JPH07162044A - 単一電子トンネル素子及びそれを使用した回路 - Google Patents

単一電子トンネル素子及びそれを使用した回路

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JPH07162044A
JPH07162044A JP5307738A JP30773893A JPH07162044A JP H07162044 A JPH07162044 A JP H07162044A JP 5307738 A JP5307738 A JP 5307738A JP 30773893 A JP30773893 A JP 30773893A JP H07162044 A JPH07162044 A JP H07162044A
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tunnel
minute region
electron
channels
capacitance
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JP5307738A
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Yasutaka Tamura
泰孝 田村
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一電子トンネル素子及びそれを使用した回
路に関し、電子電荷の数分の一以下の信号電荷で動作
し、電荷の増幅機能、メモリ機能、論理機能をもつと共
に高動作マージンの単一電子トンネル素子を実現する。 【構成】 金属として振る舞う微小な領域23と、微小
な領域23に対応して形成され且つ微小な領域23と他
の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下の電
荷の遣り取りを行ない得る三つ以上の複数の例えば静電
容量或いはトンネル接合で構成されたチャネルと、その
チャネルを介して微小な領域23と対向し且つ容量性或
いは抵抗性の結合で変化電位を与えられる電極22或い
は25を備え、前記チャネルのうち一つは静電容量24
(若しくはトンネル接合)で構成されると共に残りのチ
ャネルはトンネル接合であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子一個の移動を制御
することが可能であることから、極めて小さな消費電力
で動作する単一電子トンネル素子及びそれを使用した回
路に関する。
【0002】コンピュータに代表される情報処理装置の
分野では、情報を蓄積するメモリ或いは論理演算を行う
論理回路などが重要な役割を果たし、そして、情報処理
装置の性能が高度になるにつれ、メモリや論理回路の集
積度が増大する。
【0003】従って、メモリや論理回路を微細化し且つ
低消費電力化することが常に要求されている。
【0004】
【従来の技術】現在、メモリや論理回路のサイズや消費
電力を極限まで小さくする手段の一つとして、電子一個
を情報処理の単位として用いる、所謂、単一電子トンネ
ル素子の研究・開発が行われている。
【0005】図18は標準的な単一電子トンネル素子を
解説するための要部回路説明図である。図に於いて、1
は微小な金属領域、2及び3はトンネル接合、4は制御
電極、5は制御用静電容量をそれぞれ示している。
【0006】図示された微小な金属領域1が外部との間
にもつ静電容量をCとし、 e2 /(2C)(e:電子の電荷) が熱エネルギkT(k:ボルツマン定数 T:絶対温
度)に比較して充分に大きく、また、二つのトンネル接
合2及び3の並列抵抗Rが RQ =h/(4e2 )〜6.5〔kΩ〕 RQ :量子抵抗 h:プランク定数 よりも大きければ、図示の構成は単一電子トンネル現象
を示すことが知られている。
【0007】そこで、制御電極4に電圧を印加すると、
二つのトンネル接合2及び3に流れる電流を変化させる
ことができ、従って、図示の構成を単一電子トンネル素
子の下位概念として単一電子トンネル・トランジスタと
呼んでいる。
【0008】単一電子トンネル・トランジスタは、通常
のトランジスタと同様、電流をオン・オフさせるスイッ
チング素子として使用することができる。
【0009】然しながら、オン状態に於ける抵抗値は5
0〔kΩ〕〜60〔kΩ〕以上になる為、電流駆動能力
が小さく、通常の使い方をしたのでは、それほどの利点
はない。
【0010】単一電子トンネル・トランジスタの利点を
活かす為には、通常のオン・オフの各状態で論理を表す
のではなく、電子一個の有無で論理を表す方が良いと考
えられている。
【0011】また、単一電子トンネル・トランジスタに
於ける電圧ゲインは、制御用静電容量5とトンネル接合
2及び3に於けるキャパシタンスとの比率で決まるの
で、大きな値にすることは困難であり、しかも、その電
圧ゲインの大きさは、単一電子トンネル・トランジスタ
の寸法ばらつきに依って変動する旨の問題もある。
【0012】電子一個の有無を論理の1或いは0に対応
させる回路に単一電子トンネル・トランジスタを利用し
ようとすると、様々な問題が起こる。
【0013】例えば、或る領域に電子一個が有るか無い
かで論理状態を表すようにし、その状態に応じて他の回
路の状態を変化させようとする場合、或る論理回路から
他の論理回路に伝えることができる信号電荷は電子一個
の電荷の数分の一以下(数:5〜6、以下同様)になっ
てしまう。
【0014】単一電子トンネル・トランジスタそのもの
は、電子一個の電荷にも感度をもつが、回路のばらつき
を考慮すると、そのような微小電荷で動作させること
は、動作マージンの面からすると望ましくない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記説明したところか
ら理解できようが、単一電子トンネル・トランジスタを
そのままで電子一個の有無で論理を表現する回路に用い
ることには問題がある。
【0016】このような問題を解決できるのは、電子電
荷の数分の一以下の信号電荷で動作し、この信号電荷を
再び電子一個分の電荷まで増幅する電荷増幅機能、メモ
リ機能、論理動作機能を合わせもつ素子であり、また、
ここで要求されているような微細な素子では、素子のば
らつきが相対的に大きくなることも考慮しなければなら
ないから、動作マージンも大きくなければならない。
【0017】本発明では、電子電荷の数分の一以下の信
号電荷で動作し、電荷の増幅機能、メモリ機能、論理機
能をもつと共に高動作マージンの単一電子トンネル素子
を実現する。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では、電子が大き
さeである分割できない単位電荷をもつ旨の事実を利用
することが基本になっている。
【0019】この事実を利用することは、本発明が初め
てではなく、例えば、超伝導素子に於いては、磁束が単
一量子磁束Φ0 の整数倍に量子化されていることを利用
してパラメトロン回路を実現する場合に利用されてい
る。
【0020】図1は本発明の原理を理解するのに必要な
磁束量子化現象を利用した磁束量子パラメトロン装置の
動作を解説する為の要部回路説明図、図2はパラメトロ
ン装置に鎖交する磁束とエネルギの関係を表す線図であ
る。
【0021】図1に於いて、J1 及びJ2 はトンネル接
合(ジョセフソン素子)を示している。図から明らかな
ように、磁束量子パラメトロン装置に於いては、トンネ
ル接合J1 或いはJ2 を含む二つの超伝導ループを隣接
させたものが基本構造をなしている。
【0022】今、このループ全体に単一量子磁束Φ0
相当する磁束を鎖交させた場合、二つのループそれぞれ
で磁束量子の整数倍に鎖交磁束が量子化される為、何れ
か一方のループに磁束量子が入り込むことになる。
【0023】ここで、二つのループが完全に対象なら
ば、どちらのループに磁束量子が入っている状態もエネ
ルギ的には同等になる。
【0024】一方のループに鎖交している磁束の大きさ
Φに対して磁束量子パラメトロン装置のエネルギを求め
ると図2に見られる特性線が得られる。
【0025】図2では、横軸に磁束Φの大きさ、縦軸に
エネルギをそれぞれ採ってあり、その(A)に見られる
ように、制御電流が0の場合、エネルギと磁束との関係
は単安定であり、磁束が鎖交しない状態が安定点とな
る。
【0026】制御電流を加えてゆくと、曲線は(B)に
見られる状態を経由し、単安定状態から(C)に見られ
る双安定状態へと変化する。単安定状態から双安定状態
に切り替わる点では、僅かの信号磁束で何れの安定状態
に移行するかが決まる。
【0027】前記したような磁束量子パラメトロン装置
は、通常のパラメトロン装置と同様の使い方をすること
が可能である。つまり、制御信号の立ち上がり時点で加
えられる小さい「種信号」の極性に依って、何れの安定
状態を生ずるかが決まるのである。
【0028】図3は単一電子トンネル素子を用いたパラ
メトロン装置の原理を解説する為の要部回路説明図であ
る。図に於いて、10は微小な金属領域、11は制御用
電極、12,13,14はトンネル接合、15,16,
17はトンネル接合を生成させる為に微小な金属領域1
0に対向する電極、15C,16C,17Cは電極15
乃至17が回路の接地レベルに対してもつ寄生容量、1
8は制御用電極11と微小な金属領域10との間に在る
静電容量をそれぞれ示している。
【0029】このパラメトロン装置に於いては、微小な
金属領域10から電荷を流し込んだり、或いは、引き出
すようにし、微小な金属領域10及びそれ以外の微小な
金属領域15乃至17は、全て同じ静電容量をもつトン
ネル接合12乃至14を介して接続されている。
【0030】電極15乃至17が有する寄生容量15C
乃至17Cが十分に小さい、所謂、クーロン・ブロッケ
ードの条件を満たしているとすると、トンネル接合12
乃至14は恰も電子を一個ずつトンネルさせるスイッチ
として動作する。
【0031】微小な金属領域10から流し込まれる電荷
が電子一個分の電荷に近い値を越えると、トンネル接合
12乃至14のうちの何れか一つのトンネル接合に於い
て電子の一個がトンネルする。
【0032】トンネル接合12乃至14それぞれの静電
容量は全て等しいので、どのトンネル接合で電子がトン
ネルしたとしてもパラメトロン装置に於けるエネルギは
等しい。
【0033】その等しいエネルギがどの状態に落ち着く
かは、トンネル接合を生成させる為に接続された電極1
5乃至17に於ける電位を何らかの手段、例えば容量性
結合で制御することに依って選択できる。
【0034】ここで、二つのトンネル接合を用いて構成
したパラメトロン装置について、装置のエネルギを求め
てみる。
【0035】図4は二つのトンネル接合を用いて構成し
たパラメトロン装置を等価的に表す要部回路説明図であ
る。
【0036】図に於いて、VE は電源の電圧(制御電
圧)、CE は制御電極の容量、Jはトンネル接合、CJ
はトンネル接合の容量、CC はトンネル接合Jに接続さ
れた電極が回路の接地レベルに対してもつ容量、Lはイ
ンダクタンス分、Rは抵抗分、QE は制御電極から注入
された電荷をそれぞれ示している。
【0037】この回路の動作は、制御電極の容量CE
十分に小さい旨の近似の下では、
【数1】 と記述することができる。これは、ポテンシャルU
(Q,QE )の中を位置座標Qの質点が移動する方程式
と同じである。尚、Qは電荷であるが、ここでは位置座
標として考えている。
【0038】図5はポテンシャルUと電荷Qとの関係を
表す線図である。図に於いて、(A)はQE =0の場
合、(B)はQE =eの場合、(C)はQE =(2CJ
+CC )e/2(CC +CJ )の場合をそれぞれ示して
いる。
【0039】QE =0の場合、ポテンシャルの最低点は
一つであるが、QE を増加させて、(2CJ +CC )e
/2(CC +CJ )にするとポテンシャルは三つの最低
点をもち、また、QE =eでは二つの最低点をもってい
る。
【0040】従って、QE =0からQE =eまで変化さ
せる過程で、小さな種信号を容量結合で容量CC に加え
ると、その種信号の符号に応じて何れの最低点に落ち着
くかが決定される。
【0041】これは、磁束量子パラメトロン装置の動作
と全く同じであり、トンネル接合が三つ以上ある場合も
同様であり、安定点が多数あるパラメトロン装置として
使用することができる。
【0042】前記したところから、本発明に依る単一電
子トンネル素子及びそれを使用した回路では、 (1)本質的に金属として振る舞う微小な領域(例えば
微小領域23)と、前記微小な領域に対応して形成され
且つ前記微小な領域と他の回路との間で単一電子がもつ
電荷或いはそれ以下の電荷の遣り取りを行ない得る三つ
以上の複数のチャネル(例えば静電容量或いはトンネル
接合で構成)と、前記チャネルを介して前記微小領域と
対向し且つ容量性或いは抵抗性の結合で変化電位を与え
られる電極(例えば電極22及び25)とを備え、前記
チャネルのうち一つは静電容量(例えば静電容量24)
若しくはトンネル接合で構成されると共に残りのチャネ
ルはトンネル接合(例えば微小領域23及びトンネル酸
化膜23A及び電極25で構成)で構成されてなること
を特徴とするか、或いは、
【0043】(2)前記(1)に於いて、静電容量で構
成された一つのチャネル及びトンネル接合で構成された
複数のチャネルと、前記静電容量で構成された一つのチ
ャネルを介して本質的に金属として振る舞う微小な領域
と対向し且つ直流的に浮遊状態にあって単一電子の電荷
或いはそれに近い電荷を注入或いは引き抜く制御用電極
と、前記トンネル接合で構成された複数のチャネルをそ
れぞれ別個に介して前記微小な領域と対向し且つ直流的
に浮遊状態にあると共に静電容量を介して信号入力線が
接続され前記制御用電極が前記微小な領域に電荷を注入
するか或いは引き抜く際に前記信号入力線からの入力信
号に応じ何れかが電子一個をトンネルさせる複数の電極
とを備えてなることを特徴とするか、或いは、
【0044】(3)前記(1)又は(2)に於いて、三
つ以上の複数のチャネルが全てトンネル接合で構成され
てなることを特徴とするか、或いは、
【0045】(4)前記(1)又は(2)又は(3)に
於いて、微小領域及びトンネル接合の電極を構成する材
料が金属薄膜であって且つ微小領域を構成する金属薄膜
のエッジ側面にトンネル接合が形成されてなることを特
徴とするか、或いは、
【0046】(5)前記(1)或いは(2)或いは
(3)に於いて、微小領域及び対向する電極を構成する
材料が金属薄膜であって且つそれ等の金属薄膜間に介在
する半導体がトンネル接合をなすことを特徴とするか、
或いは、
【0047】(6)本質的に金属として振る舞う微小領
域と、直列接続された複数のトンネル接合からなり且つ
静電容量或いはトンネル接合で構成されたチャネルを介
して前記微小領域に接続された信号入力線と、直列接続
された複数のトンネル接合からなり且つトンネル接合で
構成されたチャネルを介して前記微小領域に接続された
複数の信号出力線とを備えてなることを特徴とするか、
或いは、
【0048】(7)本質的に金属として振る舞う微小領
域と、並列接続された複数のトンネル接合からなり且つ
静電容量或いはトンネル接合で構成されたチャネルを介
して前記微小領域に接続された信号入力線と、並列接続
された複数のトンネル接合からなり且つトンネル接合で
構成されたチャネルを介して前記微小領域に接続された
複数の信号出力線とを備えてなることを特徴とするか、
或いは、
【0049】(8)本質的に金属として振る舞う微小な
領域と、前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微
小な領域と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いは
それ以下の電荷の遣り取りを行ない得る静電容量若しく
はトンネル接合で構成された一つのチャネルと、前記微
小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域と他の
回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下の電荷
の遣り取りを行ない得るトンネル接合で構成された複数
のチャネルと、前記チャネルを介して前記微小な領域と
対向し且つ容量性或いは抵抗性の結合で変化電位を与え
られる電極と、前記トンネル接合で構成された複数のチ
ャネルが電極を介してゲートに接続された電界効果トラ
ンジスタとを備えてなることを特徴とするか、或いは、
【0050】(9)前記(8)に於いて、前記トンネル
接合で構成された複数のチャネルが電極を介してゲート
に接続された単一電子トンネル・トランジスタを備えて
なることを特徴とするか、或いは、
【0051】(10)本質的に金属として振る舞う微小
な領域と、前記微小な領域に対応して形成され且つ前記
微小な領域と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或い
はそれ以下の電荷の遣り取りを行ない得る静電容量で構
成された一つのチャネルと、前記微小な領域に対応して
形成され且つ前記微小な領域と他の回路との間で単一電
子がもつ電荷或いはそれ以下の電荷の遣り取りを行ない
得るトンネル接合で構成された複数のチャネルと、前記
静電容量で構成された一つのチャネルに交流励振信号を
印加する手段と、前記トンネル接合で構成された複数の
チャネルに接続され前記交流励振信号の1/2の周波数
に共振し、且つ、共振信号を他の同じ構成の回路に接続
する手段とを備えてなることを特徴とするか、或いは、
【0052】(11)本質的に金属として振る舞う微小
な領域と、前記微小な領域に対応して形成され且つ前記
微小な領域にクロック信号を与え得る静電容量で構成さ
れた一つのチャネルと、前記微小な領域に対応して形成
され且つ前記微小な領域と他の回路との間で単一電子が
もつ電荷或いはそれ以下の電荷の遣り取りを行ない得る
トンネル接合で構成された二つのチャネルと、前記二つ
のチャネルを構成する二つのトンネル接合に接続されて
静電容量を介して差動で入力信号を加える信号入力線
と、前記二つのチャネルを構成する二つのトンネル接合
に接続されて前記クロック信号が前記微小な領域に入力
された時点で比較された前記入力信号を静電容量を介し
て取り出す信号出力線とを備えてコンパレータ動作を行
なうことを特徴とする。
【0053】
【作用】前記手段を採ることに依ってパラメトロン動作
を行なうことが可能であり、電子一個に於ける電荷の数
分の一の電荷信号を電子一個分の電荷にまで増幅するこ
とができ、そして、一種の差動回路になっている為、出
力側のトンネル接合に接続された電極に起因する容量の
値が揃っている限り、前記容量の絶対値が設計値から変
化しても正常に動作する旨の利点がある。
【0054】この単一電子トンネル素子を用いたパラメ
トロン装置は、メモリや論理回路に用いることができる
のは勿論のこと、電荷や電圧に対して高い感度をもつコ
ンパレータとして使用することも可能であり、また、単
一電子のトンネルが次々に伝播してゆく単一電子トンネ
ル線路と接続し、電子が伝播してゆく方向を切り換える
素子としても使用することができる。
【0055】
【実施例】図6は本発明に於ける第一実施例を解説する
為の単一電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置を
表す要部回路説明図である。
【0056】図に於いて、21は電源、22は制御用の
電極、23は微小な金属領域、24は静電容量、25は
トンネル接合を構成する為の電極、26は配線、27は
静電容量、VE は電源21からの制御用電圧をそれぞれ
示している。
【0057】図7は図6について説明したパラメトロン
装置を具体化した装置を表す説明図であり、図6に於い
て用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味
を持つものとする。図に於いて、(A)は装置の要部平
面、(B)は装置の要部切断側面、23Aはトンネル酸
化膜をそれぞれ示している。
【0058】図6及び図7に於いて、微小な金属領域2
3は厚さ100〔nm〕のAl膜で形成された直径約
0.1〔μm〕のパターンをなしている。金属領域23
に隣接して制御用の電極22が形成され、その間は静電
容量24で結ばれている。
【0059】微小な金属領域23にはトンネル酸化膜2
3Aを介してトンネル接合を構成する為のAlからなる
電極25が対向し、その電極25は静電容量27を介し
て次段或いは外部回路への配線26と結ばれている。
【0060】本実施例に於いて、制御用の電極22に電
源21から制御用電圧VE を加え、且つ、次第に上昇さ
せてゆくと静電容量27を介して接続されている次段へ
の配線26に加えられた電圧に応じ、どのトンネル接合
で単一電子がトンネルするかが選択され、多安定のパラ
メトロン動作をさせることが可能である。
【0061】図8は本発明に於ける第二実施例を解説す
る為の単一電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置
を表す要部説明図であり、図6及び図7に於いて用いた
記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つも
のとする。
【0062】図に於いて、(A)は要部回路、(B)は
具体化した装置の要部平面である。本実施例が第一実施
例と相違しているのは、微小な金属領域23に二個のト
ンネル接合が構成されている点である。
【0063】この場合、パラメトロン装置としては、二
安定動作となり、通常のフラックス・パラメトロン装置
と同様である。通常、二安定動作が可能であれば、全て
の論理演算を実現できることは明らかである。また、本
実施例の場合、出力(又は入力)は差動出力(又は差動
入力)となるので、ノイズに対する耐性が高くなる旨の
利点がある。
【0064】図9は本発明に於ける第三実施例を解説す
る為の単一電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置
を表す要部回路説明図であり、図6乃至図8に於いて用
いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持
つものとする。本実施例に於いては、制御用の電極22
もトンネル酸化膜を介して微小な金属領域23と対向す
ることでトンネル接合を構成するようにしている。
【0065】本実施例の利点は、制御用の電極22、ト
ンネル接合を構成する為の電極25など、全ての電極が
トンネル接合を生成している為、外付けの回路を選択す
ることで、どの配線を制御用の電極とするかを任意に設
定することが可能であり、回路動作の自由度が大きい点
にある。
【0066】図10は単一電子をトンネルさせるトンネ
ル接合の二つを含んだパラメトロン装置を用いた第四実
施例であるパラメトロン回路の具体的な要部回路説明図
であり、図6乃至図9に於いて用いた記号と同記号は同
部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。図に於
いて、28は第一の信号線、29は第二の信号線、CL
K1及びCLK2はクロック信号をそれぞれ示してい
る。
【0067】通常、パラメトロン回路では、入力線と出
力線との間に本質的な区別はなく、例えば、互いに接続
された一組のパラメトロンに於いて信号が伝えられる方
向はクロック信号に依って定まる。
【0068】第四実施例では、この場合、クロック信号
CLK1で駆動される素子がクロック信号CLK2で駆
動される素子の入力側になっている。パラメトロンがス
イッチングするのは、クロック信号が立ち上がる時のみ
であり、立ち上がった後は状態を保持するだけであるこ
とを利用する。
【0069】一般に、パラメトロン回路は、三相のクロ
ック信号で順次前段から後段へと論理動作が行われる。
ここで、クロック信号CLK1の位相を0°とすると、
クロック信号CLK2は120°となり、図示の第四実
施例に於ける前段素子が例えばCLK3なるクロック信
号で駆動されるものとすると、クロック信号CLK3の
位相は240°であり、そして、次段素子も同じく位相
240°のクロック信号CLK3で駆動される。
【0070】図11は本発明に於ける第五実施例である
ツリー型デコーダを説明する為の要部回路説明図であ
る。
【0071】図に於いて、(A)はツリー型デコーダの
構成要素になり得る単一電子トンネル線路、(B)は記
号化して表した単一電子トンネル線路、(C)はツリー
型デコーダ、LINは単一電子トンネル線路からなる入力
線路、LOTは単一電子トンネル線路からなる出力線路、
CTは制御入力端子をそれぞれ示している。
【0072】本実施例では、微小な金属領域23に多数
の微小トンネル接合が直列に接続された単一電子トンネ
ル線路からなる一本の入力線路LINと単一電子トンネル
線路からなる二本の出力線路LOTが接続され、二本の出
力線路LOTの何れに電子を伝播させるかを制御入力端子
CTに加える制御信号で決定するようにしている。
【0073】このように、多数のトンネル接合が直列に
接続された単一電子トンネル線路を入出力線にすると、
隣接するトンネル接合で同時にトンネル現象が生ずるコ
・トンネリング(co−tunneling)に依る回
路誤動作を防ぐことができる旨の利点がある。
【0074】(A)及び(B)に見られる単一電子トン
ネル線路を多段に接続すると(C)に見られるように多
数の線路からの信号を一つだけ選択するツリー型デコー
ダを構成することができる。
【0075】図12は本発明に於ける第六実施例を解説
する為の要部回路説明図である。図に於いて、31は制
御用の電極、32はトンネル接合、33は入力線、34
は電界効果トランジスタ、35は出力線をそれぞれ示し
ている。
【0076】本実施例では、単一電子トンネル素子を用
いたパラメトロン装置に於ける出力側の静電容量の役割
を電界効果トランジスタ34が果たしている。
【0077】このようにすると、出力側の電位及び電荷
の変化を電界効果トランジスタ34で電流の変化に変換
することができ、そして、電界効果トランジスタ34を
用いていることから回路に電流駆動能力があり、また、
入出力間が分離されることも利点の一つである。
【0078】図13は本発明に於ける第七実施例を解説
する為の要部回路説明図であり、図12に於いて用いた
記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つも
のとする。
【0079】図に於いて、36は二つのトンネル接合か
らなる単一電子トンネル・トランジスタを示している。
【0080】本実施例が第六実施例と相違するところ
は、電界効果トランジスタ34を単一電子トンネル・ト
ランジスタ36で代替した点にあり、この単一電子トン
ネル・トランジスタ36は電荷感度が高くて出力電流の
オン・オフ比を大きく取れること、また、単一電子トン
ネル・トランジスタ36と微小な金属領域に対応する単
一電子トンネル素子とが同一の製造プロセスで得られる
ことである。
【0081】図14は本発明に於ける第八実施例を解説
する為の要部回路説明図であり、図12に於いて用いた
記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つも
のとする。図に於いて、37は出力側に設けられた周波
数fの信号に対する共振回路を示している。
【0082】本実施例では、制御用の電極31に周波数
2fの励振信号を加えるようになっていて、高周波パラ
メトロン回路として動作し、磁性体を用いたパラメトロ
ン回路と同様に使用することができる。
【0083】本実施例の利点としては、直流成分を用い
ていないから、単一電子トンネル素子中の固定電荷に起
因する悪影響を受け難く、また、信号の結合も容量結合
或いはトランス結合などを使い分けることが可能であ
る。
【0084】図15は本発明に於ける第九実施例である
コンパレータを解説する為の要部回路説明図である。図
に於いて、41はトンネル接合、42は制御用の電極、
43は入力線、44は出力線、CLKはクロック信号を
それぞれ示している。
【0085】このコンパレータでは、クロック信号CL
Kが立ち上がる時点での入力信号の正負に対応して回路
状態が定まり、高い感度をもつと共にクロック信号CL
Kが立ち上がるときだけゲインをもつ為、発振など出力
の不安定性がない旨の利点があり、高感度のADコンバ
ータを構成することができる。
【0086】図16は本発明に用いるトンネル接合を作
成する一例を解説する為の要部切断側面説明図である。
【0087】図に於いて、51は基板、52はAl薄膜
からなる微小な金属領域、53はSiO2 からなる絶縁
膜、54はトンネル接合を生成する為のAlOx からな
る絶縁薄膜、55はAlからなる電極をそれぞれ示して
いる。
【0088】図から判るように、トンネル接合は、微小
な金属領域52のエッジに形成されたエッジ接合の構造
になっていて、金属領域52の厚さは100〔nm〕、
絶縁薄膜54の厚さは50〔Å〕〜100〔Å〕以下で
ある。
【0089】前記のようなエッジ接合とした場合、トン
ネル接合の寸法、即ち、縦方向及び横方向の長さの一方
が微小な金属領域52の厚さで決定される為、寸法精度
が格段に向上する旨の利点がある。
【0090】図17は本発明に用いるトンネル接合を作
成する他の例を解説する為の要部切断側面説明図であ
る。図に於いて、61はInP基板、62はノンドープ
のInGaAsからなるトンネル・バリヤ層、63はA
l薄膜からなる微小な金属領域、64はAl薄膜からな
る電極をそれぞれ示している。
【0091】本例に於いては、ノンドープInGaAs
からなるトンネル・バリヤ層62上に間隔を例えば0.
1〔μm〕として形成した微小な金属領域63と電極6
4との間に於ける表面がプレーナのトンネル接合の役割
を果たしている。
【0092】このようなプレーナのトンネル接合を得る
には、トンネル・バリヤ層として、電子の有効質量が小
さく、バリヤ高さが低い半導体を用いることで実現する
ことができ、そして、この場合、トンネル接合に於ける
抵抗値の再現性が良好であること、また、製造プロセス
が簡単であることなどの利点がある。
【0093】
【発明の効果】本発明に依る単一電子トンネル素子及び
それを使用した回路に於いては、金属として振る舞う微
小な領域と、微小な領域に対応して形成され且つ微小な
領域と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ
以下の電荷の遣り取りを行ない得る三つ以上の複数のチ
ャネルと、チャネルを介して微小な領域と対向し且つ容
量性或いは抵抗性の結合で変化電位を与えられる電極と
を備え、チャネルのうち一つは静電容量若しくはトンネ
ル接合で構成されると共に残りのチャネルはトンネル接
合で構成される。
【0094】前記構成を採ることに依り、本発明の素子
は、パラメトロン動作を行なうことが可能であり、電子
一個に於ける電荷の数分の一の電荷信号を電子一個分の
電荷にまで増幅することができ、そして、一種の差動回
路になっている為、出力側のトンネル接合に接続された
電極に起因する容量の値が揃っている限り、前記容量の
絶対値が設計値から変化しても正常に動作する旨の利点
があり、前記電荷の増幅機能の他にメモリ機能、論理機
能をもち、しかも、高い動作マージンをもっているの
で、コンピュータに代表される情報処理装置の分野に於
ける種々な部分に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を理解するのに必要な磁束量子化
現象を利用した磁束量子パラメトロン装置の動作を解説
する為の要部回路説明図である。
【図2】パラメトロン装置に鎖交する磁束とエネルギの
関係を表す線図である。
【図3】単一電子トンネル素子を用いたパラメトロン装
置の原理を解説する為の要部回路説明図である。
【図4】二つのトンネル接合を用いて構成したパラメト
ロン装置を等価的に表す要部回路説明図である。
【図5】ポテンシャルUと電荷Qとの関係を表す線図で
ある。
【図6】本発明に於ける第一実施例を解説する為の単一
電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置を表す要部
回路説明図である。
【図7】図6について説明したパラメトロン装置を具体
化した装置を表す説明図である。
【図8】本発明に於ける第二実施例を解説する為の単一
電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置を表す要部
説明図である。
【図9】本発明に於ける第三実施例を解説する為の単一
電子トンネル素子を用いたパラメトロン装置を表す要部
回路説明図である。
【図10】単一電子をトンネルさせるトンネル接合を二
つを含んだパラメトロン装置を用いた第四実施例である
パラメトロン回路の具体的な要部回路説明図である。
【図11】本発明に於ける第五実施例であるツリー型デ
コーダを説明する為の要部回路説明図である。
【図12】本発明に於ける第六実施例を解説する為の要
部回路説明図である。
【図13】本発明に於ける第七実施例を解説する為の要
部回路説明図である。
【図14】本発明に於ける第八実施例を解説する為の要
部回路説明図である。
【図15】本発明に於ける第九実施例であるコンパレー
タを解説する為の要部回路説明図である。
【図16】本発明に用いるトンネル接合を作成する一例
を解説する為の要部切断側面説明図である。
【図17】本発明に用いるトンネル接合を作成する他の
例を解説する為の要部切断側面説明図である。
【図18】標準的な単一電子トンネル素子を解説するた
めの要部回路説明図である。
【符号の説明】
1 トンネル接合(ジョセフソン素子) J2 トンネル接合(ジョセフソン素子) 1 微小の金属領域 2 トンネル接合 3 トンネル接合 4 制御電極 5 制御用静電容量 10 微小な金属領域 11 制御用電極 12 トンネル接合 13 トンネル接合 14 トンネル接合 15 トンネル接合を生成させる為に微小な金属領域1
0に対向する電極 16 トンネル接合を生成させる為に微小な金属領域1
0に対向する電極 17 トンネル接合を生成させる為に微小な金属領域1
0に対向する電極 15C 電極15乃至17が回路の接地レベルに対して
もつ寄生容量 16C 電極15乃至17が回路の接地レベルに対して
もつ寄生容量 17C 電極15乃至17が回路の接地レベルに対して
もつ寄生容量 18 制御電極11と微小な金属領域10との間に在る
静電容量 21 電源 22 制御用の電極 23 微小な金属領域 24 静電容量 25 トンネル接合を構成する為の電極 26 配線 27 静電容量 VE 電源21からの制御電圧

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に金属として振る舞う微小な領域
    と、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得る三つ以上の複数のチャネ
    ルと、 前記チャネルを介して前記微小な領域と対向し且つ容量
    性或いは抵抗性の結合で変化電位を与えられる電極とを
    備え、前記チャネルのうち一つは静電容量若しくはトン
    ネル接合で構成されると共に残りのチャネルはトンネル
    接合で構成されてなることを特徴とする単一電子トンネ
    ル素子。
  2. 【請求項2】静電容量で構成された一つのチャネル及び
    トンネル接合で構成された複数のチャネルと、 前記静電容量で構成された一つのチャネルを介して本質
    的に金属として振る舞う微小な領域と対向し且つ直流的
    に浮遊状態にあって単一電子の電荷或いはそれに近い電
    荷を注入或いは引き抜く制御用電極と、 前記トンネル接合で構成された複数のチャネルをそれぞ
    れ別個に介して前記微小な領域と対向し且つ直流的に浮
    遊状態にあると共に静電容量を介して信号入力線が接続
    され前記制御用電極が前記微小な領域に電荷を注入する
    か或いは引き抜く際に前記信号入力線からの入力信号に
    応じ何れかが電子一個をトンネルさせる複数の電極とを
    備えてなることを特徴とする請求項1記載の単一電子ト
    ンネル素子。
  3. 【請求項3】三つ以上の複数のチャネルが全てトンネル
    接合で構成されてなることを特徴とする請求項1或いは
    請求項2記載の単一電子トンネル素子。
  4. 【請求項4】微小領域及びトンネル接合の電極を構成す
    る材料が金属薄膜であって且つ微小領域を構成する金属
    薄膜のエッジ側面にトンネル接合が形成されてなること
    を特徴とする請求項1或いは請求項2或いは請求項3記
    載の単一電子トンネル素子。
  5. 【請求項5】微小領域及び対向する電極を構成する材料
    が金属薄膜であって且つそれ等の金属薄膜間に介在する
    半導体がトンネル接合をなすことを特徴とする請求項1
    或いは請求項2或いは請求項3記載の単一電子トンネル
    素子。
  6. 【請求項6】本質的に金属として振る舞う微小領域と、 直列接続された複数のトンネル接合からなり且つ静電容
    量或いはトンネル接合で構成されたチャネルを介して前
    記微小領域に接続された信号入力線と、 直列接続された複数のトンネル接合からなり且つトンネ
    ル接合で構成されたチャネルを介して前記微小領域に接
    続された複数の信号出力線とを備えてなることを特徴と
    する単一電子トンネル素子を使用した回路。
  7. 【請求項7】本質的に金属として振る舞う微小領域と、 並列接続された複数のトンネル接合からなり且つ静電容
    量或いはトンネル接合で構成されたチャネルを介して前
    記微小領域に接続された信号入力線と、 並列接続された複数のトンネル接合からなり且つトンネ
    ル接合で構成されたチャネルを介して前記微小領域に接
    続された複数の信号出力線とを備えてなることを特徴と
    する単一電子トンネル素子を使用した回路。
  8. 【請求項8】本質的に金属として振る舞う微小な領域
    と、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得る静電容量若しくはトンネ
    ル接合で構成された一つのチャネルと、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得るトンネル接合で構成され
    た複数のチャネルと、 前記チャネルを介して前記微小な領域と対向し且つ容量
    性或いは抵抗性の結合で変化電位を与えられる電極と、 前記トンネル接合で構成された複数のチャネルが電極を
    介してゲートに接続された電界効果トランジスタとを備
    えてなることを特徴とする単一電子トンネル素子を使用
    した回路。
  9. 【請求項9】前記トンネル接合で構成された複数のチャ
    ネルが電極を介してゲートに接続された単一電子トンネ
    ル・トランジスタを備えてなることを特徴とする請求項
    6記載の単一電子トンネル素子を使用した回路。
  10. 【請求項10】本質的に金属として振る舞う微小な領域
    と、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得る静電容量で構成された一
    つのチャネルと、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得るトンネル接合で構成され
    た複数のチャネルと、 前記静電容量で構成された一つのチャネルに交流励振信
    号を印加する手段と、 前記トンネル接合で構成された複数のチャネルに接続さ
    れ前記交流励振信号の1/2の周波数に共振し、且つ、
    共振信号を他の同じ構成の回路に接続する手段とを備え
    てなることを特徴とする単一電子トンネル素子を使用し
    た回路。
  11. 【請求項11】本質的に金属として振る舞う微小な領域
    と、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    にクロック信号を与え得る静電容量で構成された一つの
    チャネルと、 前記微小な領域に対応して形成され且つ前記微小な領域
    と他の回路との間で単一電子がもつ電荷或いはそれ以下
    の電荷の遣り取りを行ない得るトンネル接合で構成され
    た二つのチャネルと、 前記二つのチャネルを構成する二つのトンネル接合に接
    続されて静電容量を介して差動で入力信号を加える信号
    入力線と、 前記二つのチャネルを構成する二つのトンネル接合に接
    続されて前記クロック信号が前記微小な領域に入力され
    た時点で比較された前記入力信号を静電容量を介して取
    り出す信号出力線とを備えてコンパレータ動作を行なう
    ことを特徴とする単一電子トンネル素子を使用した回
    路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020161530A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 国立研究開発法人産業技術総合研究所 回路アレイ
CN112368838A (zh) * 2018-08-03 2021-02-12 国际商业机器公司 具有减少的远场辐射的对称量子位

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