JPH0715977Y2 - カードロック装置 - Google Patents

カードロック装置

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JPH0715977Y2
JPH0715977Y2 JP1803189U JP1803189U JPH0715977Y2 JP H0715977 Y2 JPH0715977 Y2 JP H0715977Y2 JP 1803189 U JP1803189 U JP 1803189U JP 1803189 U JP1803189 U JP 1803189U JP H0715977 Y2 JPH0715977 Y2 JP H0715977Y2
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光治 戸田
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昭和ロック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、扉等の被ロック部材に取り付けられ、カード
を挿入することにより、被ロック部材のロック又はロッ
ク解除を行うカードロック装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、扉等に取り付けられ、磁気カードを挿入して電磁
的な照合を行うことにより、ロック及びロック解除を行
えるようにしたカードロック装置が知られている。とこ
ろが、かかる装置は、電磁的な照合装置及び作動用のア
クチュエータ等を必要とするため、一般に高価となるば
かりでなく、故障が発生しやすいという問題を有してい
た。
そこで、カードロック装置内に不正カード等の挿入を防
止するための照合用の磁性ピンを配置するとともに、正
規のカードには上記磁性ピンを磁気的な反発力で移動さ
せることにより、カードの挿入を許容する着磁部を埋込
み状態で設け、カードを挿入した状態で、手動によりロ
ック及びロック解除を行えるように構成した機械式のカ
ードロック装置が本件出願人により先に特許出願されて
いる(特願昭62−314496号(特開平1−154983号))。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、アパート、賃貸マンション等の賃貸住宅等に
おいて、入居者が、例えば、家賃の滞納等の契約不履行
を犯しつつ入居を継続する場合、家主側が何らかの対抗
措置を取る必要が生じることがある。その場合、例え
ば、アパート等の扉にカードロック装置が使用されてい
れば、カードの所有者によるカードロック装置の作動を
不可能とすることを家主の対抗策とすることが考えられ
る。又、それ以外でも、カードロック装置を備えたホテ
ル、病院等において、カードの所有者以外の者が必要に
応じて、カードロック装置を作動不可能とすることが有
益な状況が考えられる。そこで、本考案は、アパートの
入居人等、部屋の専有者以外の者が所有するキー等の操
作部材により、必要に応じて、カードロック装置の作動
を不可能とできるようにすることを課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係るカードロック装置は、上記の課題を解決す
るために、被ロック部材に取り付けられたカードロック
装置本体と、このカードロック装置本体に設けられ、上
記被ロック部材を所定位置に係合する係合部材と、カー
ドロック装置本体に設けられ、上記被ロック部材を所定
位置にロックするロック部材と、上記係合部材を作動さ
せる作動部材と、作動部材に連動してカードロック装置
本体に対し移動自在とされるとともに、ロック部材に係
合可能な可動係合部を可動状態で支持し、可動係合部を
ロック部材に係合させた状態でカードロック装置本体に
対し移動することによりロック部材を作動させる移動部
材と、カードによる押圧力を受けてカードロック装置本
体に対し移動できるようにカードロック装置本体により
支持され、上記移動部材が一方の移動端部に位置してい
る時にカードロック装置本体に対し移動することにより
可動係合部をロック部材に係合させる従動部材と、カー
ドロック装置本体により支持され、着脱自在に装着され
る操作部材の操作力に応じて移動部材を上記一方の移動
端部から離れる方向に移動させるシャットアウト部材と
が備えられていることを特徴とするものである。
〔作用〕
上記の構成によれば、扉等に取り付けられたカードロッ
ク装置のロック解除状態で、扉等の被ロック部材を開く
際には、作動部材により上記係合部材と所定位置との係
合を解除すれば良い。又、扉等を閉じた後には、作動部
材により係合部材を所定位置に係合させる。
次に、カードを使用して、ロック又はロック解除操作を
行う場合は、移動部材を上記一方の移動端部に位置させ
た状態で、カードロック装置にカードを挿入し、カード
の押圧力により従動部材を移動させる。それにより、移
動部材における可動係合部がロック部材に係合する。引
続き、作動部材により移動部材を移動させると、可動係
合部によりロック部材が作動され、ロック又はロック解
除が行われる。
又、カードロック装置のロック又はロック解除操作を不
可能とする場合は、操作部材をシャットアウト部材に装
着し、シャットアウト部材により移動部材を上記一方の
移動端部から離れる方向に移動させる。これにより、カ
ードを挿入しても、可動係合部はロック部材に係合しな
いようになるので、移動部材を移動させても、ロック部
材は作動されない。
〔実施例〕
本考案の一実施例を第1図乃至第18図に基づいて説明す
れば、以下の通りである。
本考案に係るカードロック装置は、住宅、ホテル等、各
種建築物の扉等の被ロック部材に取り付けて使用するも
のである。第3図(a)及び第5図(a)に示すよう
に、このカードロック装置は、上記扉の外面側に露出す
る外面側長座1と、その内側に結合される外面側補強長
座2、及び上記扉の内面側に露出する内面側長座3と、
その内側に結合される内面側補強長座4を含むカードロ
ック装置本体(以下、単に本体と呼ぶ)5を備えてい
る。外面側長座1と内面側長座3とは、外面側補強長座
2の内側に配置されたカバー6(第6図(a)(b)参
照)、内面側補強長座4の内側に配置された引付板7及
び本体5の厚み方向に延びる複数の引付脚8・8…を介
して連結されている。
本体5の上部には、外面側長座1から内面側長座3に渡
って、カード読取装置10が本体5の厚み方向を向けて配
置されている。このカード読取装置10は外面側補強長座
2に固定されるとともに、外面側長座1側の端部にカー
ド11(第7図参照)の挿入口10aを備えている。カード
読取装置10に対応する部位の外面側長座1の表面には化
粧板12が、内面側長座3の表面には化粧カバー13がそれ
ぞれ装着されている。
第8図(a)に模式的に示すように、カード読取装置10
内には、垂直方向に延び、底部が開放された複数の支持
穴10c・10c…が設けられている。各支持穴10c内には、
下端部がS極又はN極となるように着磁されるととも
に、上端部が下端部とは逆の極性に着磁された磁性ピン
14がそれぞれ上下方向に移動自在に嵌合されている。
支持穴10c・10c…の下方には、第9図(a)(b)にも
示すように、カード読取装置10に対しA及び逆A方向に
移動自在に支持されたピンホール板15が配置されてい
る。ピンホール板15には、磁性ピン14・14…の下部がそ
れぞれ嵌合可能な複数の嵌合穴15a・15a…が支持穴10c
・10c…に対応させて設けられている。なお、ピンホー
ル板15の前端部であるA方向端部にはカード11の先端部
を係合させるために下向きに折り曲げられた折曲部15b
・15bが形成されている。
カード読取装置10のピンホール板15の下方には、第10図
に示す支持板16が配置され、支持板16は磁性ピン14が嵌
合穴15aの下方へ落下するのを防止するようになってい
る。
第7図に示すように、カード11には複数のスポット状の
着磁部11a・11a…がピンホール板15の嵌合穴15a・15a…
に対応した配列で設けられている。各着磁部11aは対応
する嵌合穴15a内の磁性ピン14を磁気的な反発力により
嵌合穴15aから浮上させることが可能な磁極の配置で着
磁されている。なお、着磁部11a・11a…は必ずしも第7
図に示す全ての位置に設ける必要はなく、これらの内の
任意の複数の位置に着磁部11a・11a…を設けるととも
に、それらの着磁部11a・11a…に対応する嵌合穴15a・1
5a…内のみに磁性ピン14を挿入するようにしても良い。
第3図(a)、第5図(a)及び第11図にも示すよう
に、ピンホール板15にはカード読取装置10本体の長穴10
bを介して下方へ突出する1対の脚部15c・15cが設けら
れ、脚部15c・15cはカード読取装置10本体の下方にて軸
17を水平に支持している。軸17により従動部材としての
従動板18が支持され、この従動板18はピンホール板15に
連動してカード読取装置10本体の下面に沿ってA及び逆
A方向へ摺動するようになっている。従動板18には、下
方へ突出するとともに、A方向へ向かうにつれて互いに
接近する向きに傾斜した1対のフランジ18a・18aが形成
されている。
又、従動板18の下方にストッパ20が配置され、ストッパ
20は軸17により回動自在に支持されている。このストッ
パ20は、軸17に巻き付けた捩じりスプリング21により第
5図(a)のB方向に付勢されている。ストッパ20の後
端部には、リトラクタ23の上端部23aとの係合用屈曲部2
0aが設けられている。
第12図及び第3図(a)に示すように、移動部材として
のリトラクタ23が本体5における外面側補強長座2とカ
バー6との間で上下動自在に支持され、このリトラクタ
23は本体5との間に縮設した1対のスプリング24・24に
より上方に付勢されている。リトラクタ23は屈曲した上
端部23aがストッパ20に当接することにより、上方への
移動量が規制されるようになっている。
リトラクタ23の下端部には、水平方向に屈曲した左右1
対のフランジ23b・23bが設けられ、これらフランジ23b
・23bには、ハブ25に設けた左右1対のアーム部25a・25
aが、それぞれ上側から当接可能とされている。ハブ25
は、第13図にも示すように、外面側長座1と内面側長座
3との間で本体5の厚み方向に伸びるとともに、本体5
により回動自在に支持された操作軸26に嵌合されてい
る。そして、操作軸26とともにハブ25がC方向に回動す
ると、一方のフランジ23bが一方のアーム部25aにより下
向きに押圧されて、リトラクタ23が本体5に対し下向き
に移動するようになっている。なお、操作軸26の両端部
には、このカードロック装置が取り付けられた扉の外面
側と内面側にそれぞれ配置された、作動部材としての1
対のレバー27・27が取り付けられている。
本体5におけるカバー6と引付板7との間には第14図に
示すように、ケース28が配置され、このケース28は本体
5により支持されている。第15図に示すように、ケース
28内の下部には、このカードロック装置が取り付けられ
た扉を入口などの所定位置に係合するための係合部材と
してのラッチボルト30が収容されている。ラッチボルト
30はD及び逆D方向に移動することにより、ケース28か
ら出没できるようになっている。ラッチボルト30はケー
ス28の壁面との間に縮設されたスプリング31にてD方向
に付勢されることにより、通常はケース28から突出し、
入口などの係合位置における係合用凹部に嵌合して、扉
を入口に係止している。
ラッチボルト30の下方には、このラッチボルト30の基端
部に設けた鍔部30aに係合する係合突部32aと、操作軸26
が貫通する係合穴32bとを有するラッチハブ32が配置さ
れ、ラッチハブ32は操作軸26とともに回動するようにな
っている。ラッチハブ32はスプリング受け33を介してハ
ブスプリング34により逆C方向へ付勢されている。そし
て、リトラクタ23を下方へ移動させるために前述のいず
れかのレバー27を操作して操作軸26をC方向へ回動させ
た時に、ラッチハブ32がC方向へ回動し、これに伴って
鍔部30aが係合突部32aに押圧されることによりラッチボ
ルト30が逆D方向へ移動してケース28内に没入される。
この状態では、ラッチボルト30と入口等の係合用凹部と
の係合が解除されるので、扉等の開閉が可能となる。
第3図(a)及び第12図に示すように、リトラクタ23の
上部には、可動係合部としての第1及び第2の回動レバ
ー部材35・36が各上端部35b・36bの近傍にてピン37・38
により回動自在に支持されている。第1及び第2の回動
レバー部材35・36の各下端部には、後述する回動部材42
に設けた第1及び第2のピン42a・42bに係合可能な係合
凹部35a・36aが形成されている。第1及び第2の回動レ
バー部材35・36は、リトラクタ23に設けたピン23cに支
持されるとともに、第1及び第2の回動レバー部材35・
36の各上端部35b・36bにその両端を係止した捩じりスプ
リング40により、各下端部が互いに離反する方向に、つ
まり、第1の回動レバー部材35は逆E方向に、第2の回
動レバー部材36は逆F方向に付勢されている。なお、リ
トラクタ23には、第1及び第2の回動レバー部材35・36
の逆E及び逆F方向への回動量を規制するストッパ41a
・41bが設けられている。
第1及び第2の回動レバー部材35・36の上端部35b・36b
には、従動板18のフランジ18a・18aがそれぞれ内側から
当接している。これにより、カード読取装置10へのカー
ド11の挿入に伴って従動板18が第5図(a)のA方向へ
移動する時に、第1及び第2の回動レバー部材35・36の
各上端部が傾斜したフランジ18a・18aにより互いに離反
する方向へ押圧される。その結果、第1及び第2の回動
レバー部材35・36は第3図(c)に示すように、従動板
18のA方向への移動に伴って、各下端部が互いに接近す
る方向へ回動するようになっている。
第1及び第2の回動レバー部材35・36間において、本体
5に、ロック部材の一部を成す回動部材42が回動自在に
支持されている。この回動部材42には第1及び第2のピ
ン42a・42bが固定されている。又、回動部材42は扉の厚
み方向に伸びる軸部42cを一体に有している。なお、本
体5には回動部材42の円弧状の溝42dに係合することに
より回動部材42の回動範囲を規制するピン43が設けられ
ている。
第15図に示すように、ケース28内の上部には、回動部材
42とともにロック部材を構成するデッドボルト44が収容
され、デッドボルト44はD及び逆D方向に移動すること
により、ケース28から出没可能となっている。このデッ
ドボルト44の上部には、同じくロック部材を成すデッド
ハブ45が配置されている。回動部材42の軸部42cはデッ
ドハブ45の係合穴45aを貫通し、デッドハブ45とともに
回動するようになっている。
デッドハブ45はそのアーム部45bとケース28との間に設
けた捩じりスプリング46により逆G方向へ付勢され、か
つ、アーム部45bはデッドボルト44に形成した溝44aに係
合している。そして、デッドハブ45がG方向へ回動する
と、アーム部45bに押圧されることによりデッドボルト4
4がD方向へ移動してケース28から突出し、入口等に設
けたロック位置におけるロック用凹部に嵌合して、扉等
をロックするようになっている。
なお、デッドボルト44がケース28内に没入されたロック
解除位置にある時は回動部材42は第3図(a)に示す回
動端部、つまり、ピン43が溝42dの右端部に当接する回
動端部に位置し、一方、デッドボルト44がケース28から
突出したロック位置にある時は回動部材42は第4図
(a)に示す回動端部、つまり、ピン43が溝42dの左端
部に当接する回動端部に位置するようになっている。
又、回動部材42の軸部42cの扉の内面側の端部には、扉
の内側からデッドハブ45を回動操作して、ロック又はロ
ック解除を行うためのサムターン47(第5図(a))が
取り付けられている。
第3図(a)及び第13図に示すように、リトラクタ23と
外面側補強長座2の間には、リトラクタ23より更に下方
に延びるスライド板48(第16図(a)〜(c)参照)が
上下移動自在に配置されている。スライド板48は図示し
ないスプリングにより上方に付勢されている。
スライド板48の上端部には、リトラクタ23側に屈曲した
係止部48aが設けられ、係止部48aはリトラクタ23の支持
部23dに上方から係合している。これにより、リトラク
タ23が下方へ移動する際には、スライド板48は従動しな
いが、スライド板48が下方へ移動する際には、リトラク
タ23が従動して下方へ移動するようになっている。
スライド板48の下端部には、水平方向に屈曲したフラン
ジ48bが設けられ、フランジ48bは本体5内の幅方向中央
部付近に延びている。
第6図(a)(b)にも示すように、本体5における外
面側長座1、外面側補強長座2及びカバー6の下端部近
傍のフランジ48bの上方位置には、外面側長座1、外面
側補強長座2及びカバー6を貫通させてキーシリンダ49
(第17図(a)(b)参照)が配置されている。キーシ
リンダ49は、カバー6に取り付けた保持部材50及び下端
部が外面側長座1の底部により支持される保持金具51に
より保持されている。キーシリンダ49における軸49a
は、キーシリンダ49に操作部材としてのキー52を屋外側
から装着することにより、ほぼ90°回動可能となってい
る。
軸49aの先端部には、こねじ53によりシャットアウト部
材としてのシリンダカム54(第18図(a)(b)参照)
が取り付けられ、シリンダカム54はスプリングワッシャ
55により、こねじ53の頭部側に付勢されている。シリン
ダカム54は鉤状の操作部54aを有し、操作部54aはスライ
ド板48のフランジ48bに上方から接触している。従っ
て、キー52を屋外側からキーシリンダ49に挿入し、キー
52により軸49aとともにシリンダカム54を第3図(a)
のH方向に90°回動させると、操作部54aがスライド板4
8を押し下げ、それに伴ってリトラクタ23が下降するよ
うになっている。
上記の構成において、第3図(a)及び第5図(a)に
示す状態では、カードロック装置のロックは解除されて
おり、又、ラッチボルト30(第15図)は入口の係合用凹
部に嵌合して扉が入口に係止されている。この状態で、
扉の内側又は外側から扉の開閉を行う場合は、内側又は
外側のいずれかのレバー27を操作して操作軸26を第15図
のC方向へ回動させると、ラッチハブ32がハブスプリン
グ34の付勢力に抗して操作軸26とともにC方向へ回動
し、これにより、ラッチボルト30がスプリング31の付勢
力に抗して逆D方向へ移動することによりケース28内に
没入して、ラッチボルト30による扉と入口との係合が解
除される。この状態で、扉の開閉を行うことができる。
上記したレバー27の操作時に、操作軸26とともにハブ25
もC方向へ回動するので、第3図(b)に示すように、
リトラクタ23が下方へ移動するが、第1及び第2の回動
レバー部材35・36は互いに平行な状態を維持し、回動部
材42における第1及び第2のピン42a・42bには接触しな
いので、リトラクタ23の下方への移動に伴って回動部材
42が回動することはなく、従って、ロック解除状態はそ
のまま維持される。なお、扉を閉じた状態でレバー27へ
の操作力を解除すると、ラッチハブ32はハブスプリング
34の付勢力により逆C方向へ回動し、これに伴ってラッ
チボルト30はスプリング31の付勢力によりD方向へ移動
してケース28から突出し、入口の係合用凹部に嵌合す
る。これにより、扉の閉じ状態で係止される。
次に、第3図(a)及び第5図(a)の状態で、扉の外
側からロック操作を行う場合は、第8図(a)にも示す
ように、まず、挿入口10aからカード読取装置10内にカ
ード11をA方向へ挿入する。挿入されたカード11が正規
のものであって、カード11を各着磁部11aが、カード読
取装置10内の対応する磁性ピン14と反発しあう磁極の配
列となっていれば、第8図(b)に示すように、全ての
磁性ピン14・14…が浮上し、ピンホール板15の嵌合穴15
a・15a…から離脱する。
この状態でカード11を更にA方向に奥部まで挿入すれ
ば、第8図(c)に示すように、ピンホール板15は折曲
部15b・15bにてカード11の押圧力を受け、第5図(a)
の従動板18を伴ってA方向に移動する。
一方、挿入されたカード11′が正規のものでない場合
は、第8図(d)のように、少なくとも一部の磁性ピン
14がピンホール板15の嵌合穴15a内に嵌合したままとな
るので、ピンホール板15及び従動板18のA方向への移動
は不可能となる。従って、以下で述べるような、カード
ロック装置のロック又はロック解除操作は行えない。
上記のように、挿入されたカード11が正規のものであっ
て、カード11及びピンホール板15とともに従動板18が所
定量だけA方向へ移動すると、第5図(b)に示すよう
に、捩じりスプリング21の付勢力によりストッパ20がB
方向へ回動し、係合用屈曲部20aが、リトラクタ23の屈
曲した上端部23aに係合し、従動板18が係止される。こ
れにより、カード11が挿入位置で保持される。
そして、上述した従動板18のA方向への移動に際して、
第1及び第2の回動レバー部材35・36の各上端部が従動
板18のフランジ18a・18aにより互いに離反する向きに押
圧され、その結果、第1及び第2の回動レバー部材35・
36は第3図(c)に示すように、各下端部が互いに接近
する向きに回動して、第1の回動レバー部材35の係合凹
部35aが回動部材42の第1のピン42aに係合する。
続いて、扉の外面側のレバー27を操作してハブ25を第3
図(c)のC方向へ回動させると、リトラクタ23の一方
のフランジ23bがハブ25の一方のアーム部25aにより下方
へ押圧されて、ハブ25がスプリング24・24の付勢力に抗
して下方へ移動し始める。それにより、ストッパ20の係
合用屈曲部20aとリトラクタ23の上端部23aとの係合が解
除されるので、従動板18は前述の図示しないスプリング
の付勢力により逆A方向へ移動してカード11の挿入前の
位置に復帰し(第5図(c))、これに伴って、第2の
回動レバー部材36は捩じりスプリング40の付勢力により
逆F方向へ回動してストッパ41bに当接するが、第1の
回動レバー部材35はその係合凹部35aと第1のピン42aと
の係合を維持する(第3図(d))。
レバー27のC方向への回動操作によりリトラクタ23を更
に下方へ移動させると、回動部材42の第1のピン42aは
第1の回動レバー部材35の係合凹部35aにより下方へ押
圧され、これにより、回動部材42はG方向へ回動する
(第3図(e))。これに伴い、第15図のデッドハブ45
もG方向へ回動するので、デッドボルト44がD方向へ移
動してケース28から突出し、入口に設けたロック用凹部
に嵌合して扉のロックが行われる。なお、ロック終了
後、レバー27への操作力を解除すると、リトラクタ23は
スプリング24・24の付勢力により上方へ移動し、上端部
23aがストッパ20に当接(第5図(a))するととも
に、第1の回動レバー部材35は捩じりスプリング40の付
勢力により逆E方向へ回動してストッパ41aに当接する
(第4図(a))が、ロック状態は維持される。
次に、扉の外側からロック解除操作を行う時は、第4図
(a)及び第5図(a)の状態から、ロック操作の場合
と同様にカード読取装置10にカード11を挿入し、従動板
18をカード読取装置10本体に対しA方向へ移動させて、
ストッパ20の係合用屈曲部20aをリトラクタ23の上端部2
3aに係合させる(第5図(b))。この状態で、第1及
び第2の回動レバー部材35・36は従動板18のフランジ18
a・18aにより各下端部が互いに接近する方向へ回動し、
第2の回動レバー部材36の係合凹部36aが回動部材42の
第2のピン42bに係合する(第4図(b))。
続いて、レバー27により操作軸26をC方向へ回動させる
と、リトラクタ23が下方へ移動し始め、これに伴って、
従動板18が逆A方向へ移動してカード11の挿入前の位置
に復帰する(第5図(c))とともに、第1の回動レバ
ー部材35が逆E方向へ回動してストッパ41aに当接する
が、第2の回動レバー部材36はその係合凹部36aと第2
のピン42bとの係合を維持する(第4図(c))。
レバー27により操作軸26を更にC方向へ回動させると、
リトラクタ23の下方への移動に伴って第2のピン42bが
第2の回動レバー部材36の係合凹部36aにより下方へ押
圧され、これにより、回動部材42は逆G方向へ回動す
る。これに伴い、第15図のデッドハブ45も逆G方向へ回
動するので、デッドボルト44は逆D方向へ移動してケー
ス28内に没入し、扉のロックが解除される。なお、ロッ
ク解除操作終了後、レバー27に対する操作力を解除する
と、リトラクタ23はスプリング24・24の付勢力により上
方へ移動してストッパ20に当接する(第5図(a))と
ともに、第2の回動レバー部材36は捩じりスプリング40
の付勢力により逆F方向へ回動してストッパ41bに当接
する(第3図a))が、ロック解除状態は維持される。
又、扉の内側からロック又はロック解除操作を行う場合
は、サムターン47によりデッドハブ45をG又は逆G方向
へ回動させれば良い。
次に、本カードロック装置によるロック又はロック解除
動作を不可能とするためのシャットアウト操作につき述
べる。
カードロック装置のロック状態で、上記のシャットアウ
ト操作を行うと、カードロック装置はカード11による操
作に拘わらずそのままロック状態を維持し、ロック解除
状態でシャットアウト操作を行うと、カードロック装置
はそのままロック解除状態を維持するようになってい
る。
すなわち、第3図(a)に示すロック解除状態でシャッ
トアウト操作を行う場合は、第13図に2点鎖線で示すよ
うに、キーシリンダ49に扉の外側からキー52を挿入し、
キーシリンダ49の軸49aに固定されたシリンダカム54を
キー52により第3図(a)のH方向にほぼ90°回動させ
る。それにより、第1図(a)及び第2図に示すよう
に、スライド板48がシリンダカム54の操作部54aにより
所定ストロークだけ押し下げされ、リトラクタ23がスラ
イド板48に従動して下降する。その結果、第1及び第2
の回動レバー部材35・36の上端部35b・36bと従動板18の
フランジ18a・18aとの係合が解除される。
従って、カード11の所有者がカード読取装置10にカード
11を挿入して、従動板18をA方向に移動させても、第1
及び第2の回動レバー部材35・36はE及びF方向には回
動しないので、第1の回動レバー部材35の係合凹部35a
はピン42aには係合せず、そのため、レバー27によりリ
トラクタ23を下降させてもロック操作は不可能となる。
同様に、第4図(a)に示すロック状態で、キー52を屋
外側からキーシリンダ49に挿入してシリンダカム54をH
方向に回動させると、第1図(b)に示すように、上述
と同様にスライド板48がリトラクタ23を伴って所定スト
ロークだけ下降し、第1及び第2の回動レバー部材35・
36の上端部35b・36bと従動板18のフランジ18a・18aとの
係合が解除される。従って、カード11をカード読取装置
10に挿入して、従動板18をA方向に移動させても、第2
の回動レバー部材36の係合凹部36aはピン42bに係合しな
いので、レバー27によりリトラクタ23を下降させても、
ロック解除操作は不可能となる。
一方、第1図(a)又は(b)のシャットアウト状態
で、再びカード11によるロック又はロック解除操作を可
能とする場合は、キー52によりシリンダカム54を逆H方
向へ回動させると、第3図(a)又は第4図(a)の如
く、スライド板48が前述のスプリングの付勢力により上
方へ移動し、それに伴って、リトラクタ23もスプリング
24・24の付勢力により上方へ移動するので、第1及び第
2の回動レバー部材35・36の上端部35b・36bが従動板18
のフランジ18a・18aに係合する。
上記のように、キー52によりカードロック装置のロック
及びロック解除操作を不可能とすることができる。従っ
て、例えば、賃貸住宅において、入居者が家賃の滞納等
の契約不履行を犯した場合、入居者がロックを行って外
出中であれば、キー52によりロック解除を不可能とする
ことができる。一方、入居者が在宅していて、ロック解
除状態である場合には、キー52によりカードロック装置
のロック操作を不可能とすることができる。
なお、上記の実施例では、カードロック装置を扉に取り
付けた場合について述べたが、カードロック装置はその
他の被ロック部材に取り付けて使用することもできるも
のである。
〔考案の効果〕
本考案に係るカードロック装置は、以上のように、被ロ
ック部材に取り付けられたカードロック装置本体と、こ
のカードロック装置本体に設けられ、上記被ロック部材
を所定位置に係合する係合部材と、カードロック装置本
体に設けられ、上記被ロック部材を所定位置にロックす
るロック部材と、上記係合部材を作動させる作動部材
と、作動部材に連動してカードロック装置本体に対し移
動自在とされるとともに、ロック部材に係合可能な可動
係合部を可動状態で支持し、可動係合部をロック部材に
係合させた状態でカードロック装置本体に対し移動する
ことによりロック部材を作動させる移動部材と、カード
による押圧力を受けてカードロック装置本体に対し移動
できるようにカードロック装置本体により支持され、上
記移動部材が一方の移動端部に位置している時にカード
ロック装置本体に対し移動することにより可動係合部を
ロック部材に係合させる従動部材と、カードロック装置
本体により支持され、着脱自在に装着される操作部材の
操作力に応じて移動部材を上記一方の移動端部から離れ
る方向に移動させるシャットアウト部材とが備えられて
いる構成である。
これにより、カードロック装置のロック又はロック解除
操作を不可能とする場合は、操作部材をシャットアウト
部材に装着し、シャットアウト部材により移動部材を上
記一方の移動端部から離れる方向に移動させる。そうす
ると、可動係合部とロック部材との係合が不可能となる
ので、移動部材を移動させても、ロック部材は作動され
ず、従って、ロック又はロック解除が不可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第18図は本考案の実施例を示すものであっ
て、第1図(a)はロック解除時にシャットアウト操作
を行った状態を示すカードロック装置の外面側部分の背
面図、同図(b)はロック時にシャットアウト操作を行
った状態を示す同背面図、第2図はシャットアウト操作
を行った状態を示すカードロック装置の要部縦断面図、
第3図(a)はロック解除時におけるカードロック装置
の外面側部分を示す背面図、同図(b)はラッチボルト
の係合解除動作を行った状態を示す同背面図、同図
(c)〜(e)はそれぞれロック操作の手順を示す同背
面図、第4図(a)はロック時におけるカードロック装
置の外面側部分を示す背面図、同図(b)〜(d)はそ
れぞれロック解除手順を示す同背面図、第5図(a)は
カードロック装置の要部縦断面図、同図(b)はカード
挿入時における同縦断面図、同図(c)はロック又はロ
ック解除操作の始動時における同縦断面図、第6図
(a)はカバーの背面図、同図(b)は同図(a)のX
−X線に沿う断面図、第7図はカードの平面図、第8図
(a)はカード読取装置を模式的に示す説明図、同図
(b)は正規のカードの挿入時における同説明図、同図
(c)は正規のカードを更に奥部に挿入した状態におけ
る同説明図、同図(d)は不正カード挿入時における同
説明図、第9図(a)はピンホール板の平面図、同図
(b)は同図(a)のY方向矢視図、第10図は支持板の
拡大平面図、第11図はカード読取装置の底面図、第12図
はリトラクタの正面図、第13図はカードロック装置を一
部破断して示す側面図、第14図はカードロック装置の縮
小側面図、第15図はケースの内部構造を示す正面図、第
16図(a)はスライド板の正面図、同図(b)は同側面
図、同図(c)は同平面図、第17図(a)はキーシリン
ダの側面図、同図(b)は同正面図、第18図(a)はシ
リンダカムの正面図、同図(b)は同底面図である。 5はカードロック装置本体、11はカード、18は従動板
(従動部材)、23はリトラクタ(移動部材)、30はラッ
チボルト(係合部材)、35・36は第1及び第2の回動レ
バー部材(可動係合部)、42は回動部材(ロック部
材)、44はデッドボルト(ロック部材)、45はデッドハ
ブ(ロック部材)、52はキー(操作部材)、54はシリン
ダカム(シャットアウト部材)である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】被ロック部材に取り付けられたカードロッ
    ク装置本体と、 このカードロック装置本体に設けられ、上記被ロック部
    材を所定位置に係合する係合部材と、 カードロック装置本体に設けられ、上記被ロック部材を
    所定位置にロックするロック部材と、 上記係合部材を作動させる作動部材と、 作動部材に連動してカードロック装置本体に対し移動自
    在とされるとともに、ロック部材に係合可能な可動係合
    部を可動状態で支持し、可動係合部をロック部材に係合
    させた状態でカードロック装置本体に対し移動すること
    によりロック部材を作動させる移動部材と、 カードによる押圧力を受けてカードロック装置本体に対
    し移動できるようにカードロック装置本体により支持さ
    れ、上記移動部材が一方の移動端部に位置している時に
    カードロック装置本体に対し移動することにより可動係
    合部をロック部材に係合させる従動部材と、 カードロック装置本体により支持され、着脱自在に装着
    される操作部材の操作力に応じて移動部材を上記一方の
    移動端部から離れる方向に移動させるシャットアウト部
    材とが備えられていることを特徴とするカードロック装
    置。
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