JPH07157656A - 射出成形用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

射出成形用ポリアミド樹脂組成物

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JPH07157656A
JPH07157656A JP30433793A JP30433793A JPH07157656A JP H07157656 A JPH07157656 A JP H07157656A JP 30433793 A JP30433793 A JP 30433793A JP 30433793 A JP30433793 A JP 30433793A JP H07157656 A JPH07157656 A JP H07157656A
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monoamide
acid
nylon
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JP30433793A
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Hiroo Karasawa
啓夫 唐澤
Masaaki Iwamoto
正聰 岩元
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリアミド樹脂100重量部に対し、炭素数5
〜30のモノカルボン酸と炭素数10〜30のモノアミ
ンとからなるモノアミドを0.001〜10重量部配合
してなる射出成形用ポリアミド樹脂組成物。 【効果】本発明のポリアミド組成物は、流動性、離型性
が良好であるため成形サイクルを短縮することができ、
よって生産性を著しく向上させることができる。また得
られた成形品は外観が良好であって、機械特性的にも優
れた、特に高剛性でありながら靭性を兼ね備えた成形品
を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド樹脂とモノ
アミドとからなる、ハイサイクル性特に流動性、離型性
及び機械的性質、特に低温靭性に優れた射出成形用ポリ
アミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、優れた機械特性を始
めとして、耐摩耗性、電気的特性、耐薬品性及び加工性
などを有するため、エンジニアリングプラスチックとし
て広く用いられている。しかし、産業の高度化に伴って
ポリアミド樹脂に要求される諸物性もいっそう向上し、
かつ多様化している。
【0003】近年、高度化かつ多様化した要求特性の代
表的なものにハイサイクル性向上、低温での靭性などの
機械特性の向上などがある。ハイサイクル性が向上すれ
ば、成形周期を短くすることが可能となり、生産性を向
上させることができる。
【0004】ハイサイクル性向上の手段としては、ポリ
アミド樹脂の結晶化速度を向上させたり、金型からの離
型性を向上させたり、樹脂の流動性を改良させたりする
ことによって達成が可能である。
【0005】ポリアミド樹脂の結晶性向上のためには、
タルクに代表される無機結晶核剤を添加する方法が効果
的である。また、離型性の改良、および可塑化性の改良
を目的として、ポリアミドに、エチレンビスアミド(特
公昭44−9825)、ビスウレイド(特公昭48−6
177号公報、特開昭53−126056号公報)、ス
テアリン酸エステル(特開昭55−31803号公
報)、脂肪族カルボン酸系物質(特開昭54−1034
60号公報)などを配合する方法、流動性の改良を目的
としてアミド化合物(特公昭49−9618号公報)を
配合する方法が提案されている。
【0006】また、ポリアミド樹脂の応用展開の多様化
にともなって、低温靭性に代表される低温機械特性の向
上要求がある。この改良方法としてポリアミドの末端を
40%以上封鎖(特公平3−23093号公報)、55
%以上封鎖(特公平3−23094号公報)することな
どが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離型性
の改良、および可塑化性の改良を目的とした上記の方法
は、成形サイクルの短縮、離型性の向上が、いまだ満足
すべきものではなく、また、伸度に代表される靭性が著
しく低下するという問題もあった。
【0008】例えば、タルクのような無機結晶核剤を添
加した場合には、確かに結晶化速度は向上するものの靭
性も低下し、また射出成形した後、突き出しピンにより
金型から成形品を取出す際に変形する、いわゆる突き出
しピンによる変形(突き出し変形)も発生しやすいとい
う問題があった。この問題は、無機結晶核剤と離型剤を
同時に添加することによって必ずしも改良されるもので
はなかった。
【0009】ポリアミドの末端を封鎖する方法は確かに
離型性は改善されるものの、靭性が低く、また重合度が
上昇しにくいため生産性が良好とは言えない。
【0010】そこで本発明は、生産性に優れ流動性、離
型性をさらに改善しつつ、優れた機械特性、特に低温で
の折れ曲げ性、剛性に優れた射出成形用ポリアミド樹脂
組成物の取得を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、つま
り本発明者らは、ポリアミド樹脂に特定の構造を有する
モノアミドを配合した場合においてポリアミド樹脂単
独、ポリアミド樹脂に無機結晶核剤のみを配合した場合
や、ポリアミド樹脂に脂肪酸金属塩のみを配合した場合
からは到底予測のできない効果を発現することを見出
し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明はポリアミド樹脂100
重量部に対し、炭素数5〜30のモノカルボン酸と、炭
素数10〜30のモノアミンとからなるモノアミドを
0.001〜10重量部配合してなる射出成形用ポリア
ミド樹脂組成物である。
【0013】以下、本発明の構成をさらに具体的に説明
する。
【0014】ポリアミド樹脂単独では、成形品を金型か
ら取出す際の耐突き出し変形性が不良である。ポリアミ
ド樹脂に無機結晶核剤のみを配合した場合、靭性は不良
で、耐突き出し変形性もやや不良である。ポリアミド樹
脂に脂肪酸金属塩のみを配合した場合についても、得ら
れた成形品の強度、靭性などは良好となるものの、耐突
き出し変形性が不良となる。このようにポリアミドに、
本発明の特徴である特定の構造を有するモノアミドを添
加しない場合や、無機結晶核剤、脂肪酸金属塩などを単
独で添加した場合には必ずしも満足のいく特性向上は得
られなかった。
【0015】しかしこれに対して、本発明の特徴である
特定の構造を有するモノアミドを用いることによって、
少量の添加でハイサイクル性に必要な諸特性の向上す
る。詳しく述べるとポリアミド樹脂に特定の構造を有す
るモノアミドを配合した場合、またポリアミド樹脂に、
特定の構造を有するモノアミドと無機結晶核剤を配合し
た場合、靭性は優良または良好、耐突き出し変形性も良
好となる。また、ポリアミド樹脂に特定の構造を有する
モノアミドと脂肪酸金属塩を配合した場合にも、得られ
た成形品の強度、靭性が優良、耐突き出し変形性も良好
となる。
【0016】この特定の構造を有するモノアミドの効果
や特定の構造を有するモノアミドと無機結晶核剤の併用
効果あるいは、特定の構造を有するモノアミドと脂肪酸
金属塩の併用効果は、特定の構造を有するモノアミド未
添加や無機結晶核剤、脂肪酸金属塩、それぞれの単独添
加の結果からは到底予測できるものではなかった。
【0017】さらに、ポリアミド樹脂に特定の構造を有
するモノアミド、無機結晶核剤および脂肪酸金属塩を配
合したものは、結晶性、得られた成形品の強度、靭性、
成形時の耐突き出し変形性のいずれについても優れた性
能を発揮することは言うまでもない。
【0018】つまり、本発明の特徴はポリアミドと特定
の構造を有するモノアミドとからなることにより、流動
性、結晶性、離型性を向上させ、かつ機械特性、特に低
温靭性、剛性に優れた材料を見出した点にある。
【0019】以下、本発明について詳しく述べる。
【0020】本発明に用いるポリアミドとしては、例え
ば環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮
合物、二塩基酸とジアミンとの重縮合物などが挙げら
れ、具体的にはナイロン6、ナイロン46、ナイロン6
6、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、
ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシ
レンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルア
ミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポ
リ(テトラメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−
芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を
挙げることができる。特に本発明に好適なポリアミドと
してはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、
ナイロン66/6T、ナイロン6/6T、ナイロン66
/6T/6I(ここでTはテレフタル酸、Iはイソフタ
ル酸を示す)を挙げることができる。
【0021】ポリアミドの重合度については、特に限定
されないがJIS K6810に従って98%硫酸中濃
度1%、25℃で測定する相対粘度(ηr)が重合安定
性の点から1.7以上、加工性の点から4.5未満、特
に1.8以上4.0未満、さらに1.8以上3.5未満
であることが好ましい。本発明に用いるポリアミドの重
合方法は特に限定されず、溶融重合、界面重合、溶液重
合、塊状重合、固相重合、およびこれらの方法を組み合
わせた方法を利用することができる。通常、溶融重合が
好ましく用いられる。
【0022】本発明において用いられる特定の構造を有
するモノアミドの原料となるモノカルボン酸の炭素数は
5〜30、好ましくは8〜30、より好ましくは、10
〜28が好適に用いられる。モノカルボン酸の炭素数が
5未満の場合には離型性の改善が見られず、31以上の
場合はポリアミド樹脂との相溶性が低下するため、機械
物性の低下をまねくので好ましくない。モノカルボン酸
の具体的な例としては、カプロン酸、エナント酸、カプ
リル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラ
ウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル
酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノ
ナデカン酸、オレイン酸、リノール酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、
ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げら
れ、特にラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラ
キンジン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが好適である。
【0023】また、本発明において用いられる特定の構
造を有するモノアミドの原料となるモノアミンの炭素数
は10〜30、好ましくは12〜30、より好ましく
は、12〜25が好適に用いられる。モノカルボン酸同
様、炭素数が10未満の場合には離型性の改善が見られ
ず、31以上の場合はポリアミド樹脂との相溶性が低下
するため、機械物性の低下をまねくので好ましくない。
炭素数10〜30のモノアミンの具体的な例としては、
デシルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、ト
リデシルアミン、ミリスチルアミン、テトラデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステア
リルアミン、ノナデシルアミン、イコサルアミン、ドコ
サルアミン、テトライコサルアミン、ヘキサイコサルア
ミン、ヘプタイコサルアミン、オクタイコサルアミン、
トリアコンチルアミンなどが挙げられ、特にラウリルア
ミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミンが好適であ
る。
【0024】本発明の特定の構造を有するモノアミド
は、上記モノカルボン酸、モノアミンとを加熱反応させ
ることによって得られる。加熱温度は通常160〜32
0℃、好ましくは180〜300℃である。
【0025】本発明において、特定の構造を有するモノ
アミドの配合割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対
し、0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜
5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲で
用いられる。0.001重量部未満の場合、諸特性の改
善効果が見られず、また10重量部を越えると、流動
性、離型性は改善されるものの、成形時にガスが発生し
成形品の外観を損ねたり、機械特性が低下するので好ま
しくない。
【0026】さらに、本発明の特徴である特定の構造を
有するモノアミドを用いることによって、無機結晶核剤
や脂肪酸金属塩との特異的な併用効果が発現するという
特徴があることから、無機結晶核剤および/または脂肪
酸金属塩が好ましく配合される。
【0027】従来より、エチレンビスステアリルアミド
(EBS)に代表されるビスアミドがハイサイクル化に
有効であるとされてきたが、実施例中で示すようにこの
ようなビスアミドでは無機結晶核剤や脂肪酸金属塩との
特異的な併用効果は得られなかった。
【0028】本発明者らは、この点においても従来の技
術では予測のできない事象を新たに見出したものであ
る。
【0029】また、EBSに代表されるアミド結合の数
が分子内に2つ以内のアミド類と特定の構造を有するモ
ノアミドとをさらに併用することによっては本発明の特
異な効果は消失するものではなく、これらを併用するこ
とにより本発明の効果を損なわずに本発明に使用するモ
ノアミドの添加量を減少させることもできる。
【0030】本発明に用いる無機結晶核剤としては、特
に限定されないが、硫酸バリウム、燐酸三カルシウム、
炭酸カルシウム、燐酸ソーダ、螢石、アルミニウム硅酸
塩やマグネシウム硅酸塩などの珪酸塩が好ましく用いら
れる。アルミニウム硅酸塩やマグネシウム硅酸塩の例と
しては、カオリン、マイカ、タルクなどがある。特にタ
ルク、マイカ、カオリン、燐酸ソーダが本発明には有効
である。核剤の添加により、通常結晶化速度の上昇が認
められる。また、特に規定はないが、核剤の平均粒径は
10μm以下、好ましくは8μm以下、さらに好ましく
は5μm以下である。粒径が大きくなると補強効果が低
下するので好ましくない。
【0031】本発明に用いる脂肪酸金属塩としては、炭
素数10以上25未満、特に12以上22未満の脂肪酸
と、周期律表第I〜III 族の金属とから得られる脂肪酸
金属塩が好ましく用いられる。
【0032】脂肪酸の例としては、ステアリン酸、バル
ミチン酸、オレイン酸、アラギン酸、ベヘニン酸などを
挙げることができ、金属の例としては、亜鉛、カルシウ
ム、リチウム、アルミニウム、バリウムなどを挙げるこ
とができる。
【0033】前記の脂肪酸金属塩の例としては、例え
ば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸バリウムなどが好適に使用される。
【0034】本発明において、無機結晶核剤と脂肪酸金
属塩を用いる場合、その配合量は、ポリアミド樹脂と特
定の構造を有するモノアミドとからなる樹脂組成物10
0重量部に対し、合わせて0.001〜5重量部、好ま
しくは0.005〜3重量部、より好ましくは0.01
〜2重量部の範囲で用いられる。これらの使用により、
良好な結晶性が得られ、成形の際に良結晶化により成形
サイクルを短縮できる。これらが5重量部を越えると得
られた材料が脆くなるので、好ましくない。
【0035】本発明の組成物の製造方法は、特に限定さ
れず、ポリアミド重合時に添加する方法、重合後のドラ
イブレンドおよびペレット表面へ付着する方法、無機結
晶核剤と脂肪酸金属塩を重合時に、特定構造を有するモ
ノアミドを重合後に添加する方法、溶融混練による方
法、特定構造を有するモノアミドと無機結晶核剤および
/または脂肪酸金属塩の濃縮物ペレットを溶融混練によ
り作成し、その濃縮物ペレットをドライブレンドする方
法などいずれの方法で製造してもよい。溶融混練の方法
としては、公知の方法、例えばバンバリーミキサー、ミ
キシングロール、単軸あるいは2軸の押出機などを使用
して溶融混練し、混合体のペレットを得ることができ
る。
【0036】本発明のポリアミド樹脂組成物はその成形
性、物性を損なわない程度に他の成分、例えば本発明以
外のポリアミド成分、銅化合物、熱安定剤、耐候剤、無
機充填剤、補強剤、酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、顔
料、滑剤、難燃剤などを添加導入することが出来る。
【0037】本発明により得られる組成物は、ポリアミ
ド樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく、ポリ
アミド樹脂に不足していた新たな特性が付与された樹脂
組成物であり、良好な機械特性や良好な耐突き出し変形
性などから、射出成形用途に最も適している。このよう
な射出成形によって得られる製品としては、スイッチ
類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッ
チのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネク
タ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソ
ケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレ
ーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部
品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプー
リー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バ
ックル、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、キャス
ター、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶
縁部分、キャニスター、ヒューズボックス、エアクリー
ナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジン
グ、ホイールカバー、ベアリングリテーナー、シリンダ
ーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウォターパ
イプインペラ、クラッチレリーズベアリングハブ、スピ
ーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部
品、プリンターリボンガイドなどに代表される電気・電
子関連部品、自動車・車両関連部品、家庭・事務電気製
品部品、コンピュータ関連部品、ファクシミリ・複写機
関連部品、その他機械関連部品などが挙げられ、その他
各種用途に有用である。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。なお、各評価については、次
に述べる方法にしたがって測定した。
【0039】(1)引張特性 ASTM D−638に従って測定し、23℃での引張
強度および伸度、−10℃での伸度を求めた。
【0040】(2)曲げ特性 ASTM D−790に従って測定し、曲げ弾性率を求
めた。
【0041】(3)流動性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6では240
℃、ナイロン66では280℃、金型温度:80℃)を
用い、1mm厚の流動長試験片を樹脂圧1000kg/cm2
で成形し、試験片のスパイラル流動長を測定した。
【0042】(4)離型性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6では240
℃、ナイロン66では280℃、金型温度:80℃)を
用い、圧力センサー付箱型成形品(長さ100mm、幅
60mm、高さ25mm、肉厚2mm)を成形し、突き
出しピンによる突き出しの際の力を圧力センサーにより
測定し、10ショットの平均を離型力として示した。
【0043】(5)耐突き出し変形性 射出成形機(シリンダー温度:ナイロン6では240
℃、ナイロン66では280℃、金型温度:80℃)を
用い、帽子型成形品(上部2mmφ、下部3mmφ、1
6個付)を成形し、突き出しピンによる突き出しの際の
変形個数が0.5 /16になる射出時間を測定した。
【0044】実施例1〜8 ポリアミド樹脂であるナイロン6(表中N6と表示)
(ηr =2.5)およびナイロン66(表中N66と表
示)(ηr =2.62)に下記モノアミド(A〜C)、
平均粒径1.2μmの無機結晶核剤、脂肪酸金属塩を表
1の記載量をドライブレンドした後、30mmφ2軸押
出機で混練後、乾燥、成形し、試験片を得た。評価結果
を表1に示す。
【0045】[モノアミド] A:N−ステアリルステアリルアミド B:N−ラウリルステアリルアミド C:N−ステアリルアラキジンアミド これらの材料は、表面外観が良好であり、表1より明ら
かなように、流動性、離型性が良好であった。
【0046】また、機械特性でも、引張強度が高い(剛
性が高い)にも関わらず引張伸び(靭性)が保持され、
低温時においても引張伸び(靭性)が保持される良好な
ものであった。
【0047】
【表1】 比較例1〜2 実施例と同様のナイロンに下記モノアミド(D〜E)、
無機結晶核剤、脂肪酸金属塩を表2の記載量を実施例と
同様の方法で試験片を得て、同様の評価を行った。
【0048】[モノアミド] D:N−オクチルカプリルアミド E:N−ヘキシルラウリルアミド 表面外観は良好であったが、流動性、離型性、耐突き出
し変形性は十分とは言えなかった。
【0049】比較例3〜9 実施例と同様な方法で評価を行ったが、モノアミドの配
合量が多いもの(比較例3)は、流動性、離型性、耐突
き出し変形性は良好なものの引張強度、曲げ弾性率に示
される剛性が低下し、表面外観も悪かった。モノアミド
を配合しなかったもの(比較例4)は、本発明の組成物
より引張強度、引張伸度に示される機械特性が低く、流
動性、離型性、耐突き出し変形性が良好とは言えなかっ
た。無機結晶核剤のみを配合したもの(比較例5)は、
機械特性の向上がみられず、引張伸び(靭性)、離型
性、耐突き出し変形性ともに良好とは言えなかった。モ
ノアミドのかわりにEBSを配合したもの(比較例6)
は、引張特性、離型性、突き出し変形性ともに良好とは
言えなかった。モノアミドのかわりにEBSと無機結晶
核剤を配合したもの(比較例7)は、引張伸び(靭性)
が低下し、離型性、耐突き出し変形性が若干改良される
ものの十分とは言えなかった。脂肪酸金属塩のみを配合
したもの(比較例8)は、低温時の引張伸度、流動性、
離型性、耐突き出し変形性は良好とは言えなかった。モ
ノアミドのかわりにEBS、脂肪酸金属塩を配合したも
の(比較例9)は、低温時の引張伸度、離型性、耐突き
出し変形性が十分とは言えなかった。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のポリアミド組成物は、流動性、
離型性が良好で成形サイクルを短縮することができ、生
産性を著しく向上させることができるとともに得られた
成形品は良外観で機械特性にも優れたものを得ることが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂100重量部に対し、炭素
    数5〜30のモノカルボン酸と炭素数10〜30のモノ
    アミンとからなるモノアミドを0.001〜10重量部
    配合してなる射出成形用ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の射出成形用ポリアミド樹脂組成
    物100重量部に対し、無機結晶核剤及び/または、脂
    肪酸金属塩を0.005〜5重量部配合してなる射出成
    形用ポリアミド樹脂組成物。
JP30433793A 1993-12-03 1993-12-03 射出成形用ポリアミド樹脂組成物 Pending JPH07157656A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089773A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Ube Ind Ltd ナイロン樹脂成形品の接着用継手及び接着方法

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JP2003089773A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Ube Ind Ltd ナイロン樹脂成形品の接着用継手及び接着方法
JP4688373B2 (ja) * 2001-09-18 2011-05-25 宇部興産株式会社 ナイロン樹脂成形品の接着用継手及び接着方法

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