JPH0716047Y2 - 流量調整機構の固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、水車のガイドベーンの如き流量調整機構の固
定装置に関する。

（従来の技術） 一般に、水車のガイドベーンの如き流量調整機構におい
ては、その開度を所定値に固定する固定装置が設けられ
ている。

すなわち、第４図はフランシス水車のガイドベーン駆動
機構の概略構成図であって、各ガイドベーン（図示せ
ず）のスピンドル１はリンク機構２を介してガイドリン
グ３に連結されている。上記ガイドリング３は、軸線回
りに回動可能な支軸４に固着されたベルクランク５の両
端に操作ロッド６を介して連結されており、上記支軸４
に固着されたゲートアーム７の先端が、電動サーボモー
タ８によって直線運動される作動ロッド９に連結されて
いる。上記電動サーボモータ８はモータ10を駆動源とし
ボールネジ、ナットおよび減速機構を内蔵しており、基
端がベース11に枢着されている。

したがって、モータ10によって電動サーボモータ８が作
動されると、作動ロッドを介してゲートアーム７が揺動
され、そのゲートアーム７が固着された支軸４を介して
ベルクランク５が揺動される。そして、そのベルクラン
ク５の揺動によって操作ロッド６を介してガイドリング
３が軸線回りに回動され、リンク機構２によってガイド
ベーンスピンドル１が回動され、ガイドベーンの開閉が
行なわれる。

ところで、上記ゲートアーム７には固定用ピン12挿通用
のピン取付穴13が設けられている。一方、上記ゲートア
ーム７の下方の基盤14には、第５図に示すようにピンボ
ックス15が据付けられており、そのピンボックス15に
は、ゲートアーム７がガイドベーン全閉、全開或は中立
位置に位置しているときにそれぞれ前記取付ピン穴13と
対応する位置に、それぞれ全閉固定用ピン穴16a、全開
固定用ピン穴16b、および中立固定用ピン穴16cが設けら
れている。

しかして、ガイドベーンを全閉位置或は全開位置等に固
定する場合にはそのガイドベーンを所定位置に移動させ
た後、ゲートアーム７のピン取付穴13に挿通されている
固定用ピン12の先端を、対応している固定用ピン穴に差
し込むことによって、ガイドベーンの固定を行なうこと
ができる。第５図は、電動サーボモータ８のストローク
中立位置（ガイドベーン中立位置）で、固定用ピン12を
ゲートアーム７のピン取付穴13およびピンボックス15の
中立固定用ピン穴16cに差し込んだ状態を示す。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上述の如き固定装置においては、据付時のゲ
ートアーム７とピンボックス15の芯出調整が必要で、据
付時間がかかるとともに、水車出力が設定値より不足し
た場合、電動サーボモータ８のストロークを延長するこ
とがあり、このような場合にはピンボックス15を再度製
作しなければならないとともに、据付けたピンボックス
15を掘り出して再据付を行なわなければならず、工期遅
れを生ずることがある等の問題がある。しかも、固定位
置が全閉、全開、中立の３位置に限られ、任意開度位置
に固定することができず、又固定用ピンの保管等の問題
がある。

本考案はこのような点に鑑み、上述の如き不都合がない
ようにした固定装置を得ることを目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案は、ガイドベーンの如き流量調整機構の駆動用モ
ータによって回転駆動される伝動軸の先端に、断面多角
形の角軸部を形成するとともに、その角軸部に嵌合する
角穴を設けた固定用フランジを固定部材に着脱自在に装
着したことを特徴とするものである。

（作用） 駆動用モータによって流動調整機構を所定位置に駆動し
た後、伝動軸の先端に設けられた角軸部に、固定用フラ
ンジの角穴を嵌挿し、その固定用フランジをボルト、ナ
ット等により固定部材に固着する。したがって、角軸部
と角穴の嵌合により伝動軸の回転が阻止され、流量調整
機構の固定が維持される。

（実施例） 以下、第１図乃至第３図を参照して本考案の一実施例に
ついて説明する。

第３図において、符号20はモータであって、そのモータ
20が減速ギヤボックス21を介して電動サーボモータ22に
連結され、その電動サーボモータ22によって流量調整機
構作動用の作動ロッド23が伸縮作動されるようにしてあ
る。そして、上記減速ギヤボックス21がベース24に枢着
してある。

ところで、上記モータ20の出力軸20aには、第１図に示
すようにキー25を介して減速歯車機構26の伝動軸27が直
結されている。上記伝動軸27の先端部はギヤボックス21
から外側方に突出されており、その先端部には断面四角
形の角軸部27aが形成されている。

上記ギヤボックス21の外側面には、周方向に多数の取付
穴28aを設けた固定用フランジ28が、ギヤボックス21に
植設された植込みボルト29および蝶ナット30によって着
脱自在に装着されている。固定用フランジ28の中央部一
側面側には、前記伝動軸27の角軸部27aに嵌合する四角
穴31が穿設されており、他側面側には上記角軸部27aが
遊嵌する円形穴32が上記四角穴31と同心的に形成されて
いる。

しかして、流量調整機構の固定を行なう場合には、モー
タ20を駆動することにより伝動軸27を回転させ、この伝
動軸27によって減速歯車機構26を介して電動サーボモー
タ22等を作動させ、流量調整機構を所定開度とする。そ
こで、上記伝動軸27の角軸部27aに固定用フランジの四
角穴31を嵌合し、上記固定用フランジ28の取付穴28aに
挿通された植込みボルト29に蝶ナット30を装着すること
によって、固定用フランジ28を減速ギヤボックス21に固
着する。

したがって、角軸部27aと四角穴31との嵌合によって伝
動軸27の回転が阻止され、流量調整機構が固定される。

一方、上記流量調整機構の固定を行なわない場合には、
上記固定用フランジ28を裏返しにして減速ギヤボックス
21に装着すれば、伝動軸27の角軸部27aが円形穴32内に
挿入された状態となり、伝動軸27の回転は自由に行なわ
れる。したがって、このように四角穴と反対側に円形穴
を設けた場合には流量調整機構の固定を行なわないとき
にも、固定用フランジ28を所定位置に固着しておくこと
ができ、保管場所も不要で部品の紛失等を防止すること
もできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案においては伝動軸の先端の
角軸部に固定フランジの角穴を嵌合してその固定フラン
ジを固定することによって、伝動軸の回転を阻止し、流
量調整機構の固定を行なうことができる。したがって、
従来のようにピンボックスを不要とし、据付芯出調整時
間が短縮され、電動サーボモータのストローク変更に際
しても、モータの回転に対する電動サーボモータのスト
ロークはわずかなので、植込ボルトの位置に対して固定
用フランジを少しずらして取付けても流量調整機構の固
定用としては何ら問題はなく、ストローク変更に対して
工期遅れという問題は発生しない。また、固定用フラン
ジの取付穴を予備穴として数個所設けておくことによっ
て、全閉、全開、中立の位置のみでなく、ストロークの
任意位置で固定することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の固定装置の主要部を示す断面図、第２
図は固定用フランジの平面図、第３図は本考案の固定装
置の外観図、第４図は従来のガイドベーン固定装置の平
面図、第５図は第４図のV-V線に沿う断面図である。 20……モータ、21……減速ギヤボックス、22……電動サ
ーボモータ、27……伝動軸、27a……角軸部、28……固
定用フランジ、31……四角穴、32……円形穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流量調整機構の駆動用モータによって回転
   駆動される伝動軸の先端に、断面多角形の角軸部を形成
   するとともに、その角軸部に嵌合する角穴を設けた固定
   用フランジを固定部材に着脱自在に装着したことを特徴
   とする、流量調整機構の固定装置。