JP3001337U - 携帯用ガス器具の口金ガスケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この考案は、ガスボンベ口金とガス燃焼器と
の結合が不充分でガスケットへの圧縮が充分に達成され
ていない状態においても、ガス漏れが生ずるおそれのな
い口金ガスケットを提供せんとするものである。 【構成】 携帯に適した寸法、形状のガスボンベ１と、
該ガスボンベ１の口部に連結されるガス燃焼器５との連
結部分に装着され連結部分をシールする口金ガスケット
１３であって、板状のガスケットの下面にシールリング
１５を一体形成し、該シールリング１５の外周面をガス
ボンベ１の口金の内周面に密着させ、内周面を斜面に形
成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、携帯用ガス器具の口金ガスケット、更に詳しくはガスボンベと、 これに連結されるガス器具との連結部分の密封を行うための口金ガスケットの新 規なる構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、小寸法のガスボンベと、これに連結されるガス燃焼器とから成る携帯用 ガス器具は公知であり、ガス燃焼器の構造、機能によりガスコンロ、灯火等とし て用いられている。ガス燃焼器は、下部にガスボンベの口部口金にネジ等の手段 で連結し得る連結部を有し、該連結部の中心からガスボンベの口部を開弁し得る ステムが下方へ延び出し、更に連結部からのガス漏れを防止するために、ガスボ ンベの口部との間で挟持され弾力的に圧縮されるゴム板からなるガスケットを備 えている。

【０００３】 従来の口金ガスケットは、単純な板状ゴムから成り、ガスボンベの口金とガス 燃焼器の連結部との間で圧縮してシールする構造であるため、圧縮力が充分でな い場合、ガス漏れが生じて来るおそれがあった。特にステムの長さが規定寸法よ り長い場合、ガスボンベの口金にガス燃焼器の連結部が充分に結合される前、す なわちガスケットへの圧縮が充分に達成される前に、ガスボンベの口部が開弁さ れてしまい、ガス漏れが惹起されるという危険があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、ガスボンベ口金とガス燃焼器との結合が不充分でガスケットへの 圧縮が充分に達成されていない状態においても、ガス漏れが生ずるおそれのない 口金ガスケットの構造を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、この考案が採った手段は、携帯に適した寸法、形 状にガスボンベ(１)と、該ガスボンベ(１)の口部に連結されるガス燃焼器(５)と の連結部分に装着される口金ガスケットであって、板状のガスケットの下面にシ ールリング(15)を一体に形成し、該シールリング(15)の外周面をガスボンベの口 金(２)の内周面に密着させ、内周面を斜面に形成したことを特徴とする。

【０００６】 又、シールリング(15)が外周面を口金の内周面に、内周面をガス燃焼器(５)の 連結部(11)の外周面にそれぞれ密着し得る肉厚を有し、下方へ向って開放したく さび状の環状溝(16)が形成されていることを特徴とする。

【０００７】 又、くさび状環状溝(16)の外側の側壁の内周面を内側の側壁の内周面よりもゆ るやかな角度の斜面に形成したことを特徴とする。

【０００８】 更に、携帯に適した寸法、形状のガスボンベ(１)と、該ガスボンベ(１)の口部 に連結されるガス燃焼器(５)との連結部分に装着され連結部分をシールする口金 ガスケットであって、板状の口金ガスケット(13)の下面に、外周面を口金の内周 面に、内周面をガス燃焼器(５)の連結部(11)の外周面にそれぞれ密着し得る肉厚 を有したシールリング(15)を一体に形成し、該シールリング(15)に下方へ向って 開放したくさび状の環状溝(16)を形成し、該くさび状環状溝(16)の外側の側壁の 内周面を内側の側壁の内周面よりもゆるやかな角度の斜面に形成したことを特徴 とする。

【０００９】

【作 用】

口金ガスケットが、下方へ向って延出するシールリングを一体に有し、該シー ルリングの外周面は口金の内周面に密着し、その内周面は斜面に形成されている ので、ガス漏れが発生したとき、内周面に負荷されるガス圧でシールリングが外 方へ拡開して、口金内周面への弾性密着力が向上し、確実なシールが達成される 。

【００１０】 シールリングを肉厚とし、下方へ向って開放されたくさび状の環状溝を形成し 、シールリングの外周面を口金の内周面に、内周面を連結部の外周面に密着させ ることにより、より確実なガス漏れの防止を図り得る。又環状溝の外側の側壁の 内周面を内側の側壁の内周面よりもゆるやかな角度の斜面とすることにより、表 面積が増大し、肉厚が大きくなるためガス圧力による外方への弾性拡開力が増大 し、口金との弾性密着力が向上する。

【００１１】

【考案の効果】

この考案によれば、ステムが長い等の理由により、口金ガスケットへのガス燃 焼器とガスボンベとの連結部分における圧縮力が不充分である状態で、ガス漏れ が発生しても、ガス圧でシールリングが外方へ拡開して口金に弾力的に密着して 来るため、ガス漏れを確実に防止することが出来る。

【００１２】

【実施例】

以下に図面を参照しつつ、この考案の好ましい実施例を詳細に説明する。図に おいて、(１)は携帯に適した形状と寸法を有するガスボンベであって、加圧下に 燃料ガスが液状で充填、貯蔵される。ガスボンベ(１)の口部には、上面を開放し た皿状の口金(２)が密封状態で定着され、該口金(２)の中心には、ガス燃焼器の ステムと連係する開閉弁(３)が装着されている。開閉弁(３)の外周面には、ガス 燃焼器との連結用ネジ(４)が形成されている。

【００１３】 (５)は、ガスボンベ(１)に連結されるガス燃焼器であって、図示の実施例はガ スコンロの形態に形成されているが、これに限られるものではない。ランタンの 如き灯火や暖房器具であっても良いことは勿論であり、ガス燃焼器の構造、機能 は特に限定されない。

【００１４】 図示の実施例において、ガス燃焼器(５)は、上部にガスバーナー(６)を有し、 その下部にツマミ(７)で操作される流量調整弁(８)を備えた円柱状の弁ブロック (９)が、混合筒(10)を介して連結された構造からなる。弁ブロック(９)の下面中 央には内周面のネジにより前記ガスボンベの開閉弁(３)に螺着自在な円筒状の連 結部(11)が突設され、該連結部(11)の中心に開閉弁(３)と連係して、そこを開閉 し得るステム(12)が植立されている。かかるガス燃焼器(５)の構造は、特に限定 されるものではなく、従来周知のものである。

【００１５】 (13)は、この考案に係る口金ガスケットであって、口金(２)と弁ブロック(９) との間に介在し、ガスボンベ(１)とガス燃焼器(５)との連結部をシールしてガス 漏れを防止する。口金ガスケット(13)は前記円筒状の連結部(11)の外周部に装着 され中心孔(14)を有した板状の弾性密封材、例えば合成ゴムや合成樹脂或は、こ れらの複合物から成る。口金ガスケット(13)の下面には、肉厚のシールリング(1 5)が一体に形成され、該シールリング(15)の内周面は連結部(11)の外周面に、又 外周面は口金(２)の内周面にそれぞれ密着する。シールリング(15)の中央部には 、下面を開放した断面くさび状の環状溝(16)がシールリング(15)の円周方向に沿 って形成される。該環状溝(16)の対向する内周面(17)(18)は斜面に形成され、外 側の側壁の内周面(18)は、内側の側壁の内周面(17)よりもゆるやかな角度に形成 される。この結果、外側の側壁の内周面(17)の表面積が増大すると共に、肉厚が 大きくなるため、ガス圧がかかったとき外側への拡開力が増大すると共に、弾性 密着力が向上する。

【００１６】 連結部(11)を開閉弁(３)に螺挿して、ガス燃焼器(５)をガスボンベ(１)に連結 するに際して、ステム(12)の長さが規定よりも長くなっており、弁ブロック(９) と口金(２)との間で充分に口金ガスケット(13)に圧縮されておらない状態におい て、ステム(12)が開閉弁(３)に連係して開弁した場合、従来の単純な板状ガスケ ットでは、ガス漏れが発生していたが、この考案にあっては、漏出した燃料ガス がシールリング(15)の環状溝(16)に入り、内外の内周面(17)(18)にガス圧が負荷 されるため、シールリング(15)を外方及び内方へ拡開させて、連結部(11)の外周 面と口金(２)の内周面との密着力が高くなるため、口金(２)と弁ブロック(９)と の間からのガス漏れが阻止される。特に外側の内周面(18)は前記したようなゆる やかな角度の斜面に形成され、表面積が増大していると共に弾性密着力が向上し ているため、シールリング(15)と口金内周面との密封性が良好となり、ガス漏れ を確実に防止出来る。図示の実施例ではシールリング(15)は中央に環状溝(16)を 形成した肉厚のものとしたが、内周面を斜面とした外側の側壁のみをリング状に 形成して口金(２)との間のみをシールするようにしても良いことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の外観斜視図

【図２】要部の分解斜視図

【図３】要部の縦断面図

【図４】図５Ａ−Ａ′線に沿った断面図

【図５】口金ガスケットの斜視図

【符号の説明】

１ ガスボンベ ２ 口金 ３ 開閉弁 ４ 連結用ネジ ５ ガス燃焼器 ６ ガスバーナー ７ ツマミ ８ 流量調整弁 ９ 弁ブロック １０ 混合筒 １１ 連結部 １２ ステム １３ 口金ガスケット １４ 中心孔 １５ シールリング １６ 環状溝 １７ 内周面 １８ 内周面

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 携帯に適した寸法、形状のガスボンベ
   (１)と、該ガスボンベ(１)の口部に連結されるガス燃焼
   器(５)との連結部分に装着され連結部分をシールする口
   金ガスケットであって、板状のガスケットの下面にシー
   ルリング(15)を一体に形成し、該シールリング(15)の外
   周面をガスボンベの口金(２)の内周面に密着させ、内周
   面を斜面に形成したことを特徴とする携帯用ガス器具の
   口金ガスケット。
2. 【請求項２】 シールリング(15)が外周面を口金の内周
   面に、内周面をガス燃焼器(５)の連結部(11)の外周面に
   それぞれ密着し得る肉厚を有し、下方へ向って開放した
   くさび状の環状溝(16)が形成されていることを特徴とす
   る請求項(１)記載の口金ガスケット。
3. 【請求項３】 くさび状環状溝(16)の外側の側壁の内周
   面を内側の側壁の内周面よりもゆるやかな角度の斜面に
   形成したことを特徴とする請求項(２)記載の口金ガスケ
   ット。
4. 【請求項４】 携帯に適した寸法、形状のガスボンベ
   (１)と、該ガスボンベ(１)の口部に連結されるガス燃焼
   器(５)との連結部分に装着され連結部分をシールする口
   金ガスケットであって、板状の口金ガスケット(13)の下
   面に、外周面を口金の内周面に、内周面をガス燃焼器
   (５)の連結部(11)の外周面にそれぞれ密着し得る肉厚を
   有したシールリング(15)を一体に形成し、該シールリン
   グ(15)に下方へ向って開放したくさび状の環状溝(16)を
   形成し、該くさび状環状溝(16)の外側の側壁の内周面を
   内側の側壁の内周面よりもゆるやかな角度の斜面に形成
   したことを特徴とする携帯用ガス器具の口金ガスケッ
   ト。