JPH07163298A - 微粒化セルロース系素材含有の餡 - Google Patents

微粒化セルロース系素材含有の餡

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JPH07163298A
JPH07163298A JP5313043A JP31304393A JPH07163298A JP H07163298 A JPH07163298 A JP H07163298A JP 5313043 A JP5313043 A JP 5313043A JP 31304393 A JP31304393 A JP 31304393A JP H07163298 A JPH07163298 A JP H07163298A
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JP
Japan
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cellulosic material
particle size
cellulose
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bean jam
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JP5313043A
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Inventor
Shiyuuei Ono
秀英 小野
Keiko Shudo
桂子 首藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の餡よりも扱い易く食感も優れ、かつ和
菓子あるいはパン製造時に作業効率があがり、さらには
焼成後表皮に餡からの水分しみ出しが少ない餡を供給す
る。 【構成】 セルロースが従来到達し得なかったレベルに
まで微小化された、積算体積50%の粒径が0.3〜6
μmであり、かつ3μm以下の粒子の積算体積が25%
以上である微粒化セルロース系素材が総餡に対して0.
1〜5重量部分散した餡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食物繊維含有の餡に関
する。さらに詳しくは、従来の餡よりも扱い易く、和菓
子あるいはパン製造時に作業効率があがり、さらには焼
成後表皮に餡の水分のしみ出しが少なく、かつ食感の優
れた餡に関する。
【0002】
【従来の技術】餡は、従来豆(小豆、ささげ、りょく豆
等)を用いて真空釜あるいは普通の釜を用いて、煮つめ
ていく事により得られる。この状態で、砂糖を加えたも
のが、つぶ餡であり、さらに布あるいは金網などを用い
て裏ごしし、更に砂糖を加えて煮つめたものがこし餡と
なる。つぶ餡やこし餡は、製造していく段階で粘度が高
くなり、非常に混ぜにくいものとなってくる事は、周知
の事実である。
【0003】さらには、和菓子あるいはパン等に餡を詰
め込む段階において、通常の餡は、切れが悪く作業性が
悪いのが実状である。また通常、餡を和菓子やパンの中
につめたものは、時間が経つに連れて、餡の水分が表皮
にしみだす為、表皮の老化が起こり、保存性が悪くなる
という問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微粒化セル
ロース系素材を用いる事により、従来の餡よりも扱い易
く、さらには和菓子やパン等に詰めて焼成した時に、餡
からの水分のしみ出しが発生しにくく、従来品に比較し
食感の優れた餡を供給することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、有効量の配合材料と
共に有効量の微粒化セルロース系素材を混合することに
より、従来の餡より扱い易く、食感が優れ、なおかつ菓
子、パン等に詰める工程において作業性が向上するこ
と、および焼成後の水分のしみ出しが少なく、長期保存
後も表皮が変化しないことを確認し、本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明は、積算体積50%の粒
径が0.3〜6μmであり、かつ3μm以下の粒子の積
算体積の割合が25%以上である微粒化セルロース系素
材が総餡(豆+砂糖)に対して0.1〜5重量部分散さ
れていることを特徴とする微粒化セルロース素材系素材
含有の餡である。本発明の特徴は、特定のセルロース系
素材を添加することにより、通常の餡よりも扱い易く、
食感も優れたものができることであり、しかも、和菓子
やパンに詰めたとき、餡からの水分のしみ出しが少ない
為、保存性に優れた和菓子やパンができる事である。
【0007】本発明に用いる微粒化セルロース系素材と
は、セルロースが従来到達し得なかったレベルに微小体
になったものをいう。セルロース系素材とは、例えば、
木材パルプ、精製リンター、綿繊維および麻繊維等の脱
リグニン後の天然セルロース、またはビスコース溶液や
銅アンモニア溶液から凝固再生された再生セルロース、
さらにはアルカリセルロースを水洗して得られるセルロ
ースなどをいう。
【0008】本発明に用いられる微粒化セルロース系素
材の粒径は、積算体積50%の粒径が0.3〜6μmで
あり、かつ3μ以下の粒子の積算体積割合が25%以上
であることが必須である。積算体積50%の粒径が6μ
以上、または3μ以下の粒子の積算体積割合が25%未
満となると、微粒化セルロース系素材の水懸濁液の滑ら
かなクリーム感がなくなり、食べた時にザラツキ感が発
生する。
【0009】また、粒径が0.3μm未満となるような
懸濁液は、製造が極めて困難である。好ましくは、0.
5〜4μmである。本発明に用いられる微粒化セルロー
ス系素材の粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で
測定され、以下の通り定義される。まず、レーザー回折
式粒度分布測定装置で表示される粒子径は、粒子と同体
積の球の直径を意味する、粒子の1つ1つは同じ大きさ
をしておらず、必ず或分布を有している。この分布を持
った粒子群の粒子サイズを簡潔に表現するため、本発明
では積算体積50%の粒径、及び3μm以下の粒子の積
算体積割合の2種の表現を併用している。
【0010】ここで積算体積50%の粒径とは、図1に
示す如く、横軸に粒子径を、縦軸に積算体積をとって描
いた粒度分布関数曲線上の積算体積50%の所の粒子径
を意味する。つまり、この粒子径より大きな粒子の総体
積(全ての粒子密度が同一であるならば総重量に相当す
る)と、この粒子径より小さな粒子の総体積が等しいと
いうことになる。
【0011】積算体積50%の粒径は、一般的には体積
基準メジアン径と称され、粒子サイズを表現する一般的
手段として広く用いられている。また、ここで3μm以
下の粒子の積算体積割合(%)とは、前述の粒度分布関
数曲線上の3μm以下の粒子の総体積(全ての粒子の密
度が同一であるならば総重量に相当する)の割合という
ことになる。
【0012】微粒化セルロース系素材の粒径の測定は、
具体的には、島津レーザー回折式粒度分布測定装置(S
ALD−1100)を用いて、測定に供する懸濁液を、
蒸留水で0.1重量%にし、家庭用ミキサー(三洋電機
(株)製 商品名 サンヨーミキサーSM−G471
型)を用いて、ナイフカッターの切替えスイッチを「ジ
ュース」にセットし、1分間攪拌した後、装置に内蔵す
る超音波発信機で2次凝集を壊した状態で測定する。
0.1重量%に純水で均一に希釈された試料は、フロー
セルを利用して測定されるが、内蔵された超音波発信機
は常時オンとし、少なくとも1分以上は超音波をあてて
凝集を防止した後に測定を行う。
【0013】なお、この粒度分布測定装置での測定にあ
たっては、測定レンジを0.1〜45μmに設定する。
これにより、ミー(Mie)錯乱理論式(測定装置中に
組み込まれている)から導き出された散乱光強度と粒子
径の関係を用いて計算されることとなる。また屈折率は
1.7−0.2iの標準屈折率用を選択することとし、
粒度分布を求める計算方法は、最小二乗法理論を使った
直接計算法を使うこととする。1つの試料に対する測定
回数は7回に指定し、測定間隔は2秒とする。
【0014】本発明に用いる微粒化セルロース系素材
は、そのサイズおよび分布に特徴を有するものである
が、その形状は球形で無く、長径と短径の比、L/Dは
1.1〜15の粒子を中心に構成されており、その多く
はL/Dが5〜10である。本発明に用いる微粒化セル
ロース系素材は、例えば、前処理工程としてセルロース
系素材に解重合処理を施し、引き続き、媒体を容器に内
蔵し、かつこの媒体を強制撹拌せしめるための回転翼を
設けた容器内で湿式粉砕することによって懸濁液として
得られる。
【0015】ここで、上記解重合処理とは、例えば、酸
加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエク
スプロージョン分解および、水蒸気蒸煮のうちの1つま
たは2つ以上の組み合わせ処理などをいう。本発明にお
いては、解重合の結果、セルロース系素材の重合度を3
00以下とすることが好ましい。一般に媒体撹拌湿式粉
砕装置(通称ビーズミルまたはアニューラー型ミル)と
呼ばれ、媒体を容器内に内蔵し、かつこの媒体を強制攪
拌せしめるための回転翼を設けた容器内で湿式粉砕する
装置は、顔料、インク、セラミックスなどの無機材料の
微粒化に一般的に使用されるが、微粒化が困難であるセ
ルロース系素材に適用すると、極めて高度な微粒化効果
が得られる。
【0016】このようにして得られた微粒化セルロース
系素材の水懸濁液は、水と親和性の高い固体、すなわ
ち、セルロースの粒子コロイドとして、高度な安定性と
構造粘性を有する。本発明の微粒化セルロース系素材含
有の餡は、この微粒化セルロース系素材の水懸濁液を、
その他の配合材料へ添加することにより製造することが
できる。
【0017】本発明の配合材料中に占める微粒化セルロ
ース系素材の割合は、総餡(豆+砂糖)100重量部当
たり、0.1〜5重量部である。配合比がこれ以下とな
る場合には、本発明の特徴である扱い易さや水分のしみ
出し抑制、食感の向上が現れず、一方、配合比がこれ以
上であっても、餡の風味、食感が維持できない。微粒化
セルロース系素材の水懸濁液と、その他の配合材料との
混ぜ方には、特に注意を払う必要がなく、常温で容易に
混ぜることができる。
【0018】本発明に用いる微粒化セルロース系素材
は、乾燥物の状態で添加することも可能であるが、好ま
しくは水懸濁液として添加することにより配合材料中へ
の分散性を高めることができ、よりざらつきのない餡を
得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により、さらに詳細に説明す
る。餡(ささげ豆)を使用した饅頭を使用し、表皮およ
び餡の官能評価を行った。官能評価は、微粒化セルロー
ス系素材を添加しない標準饅頭との2点比較法で実施し
た。パネラー14名により、微粒化セルロース系素材含
有の饅頭と標準饅頭とを比較し、両者の焼成後および3
日・6日・9日間放置後の表皮の形・色および表皮と餡
の食感について、非常に良好(◎)、良好(○)、やや
不良(△)、不良(×)の4段階評価を行った。
【0020】また、実施例に用いた微粒化セルロース系
素材の製法を以下に記す。重合度1000の木材パルプ
(L−DKP)シートを3mm×7mmに裁断したもの
を3kgに、2%濃度の硫酸液6kgを均一に混合し
た。次に、これを圧力釜に入れ、2kg/cm2Gの圧
力で50分間水蒸気蒸煮処理を行った。処理後、洗液が
中性になるまで充分に水洗を行って、酸分を洗い流し、
次いで懸濁液濃度が12.5重量%となるように水スラ
リーを調製した。媒体充填率85%の媒体撹拌湿式粉砕
装置(アジサワ株式会社製パールミル RL−5型)で
粉砕を行った。媒体としては、直径2mmφの球状アル
ミナビーズを使用した。撹拌翼の回転数は2,725r
pmとし、2分間滞留の通過速度で5回通過させて、微
粒化セルロース系素材の懸濁液を得た。得られた、微粒
化セルロース系素材の積算体積50%の粒径は0.78
μm,3μ以下の粒子の積算体積割合は76.8%であ
った。
【0021】
【実施例1および比較例1】実施例1として、ささげ豆
1kgを煮て、これを裏ごしし、920gの餡を得た。
この餡に450gの砂糖を加え、ニーダ型の加熱攪拌機
により30分間攪拌した。その後、685gを取り出
し、標準品製作用とした。ニーダ型加熱攪拌機内の残り
685gの餡に対して、微粒化セルロース系素材の水懸
濁液を2重量部加え、さらに30分間攪拌し、微粒化セ
ルロース系素材含有の餡とした。
【0022】これらをあんことして小麦粉、卵等を加え
た素材に包み込み、ガスオーブンにて180℃で25分
間焼き上げた。これらの饅頭についてオーブンより取り
出した後、2時間経過後及び3日・6日・9日後の形・
色・食感について官能評価を行った。その結果を表1に
示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果より、焼成直後においては、比
較例、実施例ともに全ての評価項目において同一の結果
が得られるが、日数が経過するほど、微粒化セルロース
系素材含有のものは、色・形・食感共に変わらず食する
ことが可能である。比較例については、日数が経つと、
餡と外皮の離れが多く見られ、餡がパサパサとなって食
感が劣る。
【0025】
【発明の効果】本発明の微粒化セルロース系素材含有の
餡は、従来のものに較べ、扱い易く、和菓子やパンに詰
めた時に焼成後の水分しみ出しが少なく、これにより表
皮の老化が起きにくい。しかも、食感は製作直後と同一
の物が、日数経過にかかわらず維持(老化防止)でき、
商業的にも優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる微粒化セルロース系素材の一例
の粒子径と積算体積との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積算体積50%の粒径が0.3〜6μm
    であり、かつ3μm以下の粒子の積算体積割合が25%
    以上である微粒化セルロース系素材が総餡に対して、
    0.1〜5重量部分散していることを特徴とする微粒化
    セルロース系素材含有の餡。
JP5313043A 1993-12-14 1993-12-14 微粒化セルロース系素材含有の餡 Withdrawn JPH07163298A (ja)

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JP5313043A Withdrawn JPH07163298A (ja) 1993-12-14 1993-12-14 微粒化セルロース系素材含有の餡

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011000119A (ja) * 2009-05-19 2011-01-06 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 包餡食品用中種の製造方法とそれを含む食品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011000119A (ja) * 2009-05-19 2011-01-06 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 包餡食品用中種の製造方法とそれを含む食品

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Effective date: 20010306