JPH0715934U - 床 板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木質廃材や再生容易な針葉樹を使用しなが
ら、広葉樹合板なみの強度と耐水性やそれ以上の表面硬
度を付与する。 【構成】 針葉樹からなる単板を複数枚直交に積層され
た基材（１）の表面に木質繊維層（２）を有し、裏面に
バッカー層（３）を有し、さらに木質繊維層（２）の上
面に必要に応じて化粧層（４）が施された床板。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は床板に関し、特に基材の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

床板の基材としては、厚さ５〜１２ｍｍ程度の広葉樹（一般にラワン材）から なる３〜５プライ合板が使用され、その表面に０．３〜１．２ｍｍ程度の天然木 化粧単板が貼着され、基材の周縁端部に接合用の実加工が施された構成の床板が 一般的であった。

【０００３】

【考案が解決すべき課題】

しかし、合板の表面は硬度が低く椅子などのキャスター等により容易に窪んだ り、化粧単板が合板の表単板の繊維の伸縮によりひび割れが発生する問題があっ た。また、近年合板は森林保護の為の南洋木材伐採制限に伴い、広葉樹が容易に 入手できず安定的に基材を供給できなくなっている。

【０００４】 一方、針葉樹を利用した合板で構成された床板もあったが、針葉樹は広葉樹に 比べて表面硬度にムラがあって軟らかく、表面の平滑性も悪く、大掛かりな目止 めを施さないかぎり表面には薄い化粧単板を貼着してが使用できないという問題 があった。

【０００５】 また、木質繊維を利用した中密度繊維板（ＭＤＦ）を基材に使用した床板もあ るが、接合用の実加工部分の木口から繊維が露出している為、容易に水分が侵入 し、部分的に膨張したり基材全体に反りが発生する問題があった。さらに、この 場合、前記の接合用の実は繊維のみで構成されている為、合板と比較して強度的 に弱く信頼に欠ける問題もあった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 この考案は、前記課題を解決する為に考案されたもので、針葉樹からなる単板 が複数枚直交に積層された基材の表面に木質繊維板層を有し、裏面にバッカー層 を有し、さらに木質繊維板層の上面に必要に応じて化粧層が施されたことを特徴 とするものである。

【０００７】

【作用】

この考案において、床板の基材を前記の構成とするのは、針葉樹における表面 平滑性や表面硬度のムラを上面の木質繊維板層で解消および向上させる一方、従 来の木質繊維板単体を基材とした床板における接合用の実加工部は針葉樹合板で 形成させることにより強度の向上を図ること、および、床板裏面のバッカー層に より床板の反りおよび裏面からの水分の浸透を防止する為である。

【０００８】 以下、この考案を実施例に基づいて説明する。

【０００９】

【実施例】

図１はこの考案の床板の断面図で、１は基板、２は木質繊維層、３はバッカー 層、４は化粧層、５は接合用の本実を示す。

【００１０】 基板１はスギ、マツ、ラジアータパイン等の針葉樹からなり、薄く薄削された 単板がその繊維方向を直交に複数枚積層接着して針葉樹合板を構成している。針 葉樹は春材、秋材とからなりラワン材と比較して硬度のムラが多いことから厚さ １ｍｍ程度に薄く薄削することが困難な為、表面単板として厚さ２ｍｍ、芯材用 単板として８ｍｍに薄削し、総厚１２ｍｍの３プライ合板を基材とした。

【００１１】 基板１の上面には木質繊維層２が接着形成されている。木質繊維層２としては 中密度繊維板（ＭＤＦ）が一般的に用いられる。種類としては、ユリア樹脂、フ ェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア・メラミン共縮合樹脂のタイプがあり、実 施例では耐水性を考慮して厚さ３ｍｍのユリア・メラミン共縮合樹脂タイプの繊 維板を使用している。

【００１２】 基板１の下面にはバッカー層３が接着形成されている。バッカー層３としては 木質単板、メラミン樹脂含浸紙、ジアリルフタレート樹脂含浸紙、不織布などが あげられる。実施例では厚さ１．０ｍｍの木質単板を貼着してバッカー層３を構 成した。

【００１３】 木質繊維層２の表面には化粧層４が施されている。化粧層４としては厚さ０． ３〜１．２ｍｍの天然木化粧単板、厚さ０．５〜１．０ｍｍの塩化ビニル樹脂シ ート、０．０５〜０．５ｍｍの印刷化粧紙などが一般的に用いられる。実施例で は厚さ０．３ｍｍのナラの化粧単板を貼着した。

【００１４】 なお、床板としての施工性を向上させる為、基板１の周縁部に接合用の本実５ を施した。

【００１５】

【考案の効果】

この考案によれば、床板の基材を前記の構成としたことにより、針葉樹におけ る表面平滑性や表面硬度のムラを上面の木質繊維板層で解消および向上できる一 方、従来の木質繊維板単体を基材とした床板における接合用の実加工部は針葉樹 合板で形成させることにより強度の向上を図ることができる。また、この考案の 床板の基材は同一厚さの単体の木質繊維板と比べて曲げ強度も向上する。さらに 表面硬度が合板に比べて改善されたことで椅子などのキャスターにも傷や窪みが できにくくなるし、薄い化粧単板を使用しても基材の凹凸が表面に現出すること がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の床板の断面図。

【符号の説明】

１ 基板 ２ 木質繊維層 ３ バッカー層 ４ 化粧層 ５ 接合用の本実

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 針葉樹からなる単板が複数枚直交に積層
   された基材（１）の表面に木質繊維板層（２）を有し、
   裏面にバッカー層（３）を有し、さらに木質繊維板層
   （２）の上面に必要に応じて化粧層（４）が施されたこ
   とを特徴とする床板。