JPH071636Y2 - 画像複製における原画複製領域指定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、製版用レイアウトスキャナ等により、原画の
一部分のみの領域を抽出して複製記録を行なう場合等
に、複製すべき原画の領域を座標値をもって指定する装
置に関する。

［従来の技術］ 画像複製に際して、原画の全領域でなく、その一部の領
域のみを選択的に抽出して、すなわちトリミングをして
複製するために、所要領域がたとえば長方形である場合
には、当該長方形の辺をスキャナにおける主走査及び副
走査の方向に一致させて、２つの対角点の座標値を求め
ておき、光電走査に際して、それらの座標値により画像
信号をON−OFFして、長方形の領域のみの画像信号を記
録側へ出力させて、所望領域のみのトリミングされた複
製画像（通常は、最終印刷物上でトリミングされる領域
よりも、いくらか広いめに余裕を持たせた領域からな
る）を記録するようにしている。

また、トリミングをする場合以外にも、原画の一部の領
域について、他の領域と異なる処理、たとえば部分的な
２値化処理、階調あるいは色調の変更処理等を施す場合
に、当該領域を座標値により指定して、所要の処理を施
すことが行なわれている。

従来、この座標値による領域指定は、原画をＸ−Ｙディ
ジタイザに載置して、所望領域の対角点の座標値を入力
する手段や、あるいは、より簡略な手法として原画を方
眼紙の上に載置して、所望領域の対角点の座標値を方眼
紙の目盛により読みとって、スキャナに入力する手段等
が使用されている。

［考案が解決しようとする課題］ Ｘ−Ｙディジタイザを使用する手段は、高価なディジタ
イザを設備する必要があり、コスト高につく。

方眼紙を使用する手段は手軽ではあるが、方眼目盛の読
み誤りや、また、読みとったデータを入力する際にもミ
スが発生する等、確実性に問題がある。

［課題を解決するための手段］ 本考案装置は、グラフィックディスプレイに複製すべき
透明原画を重ねて載置し、デイスプレイにおける表示画
面の座標方向と、原画の複製処理におけるそれと一致さ
せておき、適宜の入力装置により、原画の所望のトリミ
ング領域を、ディスプレイ画面上に指定領域に相当する
図形として表示させ、指定領域に合せて原画ホルダーに
原画を貼り付ける。又は、原画ホルダーに原画を貼り付
けておいて、所望のトリミング領域をグラフィックディ
スプレイ上で移動又は回転させて、原画の所望領域に一
致させ、このときのトリミング座標値データと傾き角と
を、適宜の記憶手段を介して、スキャナに入力させるよ
うにしたものである。

［作用］ グラフィックディスプレイの画面に表示される図形を、
透明原画を透して視認しながら、トリミング領域指定を
行なうため、指定ミスがない。

［実施例］ 第１図は、本考案の１実施例装置の構成を示す概略斜視
図である。

グラフィックディスプレイ（１）は、CRT、液晶ディス
プレイ、あるいはプラズマディスプレイ等の任意の図形
を表示できるもので、制御装置（２）を介して操作用の
キーボード（３）及びマウス（４）が付設され、任意の
指定領域に相当する図形を原寸で表示し、かつ、表示面
における所望点の座標値を出力する機能を備える。

グラフィックディスプレイ（１）の前面には、Ｌ字形を
なす位置決め桟（５）が固着してあり、これに載置され
る原画ホルダー（６）を、ディスプレイ（１）の画面に
対して一定の位置関係に保持する。

第２図は、原画（７）を装填した原画ホルダー（６）
を、グラフィックディスプレイ（１）の前面に設置した
状態を示す正面図で、原画ホルダー（６）は、その下辺
及び左辺が位置決め桟（５）に当接して、定位置に保持
される。この位置関係は、グラフィックディスプレイ
（１）の表示面の座標方向と、原画（７）の後工程にお
ける光電走査時の座標方向とが、一致するように定めて
ある。

またこの状態で、あらかじめグラフィックディスプレイ
（１）に表示する図形の原点を、原画ホルダー（６）の
座標原点と一致させてある。そのためには、位置決め桟
（５）により物理的に一致させるようにしてもよいし、
原点の位置ズレ値を定めておき、座標データ上で修正す
るようにしてもよい。あるいは、原点の位置ズレ量が一
定していない場合には、原画ホルダー（６）に原点マー
ク（８）を付しておき、マウス（４）により、その位置
をグラフィックディスプレイ上に表示されるカーソルで
指定することにより、図形の原点を指定する手段でもよ
い。

平面スキャナ等の走査装置が、原画ホルダー（６）の傾
きを調整する回転機能を備えていない場合は、グラフィ
ックディスプレイ（１）の画面に、指定倍率に応じて縮
小（あるいは拡大）した版下指定からのトリミング等の
指定領域（原画の大きさの違いによる有効原画領域も含
む）を示す図形を表示する。指定領域が、たとえば第２
図に（９）として例示するような長方形である場合は、
キーボード（３）を用いて２つの対角点Ａ及びＢの原画
ホルダー（６）に対する座標値を入力すると、画面上に
長方形の領域（９）が表示される。２つの対角点Ａ及び
Ｂの位置は、原画を貼り付けた後に修正して再設定する
こともある。

表示された指定領域（９）をトリミングして記録した
り、あるいは指定領域（９）の図形に合せて、透明な原
画（７）を透過して視認できるので、原画（７）の絵柄
との重なり関係を見ながら、所望の範囲が指定されてい
るか否か、また傾き角度が適切であるかを確認しながら
原画ホルダー（６）に原画（７）を貼り付けることがで
きる。

指定領域（９）のＡ点及びＢ点の設定位置の座標値デー
タを、キーボード（３）の操作により、適宜の記憶装置
に記憶させておく。この座標値データは、後工程におけ
る原画（７）の光電走査記録に際して、制御データとし
てスキャナに入力して、原画（７）の中の指定領域
（９）をトリミングして記録したり、あるいは指定領域
（９）のみについて２値化処理や階調、色調の変更処理
を施して記録する。

この場合、前述のように、グラフィックディスプレイ
（１）の表示面と、その前面に位置決めしたときの原画
（７）とは、座標原点が同一となるように位置関係を定
めてあるので、グラフィックディスプレイ（１）の画面
で設定した指定領域（９）の座標値データは、光電走査
に際しての領域指定データに正確に対応するものとな
り、正確かつ容易に所望の領域を指定することができ
る。

上述は、グラフィックディスプレイ（１）の面に絵柄を
配置すべき領域の寸法が、複製物のレイアウト等に基づ
き、あらかじめ決められている場合であり、この後、原
画ホルダー（６）を画像走査装置、たとえば平面スキャ
ナに装着して複製走査を行なう。

また、原画ホルダー（６）が回転可能な形式の平面スキ
ャナの場合には、第２図示の原画ホルダー（６）に原画
（７）を貼り付け、マウス（４）を用いて、あらかじめ
キーボード（３）により入力指定領域（９）を移動させ
たり、傾き角度を変更させたりして、原画（７）と指定
領域（９）を合致させ、その整合状態における角度に合
せて、原画ホルダー（６）をの平面スキャナにおける装
着角度を設定する。このとき、指定領域（９）の位置座
標データも、複製走査における制御データとして、平面
スキャナ等の走査装置に転送しておく。

また、原画ホルダー（６）を、透明ポリエステルフイル
ム等の屈曲可能な柔軟な材料で構成すれば、ドラム走査
型スキャナにも、本考案装置を適用することができる。

なお上述実施例では、グラフィックディスプレイ（１）
は、画面が垂直なものを適用したが、水平なものでもよ
い。

［考案の効果］ （１）グラフィックディスプレイに表示した指定領域の
図形を、それを重ねた透明原画を透過して視認して、原
画の所望領域との整合状態を、正確に確認することがで
きる。

（２）原画は、グラフィックディスプレイの画面に対し
て、両者の座標原点を一致させて重ねてあるため、表示
した図形の座標置データを、そのまま後工程の光電走査
における領域指定データとして、適用することができ、
入力ミスのおそれがない。

（３）グラフィックディスプレイは、最近の走査型画像
処理装置に標準的に装備されているので、既設の装置に
原画ホルダーを位置決めして装着するための、簡単な設
備を追加するだけで簡単に実施できる。

（４）得られた座標値データを、直ちに複製走査におけ
る制御データとして使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例装置の構成を示す斜視図、第
２図はグラフィックデイスプレイの面に原画ホルダーを
位置決めをして装着した状態を示す正面図である。 （１）……グラフィックディスプレイ、（２）……制御
装置、（３）……キーボード、（４）……マウス、
（５）……位置決め桟、（６）……原画ホルダー、
（７）……透明原画、（８）……原点マーク、（９）…
…指定領域（表示図形）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】任意の指定領域を示す図形を表示するグラ
   フィックディスプレイと、 グラフィックディスプレイの表示面に、被複製原画を重
   ねて装着し、かつ、グラフィックディスプレイの表示画
   面の座標方向と、原画の複製処理における座標方向とが
   一致するように位置決めをする位置決め装着手段と、 原画を透過して視認される前記表示図形に、原画の所望
   領域に整合させた状態で、当該図形の所要点の座標値
   を、原画複製における領域指定データとして出力させる
   制御手段とを備える画像複製における原画複製領域指定
   装置。