JPH071584Y2 - 蛇口用継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、水道の蛇口とホースとを接続せしめる蛇口用
継手の改良に関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来この種の継手における蛇口に固定される継手本体
は、第５図に示す如く、通水孔（103′）を有する円形
平板状のパッキング（103）を上下摺動可能に配してな
る蛇口リング（101）と、該蛇口リング（101）下方に螺
着されるジョイント口金（102）とからなる分割タイプ
で、蛇口リング（101）を蛇口（200）に固定ビス（10
4）…を介して固定した後、ジョイント口金（102）を蛇
口リング（101）下方に螺着し、上端部（102′）でパッ
キング（103）を上方へ押し上げ、蛇口（200）の下端面
（201）に押圧着してシールするようになっていた。

しかし、上記せる従来の継手は、蛇口リング（101）と
ジョイント口金（102）とが一体的に連結されている状
態で販売されており、また蛇口リング（101）の上方に
固定ビス（104）…が確認されるため、その固定ビス（1
04）…のみをゆるめて蛇口（200）の先端を差し込み、
その下端面（201）をパッキング（103）に当接せしめて
前記固定ビス（104）…を締付けるだけでよいものと思
いこみやすく、ジョイント口金（102）の回動によるパ
ッキング（103）の押圧着作動を行っていない場合が多
かったため、蛇口（200）の端面（201）とパッキング
（103）との密着が弱く水漏れを生じせしめる虞れが多
くなり、継手の確実な取付けがなされないという不具合
を有しており、特に洗濯機への給水のためにホースを蛇
口（200）に接続する場合等、蛇口（200）は常に開弁状
態としている場合が多いため水漏れが激しく需要者から
簡単かつ確実に水密性を図りつつセットできる継手が要
望されていたのが現状である。

又、蛇口（200）が蛇口リング（101）に対して傾いて取
付いてしまった場合等、ジョイント口金（102）を締上
げてもパッキング（103）は上方に平行移動するため蛇
口（200）の端面（201）とパッキング（103）との間に
は隙間が生じ易く前記同様の不具合を生ぜしめていた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みな
されたものであり、その目的とするところは、蛇口に対
し差し込み固定せしめるだけの簡単な取付け操作で確実
にセットできる蛇口用継手を提供し、需要者の要望に十
分対応せしめることである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段
は、蛇口固定部材を備えた中空状継手本体の中空内部
に、上端周縁にスカート部を設けてなる筒状パッキング
を上下摺動可能に備え、前記スカート部外面が前記中空
内部壁面に摺接されていることである。

また、筒状パッキングの上端内面と継手本体の内面段部
とにわたってスプリングを介在せしめるものとしてもよ
い。

（作用） 上記せる技術的手段により、中空状継手本体を蛇口の先
端に押し当てると共に蛇口固定部材で蛇口先端を固定せ
しめると継手は蛇口に固定される。

そして、蛇口を開弁せしめて水を継手中空内部に流入せ
しめると、該中空内部壁面にスカート部外面によって摺
接されている筒状パッキングの外周面と前記中空内部壁
面との間の隙間を通りパッキング上方に向って流入する
水圧によりパッキングを押し上げて蛇口端面と密着さ
せ、かつスカート部を中空内部壁面側に拡げてスカート
部外面を中空内部壁面に密着させてシールする。

また、筒状パッキング上端内面と継手本体の内面段部と
にわたってスプリングを介在せしめた場合、上記せる水
圧によるパッキング押し上げ作用と共に、蛇口先端でパ
ッキングを押圧した際に掛るスプリングの復元しようと
する反発力により常にパッキングを押し上げ蛇口端面に
強固に密着せしめる。

また蛇口が取付け時に多少傾いていたとしても、スプリ
ングの自由な変形弾発作用によりパッキングを蛇口端面
に平行に密着させる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。まず
第１図について説明すると図中（Ａ）は継手で、該継手
（Ａ）は継手本体（１）と筒状パッキング（２）とから
なる。

継手本体（１）は、中空内部（３）を有する上下端開放
状のケース（1a）の側面上方に貫通孔（1a′）…を設
け、該貫通孔（1a′）…にビス等の蛇口固定部材（1b）
…を前記中空内部（３）に出入り可能に螺合せしめてな
り、上端開口を蛇口（Ｂ）の差し込み口（４）とし、か
つ下端開口を吹出し口（５）とする。

尚、図中（６）は金属性のリング部材で、前記貫通孔
（1a′）…と同一レベル位置にねじ孔（6a）…を設けて
ある。

筒状パッキング（２）は、流水路（2a′）を有するゴム
等の弾性筒状本体（2a）の上端周縁に、前記本体（2a）
と同質材であるゴム等の弾性材からなるスカート部（2
b）を前記本体（2a）の中空内部（３）と略同一径とな
るように延設すると共に、側面下端に切欠き（2c）…を
設けて断面略Ｔ状とする。

尚、前記流水路（2a′）は、前記継手本体（１）の中空
内部（３）先方の流水路（3a）よりも大径状とする。

そして、継手本体（１）の中空内部（３）に、スカート
部（2b）の外面（2b′）を摺接せしめて筒状パッキング
（２）を内設する。

従って、まず継手（Ａ）を蛇口（Ｂ）の先端に下方より
押し当てて、筒状パッキング（２）の上面を蛇口（Ｂ）
に当接させ、その状態で蛇口固定部材（1b）…を螺合せ
しめていって蛇口（Ｂ）の側面を締め付ければ継手
（Ａ）は蛇口（Ｂ）に保持される。

然る後、蛇口（Ｂ）を開弁して流水せしめると、蛇口
（Ｂ）の先端からの水は筒状パッキング（２）の流水路
（2a′）を通過して継手本体（１）の流水路（3a）に流
入して吹き出し口（５）より吹き出されるが、流水路
（2a′）を通過してきた水は径の小さい流水路（3a）に
流入する際に流水路（3a）の入口付近の周面（内面段
部）（７）に当たり、筒状パッキング（２）の下端切欠
き（2c）…を介して筒状パッキング（２）の側面
（２′）と中空内部（３）の壁面（３′）との隙間
（８）を上方（スカート部（2b））側に向けて矢印
（×）の如く流入し、その水圧が筒状パッキング（２）
の上端内面（９）を押し上げて蛇口（Ｂ）の端面（ｂ）
に筒状パッキング（２）を押圧密着させ、かつスカート
部（2b）を中空内部（３）の壁面（３′）側に拡げてス
カート部（2b）の外面（2b′）を前記壁面（３′）に密
着させてシールする。

次に、第２図乃至第４図に示す継手（Ａ′）について説
明すると、継手（Ａ′）は筒状パッキング（２）の上端
内面（９）と継手本体（１）の内面段部（７）とにわた
ってスプリング（圧縮ばね）（10）を介在してなるもの
である。

従って上記継手（Ａ′）は、筒状パッキング（２）がス
プリング（10）により常に押し上げられているため、取
付け時に蛇口（Ｂ）に先端で前記筒状パッキング（２）
を押圧しながら蛇口固定部材（1b）…で締付け固定すれ
ば、前記筒状パッキング（２）下方で押圧されたスプリ
ング（10）の復元しようとする反発力により筒状パッキ
ング（２）を押し上げ蛇口（Ｂ）の端面（ｂ）に密着さ
せる。

よって蛇口（Ｂ）の開弁時には、上記スプリング（10）
の反発力と共に水圧による押し上げ力によって強固にシ
ールされる（第４図）。

尚、継手本体（１）及び筒状パッキング（２）について
は前記第１図の説明を援用し、同一箇所に同一符号を付
してその説明を省略する。

また、蛇口（Ｂ）が多少傾いた状態で継手（Ａ′）が取
付けられたとしても、スプリング（10）の自由な変形弾
発作用により筒状パッキング（２）の上面を蛇口（Ｂ）
の端面（ｂ）に平行に密着せしめる（第４図）。

（考案の効果） 本考案は上記せる如き構成を有するため下記の効果を奏
する。

蛇口の先端に継手を押し当てると共に蛇口固定部材で蛇
口先端を固定せしめる単一の作業のみで継手は取付けら
れ、継手中空内部に流入せしめた水が該中空内部に嵌着
されている筒状パッキングの外周面と前記中空内部壁面
との隙間を通り前記筒状パッキング上方に向って流入
し、その水圧によってパッキングを押し上げて蛇口端面
に密着させ、かつスカート部を中空内部壁面側に拡げて
スカート部外面を中空内部壁面に密着させてシールでき
るため、簡単に取付け作業が行えると同時に水密性も確
実に図れ、従来の如く水漏れの心配もなく需要者の要望
に十分対応できる。

また、筒状パッキング上端内面と、継手の内面段部とに
わたってスプリングを介在せしめた場合は、蛇口先端で
筒状パッキングを押圧した際に掛るスプリングの復元し
ようとする反発力により、常に前記パッキングは蛇口端
面に向けて押し上げられて強固に密着されるため、水圧
によるパッキング押し上げ力及びスカート部外面の中空
内部壁面への密着と共に強固にシールでき、かつ取付作
業も蛇口先端により筒状パッキングを押圧しながら蛇口
固定部材によって蛇口側面を締付けるのみであり大変使
用勝手もよい。

更に、蛇口が取付時に多少傾いていたとしても、スプリ
ングの自由な変形弾圧作用により筒状パッキングを蛇口
端面に平行に密着できるため水漏れの心配もなく大変有
用である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は取付け状態を
示す縦断側面図、第２図は筒状パッキングと継手本体の
内面段部とにわたってスプリングを介在した継手の縦断
側面図、第３図は第２図の（III）−（III）線断面図、
第４図は取付け状態を示す縦断側面図、第５図は従来例
を示す縦断側面図である。 尚、図中 （Ａ）（Ａ′）：継手、（１）：継手本体 （1b）：蛇口固定部材 （２）：筒状パッキング、（2b）：スカート部 （2b′）：スカート部外面 （2c）：切欠き、（３）：中空内部 （３′）：中空内部壁面、（７）：内面段部 （９）：上端内面、（10）：スプリング

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蛇口固定部材を備えた中空状継手本体の中
   空内部に、上端周縁にスカート部を設けてなる筒状パッ
   キングを上下摺動可能に備え、前記スカート部外面が前
   記中空内部壁面に摺接されていることを特徴とする蛇口
   用継手。
2. 【請求項２】筒状パッキングの上端内面と継手本体の内
   面段部とにわたってスプリングを介在せしめたことを特
   徴とする請求項１記載の蛇口用継手。