JPH0716130Y2

JPH0716130Y2 - 流体封入式筒型防振組立体

Info

Publication number: JPH0716130Y2
Application number: JP1989072643U
Authority: JP
Inventors: 良二神田
Original assignee: Sumitomo Riko Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date: 1989-06-21
Filing date: 1989-06-21
Publication date: 1995-04-12
Anticipated expiration: 2004-06-21
Also published as: JPH0312641U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案は、内部に封入された流体の流動に基づいて、軸
方向の入力振動に対する防振効果が発揮され得る流体封
入式筒型防振組立体に係り、特に、構造が簡単で組付性
の優れた流体封入式筒型防振組立体に関するものであ
る。

（背景技術）従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それら両部材を防振連結する防振組立体の一種として、
互いに径方向に所定距離を隔てて配された内筒金具と外
筒金具とが、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連
結されてなる構造を有し、主としてかかる内外筒金具間
に入力される軸方向振動を防振するものが知られてお
り、例えば、自動車のサスペンション用アッパサポート
やストラットバー・クッション、ボデーマウント等とし
て、好適に用いられてきている。

また、このような筒型防振組立体には、近年の車両の高
級化に伴って、より高度な防振性能が要求されるように
なってきており、その一つの対応策として、流体の封入
化が検討されてきている。そこで、本願出願人も、先
に、特公昭63−61536号公報や特開昭61−205503号公
報、実開昭63−118441号公報等において、流体封入式の
筒型防振組立体の具体的構造を、幾つか明らかにした。
即ち、そのような流体封入式筒型防振組立体にあって
は、内外筒金具間において、オリフィス通路を通じて相
互に連通されてなる、軸方向に独立して形成された複数
の流体室を備えており、該オリフィス通路内を流動せし
められる流体の共振作用に基づいて、軸方向の入力振動
に対する所定の防振効果が発揮され得るようになってい
るのである。

ところが、そのような流体封入式筒型防振組立体におい
ては、内外筒金具間に複数個の独立した流体室を形成す
るために、それら内外筒金具を連結するゴム弾性体を、
２つ或いは３つ以上の別体加硫成形品にて構成する必要
があることに加えて、それらの流体室を互いに連通する
オリフィス通路を形成するために、内部に流体流路を有
するオリフィス金具を流体室間に配する必要があったの
であり、そのために構成部品点数が多く、構造が複雑と
なってしまい、製作性およびコスト的に少なからぬ問題
を内在していたのである。

（解決課題）ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その解決課題とするところは、
軸方向の入力振動に対して、内部に封入された流体の流
動による防振効果が有効に発揮され得る流体封入式筒型
防振組立体であって、構造の簡略化と製作性の向上が、
何れも有効に図られ得る、改良された構造の流体封入式
筒型防振組立体を提供することにある。

（解決手段）そして、かかる課題を解決するために、本考案にあって
は、（ａ）防振連結されるべき一方の部材に取り付けら
れる内筒金具と、（ｂ）該内筒金具の径方向外側にそれ
ぞれ所定距離を隔てて配された、軸方向に相互に所定寸
法離隔して位置せしめられてなる第一の金属スリーブお
よび第二の金属スリーブと、（ｃ）前記内筒金具と前記
第一の金属スリーブおよび第二の金属スリーブとの間に
介装せしめられて、それらを弾性的に連結する一体的な
筒状のゴム弾性体と、（ｄ）該ゴム弾性体の軸方向中央
部分に位置して、周方向に連続して形成せしめられた、
前記第一の金属スリーブと前記第二の金属スリーブとの
対向する軸方向端部間において外周面上に開口する環状
のポケット部と、（ｅ）外周壁部と該外周壁部より内方
に一体的に突出する板状部とを備えて略Ｔ字状の断面形
状を呈する、周方向に分割された複数ピースから構成さ
れて、全体として環状形状を呈し、前記ポケット部内に
径方向外方から嵌め込まれ、その外周壁部を前記第一の
金属スリーブと前記第二の金属スリーブとの対向する軸
方向端部間で挟持されて、該ポケット部内に配設せしめ
られることにより、前記Ｔ字形状を与える板状部にて、
かかるポケット部内を軸方向で二つの部分に仕切ると共
に、該板状部の内周面と該ポケット部の底面との間に、
それら二つの部分を相互に連通する所定間隙の狭窄部を
形成する仕切部材と、（ｆ）前記第一の金属スリーブお
よび前記第二の金属スリーブの外周面に外嵌固定せしめ
られて、前記ポケット部の開口を閉塞することにより、
所定の非圧縮性流体が封入された流体室を該ポケット部
内に形成すると共に、前記仕切部材を保持する、防振連
結されるべき他方の部材に取り付けられる外筒金具と
を、含んで構成され、前記内筒金具と前記外筒金具との
間への軸方向の振動入力時に、前記流体室内において、
前記狭窄部を通じての流体の流動が生ぜしめられるよう
にした流体封入式筒型防振組立体を、その特徴とするも
のである。

（実施例）以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。

先ず、第１図及び第２図には、本考案を、自動車のサス
ペンション用アッパサポートに適用したものの一具体例
が示されている。かかる図において、10は内筒金具であ
って、その径方向外側には、所定距離を隔てて、略同心
的に外筒金具12が配置されている。更に、これら内筒金
具10と外筒金具12とは、それらの間に介装されたゴム弾
性体14によって、一体的に連結せしめられている。そし
て、このようなアッパサポート16にあっては、その内筒
金具10に対して緩衝器が取り付けられる一方、その外筒
金具12において、車体側に取り付けられて、それら緩衝
器と車体との間に介装せしめられることにより、該緩衝
器を車体に対して防振支持せしめるようになっているの
である。

より詳細には、前記内筒金具10は、第３図に示されてい
るように、軸方向中央部にテーパが付されて、その内外
径が変化せしめられた円筒形状をもって形成されてお
り、且つその小径側端部開口部位において、内フランジ
部18を一体的に有している。そして、かかる内筒金具10
には、その内孔20内に、図示しない緩衝器のピストンロ
ッドが挿通され、内フランジ部18に対して固定されるこ
とにより、取り付けられるようになっている。

また、かかる内筒金具10における大径側端部および軸方
向中央部の径方向外方には、それぞれ第一の金属スリー
ブ22および第二の金属スリーブ24が、互いに軸方向に所
定距離を隔てて、共に内筒金具10に対して同心的に配置
せしめられている。なお、かかる第二の金属スリーブ24
にあっては、内筒金具10の小径側に向かって拡径するテ
ーパ円筒形状をもって形成されていると共に、その大径
側端部において、径方向外方に所定寸法で広がる外フラ
ンジ部26が一体的に形成されている。

そして、これら内筒金具10と第一及び第二の金属スリー
ブ22、24との間に、全体として略円筒形状を呈する前記
ゴム弾性体14が介装されているのであり、内筒金具10
が、該ゴム弾性体14の内周面上に、第一及び第二の金属
スリーブ22、24が、該ゴム弾性体14の外周面上に、それ
ぞれ固着されてなる一体加硫成形品として形成されてい
る。なお、かかる第二の金属スリーブ24における外フラ
ンジ部26の軸方向外側面上には、軸方向外方に所定高さ
で突出するストッパゴム34が、周方向に連続して一体的
に設けられている。

また、かかる一体加硫成形品を構成するゴム弾性体14に
は、その軸方向中央部に位置して、凹状断面をもって周
方向に連続して延び、第一及び第二の金属スリーブ22、
24の軸方向対向面28、30間を通じて外周面上に開口せし
められた環状のポケット部32が形成されている。

また一方、前記外筒金具12は、第４図に示されているよ
うに、軸方向一方の側に向かって拡径するテーパ円筒形
状の筒状部35に対して、その小径側端部に、径方向内方
に屈曲された当接部40が、またその大径側端部には、径
方向外方に所定長さで延びる取付フランジ部36が、それ
ぞれ一体的に設けられてなる構造とされている。また、
かかる外筒金具12の内周面上には、その略全面に亘っ
て、薄肉のシールゴム層42が、一体的に設けられて加硫
接着されている。

さらに、かかる外筒金具12の取付フランジ部36には、軸
方向外側面上に環状のかしめ金具44が溶着固定されてい
ると共に、該かしめ金具44の径方向外方に位置して、複
数本の取付ボルト38が、周方向に所定間隔を隔てて植設
されている。そして、それらの取付ボルト38によって、
かかる外筒金具12が、図示しない車体側に固定的に取り
付けられるようになっているのである。

そして、このような構造とされた外筒金具12は、前記ゴ
ム弾性体14を含んで構成された一体加硫成形品に対して
外挿せしめられることによって、第１図及び第２図に示
されている如く、その筒状部35が、第一及び第二の金属
スリーブ22、24の外周面に重ね合わせられると共に、そ
の取付フランジ部36が、第二の金属スリーブ24の外フラ
ンジ部26に重ね合わせられることとなり、更に、その筒
状部35に対して八方絞り等の縮径加工が施されて、該筒
状部35が第一及び第二の金属スリーブ22、24に嵌着され
ると共に、かしめ金具44が第二の金属スリーブ24の外フ
ランジ部26に対してかしめ固定されることによって、か
かる外筒金具12が一体加硫成形品に対して、一体的に組
み付けられているのである。なお、かかる外筒金具12の
組付けに先立って、一体加硫成形品には、必要に応じ
て、第一及び第二の金属スリーブ22、24に縮径加工が施
されることによって、ゴム弾性体14に対する予備圧縮が
加えられることとなる。

また、このような外筒金具12の組付けによって、一体加
硫成形品に設けられたポケット部32の開口が閉塞される
こととなり、それによって該ポケット部32内に、所定の
非圧縮性流体が封入せしめられてなる、密閉された流体
室が形成されているのである。なお、かかる封入流体と
しては、水やアルキレングリコール、ポリアルキレング
リコール、シリコーン油等が好適に用いられることとな
り、また流体室内への封入は、例えば、前記外筒金具12
の組付けを、かかる流体中にて行なうことによって、或
いは外筒金具12の組付後に、該外筒金具12に穿孔した注
入孔を通じて注入せしめた後、かかる注入孔をリベット
にて封止すること等によって、有利に為され得ることと
なる。

更にまた、上述の如き外筒金具12の組付けに際し、前記
一体加硫成形品のポケット部32内には、仕切金具48が組
み付けられることとなり、それによって該仕切金具48
が、上記流体室内に収容配置せしめられている。

ここにおいて、かかる仕切金具48は、第５図に示されて
いるように、それぞれ略半割環状形態を有し、互いに組
み合わされることによって全体として一つの円環形状を
呈し得る二つの分割体50、50によって構成されている。
また、それら各分割体50、50は、それぞれ、円弧状の外
周壁部と、該外周壁部の軸方向中央部から内方に突出す
る板状部とを備えて略Ｔ字状の断面形状を呈しており、
互いに組み合わされることによって、テーパ筒状の外周
壁部52と、該外周壁部52の軸方向中央部から径方向内方
に所定長さで突出する環状の仕切壁部54とを備えた仕切
金具48を構成し得るようになっている（第１図及び第２
図参照）。

そして、かかる仕切金具48は、それを構成する分割体5
0、50が、前記一体加硫成形品のポケット部32内に対し
て、対向する軸直角方向両側から組み付けられることに
より、その外周壁部52を第一及び第二の金属スリーブ2
2、24の軸方向対向面28、30間で挟持された状態で、か
かるポケット部32内に配置せしめられることとなり、更
に、かかる一体加硫成形品に対する外筒金具12の外嵌固
定にて、その背面が該外筒金具12にて保持されることに
よって、第１図及び第２図に示されているように、前記
流体室内において、その仕切壁部54が径方向内方に突出
する状態で、収容配置せしめられている。

すなわち、このような仕切金具48によって、流体室内
が、該仕切金具48の仕切壁部54を挟んだ軸方向両側に仕
切られて、一対の分割流体室56、56が画成されると共
に、かかる仕切壁部54の径方向内周面とポケット部32の
底面との間に、それら分割流体室56、56を互いに連通す
る環状の狭窄部58が形成されているのである。

従って、上述の如き構造とされたアッパサポート16にあ
っては、緩衝器からの振動入力によって、内外筒金具1
0、12間に軸方向の周期的な相対的変位が生ぜしめられ
た際、ゴム弾性体14の弾性変形に基づいて、仕切金具48
が外筒金具12と一体的に、内筒金具10に対して軸方向に
変位せしめられることにより、分割流体室56、56間に相
対的な容積変化が生ぜしめられることとなる結果、それ
ら両分割流体室56、56間において、狭窄部58を通じての
流体の流動が生ぜしめられることとなる。

そして、それ故、かかる狭窄部58を通じて流動せしめら
れる流体の共振現象を利用することによって、アッパサ
ポート16における動ばね定数を低下せしめることが可能
となるのである。更に、この流体の共振作用に基づく低
動ばね効果が発揮される周波数域は、かかる狭窄部58の
大きさ:Aや長さ:lを調節することによってチューニング
可能であって、且つその効果は、数十〜数百Hzまでの中
乃至高周波数域まで有効に発揮され得るものであること
が、本考案者によって確認されているところであり、従
って、このようなアッパサポートを利用することによっ
て、車両走行時におけるロードノイズ等の騒音や振動が
極めて有効に低減せしめられ得、それによって良好な車
両乗り心地が実現され得ることとなるのである。

また、このような低動ばね効果は、振動入力時における
流体の流動に基づいて発揮されるものであり、高周波数
域の入力振動に対する動的ばね特性の改善としてのみ寄
与し得るものであるところから、ゴム弾性体14に対し
て、充分な静的ばね剛性を設定することが可能であり、
それ故、良好なる車両操縦安定性が有利に確保され得る
のである。

更にまた、上述の如きアッパサポート16においては、仕
切金具48の内周面が、内筒金具10側に対して径方向に所
定距離を隔てて対向位置せしめられていることから、該
仕切金具48の内筒金具10側に対する当接によって、大き
な径方向荷重が入力された際における、内外筒金具10、
12の相対的変位量が規制され得るといった利点をも有し
ているのである。

そして、特に、かかるアッパサポート16にあっては、内
外筒金具10、12を連結するゴム弾性体14が、単一の一体
加硫成形品として形成され得ることから、従来の如く２
つ以上の別体加硫成形品が必要とされる場合に比して、
その製作性乃至は組付作業性が、有効に向上され得るの
である。

更にまた、かかるアッパサポート16においては、流体の
共振現象が惹起される流体流路が、略Ｔ字状断面の環状
の仕切金具48にて流体室内を狭窄することによって形成
され得ることから、従来の如き内部にオリフィス通路を
備えた複雑な構造のオリフィス部材が必要とされるよう
なことがなく、加えてかかる仕切金具48の組付けは、ポ
ケット部32内に嵌め込むだけで良く、外筒金具12の外挿
と同時に、該外筒金具12に対して固定的に保持され得る
ところから、構造の簡略化と製作性の向上とが、より有
効に図られ得るのである。

以上、本考案の一実施例について詳述してきたが、これ
は文字通りの例示であって、本考案はかかる具体例にの
み限定して解釈されるものではない。

例えば、仕切部材は、流体室内を実質的に軸方向に二分
すると共に、狭窄部を形成し得るものであれば良く、そ
の具体的な形状は、前記実施例のものに限定されるもの
ではない。

また、そのような仕切部材は、周方向に３ピース以上に
分割された構造にて形成することも可能である。

更にまた、シールゴム層42を、ゴム弾性体14と一体的
に、第一及び第二の金属スリーブ22、24の外周面上にお
いて形成することも可能である。

さらに、外筒金具12は、例示の如きテーパ筒形状のもの
に限定されるものではなく、テーパが付されていない筒
形状をもって形成することも、勿論可能である。

加えて、本考案は、例示の如き自動車用アッパサポート
の他、自動車用ストラットバー・クッション、ボデーマ
ウント、或いはその他各種装置における防振組立体とし
て、広い範囲に亘って適用可能であることは、勿論であ
る。

その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識
に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様
において実施され得るものであり、またそのような実施
態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも本考案
の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない
ところである。

（考案の効果）上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造とさ
れた流体封入式筒型防振組立体にあっては、内外筒金具
を弾性的に連結するゴム弾性体が、内筒金具と第一及び
第二の金属スリーブとを含む単一の部材として形成され
得ると共に、流体の共振現象が惹起される流体流路が、
外筒金具の装着と同時に組み付けられる環状の仕切部材
にて流体室内を狭窄することによって形成され得るとこ
ろから、部品点数の減少と構造の簡略化が、共に有効に
達成され得ることとなる。

そして、それ故、かかる本考案に従えば、内部に封入さ
れた流体の流動に基づいて、軸方向の入力振動に対して
所定の防振効果を発揮し得る流体封入式筒型防振組立体
が、良好なる製作性をもって、コスト的にも有利に提供
され得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を自動車用アッパサポートに適用した
ものの一具体例を示す縦断面図であり、第２図は、第１
図におけるII−II断面図である。また、第３図は、第１
図に示されているアッパサポートを構成する一体加硫成
形品を示す縦断面図である。更に、第４図は、第１図に
示されているアッパサポートを構成する外筒金具を示す
縦断面図である。また、第５図は、第１図に示されてい
るアッパサポートに用いられる仕切金具を構成する分割
体を示す斜視図である。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体 22:第一の金属スリーブ 24:第二の金属スリーブ 28、30:軸方向対向面 32:ポケット部、48:仕切金具 50:分割体、56:分割流体室 58:狭窄部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】防振連結されるべき一方の部材に取り付け
られる内筒金具と、該内筒金具の径方向外側にそれぞれ所定距離を隔てて配
された、軸方向に相互に所定寸法離隔して位置せしめら
れてなる第一の金属スリーブおよび第二の金属スリーブ
と、前記内筒金具と前記第一の金属スリーブおよび第二の金
属スリーブとの間に介装せしめられて、それらを弾性的
に連結する一体的な筒状のゴム弾性体と、該ゴム弾性体の軸方向中央部分に位置して、周方向に連
続して形成せしめられた、前記第一の金属スリーブと前
記第二の金属スリーブとの対向する軸方向端部間におい
て外周面上に開口する環状のポケット部と、外周壁部と該外周壁部より内方に一体的に突出する板状
部とを備えて略Ｔ字状の断面形状を呈する、周方向に分
割された複数ピースから構成されて、全体として環状形
状を呈し、前記ポケット部内に径方向外方から嵌め込ま
れ、その外周壁部を前記第一の金属スリーブと前記第二
の金属スリーブとの対向する軸方向端部間で挟持され
て、該ポケット部内に配設せしめられることにより、前
記Ｔ字形状を与える板状部にて、かかるポケット部内を
軸方向で二つの部分に仕切ると共に、該板状部の内周面
と該ポケット部の底面との間に、それら二つの部分を相
互に連通する所定間隙の狭窄部を形成する仕切部材と、前記第一の金属スリーブおよび前記第二の金属スリーブ
の外周面に外嵌固定せしめられて、前記ポケット部の開
口を閉塞することにより、所定の非圧縮性流体が封入さ
れた流体室を該ポケット部内に形成すると共に、前記仕
切部材を保持する、防振連結されるべき他方の部材に取
り付けられる外筒金具とを、含んで構成され、前記内筒金具と前記外筒金具との間へ
の軸方向の振動入力時に、前記流体室内において、前記
狭窄部を通じての流体の流動が生ぜしめられるようにし
たことを特徴とする流体封入式筒型防振組立体。