JPH0715914U - 鉄筋スペーサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 主筋に交差するよう配筋される鉄筋の設置位
置を簡易に確定でき、結束線を不用とする鉄筋スペーサ
ーを提供する。 【構成】 細長い形状のスペーサー本体１０と、主筋に
交差するよう配筋される複数のスターラップ等の鉄筋を
把持する複数の把持部２０とを有し、複数の把持部２０
が、前記主筋の軸方向に規定の間隔を置いて配筋される
前記鉄筋の設置位置に合致するよう、前記スペーサー本
体１０に設けて成ることを特徴とする鉄筋スペーサー
１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鉄筋スペーサー、特にＲＣ部材の鉄筋組み立て時に、スターラップ等 の鉄筋の設置位置を規定する鉄筋スペーサーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＲＣ部材の鉄筋組み立て時において、スターラップ等の鉄筋は、主筋の軸方向 にＲＣ部材の品質強度等から算出された規定の間隔を置いて、主筋を略直角方向 から取り囲むよう配筋される。この際、規定の間隔を正確に取るため、例えばＰ ｃａ部材の場合、スターラップの来る位置の型枠側部に予め目印を付している。 また、コンクリートの打ち込み等により、スターラップが規定位置からずれたり 傾いたりしないよう、主筋とスターラップとの交点を、複数個所、結束線により 固定しているのが現況である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、スターラップの位置を決める目印は、現場打ちの場合、予め設 けることは困難であり、また経時的に消えてしまうこともある。さらに、結束線 の設置は、多大な時間を要し、作業能率上の弊害となっている。

【０００４】 本考案は上記弊害に着目して成されたものであり、その目的は、主筋に交差す るよう配筋されるスターラップ等の鉄筋の設置位置を簡易に確定でき、結束線を 不用とする鉄筋スペーサーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の鉄筋スペーサーは上記目的を達成するものであり、その要旨は、細長 い形状のスペーサー本体と、主筋に交差するよう配筋される複数のスターラップ 等の鉄筋を把持する複数の把持部とを有し、前記複数の把持部が、前記主筋の軸 方向に規定の間隔を置いて配筋される前記鉄筋の設置位置に合致するよう、前記 スペーサー本体に設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案の鉄筋スペーサーは、主筋に交差するよう配筋される鉄筋を把持部で把 持することに、鉄筋の設置間隔を確定できる。また、スペーサー本体に把持部が 複数設置されているため、各把持部で複数の鉄筋を把持することにより、スペー サー本体を介し各鉄筋は一連となり、鉄筋の主筋に対する摺動性が低下する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の好適な一実施例を添付図面に基づき説明する。

【０００８】 図１は、本考案の鉄筋スペーサーＩを示す斜視図である。鉄筋スペーサーＩは 、上方を開放する断面コの字状の細長い鋼製部材であるスペーサー本体１０と、 本体１０の底部１１から下方に備わる複数のスターラップ把持部２０とから構成 される。各把持部２０は本体１０の長手方向において、ＲＣ部材の鉄筋組み立て 時に、主鉄筋の軸方向に規定の間隔を置いて配筋されるスターラップの設置位置 に合致するよう、所定間隔を置いて設けられる。

【０００９】 図２は、鉄筋スペーサーＩを一部透視して示す部分拡大図である。スターラッ プ把持部２０は、底部１１の間隔Ａを置いた相対する辺を残して左右二個所を内 側に向き合うコの字型にプレスで打ち抜き、これらを下方に約９０°折り曲げて 形成される、左右の把持部材２０ａ，２０ｂから成る。図３はスターラップ把持 部２０の側面図を示す。把持部材２０ａ，２０ｂは、それぞれ中央部付近が外側 へ突出するくの字状の屈曲部２０ａ’，２０ｂ’と、この屈曲部に連続して末広 がり状に外側へ向く下端部２０ａ”，２０ｂ”を備える。把持部材２０ａと２０ ｂとの間隔Ａは、把持部２０が把持するスターラップ３０（断面を破線にて示す ）の径よりやや小さく設けられ、屈曲部２０ａ’，２０ｂ’により拡張した空間 はスターラップ３０の径を超える。

【００１０】 スターラップ把持部２０は、下端部２０ａ”，２０ｂ”から屈曲部２０ａ’， ２０ｂ’による拡張空間へスターラップ３０を受入れ、これを把持する。

【００１１】 次に鉄筋スペーサーＩの一使用態様を説明する。図４は、Ｐｃ桁の型枠４０内 を上から見た平面図であり、コンクリート打設前の配筋状況を概略的に示す。図 ５は、図４におけるＣ−Ｃ方向に沿う概略断面図である。型枠４０の長手方向に 配筋される主鉄筋としてのＰｃ鋼材３１は、図５に示すように上下段にそれぞれ ４本づつ設置されるが、図４において便宜のため上段のＰｃ鋼材３１のみを示し 、下段を省略する。

【００１２】 鉄筋スペーサーＩはＰｃ鋼材３１に平行に設置され、予めスターラップ３０の 設置位置に来るよう設けられた各把持部２０にてスターラップ３０を把持し、鋼 材３１の軸方向におけるスターラップ３０の設置間隔を規定する。またスペーサ ーＩが、上段に二本、下段に一本設置されているため、コンクリート打ち込み時 等におけるスターラップ３０のずれや傾きは生じず、スターラップ３０とＰｃ鋼 材３１との交点を結束線により固定する必要はない。この状態で型枠４０内にコ ンクリートを打設するが、鉄筋スペーサーＩは鋼製部材のためＰｃ桁の品質等に 影響を与えることはなく、鋼材として桁の強度を補強できる。

【００１３】 なお、本考案の鉄筋スペーサーは、上述のＰｃ桁以外に、例えばＰｃａ床版や 枕木あるいは現場打ちＰＣ部材においても用いることができ、また形状等を本実 施例に限定するものではない。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案の鉄筋スペーサーでは、スターラップ等の鉄筋の設 置位置を簡易に確定でき、また結束線が不要となる等により、鉄筋の組み立て工 程における作業能率を高めることができ、工期の短縮を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の鉄筋スペーサーを示す斜視図である。

【図２】鉄筋スペーサーを一部透視して示す部分拡大図
である。

【図３】スターラップを把持した把持部２０を示す側面
図である。

【図４】Ｐｃ桁の型枠内を上から見た概略平面図であ
る。

【図５】図４のＣ−Ｃ方向に沿う断面図である。

【符号の説明】

Ｉ 鉄筋スペーサー １０ スペーサー本体 １１ 底部 ２０ 把持部 ３０ スターラップ ３１ Ｐｃ鋼材 ４０ 型枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 細長い形状のスペーサー本体と、主筋に
   交差するよう配筋される複数のスターラップ等の鉄筋を
   把持する複数の把持部とを有し、 複数の把持部が、前記主筋の軸方向に規定の間隔を置い
   て配筋される前記鉄筋の設置位置に合致するよう、前記
   スペーサー本体に設けて成ることを特徴とする鉄筋スペ
   ーサー。