
13が設けられ、さらに液面レベルセンサ14が設けられて
いる。凝縮手段11の下部には、冷却水導入管15が設けら
れ、冷却水循環ポンプ16を介して、多数の小孔が穿設さ
れたシャワーパイプ17に接続している。 凝縮手段11内の空気は、空冷用扇風機18によって、処
理装置外へ放出される。溜液導入管12は、溜液タンク19
内に接続するが、溜液導入管12の先端12aは溜液タンク1
9の溜液面下に位置しており、バブリング機構20を構成
している。さらに、溜液タンク19の上部には、活性炭を
収納する活性炭カートリッジ21が設けられている。溜液
タンク19にはまた、空気導入管22が設けられ、その先端
部22aはエアーポンプ23を介して蒸発釜1の廃液中に導
入されている。24は廃液供給タンクで、廃液導入管25が
設けられ、ベローズポンプ26、熱交換器10を介して蒸発
釜上部1aに接続されている。廃液供給タンク24にはさら
に液面レベルセンサ27が設けられている。 蒸発釜1の上部1aには案内管28が更に設けられ、プラ
ンジャーディスク29を介して廃液供給タンク24に接続さ
れ、この蒸発釜1の上部1aにはまた温度センサ30が設け
られている。蒸発釜1の上部1aには発熱手段70が写真処
理廃液中に設けられ、この発熱手段70は駆動源71の駆動
で発熱するようになっている。 次に、この装置を用いて加熱、蒸発処理するプロセス
の概略を説明する。 自動現像機からのオーバーフロー液約20を廃液供給タ
ンク24に貯溜し、溜液タンク19には活性炭を詰めた活性
炭カートリッジ21、溜液導入管12及び空気導入管22を接
続する。蒸発釜1の下部1bの下のスラッジ受け6内に、
ポリプロピレン製バック7を設置し、2つのOリング8
によって、蒸発釜1の下部1bに固定し、凝縮手段11内に
水を供給した後、スイッチをONすると、エアーポンプ23
が作動し、溜液タンク19内の空気が空気導入管22を介し
て蒸発釜1内に導入され、この空気は加熱手段2よりも
さらに下の位置にある先端22aから放出される、そし
て、空冷用扇風機18、冷却水循環ポンプ16の順に作動
し、ため水が冷却水導入管15を通ってシャワーパイプ17
か、凝縮手段11内に納められた蒸気排出管9の放熱板13
上に供給され、再び凝縮手段11の下部にたまるという具
合に循環する。 ベローズポンプ26が作動し、廃液供給タンク24内の廃
液が廃液導入管25を通って、熱交換器10を通過した後、
蒸発釜1内に送られる。蒸発釜1中の廃液量が増加し、
液面レベルセンサ4によって液面が例えば3秒間以上検
知されると、ベローズポンプ26の作動が停止し、同時に
加熱手段2にスイッチが入り、加熱蒸発が開始される。 加熱蒸発によって蒸発濃縮されるが、発熱手段70によ
る熱エネルギーで、蒸発濃縮により発生する蒸気中に存
在するアンモニアガス量を大幅に低下させることがで
き、濃縮が進行してもイオウ系の臭気の発生を軽減す
る。この処理によって、蒸発釜1中の廃液の液量が減少
し、液面レベルが低下し、液面レベルセンサ4によって
液面が3秒間以上検知されなくなると、再びベローズポ
ンプ26のスイッチが入り、廃液供給タンク24内の廃液が
蒸発釜1中に供給されるという動作が繰り返される。 蒸発釜1から蒸発した蒸気は、蒸気排出管9を通り、
吸着剤60へ導かれ、ここで着色成分と臭気成分が除去さ
れ、この蒸気が熱交換器10内で廃液と熱交換した後、凝
縮手段11を通過すると、その一部が凝縮されて凝縮液と
なる。この凝縮液は蒸気中の残りの気体と共に溜液導入
管12を通り、溜液タンク19内に送られ、溜液面下の先端
12aから放出され、凝縮水は溜液タンク19内に貯溜され
る。このとき、溜液面下から放出された気体が溜液の中
を上昇することでバブリングが行なわれ、このバブリン
グによって溜液中に溶融する硫化水素等の気体が液外に
追い出され、この気体はエアーポンプ23の作動で、空気
導入管22を介して溜液タンク19から蒸発釜1内の下部に
位置する写真処理廃液中に戻される。 なお、この溜液タンク19は活性炭を詰めた活性炭カー
トリッジ21を介して大気と連通しており、臭気を大気に
放出することを防止している。 このように、写真処理廃液を加熱して蒸発濃縮せし
め、これによって生じる蒸気を冷却凝縮して得る凝縮液
が無色透明になり、臭気が軽減するため、溜液の公害負
荷が少なくなり、そのまま河川や下水道等に放流するこ
とが可能である。 そして、廃液供給タンク24内の廃液がなくなったこと
が、液面レベルセンサ27によって検知されると、ベロー
ズポンプ26の作動が停止し、加熱手段2のスイッチがOF
Fとなり、2時間後に冷却水循環ポンプ16、空冷用扇風
機18が停止し、ランプが点灯するとともに、ブザーが鳴
って蒸発濃縮処理が完了したことを知らせるとともに、
エアーポンプ23が停止する。ここで、ボールバルブ3を
開けて、蒸発釜1中のスラッジをポリプロピレン製バッ
グ7中に落下させた後、Oリング8を外して取り出す。 なお、蒸発濃縮過程中で、凝縮手段11中のため水がな
くなったことが、液面レベルセンサ14によって検知され
ると、ランプが点灯するとともにブザーが鳴って、ため
水がなくなったことを知らせる。 また、蒸発濃縮過程中で、何らかの理由で蒸発釜1中
の液面が異常に低下し、空だきによって蒸発釜1中の温
度が120℃に上昇したことを、温度センサ30が検知する
と、ランプが点灯し、警告ブザーが鳴るとともに、加熱
手段2のスイッチがOFFになり以後、前記したような一
連の動作によって蒸発濃縮処理が中断する。 第3図は発熱手段70をその一部が写真処理廃液の液面
から露出するようにして配置したものであり、また吸着
剤60は凝縮手段11の後段に配置され、凝縮液を通過させ
るようにしており、この凝縮液から着色成分と臭気成分
を除去するようになっている。 第4図は発熱手段73と超音波発生手段72とを写真処理
廃液に浸漬し、さらに発熱手段73は遠赤外線発生手段で
あり、また磁場発生手段でもある。これらは駆動源71か
らの直流電力で、写真処理廃液に所定の熱量、超音波、
遠赤外線及び磁場が与えられる。また、吸着剤60は溜液
タンク19内に配置され、常に凝縮液に浸して、この凝縮
液からより効果的に着色成分と臭気成分を除去するよう
になっている。 なお、吸着剤60は凝縮手段11と、溜液タンク19との間
に配置し、溜液タンク19内の凝縮液をポンプで吸着剤60
へ循環させるようにしてもよい。 前記超音波発生手段は振動子で構成され、超音波の発
生に用いられる電気音響変換器で、圧電振動子、セラミ
ック振動子及び磁歪振動子等がある。圧電振動子には、
水晶や水晶以外にADP,KDP,ロッシェル塩等の圧電結晶、
さらにニオブ酸リチウム結晶や高分子材料の圧電効果を
利用する振動子がある。セラミック振動子には、チタン
酸バリウム、カルシウム又はカルシウムと鉛を含めたチ
タン酸バリウム系固溶体磁器、ジルコン酸チタン酸鉛の
固溶体(PZT磁器)、Pb(Zr,Ti)O3の組成にPb(Mg1/3
Nb2/3)O3を第3成分として加えた3成分系磁器等が使
用される。磁歪振動子にはニッケル、ニッケル合金(ク
ロム入り)、鉄−コバルト合金、アルフェロ合金、また
Ni−Cu系及びNi−Cu−Co系フェライト等が用いられる。
これらの振動子の詳細な性質及び製造方法については、
株式会社工業調査会、1975年6月30日初版発行の「超音
波工学−理論と実際−」(島川正憲著)、またトリケッ
プス、昭和55年4月10日発行の「超音波トランスジュー
サ」、さらに日刊工業新聞社、昭和41年10月31日改訂新
版発行の「超音波技術便覧」が参照される。 そして、超音波発生手段は写真処理廃液及び/又は蒸
発による蒸気に超音波を発射し、その周波数は、好まし
くは10KHz〜100MHzが用いられ、より好ましくは500KHz
〜10MHzが用いられ、この周波数は超音波発生手段が備
えられる場所や、写真処理廃液の温度や濃度等によって
任意に設定される。 この超音波発生手段は写真処理廃液中に配置され、好
ましくは写真処理廃液を蒸発させる蒸発手段の底部に配
置され、超音波を液面に向けて発射する。この超音波は
蒸発濃縮により発生する蒸気中に存在するアンモニアガ
ス量を大幅に低下させることができ、さらに濃縮が進行
して発生するイオウ系の臭気の発生を大幅に抑制する。 前記磁場発生手段はFe、Co、Ni等や、これらの合金か
らなる磁石、或はコイルに電流を流すようにしたもの等
で構成される。 そして、この磁場発生手段は写真処理廃液及び/又は
蒸発による蒸気に磁場を与え、その磁場の強さは、好ま
しくは0.01〜105ガウス、より好ましくは1〜104ガウ
ス、さらに好ましくは10〜5×105ガウスが用いられ、
この磁場の強さは市販のガウスメータ等で測定され、こ
の磁場発生手段が備えられる場所や、写真処理廃液の温
度や濃度等によって任意に設定される。 この磁場発生手段は写真処理廃液及び/又は蒸発によ
る蒸気に磁場を与えることが可能な位置ならばどこでも
よく、好ましくは写真処理廃液と接触する位置に備えら
れる。この磁場は蒸発濃縮により発生する蒸気中に存在
するアンモニアガス量を大幅に低下させることができ、
濃縮が進行して発生するイオウ系の臭気の発生を大幅に
抑制する。 また、磁場発生手段は単独の場合腐食を防止するた
め、ポリマー、テフロン(登録商標名)等で被覆するこ
とが好ましく、写真処理廃液及び/又は蒸発する蒸気と
接触する場合に特に好ましい。 さらに、前記遠赤外線発生手段はグローバー、ネルン
ストグローアー、石英水銀灯、白金リボンに電流を流し
て加熱したもの等で構成され、波長が5μ〜1mmの電磁
波を出力する。グローバーは炭化けい素SiCを焼結した
もので、通常は棒状であるが形状は任意のものが用いら
れ、6〜10Å、200〜300Wで1100〜1500Kになり、遠赤外
線を出力する。また、ネルンストグローアーはZnO2を生
体にイツトリウムやトリウム等の酸化物を加えて練っ
て、例えば3cm×直径1〜3mmの棒状にして、高温で焼い
たものである。 そして、遠赤外線発生手段は写真処理廃液及び/又は
蒸発による蒸気に遠赤外線を照射し、その波長は、好ま
しくは5μ〜1mm、より好ましくは20μ〜250μが用いら
れる。また、遠赤外線発生手段の出力は、好ましくは10
W〜100KW、より好ましくは20W〜10KWが用いられる。そ
して、この波長や出力は遠赤外線発生手段が備えられる
場所や、写真処理廃液の温度や濃度等によって任意に設
定される。 この遠赤外線発生手段は全体を写真処理廃液中に浸漬
するように配置され、より好ましくは一部を浸漬して配
置される。さらに、浸漬しないで写真処理廃液の液面や
蒸発する蒸気に照射するように配置してもよい。この遠
赤外線は蒸発濃縮により発生する蒸気中に存在するアン
モニアガス量を大幅に低下させることができ、さらに濃
縮が進行して発生するイオウ系の臭気の発生を大幅に抑
制する。 第5図は蒸発釜1の底部に受ボックス75を接続し、こ
の中にフィルタ76を備え、循環ポンプ77で沈殿物を強制
的に吸引するようにしている。このフィルタ76で水分が
ろ過されて、水分の少ない沈殿物が取り出され、この場
合遠赤外線での処理で沈殿物の粘性が小さくなっている
ため、大量の沈殿物を目詰まりなくろ過することがで
き、フィルタ76の負担が軽減する。 第6図はフィルタ76が円筒ケース78の内に設けられ、
循環ポンプ77は蒸発釜1の上部に接続されてた実施例を
示している。 第7図はフィルタ76が箱型ケース79の内に設けられ、
このフィルタ76は第8図に示すようにスポンジ材或いは
線材で形成され、循環ポンプ77は蒸発釜1の下部に接続
されている。 第9図は遠心分離器80を蒸発釜1の下部に備え、これ
により沈殿物を除去するようにしており、第10図は蒸発
釜1の下部にボックス81を備え、このボックス81の高い
位置に蒸発釜1の下部の沈殿取出部とが接続され、一方
フィルタ76を介して循環ポンプ77が接続されている。 第11図に示す蒸発釜1には発熱手段70が写真処理廃液
の液面に接触するようにして配置されている。また、こ
の蒸発釜1は焼却触媒90及び吸着カラム91を介して大気
と連通しており、アンモニアガスや硫化水素ガス等に臭
気が外部に漏れることを防止している。 [実験例1] NPS処理システムペーパー用自動現像機RP−800(小西
六写真工業株式会社製)を使用し、市販のカラー写真用
ペーパー(小西六写真工業株式会社製)を絵焼き後、次
の処理工程と処理液を使用して連続処理を行なった。 基準処理工程 (1)発色現像 40℃ 3分 (2)漂白定着 38℃ 1分30秒 (3)安定化処理 25℃〜35℃ 3分 (4)乾燥 75℃〜100℃ 約2分 処理液組成 [発色現像タンク液] エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.3g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 24.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホンアミドエチル)アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジルスルホン
酸誘導体) 1.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸 0.4g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.7g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二ナ
トリウム塩 0.2g 水を加えて11とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.20
とする。 [発色現像補充液] エチレングリコール 20ml 亜硫酸カリウム 3.0g 炭酸カリウム 24.0g ヒドロキシアミン硫酸塩 4.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホナミドエチル)アニリン硫酸塩 7.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸
誘導体) 2.5g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸 0.5g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.8g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二ナ
トリウム塩 0.3g 水を加えて11とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.70
とする。 [漂白定着タンク液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100.0ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を11とし、炭酸カリウムまたは氷酢酸
でpH7.1に調整する。 [漂白定着補充液A] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 260.0g 炭酸カリウム 42.0g 水を加えて全量11とする。 この溶液のpHは酢酸又はアンモニア水を用いて6.7±
0.1とする。 [漂白定着補充液B] チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 250.0ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 25.0ml エチレンジアミンテトラ酢酸 17.0g 氷酢酸 85.0ml 水を加えて全量11とする。 この溶液はpHは酢酸又はアンモニア水を用いて5.3±
0.1である。 [水洗代替安定タンク液及び補充液] エチレングリコール 1.0g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.20g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸(60%
水溶液) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.0g 水で11とし、50%硫酸でpH7.0とする。 自動現像機に上記の発色現像タンク液、漂白定着タン
ク液及び安定タンク液を満たし、前記市販のカラー写真
ペーパー試料を処理しながら、上記した発色現像補充液
と漂白定着補充液A、Bと安定補充液をベローズポンプ
を通じて補充しながらランニングテストを行なった。補
充量はカラーペーパー1m2当りそれぞれ発色現像タンク
への補充量として190ml、漂白定着タンクの補充量とし
て漂白定着補充液A,B各々50ml、安定化槽への補充量と
して水洗代替安定補充液を250ml補充した。なお、自動
現像機の安定化槽は試料の流れの方向に第1槽〜第3槽
となる安定槽とし、最終槽から補充を行ない、最終槽か
らのオーバーフロー液をその前段の槽へ流入させ、さら
にこのオーバーフロー液をまた前段の槽に流入させる多
槽向流方式とした。 水洗代替安定液の総補充量が安定タンク容量の3倍と
なるまで連続処理を行なった。 また、カラーネガフィルムGX−100(小西六写真工業
株式会社製)をそれぞれ常法により、露光をした後、ネ
ガフィルムプロセッサーNPS−FP34(小西六写真工業株
式会社製)を改造した自動現像機を用い、下記の現像処
理条件で連続的に処理を行なった。 無水洗安定(第2槽)から無水洗安定(第1槽)へ
は、カウンターカレント方式(2段向流)とし、漂白定
着についても同様に漂白定着(第2槽)から漂白定着
(第1槽)へのカウンターカレント方式した。 なお、各槽の前槽からの処理液の持込量は0.6m/dm2
あった。 以下に、タンク液と各補充液の処方を示す。 発発色現像タンク液; 炭酸カリウム 30g 亜硫酸ナトリウム 2.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60%
水溶液) 1.0g ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 3.0g 塩化マグネシウム 0.3g 臭化カリウム 1.2g 水酸化ナトリウム 3.4g N−エチレン−N−β−ヒドロキシエチル−3−メチル
−4−アミノアニリン塩酢酸 4.6g 水を加えて11とし、水酸化ナトリウムでpH10.1に調整
した。 発色現像補充液; 炭酸カリウム 40g 亜硫酸ナトリウム 3.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 臭化カリウム 0.9g 水酸化ナトリウム 3.4g N−エチレン−N−β−ヒドロキシエチル−3−メチル
−4−アミノアニリン塩酸塩 5.6g 水を加えて11とし、水酸化ナトリウムでPH10.1に調整
した。 漂白定着タンク液及び補充液; ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム塩 0.5モル ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 20g チオ硫酸アンモニウム(70%wt/VO 1) 250ml 亜硫酸アンモニウム 15g 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール
1.0g アンモニア水(28%) 20ml 水で11とし、酢酸とアンモニア水でpH7.6に調整し
た。 無水洗安定タンク液及び補充液; 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン 0.01g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.01g エチレングリコール 2.0g ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム塩 0.03モル 水で1に仕上げ、アンモニウムと硫酸でpH10.0に調整
する。 安定タンク液及び補充液; ホルマリン(37%水溶液) 3ml コニダックス(小西六写真工業株式会社製) 7ml 水を加えて11に仕上げる。 発色現像液の槽補充量が発色現像液タンク容量の3倍
となるまで連続処理を行なった。 前記カラーネガフィルムとカラーペーパーの廃液を1
対1の割合で混合して使用した。
【実験1】 前記カラーペーパ廃液を用いて、第2図の写真処理廃
液の処理装置により、発熱手段70を備えないで加熱手段
2のみで蒸発濃縮した。加熱手段2は石英ヒータ(交流
100W)で、外径2cm、長さ30cmのものを、500Wを2本用
いた。蒸発濃縮する運転直後で、溜液タンク19の上部の
空間で、アンモニアNH3と硫化水素H2Sの濃度を検知管で
測定した。更に、ヒータの写真処理廃液中での表面温度
を測定した。この測定結果を表−1に示す。
【実験2】 実験1において、白金発熱体(1.0KW、表面積20cm2
を用いて、写真処理廃液に浸漬した。
【実験3】 実験1において、SiCと炭素棒(1.0KW表面積20cm2
を発熱体として用いて、写真処理廃液に浸漬した。
【実験4】 実験1において、酸化物発熱体ZrO2を主成分として、
CaO、MgO、Y2 O3の混合(1.0KW表面積20cm2)を用い
た。 このように、比較例においては1/10まで写真処理廃液
を濃縮すると、臭気が発生するが、発熱手段を備える
と、硫化水素の発生を抑えることができ、臭気が運転中
ほとんど問題にならない程度に軽減された。 [実験例2] 実験例1の実験3において写真処理廃液を1/10濃縮
後、電圧を変化させ、ヒーター表面温度を150℃、200
℃、300℃、500℃、1000℃と変化させたときのNH3濃
度、H2S濃度を実施例1と同様に測定した。なお、それ
ぞれの実験において濃縮廃液は交換した。 [発明の効果] この発明は前記のように、写真処理廃液の処理装置
は、写真処理廃液に接触して蒸発濃縮せしめる表面温度
が200℃以上の発熱手段を備えたから、写真処理廃液の
蒸発濃縮によって、蒸気中に存在するアンモニアガス量
を、熱エネルギーにより大幅に低下させることができ、
さらに濃縮の進行によって発生するイオウ系臭気の発生
を著しく軽減することができる。 また、写真処理廃液の蒸発によって発生する気体を冷
却凝縮する凝縮手段を備えたから、冷却凝縮して臭気を
軽減することができ、さらに凝縮手段を通過した気体の
少なくとも一部を蒸発手段側へ戻して循環させ処理する
ようになしたから、臭気を軽減して蒸発効率を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は自動現像機の概略図、第2図から第11図はこの
発明の実施例を示す概略構成図、第12図は自動現像機の
さらに他の実施例を示す概略構成図である。 図面中符号1は蒸発釜、2は加熱手段、11は凝縮手段、
19は溜液タンク、24は廃液供給タンク、60は吸着剤、70
は発熱手段、76はフィルタ、77は循環ポンプである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 主代 静義 審判官 高木 茂樹 審判官 原 健司 (56)参考文献 特開 昭62−184457(JP,A) 特開 昭52−111279(JP,A) 特開 昭56−152778(JP,A) 実開 昭60−70841(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真処理廃液を蒸発して濃縮せしめる写真
    処理廃液の処理装置において、前記写真処理廃液に接触
    して蒸発濃縮せしめる表面温度が200℃以上の発熱手段
    を写真処理廃液中に少なくとも一部を浸漬するように配
    置された蒸発手段と、前記写真処理廃液を蒸発させるこ
    とにより発生する気体を冷却凝縮する凝縮手段を備え、
    更にこの凝縮手段を通過した気体の少なくとも一部を前
    記凝縮手段より前段側へ戻して循環させることを特徴と
    する写真処理廃液の処理装置。
  2. 【請求項2】前記発熱手段からの前記写真処理廃液への
    伝熱量が18Kcal/cm2・hr以上であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の写真処理廃液の処理装置。
  3. 【請求項3】前記写真処理廃液は蒸発手段で蒸発濃縮さ
    れ、これによる沈殿を蒸発手段の下部から取り出すよう
    になしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の写真処理廃液の処理装置。
  4. 【請求項4】前記写真処理廃液の蒸発によって発生する
    気体の少なくとも一部を吸着剤と接触させる吸着カラム
    を備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の写真処理廃液の処理装置。
  5. 【請求項5】前記写真処理廃液の蒸発濃縮によって発生
    する沈殿物をろ過するフィルタを備えることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の写真処理廃液の処理装
    置。
  6. 【請求項6】前記写真処理廃液の蒸発濃縮によって発生
    する沈殿物をろ過するフィルタを備え、ポンプで強制的
    に吸引するようになしたことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の写真処理廃液の処理装置。
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