JPH07159824A - 沈胴式ズームカメラ - Google Patents

沈胴式ズームカメラ

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JPH07159824A
JPH07159824A JP5302531A JP30253193A JPH07159824A JP H07159824 A JPH07159824 A JP H07159824A JP 5302531 A JP5302531 A JP 5302531A JP 30253193 A JP30253193 A JP 30253193A JP H07159824 A JPH07159824 A JP H07159824A
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cam
cam barrel
barrel
lens
zoom
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Hiroshi Wakabayashi
央 若林
Hidenori Miyamoto
英典 宮本
Minoru Kato
稔 加藤
Isao Soshi
功 曽雌
Junichi Omi
淳一 尾見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影倍率の変更に伴ってファインダ倍率も変
えることができる沈胴式ズームカメラの小型化を図る。 【構成】 光軸回りに回転して1群レンズを沈胴位置か
ら最小倍率位置直前まで移動させる沈胴カム筒50と、
同じく、光軸回りに回転して1群レンズを最小倍率位置
から最大倍率位置まで移動させるズームカム筒60とを
備えている。沈胴カム筒50及びズームカム筒60に
は、その外周にセクタギヤ54,68が形成されてい
る。さらに、2つのセクタギヤ54,68に係合可能な
カム筒駆動ギヤ71と、このギヤ71を回転させる1個
の駆動モータ73と、ズームカム筒60のセクタギヤ6
8のみに係合するギヤ111と、このギヤ111の回転
でファインダ120に変倍動作させる機構110とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影倍率を変えること
ができると共に、撮影倍率の変更に伴ってファインダー
倍率も変えることができるズームカメラに関し、特に、
最も被写体側のレンズが、本体内に納まっている沈胴位
置と、該沈胴位置よりも被写体側で撮影可能な最低倍率
位置と、該最低倍率位置よりもさらに被写体側で撮影可
能な最高倍率位置とに移動可能な沈胴式ズームカメラに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の沈胴式ズームカメラとしては、例
えば、図8に示すようなものがある。この沈胴式ズーム
カメラは、撮影倍率を変えることができると共に、撮影
倍率の変更に伴ってファインダー倍率及びストロボ照射
角度も変えることができ、且つ、最も被写体側の第1レ
ンズが、本体内に納まっている沈胴位置と、沈胴位置よ
りも被写体側で撮影可能な最低倍率位置と、最低倍率位
置よりもさらに被写体側で撮影可能な最高倍率位置とに
移動可能なものである。この沈胴式ズームカメラは、カ
メラ本体に対して光軸と平行な方向に相対移動可能に設
けられているレンズ支持筒(図示されていない。)と、
カメラ本体に対して光軸回りに相対回転可能に設けられ
ているカム筒2と、カム筒2を回転させる駆動モータ1
と、カム筒1の回転に伴ってファインダ120に変倍動
作をさせると共にストロボ130に照射角変更動作をさ
せる変倍・変角機構5とを備えている。
【0003】カム筒2には、このカム筒2の回転に伴っ
て沈胴位置から最小倍率位置を経て最大倍率位置にレン
ズ支持筒を移動させるためのカム3が形成されていると
共に、この外周に円周方向に伸びるギヤ4が形成されて
いる。変倍・変角機構5は、カム筒2のギヤ4に係合す
るギヤ群6と、このギヤ群6の動作により揺動する変倍
・変角用カム体7と、ファインダー120の移動レンズ
121,122及びストロボ本体131を光軸と平行な
方向へ移動するよう案内する案内軸116,117とを
有して構成されている。変倍・変角用カム体7は、ファ
インダー120の移動レンズ121,122を支持する
レンズ支持軸126,127が係合するファインダ変倍
用カム7a,7bと、ストロボ本体131の支持軸13
4が係合するストロボ照射角変更用カム7cとが形成さ
れている。
【0004】この従来技術において、沈胴位置の状態か
ら撮影可能な状態(最低倍率位置から最高倍率位置迄の
間の状態)にするため、駆動モータ1を駆動すると、カ
ム筒2が回転する。このカム筒2の回転に伴い、レンズ
支持筒が沈胴位置から最低倍率位置迄移動する一方で、
変倍・変角用カム体7が揺動して、ファインダー120
の移動レンズ121,122及びストロボ本体131が
光軸と平行な方向に移動する。また、撮影可能な状態
で、駆動モータ1を駆動してカム筒2を回転させると、
レンズ支持筒が最低倍率位置と最高倍率位置との間で移
動する一方で、変倍・変角用カム体7が揺動して、ファ
インダー120の移動レンズ121,122及びストロ
ボ本体131が光軸と平行な方向に移動し、撮影倍率に
対応したファインダ倍率になると共に、同じく撮影倍率
に対応したストロボ照射角になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術では、撮影可能な状態において変倍・変角
動作すれば十分なファインダやストロボが、沈胴位置か
ら最低倍率位置までの間の移動に対しても、変倍・変角
動作してしまう。具体的には、レンズ支持筒の沈胴位置
から最低倍率位置までの間の移動に対しても、変倍・変
角用カム体7が揺動して、ファインダー120の移動レ
ンズ121,122及びストロボ本体131が移動する
ことになる。このように、撮影不可能な状態において
も、ファインダ120及びストロボ130が変倍・変角
動作してしまうため、ファインダ120の移動レンズ1
21,122の移動範囲、及びストロボ本体131の移
動範囲が大きくなると共に、これらの移動を確保する変
倍・変角用カム体7も大きくなり、カメラ全体が大型化
するという問題点がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、カメラ全体の小型化を図ることが
できる沈胴式ズームカメラを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の沈胴式ズームカメラは、撮影倍率を変えることができ
ると共に、撮影倍率の変更に伴ってファインダー倍率も
変えることができるズームカメラであって、鏡筒に納ま
っている複数のレンズのうち、最も被写体側の第1レン
ズが、本体内に納まっている沈胴位置と、該沈胴位置よ
りも被写体側で撮影可能な最低倍率位置と、該最低倍率
位置よりもさらに被写体側で撮影可能な最高倍率位置と
に移動可能な沈胴式ズームカメラにおいて、前記鏡筒
は、前記第1レンズを支持し前記本体に対して光軸と平
行な方向に相対移動可能に設けられているレンズ支持筒
と、該本体に対して相対移動不能に該レンズ支持筒の外
周に設けられている固定筒と、該本体に対して光軸回り
に相対回転可能に該固定筒の外側に設けられている沈胴
カム筒と、該本体に対して光軸回りに相対回転可能に該
固定筒の外側で且つ該沈胴カム筒よりも被写体側に設け
られているズームカム筒とを有し、前記レンズ支持筒に
は、光軸に対して放射方向に突出した従動突起部が形成
され、前記固定筒には、前記第1レンズが前記沈胴位置
から前記最大倍率位置迄移動する間で前記従動突起部が
係合可能で、且つ該従動突起部を光軸と平行な方向へ案
内する直進案内部が形成され、前記沈胴カム筒には、前
記第1レンズが前記沈胴位置から前記最低倍率位置に至
る直前までの間で前記従動突起部が係合可能で且つ前記
光軸に対してスパイラル状のカム部が形成されていると
共に、この外周に円周方向に伸びるセクタギヤ部が形成
され、前記ズームカム筒には、前記第1レンズが前記最
低倍率位置から前記最大倍率位置に移動する間で前記従
動突起部が係合可能で且つ前記光軸に対してスパイラル
状のカム部が形成されていると共に、この外周に円周方
向に伸びるセクタギヤ部が形成され、前記ズームカム筒
のセクタギヤ部及び前記沈胴カム筒のセクタギヤ部に係
合可能なカム筒駆動ギヤと、前記カム筒駆動ギヤを回転
させる1の駆動源と、前記ズームカム筒のセクタギヤ部
にのみ係合可能な変倍ギヤと、前記変倍ギヤの回転に伴
い前記ファインダに変倍動作させる変倍機構とを備え、
前記沈胴カム筒が回転して、該沈胴カム筒のカム部及び
前記固定筒の直進案内部に係合している前記従動突起部
の移動により、前記第1レンズを前記沈胴位置から少な
くとも前記最小倍率位置の直前まで移動させることがで
きる範囲で、前記沈胴カム筒のセクタギヤ部は、前記カ
ム筒駆動ギヤに係合可能に形成され、前記ズームカム筒
が回転して、該ズームカム筒のカム部及び前記固定筒の
直進案内部に係合している前記従動突起部の移動によ
り、前記第1レンズを前記最小倍率位置直前から前記最
大倍率位置まで移動させることができる範囲で、該ズー
ムカム筒の前記セクタギヤ部は、前記カム筒駆動ギヤに
係合可能に形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】沈胴位置の状態では、カム筒駆動ギヤと沈胴カ
ム筒のセクタギヤとが係合している。また、レンズ支持
筒に形成されている従動突起部は、固定筒の直進案内部
と沈胴カム筒のカム部とに係合している。この沈胴位置
の状態において、駆動源を駆動させると、カム筒駆動ギ
ヤが回転して、沈胴カム筒が回転する。沈胴カム筒が回
転すると、これに形成されているカムの位置も変わるた
め、このカムに係合している従動突起部は、光軸と平行
な方向成分を含む方向へ移動しようとする。この際、従
動突起部は、固定筒の直進案内部にも係合しているの
で、この直進案内部に案内されて、光軸と平行な方向へ
移動する。沈胴カム筒が回転して、第1レンズが最小倍
率位置直前まで至ると、沈胴カム筒のカム部に係合して
いた従動突起部は、ズームカム筒のカム部に乗り移る。
さらに、カム筒駆動ギヤは、ズームカム筒のセクタギヤ
に係合する。このため、カム筒駆動ギヤの回転で、最小
倍率位置からはズームカム筒が回転して、第1レンズを
移動させる。
【0009】ところで、変倍ギヤは、ズームカム筒のセ
クタギヤのみに係合しているため、ファインダは、変倍
ギヤが回転する、つまりズームカム筒が回転する最小倍
率位置の状態から最大倍率位置の状態までの間で変倍動
作することになる。換言すれば、ズームカム筒の回転の
みで動作するファインダ変倍機構、さらにこの変倍機構
で変倍動作するファインダは、撮影不可能な沈胴位置の
状態から最小倍率位置直前の状態までの間は動作しな
い。従って、ファインダ自体の可動部分の動作ストロー
ク、及びこのファインダの変倍機構の可動部分の動作ス
トロークを短くすることができ、カメラ全体の小型化を
図ることができる。また、一般的に、2つのカム筒を別
々に回転させようとすると、それぞれに独立した駆動源
を設けてしまうことが通例である。しかしながら、本発
明では、それぞれのカム筒の外周にセクタギヤを形成
し、且つ、各カム筒を回転させたい状態に併せて、それ
ぞれのセクタギヤの形成領域を定めているので、これら
セクタギヤに1個のカム筒駆動ギヤを係合させて、これ
を1個の駆動源で回転させることで、2つのカム筒を別
々に回転させることができる。従って、カム筒を2分割
したことに伴う、カメラの大型化を防ぐことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る沈胴式ズームカメラの一
実施例について、図1〜図7を用いて説明する。本実施
例の沈胴式ズームカメラは、図1に示すように、カメラ
本体とカメラ本体内に沈胴可能な鏡筒装置とを有して構
成されている。
【0011】鏡筒装置内には、被写体側より順に、1群
レンズ15、2群前レンズ23、2群後レンズ27、3
群レンズ36が納められている。鏡筒装置は、1群レン
ズ15の前に配されている絞り環85と、1群レンズ1
5を支持する1群レンズ支持筒10と、シャッタ膜21
を有すると共に2群前レンズ23を支持するシャッタブ
ロック20と、2群後レンズ27をレンズ支持環26を
介して支持する防振ユニット25と、3群レンズ36を
支持するヘリコイド環34と、ヘリコイド環34を光軸
回りに回転させつつ光軸Cと平行な方向に移動させるフ
ォーカスユニット30と、本体ベース102に固定され
ている固定筒40と、2群後レンズ27を支持する防振
ユニット25に対して光軸Cと平行な方向に1群レンズ
筒10が相対移動した際の間隙を遮蔽するための遮光筒
87と、固定筒40の外周に光軸回りに回転可能に設け
られているズームカム筒60及び沈胴カム筒50と、こ
れらズームカム筒60及び沈胴カム筒50を回転させる
カム筒回転機構70と、ズームカム筒60の内周側と固
定筒40の外周側との間に配され光軸Cと平行な方向に
移動可能に設けられているリフトコマ80と、ズームカ
ム筒60と沈胴カム筒50とのうち一方のカム筒の回転
に伴って他方のカム筒が回転しないよう他方のカム筒の
回転を拘束するカム筒回転拘束機構90とを有して構成
されている。
【0012】絞り環85は、1群レンズ15に入射する
光をある程度絞れるように、1群レンズ支持筒10に固
定されている。シャッタブロック20は、ビス22によ
り防振ユニット25に固定されている。防振ユニット2
5は、いわゆる手振れを防ぐために、レンズ支持環26
ごと2群後レンズ27を光軸Cに対して直角方向へ移動
させる機構(図示されていない。)を有している。3群
レンズ36を支持するヘリコイド環34の外周には、雄
ヘリコイド35が形成され、フォーカスユニット30の
内周には、この雄ヘリコイド35に螺合する雌ヘリコイ
ド31が形成されている。フォーカスユニット30は、
ヘリコイド環34と共に3群レンズ36を光軸回りに回
転させつつ、光軸Cと平行な方向に移動させる機構を有
している。
【0013】1群レンズ支持筒10は、その最もフィル
ム側に、放射方向(光軸Cから遠ざかる方向)に突出し
た1群用フォロアピン11が形成されている。また、防
振ユニット25にも、その最もフィルム側に、放射方向
に突出した2群用フォロアピン28が形成されている。
さらに、フォーカスユニット30にも、その最も被写体
側に、放射方向に突出した3群用フォロアピン32が形
成されている。各フォロアピン11,28,32は、そ
の基部側が円筒部12a,29a,33aを形成し、そ
の先端側がテーパ部12b,29b,33bを形成して
いる。
【0014】固定筒40には、図1及び図3に示すよう
に、1群用フォロアピン11、2群用フォロアピン2
8、3群用フォロアピン32の移動をそれぞれ光軸Cと
平行な方向に案内する直進案内孔41,42,43が形
成されている。各直進案内孔41,42,43は、光軸
Cと平行な方向に長く、且つその移動距離が最も長い1
群レンズ15の移動距離に対応した長さの長孔になって
いる。各直進案内孔41,42,43には、対応するフ
ォロアピン11,28,32が挿通されている。各フォ
ロアピン11,28,32は、その円筒部12a,29
a,33aが直進案内孔41,42,43の内面に摺接
し、そのテーパ部12b,29b,33bが直進案内孔
41,42,43から固定筒40の外周側に突出してい
る。固定筒40には、ズームカム筒60及び沈胴カム筒
50の光軸Cと平行な方向への移動を規制するために、
そのフィルム側端部に外周方向に突出した鍔44が形成
され、その被写体側端部にリング46が設けられてい
る。
【0015】ズームカム筒60は、そのフィルム側の板
厚が薄くなっている。また、沈胴カム筒50は、その被
写体側の板厚が薄くなっている。ズームカム筒60と沈
胴カム筒50とは、両者の板厚が薄くなっているところ
相互で重なり合っている。ズームカム筒60及び沈胴カ
ム筒50には、図1及び図3に示すように、各フォロア
ピン11,28,32のテーパ部12b,29b,33
bが係合するカム51,61,62,63が形成されて
いる。各カム51,61,62,63は、光軸Cに対し
て基本的にスパイラル状を成している。ズームカム筒6
0のカム61,62,63としては、その板厚が厚い部
分(被写体側の部分=インナーカム部64)に形成され
ているインナーカム(筒の内周側に形成され、溝底を有
するカム)61a,62a,63aと、その板厚が薄い
部分(フィルム側の部分=スルーカム部65)に形成さ
れているスルーカム(筒の内周側から外周側へ貫通して
いるカム)61b,62b,63bとがある。このイン
ナーカム61a,62a,63aとスルーカム61b,
62b,63bとは、1つのフォロアピン11,28,
32が係合するよう、両者の端部でつながって、1つの
カム61,62,63を形成している。1群用フォロア
ピン11が係合する1群用カム61は、その端から端ま
で光軸Cに対してスパイラルになるよう形成されてい
る。また、3群用フォロアピン32が係合する3群用カ
ム63は、インナーカム部64においては、完全に光軸
Cに対してスパイラル方向に伸び、スルーカム部65に
おいては、被写体側が光軸Cに対してスパイラル方向に
伸び、フィルム側で光軸Cに対して垂直方向に伸びてい
る。なお、この光軸Cに対して垂直方向に伸びているカ
ム63の部分を垂直部63cとする。2群用フォロアピ
ン28が係合する2群用カム62は、インナーカム部6
4およびスルーカム部65において、光軸Cに対してス
パイラル方向に伸びている。但し、2群用カム62は、
被写体側の一部にのみしか形成されていない。ズームカ
ム筒60のスルーカム部65には、リフトコマ80が入
り込み、これを光軸Cと平行な方向に移動させるための
リフトコマ収納部66が形成されている。このリフトコ
マ収納部66は、2群用カム62のフィルム側端部と接
続されている。リフトコマ80には、光軸Cに対して放
射方向に突出するフォロアピン81が形成されている。
沈胴カム筒50には、リフトコマ80のフォロアピン8
1が係合するインナーカム52、及び1群用フォロアピ
ン11が係合する1群用カム51が形成されている。こ
のインナーカム52は、光軸Cに対して垂直な方向に伸
びている垂直部52bと光軸Cに対して斜めの方向に伸
びている斜め部52aとを有している。沈胴カム筒50
の被写体側端部には、被写体側に突出した爪53が形成
されている。一方、ズームカム筒60の厚さが変わる段
差部67aには、沈胴カム筒50の爪53が入り込む切
欠き67が形成されている。この切欠き67と爪53と
は、沈胴カム筒50とズームカム筒60との相対的な回
転を確保する一方で、沈胴カム筒50とズームカム筒6
0との一体的な回転を確保するためのものである。ズー
ムカム筒60には、その外周側で且つ段差部67aに円
周方向に伸びるセクタギヤ68が形成されている。ま
た、沈胴カム筒50にも、その外周側で且つ被写体側端
部に円周方向に伸びるセクタギヤ54が形成されてい
る。両セクタギヤ54,68の円周方向の位置関係につ
いては、本実施例の動作を説明する際に説明する。
【0016】ズームカム筒60及び沈胴カム筒50の外
周側には、これらの筒50,60を光軸回りに回転させ
るため、これらセクタギヤ54,68に係合するカム筒
駆動ギヤ71、このカム筒駆動ギヤ71に係合する他の
ギヤ72、及びこのギヤ72を回転させる駆動モータ7
3が設けられている。カム筒回転機構70は、これらセ
クタギヤ54,68、ギヤ71,72、及びカム筒駆動
モータ73で構成されている。ズームカム筒60及び沈
胴カム筒50の外周側には、さらに、沈胴カム筒50の
爪53がズームカム筒60の切欠き67の端部に当接せ
ず、両カム筒50,60が相対回転可能な際に、一方の
カム筒の回転に対して他方のカム筒がこの回転に伴って
回転しないようにするための回転拘束機構90が設けら
れている。
【0017】この回転拘束機構90としては、ズームカ
ム筒60の回転を拘束するズームカム筒用と沈胴カム筒
50の回転を拘束する沈胴カム筒用とがある。回転拘束
機構90は、略コの字型を成し、その一端に係止端92
a,92bが形成され、その他端にカムフォロア端93
a,93bが形成されている回転拘束レバー91a,9
1bと、この回転拘束レバー91a,91bの係止端9
2a,92bが係止される被係止部55a,69bと、
回転拘束レバー91a,91bのカムフォロア端93
a,93bが当接する回転拘束用カム69a,55b
と、回転拘束レバー91a,91bを揺動可能に支持す
る揺動軸94a,94bと、回転拘束レバー91a,9
1bのカムフォロア端93a,93bが回転拘束用カム
69a,55bに当接する方向で且つ係止端92a,9
2bが被係止部55a,69bから遠ざかる方向に回転
拘束レバー91a,91bを付勢するバネ95a,95
bとを有して構成されている。ズームカム筒用90b
は、その回転拘束用カム55bが沈胴カム筒50の外周
面に形成され、その被係止部69bがズームカム筒60
の外周に形成されている。また、沈胴カム筒用90a
は、その回転拘束用カム69aがズームカム筒60の外
周面に形成され、その被係止部55aが沈胴カム筒50
の外周面に形成されている。なお、図3においては、回
転拘束機構90の動作を理解しやすくするために模式的
に描いているが、実際には、図1及び図7に示すよう
に、回転拘束レバー91は、両カム筒50,60に跨る
よう光軸Cと平行な方向に伸び、その揺動軸95も光軸
Cと平行な方向に伸びている。但し、これらの図面で
は、ズームカム筒用90bと沈胴カム筒用90aとのう
ち、一方しか描いていない。
【0018】なお、リフトコマ80、リフトコマ収納部
66、各レンズ15,23,36を支持している部材の
各フォロアピン11,28,32、これらのピン11,
28,32が係合するカム51,61,62,63は、
図中、1個しか描いていないが、ガタのない動作を確保
するため、現実には、それぞれ3個づつ設けられてい
る。また、固定筒40の1群用直進案内孔41、2群用
直進案内孔42、3群用直進案内孔43も、各フォロア
ピン11,28,32の数量に対応して、3個づつ形成
されている。
【0019】本体は、図1に示すように、本体の後部に
有する本体ベース102と、本体ベース102や鏡筒装
置を覆う本体カバー101と、フィルム105の装填の
ための裏蓋103と、フィルム105を本体ベース10
2に押し付ける圧板104と、図7に示すように、変倍
可能なファインダー120と、照射角変更可能なストロ
ボ130と、鏡筒装置の動作に伴ってファインダー12
0の変倍動作及びストロボ130の照射角変更動作を行
う変倍・変角機構110と、その他、図示されていな
い、フィルム巻き上げ機構と、フィルム巻き戻し機構等
を備えている。
【0020】ファインダー120は、本体カバー101
に対して移動可能な移動レンズ121,122と、本体
カバー101に対して固定されている固定レンズ123
と、視野枠124と、接眼レンズ125とを有して構成
されている。また、ストロボ130は、ストロボ本体1
31と、ストロボ本体131よりも被写体側に配されて
いるブリネルレンズ(図示されていない。)を有して構
成されている。ストロボ本体131は、発光体132
と、これを覆うストロボカバー133とを有している。
ストロボカバー133には、カムフォロア軸134が設
けられている。ファインダー120の移動レンズ12
1,122は、カムフォロア軸126,127に支持さ
れている。
【0021】変倍・変角機構110は、ズームカム筒6
0のセクタギヤ68と、このセクタギヤ68に係合する
変倍・変角用ギヤ群111,112,113と、このギ
ヤ群111,112,113の動作により揺動する変倍
・変角用カム体114と、変倍・変角用カム体114の揺
動軸115と、ファインダー移動レンズ121,122
及びストロボ本体131を光軸Cと平行な方向へ移動す
るよう案内する案内軸116,117とを有して構成さ
れている。変倍・変角用カム体114は、扇形を成し、
その要部分に、揺動軸115が設けられている。扇形の
変倍・変角用カム体114には、その円弧に該当する部
分に、ギヤ群111,112,113のうちの一のギヤ
113に係合するギヤ114dが形成されている。さら
に、扇形の変倍・変角用カム体114には、このカム体
114の揺動に伴って移動レンズ121,122及びス
トロボ本体131を移動させるためのカム114a,1
14b,114cが形成されている。このカムとして
は、移動レンズ121,122のカムフォロア軸12
6,127の端部が挿入されるファインダ変倍用カム1
14a,114bと、ストロボ本体131のカムフォロ
ア軸134の端部が挿入されるストロボ照射角変更用カ
ム114cとを有している。ファインダ変倍用案内軸1
16及びストロボ照射角変更用案内軸117は、共に光
軸Cと平行に本体カバー101に固定されている。ファ
インダ変倍用案内軸116は、移動レンズ121,12
2のカムフォロア軸126,127に貫通しており、ス
トロボ照射角変更用案内軸117は、ストロボカバー1
33に貫通している。
【0022】次に、本実施例の沈胴式ズームカメラの動
作について説明する。図1及び図3に示すように、沈胴
位置の状態では、鏡筒装置全体が本体カバー101内に
納まっている。この際、1群用フォロアピン11、2群
用フォロアピン28、3群用フォロアピン32は、それ
ぞれ、最もフィルム側に位置している。具体的には、図
3に示すように、1群用フォロアピン11は、沈胴カム
筒50に形成されている1群用カム51の最もフィルム
側に位置し、2群用フォロアピン28は、ズームカム筒
60に形成されているリフトコマ収納部66内に位置
し、3群用フォロアピン32は、ズームカム筒60に形
成されている3群用カム63の垂直部63cに位置して
いる。また、リフトコマ80も、ズームカム筒60のリ
フトコマ収納部66内における最もフィルム側に位置し
ている。このリフトコマ80は、その被写体側端面と2
群用フォロアピン28のテーパ部29aとが接触してい
る。また、カム筒駆動ギヤ71は、沈胴カム筒50の外
周に形成されているセクタギヤ54のみに係合し、ズー
ムカム筒60の外周に形成さているセクタギヤ68に
は、係合していない。
【0023】また、沈胴カム筒回転拘束レバー91aの
係止端92aは、沈胴カム筒50の被係止部55aに係
止されておらず、ズームカム筒回転拘束レバー91bの
係止端92bは、ズームカム筒60の被係止部69bに
係止されている。さらに、沈胴カム筒50の爪53は、
ズームカム筒60の切欠き67の端に至っていない。従
って、ズームカム筒60は、本体に対して回転できず、
沈胴カム筒50は、本体に対して回転できる状態になっ
ている。
【0024】この沈胴位置の状態で、駆動モータ73が
駆動すると、図4に示すように、カム筒駆動ギヤ71が
沈胴カム筒50のセクタギヤ54のみに係合しているの
で、沈胴カム筒50のみが光軸回りに回転する(同図
中、A方向)。この沈胴カム筒50の回転で、沈胴カム
筒50に形成されているリフトコマ用カム52及び1群
用カム51の位置も本体に対して相対的に移動する。こ
の1群用カム51の移動により、1群用カム51に係合
している1群用フォロアピン11は、光軸Cと平行な方
向成分を有する方向へ移動しようとする。この際、1群
用フォロアピン11は、その円筒部12aが固定筒40
の1群用直進案内孔41に係合しているため、光軸Cと
平行な方向に移動する。このため、1群レンズ支持筒1
0が光軸Cと平行な方向に移動し始める。また、リフト
コマ用カム52の移動により、このカム52の斜め部5
2aに係合したリフトコマ80のフォロアピン81は、
光軸Cと平行な方向成分を含む方向へ移動しようとす
る。ところで、リフトコマ80は、リフトコマ収納部6
6により、光軸Cと平行な方向へ移動するよう規制され
ているため、リフトコマ80は、光軸Cと平行な方向に
移動する。このリフトコマ80の移動により、このリフ
トコマ80に当接している2群用フォロアピン28も光
軸Cと平行な方向成分を含む方向に移動しようとする。
この際、2群用フォロアピン28は、その円筒部29a
が固定筒40の2群用直進案内孔42に係合しているた
め、光軸Cと平行な方向に移動する。このため、2群レ
ンズ23,27を支持しているシャッタブロック20及
び防振ユニット25も、光軸Cと平行な方向に移動し始
める。
【0025】すなわち、沈胴位置の状態において、駆動
モータ73が駆動し始めると、沈胴カム筒50のみが回
転して、1群レンズ15及び2群レンズ23,27が光
軸Cと平行な方向へ移動する。なお、3群レンズ36
は、3群用フォロアピン32が回転する沈胴カム筒50
のカムに係合していないので、まったく移動しない。
【0026】この状態から、さらに駆動モータ73が駆
動すると、沈胴カム筒50の爪53がズームカム筒60
の切欠き67の端に当接して、ズームカム筒60も沈胴
カム筒50と共に回転し始める。この際、沈胴カム筒5
0の1群用カム51の被写体側端部と、ズームカム筒6
0の1群用カム61のフィルム側端部との位置が一致
し、1群用フォロアピン11が沈胴カム筒50の1群用
カム51からズームカム筒60の1群用カム61へ乗り
移ることが可能になる。なお、ズームカム筒60の回転
を拘束していたズームカム筒用回転拘束レバー91bの
係止端92bは、この直前に、沈胴カム筒50の被係止
部69bから外れ、ズームカム筒60も本体に対して回
転可能な状態になる。これは、回転拘束レバー91bの
カムフォロア端93bが、沈胴カム筒50に形成されて
いるズームカム筒回転拘束用カム55bの段上部分から
段下部分に当接するようになるため、このカムフォロア
端93bに対して揺動軸94bを中心として対称の位置
に位置している係止端92bがズームカム筒60から遠
ざかる方向に移動するからである。
【0027】沈胴カム筒50の爪53がズームカム筒6
0の切欠き67の端に当接して、ズームカム筒60も沈
胴カム筒50と共に回転し始めると、カム筒駆動ギヤ7
1は、ズームカム筒60のセクタギヤ68にも係合する
ようになる。この際、リフトコマ80は、リフトコマ収
納部66の最も被写体側に位置することになり、リフト
コマ80に当接していた2群用フォロアピン(今までリ
フトコマ収納部66内に位置していた。)28は、ズー
ムカム筒60の2群用カム62bに移る。また、ズーム
カム筒60が回転し始めることで、ズームカム筒60に
形成されている3群用カム63の位置も、本体に対して
相対的に移動し始める。ところで、3群用フォロアピン
32は、3群用カム63の垂直部63cに位置している
ため、ズームカム筒60が回転し始めても、まったく移
動しない。また、1群用フォロアピン11は、沈胴カム
筒50の3群用カム63の移動に伴って、さらに光軸C
と平行な方向に進み、ズームカム筒60に近づいていゆ
く。
【0028】そして、さらに、駆動モータ73が駆動
し、ズームカム筒60及び沈胴カム筒50が回転する
と、図5及び図2に示すように、1群用フォロアピン1
1は、沈胴カム筒50の1群用カム51からズームカム
筒60の1群用カム61に乗り移る。また、2群用フォ
ロアピン28は、ズームカム筒60のスルーカム部65
の2群用カム62bからインナーカム部64の2群用カ
ム62aに移る。さらに、3群用フォロアピン32は、
3群用カム63の垂直部63cからその斜め部に移る。
また、カム筒駆動ギヤ71は、沈胴カム筒50のセクタ
ギヤ54から外れ、ズームカム筒60のセクタギヤ68
にのみ係合するようになる。この状態になると、駆動モ
ータ73が不図の制御装置により停止させられる。この
状態は、撮影可能な最小倍率を確保可能な最小倍率位置
の状態である。なお、この状態になる直前で、沈胴カム
筒回転拘束レバー91aの係止端92aが、沈胴カム筒
50の被係止部55aに係止され、沈胴カム筒50は、
本体に対して回転不能な状態になる。
【0029】ところで、沈胴カム筒50の爪53がズー
ムカム筒60の切欠き67の端に当接して、ズームカム
筒60と沈胴カム筒50とが共に回転し始めてから、最
小倍率位置の状態になるまでの間は、多数の動作が行わ
れ、カム筒50,60の回転角は大きいようであるが、
実際には、この間のカム筒50,60の回転角は僅か
で、最小倍率位置の状態に至る直前で、以上の多数の動
作が行われている。
【0030】最小倍率位置の状態で、撮影者が他の倍率
を所望して倍率指定動作をすると、再び、制御装置の指
示で駆動モータ73が駆動し始める。カム筒駆動ギヤ7
1は、ズームカム筒60のセクタギヤ68にのみ係合し
ているので、駆動モータ73の駆動でズームカム筒60
のみが回転し始める。このズームカム筒60の回転で、
ズームカム筒60に形成されている1群用カム61、2
群用カム62、3群用カム63の位置が、本体に対して
相対的に移動して、これらのカム61,62,63に係
合しているフォロアピン11,28,32が光軸Cと平
行な方向へ移動する。このフォロアピン11,28,3
2の移動により、1群レンズ15を支持している1群レ
ンズ支持筒10、2群レンズ23,27を支持している
シャッタブロック20及び防振ユニット25、3群レン
ズ36を支持しているフォーカスユニット30が光軸C
と平行な方向へ移動し、撮影者が所望した倍率を得るこ
とができるようになる。そして、フォーカスユニット3
0が駆動し、ヘリコイド環34を回転させて、3群レン
ズ36を光軸回りに回転させつつ光軸Cと平行な方向へ
僅かに移動させ、焦点調節される。最大倍率を得る場合
には、図6に示すように、1群用フォロアピン11、2
群用フォロアピン28、3群用フォロアピン32は、各
カム61,62,63の最も被写体側に位置することに
なり、各レンズ15,23,27,36も、最も被写体
側に位置することになる。但し、3群レンズ36は、3
群用フォロアピン32が3群用カム63の最も被写体側
に位置していても、焦点調節のため、フォーカスユニッ
ト30の駆動により、最も被写体側に位置していない場
合があることは言うまでもない。
【0031】次に、最小倍率位置の状態から沈胴位置の
状態への繰込動作について説明する。この繰込動作は、
以上の繰出動作の逆の動作と基本的に同一である。但
し、1点だけ異なる動作がある。2群用フォロアピン2
8は、繰出動作の際、リフトコマ80の移動により被写
体側へ移動することができたが、繰込動作の際は、リフ
トコマ80が移動してもフィルム側へ移動することがで
きない。そこで、この場合、図1に示すように、1群レ
ンズ支持筒10のフィルム側端部14で、2群用フォロ
アピン28が形成されている防振ユニット25をフィル
ム側へ押して、2群用フォロアピン28をフィルム側へ
移動させている。
【0032】次に、ファインダ120の変倍動作及びス
トロボ130の照射角変更動作について、図7を用いて
説明する。ズームカム筒60が回転すると、ズームカム
筒60のセクタギヤ68に係合している変倍・変角用ギ
ヤ群111,112,113が回転する。このギヤ群1
11,112,113の回転により、変倍・変角用カム
体114が揺動軸115を中心として揺動する。この変
倍・変角用カム体114の揺動で、変倍・変角用カム体1
14に形成されているファインダ変倍用カム114a,
114bと照射角変更用カム114cの位置が本体に対
して相対移動し、これらのカム114a,114b,1
14cに係合しているファインダ移動レンズ121,1
22のカムフォロア軸126,127及びストロボ13
0のカムフォロア軸134とが光軸と平行な方向成分を
含む方向に移動しようとする。この際、ファインダ移動
レンズ121,122のカムフォロア軸1269,12
7は、ファインダ変倍用案内軸116に案内され、スト
ロボ本体131がストロボ照射角変更用案内軸117に
案内されるため、ファインダ移動レンズ121,122
及びストロボ本体131は光軸と平行な方向へ移動し、
撮影倍率に対応したファインダ倍率及びストロボ照射角
度になる。
【0033】ここで、カム筒50,60の回転について
簡単に整理する。沈胴カム筒50のセクタギヤ54は、
沈胴位置の状態から最小倍率位置直前の状態になる迄の
間に形成されている。また、ズームカム筒60のセクタ
ギヤ68は、最小倍率位置直前の状態から最大倍率位置
の状態になる迄の間に形成されている。このため、これ
らセクタギヤ54,68に係合するカム筒駆動ギヤ71
の回転に対して、沈胴位置の状態から最小倍率位置の状
態になる際には、当初、沈胴カム筒50のみが回転し、
最小倍率位置の直前の状態になると、沈胴カム筒50と
ズームカム筒60とが回転する。また、最小倍率位置の
状態から最大倍率位置の状態になる際には、ズームカム
筒60のみが回転する。すなわち、ズームカム筒60
は、最小倍率位置の直前の状態から最大倍率位置の状態
までの間で回転する。
【0034】ところで、変倍・変角機構110は、ズー
ムカム筒60の回転により動作する。このため、ファイ
ンダ移動レンズ121,122とストロボ本体131と
は、撮影不可能な沈胴位置の状態から最小倍率位置直前
の状態までの間では移動せず、最小倍率位置直前の状態
から最大倍率位置の状態までの間で移動する。従って、
本実施例では、ファインダ移動レンズ121,122と
ストロボ本体131の移動距離や、変倍・変角用カム体
114の揺動範囲が小さくなると共に、変倍・変角用カ
ム体114の各カムの長さが短くなり、カメラ全体の小
型化を図ることができる。
【0035】一般的に、2つの筒50,60を別々に回
転させようとすると、それぞれに独立した駆動源を設け
てしまうことが通例である。しかしながら、本実施例で
は、それぞれの筒50,60の外周にセクタギヤ54,
68を形成し、且つ、各筒50,60を回転させたい状
態に併せて、それぞれのセクタギヤ54,68の形成領
域を定めているので、これらセクタギヤ54,68に係
合する1個のギヤ71を1個の駆動源73で回転させる
ことで、2つの筒50,60を別々に回転させることが
できる。従って、カム筒を2分割したことで、2つの駆
動源を設ける必要はなく、カム筒回転機構70回りが大
型化することはない。
【0036】また、本実施例では、2分割したカム筒相
互が部分的に重なり合うようにしているので、2つのカ
ム筒50,60相互間を完全に遮光することができる。
なお、本実施例の場合、各レンズの移動範囲の位置や、
ズームカム筒60と沈胴カム筒50との相対回転でリフ
トコマ80を移動させる関係上、必然的に、2つのカム
筒50,60相互が部分的に重なり合っているが、光学
設計上で、このような制約を受けない場合であっても、
完全な遮光を実現すべく、2つのカム筒50,60相互
を部分的に重ね合わせることが好ましい。さらに、本実
施例では、カム筒回転拘束機構90を設けたので、一方
のカム筒を回転させ、且つ他方のカム筒を停止させてお
く状態において、一方のカム筒の回転で他方のカム筒が
回転することはなく、一方のカム筒から他方のカム筒に
フォロアピン11が移動する際の両カム筒の回転角位相
ズレを防ぐことができる。
【0037】
【発明の効果】本発明では、沈胴位置の状態から最小倍
率位置直前の状態迄の間は、沈胴カム筒の回転により第
1レンズを移動させ、最小倍率位置から最大倍率位置の
状態迄の間は、ズームカム筒の回転のみで第1レンズを
移動させている。このため、ズームカム筒の回転のみで
動作するファインダの変倍機構、さらにこの変倍機構で
変倍動作するファインダは、撮影不可能な沈胴位置の状
態から最小倍率位置直前の状態までの間は動作しない。
従って、本発明によれば、ファインダ自体の可動部分の
動作ストローク、及びこのファインダの変倍機構の可動
部分の動作ストロークを短くすることができ、カメラ全
体の小型化を図ることができる。
【0038】また、一般的に、2つの筒を別々に回転さ
せようとすると、それぞれに独立した駆動源を設けてし
まうことが通例であるが、本発明では、2つのカム筒を
1つの駆動源で回転させているので、カム筒を2分割し
たことに伴う、カメラの大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の沈胴式ズームカメラの
断面図(沈胴位置の状態)である。
【図2】本発明に係る一実施例の沈胴式ズームカメラの
鏡筒部の断面図(最小倍率位置の状態)である。
【図3】本発明に係る一実施例の沈胴カム筒とズームカ
ム筒の展開図(沈胴位置の状態)である。
【図4】本発明に係る一実施例の沈胴カム筒とズームカ
ム筒の展開図(沈胴位置と最小倍率位置との中間位置に
おける状態)である。
【図5】本発明に係る一実施例の沈胴カム筒とズームカ
ム筒の展開図(最小倍率位置の状態)である。
【図6】本発明に係る一実施例の沈胴カム筒とズームカ
ム筒の展開図(最大倍率位置の状態)である。
【図7】本発明に係る一実施例の沈胴式ズームカメラの
要部展開斜視図である。
【図8】従来の沈胴式ズームカメラの要部展開斜視図で
ある。
【符号の説明】
10…1群レンズ支持筒、11…1群用フォロアピン、
15…1群レンズ、20…シャッタブロック、23…2
群前レンズ、25…防振ユニット、27…2群後レン
ズ、28…2群用フォロアピン、30…フォーカスユニ
ット、32…3群用フォロアピン、36…3群レンズ、
40…固定筒、41…1群用直進案内孔、42…2群用
直進案内孔、43…3群用直進案内孔、50…沈胴カム
筒、51…(沈胴カム筒の)1群用インナーカム、52
…リフトコマ用カム、53…爪、54…(沈胴カム筒
の)セクタギヤ、55a…(沈胴カム筒の)被係止部、
55b…ズームカム筒回転拘束用カム、60…ズームカ
ム筒、61…(ズームカム筒の)1群用カム、61a…
1群用インナーカム、61b…1群用スルーカム、62
…2群用カム、62a…2群用インナーカム、62b…
2群用スルーカム、63…3群用カム、63a…3群用
インナーカム、63b…3群用スルーカム、64…イン
ナーカム部、65…スルーカム部、66…リフトコマ収
納部、67…切欠き、68…(ズームカム筒の)セクタ
ギヤ、69a…沈胴カム筒回転拘束用カム、69b…
(ズームカム筒の)被係止部、70…カム筒回転機構、
71…カム筒駆動ギヤ、73…駆動モータ、80…リフ
トコマ、81…リフトコマフォロアピン、90…カム筒
回転拘束機構、90a…沈胴カム筒回転拘束機構、90
b…ズームカム筒回転拘束機構、91a,91b…回転
拘束レバー、92a,92b…係止端、93a,93b
…カムフォロア端、101…本体カバー、102…本体
ベース、103…裏蓋、105…フィルム、110…変
倍・変角機構、114…変倍・変角用カム体、114a,
114b…ファインダ変倍用カム、114c…ストロボ
照射角変更用カム、120…ファインダ、121,12
2…移動レンズ、125…接眼レンズ、130…ストロ
ボ、131…ストロボ本体、132…発光体、133…
ストロボカバー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽雌 功 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 尾見 淳一 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影倍率を変えることができると共に、撮
    影倍率の変更に伴ってファインダー倍率も変えることが
    できるズームカメラであって、 鏡筒に納まっている複数のレンズのうち、最も被写体側
    の第1レンズが、本体内に納まっている沈胴位置と、該
    沈胴位置よりも被写体側で撮影可能な最低倍率位置と、
    該最低倍率位置よりもさらに被写体側で撮影可能な最高
    倍率位置とに移動可能な沈胴式ズームカメラにおいて、 前記鏡筒は、前記第1レンズを支持し前記本体に対して
    光軸と平行な方向に相対移動可能に設けられているレン
    ズ支持筒と、該本体に対して相対移動不能に該レンズ支
    持筒の外周に設けられている固定筒と、該本体に対して
    光軸回りに相対回転可能に該固定筒の外側に設けられて
    いる沈胴カム筒と、該本体に対して光軸回りに相対回転
    可能に該固定筒の外側で且つ該沈胴カム筒よりも被写体
    側に設けられているズームカム筒とを有し、 前記レンズ支持筒には、光軸に対して放射方向に突出し
    た従動突起部が形成され、 前記固定筒には、前記第1レンズが前記沈胴位置から前
    記最大倍率位置迄移動する間で前記従動突起部が係合可
    能で、且つ該従動突起部を光軸と平行な方向へ案内する
    直進案内部が形成され、 前記沈胴カム筒には、前記第1レンズが前記沈胴位置か
    ら前記最低倍率位置に至る直前までの間で前記従動突起
    部が係合可能で且つ前記光軸に対してスパイラル状のカ
    ム部が形成されていると共に、この外周に円周方向に伸
    びるセクタギヤ部が形成され、 前記ズームカム筒には、前記第1レンズが前記最低倍率
    位置から前記最大倍率位置に移動する間で前記従動突起
    部が係合可能で且つ前記光軸に対してスパイラル状のカ
    ム部が形成されていると共に、この外周に円周方向に伸
    びるセクタギヤ部が形成され、 前記ズームカム筒のセクタギヤ部及び前記沈胴カム筒の
    セクタギヤ部に係合可能なカム筒駆動ギヤと、 前記カム筒駆動ギヤを回転させる1の駆動源と、 前記ズームカム筒のセクタギヤ部にのみ係合可能な変倍
    ギヤと、 前記変倍ギヤの回転に伴い前記ファインダに変倍動作さ
    せる変倍機構とを備え、 前記沈胴カム筒が回転して、該沈胴カム筒のカム部及び
    前記固定筒の直進案内部に係合している前記従動突起部
    の移動により、前記第1レンズを前記沈胴位置から少な
    くとも前記最小倍率位置の直前まで移動させることがで
    きる範囲で、前記沈胴カム筒のセクタギヤ部は、前記カ
    ム筒駆動ギヤに係合可能に形成され、 前記ズームカム筒が回転して、該ズームカム筒のカム部
    及び前記固定筒の直進案内部に係合している前記従動突
    起部の移動により、前記第1レンズを少なくとも前記最
    小倍率位置から前記最大倍率位置まで移動させることが
    できる範囲で、該ズームカム筒の前記セクタギヤ部は、
    前記カム筒駆動ギヤに係合可能に形成されていることを
    特徴とする沈胴式ズームカメラ。
  2. 【請求項2】照射角度の変更が可能なストロボを備え、 前記変倍機構は、前記変倍ギヤの回転に伴い前記ストロ
    ボに変角動作させることができる構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の沈胴式ズームカメラ。
JP30253193A 1993-07-16 1993-12-02 沈胴式ズームカメラ、及びこれに用いられる鏡筒装置 Expired - Lifetime JP3427107B2 (ja)

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