JPH07162882A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

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JPH07162882A
JPH07162882A JP5310601A JP31060193A JPH07162882A JP H07162882 A JPH07162882 A JP H07162882A JP 5310601 A JP5310601 A JP 5310601A JP 31060193 A JP31060193 A JP 31060193A JP H07162882 A JPH07162882 A JP H07162882A
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JP
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axis direction
correction coil
cathode ray
tube
ray tube
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JP5310601A
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English (en)
Inventor
Hisao Kume
尚雄 久米
Hiroshi Hosokawa
弘 細川
Minoru Watanabe
実 渡辺
Kenichiro Takayanagi
賢一郎 高柳
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N9/00Details of colour television systems
    • H04N9/12Picture reproducers
    • H04N9/16Picture reproducers using cathode ray tubes
    • H04N9/29Picture reproducers using cathode ray tubes using demagnetisation or compensation of external magnetic fields
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/003Arrangements for eliminating unwanted electromagnetic effects, e.g. demagnetisation arrangements, shielding coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/0007Elimination of unwanted or stray electromagnetic effects
    • H01J2229/003Preventing or cancelling fields entering the enclosure
    • H01J2229/0038Active means
    • HELECTRICITY
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J2229/0007Elimination of unwanted or stray electromagnetic effects
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    • H01J2229/0053Demagnetisation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地磁気が陰極線管(CRT)に与えるビーム
ランディング変化と画歪の両者への影響を正確、容易、
かつ自動的に補正する。 【構成】 地磁気センサ45の出力に基づく補正電流を
Z軸補正コイル41及びX−X軸補正コイル42に供給
する。Z軸補正コイル41により発生される補正磁束に
より、Z軸方向の地磁気成分BH cosθがキャンセル
され、X−X軸補正コイル42により発生される磁束に
よりX軸方向の地磁気成分BHsinθがキャンセルさ
れて、ビームランディングと画歪のドリフトが自動的に
補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビ用の受像管又
は情報端末用の文字・図形表示用のディスプレイ管など
の陰極線管を有する陰極線管装置に関し、特に、地磁気
によるビームランディングと画歪のドリフトが補正され
るようにされた陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アパーチャーグリル又はシャ
ドウマスク等の色選別マスクを有するカラー陰極線管
(以下、必要に応じてCRTともいう。)を備える陰極
線管装置、例えば、テレビジョン受像機又はディスプレ
イ装置では、地磁気によりビームランディングと画歪が
影響を受けることが知られている。
【0003】図8〜図10は、地磁気によるビームラン
ディングの変化を示している。
【0004】図8は、陰極線管の管面10が方位東
(E)、方位南(S)、方位西(W)及び方位北(N)
にそれぞれ向けられた場合の、ランディングパターン
1、2、3の変化を示している。図8中、点線のパター
ンは地磁気が無いとした場合、すなわち、ゼロ外部磁界
のときの基準線パターンであり、実線のパターンが地磁
気により変化された実際のパターンを示している。な
お、方位東(E)及び方位西(W)に向けられたとき、
中央のパターンは、地磁気が無いとした場合の基準線パ
ターン1と実際のパターン1とが重なった同位置にあ
る。
【0005】図9は、特定色用の実線で示すビーム4が
矢印A方向にずれた場合の点線で示すビーム5との間の
ランディング変化量Δを示している。すなわち、ビーム
4、5は、色選別マスク6中の開口(スリット、又はホ
ール等)7を通じて、管面10に塗られている特定色の
蛍光体8に衝突するようになっている。特定色、例え
ば、緑色用のビーム4がその特定色の蛍光体8に正しく
衝突することが色純度上必須の要件である。
【0006】図10は、陰極線管の管軸を水平方向にし
て、地磁気による磁界中で、その陰極線管を水平面内で
1回転させたときの画面端部6点11〜16(図8参
照)でのビームランディングの変化をプロットした図で
ある。この図10から分かるように、ビームランディン
グの変化量Δは正弦波状に規則的に変化する。なお、こ
の図10に示すように、管面10を正面から見て右側へ
のビームランディングの変化量Δを正の変化量+Δ、左
側へのビームランディングの変化量Δを負の変化量+Δ
と定義する。
【0007】図11は、地磁気による画歪の変化を示し
ている。すなわち、陰極線管の管面10が方位東
(E)、方位南(S)、方位西(W)及び方位北(N)
にそれぞれ向けられた場合の、画歪パターンの変化を示
している。図11中、点線のパターンは、地磁気が無い
とした場合、すなわち、ゼロ磁界のときの基準パターン
であり、実線の画歪パターンが地磁気により変化された
実際の画歪パターンを示している。
【0008】このような地磁気によるビームランディン
グの変化と画歪の変化は、陰極線管装置の色純度、パタ
ーン歪等の特性を劣化させる要因になる。
【0009】これら地磁気による特性劣化の要因を低減
させるために次に説明する3つの技術(磁気シールド
(磁気シールド板)による低減技術消磁コイルによる
低減技術及び補正コイルによる低減技術)が提案され
ている。
【0010】磁気シールドによる低減技術 磁気シールドによる低減技術としては、CRT外部磁気
シールド技術と、CRT内部磁気シールド技術がある。
この磁気シールド技術によれば、電子ビームに影響を与
える地磁気による磁界が結果として弱められるので、ビ
ームランディングと画歪の変化量を低減することができ
る。
【0011】消磁コイルによる低減技術 この消磁コイルによる低減技術は、上記磁気シールド
による低減技術と併用される技術であり、CRTの管側
壁に消磁コイルを装着し、この消磁コイルに交流減衰電
流を供給することで、上記磁気シールドや色選別マスク
などを消磁して、電子ビームが所定の軌道上を進行する
ようにして、地磁気の影響を軽減させるものである。
【0012】補正コイルによる低減技術 この補正コイルによる低減技術は、従来から、特に、ビ
ームランディングの余裕度(アロウアンス)の少ない25
インチ程度以上の大口径のテレビジョン受像機用受像管
や高精細ディスプレイ管に適用されている。
【0013】図12は、この補正コイルによる低減技術
が適用された陰極線管装置の概略的な正面構成を示して
いる。図13は、図12例に適用される補正回路の基本
的な構成を示している。
【0014】図12に示すように、陰極線管の管面10
側から見て、その管面10側の周囲に6個の補正コイル
LCC−LT(landing correction coil left top;左
上)、LCC−CT(center top;中央上)、LCC−
RT(right top ;右上)、LCC−LB(left botto
m ;左下)、LCC−CB(center bottom ;中央
下)、LCC−RB(right bottom;右下)が、その指
定の位置に配されている。
【0015】図13に示すように、これらの補正コイル
LCC−LT、LCC−CT、LCC−RT、LCC−
LB、LCC−CB、LCC−RBは、方角補正信号発
生回路21から出力される方角補正信号S1、ビーム電
流補正信号発生回路22から出力されるビーム電流補正
信号S2及び局部補正信号発生回路23から出力される
局部補正信号S3に基づいてランディング補正ドライブ
回路24を通じて駆動される。
【0016】方角補正信号発生回路21は、陰極線管装
置のパネル面等に配置された方角コードスイッチ25で
指定された方角コードに応じた電流信号である方角補正
信号S1を発生して対応する各方角補正コイルLCC−
LT、LCC−CT、LCC−RT、LCC−LB、L
CC−CB、LCC−RBに供給する。
【0017】図14は、その方角補正信号S1の内容を
示しており、図14中の波形が図10で示した地磁気ド
リフトに対応して予め方角補正信号発生回路21中に格
納されている。
【0018】ビーム電流補正信号発生回路22は、端子
26からビーム電流に対応したレベルを有する信号であ
る自動輝度制限(ABL)信号S4を受け、これを時間
積分して、色選別マスクの熱膨張に基づく色ずれを補正
するためのビーム電流補正信号S2を各方角補正コイル
LCC−LT、LCC−CT、LCC−RT、LCC−
LB、LCC−CB、LCC−RBに供給する。
【0019】また、局部補正信号発生回路23は、その
CRTに特有のランディング補正を行うための局部補正
信号S3を各方角補正コイルLCC−LT、LCC−C
T、LCC−RT、LCC−LB、LCC−CB、LC
C−RBに供給する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の磁気シールドによる低減技術では、CRT全体を理想
的な磁性材料、例えば、パーマロイ等で覆うことは、特
に、民生用等のCRTでは、コスト的に非現実的であ
り、通常は、CRTに対して部分的なシールドが施され
る。このため、不完全な磁気シールドによるビームラン
ディングと画歪の変化が残る。また、磁気シールド材を
使用することにより陰極線管装置の重量が増加するとい
う問題もある。
【0021】また、上記の消磁コイルによる低減技術
では、消磁コイルの起磁力を大きくすると改善率も向上
するが改善の程度は、最大でも半分程度であり、改善の
程度が飽和して限界があるという問題がある。また、大
きな起磁力を得るための消磁コイルは、銅量が多く、大
型になり、コストが上昇するとともに重量も増加すると
いう問題もある。
【0022】さらに、上記の補正コイルによる低減技
術は、上記ビームランディングのドリフトの補正につい
てのみ有効であり、上記画歪のドリフトに対しては何も
機能しないという問題がある。その上、補正コイルLC
C−LT、LCC−CT、LCC−RT、LCC−L
B、LCC−CB、LCC−RBと、これらの補正コイ
ルLCC−LT、LCC−CT、LCC−RT、LCC
−LB、LCC−CB、LCC−RBを駆動する方角補
正コイルドライブ回路24の規模が大きく、コストの上
昇、重量の増加及び構成が複雑であるという問題があ
る。
【0023】この発明はこのような課題を考慮してなさ
れたものであり、地磁気が陰極線管(CRT)に与える
ビームランディング変化と画歪の両者への影響を正確、
容易、かつ自動的に補正することを可能とする陰極線管
装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明は、例えば、陰
極線管32の管面の管軸方向Z、横軸方向X、縦軸方向
Yのうち少なくとも1軸方向の地磁気を検出して地磁気
信号を出力する地磁気センサ45、45Aと、この地磁
気センサ45、45Aに接続される上記少なくとも1軸
方向の補正コイル41、42、75とを有するものであ
る。
【0025】また、この発明は、地磁気センサが、陰極
線管の管面の管軸方向及び横軸方向の地磁気を検出して
管軸方向地磁気信号と横軸方向地磁気信号を出力するも
のであり、上記少なくとも1軸方向の補正コイルは、上
記陰極線管の補強バンド取付部近くの周囲に配された管
軸方向補正コイルと上記陰極線管のファンネル部に水平
対向で配された横軸方向補正コイルとを有し、上記管軸
方向補正コイルには上記管軸方向地磁気信号が供給さ
れ、上記横軸方向補正コイルには上記横軸方向地磁気信
号が供給されるものである。
【0026】さらに、この発明は、上記地磁気センサ
が、陰極線管の管面の管軸方向、横軸方向及び縦軸方向
の地磁気を検出して管軸方向地磁気信号、横軸方向地磁
気信号及び縦軸方向地磁気信号を出力するものであり、
上記少なくとも1軸方向の補正コイルは、上記陰極線管
の補強バンド取付部近くの周囲に配された管軸方向補正
コイルと上記陰極線管のファンネル部に水平対向で配さ
れた横軸方向補正コイルと上記陰極線管のファンネル部
に垂直対向で配された縦軸方向補正コイルとを有し、上
記管軸方向補正コイルには上記管軸方向地磁気信号が供
給され、上記横軸方向補正コイルには上記横軸方向地磁
気信号が供給され、上記縦軸方向補正コイルには上記縦
軸方向地磁気信号が供給されるものである。
【0027】さらにまた、この発明は、例えば、図2に
示すように、補正コイル41が消磁コイル兼用とされた
ものである。
【0028】さらにまた、この発明は、減衰交流電流信
号と上記地磁気信号とが切換器により選択的に切り換え
られて上記補正コイルに供給されるものである。
【0029】さらにまた、この発明は、例えば、図6に
示すように、陰極線管の管面に上記地磁気信号に基づく
方位を表す表示をさせたものである。
【0030】
【作用】この発明によれば、地磁気センサによって、陰
極線管の管面の管軸方向、横軸方向、縦軸方向のうち少
なくとも1軸方向の地磁気を検出し、その検出した地磁
気信号を上記少なくとも1軸方向の補正コイルに出力す
るようにしている。このため、地磁気がCRTの上記少
なくとも1軸方向に与えるビームランディング変化と画
歪の両者への影響を低減することができる。
【0031】また、この発明によれば、地磁気センサに
よって、陰極線管の管面の管軸方向及び横軸方向の地磁
気を検出し、その検出した管軸方向地磁気信号と横軸方
向地磁気信号をそれぞれ管軸方向補正コイルと横軸方向
補正コイルに出力するようにしている。このため、地磁
気がCRTの上記管軸方向と上記横軸方向に与えるビー
ムランディング変化と画歪の両者への影響を低減するこ
とができる。
【0032】さらに、この発明によれば、地磁気センサ
によって、陰極線管の管面の管軸方向、横軸方向及び縦
軸方向の地磁気を検出し、その検出した管軸方向地磁気
信号、横軸方向地磁気信号及び縦軸方向地磁気信号をそ
れぞれ管軸方向補正コイル、横軸方向補正コイル及び縦
軸方向補正コイルに出力するようにしている。このた
め、地磁気がCRTの上記管軸方向、上記横軸方向及び
上記縦軸方向に与えるビームランディング変化と画歪の
両者への影響を低減することができる。
【0033】さらにまた、この発明によれば、上記補正
コイルを消磁コイルに兼用している。このため、消磁コ
イルを別部材として設ける必要がない。この場合、減衰
交流電流信号と上記地磁気信号とを切換器により選択的
に上記補正コイルに供給すればよい。
【0034】さらにまた、この発明によれば、CRTの
管面に上記地磁気信号に基づく方位を表す表示をさせて
いる。このため、その方位表示により方位を知ることが
できるという新機能が得られる。
【0035】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。なお、以下に参照する図面において、
上記の図8〜図14に示したものに対応するものには同
一の符号を付けている。
【0036】図1は、一実施例の陰極線管装置9の全体
構成を示す概念図である。図2は、その実施例の電気回
路のブロック図である。
【0037】図1例の陰極線管装置9において、ケーシ
ング31内の前方に陰極線管(CRT)であるカラーC
RT32が配されている。このカラーCRT32の補強
バンド33がパネル部35の周囲に配置固定され、この
補強バンド33の4角にはホルダーが設けられている。
【0038】Z軸補正コイル41が補強バンド33に沿
って巻かれて配され、2個のX−X軸補正コイル42
a、42bからなるX−X軸補正コイル42がファンネ
ル部34の左右に対向して配されている。
【0039】地磁気センサ45がZ軸補正コイル41及
びX−X軸補正コイル42から離れた位置、図1例で
は、筐体31の最も後ろ側でネック部36の下側、言い
換えれば、電子銃の下側のマザー基板46上に配されて
いる。このように地磁気センサ45をZ軸補正コイル4
1及びX−X軸補正コイル42から離れた位置に配する
のは、それらのコイルからの磁束を検出しないで、地磁
気成分のみを検出できるようにするためである。
【0040】地磁気センサ45は、陰極線管装置9に全
体的に印加されている地磁気を地磁気信号BH (図1参
照:以下、必要に応じて、単に、地磁気BH ともい
う。)として検出して、カラーCRT32の置かれてい
る方角を検出し、図2に示すように、X軸方向地磁気検
出信号SX (BH sinθ;X軸地磁気成分ともい
う。)とZ軸方向地磁気検出信号SZ (BH cosθ;
Z軸地磁気成分ともいう。)とをドライブ基板47を構
成するローパスフィルタ(LPF)48、49にそれぞ
れ供給する。なお、Z軸方向はカラーCRT32の管面
の管軸方向に一致する方向であり、X軸方向はカラーC
RT32の管面の横軸方向に一致する方向であり、Y軸
方向はカラーCRT32の管面の縦軸方向に一致する方
向である。
【0041】地磁気センサ45は、周知のものであり、
例えば、フラックスゲートを用いた磁界測定装置を利用
することができる。なお、フラックスゲートを用いた磁
界測定装置は、パーマロイ等の磁性材料に対して交番時
間で対称かつ周期的に励磁した状態で、被測定磁界の中
に配したとき、その磁性材料の透磁率、損失及び磁束が
変化することに着目したものであり、これらの変化量が
磁界の強さに比例するのを利用した装置である(「磁性
工学入門」著者;成田賢仁、オーム社、昭和40年7 月10
日発行)。
【0042】なお、磁気センサ45としては、フラック
スゲートを用いた磁界測定装置に限らず、ホール素子を
利用した装置、磁気抵抗効果素子を利用した装置等を用
いることができる。
【0043】LPF48、49は、陰極線管装置9内の
ノイズ的交流磁場(偏向ヨーク50、フライバックトラ
ンス等の漏れ磁界)の影響を除去するためのものであ
り、これらノイズ的交流磁場の影響が除去されたX軸方
向地磁気検出信号SX (BH sinθ)とZ軸方向地磁
気検出信号SZ (BH cosθ)は、アンプ51、52
にそれぞれ供給される。なお、地磁気センサ45及び
(又は)アンプ51、52の周波数特性を低域通過特性
にすることによりLPF48、49を省略できる。
【0044】アンプ51、52は、それぞれ、X軸方向
地磁気検出信号SX (BH sinθ)とZ軸方向地磁気
検出信号SZ (BH cosθ)に比例したコイル補正電
流を切換器53の固定端子53b、共通端子53a及び
切換器54の固定端子54b、共通端子54aを通じて
それぞれX−X軸補正コイル42及びZ軸補正コイル4
1に供給する。これによって、X−X軸補正コイル42
及びZ軸補正コイル41は、それぞれ、X軸方向及びZ
軸方向に地磁気成分BH sinθ、BH cosθ(図1
参照)をキャンセルするような磁界成分、すなわち、大
きさが同じで反対方向の磁界(磁束)成分を、ほぼファ
ンネル部34内に発生する。なお、発生する磁束の向き
(方向)は補正コイル41,42の巻き方向等で変更さ
れる。
【0045】この図2のブロック図において、切換器5
3、54を設けているのは、Z軸補正コイル41を消磁
コイルに兼用させるためのものであり、切換器54の固
定端子54bに、端子57を通じて供給されるAC電源
ACがPTC(正温度係数特性を有する抵抗素子)58
を通じて供給されている。切換器53、54の切り換え
制御端子には、AC電源の投入時に制御回路60から消
磁に必要な一定時間だけ共通端子53a,54bが固定
端子53c、54c側に切り換えられる制御信号Scが
供給されるようになっている。したがって、PTC58
の機能により、Z軸補正コイル41には、その一定時間
だけ交流減衰振動消磁用電流が供給されることになる。
【0046】この場合、AC電源投入時の上記一定時
間、言い換えれば、消磁動作中には、X−X軸補正コイ
ル42に供給される補正電流は切換器53が固定端子5
3c側に切り換えられることになるのでゼロにされ、そ
のX−X軸補正コイル42による、いわゆる磁気転写効
果が排除されて、Z軸補正コイル41により発生する管
軸(Z軸)に平行な磁束により図示していない色選別マ
スク、内部磁気シールド(この実施例において、内部磁
気シールドは、あってもなくてもよい。)等の磁性部材
を効果的に消磁することができる。なお、制御回路60
としてはマイクロコンピュータ又はカウンタを利用した
タイマ等を用いることができる。Z軸補正コイル41を
消磁コイルに兼用しない場合には、切換器53、54が
不要である。消磁コイルを別途設けてもよいことはいう
までもない。
【0047】上述したようにアンプ51、52は、X軸
方向地磁気検出信号SX (BH sinθ)とZ軸方向地
磁気検出信号SZ (BH cosθ)に比例したコイル補
正電流を供給するものであるので、電流帰還型アンプが
最適である。
【0048】図3は、この電流帰還型アンプを用いたア
ンプ51、52の詳細な回路図である。図3において、
アンプ51を構成するオペアンプ51aから直列接続さ
れたX−X軸補正コイル42(42a,42b)に供給
される電流をi、オペアンプ51の正入力端子に現れる
電圧をV1、負入力端子に現れる電圧をV2=i×R
(Rは、抵抗器63の抵抗値)としたとき、オペアンプ
51aの正負入力端子の電圧差がゼロ値になるように帰
還がかかるので、コイル補正電流iは、i=V1/Rで
単純に決まる値になることが電流帰還型アンプを用いる
理由である。なお、図3において、Z軸補正コイル41
側は、オペアンプ52a、抵抗器64、切換器54A、
54B等の相互接続により電流帰還型アンプが構成され
ている。
【0049】図3から分かるように、左右の2個のX−
X軸補正コイル42a,42bが電気的に直列(並列で
もよい)に接続され、アンプ51aのみによって駆動さ
れる。このX−X軸補正コイル42は、ファンネル部3
4の内部で横向き(管面の横軸に沿った)平行状の磁束
を発生させることになる。
【0050】このように、上記図1〜図3例によれば、
陰極線管装置9が水平面内でどのような角度に回転され
ても、常に、最適にビームランディングと画歪のドリフ
トが自動補正される。地磁気の垂直方向成分に対して
は、何も対応していないが、一般には、陰極線管装置は
地磁気の垂直方向成分が慎重に設定考慮された工場の生
産ラインで仕向地別に調整されて出荷されるので、実用
上は、上記X軸とZ軸の2軸補正で十分である。なお、
地磁気の垂直方向成分の変化によるビームランディング
及び画歪の変化は管面10の横軸方向への平行移動的な
単純な変化である。
【0051】図4は、地磁気の垂直方向成分の補正をも
考慮した他の実施例の陰極線管装置19の全体構成を示
す概念図である。図5は、その実施例の電気回路のブロ
ック図である。なお、図4及び図5において、図1〜図
3に示したものに対応するものには、同一の符号を付け
その詳細な説明を省略する。
【0052】この図4、図5例では、補強バンド33に
沿って巻かれて配されているZ軸補正コイル41と、フ
ァンネル部34の左右に対向して配されている2個のX
−X軸補正コイル42a、42bからなるX−X軸補正
コイル42以外に、ファンネル部34の上下に対向して
2個のY−Y軸補正コイル75a、75bからなるY−
Y軸補正コイル75が配されている。Y−Y軸補正コイ
ル75a、75bも単一の駆動源(アンプ73)で駆動
され、電気的に直列または並列に接続される。
【0053】図6は、図4、図5例の地磁気センサ45
Aで検出する地磁気成分を説明するための図である。地
磁気センサ45Aは、陰極線管装置19に全体的に印加
されている地磁気Bを水平面内地磁気信号BH と垂直面
内地磁気信号BV として検出する。水平面内地磁気信号
H は、上述したように、X軸方向地磁気検出信号S X
(BH sinθ)とZ軸方向地磁気検出信号SZ (BH
cosθ)とに分解されて地磁気センサ45Aから出力
される。また、垂直面内地磁気信号BV はY軸方向地磁
気信号BV (Y軸地磁気成分ともいう。)として出力さ
れ、ローパスフィルタ72、アンプ73、切換器74を
通じてY−Y軸補正コイル75に供給される。そして、
これらの補正コイル41、42、75から各地磁気成分
を打ち消すための対応する磁束がそれら各地磁気成分と
反対方向に発生されることでビームランディング及び画
歪の補正処理が行われる。なお、この地磁気センサ45
Aもフラックスゲート等を用いて容易に構成できる。
【0054】この図4、図5例においても、Z軸補正コ
イル41を消磁コイルに兼用させる構成にしているが、
これに限らず、例えば、Y−Y軸補正コイル75を消磁
コイルに兼用する構成にした場合には、垂直軸(Y軸)
方向のストライプ構造を有するアパーチャーグリルやス
ロットマスク等の色選別マスクを有するCRTでは特に
有効である。
【0055】このように、上記図4、図5例によれば、
地磁気Bの直交3軸(X軸、Z軸及びY軸)成分を検出
して補正するようにしているので、陰極線管装置19
が、どのような向きを向いて置かれても、ビームランデ
ィングと画歪のドリフトが完全にかつ自動的に補正でき
る。したがって、例えば、航空機内又は長距離移動の乗
り物に載せられた陰極線管装置、チルト・スイベル(ti
lt-swivel )機構を有する陰極線管装置、又は販売地域
が特定されない陰極線管装置に適用して特に好適であ
る。
【0056】この場合、上記実施例のビームランディン
グと画歪のドリフトの補正に供される磁気センサ45、
45A、補正コイル41、42、75及びその関連回路
は、従来の技術による磁気シールド機構と消磁コイル等
を用いたものに比較して構成が簡易であるとともに、重
量が軽くなるので、陰極線管装置全体としての軽量化が
可能になり、かつコストも低減される。
【0057】なお、LPF48の出力信号及びLPF4
9の出力信号を図示しないマイクロコンピュータ等の演
算装置を利用してベクトル的に加算することで、地磁気
Hの方向を演算し、この演算結果を基に、管面10上
に表示される映像に代替してまたは映像にスーパーイン
ポーズして管面10に陰極線管装置9、19の向いてい
る方角を表示するようにすることもできる。なお、RO
Mをルックアップテーブルとして使用することで、演算
することなく、方角を表示するようにすることができる
ことももちろんである。
【0058】図7A、図7Bは、管面10上での地磁気
の方角の表示例である(図中、N,E,S,Wは通常の
方位表示である。)。矢印80の向きが地磁気の方向
(図の例では、東北東の方向)を示している。図6Aは
管面全体に表示した例、図6Bは管面の隅に表示した例
である。図6のように表示することにより、上述実施例
の地磁気ドリフト自動補正の動作状態の確認、または、
乗り物などに搭載した場合の電子コンパスとして利用す
ることもできる。
【0059】このように上記した実施例によれば、陰極
線管装置9、19内に配置した地磁気センサ45、45
Aで検出した地磁気Bの直交2成分(X軸、Z軸)又は
直交3成分(X軸、Z軸及びY軸)の検出出力を電流増
幅してカラーCRT32の周辺に配置した複数組の補正
コイル41、42、75を駆動するように構成したこと
により、以下の種々の効果を有する。
【0060】 地磁気による特有のビームランディン
グと画歪のドリフトを完全にかつ自動的に補正すること
ができる。 磁気シールドや消磁コイルを簡素化することが可能
となり、陰極線管装置の軽量化、低コスト化が図れる。 CRT単体のビームランディングの余裕度が少なく
てもよくなるので、CRTの設計、製造が容易になり、
また、歩留まりも向上することから大形管での高精度化
も容易になる。 陰極線管装置の設置時における調整、いわゆる設置
調整が不要になり、流通コスト、サービスコストが低減
できる。 3軸補正を行った場合には、広範囲のチルト・スイ
ベル機能を持たせることができる。 管面に方位を表示する等新たな機能を付加すること
ができる。
【0061】なお、この発明は上記の実施例に限らずこ
の発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、地磁気センサによって、陰極線管の管面の管軸方
向、横軸方向、縦軸方向のうち少なくとも1軸方向の地
磁気を検出し、その検出した地磁気信号を上記少なくと
も1軸方向の補正コイルに出力するようにしている。こ
のため、地磁気がCRTの上記少なくとも1軸方向に与
えるビームランディング変化と画歪の両者への影響を低
減することができるという効果が達成される。
【0063】また、この発明によれば、地磁気センサに
よって、陰極線管の管面の管軸方向及び横軸方向の地磁
気を検出し、その検出した管軸方向地磁気信号と横軸方
向地磁気信号をそれぞれ管軸方向補正コイルと横軸方向
補正コイルに出力するようにしている。このため、地磁
気がCRTの上記管軸方向と上記横軸方向に与えるビー
ムランディング変化と画歪の両者への影響を低減するこ
とができるという効果が達成される。
【0064】さらに、この発明によれば、地磁気センサ
によって、陰極線管の管面の管軸方向、横軸方向及び縦
軸方向の地磁気を検出し、その検出した管軸方向地磁気
信号、横軸方向地磁気信号及び縦軸方向地磁気信号をそ
れぞれ管軸方向補正コイル、横軸方向補正コイル及び縦
軸方向補正コイルに出力するようにしている。このた
め、地磁気がCRTの上記管軸方向、上記横軸方向及び
上記縦軸方向に与えるビームランディング変化と画歪の
両者への影響を低減することができるという効果が達成
される。
【0065】さらにまた、この発明によれば、上記補正
コイルを消磁コイルに兼用している。このため、消磁コ
イルを別部材として設ける必要がないという効果が達成
される。
【0066】さらにまた、この発明によれば、CRTの
管面に上記地磁気信号に基づく方位を表す表示をさせて
いる。このため、その方位表示により方位を知ることが
できるという新機能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による陰極線管装置の一実施例の構成
を示す線図である。
【図2】図1例のうち、補正回路の電気的構成を示す回
路図である。
【図3】補正コイルとこれを駆動する電流帰還型アンプ
等の構成を示す回路図である。
【図4】この発明による陰極線管装置の他の実施例の構
成を示す線図である。
【図5】図4例のうち、補正回路の電気的構成を示す回
路図である。
【図6】CRTと地磁気成分の関係説明に供される線図
である。
【図7】管面方位表示機能の説明に供される線図であ
る。
【図8】地磁気によるランディングパターンの変化の説
明に供される線図である。
【図9】地磁気によるビームの入射角によるランディン
グ変化の説明に供される線図である。
【図10】陰極線管の管面の周囲6箇所における地磁気
ドリフトの変化の説明に供される線図である。
【図11】地磁気による画歪の変化の説明に供される線
図である。
【図12】従来の技術に係る補正コイルによる地磁気ド
リフトの低減技術の説明に供される線図である。
【図13】図12例中の補正コイルを駆動する補正回路
の基本構成を示すブロック図である。
【図14】図13中の方角補正信号発生回路に格納され
る方角補正信号の説明に供される波形図である。
【符号の説明】
32 カラーCRT 41 Z軸補正コイル 42 X−X軸補正コイル 45、45A 磁気センサ 75 Y−Y軸補正コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高柳 賢一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管の管面の管軸方向、横軸方向、
    縦軸方向のうち少なくとも1軸方向の地磁気を検出して
    地磁気信号を出力する地磁気センサと、 この地磁気センサに接続される上記少なくとも1軸方向
    の補正コイルとを有する陰極線管装置。
  2. 【請求項2】 上記地磁気センサは、上記陰極線管の管
    面の管軸方向及び横軸方向の地磁気を検出して管軸方向
    地磁気信号と横軸方向地磁気信号を出力するものであ
    り、 上記少なくとも1軸方向の補正コイルは、補強バンド取
    付部近くの周囲に配された管軸方向補正コイルと上記陰
    極線管のファンネル部に水平対向で配された横軸方向補
    正コイルとを有し、 上記管軸方向補正コイルには上記管軸方向地磁気信号が
    供給され、上記横軸方向補正コイルには上記横軸方向地
    磁気信号が供給される請求項1記載の陰極線管装置。
  3. 【請求項3】 上記地磁気センサは、上記陰極線管の管
    面の管軸方向、横軸方向及び縦軸方向の地磁気を検出し
    て管軸方向地磁気信号、横軸方向地磁気信号及び縦軸方
    向地磁気信号を出力するものであり、 上記少なくとも1軸方向の補正コイルは、上記陰極線管
    の補強バンド取付部近くの周囲に配された管軸方向補正
    コイルと上記陰極線管のファンネル部に水平対向で配さ
    れた横軸方向補正コイルと上記陰極線管のファンネル部
    に垂直対向で配された縦軸方向補正コイルとを有し、 上記管軸方向補正コイルには上記管軸方向地磁気信号が
    供給され、上記横軸方向補正コイルには上記横軸方向地
    磁気信号が供給され、上記縦軸方向補正コイルには上記
    縦軸方向地磁気信号が供給される請求項1記載の陰極線
    管装置。
  4. 【請求項4】 上記補正コイルが消磁コイル兼用とされ
    た請求項1〜3のいずれか1項に記載の陰極線管装置。
  5. 【請求項5】 減衰交流電流信号と上記地磁気信号とが
    切換器により選択的に切り換えられて上記補正コイルに
    供給される請求項4記載の陰極線管装置。
  6. 【請求項6】 上記陰極線管の管面に上記地磁気信号に
    基づく方位を表す表示をさせた請求項2〜5のいずれか
    1項に記載の陰極線管装置。
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