JPH07160122A - マグネットロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小直径のものでも容易かつ低コストで製作し
得るマグネットロールを提供する。 【構成】 円筒状に形成しかつ外周面に軸方向に延びる
複数個の磁極を設けてなる永久磁石部材と、非磁性材料
により中空円筒状に形成したスリーブとを、平板状フラ
ンジおよびシャフト付フランジを介して同軸的かつ相対
回転自在に嵌着させてなるマグネットロールにおいて、
平板状フランジおよび／またはシャフト付フランジの主
要部を板材加工手段により、外周にリム部を中心部にボ
ス部を有しかつ軸線を含む縦断面形状を擬似弓形状若し
くは擬似Ｗ字状に形成すると共に、平板状フランジのボ
ス部を軸線方向に貫通するように形成し、シャフト付フ
ランジのボス部外方にシャフトを固着し、前記ボス部に
各々軸受を嵌着し、永久磁石部材の両端部に突出するシ
ャフトを前記軸受に係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子写真や静電記録等に
おいて現像ロール用若しくはクリーニングロール用とし
て使用されるマグネットロールに関するものであり、特
に小口径のものを低コストで製作し得るマグネットロー
ルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来電子写真や静電記録等において、現
像ロール用若しくはクリーニングロール用として使用さ
れるマグネットロールは、例えば図４に示すような構造
のものが最も一般的である。図４において、１は永久磁
石部材であり、例えばハードフェライトのような焼結粉
末永久磁石材料により、若しくは強磁性粉末材料とバイ
ンダーとの混合材料により、中空円筒状に形成し、中心
部にシャフト２を同軸的に固着する。

【０００３】永久磁石部材１の外周面には軸方向に延び
る複数個の磁極（図示せず）を複数個設けると共に、円
周方向にこれらを等間隔若しくは不等間隔に配設する。
次にシャフト２の両方の端部２ａ，２ｂには、平板状フ
ランジ３およびシャフト付フランジ４を軸受５，５を介
して回転自在に装着し、平板状フランジ３およびシャフ
ト付フランジ４の外周には中空円筒状に形成したスリー
ブ６を嵌着する。

【０００４】なお平板状フランジ３、シャフト付フラン
ジ４およびスリーブ６は、例えばアルミニウム合金若し
くはステンレス鋼等の非磁性材料によって形成する。７
はシール部材であり、平板状フランジ３とシャフト２の
端部２ａとの間に嵌着する。また永久磁石部材１の直径
は１０〜６０mm、長さは２００〜３５０mmとする場合が
多い。

【０００５】上記の構成により、永久磁石部材１とスリ
ーブ６との間の相対回転（例えば永久磁石部材１を固定
し、シャフト付フランジ４によりスリーブ６を回転させ
る）によって、スリーブ６の外周面に磁性現像剤を吸着
して磁気ブラシを形成し、所定の現像作業等を行ない、
若しくは感光体表面から転写後の余剰の磁性現像剤を吸
着して所定のクリーニング作業を行なうのである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記図４に示す構成の
マグネットロールにおいて、平板状フランジ３およびシ
ャフト付フランジ４は、例えばアルミニウム合金のよう
な非磁性金属材料からなる丸棒素材から、機械加工によ
って加工成形されるのが一般である。しかしながら、こ
のような機械加工手段によるときには、材料歩留が低い
のみならず、切削除去する部分が多いため、加工工数お
よび加工時間が嵩み、製作コストが高騰するという問題
点がある。

【０００７】また上記平板状フランジ３およびシャフト
付フランジ４を、例えばダイカスト手段若しくは射出成
形手段によって成形することも考えられるが、成形用金
型に要する費用が大であることと、寸法、形状が同一の
ものに対する需要とを勘案すると、必ずしもコスト低減
が期待できないという問題点がある。

【０００８】一方近年のこの種マグネットロールに要求
される仕様は益々厳しくなってきており、特に小直径の
ものを低コストで製作する必要があり、従来のものでは
これらの厳しい要求を満足することができないという問
題点がある。

【０００９】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
を解決し、小直径のものでも容易かつ低コストで製作し
得るマグネットロールを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、円筒状に形成しかつ外周面に軸
方向に延びる複数個の磁極を設けてなる永久磁石部材
と、非磁性材料により中空円筒状に形成したスリーブと
を、平板状フランジおよびシャフト付フランジを介して
同軸的かつ相対回転自在に嵌着させてなるマグネットロ
ールにおいて、少なくとも一方のフランジ若しくはその
主要部を板材加工手段によって形成する、という技術的
手段を採用した。

【００１１】本発明において、平板状フランジおよび／
またはシャフト付フランジの主要部を板材加工手段によ
り、外周にリム部を中心部にボス部を有しかつ軸線を含
む縦断面形状を擬似弓形状若しくは擬似Ｗ字状に形成す
ると共に、平板状フランジのボス部を軸線方向に貫通す
るように形成し、シャフト付フランジのボス部外方にシ
ャフトを固着し、前記ボス部に各々軸受を嵌着し、永久
磁石部材の両端部に突出するシャフトを前記軸受に係合
させることができる。

【００１２】また本発明において、平板状フランジおよ
び／またはシャフト付フランジのリム部外周に凹部を複
数個設けるか、若しくは切起し突起を複数個設けること
ができる。

【００１３】更に本発明において、平板状フランジおよ
び／またはシャフト付フランジのリム部外周をテーパ状
に形成することができる。

【００１４】

【作用】上記の構成により、平板状フランジおよび／ま
たはシャフト付フランジの機能および強度を確保しつ
つ、それらの製作コストを大幅に低減させることができ
る。

【００１５】

【実施例】図１は本発明の実施例を示す一部省略縦断面
図であり、同一部分は前記図４と同一の参照符号で示
す。図１において、平板状フランジ３およびシャフト付
フランジ４の主要部を、板材加工手段により、外周にリ
ム部８を、中心部にボス部９を各々同軸的に有し、かつ
軸線を含む縦断面形状を擬似弓形状若しくは擬似Ｗ字状
に形成する。そしてボス部９内には、例えば焼結含油合
金からなる軸受５を圧入によって固着する。

【００１６】平板状フランジ３のボス部９には貫通穴１
０を設けて、永久磁石部材１のシャフト２の端部２ａが
貫通するように形成する。一方シャフト付フランジ４の
ボス部９の外側端面には、突起部１１を同軸的にかつ一
体に突設させ、かつシャフト１２の端面に設けた係合穴
１３に嵌合させて、例えばスポット溶接により、両者を
一体に形成する。

【００１７】上記平板状フランジ３およびシャフト付フ
ランジ４の主要部であるリム部８およびボス部９（突起
部１１を含む）は、例えばオーステナイト系ステンレス
鋼（ＳＵＳ３０４，３１６等）およびアルミニウム合金
（Ａｌ−Ｃｕ系，Ａｌ−Ｍｇ系，Ａｌ−Ｍｇ−Ｓｉ系
等）のような非磁性金属材料からなる厚さ0.１〜0.２mm
の板材を、例えばプレスおよび成形用金型を使用し、絞
り加工、穴抜き加工、打抜き加工等の板材加工して高精
度で成形することができる。一方シャフト１２は、例え
ば前記同様のオーステナイト系ステンレス鋼（ＳＵＳ３
０４，３１６等）若しくは快削鋼（ＳＵＭ）によって形
成する。

【００１８】上記の構成により、中空円筒状に形成した
スリーブ６とシャフト付フランジ４とを嵌着させ、永久
磁石部材１を挿入後、スリーブ６の他の端部に平板状フ
ランジ３を嵌着させれば、マグネットロールが組立完了
となる。この場合、スリーブ６とリム部８とは圧入固着
のみによってもよいが、接着剤を併用すると固着強度お
よび信頼性を向上させ得る。

【００１９】図２は図１におけるスリーブ６とリム部８
との固着部位を示す拡大断面図である。図２において１
４は凹部であり、リム部８の外周面に複数個を円周方向
に等間隔に設ける。このような凹部１４を設けることに
より、スリーブ６とリム部８との間に介在させるべき接
着剤の溜りが形成され、接着作用を確実化させることが
できる。上記凹部１４はプレス手段によって成形するこ
とができ、その形状、寸法は任意に選定することができ
る。

【００２０】図３は図２に示すリム部８の変形例を示す
拡大断面図である。図３において、まず（ａ）に示すも
のは、リム部８の外周面に切起し突起１５を複数個設け
たものである。このような切起し突起１５を設けること
により、嵌着されたスリーブ（図示せず）の内面との間
の嵌合係止作用が増大すると共に、スリーブに引抜方向
の外力が作用した場合においても、切起し突起１５がス
リーブ内面に食い込むように作用するから、耐引抜力を
増大することができる。またスリーブ６（図２参照）の
内面に突起１５と対応する溝を形成して、嵌め込み方式
とすることができる。

【００２１】次に図３において、（ｂ）（ｃ）に示すも
のは、リム部８の外周面をテーパ状に形成したものであ
る。このように形成することにより、嵌着されるスリー
ブとの間の固着力を増大させることができる。なお図３
に示すものと図２に示すものとを併用することもでき
る。

【００２２】

【発明の効果】本発明は、以上記述のような構成および
作用であるから、下記のような効果を奏し得る。

【００２３】(1) 平板状フランジおよびシャフト付フラ
ンジの主要部を板材加工手段によって成形するものであ
るため、材料歩留を向上させ得ると共に、加工コストを
低減させ得る。

【００２４】(2) 上記フランジの主要部の軸線を含む平
面における縦断面形状を擬似弓形状若しくは擬似Ｗ字状
に形成したものであるため、薄板材によって形成しても
充分な機械的強度を具有し、軽量化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す一部省略縦断面図であ
る。

【図２】図１におけるスリーブ６とリム部８との固着部
位を示す拡大断面図である。

【図３】図２に示すリム部の変形例を示す拡大断面図で
ある。

【図４】従来のマグネットロールの例を示す一部省略縦
断面図である。

【符号の説明】

３ 平板状フランジ ４ シャフト付フランジ ６ スリーブ ８ リム部 ９ ボス部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状に形成しかつ外周面に軸方向に延
   びる複数個の磁極を設けてなる永久磁石部材と、非磁性
   材料により中空円筒状に形成したスリーブとを、平板状
   フランジおよびシャフト付フランジを介して同軸的かつ
   相対回転自在に嵌着させてなるマグネットロールにおい
   て、 少なくとも一方のフランジ若しくはその主要部を板材加
   工手段によって形成したことを特徴とするマグネットロ
   ール。
2. 【請求項２】 平板状フランジおよび／またはシャフト
   付フランジの主要部を板材加工手段により、外周にリム
   部を中心部にボス部を有しかつ軸線を含む縦断面形状を
   擬似弓形状若しくは擬似Ｗ字状に形成すると共に、平板
   状フランジのボス部を軸線方向に貫通するように形成
   し、シャフト付フランジのボス部外方にシャフトを固着
   し、前記ボス部に各々軸受を嵌着し、永久磁石部材の両
   端部に突出するシャフトを前記軸受に係合させたことを
   特徴とする請求項１記載のマグネットロール。
3. 【請求項３】 平板状フランジおよび／またはシャフト
   付フランジのリム部外周に凹部を複数個設けたことを特
   徴とする請求項２記載のマグネットロール。
4. 【請求項４】 平板状フランジおよび／またはシャフト
   付フランジのリム部外周に切起し突起を複数個設けたこ
   とを特徴とする請求項２記載のマグネットロール。
5. 【請求項５】 平板状フランジおよび／またはシャフト
   付フランジのリム部外周をテーパ状に形成したことを特
   徴とする請求項２ないし４何れかに記載のマグネットロ
   ール。