JPH0716067U - 電動オートチェンジ - Google Patents

電動オートチェンジ

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JPH0716067U
JPH0716067U JP40591190U JP40591190U JPH0716067U JP H0716067 U JPH0716067 U JP H0716067U JP 40591190 U JP40591190 U JP 40591190U JP 40591190 U JP40591190 U JP 40591190U JP H0716067 U JPH0716067 U JP H0716067U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 正確なレンジ切替えを可能とする。 【構成】 変速機を所定のレンジに切替える切替歯車
と、切替歯車と噛み合う出力歯車を有する内歯歯車41
と、第1アクチュエータで回転される第1入力歯車33
と、第1入力歯車33に取付けられた太陽歯車34と、
第2アクチュエータで回転される第2入力歯車36と、
第2入力歯車36に取付けられ、太陽歯車34と内歯歯
車41とに噛合する遊星歯車38と、通常は第1、第2
のアクチュエータの一方を駆動信号によって駆動し、一
方のアクチュエータが故障等で駆動停止したときは他方
のアクチュエータを駆動信号によって駆動開始するよう
に制御する制御回路と、第1又は第2アクチュエータの
いずれか一方の駆動力伝達系に設けられたクラッチ機構
70とを備え、クラッチ機構70の接断によって第1及
び第2アクチュエータの両方の駆動力伝達経路の連結・
遮断を可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、電気的信号によりアクチュエータを駆動して変速機を所定のレン ジに切替える電動オートチェンジに関し、特に変速機の切替精度を向上したオー トチェンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輛においては、チェンジレバーの操作をケーブル又はロッドによって 変速機に伝達し、変速操作を行うようにした変速操作装置が汎用されていた。
【0003】 他方、最近のコンピュータ技術の飛躍的進歩に伴い、スイッチ操作部のプッシ ュ操作等によって変速レンジの選択を行い、それに基づいて駆動信号を発生して 駆動モータ等のアクチュエータを駆動し、変速機をパーキングP、リバースR、 ニュートラルN、ドライブD、セカンドS、又はローLの変速レンジに切替え制 御するようにした自動車用オートチェンジが種々提案されている(例えば、実開 昭60−168629号公報参照)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
この種の自動車用オートチェンジにおいて、例えばアクチュエータとして駆動 モータを使用する場合、電気的故障等によって駆動モータの駆動が停止すれば、 変速機の変速レンジの切替えが不可能になることが懸念される。
【0005】 かかる懸念に対し、本件出願人は、自動車用オートチェンジにおいて遊星歯車 機構を有効に利用し、変速機を所定のレンジに切替える切替歯車と、該切替歯車 と噛み合う出力歯車を有する内歯歯車と、第1アクチュエータで回転される第1 入力歯車と、第2アクチュエータで回転される第2入力歯車と、第1入力歯車に 取付けられた太陽歯車と、第2入力歯車に取付けられ、上記太陽歯車と内歯歯車 とに噛み合う遊星歯車と、通常は一方のアクチュエータを駆動信号により駆動し 、該一方のアクチュエータが故障等で駆動停止したとき、他方のアクチュエータ を駆動信号により駆動開始するように制御する制御回路とを備えた電動オートチ ェンジを開発するに至った。
【0006】 ところで、上述の電動オートチェンジにおいて、アクチュエータに駆動モータ を使用した場合、モータの構造上、変速レンジの切替えを行うと、回転慣性力に 起因して変速機が所定の停止位置を越えて、即ちオーバランして停止する傾向に あり、モータ制御が煩雑になる等、変速機の切替精度に問題が生じる。
【0007】 この考案は、かかる問題点に鑑み、変速機の切替精度を向上できるようにした 電動オートチェンジを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本考案に係る電動アクチュエータは、電気的信号によりアクチュエータ を駆動して変速機を所定のレンジに切替える自動車用オートチェンジにおいて、 変速機を所定のレンジに切替える切替歯車と、切替歯車と噛み合う出力歯車を有 する内歯歯車と、第1アクチュエータで回転される第1入力歯車と、第1入力歯 車に取付けられた太陽歯車と、第2アクチュエータで回転される第2入力歯車と 、第2入力歯車に取付けられ、太陽歯車と内歯歯車とに噛合する遊星歯車と、通 常は第1、第2のアクチュエータの一方を駆動信号によって駆動し、一方のアク チュエータが故障等で駆動停止したときは他方のアクチュエータを駆動信号によ って駆動開始するように制御する制御回路と、第1又は第2アクチュエータのい ずれか一方の駆動力伝達系に設けられたクラッチ機構とを備えるようにしたこと を要旨とする。
【0009】
【作用】
本考案においては、第1又は第2アクチュエータのいずれか一方の駆動力伝達 系にクラッチ機構を設けるようにしたことから、クラッチ機構を切断すると、ク ラッチ機構が設けられた駆動力伝達系が切断されるばかりでなく、遊星歯車機構 の構造上、他方の駆動力伝達系も切断され、こうして1つのクラッチ機構で両方 の駆動力伝達系が連結・遮断される。また、駆動力伝達系が遮断されると、変速 機本来のディテント力によって変速機がオーバラン分だけ復帰動作し、これによ って複雑なモータ制御を行うことなく、変速機が所定の変速レンジに正確に切替 わる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。まず、本考案が 適用される電動オートチェンジについて説明する。図1ないし図8は本考案が適 用される電動オートチェンジを示し、電動オートチェンジには、図8に示すよう に、車室内のインストルメントパネル等に、パーキングP、リバースR、ニュー トラルN、ドライブD、セカンドS、ローLの各プッシュスイッチ10aないし 10fが設けられている。なお、プッシュスイッチに代えて、各レンジP〜L毎 の電気的信号をだす手操作ダイヤルや手操作レバーを設けてもよい。
【0011】 上記各プッシュスイッチ10aないし10fは車載のマイクロコントローラ1 1に接続され、該マイクロコントローラ11には各プッシュスイッチ10aない し10fのプッシュ操作による各レンジP〜L毎の電気的信号が入力され、又マ イクロコントローラ11には車速センサー12が接続されている。
【0012】 また、変速機13は切替装置(電動アクチュエータ)14の切替レバー15に ワイヤー16で連結され、該切替レバー15の各レンジP〜Lへの切替え回動に よって変速機13が所定のレンジP〜Lに切替えられる。また、切替装置14に は第1、第2の駆動モータ17、18、小型の第3駆動モータ19、及び第1、 第2マイクロスイッチ20、21が設けられ、該両マイクロスイッチ20、21 の検出信号はマイクロコントローラ11に入力され、各駆動モータ17、18、 19はマイクロコントローラ11の出力信号で駆動制御される。
【0013】 また、切替装置14は、図1ないし図4に詳細に示すように、上面が開口した 四角箱状のケース26と、該ケース26の上面開口を閉塞する蓋27とを備え、 上記ケース26の中央位置にはケース26内から蓋27を貫通して外部に突出す る切替軸28が蓋27の内面に固定した軸受29で回転自在に支持されている。 この切替軸28からケース26の一方の側壁26a側に片寄った位置にはケース 26内で上下方向に伸長する歯車軸30が蓋28の内面に固定した軸受31とケ ースの底壁26bの内面に固定した軸受32とで支持されている。
【0014】 上記歯車軸30の下部側には第1入力歯車であるウオームホイール33が回転 自在に支持され、又歯車軸30の上部側には太陽歯車34が回転自在に支持され 、両歯車33、34は軸受部35で一体的に連結されている。この軸受部35に は第2入力歯車であるウオームホイール36が回転自在に支持され、該第2入力 歯車36の軸受部37には等間隔で3個の遊星歯車38をピン39によって各々 回転自在に支持したベースプレート40が一体的に連結されている。
【0015】 上記各遊星歯車38は各々太陽歯車34に噛合され、又上記歯車軸30の上部 側には内歯歯車41と、該内歯歯車41と一体的に連結された出力歯車42とが 回転自在に支持され、該内歯歯車41は上記各遊星歯車38に噛合されている。
【0016】 また、上記ケース26の側壁26a外面には第1駆動モータ17と第2駆動モ ータ18とが各々取付けられ、該第1駆動モータ17の出力軸17aはケース2 6内に貫通されて該出力軸17aに固定の第1ウオーム43が上記第1入力歯車 33に噛合されている。第2駆動モータ18の出力軸18aはケース26内に貫 通されて、該出力軸18aに固定の第2ウオーム44が上記第2入力歯車36に 噛合されている。
【0017】 他方、上記切替軸28には上記蓋27の内面側にて切替カム51と上記出力軸 42に噛み合う切替歯車52とが固定されると共に、軸受29の外周面でタイミ ング歯車であるウオームホイール53が回動自在に支持され、又上記蓋27の外 面側にて上記切替レバー15が固定され、該切替レバー15の先端部に固定した ピン54には上記ワイヤー16の一端部が止着されている。
【0018】 上記ケース26の他側壁26c側の蓋27の内面には第3駆動モータ19が取 付けられ、該第3駆動モータ19の出力軸19aに固定の第3ウオーム55が上 記タイミング歯車53に噛合され、該タイミング歯車53の歯欠部には後で詳述 するが、図5ないし図7に示すように凸部53a、53bと凹部53c、53d が所定の角度範囲で形成され、又タイミング歯車53の最大回転角の範囲で上記 歯車軸30の蓋27側の軸受31に干渉させないための逃げ穴53eが形成され ている。
【0019】 上記蓋27の内面には上記切替軸28の中心の対称位置に第1阻止爪56と第 2阻止爪57が支軸58、59でそれぞれ揺動自在に支持され、各阻止爪56、 57にはピン60、61がそれぞれ立設され、該各ピン60、61が上記タイミ ング歯車53の歯欠部に当接するように各阻止爪56、57がスプリング(図示 せず)によって付勢されている。
【0020】 上記タイミング歯車53の凸部53aと凹部53cはタイミング歯車53がa 位置(図5参照)に回転しているときは凸部53aにピン60を乗り上げさせて 第1阻止爪56を外方へ揺動させ、タイミング歯車53がb位置(図6参照)に 回転(θ1)したときは凹部53cにピン60を落ち込ませて第1阻止爪56を 内方へ揺動させるように設定されている。なお、タイミング歯車53がb位置か らc位置(図7参照)に回転したときにも凹部53cにピン60が落ち込んだ状 態となる。同様に凸部53bと凹部53dはタイミング歯車53がa位置とb位 置の間に回転しているときは凸部53bにピン61を乗り上げさせて第2阻止爪 57を外方へ揺動させ(図5及び図6参照)、タイミング歯車53がc位置に回 転(θ2)したときは凹部53dにピン61を落ち込ませて第2阻止爪57を内 方へ揺動させる(図7参照)ように設定されている。
【0021】 また、上記切替カム51には第1係止部51aと第2係止部51bとが形成さ れ、該第1係止部51aは切替歯車52とともに切替カム51がSレンジに切替 え回転された位置で、内方へ揺動された第1阻止爪56に係止されて、切替カム 51のSレンジからLレンジの切替え回転を阻止する(図6参照)ように設定さ れている。また、第2係止部51bは切替歯車52とともに切替カム51がNレ ンジに切替え回転された位置で、内方へ揺動された第2阻止爪57に係止されて 、切替カム51のNレンジからRレンジ及びPレンジへの切替え回転を阻止する (図7参照)ように設定されている。また、図1に示すように、上記蓋27の内 面には各阻止爪56、57の揺動位置を検出する第1及びマイクロスイッチ20 、21が各々取付けられている。
【0022】 また、マイクロコントローラ11には通常は第1駆動モータ17を駆動信号に より駆動し、第1駆動モータ17が電気的故障で駆動停止したとき第2駆動モー タを駆動信号により直ちに駆動開始するように制御する第1制御回路が内蔵され 、又マイクロコントローラ11には車速センサー12で検出された車速が所定の 低速値(例えば5Km/H)以上になると第3駆動モータ19を駆動して、タイ ミング歯車53をa位置からb位置へ回転(θ1)させるとともに、車速が所定 の高速値(例えば100Km/H)以上になると第3駆動モータ19を駆動して 、タイミング歯車53をb位置からc位置へ回転(θ2)させるように制御する 第2制御回路が内蔵されている。
【0023】 なお、タイミング歯車53がa位置からb位置へ回転されたことは、第1阻止 爪56の内方揺動を検出する第1マイクロスイッチ20の検出信号で検出でき、 b位置からc位置へ回転されたことは、第2阻止爪57の内方揺動を検出する第 2マイクロスイッチ21の検出信号で検出できる。
【0024】 また、図9は本考案の一実施例による電動オートチェンジを示し、図において 図1ないし図8と同一符号は同一部分を示す。本実施例では、第1入力歯車33 がその軸受部35と別体に形成され、両者の間には電磁クラッチ機構70が介設 され、該電磁クラッチ機構70の接断部の一方は第1入力歯車33にピンによっ て連結され、接断部の他方は上記軸受部35に連結されており、電磁クラッチ機 構70で第1入力歯車33と軸受部35との間が接断されるように構成されてい る。
【0025】 また、図10は上記電動オートチェンジにおける変速機13の構造を示す。こ の変速機13にはディテントプレート71が設けられており、該プレート71の 作用によって変速機13はディテント力(節度)が付与されて各変速レンジに向 かって動作又は復帰動作するようになっている。
【0026】 次に作用効果を説明する。
【0027】 まず、本考案が適用される電動オートチェンジの動作について説明する。自動 車が停車状態(車速0Km/H)においては、タイミング歯車53はa位置に回 転され、タイミング歯車53の凸部53a、53bで第1、第2阻止爪56、5 7は外方へ揺動されている。なお、第1、第2駆動モータ17、18はいずれも 正常であるとする。そして、例えばDレンジのプッシュスイッチ10dをプッシ ュ操作すると、マイクロコントローラ11から第1駆動モータ17に駆動信号が 出力され、第1駆動モータ17が駆動開始し、該第1駆動モータ17の駆動で第 1ウオーム43を介して第1入力歯車33が回転され、軸受部37を介して太陽 歯車34が回転される。
【0028】 このとき、第2駆動モータ18側の負荷(特に第2ウオーム44と第2入力歯 車36との噛み合い)により、第2入力歯車36とともに各遊星歯車38、の遊 星回転運動が規制されるので、太陽歯車34により各遊星歯車38、が空回転さ れて内歯歯車41を回転させ、内歯歯車41の出力歯車42により切替歯車52 がDレンジに切替え回転され、切替軸28、切替レバー15、ワイヤー16を介 して変速機13がDレンジに切替えられる。
【0029】 また、Dレンジのプッシュスイッチ10dをプッシュ操作したものの第1駆動 モータ17が電気的故障等で駆動停止すると、マイクロコントロールユニット1 1の第1制御回路から直ちに第2駆動モータ18に駆動信号が出力され、第2駆 動モータ18が駆動開始し、該第2駆動モータ18の駆動で第2ウオーム44を 介して第2入力歯車34が回転される。
【0030】 このとき、第1駆動モータ17側の負荷(特に第1ウオーム43と第1入力歯 車35との噛み合い)により、第1入力歯車35とともに太陽歯車34の回転が 規制されるので、軸受部37とベースプレート40を介して各遊星歯車38、が 太陽歯車34の回りを遊星回転運動して内歯歯車41を回転させ、内歯歯車41 の出力歯車42により切替歯車52がDレンジに切替え回転され、切替軸28、 切替レバー15、ワイヤー16を介して変速機13がDレンジに切替えられる。
【0031】 上記説明はDレンジのプッシュスイッチ10dをプッシュ操作した場合であっ たが、他のレンジのプッシュスイッチ10aないし10c、10e、10fをプ ッシュ操作した場合でも同様である。
【0032】 このように第1駆動モータ17の駆動時は、第2駆動モータ18側の負荷によ り遊星歯車38、の遊星回転運動が規制されるに止まり、遊星歯車38、は空回 転するので、第2駆動モータ18側の負荷が第1駆動モータ17に影響せず、逆 に、第2駆動モータ18の駆動時は、第1駆動モータ17側の負荷により太陽歯 車34の回転が規制されるに止まり、遊星歯車38、は遊星回転運動するので、 第1駆動モータ17側の負荷が第2駆動モータ18に影響しない。したがって、 第1駆動モータ17が故障等で駆動停止しても第2の駆動モータ18の駆動開始 で、変速機13のレンジ切替えが迅速に行なわれる。
【0033】 また、各駆動モータ17、18の負荷は相互に影響しないので、各駆動モータ 17、18が過負荷で故障しやすくなるという事故もなくなる。
【0034】 次に、例えばDレンジのプッシュスイッチ10dをプッシュ操作して、変速機 13がDレンジに切替わった後、アクセルペダルを踏むことにより自動車を発進 され、車速センサー12で車速が所定の低速値(例えば5Km/H)以上になっ たことを検出すると、マイクロコントローラ11の第2制御回路から第3駆動モ ータ19に駆動信号が出力され、第3駆動モータ19が駆動されてタイミング歯 車53がa位置からb位置へ回転(θ1)される。このタイミング歯車53の回 転により、凸部53aに乗り上げていたピン60が凹部53cに落ち込んで第1 阻止爪53が内方へ揺動される。
【0035】 そして、Dレンジで走行中(但し100Km/H未満)に他のレンジのプッシ ュスイッチ10aないし10c、10eをプッシュ操作すれば、変速機13を対 応するレンジに切替え可能であるが、Sレンジで切替カム51の第1係止部51 aが第1阻止爪56に係止されるので、切替カム51のSレンジからLレンジへ の切替え回転が阻止される。したがって、例えば60Km/Hで走行中に誤って プッシュスイッチ10fをプッシュ操作しても、切替カム51がLレンジ方向に 切替え回転できないので、変速機13がSレンジに切替わらない。その結果、通 常走行中の急激なシフトダウンによる乗員の危険や、変速機13の歯車系の破損 もなくなる。
【0036】 また、車速センサー12で車速が所定の高速値(例えば100Km/H以上) になったことを検出すると、マイクロコントローラ11の第2制御回路から第3 駆動モータ19に駆動信号が出力され、第3駆動モータ19が駆動されてタイミ ング歯車53がb位置からc位置へ回転(θ1)される。このタイミング歯車5 3の回転により、凸部53bに乗り上げていたピン61が凹部53cに落ち込ん で第2阻止爪53が内方へ揺動される。なお、第1阻止爪53のピン60は凹部 53cに落ち込んだままであるから、第1阻止爪53も内方へ揺動された状態で ある。
【0037】 そして、Dレンジで走行中に他のレンジのプッシュスイッチ10c、10eを プッシュ操作すれば、変速機13を対応するレンジに切替え可能であるが、Nレ ンジで切替カム51の第2係止部51bが第2阻止爪57に係止されるので、切 替カム51のNレンジからRレンジ及びPレンジへの切替え回転が阻止される。 同様に、Sレンジで切替カム51の第1係止部51aが第1係止爪56に係止さ れるので、切替カム51のSレンジからLレンジへの切替え回転が阻止される。 従って例えば120Km/Hで走行中に誤ってプッシュスイッチ10bや10f をプッシュ操作しても、切替カム51がRレンジ方向やLレンジ方向に切替え回 転できないので、変速機13がRレンジやSレンジに切替わらない。その結果、 高速走行中の急激なシフトダウンによる乗員の安全性の問題や変速機13の歯車 系の破損もなくなる。
【0038】 また、車速が100Km/H未満になれば、タイミング歯車53の逆回転(θ 2)により凸部53bにピン61が乗り上げて第2阻止爪57が外方へ揺動され 、切替カム51の第2係止部51bの係止を解除する一方、車速が5Km/H未 満になれば、タイミング歯車53の逆回転(θ1)により凸部53aにピン60 が乗り上げて第1阻止爪56が外方へ揺動され、切替カム51の第1係止部51 aの係止を解除する。
【0039】 次に本実施例の電動オートチェンジの動作について説明する。本実施例の切替 装置14おいて、まず第1駆動モータ17が駆動されると、図9の矢印Aに示す ように、第1ウオーム43、第1入力歯車33、電磁クラッチ機構70、軸受部 35、太陽歯車34、遊星歯車38、内歯歯車41及び出力歯車42の経路で駆 動力が伝達され、他方、第2駆動モータ18が駆動されると、図9の矢印Bに示 すように、第2ウオーム44、第2入力歯車36、ベースプレート40、遊星歯 車38、内歯歯車41及び出力歯車42の経路で駆動力が伝達され、いずれの場 合も既に説明した通り切替歯車52が回転されて変速機13が切替えられる。
【0040】 その際、電磁クラッチ機構70が切断されると、経路Aの第1入力歯車33と 軸受部35間において駆動力の伝達が遮断され、又、経路Bについてはそれ自体 は遮断されないが、太陽歯車34がフリーとなる結果、遊星歯車38及び太陽歯 車34が空転し、遊星歯車38から内歯歯車41に駆動力が伝達されず、切替歯 車52は回転されない。このように1つの電磁クラッチ機構70によって両経路 A、Bを連結・遮断することができる。
【0041】 しかも、太陽歯車34がフリーになると変速機13の動作もフリーになる結果 、例えば変速レンジの切替えが行われて駆動モータ17、18が停止したときに 電磁クラッチ機構70を遮断すると、変速機13はその本来のディテント力によ って回転慣性力に起因するオーバラン分だけ復帰動作し、これによって正確なレ ンジ切替えが可能となり、又煩雑なモータ制御も不要となる。
【0042】
【考案の効果】
以上のように、本考案に係る電動オートチェンジによれば、電気的信号により アクチュエータを駆動して変速機を所定のレンジに切替える自動車用オートチェ ンジにおいて、変速機を所定のレンジに切替える切替歯車と、切替歯車と噛み合 う出力歯車を有する内歯歯車と、第1アクチュエータで回転される第1入力歯車 と、第1入力歯車に取付けられた太陽歯車と、第2アクチュエータで回転される 第2入力歯車と、第2入力歯車に取付けられ、太陽歯車と内歯歯車とに噛合する 遊星歯車と、通常は第1、第2のアクチュエータの一方を駆動信号によって駆動 し、一方のアクチュエータが故障等で駆動停止したときは他方のアクチュエータ を駆動信号によって駆動開始するように制御する制御回路と、第1又は第2アク チュエータのいずれか一方の駆動力伝達系に設けられたクラッチ機構とを備える ようにしたので、煩雑なモータ制御を行うことなく、変速レンジを正確に切替え ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案が適用される電動オートチェンジにお
いて蓋を外した切替装置を示す平面図である。
【図2】 図3のI−I線断面図である。
【図3】 図1のII−II線断面図である。
【図4】 図3のIII−III線断面図である。
【図5】 上記切替装置におけるタイミング歯車、切替
カム、阻止部材の作動関係を示す平面図である。
【図6】 上記切替装置におけるタイミング歯車、切替
カム、阻止部材の作動関係を示す平面図である。
【図7】 上記切替装置におけるタイミング歯車、切替
カム、阻止部材の作動関係を示す平面図である。
【図8】 上記自動車用オートチェンジのシステムを示
す図である。
【図9】 本考案の一実施例の電動オートチェンジを示
す図4に相当する断面構成図である。
【図10】 上記電動オートチェンジにおける変速機を
示す概略分解斜視図である。
【符号の説明】
13 変速機 14 切替装置 17 第1駆動モータ 18 第2駆動モ
ータ 33 第1入力歯車 34 太陽歯車 36 第2入力歯車 38 遊星歯車 41 内歯歯車 52 切替歯車 70 電磁クラッチ機構

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的信号によりアクチュエータを駆動
    して変速機を所定のレンジに切替える自動車用オートチ
    ェンジにおいて、 上記変速機を所定のレンジに切替える切替歯車と、 該切替歯車と噛み合う出力歯車を有する内歯歯車と、 第1アクチュエータで回転される第1入力歯車と、 該第1入力歯車に取付けられた太陽歯車と、 第2アクチュエータで回転される第2入力歯車と、 該第2入力歯車に取付けられ、上記太陽歯車と内歯歯車
    とに噛合する遊星歯車と、 通常は第1、第2のアクチュエータの一方を駆動信号に
    よって駆動し、該一方のアクチュエータが故障等で駆動
    停止したときは他方のアクチュエータを駆動信号によっ
    て駆動開始するように制御する制御回路と、 上記第1又は第2アクチュエータのいずれか一方の駆動
    力伝達系に設けられたクラッチ機構とを備えたことを特
    徴とする電動オートチェンジ。
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WO2001042687A1 (fr) 1999-12-13 2001-06-14 Aisin Aw Co., Ltd. Dispositif selecteur de distance

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